JP4929586B2 - 封止用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、光デバイスや電子デバイス、光電子デバイスを外部環境から保護するための封止に用いる封止用組成物、封止剤、および該封止剤を用いた封止方法に関する。本発明の封止剤は、ダイオード、トランジスタ、IC等の半導体の電子部品や、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンス(以下、EL)素子等の表示素子、光磁気ディスク等の高密度記録媒体、太陽電池、光導波路等の封止に用いることができる。
光デバイスや電子デバイス、光電子デバイスは、周囲の温度変化や湿度変化などによって大きく影響を受けるため、液状樹脂等で封入され、外部環境から保護された状態で使用されることは良く知られている。また、近年半導体チップの実装方法として、裸(ベア)の状態のチップを直接プリント回路基板に接続するフリップチップ実装が注目されている。これはベア・チップの素子形成面の金属バンプ電極をプリント回線基板上に形成されている電極パッドに溶融接続するものであり、回路基板とチップとの間には応力低減のためにアンダーフィル剤という封止剤が用いられている(特許文献1、2)。
また、液晶ディスプレイは2枚の平行な液晶基板の間に液晶が封止され、液晶基板上に透明電極が積層されている構造からなり、この液晶を封止するためのシール材として封止剤が使用されている。従来、シール材には熱硬化型エポキシ樹脂が使用されてきた。しかし、このような熱硬化型エポキシ樹脂では150〜180℃という高温で2時間程度加熱する必要があり、生産性が上がらないという問題があった。
このような熱硬化方式とは別に、生産性を向上させるためや、熱に弱い基材を封止する目的で、紫外線硬化型封止材組成物が検討されているが(特許文献3、4)、硬化に必要な照射エネルギーは大きく、更なる生産性の向上が望まれている。
一方ELディスプレイは、素子を構成するガラス基板と気密性容器とを接着(封止)するためのシール材として封止剤が使用されている。ELの素子には、無機EL素子と有機EL素子とがある。有機EL素子は、高輝度、高効率、高速応答性、多色化の点で無機EL素子より優れているが、耐熱性が低く、耐熱温度は80〜100℃程度である。このため、有機ELディスプレイのシールにおいては、シール材として熱硬化型エポキシ樹脂を用いても十分に加熱硬化できないという問題があった。近年、低温速硬化が可能な光硬化型シール材の開発が試みられている。しかし、光照射を行う際に、波長350nm未満の光を照射すると、有機EL素子の有機色素が劣化して、発光強度が不十分となる問題があるうえ、波長350nm以上の光の照射では、硬化性は未だ不十分である(特許文献5)。
さらに、発光ダイオードを樹脂により封止する提案が数多くなされている。なかでも白色LEDは、大幅な省エネルギーを実現し得る照明用光源として注目されている。そのため、発光ダイオード素子(LEDチップ)からの放出光を、いかに効率よく取り出すかが重要であり、LEDチップの封止剤には、無着色、高透明性のものが求められている(特許文献6)。
特開2003−238691号公報 特開2003−277712号公報 特開平11−199651号公報 特開2000−191751号公報 特開2004−231938号公報 特開2004−221405号公報
本発明の目的は、少ない活性エネルギー線の照射量で硬化し、且つ透明性の高い封止用組成物を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明者は、鋭意研究の結果、上記課題をすべて解決する材料を開発するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(2)または下記式(11)で表されるスルホニウムカチオンと下記一般式(1)で表されるボレートアニオンとを含んでなり、波長350nmのモル吸光係数が、3000から25000の範囲である酸発生剤(A)、および、カチオン重合性化合物(B)を含んでなる封止用組成物に関する。

一般式(2)


式(11)

(ただし、R1、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、および、アシル基のいずれかで置換されたフェナシル基を
2 およびR3 はそれぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基を
4 は酸素原子もしくは孤立電子対を示す。
また、R1 、R2 およびR3はその2個以上の基が結合して環状構造となってもよい。)
一般式(1)
(ただし、Yはフッ素または塩素原子、
Zは、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基の中から選ばれる基で2つ以上置換されたフェニル基、
mは0から3の整数、nは1から4の整数を表し、m+n=4である。)
更に本発明は、カチオン重合性化合物が、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物であることを特徴とする上記封止用組成物に関する。
また本発明は、上記封止用組成物を含んでなる封止剤に関する。
また本発明は、上記封止剤を基材の一部もしくは全面に塗布もしくは充填した後、波長350nmから450nmの少なくとも一部の光を含む光を照射して、前記封止剤を硬化させることを特徴とする封止物の製造方法に関する。
また本発明は、上記封止剤を基材の一部もしくは全面に塗布もしくは充填した後、波長350nmから450nmの少なくとも一部の光を含む光を照射して、前記封止剤を硬化させることを特徴とする基材の封止方法に関する。
本発明の封止用組成物は少ない活性エネルギー線の照射量で硬化し、エネルギー線による架橋硬化後は、高い耐熱性、耐久性、透明性、接着力を得ることができる。また、本発明の封止用組成物は酸発生剤(A)を使用していることにより、エネルギー線の照射により速やかに所望の重合度までカチオン重合が進行するため、高い作業性と接着力を有している。また、少量のエネルギー線の照射においても、効率的に非常に強い酸を発生するため、活性エネルギー線の照射時間の短縮による作業性の向上や、エネルギー線照射による基材の劣化を低減することも可能である。本発明の封止用組成物は、種々のデバイスの封止用途に用い得る。
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
[酸発生剤(A)]
