JP4929421B2 - 周波数可変型複合共振回路 - Google Patents

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Description

本発明は、共振周波数が可変な複合共振回路に関する。
圧電振動子等の固有共振周波数を利用する電子部品においては、その零位相周波数、すなわち共振周波数を変える手段として、直列にコンデンサ等のリアクタンス素子を接続する方法が周知であるが、圧電振動子等の物理的定数を変化させて、周波数範囲自体を変えることができない。その結果、広い可変範囲に亘って周波数を変えようとすると、出力そのものが低下してしまうという欠点がある。
例えば、特許文献1に、90°の位相差を持った4相の信号を入力するための4個の入力端子と、4相の信号を出力するための回路からなるRCポリフェーズ・フィルタが開示されている。このフィルタでは、抵抗やコンデンサ等の非ゼロリアクタンス下、即ち、共振周波数を持たない素子を用いて、疑似共振ピーク電圧を生じせしめているが、周波数範囲自体を変化させることはできない。
一方、従来技術に圧電変換子において、所望の広い周波数範囲で機能させる為には、その共振先鋭度Q値を必要値まで劣化させて対応する方法が公知であるが、外部雑音電力の影響を受けやすいと言う欠点を持つ。又、周波数の異なる複数個の圧電変換子を並置することで、広い周波数帯域であって、且つ、共振先鋭度Q値を劣化させない方法もあるが、その放射ビームの位置を一致させることができなく、更に、圧電変換子部分の大きさが大きくなり、小型化が難しくなると言う欠点を持っている。
要約すれば、従来の複合共振回路においては、例えば、コイルやコンデンサからなる共振素子の物理定数を変化させない限り、共振周波数可変範囲の幅を設定することができなかった。
特開2006−319115
本発明は、コイルやコンデンサ等からなる共振素子の物理定数を変えず且つ実効的な共振先鋭度Q値を劣化させることなく、広い周波数範囲に亘って、共振周波数可変範囲を高い自由度にて設定可能とする複合共振回路を提供することを目的とする。
本発明に係る複合共振回路は、入力端子と、第1及び第2入力ポートを有する共振ユニットと、前記入力端子に供給された入力信号に対して互いに異なる位相シフトを施し、当該位相シフト後の信号の各々を前記共振ユニットの前記第1及び第2入力ポートに供給する第1及び第2位相シフト回路と、を含み、前記第1位相シフト回路と前記第1入力ポートとの間及び前記第2位相シフト回路と前記第2入力ポートとの間に、前記第1及び第2位相シフト回路からのシフト出力を前記共振ユニットに中継する第1及び第2中継回路がそれぞれ接続されている。
かかる複合共振回路によれば、コイルやコンデンサ等からなる共振素子の物理定数を変えず且つ実効的な共振先鋭度Q値を劣化させることなく、広い周波数範囲に亘って、共振周波数可変範囲を高い自由度にて設定可能である。例えば、第1及び第2位相シフト回路と共振ユニットとを組み合わせた回路の特性(例えば、共振周波数範囲、共振先鋭度等)に対して、数種類の第1及び第2中継回路を設計しておいて、共振ユニットの出力が用途に依存した共振周波数範囲、共振先鋭度等となるように、最適なゲイン及びインピーダンスを有する中継回路を選択して複合共振回路を設計することも考えられる。
図1は、本発明の第1実施例の複合共振回路の回路図である。 図2は、図1の複合共振回路の内部抵抗可変型駆動回路の回路図である。 図3は、内部抵抗及び出力電圧と可変減衰器の伝達度の関係を示す図である。 図4は、本発明の第2実施例の複合共振回路の回路図である。 図5は、補償関数の概念説明図である。 図6は、補償前の周波数特性例を示す図である。 図7は、補償後の周波数特性例を示す図である。 図8は、本発明の第3実施例の複合共振回路の回路図である。
1 複合共振回路、
2 基準端子、
3 入力端子、
SG 標準信号発生器、
f 標準信号発生器SGより出力される周波数
4 第1位相制御回路
5 第2位相制御回路
6 共振回路
7 第1中継回路
8 第2中継回路
11 第1内部抵抗可変型駆動回路
12 第2内部抵抗可変型駆動回路
13 負帰還増幅器
14 入力側加算回路
15 出力側加算回路
17 関数変換器群
22 第1の出力調整回路
23 第2の出力調整回路
34 関数変換器群
図1に本発明の複合共振回路に係る実施例1を示す。図1に示すように、複合共振回路1は、入力端子3と、第1のポートの端子TR11及び第2のポートの端子TR21を有する共振回路6と、入力端子3に供給された周波数fの入力信号に対して互いに異なる位相シフトφ1及びφ2を施し、当該位相シフト後の信号の各々を前記共振回路6の第1のポートの端子TR11及び第2のポートの端子TR21に供給する第1の位相制御回路4及び第2の位相制御回路5と、を含む。前記第1の位相制御回路4と第1のポートの端子TR11との間及び第2の位相制御回路5と第2のポートの端子TR21との間に、第1の位相制御回路4及び第2の位相制御回路5からのシフト出力を前記共振ユニットに中継する第1及び第2中継回路11、12がそれぞれ接続されている。尚、実施例1においては、第1及び第2中継回路11、12は第1及び第2の内部抵抗可変型駆動回路11、12として説明されている。第1及び第2の内部抵抗可変型駆動回路11、12の各々の自身の出力インピーダンスが互いに独立して可変である。出力インピーダンスが制御信号に応じて互いに独立して可変である。
図1に示した複合共振回路1の各構成要素についてさらに詳しく説明する。図1の複合共振回路1の入力端子3は、標準信号発生器SGに接続されており、出力が一定に維持され且つ周波数fが連続的に掃引される入力信号が複合共振回路1の入力端子3に印加される。入力信号は第1の位相制御回路4の入力端子T1及び第2の位相制御回路5の入力端子T2にそれぞれ供給される。
第1の位相制御回路4は、入力端子T1及び位相制御出力端子TD11を有する。入力端子T1は入力端子3に接続され、位相制御出力端子TD11は第1の内部抵抗可変型駆動回路11の入力端子TI11に接続されている。第1の位相制御回路4は、入力端子T1から入力信号を入力する。また、第1の位相制御回路4は、入力端子T1に印加される入力信号の位相をφ1だけシフトさせる。さらに、第1の位相制御回路4は、φ1だけ位相がシフトされた信号を位相制御出力端子TD11から第1の内部抵抗可変型駆動回路11の入力端子TI11に出力する。
第2の位相制御回路5は、入力端子T2及び位相制御出力端子TD21を有する。入力端子T2は入力端子3に接続され、位相制御出力端子TD21は第2の内部抵抗可変型駆動回路12の入力端子TI21に接続されている。第2の位相制御回路5は、入力端子T2から入力信号を入力する。また、第2の位相制御回路5は、入力端子T2に印加される入力信号の位相をφ2だけシフトさせる。さらに、第2の位相制御回路5は、φ2だけ位相がシフトされた信号を位相制御出力端子TD21から第2の内部抵抗可変型駆動回路12の入力端子TI21に出力する。
