JP2012100224A - 広帯域増幅器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い周波数までの二次歪成分を除去し、出力電流信号の線形性を向上させることができ、二次歪耐性(IIP2)を向上させることができる広帯域増幅器を実現する。
【解決手段】第1及び第2のMOSトランジスタQ1,Q2による差動対が発生する二次歪成分電流と逆極性の電流信号を差動対の負荷電流源となる第3及び第4のMOSトランジスタQ3,Q4によって発生し、逆極性の二次歪電流を相互に打ち消し合うように作用させて線形性を向上させ、更に、第1及び第2のMOSトランジスタQ1,Q2の入力へのバイアスを設定する第1のバイアス回路を第1及び第2のMOSトランジスタのドレイン電流が流れるように、且つ、該ドレイン電流をゲート電圧で二回微分した成分の絶対値が極小となるようなバイアス値を得るようにし、且つ、第3及び第4のMOSトランジスタQ3,Q4のサイズを二次歪み成分が主成分である電流を生成するように設定する。
【選択図】 図3
【解決手段】第1及び第2のMOSトランジスタQ1,Q2による差動対が発生する二次歪成分電流と逆極性の電流信号を差動対の負荷電流源となる第3及び第4のMOSトランジスタQ3,Q4によって発生し、逆極性の二次歪電流を相互に打ち消し合うように作用させて線形性を向上させ、更に、第1及び第2のMOSトランジスタQ1,Q2の入力へのバイアスを設定する第1のバイアス回路を第1及び第2のMOSトランジスタのドレイン電流が流れるように、且つ、該ドレイン電流をゲート電圧で二回微分した成分の絶対値が極小となるようなバイアス値を得るようにし、且つ、第3及び第4のMOSトランジスタQ3,Q4のサイズを二次歪み成分が主成分である電流を生成するように設定する。
【選択図】 図3
Description
本発明は線形性に優れた広帯域増幅器に関する。
図5は、従来の広帯域増幅器の一例である差動電流増幅出力段回路(gm段)を表す回路図である(例えば非特許文献1参照)。
図5の広帯域増幅器は、両入力端INPUTP、INPUTNに入力される入力信号を電圧−電流変換して出力するMOSトランジスタQ1、Q2と、電流ミラー型能動負荷を構成する負荷トランジスタであるMOSトランジスタQ3,Q4と、を備えている。
図5の広帯域増幅器は、両入力端INPUTP、INPUTNに入力される入力信号を電圧−電流変換して出力するMOSトランジスタQ1、Q2と、電流ミラー型能動負荷を構成する負荷トランジスタであるMOSトランジスタQ3,Q4と、を備えている。
図5において、入力された信号はトランジスタQ1、Q2によって電圧−電流変換され、DC成分カット用の容量素子C1、C2を介して両出力端OUTN、OUTPから出力される。
A Resistively Degenerated Wide-Band Passive Mixer with Low Noise Figure and +60dBm IIP2 in 0.18μm CMOS fig.5
図5の従来の広帯域増幅器は、差動電流増幅出力段回路は差動回路であるため、回路の持つ二次歪で発生する不要な出力は同相成分として表れ、差動出力で見た場合にはこの不要な電流信号出力は打ち消される。
しかし、回路素子のミスマッチによりP側(+側)とN側(−側)の同相成分に差異が生じた場合は差動出力で見ても打ち消せなくなり、二次歪による不要な同相成分が出力され、これが二次歪み耐性(IIP2)を劣化させる。
しかし、回路素子のミスマッチによりP側(+側)とN側(−側)の同相成分に差異が生じた場合は差動出力で見ても打ち消せなくなり、二次歪による不要な同相成分が出力され、これが二次歪み耐性(IIP2)を劣化させる。
図5の広帯域増幅器では、入力信号を電圧−電流変換して出力する第1、第2出力トランジスタQ1、Q2(N極性)と、第1、第2出力トランジスタQ1、Q2(N極性)に対して電流源負荷となる負荷トランジスタQ3、Q4(P極性)と、を備え、さらに、各負荷トランジスタQ3、Q4(P極性)のゲートとドレインとをつなぐ各抵抗R1、R2と、を備える。