まず初めに、本発明で用いられる酸発生剤(A)について説明する。本発明で用いられる酸発生剤(A)はエネルギー線の照射により酸を発生する材料であり、酸発生剤から発生した酸がカチオン重合性化合物(B)のカチオン重合による架橋を開始かつ促進させる機能を有している。
本発明で用いられる酸発生剤(A)の特徴は、波長350nmのモル吸光係数を3000から25000の範囲に調整することにより、エネルギー線、特に350nmから450nmの波長領域の光照射に対する大幅な高感度化を実現している。そのため本発明の酸発生剤(A)は、単独で使用することも可能であり、且つ増感剤を併用する場合も、その使用量を最小限に抑えることが出来るために、本発明の封止用組成物の高透明性を維持することが可能である。
酸発生剤(A)が波長350nmのモル吸光係数を3000から25000の範囲に調整するためには、スルホニウムカチオン部位に、例えば、一般式(2)で示されるような特定の構造を有させることで実現できる。
本発明の酸発生剤(A)の波長350nmのモル吸光係数が3000未満の場合、該波長領域の光照射において十分な酸を発生することが出来ないために、本発明の封止用組成物の硬化が不十分となる。
また、本発明で用いられる酸発生剤(A)の波長350nmのモル吸光係数が25000を超える場合、酸発生剤(A)由来の着色が原因となり、本発明の封止用組成物の高透明性が維持出来ない。
本発明で用いられる酸発生剤(A)から酸を発生するために使用するエネルギー線源は特に限定されないが、特に好適な感度を発現する350nmから450nmの波長領域の光を照射できる光源が好ましく、上記波長領域の光と同時に他のエネルギー線を発していても良い。特に好ましい光源としては、350nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源であり、具体例としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、パルス発光キセノンランプ等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、Nd−YAG3倍波レーザー、He−Cdレーザー、窒素レーザー、Xe−Clエキシマレーザー、Xe−Fエキシマレーザー、半導体励起固体レーザー等の350nmから450nmの波長領域に発光波長を有するレーザーも好適なエネルギー線源として使用することができる。また、電子線も好適なエネルギー線源として使用することが可能である。本発明の酸発生剤はいずれも350nmから450nmの波長領域に好適な吸収を有しており置換基によって吸収特性がやや異なるが、上記した光源を適宜選択することにより、非常に高感度な感エネルギー線酸発生剤として機能することが可能である。また、これらの光源は適宜、フィルター、ミラー、レンズ等の光学機器を介して照射することも可能である。
次に、本発明で用いられる酸発生剤(A)の構造について詳細に説明する。
本発明で用いられる酸発生剤(A)は、一般式(2)または式(11)で表されるスルホニウムカチオンと一般式(1)で表されるボレートアニオンとからなるオニウム塩型の酸発生剤である。スルホニウムカチオンは、その還元電位が高いこと、すなわち、電子受容性が高いことがあげられる。そのため、エネルギー線、ことに光の照射によって、分解し、容易に酸を発生する。
一般式(2)

式(11)
(ただし、R1、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、および、アシル基のいずれかで置換されたフェナシル基を
2 およびR3 はそれぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基を
4 は酸素原子もしくは孤立電子対を示す。
また、R1 、R2 およびR3はその2個以上の基が結合して環状構造となってもよい。)
一般式(2)における置換基R1、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、および、アシル基のいずれかで置換されたフェナシル基であり、具体的には一般式(3)で表される構造である。
(ただし、R5ヘテロ原子を含んでよい炭素数4から24の単環または縮合多環アリール基、置換されたヘテロ原子を含んでよい炭素数4から24の単環または縮合多環アリール基を表す。ただし、さらに、350nmから450nmの波長領域の光を吸収するための後述の置換基を必要とする。
6およびR7それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、アルコキシル基、置換されたアルコキシル基、アリールオキシ基、置換されたアリールオキシ基、アルケニル基または置換されたアルケニル基を表す。
ただし、R5、R6およびR7は一体となって、環を形成してもよい。)
以下に本発明で用いられる酸発生剤(A)を構成するスルホニウムカチオン中の置換基について説明する。まず、本発明の酸発生剤(A)を構成する一般式(3)で表されるスルホニウムカチオンにおける置換基R5において、
テロ原子を含んでよい炭素数4から24の単環または縮合多環アリール基としては、一般式(7)〜一般式()から選ばれる構造のいずれかである。
(ただし、R8は、それぞれ独立にアリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基を表す。
9は、アルキル基、アリール基、アシル基またはアルケニル基を表す。
R(Rj、Rk、Rl、Rp)は、一般式(8)〜一般式()に共通して、それぞれ独立にアリール基アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基を表す
j、k、l、pは置換基Rが置換されている個数を表し、jは1〜5の整数を表す。kは、一般式(8)〜一般式()に共通して、0〜4の整数を表す。lは0〜3の整数を表す。pは0〜3の整数を表す。ただし、k+lは必ず1以上である。さらに、隣接した、R同士、R8同士、もしくは、RとR9 、互いに共有結合によって環構造を形成していてもよい。
なお、一般式(8)〜一般式()において、上記以外の置換位置で一般式(3)の炭素原子と結合していても良い。)
また、本発明で用いられる酸発生剤(A)が、350nmから450nmの波長領域の光を吸収するため導入する置換基としては、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシル基である。
