JP3768476B2 - ステッピングモータの駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はステッピングモータの角度および速度を制御するためのステッピングモータの駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献1】
IEE Proc.-Electr.Power Appl.,Vol.142,No.1,January 1995
【非特許文献2】
平成13年度電気学会産業応用部門大会講演論文110(第二分冊659頁)
装置の高機能化に伴いモータは低振動で広範囲に亘り回転できることが求められているが、ステッピングモータは各巻線の電流通電状態を外部より加える指令パルスの印加毎に切り替えることで回転するため、通電条件の切り替えに伴う振動の発生および脱調が問題となっている。
【0003】
振動低減のために、パルス幅変調方式(以下、PWM方式と記す)のインバータを用いて巻線通電電流を滑らかに変化させるマイクロステップ駆動が振動低減策として一般的である。この場合においても、指令パルスに対して遅滞なく巻線印加電圧の状態を変更する操作を繰り返しており、ロータは印加電圧の変化に追従する形で回転するが、ロータ回転角度(モータ回転実角度)とは無関係に通電条件を決定していることから、根本的に脱調を回避することはできない。
【0004】
このため、脱調を防ぐために、ロータ回転角度を検出する角度検出器を具備し脱調限界における適正な励磁条件を選択する制御方式が提案されている。
【0005】
脱調を防ぐためには、例えば非特許文献1に記載されているように、モータ励磁角度を制御する方式が考えられる。この非特許文献1によると、インクリメンタルエンコーダを用いて、通常状態ではステッピングモータを開ループ制御で駆動し、指令パルスとエンコーダにより検出されたロータ回転角度との差である角度偏差の値に応じて励磁タイミングを変更し、脱調を回避するとともに高速回転を実現することができる。
【0006】
図6は非特許文献1に示された従来のステッピングモータの駆動装置を示すブロック図である。図に示されるように、指令および帰還信号受信部311は角度指令入力端子316から角度指令信号θ*を入力し、またエンコーダ340からロータ回転角度に応じた角度検出信号θfを入力し、速度判定器314は指令および帰還信号受信部311の出力を入力して速度を判定し、位置偏差計数器315は指令および帰還信号受信部311の出力を入力して位置偏差を計数し、制御アルゴリズム実行部312は指令および帰還信号受信部311、速度判定器314、位置偏差計数器315の出力を入力して制御アルゴリズムを実行し、パルス信号発生器313は制御アルゴリズム実行部312の出力を入力してパルス信号を発生し、トルク発生部320はパルス信号発生器313からのパルス信号を入力してステッピングモータ動力部330を制御している。
【0007】
図6に示されたステッピングモータの駆動装置では、巻線インダクタンスのためにモータ励磁電流が印加電圧に対して遅相となることを見込んで、モータ励磁タイミングを指令角度よりも進める操作を行ない、安定な制御系を簡単な構成で実現している。すなわち、同期運転可能な状態においては、角度指令信号θ*を直接励磁信号として用い、同期運転が維持できない場合か維持できない状態になりつつある場合には、ロータ回転角度に対して励磁条件を決定しており、励磁の基準を切り替えることにより脱調を回避している。そして、励磁の切り替え条件は、進角度を変更した時のモータ回転数対最大トルク発生条件を実験で求めている。
【0008】
図7は非特許文献2に示された従来のステッピングモータの駆動装置を示すブロック図である。図に示されるように、演算器22は角度指令入力端子10に加えられる角度指令信号θ*、ステッピングモータ80のロータ軸に接続されたエンコーダ90の信号を角度演算器(角度演算手段)91によって回転角度に変換した角度検出信号θfを用いて進角度γを演算する。ここで、角度検出信号θfはステッピングモータ80のロータ回転角度に応じている。また、電流検出器55、56はモータ相電流iαf、iβfを検出し、座標変換器(座標変換手段)61はモータ相電流iαf、iβfを進角度γを用いて回転座標系電流idf、iqfに変換する。すなわち、座標変換器61は進角度γを用いて固定座標系から回転座標系へ変換する。また、加算器(加算手段)51はd軸電流指令入力端子31に加えられるd軸電流指令id *と回転座標系電流idfとの差分すなわち電流偏差を求め、加算器(加算手段)52はq軸電流指令入力端子32に加えられるq軸電流指令iq *と回転座標系電流iqfとの差分すなわち電流偏差を求める。また、電流制御器(電流制御手段)53、54は加算器51、52の出力すなわち電流偏差を増幅し、座標変換器(座標変換手段)62は演算器22、電流制御器53、54の出力を入力して、回転座標系から固定座標系へ変換する。また、PWMインバータ70は座標変換器62の出力を入力してステッピングモータ80に対して所定の電圧を印加し、ステッピングモータ80を回転させる。