ここで負荷トランジスタQ1、Q2のゲートの共通接続点である図のPBIAS点に着目すると、差動出力に対してPBIAS点の電位は動かないので、負荷トランジスタQ3、Q4は電流源負荷となり、高いインピダンスを得る。
一方、同相出力のときはPBIAS点も出力と同じように変動するので、負荷トランジスタQ3、Q4は能動負荷として動作し、低いインピダンスとなる。
すなわち差動成分は出力され、同相成分は出力されないことになる。
一方、同相出力のときはPBIAS点も出力と同じように変動するので、負荷トランジスタQ3、Q4は能動負荷として動作し、低いインピダンスとなる。
すなわち差動成分は出力され、同相成分は出力されないことになる。
しかし、この構成は、そのバイアス回路が抵抗とMOSトランジスタのゲートの寄生容量によるフィルタ構成を成しているため、周波数特性が良好ではなく、動作可能な上限が数MHz程度までしかしない。これは、現実の回路では素子の定数にばらつきがあるため、特に高周波域では無視できない信号の位相ずれ等が生じて、信号の同相成分が相殺され難くなってしまうことに起因すると分析される。したがってそれ以上の周波数では同相成分が出力されやすくなってしまう。
本発明は上述のような状況に鑑みてなされたものであり、高い周波数までの二次歪成分を除去し、出力電流信号の線形性を向上させることができ、二次歪耐性(IIP2)を向上させることができる広帯域増幅器を実現することを目的としている。
本発明は上述のような状況に鑑みてなされたものであり、高い周波数までの二次歪成分を除去し、出力電流信号の線形性を向上させることができ、二次歪耐性(IIP2)を向上させることができる広帯域増幅器を実現することを目的としている。
上記目的を達成するべく、ここに、以下に列記するような技術を提案する。
(1)ゲートに差動入力信号が入力され、前記差動入力信号を電圧−電流変換して、差動出力信号を出力する第1及び第2のMOSトランジスタによる差動対と、
前記第1及び第2のMOSトランジスタとは逆極性を有し、ゲートとドレインとが抵抗回路を介して夫々接続され、前記第1及び第2のMOSトランジスタによる差動対の負荷電流源となる第3及び第4のMOSトランジスタによる電流源と、
前記第1及び第2のMOSトランジスタの入力へのバイアスを設定する第1のバイアス回路と、
前記第3及び第4のMOSトランジスタのゲートに前記差動入力信号を供給する各経路に各対応して介挿された第1及び第2の容量素子と、
を備えた広帯域増幅器であって、
前記第1のバイアス回路は、前記第1及び第2のMOSトランジスタのドレイン電流が流れるように、且つ、該ドレイン電流をゲート電圧で二回微分した成分の絶対値が極小となるようなバイアス値を得るように構成され、且つ
前記第3及び第4のMOSトランジスタは、それらのサイズが、二次歪み成分が主成分である電流を生成する動作点を取る所定値に設定されていることを特徴とする広帯域増幅器。
(1)ゲートに差動入力信号が入力され、前記差動入力信号を電圧−電流変換して、差動出力信号を出力する第1及び第2のMOSトランジスタによる差動対と、
前記第1及び第2のMOSトランジスタとは逆極性を有し、ゲートとドレインとが抵抗回路を介して夫々接続され、前記第1及び第2のMOSトランジスタによる差動対の負荷電流源となる第3及び第4のMOSトランジスタによる電流源と、
前記第1及び第2のMOSトランジスタの入力へのバイアスを設定する第1のバイアス回路と、
前記第3及び第4のMOSトランジスタのゲートに前記差動入力信号を供給する各経路に各対応して介挿された第1及び第2の容量素子と、
を備えた広帯域増幅器であって、
前記第1のバイアス回路は、前記第1及び第2のMOSトランジスタのドレイン電流が流れるように、且つ、該ドレイン電流をゲート電圧で二回微分した成分の絶対値が極小となるようなバイアス値を得るように構成され、且つ
前記第3及び第4のMOSトランジスタは、それらのサイズが、二次歪み成分が主成分である電流を生成する動作点を取る所定値に設定されていることを特徴とする広帯域増幅器。