本発明で用いられる酸発生剤(A)を構成する一般式(2)における置換基R2とR3、一般式(3)おける置換基R6とR7 一般式(9)における置換基R9 おけるアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、sec−ペンチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる酸発生剤(A)を構成する一般式(3)おける置換基R6とR7、一般式(7)における置換基R8、一般式(9)における置換基R9 一般式()〜一般式()における置換基Rにおけるアリール基としては、置換基R5でアリール基として例示したものと同一の置換基を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、一般式(9)における置換基R9において、これらのアリール基は上記以外の置換位置で窒素原子と結合していてもよく、それらも本発明のR9で表記される置換基の範疇に含まれる。
本発明で用いられる酸発生剤(A)を構成する一般式(3)おける置換基R6とR7 おけるアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられ、それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる酸発生剤(A)を構成する一般式(3)おける置換基R6とR7、一般式(7)における置換基R8 一般式()〜一般式()における置換基Rにおけるアルコキシル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルコキシル基があげられ、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、sec−ペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる酸発生剤(A)を構成する一般式(3)おける置換基R6とR7、一般式(7)における置換基R8 一般式()〜一般式()における置換基Rにおけるアリールオキシ基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる酸発生剤(A)を構成する一般式(7)における置換基R8、一般式(9)における置換基R9、一般式()〜一般式()における置換基Rにおけるアシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族基が結合したカルボニル基、あるいは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4から18の単環状あるいは縮合多環状芳香族が結合したカルボニル基が挙げられ、それらは構造中に不飽和結合を有していてもよく、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、シンナモイル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる酸発生剤(A)を構成する一般式(7)における置換基R8、一般式(7)〜一般式()における置換基Rにおけるアルキルチオ基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる酸発生剤(A)を構成する一般式(7)における置換基R8、一般式(7)〜一般式()における置換基Rにおけるアリールチオ基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基、2−フリルチオ基、2−チエニルチオ基、2−ピロリルチオ基、6−インドリルチオ基、2−ベンゾフリルチオ基、2−ベンゾチエニルチオ基、2−カルバゾリルチオ基、3−カルバゾリルチオ基、4−カルバゾリルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上述した本発明の酸発生剤(A)を構成する一般式(2)における置換基R2とR3、一般式(3)おける置換基R6とR7 一般式(9)における置換基R9 おけるアルキル基、
一般式(3)おける置換基R5、一般式(3)おける置換基R6とR7、一般式(7)における置換基R8、一般式(9)における置換基R9 一般式(7)〜一般式()における置換基Rにおけるアリール基
一般式(3)おける置換基R6とR7 おけるアルケニル基、
般式(3)おける置換基R6とR7、一般式(7)における置換基R8 一般式(7)〜一般式()における置換基Rにおけるアルコキシル基、
般式(3)おける置換基R6とR7、一般式(7)における置換基R8、一般式(7)〜一般式()における置換基Rにおけるアリールオキシ基、
一般式(7)における置換基R8、一般式(9)における置換基R9、一般式(7)〜一般式()における置換基Rにおけるアシル基、
一般式(7)における置換基R8、一般式()〜一般式()における置換基Rにおけるアルキルチオ基、
一般式(7)における置換基R8、一般式()〜一般式()における置換基Rにおけるアリールチオ基、さらに他の置換基で置換されていてもよく、そのような他の置換基としては、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、sec−ペンチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基などが挙げられる。
アリール基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1ーナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、9−フルオレニル基、2−フラニル基、2−チエニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−アクリジニル基等が挙げられる。
アシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、あるいは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4から18の単環状あるいは縮合多環状芳香族が結合したカルボニル基が挙げられ、
それらは構造中に不飽和結合を有していてもよく、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、シンナモイル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、9−アンスロイル基、5−ナフタセノイル基などを挙げられる。