尚、第1の位相制御回路4の位相制御出力端子TD11と第2の位相制御回路5の位相制御出力端子TD21との間の位相差は、(φ2−φ1)である。
第1及び第2の位相制御回路4、5の変形例として、第1及び第2の位相制御回路4、5がそれぞれシフトさせる位相φ1及びφ2は予めプリセットされた固定の値を有するだけではなく、手動で連続的に又は段階的に可変である。また、実施例2及び3を参照して説明するように、位相φ1及びφ2は位相制御信号に応じて連続的に又は段階的に可変である。
第1の内部抵抗可変型駆動回路11は入力端子TI11及び駆動出力端子TO11を有する。入力端子TI11は第1の位相制御回路4の位相制御出力端子TD11に接続され、駆動出力端子TO11は共振回路6の第1のポートの端子TR11に接続されている。第1の内部抵抗可変型駆動回路11は入力端子TI11からφ1だけ位相がシフトされた信号を入力する。また、第1の内部抵抗可変型駆動回路11はインピーダンス制御信号に応じて自身の出力インピーダンスを調整して、第1の内部抵抗可変型駆動回路11はφ1だけ位相がシフトされた信号をその出力電力を維持したまま、駆動出力端子TO11から共振回路6の第1のポートの端子TR11に出力する。
第2の内部抵抗可変型駆動回路12は入力端子TI21及び駆動出力端子TO21を有する。入力端子TI21は第2の位相制御回路5の位相制御出力端子TD21に接続され、駆動出力端子TO21は共振回路6の第2のポートの端子TR21に接続されている。第2の内部抵抗可変型駆動回路12はφ2だけ位相がシフトされた信号を入力端子TI21から入力する。また、第2の内部抵抗可変型駆動回路12はインピーダンス制御信号に応じて自身の出力インピーダンスを調整して、φ2だけ位相がシフトされた信号をその出力電力を維持したまま、駆動出力端子TO21から共振回路6の第2のポート端子TR21に出力する。
第1及び第2の内部抵抗可変型駆動回路11、12の変形例としては、第1の内部抵抗可変型駆動回路11の出力インピーダンスは、予めプリセットされた固定の値を有するだけではなく、手動で連続的に又は段階的に可変である。また、実施例2及び3を参照して説明するように、位相φ1及びφ2は位相制御信号に応じて連続的に又は段階的に可変である。
尚、第1の内部抵抗可変型駆動回路11の駆動出力端子TO11における入力信号の位相と、第1の内部抵抗可変型駆動回路11の駆動出力端子TO21における入力信号の位相との間の位相差は、(φ2−φ1)である。以下、この位相差を制御位相量(φ2−φ1)と称する。第1の内部抵抗可変型駆動回路11の駆動出力端子TO11と第2の内部抵抗可変型駆動回路12の駆動出力端子TO21からそれぞれの駆動回路を覗き込んだ内部電圧e1とe2との値が、極端に変動することのない状態を保ったまま、所望の範囲内で連続的或は段階的に可変である。これは、内部抵抗R1とR2との値、すなわち内部抵抗制御量TRCP11等の値がインピーダンス制御信号に応じて変化することによって、変化する。
次に、共振回路6について説明する。共振回路6は、第1及び第2のポート端子TR11及びTR21と、共通端子TCを有する。第1及び第2のポート端子TR11及びTR21は第1の内部抵抗可変型駆動回路11の駆動出力端子TO11及び第2の内部抵抗可変型駆動回路12の駆動出力端子TO12にそれぞれ接続されている。共通端子TCは基準端子2に接続されている。また、共振回路6は、端子TR11と端子TR31との間に接続された第1の2端子回路Z1’と、端子TR31と共通端子TCとの間に接続された第2の2端子回路Z2’と、端子TR31と端子TR41との間に接続された第1の2端子回路Z3’と、端子TR41と共通端子TCとの間に接続された第2の2端子回路Z4’と、端子TR41と端子TR21との間に接続された第1の2端子回路Z5’と、を有する。第1の2端子回路Z1’、Z3’、Z5’の各々はコイルとコンデンサとの直列回路であり、第2の2端子回路Z2’、Z4’の各々はコイルとコンデンサとの並列回路である。これら5つの共振回路のイミタンス周波数は、例えば、全て10000kHzに設定されている。5つの2端子回路Z1’、Z2’、Z3’、Z4’、Z5’のそれぞれのコイルのインダクタンス値とコンデンサの容量値を表1に示す。尚、第1及び第2のポート端子TR11及びTR21と共通端子TCとを有する共振回路6の回路形式は、実質的な可逆回路であれば如何なる形式をも用いることができる。
Figure 0004929421
共振回路6は第1及び第2のポート端子TR11及びTR21から標準信号発生器SGからの入力信号に対してφ1だけ位相がシフトされた信号及びφ2だけ位相がシフトされた信号を供給することにより、電流i11及びi21が流れる。従って、共振回路6は電流i11及びi21に応じた共振ピーク電流を生成する。その共振出力は、例えば、第1及び第2のポート端子TR11及びTR21を出力端子として出力することができる。
次に、2つの内部抵抗可変型駆動回路11、12の構成要素について詳細に説明する。両者とも同じ機能を持たせるので前者についてのみ、図2を用いて説明する。その構成は次の通りである。
内部抵抗可変型駆動回路11は、駆動回路入力端子TI11と、駆動回路出力端子TO11と、内部抵抗制御端子TRCP11と、駆動回路入力端子TI11に入力端子を接続した緩衝増幅器AMP2と、緩衝増幅器AMP2の正相出力端子及び逆相出力端子に正相入力端子TAI11aと逆相入力端子TAI11bをそれぞれ接続した負帰還増幅器13と、から構成される。負帰還増幅器13の出力端子TAO11は、駆動回路出力端子TO11に接続されている。負帰還増幅器13の減衰量制御端子TAC11は、内部抵抗制御端子TRCP11に接続されている。尚、内部抵抗制御端子TRCP11に加えられる量を、“内部抵抗制御量”と呼び、RCPで表す。負帰還増幅器13は、正相入力端子TAI11aと逆相入力端子TAI11bとに、正相入力端子AAと逆相入力端子ABとをそれぞれ接続する入力側加算回路14を有する。さらに負帰還増幅器13は、入力側加算回路14の正相出力端子BAと逆相出力端子BBとに正相入力端子と逆相入力端子とをそれぞれ接続する増幅器AMP3を有する。さらに負帰還増幅器13は、増幅器AMP3の正相出力端子と逆相出力端子とに正相入力端子AA’と逆相入力端子AB’とを、それぞれ接続する出力側加算回路15を有する。入力側加算回路14の加算端子Aと加算端子Bとに、逆相出力端子TATT122と正相出力端子TATT121とがそれぞれ接続されている。さらに負帰還増幅器13は、出力側加算回路15の加算端子A’と加算端子B’とに、正相入力端子TATT111と逆相入力端子TATT112とをそれぞれ接続する可変減衰器ATT1を有する。さらに負帰還増幅器13は、出力側加算回路15の正相出力端子BA’及び逆相出力端子BB’を2つの入力端子TAO11a及びTAO11bにそれぞれ接続する差動増幅器AMP4を有する。差動増幅器AMP4の出力TAO11は駆動回路出力端子TO11に接続されている。可変減衰器ATT1の減衰量制御端子TAC11は内部抵抗制御端子TRCP11に接続されている。必要に応じて、2つの入力端子TAO11aとTAO11bの間に抵抗Rf0を接続しても良い。