上記(1)の広帯域増幅器では、第1及び第2のMOSトランジスタによる差動対が発生する二次歪電流信号成分とは逆位相の電流信号を、該差動対の負荷電流源となる第3及び第4のMOSトランジスタによって発生し、逆位相の電流信号が相互に打ち消し合うように作用させることができる。そして、この場合、上記の打ち消す作用を得るための信号は、第3及び第4のMOSトランジスタのゲートに前記差動入力信号を供給する各経路に各対応して第1及び第2の容量素子を介挿するも抵抗を介することなく供給する構成の回路から得ている。従って、第3及び第4のMOSトランジスタのゲートにはR−C(抵抗と容量)のフィルタにおけるような高域の信号を抑制する作用が及ばず、高い周波数までの二次歪成分を除去し、出力電流信号の線形性を向上させることができ、二次歪耐性(IIP2)が向上する。
(2)前記第1のバイアス回路は当該バイアスを可変設定することを特徴とする(1)の広帯域増幅器。
上記(2)の広帯域増幅器では(1)の広帯域増幅器において特に、バイアスを最適値に合わせ込む調整が可能になる。
(3)前記抵抗回路は、各一端が前記第3及び第4のMOSトランジスタのドレインに接続され各他端が互いに接続される第1及び第2の抵抗素子と、各一端が前記第1及び第2の抵抗素子の共通接続点に接続され各他端が前記第3及び第4のMOSトランジスタの各対応するゲートに接続される第3及び第4の抵抗素子とを含んで構成されていることを特徴とする(1)または(2)の広帯域増幅器。
上記(3)の広帯域増幅器では(1)または(2)の広帯域増幅器において特に、第3及び第4のMOSトランジスタに最適なバイアスが供給され、且つ、これら第3及び第4のMOSトランジスタに加えられる逆位相の信号がアイソレーションされ、各別に適正なバイパスが供給され得る。
上記(2)の広帯域増幅器では(1)の広帯域増幅器において特に、バイアスを最適値に合わせ込む調整が可能になる。
(3)前記抵抗回路は、各一端が前記第3及び第4のMOSトランジスタのドレインに接続され各他端が互いに接続される第1及び第2の抵抗素子と、各一端が前記第1及び第2の抵抗素子の共通接続点に接続され各他端が前記第3及び第4のMOSトランジスタの各対応するゲートに接続される第3及び第4の抵抗素子とを含んで構成されていることを特徴とする(1)または(2)の広帯域増幅器。
上記(3)の広帯域増幅器では(1)または(2)の広帯域増幅器において特に、第3及び第4のMOSトランジスタに最適なバイアスが供給され、且つ、これら第3及び第4のMOSトランジスタに加えられる逆位相の信号がアイソレーションされ、各別に適正なバイパスが供給され得る。
高い周波数までの二次歪成分を除去し、出力電流信号の線形性を向上させることができ、二次歪耐性(IIP2)を向上させることができる広帯域増幅器を実現することができる。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより本発明を明らかにする。
本発明の一つの実施の形態としての広帯域増幅器は、図1に示すようなMOSトランジスタの基本バイアス回路を用いて構成されている。そこで、まず、本発明の前提となるMOSトランジスタの基本バイアス回路について説明する。
図1はMOSトランジスタの基本バイアス回路を表す回路図である。MOSトランジスタへ任意のゲート電圧VGとドレイン電圧VDを与えている。
この回路では任意のゲート電圧(バイアス電圧)VGに対してドレイン電流IDが流れる。
ID=aW/L(VG−Vp)2
ここで、aW/LはMOSトランジスタのチャネル幅及びチャネル長さ等により決まる定数、Vpはピンチオフ電圧である。
本発明の一つの実施の形態としての広帯域増幅器は、図1に示すようなMOSトランジスタの基本バイアス回路を用いて構成されている。そこで、まず、本発明の前提となるMOSトランジスタの基本バイアス回路について説明する。
図1はMOSトランジスタの基本バイアス回路を表す回路図である。MOSトランジスタへ任意のゲート電圧VGとドレイン電圧VDを与えている。
この回路では任意のゲート電圧(バイアス電圧)VGに対してドレイン電流IDが流れる。