アルコキシル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルコキシル基があげられ、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、sec−ペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、等を挙げることができる。
アリールオキシ基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニルオキシ基、あるいは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4から18の単環状あるいは縮合多環状芳香族が結合したカルボニルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ミリストイルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトノイルオキシ基、イソクロトノイルオキシ基、オレオイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、2−ナフトイルオキシ基、シンナモイルオキシ基、3−フロイルオキシ基、2−テノイルオキシ基、ニコチノイルオキシ基、イソニコチノイルオキシ基、9−アンスロイルオキシ基、5−ナフタセノイルオキシ基などを挙げることができる。
アルキルチオ基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、ヘテロ原子を含んでよい炭素数4〜18の単環または縮合多環アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基、2−フリルチオ基、2−チエニルチオ基、2−ピロリルチオ基、6−インドリルチオ基、2−ベンゾフリルチオ基、2−ベンゾチエニルチオ基、2−カルバゾリルチオ基、3−カルバゾリルチオ基、4−カルバゾリルチオ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
置換基R2は2価の有機残基を介してR6、R7、R8、R9 およびRのいずれかと互いに結合し、環構造を形成していてもよい。また、置換基R6、R7は2価の有機残基を介してR8、R9 およびRのいずれかと結合し、環構造を形成してもよい。ここでいう2価の有機残基とは、炭素数1〜4の置換基を有してもよいアルキレン基、置換を有しても良いアリーレン基、アリールアルキレン基、もしくは−C=C−、−O−、−S−、−NH−、−SO2−、−CO−、−COO−、−OCOO−、−CONH−、−SO2−O−及びこれらの結合を一部に有するような置換基を有しても良いアルキレン基を意味する。
次に、本発明で用いられる酸発生剤(A)を構成するボレートアニオンについて説明する。
本発明で用いられる酸発生剤(A)を構成するボレートアニオンは、以下の一般式(1)で示される。
一般式(1)
(ただし、Yはフッ素または塩素原子、
Zは、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基の中から選ばれる基で2つ以上置換されたフェニル基、
mは0から3の整数、nは1から4の整数を表し、m+n=4である。)
一般式(2)における置換基Zとしては、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,3,4,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリフルオロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ジニトロフェニル基、2,4,6−トリフルオロ−3,5−ジニトロフェニル基、2,4−ジシアノフェニル基、4−シアノ−3,5−ジニトロフェニル基、4−シアノ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基等があげられるが、これらに限定されるものではない。
したがって、一般式(2)で表記されるのボレートアニオンの構造として、具体的には、ペンタフルオロフェニルトリフルオロボレート、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルトリフルオロボレート、ビス(ペンタフルオロフェニル)ジフルオロボレート、ビス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ジフルオロボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)フルオロボレート、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]フルオロボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート等があげられる。
この内、一般式(1)で表記されるアニオンとして特に好ましいものは、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレートである。
その理由として、比較的容易に合成でき、発生する酸が非常に強く、高い溶解度と高い安全衛生性を有することが挙げられる。
本発明で用いられる酸発生剤(A)は上記で例示したスルホニウムカチオンと各種アニオンの組み合わせからなる。
以下に具体的な構造を示すが、本発明の酸発生剤の構造はそれらに限定されるものではない。

ただし、上記構造式中のX-は、以下に示した構造から選ばれるアニオンいずれであってもよい。
本発明で用いられる酸発生剤(A)は、1種または2種以上を組み合わせて使用される。また、熱による酸発生剤を併用することも可能である。被着される基材の熱安定性が高い場合には、これらを併用して、光照射後に加熱することにより、さらに速やかにカチオン重合性化合物(B)の架橋を進行させることが可能である。
本発明で用いられる酸発生剤(A)の使用量は、100重量部のカチオン重合性化合物(B)に対して、0.01重量部〜20重量部の範囲内が好ましく、特に好ましくは、0.5重量部〜10重量部である。酸発生剤(A)の添加量が0.01重量部未満の場合、カチオン重合による重合または架橋が十分に進行せず、良好な封し度合が得られない場合がある。また、酸発生剤(A)の添加量が20重量部より多い場合、封止用組成物中の低分子成分が多すぎるため、十分な凝集力や封止度合が得られない場合があり、且つ、酸発生剤(A)由来の着色が原因となり硬化後の高透明性が得られない場合がある。
[カチオン重合性化合物(B)]