ここで、入力側加算回路14においては、正相入力端子AAと正相出力端子BAとが接続され、逆相入力端子ABと加算端子Aとが接続され、且つ逆相出力端子BBと加算端子Bとが接続されている。尚、この入力加算回路14はアナログ形の直列加算回路を構成していることが特徴である。出力側加算回路15においては、正相入力端子AA’と逆相入力端子AB’とは、正相出力端子BA’と逆相出力端子BB’とにそれぞれ接続され、正相入力端子AA’が加算端子A’に接続され、且つ逆相入力端子AB’が加算端子B’に接続されている。尚、この出力加算回路15はアナログ形の並列加算回路を構成している。
可変減衰器ATT1の減衰量制御端子TAC11は、内部抵抗制御端子とも呼び、TRCP11で表す。可変減衰器ATT1は、電子式可変抵抗素子又は抵抗アレイの電子式切替器等の素子を有しており、その減衰量が連続的に変化する減衰機構或いは段階的に変化する減衰機構を含めばよい。
この回路は、以下の機能を有する。負帰還増幅器13の帰還量を、可変減衰器ATT1の伝達度Hを変化せしめることによって変えることが可能である。この伝達度Hは内部抵抗制御端子TRCP11に印加する内部抵抗制御量RCP11に応じて可変である。その結果として、図1の共振回路6に接続する内部抵抗可変型駆動回路11、12のそれぞれの内部抵抗R1、R2が変化せしめられ、且つ出力電力の変動を軽減させる機能が実現される。
出力側加算回路15においては、並列加算回路又は直列加算回路が使用され、広範囲の所望の内部抵抗の値に応じて選択される。図1の実施例では、並列帰還回路が出力側加算回路15として用いられている。
次に、動作原理は以下の通りである。まず、負帰還増幅器13の周知の動作関連パラメータを、説明の便宜上、以下の通り整理しておく。帰還増幅器13を構成する反転増幅器AMP3の入力インピーダンスをzi、AMP3の出力インピーダンスをzo、AMP3の増幅度を“−A”、とする。また、可変減衰器ATT1の帰還度をHとする。負帰還増幅器13の出力インピーダンスzoutは、次式で与えられる。
Figure 0004929421
負帰還増幅器13の入力インピーダンスzinは、次式で表される。
Figure 0004929421
負帰還増幅器13の増幅度Gは、次式で表される。
Figure 0004929421
数式1から数式3の左辺の量は、いずれも、可変減衰器ATT1の帰還度Hに依存する。本発明はこの事実に着目する。即ち、この事実は、可変減衰器ATT1の帰還度Hのみを変動させて、他のパラメータを固定することによって、負帰還増幅器13の出力インピーダンスが所望の値となるように変化せしめることができることを意味している。
帰還度Hは、内部抵抗制御端子TRCP11に加えた内部抵抗制御量RCP11を変化させることによって変化させることができる。結局、負帰還増幅器13の出力インピーダンスzoutは、内部抵抗制御端子TRCP11に加えた内部抵抗制御量RCP11により変化させることができる。
次に、内部抵抗制御端子TRCP11に加えた内部抵抗制御量RCP11を変化させた場合において、駆動回路入力端子TI11と駆動回路制御出力端子TO11との間の電圧の比、すなわち、総合増幅度GTの変動を軽減する原理について説明する。
この効果をもたらすには、緩衝増幅器AMP2の出力インピーダンスzobと負帰還増幅器13の入力インピーダンスzinとの両者の値の相対関係を巧みに選択することによって実現することができる。
緩衝増幅器AMP2の出力状態は、入力信号に比例した内部電圧eoutと出力インピーダンスzobとの2つで規定される。この緩衝増幅器AMP2には入力インピーダンスzinの負帰還増幅器13が接続されているので、負帰還増幅器13の入力端子TAI11に加えられる電圧Viは次式によって与えられる。
Figure 0004929421
数式4に、負帰還増幅器13の入力インピーダンスzinを与える数式2と、増幅率Gを与える数式3を代入して、整理すると、緩衝増幅器AMP2も含めた総合増幅度GTは次式によって与えられる。
Figure 0004929421
ここに、voutは負帰還増幅器13の出力電圧であり、eoutは緩衝増幅器AMP2の内部電圧である。従って、voutはこの緩衝増幅器AMP2の入力端子に印加される電圧に比例した電圧である。この数式5の左辺の量、即ち、駆動回路入力端子TI11と駆動回路制御出力端子TO11との間の電圧の比は、可変減衰器ATT1の帰還度H及び数式5の右辺の分母の第一項の値の大小関係によって決定されることが分かる。尚、数式5の右辺の分母の第一項の値は、帰還度Hの値に依存しない値であって、製品出荷前にプリ設定可能な値である。
図3は、図2の内部抵抗可変型駆動回路における、内部抵抗及び総合増幅度の変化を概念的に示している。横軸は、可変減衰器ATT1の伝達度Hである。縦軸は、任意単位を用いて、内部抵抗zout及び総合増幅度GTを示してある。実線は内部抵抗zout、点線は総合増幅度GTを示している。実線の内部抵抗zoutの変化は、横軸Hの変化に対して、広い範囲にわたって可変であるので、所望の内部抵抗zoutの値を得ることができる。点線の総合増幅度GTは、横軸Hの変化に対する極端な変化を示さないことから、帰還増幅器13に付随する増幅度Gの変動が大幅に軽減されていることが分かる。
以上の説明では、負帰還増幅器13を構成する出力側帰還加算回路15としては、並列帰還加算回路を例にとって説明したが、この出力側帰還加算回路15は、直列帰還加算回路を用いても良い。この場合、出力インピーダンスzoutは次式で与えられる。
Figure 0004929421
この数式6と、数式1と比較すると、帰還量Hの変動に対する依存性が逆の関係になっていることがわかる。従って、直列帰還回路を用いるのか又は並列帰還回路を用いるかに依存して、広範囲の出力インピーダンスzoutを得ることができる。したがって、所望の範囲内の内部抵抗zout、即ち、ある中心値の内部抵抗zoutであって、帰還度Hの値に応じて、ある可変幅を有する内部抵抗zoutを得ることができる。
実施例1の複合共振回路の動作について説明する。まず、入力端子3に周波数fの入力信号が印加される。第1及び第2の位相制御回路4、5は、入力信号の位相をそれぞれφ1及びφ2だけシフトさせる。第1及び第2の内部抵抗可変型駆動回路11及び12は内部抵抗制御端子TRCP11に印加されるインピーダンス制御信号に応じて自身の出力インピーダンスを調整して、第1及び第2の位相制御回路4、5からのφ1及びφ2だけシフトされた信号を共振回路6に出力する。したがって、共振回路6においては、入力信号に対して位相がφ1及びφ2だけシフトされた信号が供給される。共振回路6は制御位相量(φ2−φ1)及び第1及び第2の内部抵抗可変型駆動回路11及び12の出力インピーダンスに依存した共振出力を出力することができる。