ID=aW/L(VG−Vp)2
ここで、aW/LはMOSトランジスタのチャネル幅及びチャネル長さ等により決まる定数、Vpはピンチオフ電圧である。
図2は、図1の回路においてゲートに供給するバイアス電圧VGを変化させたときのドレイン電流IDと、ドレイン電流IDの一回微分成分gmおよび二回微分成分gm2の変化を示した図である。
gm≡dID/dVG
gm2≡d2ID/dVG2
gmはドレイン電流IDの一回微分成分、gm2はドレイン電流IDの二回微分成分である。これらの係数を使うと、ドレイン電流IDは以下のようにあらわされる。
ID≡gm(VG)+gm2(VG)2+gm3(VG)3+・・・
gm≡dID/dVG
gm2≡d2ID/dVG2
gmはドレイン電流IDの一回微分成分、gm2はドレイン電流IDの二回微分成分である。これらの係数を使うと、ドレイン電流IDは以下のようにあらわされる。
ID≡gm(VG)+gm2(VG)2+gm3(VG)3+・・・
図2を参照して容易に理解される通り、ドレイン電流IDはVGの増加に伴って増加する。ここで、gmはIDの一回微分成分で、電圧−電流変換の1次の係数となる。また、gm2はIDの二回微分成分で、電圧−電流変換の二次係数の成分である。図示のとおり、gm2はVGの変化に対して或るピークをもっている。このピークが現われる領域ではIDもgmも比較的小さい。従って、この領域に該当するVGによってMOSトランジスタをバイアスすれば、少ない電流で二次歪成分を主として出力する電流出力段回路が構成できる。
図3は本発明の一つの実施の形態としての広帯域増幅器(歪電流キャンセル機能つき差動型電流出力段回路)の回路図である。
図3の広帯域増幅器300は、既述の図5の差動電流増幅出力段回路に入力される信号を逆極性のトランジスタに分配し、そのトランジスタで得られる、当該出力段回路とは逆極性の二次歪電流を重畳することで、出力電流信号の線形性を向上させる。
図示のとおり、この広帯域増幅器300は、入力信号を電圧−電流変換して出力する差動対310をなす差動増幅器度第1、第2出力トランジスタQ1、Q2(N極性)と、これら第1、第2出力トランジスタQ1、Q2に対して電流源(電流負荷)320となる負荷トランジスタである第3及び第4のトランジスタQ3、Q4(P極性)と、これら負荷トランジスタQ3、Q4のゲートとドレインをつなぐ4つの抵抗素子路R1〜R4を含む抵抗回路340と、を備える。
図3の広帯域増幅器300は、既述の図5の差動電流増幅出力段回路に入力される信号を逆極性のトランジスタに分配し、そのトランジスタで得られる、当該出力段回路とは逆極性の二次歪電流を重畳することで、出力電流信号の線形性を向上させる。
図示のとおり、この広帯域増幅器300は、入力信号を電圧−電流変換して出力する差動対310をなす差動増幅器度第1、第2出力トランジスタQ1、Q2(N極性)と、これら第1、第2出力トランジスタQ1、Q2に対して電流源(電流負荷)320となる負荷トランジスタである第3及び第4のトランジスタQ3、Q4(P極性)と、これら負荷トランジスタQ3、Q4のゲートとドレインをつなぐ4つの抵抗素子路R1〜R4を含む抵抗回路340と、を備える。
第1、第2出力トランジスタQ1、Q2はそれぞれMOSトランジスタであって、図示のように接続されて差動対310を構成している。そして、これら差動対310を構成しているMOSトランジスタQ1、Q2には、図1を参照して既述のような構成の第1のバイアス回路330からバイアスVGが設定される。この第1のバイアス回路330は、第1及び第2のMOSトランジスタQ1、Q2のドレイン電流が流れるように、且つ、該ドレイン電流をゲート電圧で二回微分した成分の絶対値が極小となるようなバイアス値を得るように構成されている。
そして、更に、この第1のバイアス回路330は、当該バイアスを可変設定可能に構成され得る。これにより、バイアスVGを最適値に合わせ込む調整が可能になる。
また、第3及び第4のトランジスタQ3、Q4はそれぞれMOSトランジスタであって、図示のように接続されて上述の差動対310の負荷電流源(電流源)320を構成している。