【0009】
ここで、同期電動機の一種であるステッピングモータは、例えば非特許文献2に記載されているように、負荷トルク電流(q軸成分電流)をiq、速度起電力をEemf、モータ巻線インピーダンスをZ、モータ印加電圧(コイル印加電圧)をV、モータ巻線抵抗をR、モータ回転角周波数(電気角)をωre、係数をk、インピーダンス角をφ、負荷トルク(モータ発生トルク)をT、コイルに入る磁束をΦとすると、負荷トルクTに対応した適正な進角度γを(1)式で決定することができる。この進角度γとは、モータ磁束に対するモータ印加電圧Vの位相角である。
【0010】
また、巻線インダクタンスをLとすると、インピーダンス角φは(2)式で表される。
【0011】
φ=tan−1(ωreL/R) (2)
また、このときの負荷トルクTは(3)式で表される。
【0012】
但し、(1)式および(3)式の導出にあたり、(4)式から(7)式の関係が成り立つものとし、定常状態を考え、pLd=pLq=0(p;微分演算子)とした。高速回転時においてはR≪ωreL、低速回転時においてはR≫ωreLとして近似が可能である。
【0013】
νd=kVcosγ (4)
νq=kVsinγ (5)
Ld=Lq=L (6)
Z=R+jωreL (7)
(1)式において、モータ巻線抵抗R、巻線インダクタンスLの値は既知とすることができるから、負荷トルク電流iq、モータ回転角周波数ωreによって進角度γを決定することで、ステッピングモータは任意の回転数で負荷トルクTに平衡した状態を維持することができる。すなわち、進角度γを制御することで最大発生トルク範囲内でステッピングモータを脱調することなく、回転制御可能となることが分かる。
【0014】
また、電源電圧をV0とすると、(8)式が成り立つ。
【0015】
(8)式において、通常電源電圧V0は一定であるから、モータの最大モータ印加電圧は電源電圧V0以下となる。ωreΦは速度起電力Eemfである。
【0016】
図8は(8)式においてωreΦ>V0の場合についてモータ内部電圧の関係を示す図である。図に示すように、モータ印加電圧Vはd軸方向のリアクタンス降下ωreLiqである線分ACと、q軸方向のリアクタンス降下ωreLidである線分CB、およびq軸方向の速度起電力の逆方向分−ωreΦ=−Eemfである線分OAのベクトル合成値線分OBとなる。円Pは半径がV0の円を示す。図8はモータのモータ印加電圧位相を制御することで、速度起電力Eemfが電源電圧V0を超える回転数までモータを駆動できることを示すものである。ゆえに、図7に示した従来のステッピングモータの駆動装置では(1)式を基に進角制御を行なうことが可能である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図6に示した従来のステッピングモータの駆動装置においては、ステッピングモータの定数変化に対応するために事前にモータ特性を調査し、適正な励磁角度の切り替え条件を把握する必要がある。また、角度偏差の大きさで励磁の基準を指令側とロータ回転角度とで切り替えを行なうため、切り替え操作が頻繁に発生する場合、切り替えの前後で励磁角度が微妙に変化するため振動が発生するという問題が生じる。
【0018】
また、図7に示した従来のステッピングモータの駆動装置においては、(1)式に示す負荷トルクTまたは負荷トルクTに対抗するモータトルク発生に必要な負荷トルク電流iqの変化に応じて進角度γを制御するため、負荷トルクTを検出するか負荷トルクTに対抗するモータトルク電流を推定する必要があるが、負荷トルクTの検出またはモータトルク電流の推定は困難であり、システム構成も複雑で演算時間が長くなり、コストも高くなるという問題点があった。
【0019】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、複雑な演算を行なう必要がなく、高速に処理が可能であり、しかも振動が発生することがないステッピングモータの駆動装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明においては、ロータ回転角度に対してモータ印加電圧の位相を制御するステッピングモータの駆動装置において、外部から得る指令角度と上記ロータ回転角度との差である角度偏差を演算する角度偏差演算手段と、上記角度偏差と所定値とを比較し、上記角度偏差が上記所定値以下の場合には上記角度偏差を出力し、上記角度偏差が上記所定値を超えた場合は一定値を出力する偏差値処理手段とを設け、上記偏差値処理手段の出力と、上記ロータ回転角度の時間微分値を係数倍した速度補償値と、上記角度偏差と上記ロータ回転角度の時間微分値とを乗じたのち係数倍した偏差補償値とを上記ロータ回転角度に加算した値で上記モータ印加電圧の位相を制御する。