実施例1の複合共振回路によれば、共振回路6内の5つの共振素子の物理定数、例えばイミタンス周波数を変えなくとも、制御位相量(φ2−φ1)を変化させ且つ共振回路6からの出力が用途に依存した共振周波数範囲、共振先鋭度等となるように、最適なインピーダンスを有する第1及び第2の中継回路11、12を選択することができる。
また、実施例1の複合共振回路によれば、第1及び第2の中継回路11、12の出力インピーダンスがインピーダンス制御信号に応じて可変であるので、共振回路6の共振周波数範囲を微調整することができる。
尚、実施例1においては、第1及び第2の中継回路として説明した第1及び第2の内部抵抗可変型駆動回路11、12の出力インピーダンスがインピーダンス制御信号に応じて可変であるとして説明したが、最適なインピーダンスを設定できるのであれば可変である必要はない。すなわち、実施例の複合共振回路が用途に応じた周波数範囲及び共振先鋭度を持つのであれば、実施例1の第1及び第2の中継回路は、固定のゲイン及び出力インピーダンスを有する中継回路であってもよいし、又はゲイン及び出力インピーダンスが手動にて互いに独立して調整自在な中継回路であってもよい。
図4に本発明の複合共振回路に係る実施例2を示す。図4に示すように、複合共振回路1は、入力端子3と、第1のポートの端子TR11及び第2のポートの端子TR21を有する共振回路6と、入力端子3に供給された入力信号に対して互いに異なる位相シフトφ1及びφ2を施し、当該位相シフト後の信号の各々を共振回路6の第1のポートの端子TR11及び第2のポートの端子TR21に供給する第1の位相制御回路4及び第2の位相制御回路5と、を含み、第1の位相制御回路4と第1のポートの端子TR11との間及び第2の位相制御回路5と第2のポートの端子TR21との間に、第1及び第2の位相制御回路4、5からのシフト出力を前記共振ユニットに中継する第1及び第2中継回路22、23がそれぞれ接続されている。尚、実施例2においては、第1及び第2中継回路22、23を、第1の出力調整回路22、23として説明する。第1の出力調整回路22及び第2の出力調整回路23の各々の自身のゲインが互いに独立して可変である。ゲインが制御信号に応じて互いに独立して可変である。
図4に示した複合共振回路1の各構成要素についてさらに詳しく説明する。図4の複合共振回路1の入力端子3は、図1と同様の標準信号発生器SG(図示せず)に接続されており、出力が一定に維持され且つ周波数fが連続的に掃引された入力信号が複合共振回路1の入力端子に印加される。入力信号は第1の位相制御回路4の入力端子T1及び第2の位相制御回路5の入力端子T2にそれぞれ供給される。
第1の位相制御回路4は、入力端子T1、位相制御信号入力端子TP11、及び出力端子を有する。入力端子T1は入力端子3に接続され、当該出力端子は第1の出力調整回路22の入力端子に接続され、位相制御信号入力端子TP11は関数変換器群17の関数変換器17−1の位相制御信号出力端子TFCPO11に接続されている。
第1の位相制御回路4は、入力端子T1から入力信号を入力する。また、第1の位相制御回路4は、位相制御信号入力端子TP11から関数変換器群17の関数変換器17−1からの位相制御信号を入力する。また、第1の位相制御回路4は、関数変換器群17の関数変換器17−1からの位相制御信号に応答して、入力端子T1に印加される入力信号の位相をφ1だけシフトさせる。さらに、第1の位相制御回路4は、φ1だけ位相がシフトされた信号を出力端子から第1の出力調整回路22に出力する。
第2の位相制御回路5は、入力端子T2、位相制御信号入力端子TP21、及び出力端子を有する。入力端子T2は入力端子3に接続され、当該出力端子は第2の出力調整回路23の入力端子に接続され、位相制御信号入力端子TP21は関数変換器群17の関数変換器17−2の位相制御信号出力端子TFCPO21に接続されている。
第2の位相制御回路5は、入力端子T2から入力信号を入力する。また、第2の位相制御回路5は、位相制御信号入力端子TP21から関数変換器群17の関数変換器17−2からの位相制御信号を入力する。また、第2の位相制御回路5は、関数変換器群17の関数変換器17−2からの位相制御信号に応答して、入力端子T2に印加される入力信号の位相をφ2だけシフトさせる。さらに、第2の位相制御回路5は、φ2だけ位相がシフトされた信号を出力端子から第2の出力調整回路23に出力する。
第1及び第2の位相制御回路4、5の変形例として、第1及び第2の位相制御回路4、5がそれぞれシフトさせる位相φ1及びφ2は制御信号に応じて連続的に若しくは段階的に可変であり、又は予めプリセットされた固定の値を有し、手動で連続的に又は段階的に可変であってもよい。
第1の出力調整回路22は、入力端子、第1の出力調整信号入力端子TA11、出力端子を有する。第1の出力調整回路22の入力端子は第1の位相制御回路4の出力端子に接続されている。第1の出力調整回路22の出力端子は、共振回路6の第1のポートTR11に接続されている。第1の出力調整信号入力端子TA11は、関数変換器群17の関数変換器17−3の位相制御信号出力端子TFCAO11に接続されている。
第1の出力調整回路22は、自身の入力端子からφ1だけ位相がシフトされた信号を入力する。また、第1の出力調整回路22は、第1の出力調整信号入力端子TA11から関数変換器群17の関数変換器17−3からのゲイン制御信号を入力する。また、第1の出力調整回路22は、関数変換器群17の関数変換器17−3からのゲイン制御信号に応答して、自身のゲインを調整することによって、φ1だけ位相がシフトされた信号の出力電力を調整する。さらに、第1の出力調整回路22は、φ1だけ位相がシフトされ且つ出力電力が調整された信号を出力端子から共振回路6の第1のポートTR11に出力する。
第2の出力調整回路23は、入力端子、第2の出力調整信号入力端子TA21、出力端子を有する。第2の出力調整回路23の入力端子は第2の位相制御回路5の出力端子に接続されている。第2の出力調整回路23の出力端子は、共振回路6の第2のポートTR21に接続されている。第2の出力調整信号入力端子TA21は、関数変換器群17の関数変換器17−4の位相制御信号出力端子TFCAO21に接続されている。
第2の出力調整回路23は、自身の入力端子からφ2だけ位相がシフトされた信号を入力する。また、第2の出力調整回路23は、第2の出力調整信号入力端子TA21から関数変換器群17の関数変換器17−4からのゲイン制御信号を入力する。また、第2の出力調整回路23は、関数変換器群17の関数変換器17−4からのゲイン制御信号に応答して、自身のゲインを調整することによって、φ2だけ位相がシフトされた信号の出力電力を調整する。さらに、第2の出力調整回路23は、φ2だけ位相がシフトされ且つ出力電力が調整された信号を出力端子から共振回路6の第2のポートTR21に出力する。