図3の広帯域増幅器300では、負荷電流源320を構成している第3及び第4のMOSトランジスタである各トランジスタQ3、Q4のサイズが、二次歪電流信号を主成分として出力するような動作点を取るように設定されている。
また、第3及び第4のトランジスタQ3、Q4はそれぞれMOSトランジスタであって、図示のように接続されて上述の差動対310の負荷電流源(電流源)320を構成している。
図3の広帯域増幅器300では、負荷電流源320を構成している第3及び第4のMOSトランジスタである各トランジスタQ3、Q4のサイズが、二次歪電流信号を主成分として出力するような動作点を取るように設定されている。
さらに、各出力トランジスタQ1、Q2に入力される信号のDC成分をカットするための第1及び第2の容量素子C1、C2を介して分配して両入力端INPUTP、INPUTNから入力する。即ち、第1及び第2の容量素子C1、C2は、第3及び第4のMOSトランジスタのQ3、Q4の各ゲートに両入力端INPUTP、INPUTNから差動入力信号を供給する各経路に各介挿されている。
なお、MOSトランジスタQ3、Q4に加えられる逆位相の信号をアイソレーションするために上述の抵抗回路340を構成する素子である抵抗素子R3、R4が設けられている。これらの抵抗素子R3、R4によって、MOSトランジスタQ3、Q4に適正なバイパスが印加される。
なお、MOSトランジスタQ3、Q4に加えられる逆位相の信号をアイソレーションするために上述の抵抗回路340を構成する素子である抵抗素子R3、R4が設けられている。これらの抵抗素子R3、R4によって、MOSトランジスタQ3、Q4に適正なバイパスが印加される。
図3の広帯域増幅器では、第1及び第2のMOSトランジスタQ1、Q2による差動対が発生する二次歪電流信号成分とは逆位相の電流信号を、該差動対の負荷電流源となる第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4によって発生し、逆位相の電流信号が相互に打ち消し合うように作用させることができる。
そして、この場合、上記の打ち消す作用を得るための信号は、第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4のゲートに差動入力信号を供給する各経路に各対応して第1及び第2の容量素子C1、C2を介挿するも、抵抗を介することなく供給する構成の回路から得ている。従って、第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4のゲートにはR−C(抵抗と容量)のフィルタにおけるような高域の信号を抑制するような作用が及ばず、高い周波数までの二次歪成分を除去し、出力電流信号の線形性を向上させることができ、二次歪耐性(IIP2)が向上した広帯域増幅器を実現することができる。
そして、この場合、上記の打ち消す作用を得るための信号は、第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4のゲートに差動入力信号を供給する各経路に各対応して第1及び第2の容量素子C1、C2を介挿するも、抵抗を介することなく供給する構成の回路から得ている。従って、第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4のゲートにはR−C(抵抗と容量)のフィルタにおけるような高域の信号を抑制するような作用が及ばず、高い周波数までの二次歪成分を除去し、出力電流信号の線形性を向上させることができ、二次歪耐性(IIP2)が向上した広帯域増幅器を実現することができる。
そして、このような広帯域増幅器における一つの態様として、RF(Radio Frequency)に及ぶ帯域で動作しつつ、シングルエンドで見たときの不要な同相出力成分が十分に抑圧されることによってミスマッチに強く、特に二次歪み耐性(IIP2)に優れた広帯域増幅器(差動電流信号出力段回路)が実現される。