【0022】
また、ロータ回転角度に対してモータ印加電圧の位相を制御するステッピングモータの駆動装置において、外部から得る指令角度と上記ロータ回転角度との差である角度偏差を演算する角度偏差演算手段と、上記角度偏差と所定値とを比較し、上記角度偏差が上記所定値以下の場合には上記角度偏差を出力し、上記角度偏差が上記所定値を超えた場合は一定値を出力する偏差値処理手段とを設け、上記偏差値処理手段の出力と、上記指令角度の時間微分値を係数倍した速度補償値と、上記角度偏差と上記指令角度の時間微分値とを乗じたのち係数倍した偏差補償値とを上記ロータ回転角度に加算した値で上記モータ印加電圧の位相を制御する。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は参考例のステッピングモータの駆動装置を示すブロック図である。図に示すように、進角制御器(進角制御手段)20は角度指令信号θ*、角度検出信号θfを入力して進角度γを演算し、座標変換器62は進角制御器20、電流制御器53、54の出力を入力して、回転座標系から固定座標系へ変換し、PWMインバータ70は座標変換器62の出力を入力してステッピングモータ80に対して所定の電圧を印加し、ステッピングモータ80を回転させる。
なお、座標変換器61は、進角制御器20の出力である進角度γを用いて、モータ相電流iαf、iβfを回転座標系の電流idf、iqfに変換する。
【0024】
図2は図1に示したステッピングモータの駆動装置の進角制御器の詳細を示す図である。図に示すように、進角制御器20は角度偏差演算部(角度偏差演算手段)201、偏差値処理部(偏差値処理手段)202および加算器(加算手段)203を有し、角度偏差演算部201は角度指令信号θ*と角度検出信号θfとを入力して角度偏差信号εsを出力し、偏差値処理部202は角度偏差信号εsと所定値(電気角)θref(たとえば90度)とを比較し、角度偏差信号εsが所定値θref以下となったときには出力λとして角度偏差信号εsを出力し、角度偏差信号εsが所定値θrefを超えたときは出力λとして一定値(たとえば90度)を出力する。また、加算器203は偏差値処理部202の出力λに角度検出信号θfを加算して進角度γを求める。
【0025】
すなわち、図1、図2に示したステッピングモータの駆動装置においては、外部から得る指令角度とロータ回転角度との差である角度偏差を演算する角度偏差演算部201と、角度偏差と所定値とを比較し、角度偏差が所定値以下の場合には角度偏差を出力し、角度偏差が所定値を超えた場合は一定値を出力する偏差値処理部202とを設け、偏差値処理部202の出力をロータ回転角度に加算した値でモータ印加電圧の位相を制御する。
【0026】
図3は(1)式におけるモータ回転角周波数ωreに対する進角度γの変化を示すグラフである。図3において、線aは(1)式第1項の値の変化を示すもので、(1)式第1項の値はインピーダンス角φであり、モータ回転角周波数ωreの増加とともに90度に漸近する。また、線b1、b2は(1)式第2項の値の変化を示すもので、線b1は負荷トルクTが大きい場合を示し、線b2は負荷トルクTが小さい場合を示し、(1)式第2項の値はモータ回転角周波数ωreの増加とともに増加し、(1)式第2項の値の最大値は90度である。また、線c1、c2は(1)式の値すなわち進角度γの変化を示すもので、線c1は負荷トルクTが大きい場合を示し、線c2は負荷トルクTが小さい場合を示す。
【0027】
これに対してハイブリッド形ステッピングモータは周知の通り電流と磁束の外積に比例したトルクを発生するため、電流と磁束との相対角度すなわち負荷角をδ、モータ印加電圧と磁束との相対角すなわち角度偏差をε(ε=φ+δ)、モータの最大トルクをTHとすると、負荷トルクTは(9)式で近似できる。
【0028】
T=THsinδ=THsin(ε−φ) (9)
(9)式から負荷トルクTと角度偏差εとの関係は(10)式で表される。
【0029】
ε=φ+sin−1(T/TH) (10)