次にカチオン重合性化合物(B)について説明する。カチオン重合性化合物(B)は、活性エネルギー線の照射により酸発生剤(A)から発生する酸により架橋する。カチオン重合性化合物(B)は、分子内にカチオン重合性の官能基、例えば、ビニルエーテル基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、オキセタニル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基、水酸基を有する種々のモノマー、オリゴマーまたはポリマーを用いることができる。また、これらの官能基を有するポリマーについても限定されず、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリエーテル系、天然ゴム、ブロック共重合体ゴム、シリコーン系などの各ポリマーを用いることができる。
上記カチオン重合性化合物(B)は、単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。上記カチオン重合性化合物(B)としては、好ましくは、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基を有する化合物が用いられる。特に好ましくは、エポキシ基、オキセタニル基を有する化合物が用いられる。これらの官能基の重合は比較的反応性が高く、かつ硬化時間が短いため、封止工程の短縮を図ることができる。
エポキシ基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、異節環状型エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのアルコール型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂などのハロゲン化エポキシ樹脂、ゴム変成エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基含有ポリエステル樹脂、エポキシ基含有ポリウレタン樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は常温で液体であっても良いし、固体であっても良い。また、エポキシ基含有オリゴマーも好適に用いることができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシオリゴマー(例えば、油化シェルエポキシ社製、エピコート1001、1002等)を挙げることができる。さらに、上記エポキシ基含有モノマーやオリゴマーの付加重合体を用いてもよく、例えば、グリシジル化ポリエステル、グリシジル化ポリウレタン、グリシジル化アクリルなどを挙げることができる。
なかでも、光カチオン重合性がより高く、少ない光量でもより効率的に光硬化が進行することから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が好適に用いられる。これらのエポキシ基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
上記脂環式エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、1,2:8,9−ジエポキシリモネン、4−ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ノルボルネンモノエポキサイド、リモネンモノエポキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペート、ビス−(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]ヘキサフルオロプロパン、BHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂(軟化点71℃)等があげられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、例えば1,4−ブタンジオールジクリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールモノグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグルコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグルコールモノグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グルセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等があげられるが、これらに限定されるものではない。
オキセタニル基を有する化合物としては、例えば、フェノキシメチルオキセタン、3,3−ビス(メトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン等があげられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の封止用組成物には、カップリング剤として、シランカップリング剤またはチタネートカップリング剤を用いることもできる。これらを用いることで、本発明の封止用組成物による硬化物と基材との接着性を高めることができる。
ここで、シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、さらに、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
特に、エポキシシラン、アミノシラン、メルカプトシランが好ましい。
一方、チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジイソプロピル
ビス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホス
ファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、
テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイ
トチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビ
ス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
これらのカップリング剤は、単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用することもできる。このときカップリング剤の使用量は、カチオン重合性化合物(B)全量に対して0.1〜1重量部の範囲が好ましい。