次に、さらに具体的に説明する。図3に実施の形態において、この抵抗回路340は、各一端が第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4のドレインに接続され各他端が互いに接続される第1及び第2の抵抗素子R1、R2と、各一端が前記第1及び第2の抵抗素子R1、R2の共通接続点に接続され各他端が前記第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4の各対応するゲートに接続される第3及び第4の抵抗素子R3、R4とを含んで構成されている。
次に、さらに具体的に説明する。図3に実施の形態において、この抵抗回路340は、各一端が第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4のドレインに接続され各他端が互いに接続される第1及び第2の抵抗素子R1、R2と、各一端が前記第1及び第2の抵抗素子R1、R2の共通接続点に接続され各他端が前記第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4の各対応するゲートに接続される第3及び第4の抵抗素子R3、R4とを含んで構成されている。
この構成により、第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4に最適なバイアスが供給され、且つ、これら第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4に加えられる逆位相の信号がアイソレーションされ、各MOSトランジスタに適正なバイパスが印加される。
ここでPBIAS点に着目すると、差動出力に対してPBIAS点は動かないので、負荷トランジスタである第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4は電流源負荷となり高いインピダンス得る。
ここでPBIAS点に着目すると、差動出力に対してPBIAS点は動かないので、負荷トランジスタである第3及び第4のMOSトランジスタQ3、Q4は電流源負荷となり高いインピダンス得る。
一方、同相出力のときはPBIAS点も出力と同じように変動するので、負荷トランジスタQ3、Q4は能動負荷として動作し、低いインピダンスとなる。
即ち、差動成分は出力され、同相成分は出力されないことになる。
本実施の形態の回路では、数MHz以上の周波数域においても同相成分の除去効果が維持されるようにするべく、負荷トランジスタQ3、Q4のサイズを、二次歪電流を主成分として出力するような動作点を取るように選択した。
即ち、差動成分は出力され、同相成分は出力されないことになる。
本実施の形態の回路では、数MHz以上の周波数域においても同相成分の除去効果が維持されるようにするべく、負荷トランジスタQ3、Q4のサイズを、二次歪電流を主成分として出力するような動作点を取るように選択した。
図4は、図3の広帯域増幅器300の回路構成において、負荷トランジスタQ3、Q4のサイズを変化させたときの二次歪耐性(IIP2)の変化を示した図である。図4に示されたように、二次歪耐性(IIP2)はトランジスタQ3、Q4のサイズが或る値であるときにピークもつような特性を呈する。
図3の実施の形態では、さらに、出力トランジスタQ1、Q2に入力される信号を、DC成分をカットするための容量素子C1、C2を介して分配して両入力端INPUTP、INPUTNから入力する。
図3の実施の形態では、さらに、出力トランジスタQ1、Q2に入力される信号を、DC成分をカットするための容量素子C1、C2を介して分配して両入力端INPUTP、INPUTNから入力する。
上述の構成により、負荷トランジスタQ3、Q4は出力トランジスタである第1及び第2のMOSトランジスタQ1、Q2が発生する二次歪成分電流と逆位相の電流信号を発生し、お互いを打ち消すことができる。