第1及び第2の出力調整回路22、23の変形例としては、第1及び第2の出力調整回路22、23のゲインの量は、ゲイン制御信号に応じて連続的に若しくは段階的に可変であってもよいし、予めプリセットされた固定の値を有してもいし、又は手動により連続的に又は段階的に可変であってもよい。
次に、共振回路6について説明する。共振回路6は、第1及び第2のポート端子TR11及びTR21と、共通端子TCを有する。第1及び第2のポート端子TR11及びTR21は第1の出力調整回路22の出力端子及び第2の出力調整回路23の出力端子にそれぞれ接続されている。共通端子TCは基準端子2に接続されている。φ1だけ位相がシフトされ且つ出力電力が調整された信号が第1のポートTR11から入力され、φ2だけ位相がシフトされ且つ出力電力が調整された信号が第2のポートTR21から入力される。図4の共振回路6の回路構成は、例えば、図1と同様であるので詳細な説明は省略する。
次に、関数変換器群17について説明する。関数変換器群17は、関数変換器17−1、17−2、17−3、17−4及び位相制御信号入力端子TFCI1を有する。関数変換器17−1及び17−2は周波数制御信号に応じて位相制御信号を生成し、且つ関数変換器17−3及び17−4は周波数制御信号に応じてゲイン制御信号を生成する。
関数変換器17−1は、入力端子TFCPI11及び出力端子TFCPO11を有する。入力端子TFCPI11は関数変換器群17の位相制御信号入力端子TFCI1に接続され、出力端子TFCPO11は第1の位相制御回路4のTP11に接続されている。関数変換器17−1は入力端子TFCPI11から周波数制御信号を入力する。また、関数変換器17−1は、周波数制御信号に応じて位相制御信号を生成する。また、関数変換器17−1は、生成した位相制御信号を出力端子TFCPO11から第1の位相制御回路4の位相制御信号入力端子TP11に出力する。
関数変換器17−2は、入力端子TFCPI21及び出力端子TFCPO21を有する。入力端子TFCPI21は関数変換器群17の位相制御信号入力端子TFCI1に接続され、出力端子TFCPO21は第2の位相制御回路5のTP21に接続されている。関数変換器17−2は入力端子TFCPI21から周波数制御信号を入力する。また、関数変換器17−2は、周波数制御信号に応じて位相制御信号を生成する。また、関数変換器17−2は、生成した位相制御信号を出力端子TFCPO21から第2の位相制御回路5の位相制御信号入力端子TP21に出力する。
関数変換器17−3は、入力端子TFCAI11及び出力端子TFCAO11を有する。入力端子TFCAI11は関数変換器群17の位相制御信号入力端子TFCI1に接続され、出力端子TFCAO11は第1の出力調整回路22のTA11に接続されている。関数変換器17−3は入力端子TFCAI11から周波数制御信号を入力する。また、関数変換器17−3は、周波数制御信号に応じてゲイン制御信号を生成する。また、関数変換器17−3は、生成したゲイン制御信号を出力端子TFCAO11から第1の出力調整回路22のTA11に出力する。
関数変換器17−4は、入力端子TFCAI21及び出力端子TFCAO21を有する。入力端子TFCAI21は関数変換器群17の位相制御信号入力端子TFCI1に接続され、出力端子TFCAO21は第2の出力調整回路23のTA21に接続されている。関数変換器17−4は入力端子TFCAI21から周波数制御信号を入力する。また、関数変換器17−4は、周波数制御信号に応じてゲイン制御信号を生成する。また、関数変換器17−4は、生成したゲイン制御信号を出力端子TFCAO21から第2の出力調整回路23のTA21に出力する。
2つの位相制御信号入力端子TP11とTP21とに関して、関数発生器17−1の入出力端子TFCPI11とTFCPO11の間の関数関係と、関数発生器17−2の入出力端子TFCPI21とTFCPO21の間の関数関係と、は、その絶対値に関しては両者とも実質的に“1”、即ち、直線関係を持たせ、変化方向については互いに逆方向の変化、即ち、反対符号の関係を持たせる。この構成設定の場合、制御位相量(φ2−φ1)に対して2倍の感度の関係を持つ。
2つの出力調整信号入力端子TFCAI11とTFCAI21とに関して、関数発生器17−3の入出力端子TFCAI11とTFCAO11の間の関数関係と、関数発生器17−4の入出力端子TFCAI21とTFCAO21の間の関数関係と、のそれぞれの入出力間の関数関係は、図5に示すように、可変範囲の中央部に最小点を持つ下に凸の2次曲線状様の関数関係を持たせる。この曲線は、その点の制御位相量設定における共振曲線のピーク値を一定にするような補償曲線を呈する関数関係であって、一義的に決まる関係である。その結果、制御位相量を変えた時に、図6の曲線のように、ピーク出力が変化していたものが、図7のように一定値を示すようになる。即ち、ピーク出力の一定性が満たされる。出力調整回路は、出力インピーダンスが一定である可変減衰器や、分圧率を可変可能な抵抗分圧回路とバッファー増幅回路とを組み合わせた回路であっても良いし、その可変状態は、連続可変であっても、段階的可変であってもよい。
実施例2の複合共振回路の動作について説明する。まず、入力端子3に周波数fの入力信号が印加される。第1及び第2の位相制御回路4、5は、それぞれの関数変換器17−1及び17−2からの位相制御信号に応じて、入力信号の位相をそれぞれφ1及びφ2だけシフトさせる。第1及び第2の出力調整回路22、23は、それぞれの関数変換器17−3及び17−4からのゲイン制御信号に応じて、自身のゲインを調節して、それぞれφ1及びφ2だけ位相がシフトされた信号の出力電力を調整し、φ1及びφ2だけ位相がシフトされ且つ出力電力が調整された信号を共振回路6に出力する。したがって、共振回路6においては、入力信号に対して位相がφ1及びφ2だけシフトされた信号が供給される。
実施例2の複合共振回路によれば、共振回路6内の共振素子の物理定数、例えばイミタンス周波数を変えなくとも、第1及び第2の中継回路22、23のゲインをゲイン制御信号に応じて制御位相量(φ2−φ1)と連動させて調整することができる。従って、実施例1と比べて、共振回路6の共振出力の共振周波数範囲や共振先鋭度等をより微細に調整することができる。
尚、実施例2においては、第1及び第2の中継回路として説明した第1及び第2の出力調整回路22、23のゲインがゲイン制御信号に応じて可変であるとして説明したが、最適なゲインを設定できるのであれば可変である必要はない。即ち、実施例2の複合共振回路が用途に応じた周波数範囲及び共振先鋭度を有するように、実施例2の第1及び第2の中継回路は、固定のゲイン及び出力インピーダンスを有する中継回路であってもよいし、ゲイン及び出力インピーダンスが手動にて互いに独立して調整自在な中継回路であってもよい。