また、本発明の封止用組成物は、酸発生剤(A)を使用した効果により、増感剤を用いなくともエネルギー線、特に350nmから450nmの波長領域の光照射に対して非常に迅速かつ確実に硬化することが可能であるが、必要に応じて増感剤を併用して用いてもよい。
本発明と併用することができる増感剤の例としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ナフタセン誘導体、ペリレン誘導体、ペンタセン誘導体等の縮合多環芳香族誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノール誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、フェノチアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、カルバゾール誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体等があげられ、その他さらに具体的には大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)、フォトポリマー懇話会編、「感光材料リストブック」(1996年、ぶんしん出版)に記載の色素および増感剤があげられるがこれらに限定されるものではなく、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。
これらの増感剤のうち、好ましいものとしては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体の縮合多環芳香族誘導体および、フェノチアジン誘導体、カルバゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体があげられ、中でも特に好ましいものとして、アントラセン誘導体があげられる。
これらの具体例としては、アントラセン、1−アントラセンカルボン酸、2−アントラセンカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、9−アントラアルデヒド、9,10−ビス(クロロメチル)アントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、9−ブロモアントラセン、1−クロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、9−シアノアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、9,10−ジシアノアントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジブチルアントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ジ−p−トリルアントラセン、9,10−ビス(p−メトキシフェニル)アントラセン、2−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−メチルアントラセン、9−フェニルアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジフェノキシアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸ナトリウム、1,4,9,10−テトラヒドロキシアントラセン、2,2,2−トリフルオロー1−(9−アンスリル)エタノール、1,8,9−トリヒドロキシアントラセン、1,8−ジメトキシ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、9−ビニルアントラセン、9−アントラセンメタノール、9−アントラセンメタノールのトリメチルシロキシエーテル、フェノチアジン、N−エチルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン。1,4−ジメトキシナフタレンなどが挙げられる。
上記増感剤を併用する場合の添加量は特に限定されないが、本発明の酸発生剤100重量部に対し、0〜100重量部が好ましい。
本発明で用いられる酸発生剤(A)は酸発生剤として十分高い感度を有しているが、他の酸発生剤と併用して用いることも可能である。酸発生剤(A)と併用することが可能な酸発生剤は特に限定されず、「PAG」、「酸発生剤」、「光酸発生剤」、「光重合開始剤」、「カチオン重合開始剤」、「重合触媒」等の名称で業界公知の材料を適宜選択して使用することできる。また、他の酸発生剤を使用する場合は、単独または複数組み合わせて使用することも可能である。
本発明で用いられる酸発生剤(A)と併用することが可能な他の酸発生剤としては、まず、オニウム塩系化合物が挙げられる。このようなオニウム塩系化合物の例としては、スルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、ホスホニウム塩系、ジアゾニウム塩系、ピリジニウム塩系、ベンゾチアゾリウム塩系、スルホキソニウム塩系、フェロセン系の化合物が挙げられ、これらの構造は特に限定されず、ジカチオンなどの多価カチオン構造を有していてもよく、カウンターアニオンも公知のものを適宜、選択して使用することができる。
また、本発明で用いられる酸発生剤と併用することが可能なオニウム塩以外の感エネルギー線酸発生剤としては、ニトロベンジルスルホナート類、アルキルまたはアリール−N−スルホニルオキシイミド類、ハロゲン化されていてもよいアルキルスルホン酸エステル類、1,2−ジスルホン類、オキシムスルホナート類、ベンゾイントシラート類、β−ケトスルホン類、β−スルホニルスルホン類、ビス(アルキルスルホニル)ジアゾメタン類、イミノスルホナート類、イミドスルホナート類、トリハロメチルトリアジン類などのトリハロアルキル基を有する化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる酸発生剤(A)と併用する他の酸発生剤の比率は特に限定されないが、本発明の酸発生剤(A)100重量部に対して0〜99重量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明の封止用組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして基材上に塗布して用いることができる。