即ち、図3を参照して説明した本発明の実施の形態としての広帯域増幅器300では、図5を参照して既述の電流出力段回路に入力される信号を逆極性のトランジスタに分配し、それらのトランジスタで得られる、出力段回路とは逆極性の二次歪電流を重畳することで、出力電流信号の線形性を向上させる。これにより、高い周波数までの二次歪成分を除去し、二次歪耐性(IIP2)を向上させることができる。
即ち、図3を参照して説明した本発明の実施の形態としての広帯域増幅器300では、図5を参照して既述の電流出力段回路に入力される信号を逆極性のトランジスタに分配し、それらのトランジスタで得られる、出力段回路とは逆極性の二次歪電流を重畳することで、出力電流信号の線形性を向上させる。これにより、高い周波数までの二次歪成分を除去し、二次歪耐性(IIP2)を向上させることができる。
以上を要するに、本発明の広帯域増幅器では、作動対で生じる二次歪成分の信号を負荷(電流源)で生成する逆相の信号で相殺するようにしている。即ち、本来的な出力となるべき信号に対しては、負荷(電流源)が高インピーダンスになり、下段(前段)で成分された電流信号がそのまま後段に吐き出され、この電流信号による負荷での電圧降下分の電圧出力が生成される。一方、二次歪成分に相当する電流信号は回路内で打ち消されてしまい、負荷側に吐き出されることがなく、従って、二次歪成分に相当する電圧出力は生じない(生じ難い)。
C1,C2,C3,C4………………………………容量素子
Q1,Q2,Q3,Q4………………………………MOSトランジスタ
R1,R2,R3,R4………………………………抵抗素子
300……………………………………………………広帯域増幅器
310……………………………………………………差動対
320……………………………………………………電流源
330……………………………………………………第1のバイアス回路
340……………………………………………………抵抗回路
Q1,Q2,Q3,Q4………………………………MOSトランジスタ
R1,R2,R3,R4………………………………抵抗素子
300……………………………………………………広帯域増幅器
310……………………………………………………差動対
320……………………………………………………電流源
330……………………………………………………第1のバイアス回路
340……………………………………………………抵抗回路
Claims (3)
- ゲートに差動入力信号が入力され、前記差動入力信号を電圧−電流変換して、差動出力信号を出力する第1及び第2のMOSトランジスタによる差動対と、
前記第1及び第2のMOSトランジスタとは逆極性を有し、ゲートとドレインとが抵抗回路を介して夫々接続され、前記第1及び第2のMOSトランジスタによる差動対の負荷電流源となる第3及び第4のMOSトランジスタによる電流源と、
前記第1及び第2のMOSトランジスタの入力へのバイアスを設定する第1のバイアス回路と、
前記第3及び第4のMOSトランジスタのゲートに前記差動入力信号を供給する各経路に各対応して介挿された第1及び第2の容量素子と、
を備えた広帯域増幅器であって、
前記第1のバイアス回路は、前記第1及び第2のMOSトランジスタのドレイン電流が流れるように、且つ、該ドレイン電流をゲート電圧で二回微分した成分の絶対値が極小となるようなバイアス値を得るように構成され、且つ
前記第3及び第4のMOSトランジスタは、それらのサイズが、二次歪み成分が主成分である電流を生成する動作点を取る所定値に設定されていることを特徴とする広帯域増幅器。 - 前記第1のバイアス回路は当該バイアスを可変設定することを特徴とする請求項1に記載の広帯域増幅器。
- 前記抵抗回路は、各一端が前記第3及び第4のMOSトランジスタのドレインに接続され各他端が互いに接続される第1及び第2の抵抗素子と、各一端が前記第1及び第2の抵抗素子の共通接続点に接続され各他端が前記第3及び第4のMOSトランジスタの各対応するゲートに接続される第3及び第4の抵抗素子とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の広帯域増幅器。
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