図8に本発明の複合共振回路に係る実施例3を示す。図8に示すように、複合共振回路1は、入力端子3と、第1のポートの端子TR11及び第2のポートの端子TR21を有する共振回路6と、入力端子3に供給された周波数fの入力信号に対して互いに異なる位相シフトφ1及びφ2をそれぞれ施し、当該位相シフト後の信号の各々を共振回路6の第1のポートの端子TR11及び第2のポートの端子TR21に供給する第1の位相制御回路4及び第2の位相制御回路5と、を含む。第1の位相制御回路4と第1のポートの端子TR11との間及び第2の位相制御回路5と第2のポートの端子TR21との間に、第1及び第2の位相制御回路4、5からのシフト出力を共振回路6に中継する第1及び第2中継回路7,8がそれぞれ接続されている。第1及び第2中継回路7,8の各々の自身の出力インピーダンス及びゲインが互いに独立して可変である。前記出力インピーダンス及びゲインが制御信号に応じて互いに独立して可変である。第1中継回路7は、前記制御信号に応じてゲインが変化する可変減衰増幅回路22と、バッファ増幅器AMP5を介して前記可変減衰増幅回路22に直列に接続され且つ前記制御信号に応じて出力インピーダンスが変化する可変インピーダンス回路11と、からなる。尚、実施例3においては、可変減衰増幅回路22を第1の出力調整回路22として説明する。また、可変インピーダンス回路11を第1の内部抵抗可変型駆動回路11として説明する。第2中継回路は、前記制御信号に応じてゲインが変化する可変減衰増幅回路23と、バッファ増幅器AMP6を介して前記可変減衰増幅回路23に直列に接続され且つ前記制御信号に応じて出力インピーダンスが変化する可変インピーダンス回路12と、からなる。尚、実施例3においては、可変減衰増幅回路23を第2の出力調整回路23として説明する。また、可変インピーダンス回路12を第2の内部抵抗可変型駆動回路12として説明する。第1及び第2の位相制御回路4、5は、制御信号に応じて互いに異なる位相シフトφ1及びφ2をそれぞれ施す。
図8に示した複合共振回路1の各構成要素についてさらに詳しく説明する。図8の複合共振回路1の入力端子3は、図1と同様の標準信号発生器SG(図示せず)に接続されており、出力が一定に維持され且つ周波数fが連続的に掃引された入力信号が図8の複合共振回路1の入力端子3に印加される。入力信号は第1の位相制御回路4の入力端子T1及び第2の位相制御回路5の入力端子T2にそれぞれ供給される。
第1の位相制御回路4は、入力端子T1、位相制御信号入力端子TP11、及び出力端子を有する。入力端子T1は入力端子3に接続され、当該出力端子は第1の出力調整回路22の入力端子に接続され、位相制御信号入力端子TP11は関数変換器群34の関数変換器33−1の位相制御信号出力端子TFCPO11に接続されている。
第1の位相制御回路4は、入力端子T1から入力信号を入力する。また、第1の位相制御回路4は、位相制御信号入力端子TP11から関数変換器群34の関数変換器33−1からの位相制御信号を入力する。また、第1の位相制御回路4は、関数変換器群34の関数変換器33−1からの位相制御信号に応答して、入力端子T1に印加される入力信号の位相をφ1だけシフトさせる。さらに、第1の位相制御回路4は、φ1だけ位相がシフトされた信号を出力端子から第1の出力調整回路22に出力する。
第2の位相制御回路5は、入力端子T2、位相制御信号入力端子TP21、及び出力端子を有する。入力端子T2は入力端子3に接続され、当該出力端子は第2の出力調整回路23の入力端子に接続され、位相制御信号入力端子TP21は関数変換器群34の関数変換器33−2の位相制御信号出力端子TFCPO21に接続されている。
第2の位相制御回路5は、入力端子T2から入力信号を入力する。また、第2の位相制御回路5は、位相制御信号入力端子TP21から関数変換器群34の関数変換器33−2からの位相制御信号を入力する。また、第2の位相制御回路5は、関数変換器群34の関数変換器33−2からの位相制御信号に応答して、入力端子T2に印加される入力信号の位相をφ2だけシフトさせる。さらに、第2の位相制御回路5は、φ2だけ位相がシフトされた信号を出力端子から第2の出力調整回路23に出力する。
第1及び第2の位相制御回路4、5の変形例として、第1及び第2の位相制御回路4、5がそれぞれシフトさせる位相φ1及びφ2は位相制御信号に応じて連続的に又は段階的に可変であってもよく、予めプリセットされた固定の値を有してもよく、手動で連続的に若しくは段階的に可変であってもよい。
第1の出力調整回路22は、入力端子、第1の出力調整信号入力端子TA11、出力端子を有する。第1の出力調整回路22の入力端子は第1の位相制御回路4の出力端子に接続されている。第1の出力調整回路22の出力端子は、増幅器AMP5の入力端子に接続されている。第1の出力調整信号入力端子TA11は、関数変換器群34の関数変換器33−3の位相制御信号出力端子TFCAO11に接続されている。
第1の出力調整回路22は、自身の入力端子からφ1だけ位相がシフトされた信号を入力する。また、第1の出力調整回路22は、第1の出力調整信号入力端子TA11から関数変換器群34の関数変換器33−3からのゲイン制御信号を入力する。また、第1の出力調整回路22は、関数変換器群34の関数変換器33−3からのゲイン制御信号に応答して自身のゲインを調整することによって、φ1だけ位相がシフトされた信号の出力電力を調整する。さらに、第1の出力調整回路22は、φ1だけ位相がシフトされ且つ出力電力が調整された信号を出力端子から増幅器AMP5に出力する。
第2の出力調整回路23は、入力端子、第2の出力調整信号入力端子TA21、出力端子を有する。第2の出力調整回路23の入力端子は第2の位相制御回路5の出力端子に接続されている。第2の出力調整回路23の出力端子は、増幅器AMP6の入力端子に接続されている。第2の出力調整信号入力端子TA21は、関数変換器群34の関数変換器33−4の位相制御信号出力端子TFCAO21に接続されている。
第2の出力調整回路23は、自身の入力端子からφ2だけ位相がシフトされた信号を入力する。また、第2の出力調整回路23は、第2の出力調整信号入力端子TA21から関数変換器群34の関数変換器33−4からのゲイン制御信号を入力する。また、第2の出力調整回路23は、関数変換器群34の関数変換器33−4からのゲイン制御信号に応答して自身のゲインを調整することによって、φ2だけ位相がシフトされた信号の出力電力を調整する。さらに、第2の出力調整回路23は、φ2だけ位相がシフトされ且つ出力電力が調整された信号を出力端子から増幅器AMP6に出力する。
第1及び第2の出力調整回路22、23の変形例としては、第1及び第2の出力調整回路22、23のゲインの量は、ゲイン制御信号に応じて連続的に若しくは段階的に可変であってもよいし、予めプリセットされた固定の値を有してもいし、又は手動により連続的に又は段階的に可変であってもよい。
次に、AMP5及びAMP6について説明する。AMP5及びAMP6は、それぞれの入力端子及び出力端子を有している。入力端子はそれぞれ第1の出力調整回路22及び第2の出力調整回路23の出力端子に接続されている。出力端子はそれぞれ第1の内部抵抗可変型駆動回路11及び第2の内部抵抗可変型駆動回路12に接続されている。AMP5及びAMP6は、それぞれ第1の出力調整回路22及び第2の出力調整回路23からφ1及びφ2だけ位相がシフトされた信号を所望の増幅度において増幅する。