ここで使用する溶媒は、本発明の封止用組成物を均一に溶解できるものであれば特に限定されない。具体例としては1,1,2,2−テトラクロロエタン、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルメトキシプロピオナート、エチルエトキシプロピオナート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、エチレングリコールモノエチルエ一テルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエ一テル、プロピレングリコールモノメチルエ一テルアセテート、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル、エトキシプロピオン酸エチル、N,N一ジメチルホルムアミド、N,N一ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどが好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
本発明の封止用組成物は、本発明の封止樹脂用組成物は、耐熱性、密着性、硬度などの特性を向上する目的で無機充填剤を配合してもよい。具体的には、溶融シリカ粉末、結晶シリカ粉末、アルミナ、ジルコン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリウム、ジルコニア、タルク、クレー、水酸化アルミニ
ウム、等の粉体、またはこれらを球形化したビーズ、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化ケイ素、アルミナ等の単結晶繊維、ガラス繊維等を1種類以上配合して用いることができる。これら無機充填剤の中で、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。その使用量は、封止用組成物全量100質量部に対して0〜2000質量部が好ましい。また、無機充填剤は予め充分混合しておくことが
好ましい。
さらに必要に応じて、接着性をより向上させるための接着性付与剤、粘度を調整するための粘度調整剤、チキソトロープ性(揺変性)を付与するためのチキソトロープ剤(揺変性付与剤)、引張り特性等を改善されるための物性調整剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、光(活性エネルギー線)硬化性を向上させるための「ラジカル重合性不飽和基を有する化合物と光ラジカル開始剤」等を用いても良い。
本発明の封止用組成物の酸発生剤(A)から酸を発生させ、カチオン重合性化合物(B)を重合または架橋させるために使用するエネルギー線は、酸発生剤(A)が吸収して分解し、酸を発生できるものであり、被着体にダメージを与えないものであれば特に限定されない。このようなエネルギー線の例としては光酸発生剤(A)の説明で述べたエネルギー線と同様である。また、基材を劣化させない範囲で必要に応じて、例えば加熱硬化等の他の硬化手段を併用しても良い。上記加熱硬化を併用する場合の加熱温度は特に限定されるものではないが、50〜100℃であることが好ましい。
本発明の封止用組成物は、基本的に基材上で硬化することで、基材を外部環境から保護するための封止剤として用いられる。本発明の封止用組成物を塗布もしくは充填する対象物は特に限定されず、平面状のもの、立体状のもの、凹凸のあるものなどあらゆるものに塗布して使用することが可能である。
ここで、本発明の基材について説明する。本発明の封止用組成物を塗布もしくは充填するために使用する基材は特に限定されず、公知の材料はいかなるものも使用可能である。例えば、PETフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ポリイミドに代表される合成樹脂フィルム、各種紙類、布、不織布、アルミ箔に代表される金属箔、アクリル版等の樹脂板、金属板、木材、発泡体、ガラス、ガラスエポキシ基板などの回路基板材料などが挙げられる。
さらに、光源、検出、受動などのオプトデバイスや、発光ダイオード素子、トランジスタ、集積回路、大規模集積回路、サイリスタなどの半導体素子も本発明の基材に含まれる。
また、有機EL素子基板のように、上記記載の基材上に積載または形成された素子、回路も本発明の基材に含まれる。
半導体素子等を封止する場合、本発明の封止用組成物を用いた最も一般的な封止方法としては、低圧トランスファー方式があるが、射出成形、圧縮成形、注型等による封止も可能である。封止用組成物で封止後、活性エネルギー線の照射によって硬化させることで、半導体素子の封止を行う。
より詳しく説明すると、例えばガラス、セラミック、プラスチック、シリコーンゴム等の活性エネルギー線の通過しやすい材質からなる型に、本発明の封止用組成物を入れ、半導体素子を浸漬しそのまま活性エネルギー線を照射して硬化させた後、脱型する方法である。
また、液晶パネルや有機ELパネルの場合は、基本的に2つの基材を接着させる方法で封止を行う。本発明の封止用組成物が2つの基材に接触する順番は、特に限定はない。基材の上に塗布する場合には剥離加工された基材上に塗布した後に、ロールやラミネーターを使用して別の基材に転写した後に剥離加工された基材を剥離し、実質的に本発明の封止用組成物1層のみからなる接着シートとして存在することが可能である。
液晶パネルの封止方法について、より詳しく説明すると、ディスペンサー等を用いて本発明の封止用組成物を、ガラス基板の平面外周に開口部1つを残して塗布し、塗布したガラス基板と同じ大きさのガラス基板を、封止剤層がガラス基板間になるように重ね合わせて、活性エネルギー線を照射させ硬化させ、開口部から液晶を注入し、開口部を封口する。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに、なんら限定されるものではない。
本発明の実施例および比較例に使用した酸発生剤および増感剤の構造を表1に示した。なお酸発生剤については、波長350nmのモル吸光係数εも示した。
表1
(実施例1)
酸発生剤(A)として、化合物(1)を2重量部と、カチオン重合性化合物(B)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「エピコート828」、ジャパンエポキシレジン社製)を70重量部とナフタレン型エポキシ樹脂30重量部とを混合し、封止用組成物を作製した。縦30mm×横15mm×深さ5mmの金型に、調整した封止用組成物を注入し、十分に脱泡した後、10mm角のアルミニウム配線を有する評価用シリコン素子を浸漬した。その後、波長350nm以下の光をカットする光カットフィルターを装着した、ウシオ電気株式会社製の水銀−キセノンランプUXM−200YAの光を3000mJ/cm2照射した。光照射後、硬化物は十分硬化しており、シリコン素子が封止された硬化物が得られた。