(9)式、(10)式はロータ回転角度を基準に角度を定義している。したがって、進角度γに角度偏差εを用いることで、負荷トルクTを検出する場合と同等の効果を得ることができる。ただし、(10)式は第1項φがモータ回転角周波数ωreの変化に対して0から90度の範囲で変化し、第2項もT≦THで0から90度まで変化するため、角度偏差εを用いる範囲を90度以内の所定値に止めることで、全速度領域で(10)式が成り立つ。
【0030】
すなわち、偏差値処理部202の出力λを角度検出信号θf(ロータ回転角度)に加算した値でモータ印加電圧の位相を制御するように構成することで、常にロータ回転角度を基に進角度γを決定することができ、基準を変える操作が発生せず、図6に示したステッピングモータの駆動装置のように振動発生原因として問題となる励磁基準の切り替え操作を行なわない構成とすることができる。
【0031】
したがって、図1、図2に示したステッピングモータの駆動装置においては、負荷トルク電流iqの変化に応じて進角度γを制御したり、複雑な演算を行なう必要がなく、高速に処理が可能な進角制御システムを安価に実現でき、しかも振動が発生することがない。すなわち、簡単な操作でステッピングモータの適正進角度を常に一定の処理内容で、切り替え操作なしに行なうことが可能であるから、低振動で、脱調を回避しつつ高速領域まで回転を維持することができる。
【0032】
図4は本発明に係るステッピングモータの駆動装置の一部を示すブロック図である。図に示すように、微分器(微分手段)221は角度検出信号θfを時間微分し、乗算器(乗算手段)211は角度偏差信号εsと微分器(微分手段)221の出力すなわちモータ回転速度信号とを乗算し、係数器(係数手段)212は乗算器211の出力を係数倍し、係数器(係数手段)222は微分器221の出力を係数倍している。そして、乗算器211と係数器212とで偏差補償部(偏差補償手段)210が構成され、微分器221と係数器222とで速度補償部(速度補償手段)220が構成されている。また、加算器(加算手段)204は偏差値処理部202の出力λに角度検出信号θf、偏差補償部210の出力および速度補償部220の出力を加算して進角度γを求める。
【0033】
すなわち、図4に示したステッピングモータの駆動装置においては、偏差値処理部202の出力と、ロータ回転角度の時間微分値を係数倍した速度補償値と、上記角度偏差と上記ロータ回転角度の時間微分値とを乗じたのち係数倍した偏差補償値とをロータ回転角度に加算した値でモータ印加電圧の位相を制御する。
【0034】
このようなステッピングモータの駆動装置においては、偏差補償部210が設けられているから、係数を適当に選択することで(1)式第2項を一次関数で近似することができる。また、速度補償部220が設けられているから、サンプリング処理などの速度に比例した角度誤差を独立に補正することができる。
【0035】
また、図5は本発明に係る他のステッピングモータの駆動装置の一部を示すブロック図である。図に示すように、微分器(微分手段)223は角度指令信号θ*を時間微分し、乗算器211は角度偏差εと微分器223の出力すなわちモータ回転速度信号とを乗算し、係数器222は微分器223の出力を係数倍している。そして、微分器223と係数器222とで速度補償部(速度補償手段)224が構成されている。また、加算器(加算手段)205は偏差値処理部202の出力λに角度検出信号θf、偏差補償部210の出力および速度補償部224の出力を加算して進角度γを求める。
【0036】
すなわち、図5に示したステッピングモータの駆動装置においては、偏差値処理部202の出力と、指令角度の時間微分値を係数倍した速度補償値と、角度偏差と指令角度の時間微分値とを乗じたのち係数倍した偏差補償値とをロータ回転角度に加算した値でモータ印加電圧の位相を制御する。
【0037】
このようなステッピングモータの駆動装置においても、係数を適当に選択することで(1)式第2項を一次関数で近似することができ、また速度補償部224が設けられているから、サンプリング処理などの速度に比例した角度誤差を独立に補正することができる。また、微分器223は角度指令信号θ*を時間微分しているから、モータ振動などのモータ回転速度変動の影響を受けずらい安定した制御を実現できる。
【0038】
なお、上述実施の形態においては、角度検出器にエンコーダ90を用いているが、例えばレゾルバなどの相当性能のセンサであれば代替が可能であり、またモータ軸直結のセンサである必要もない。また、上述実施の形態においては、電流検出器55、56を用い電流制御を行なったが、電圧駆動方式のドライバについても適用可能である。また、上述実施の形態においては、2相ステッピングモータについて詳述したが、多相ステッピングモータにおいても本発明は適用可能である。また、進角制御器はマイクロプロセッサを用いることで容易に実現可能であるが、例えばアップダウンカウンタを用いて角度偏差を計算し、上記アップダウンカウンタの所定下位桁を出力信号とすることで角度偏差検出部と偏差信号処理部とを同時に構成することもできる。また、ステッピングモータの駆動装置をソフトウエアで処理する場合には、処理内容を簡略化したことにより高価で高機能のCPUを必要とせず安価な処理回路で進角制御機能を実現できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係るステッピングモータの駆動装置においては、複雑な演算を行なう必要がなく、高速に処理が可能であり、しかも振動が発生することがない。