次に第1の内部抵抗可変型駆動回路11及び第2の内部抵抗可変型駆動回路12について説明する。実施例3の複合共振回路における第1の内部抵抗可変型駆動回路11及び第2の内部抵抗可変型駆動回路12は図1及び図2に示したものと同様であるので、異なる点のみを説明する。
第1の内部抵抗可変型駆動回路11は内部抵抗制御端子TRCP11を有しており、関数変換器群34の関数変換器33−5からのインピーダンス制御信号に応答して自身の出力インピーダンスを調整して、第1の内部抵抗可変型駆動回路11はφ1だけ位相がシフトされた信号をその出力電力を維持したまま、共振回路6の第1のポートの端子TR11に出力する。
第2の内部抵抗可変型駆動回路12は内部抵抗制御端子TRCP21を有しており、関数変換器群34の関数変換器33−6からのインピーダンス制御信号に応答して自身の出力インピーダンスを調整して、第2の内部抵抗可変型駆動回路11はφ2だけ位相がシフトされた信号をその出力電力を維持したまま、共振回路6の第2のポートの端子TR21に出力する。
尚、第1の内部抵抗可変型駆動回路11の駆動出力端子TO11における入力信号の位相と、第2の内部抵抗可変型駆動回路12の駆動出力端子TO21における入力信号の位相との間の位相差は、制御位相量(φ2−φ1)である。第1の内部抵抗可変型駆動回路11の駆動出力端子TO11と第2の内部抵抗可変型駆動回路12の駆動出力端子TO21からそれぞれの駆動回路を覗き込んだ内部電圧e1とe2との値は、極端に変動することのない状態を保ったまま、所望の範囲内で連続的或は段階的に変化させることができる。これは、内部抵抗R1とR2との値は、すなわち内部抵抗制御量TRCP11及びTRCP21の値を変えることにより、変化させることができる。第1の内部抵抗可変型駆動回路11及び第2の内部抵抗可変型駆動回路12の回路構成は図2と同様であるので説明は省略する。
共振回路6は、例えば、図1と同様の構成であるので説明は省略する。
次に、関数変換器群34について説明する。関数変換器群34は、関数変換器33−1、33−2、33−3、33−4、33−5、33−6及び位相制御信号入力端子TFCI1を有する。関数変換器33−1及び33−2は周波数制御信号に応じて位相制御信号を生成し、関数変換器33−3及び33−4は周波数制御信号に応じてゲイン制御信号を生成し、関数変換器33−5及び33−6は周波数制御信号に応じてインピーダンス制御信号を生成する。
関数変換器33−1は、入力端子TFCPI11及び出力端子TFCPO11を有する。入力端子TFCPI11は関数変換器群34の位相制御信号入力端子TFCI1に接続され、出力端子TFCPO11は第1の位相制御回路4のTP11に接続されている。関数変換器33−1は入力端子TFCPI11から周波数制御信号を入力する。また、関数変換器33−1は、周波数制御信号に応じて位相制御信号を生成する。また、関数変換器34−1は、生成した位相制御信号を出力端子TFCPO11から第1の位相制御回路4の位相制御信号入力端子TP11に出力する。
関数変換器33−2は、入力端子TFCPI21及び出力端子TFCPO21を有する。入力端子TFCPI21は関数変換器群34の位相制御信号入力端子TFCI1に接続され、出力端子TFCPO21は第2の位相制御回路5のTP21に接続されている。関数変換器33−2は入力端子TFCPI21から周波数制御信号を入力する。また、関数変換器33−2は、周波数制御信号に応じて位相制御信号を生成する。また、関数変換器33−2は、生成した位相制御信号を出力端子TFCPO21から第2の位相制御回路5の位相制御信号入力端子TP21に出力する。
関数変換器33−3は、入力端子TFCAI11及び出力端子TFCAO11を有する。入力端子TFCAI11は関数変換器群34の位相制御信号入力端子TFCI1に接続され、出力端子TFCAO11は第1の出力調整回路22のTA11に接続されている。関数変換器33−3は入力端子TFCAI11から周波数制御信号を入力する。また、関数変換器33−3は、周波数制御信号に応じてゲイン制御信号を生成する。また、関数変換器33−3は、生成したゲイン制御信号を出力端子TFCAO11から第1の出力調整回路22のTA11に出力する。
関数変換器33−4は、入力端子TFCAI21及び出力端子TFCAO21を有する。入力端子TFCAI21は関数変換器群34の位相制御信号入力端子TFCI1に接続され、出力端子TFCAO21は第2の出力調整回路23のTA21に接続されている。関数変換器33−4は入力端子TFCAI21から周波数制御信号を入力する。また、関数変換器33−4は、周波数制御信号に応じてゲイン制御信号を生成する。また、関数変換器33−4は、生成したゲイン制御信号を出力端子TFCAO21から第2の出力調整回路23のTA21に出力する。
関数変換器33−5は、入力端子TFCRI11及び出力端子TFCRO11を有する。入力端子TFCRI11は関数変換器群34の位相制御信号入力端子TFCI1に接続され、出力端子TFCRO11は第1の内部抵抗可変型駆動回路11の内部抵抗制御端子TRCP11に接続されている。関数変換器33−5は入力端子TFCRI11から周波数制御信号を入力する。また、関数変換器33−5は、周波数制御信号に応じてインピーダンス制御信号を生成する。また、関数変換器33−5は、生成したインピーダンス制御信号を出力端子出力端子TFCRO11から第1の内部抵抗可変型駆動回路11の内部抵抗制御端子TRCP11に出力する。
関数変換器33−6は、入力端子TFCRI21及び出力端子TFCRO21を有する。入力端子TFCRI21は関数変換器群34の位相制御信号入力端子TFCI1に接続され、出力端子TFCRO21は第2の内部抵抗可変型駆動回路12の内部抵抗制御端子TRCP21に接続されている。関数変換器33−6は入力端子TFCRI21から周波数制御信号を入力する。また、関数変換器33−6は、周波数制御信号に応じてインピーダンス制御信号を生成する。また、関数変換器33−6は、生成したインピーダンス制御信号を出力端子出力端子TFCRO21から第2の内部抵抗可変型駆動回路12の内部抵抗制御端子TRCP21に出力する。
実施例3の複合共振回路の動作について説明する。まず、入力端子3に周波数fの入力信号が印加される。第1及び第2の位相制御回路4、5は、それぞれの関数変換器33−1及び33−2からの位相制御信号に応じて、入力信号の位相をそれぞれφ1及びφ2だけシフトさせる。第1及び第2の出力調整回路22、23は、それぞれの関数変換器33−3及び33−4からのゲイン制御信号に応じて自身のゲインを調節して、それぞれφ1及びφ2だけ位相がシフトされた信号の出力電力を調整する。AMP5及びAMP6は、それぞれφ1及びφ2だけ位相がシフトされ且つ出力電力が調整された信号を、所定の増幅率で増幅する。第1及び第2の内部抵抗可変型駆動回路11及び12は、自身の出力インピーダンスを調整して、当該所定の増幅率で増幅された信号を共振回路6に出力する。したがって、共振回路6においては、入力信号に対して位相がφ1及びφ2だけシフトされた信号が供給される。関数変換器群34に入力される周波数制御信号によって、制御位相量(φ2−φ1)は、第1及び第2の出力調整回路22、23のゲイン調整及び第1及び第2の内部抵抗可変型駆動回路11及び12の出力インピーダンスと連動して調整され得る。