(実施例2〜5および比較例1〜6)
実施例1の酸発生剤(A)2重量部を、表2に示した酸発生剤それぞれ2重量部、増感剤を表2に記載の化合物および添加量に置き替えた他は、実施例1と全く同一の所作にて封止用組成物を調整し、シリコン素子を封止した試験片を得た。得られた試験片の硬化性、耐ヒートサイクル性、PCT耐性の結果を表2に示した。なお、各評価方法は以下の通りに行った。
1)硬化性
5・・・内部まで十分硬化している。

0・・・全く硬化していない。
2)耐ヒートサイクル性
得られた試験片を−40℃で1分間、次に100℃で10分間放置を1サイクルとして10回繰り返し、試験片の状態を観察した。
○・・・全く異常がない。
△・・・ややクラックの発生が見られる。
×・・・クラックが全面的に発生している。
3)プレッシャークッカー(PCT)耐性
試験片をオートクレーブに入れ、121℃、2気圧、相対湿度100%の飽和条件にて300時間放置した後取り出して、試験片の状態を確認した。
○・・・全く異常がない。
△・・・素子の部分にやや変色がある。
×・・・全面に発色が発生し、素子に腐食が発生している。
実施例1〜5のように、波長350nmのモル吸光係数が3000から25000の範囲である酸発生剤を使用した封止用組成物を使用した場合、硬化性、耐ヒートサイクル性、PCT耐性の全ての面において優れていることがわかる。一方、比較例で用いた酸発生剤を使用した場合は、増感剤を併用しないと全く硬化しない(比較例1〜3)か、十分な封止特性が得られないことがわかる(比較例4,5)。
(実施例6)
酸発生剤(A)として、化合物(1)を2重量部と、カチオン重合性化合物(B)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「エピコート828」、ジャパンエポキシレジン社製)を70重量部とナフタレン型エポキシ樹脂30重量部とを混合し、封止用組成物を作製した。この封止用組成物を、バーコーターを用いてガラス板上に膜厚100μmとなるように塗布し、その後、波長350nm以下の光をカットする光カットフィルターを装着した、ウシオ電気株式会社製の水銀−キセノンランプUXM−200YAの光を3000mJ/cm2照射した。光照射後、硬化物は十分硬化しており、その硬化物は無色透明であった。
(実施例7〜10および比較例7〜12)
実施例6の酸発生剤(A)2重量部を、表に示した酸発生剤それぞれ2重量部、増感剤を表3に記載の化合物および添加量に置き替えた他は、実施例6と全く同一の所作にて封止用組成物を調整し、ガラス板上に硬化物を得た。得られた硬化物の透明性の結果を表3に示した。
実施例6〜10のように、波長350nmのモル吸光係数が3000から25000の範囲である酸発生剤を使用した封止用組成物を使用した場合、その硬化物は無色透明である。一方、比較例のように、本発明で定義した酸発生剤以外を用いた場合、増感剤が未添加では硬化せず(比較例7〜9)、増感剤を併用すると着色があり、透明性が低下する。さらに、カチオンとしてヨードニウム塩を用いた場合、硬化性、耐ヒートサイクル性、PCT耐性はまずまずの結果が得られるものの(表2 比較例6)、透明性に関しては、増感剤の影響だけではなく、酸発生剤の分解物が大きく影響し、著しく劣る結果となった。
本発明の封止用組成物は少ない活性エネルギー線の照射量で硬化し、エネルギー線による架橋硬化後は、高い耐熱性、耐久性、透明性、接着力を得ることができる。また、本発明の封止用組成物は酸発生剤(A)を使用していることにより、エネルギー線の照射により速やかに所望の重合度までカチオン重合が進行するため、高い作業性と接着力を有している。また、少量のエネルギー線の照射においても、効率的に非常に強い酸を発生するため、活性エネルギー線の照射時間の短縮による作業性の向上や、エネルギー線照射による基材の劣化を低減することも可能である。本発明の封止用組成物は、ダイオード、トランジスタ、IC等の半導体の電子部品や、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンス(以下、EL)素子等の表示素子、光磁気ディスク等の高密度記録媒体、太陽電池、光導波路等の封止用途に用い得る。

Claims (5)

  1. 下記一般式(2)または下記式(11)で表されるスルホニウムカチオンと下記一般式(1)で表されるボレートアニオンとを含んでなり、波長350nmのモル吸光係数が、3000から25000の範囲である酸発生剤(A)、および、カチオン重合性化合物(B)を含んでなる封止用組成物。

    一般式(2)


    式(11)

    (ただし、R1、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、および、アシル基のいずれかで置換されたフェナシル基を
    2 およびR3 はそれぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基を
    4 は酸素原子もしくは孤立電子対を示す。
    また、R1 、R2 およびR3はその2個以上の基が結合して環状構造となってもよい。)

    一般式(1)

    (ただし、Yはフッ素または塩素原子、
    Zは、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基の中から選ばれる基で2つ以上置換されたフェニル基、
    mは0から3の整数、nは1から4の整数を表し、m+n=4である。)
  2. カチオン重合性化合物が、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の封止用組成物。
  3. 請求項2記載の封止用組成物を含んでなる封止剤。
  4. 請求項3記載の封止剤を基材の一部もしくは全面に塗布もしくは充填した後、波長350nmから450nmの少なくとも一部の光を含む光を照射して、前記封止剤を硬化させることを特徴とする封止物の製造方法。
  5. 請求項3記載の封止剤を基材の一部もしくは全面に塗布もしくは充填した後、波長350nmから450nmの少なくとも一部の光を含む光を照射して、前記封止剤を硬化させることを特徴とする基材の封止方法。
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