【0040】
また、偏差値処理手段の出力と、ロータ回転角度の時間微分値を係数倍した速度補償値と、角度偏差とロータ回転角度の時間微分値とを乗じたのち係数倍した偏差補償値とをロータ回転角度に加算した値でモータ印加電圧の位相を制御したときには、係数を適当に選択することで(1)式第2項を一次関数で近似することができ、またサンプリング処理などの速度に比例した角度誤差を独立に補正することができる。
【0041】
また、偏差値処理手段の出力と、指令角度の時間微分値を係数倍した速度補償値と、角度偏差と指令角度の時間微分値とを乗じたのち係数倍した偏差補償値とをロータ回転角度に加算した値でモータ印加電圧の位相を制御したときには、係数を適当に選択することで(1)式第2項を一次関数で近似することができ、またサンプリング処理などの速度に比例した角度誤差を独立に補正することができ、さらにモータ振動などのモータ回転速度変動の影響を受けずらい安定した制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例のステッピングモータの駆動装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示したステッピングモータの駆動装置の進角制御器の詳細を示す図である。
【図3】(1)式におけるモータ回転角周波数ωreに対する進角度γの変化を示すグラフである。
【図4】 本発明に係るステッピングモータの駆動装置の一部を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る他のステッピングモータの駆動装置の一部を示すブロック図である。
【図6】従来のステッピングモータの駆動装置を示すブロック図である。
【図7】従来の他のステッピングモータの駆動装置を示すブロック図である。
【図8】モータ内部電圧の関係を示す図である。
【符号の説明】
10…角度指令入力端子
20…進角制御器
31…d軸電流指令入力端子
32…q軸電流指令入力端子
51…加算器
52…加算器
53…電流制御器
54…電流制御器
55…電流検出器
56…電流検出器
61…座標変換器
62…座標変換器
70…PWMインバータ
80…ステッピングモータ
90…エンコーダ
91…角度演算器
201…角度偏差演算部
202…偏差値処理部
203…加算器
204…加算器
205…加算器
210…偏差補償部
211…乗算器
212…係数器
220…速度補償部
221…微分器
222…係数器
223…微分器
224…速度補償部
Claims (2)
- ロータ回転角度に対してモータ印加電圧の位相を制御するステッピングモータの駆動装置において、外部から得る指令角度と上記ロータ回転角度との差である角度偏差を演算する角度偏差演算手段と、上記角度偏差と所定値とを比較し、上記角度偏差が上記所定値以下の場合には上記角度偏差を出力し、上記角度偏差が上記所定値を超えた場合は一定値を出力する偏差値処理手段とを具備し、上記偏差値処理手段の出力と、上記ロータ回転角度の時間微分値を係数倍した速度補償値と、上記角度偏差と上記ロータ回転角度の時間微分値とを乗じたのち係数倍した偏差補償値とを上記ロータ回転角度に加算した値で上記モータ印加電圧の位相を制御することを特徴とするステッピングモータの駆動装置。
- ロータ回転角度に対してモータ印加電圧の位相を制御するステッピングモータの駆動装置において、外部から得る指令角度と上記ロータ回転角度との差である角度偏差を演算する角度偏差演算手段と、上記角度偏差と所定値とを比較し、上記角度偏差が上記所定値以下の場合には上記角度偏差を出力し、上記角度偏差が上記所定値を超えた場合は一定値を出力する偏差値処理手段とを具備し、上記偏差値処理手段の出力と、上記指令角度の時間微分値を係数倍した速度補償値と、上記角度偏差と上記指令角度の時間微分値とを乗じたのち係数倍した偏差補償値とを上記ロータ回転角度に加算した値で上記モータ印加電圧の位相を制御することを特徴とするステッピングモータの駆動装置。
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