実施例3の複合共振回路によれば、共振回路6内の共振素子の物理定数、例えばイミタンス周波数を変えなくとも、第1及び第2の中継回路22、23のゲイン及び出力インピーダンスを制御信号に応じて制御位相量(φ2−φ1)と連動させて調整することができる。従って、実施例1及び2と比べて、共振回路6の共振出力の共振周波数範囲や共振先鋭度等をより微細に調整することができる。
尚、実施例3においては、第1及び第2の中継回路7、8の出力インピーダンス及びゲインが制御信号に応じて可変であるとして説明したが、最適な出力インピーダンス及びゲインを有するのであれば可変である必要はない。すなはち、実施例3の複合共振回路が用途に応じた周波数範囲及び共振先鋭度を有するように、実施例3の第1及び第2の中継回路は、固定のゲイン及び出力インピーダンスを有する中継回路であってもよいし、又はゲイン及び出力インピーダンスが手動にて互いに独立して調整自在な中継回路であってもよい。
また、第1及び第2の中継回路7、8は、可変減衰増幅回路22、23としての第1及び第2の出力調整回路22、23と、可変インピーダンス回路11、12としての第1及び第2の内部抵抗可変型駆動回路11、12とからそれぞれ構成されるとして説明した。第1及び第2の中継回路7、8の各々は可変減衰増幅回路と可変インピーダンス回路のどちらか一方から構成されてもよい。
本発明の基本的効果を列挙すると以下のようになる。
共振ユニットに接続する中継回路の内部抵抗及びゲイン等のパラメータが共振ユニットの出力特性に対して重要な働きをなすことを明らかにした。直線性よく且つ共振先鋭度Q値を所望の範囲内に保ちながら、共振ユニットの共振素子定数を変えることなく、共振ユニット以外の外部パラメータを変えることにより共振ユニットの共振特性曲線のピーク周波数を変化させることができる。共振ユニットに接続する中継回路の内部抵抗及びゲイン等のパラメータを、制御位相量と連動させて可変することにより、周波数可変の直線性と、共振先鋭度の一定性を同時に満たせる複合共振回路が得られた。共振ユニットの周辺回路の出力電力を、制御位相量と連動させて可変することにより、周波数可変の直線性、又は、共振先鋭度の一定性、の何れかと、共振ユニットに流れ込む電流の絶対値のピーク出力の一定性と、を同時に満たせる複合共振回路が得られた。
本発明の複合共振回路は、第1及び第2位相シフト回路及び共振ユニットを有し、さらに、第1及び第2中継回路を有する。共振ユニットと位相シフトとの組み合わせ回路の特性に対して数種類の中継回路を設計しておいて、その内、用途に最適なゲインや出力インピーダンス等の回路定数を有する中継回路を選択すれば、共振ユニット内の共振素子の各々の共振周波数等の物理定数を変えることなく且つ実効的な共振先鋭度Q値を劣化させることなく、広い周波数範囲に亘って、共振周波数可変範囲を高い自由度にて設定可能である。
さらに、本発明の複合共振回路は、第1及び第2中継回路の各々の自身の出力インピーダンス及びゲインが互いに独立して可変である。出力インピーダンスとゲインの両方又は一方を変えることによって、共振ユニット自体の共振出力の共振周波数範囲、共振先鋭度、線形周波数応答性、一定性等を自在に微調整することが可能である。従って、例えば、製品出荷時において、製品毎の共振先鋭度のバラツキを抑えて、ある所定の範囲のQ値となるように設定する場合においては、共振ユニットの共振出力のQ値が所定の範囲となるように出力インピーダンス及びゲインを互いに独立して微調整しさえすればよい。
本発明の複合共振回路は、中継回路の出力インピーダンス及び/又はゲインと共に、制御位相量(φ2−φ1)を連動して変えることによって、共振ユニット自体の共振出力の共振周波数範囲、共振先鋭度、線形周波数応答性、及び一定性等をさらに微細に微調整することが可能である。
実施例1乃至3の複合共振回路においては、本発明に係る共振ユニットを、誘導性リアクタンス(コイル素子)と容量性リアクタンス(コンデンサ素子)を有する2端子回路を含む共振回路として説明したが、これらに限定されない。
実施例1乃至3の複合共振回路においては、本発明に係る第1及び第2の位相シフト回路を、入力信号の位相をφ1及びφ2のみシフトさせる第1及び第2の位相制御回路として説明したが、これらに限定されない。例えば、第1及び第2の位相制御回路は、入力信号の位相を単一相にシフトさせるだけなく、複数相にシフトさせてもよい。

Claims (7)

  1. 入力端子と、
    第1及び第2入力ポートを有する共振ユニットと、
    前記入力端子に供給された入力信号に対して互いに異なる位相シフトを施し、当該位相シフト後の信号の各々を前記共振ユニットの前記第1及び第2入力ポートに供給する第1及び第2位相シフト回路と、を含む複合共振回路であって、
    前記第1位相シフト回路と前記第1入力ポートとの間及び前記第2位相シフト回路と前記第2入力ポートとの間に、前記第1及び第2位相シフト回路からのシフト出力を前記共振ユニットに中継する第1及び第2中継回路がそれぞれ接続され、前記第1及び第2中継回路の各々はインピーダンス及びゲインを有することを特徴とする複合共振回路。
  2. 前記第1及び第2中継回路の各々の自身の出力インピーダンス及びゲインは互いに独立して可変であることを特徴とする請求項1に記載の複合共振回路。
  3. 前記出力インピーダンス及びゲインは制御信号に応じて互いに独立して可変であることを特徴とする請求項2に記載の複合共振回路。
  4. 前記第1及び第2中継回路の各々は、前記制御信号に応じてゲインが可変である可変減衰増幅回路からなることを特徴とする請求項3に記載の複合共振回路。
  5. 前記第1及び第2中継回路の各々は、前記制御信号に応じて出力インピーダンスが可変である可変インピーダンス回路からなることを特徴とする請求項3に記載の複合共振回路。
  6. 前記第1及び第2中継回路の各々は、
    前記制御信号に応じてゲインが可変である可変減衰増幅回路と、
    バッファ増幅器を介して前記可変減衰増幅回路に直列に接続され且つ前記制御信号に応じて出力インピーダンスが可変である可変インピーダンス回路と、
    からなることを特徴とする請求項3に記載の複合共振回路。
  7. 前記第1及び第2位相シフト回路は、前記制御信号に応じて前記互いに異なる位相シフトを施すことを特徴とする請求項3に記載の複合共振回路。
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