JPWO2003003575A1 - 低雑音能動rc信号処理回路 - Google Patents

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Abstract

本発明は、全周波数域での伝送利得がフォワード利得以下の負帰還となるようにループ利得を変更した伝達関数を有し、低Q素子感度、低雑音特性化を図った低雑音能動RC信号処理回路を提供する。低雑音能動RC信号処理回路は、入力信号を所定利得で出力するフォワード回路、フォワード回路の出力に所定の伝達特性を与えて入力信号に負帰還する帰還回路を有し、全周波数域において所定利得以下となる伝達インピーダンス特性となる。フォワード回路に、入力信号が入力されるベース接地トランジスタ、電圧出力するエミッタホロアトランジスタを備え、所定利得を決める伝達インピーダンスを持つ電流制御電圧出力回路を用いる。該電流制御電圧出力回路を、オペアンブを用いて構成することもできる。伝達インピーダンス特性は、バンドパス、ローパス、ハイパスの各種フィルタを実現する。

Description

技術分野
本発明は、低雑音能動RC信号処理回路に関し、特に、負帰還により全周波数域にわたって利得を減衰することにより、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ及びハイパスフィルタとなる伝達インピーダンス特性を得る低雑音能動RC信号処理回路に関する。
背景技術
近年のエレクトロニクス技術の進歩は目覚しく、電子回路を集積化され、信号処理が、ディジタル化されることは常識になってきている。この中で、アナログ信号処理に不可欠な連続時間系フィルタの小型化・集積化は、能動RCフィルタの形式で進展してきた。最近のディジタル化に伴って、高周波域の利用が進んでいるが、その高周波化への対応は難しく、高周波域での信号処理のため、能動RCフィルタの高周波化・高集積化に向けて開発されていきている。また、中間周波数、低周波数帯においても、雑音が問題となる信号処理では、連続時間系フィルタは優位であり、そのための能動RCフィルタの活用と集積化の開発も行われてきている。
このような能動RCフィルタの基本となる能動2次回路には、正相増幅器を用いたサレン・キー回路、単一増幅器形式による回路、ジャイレータを用いた回路等がある。
ところが、サレン・キー回路は、極周波数(中心周波数)において正帰還に近づき、しかも、Q素子感度が極めて大きい。多重帰還方式による単一増幅器形回路では、安定な高Qは実現可能であるが、極周波数においてオペアンプの開放利得を含むフォワード利得となる。また、トランジスタによるジャイレータの場合には、高周波域での安定な高Qを得ることは容易であるが、極周波数においてループ利得が正帰還に接近することになるため、低雑音化が困難である。
このように、正相増幅器を用いたサレン・キー回路、単一増幅器形式による回路、ジャイレータを用いた回路等の能動2次回路を基本とするフィルタ回路を構成した場合には、いずれの場合も、高Qを得るうえでは都合が良いものの、その回路の極周波数において負帰還状態にならないため、雑音を低く抑えることが困難であり、この雑音問題が解決されていない。
高周波域での安定な高Qを得ることと、低雑音化を図ることとが解決されていないため、現状では、高周波域における能動RCフィルタは実用されていない。実際には、高周波域でのフィルタ回路形成には、受動コイル(チップインダクタ)を用いざるを得ず、この受動コイルを外付けにしている。これによって、特に高周波域での各種フィルタ回路の小型化・モノリシックIC化が問題となっている。
そこで、広範なインダクタンスを含む各種フィルタ回路について、他の回路と共に集積化を図り易くし、回路構成の小型化が必要である。
従って、本発明は、低雑音特性の実現のために、全周波数域での伝送利得がフォワード利得以下の負帰還となるように、ループ利得を変更する伝達関数を有する能動RC信号処理回路を提供することを目的とする。
発明の開示
上記の課題を解決するため、本発明では、能動RC信号処理回路において、入力信号を所定利得で出力するフォワード回路と、前記フォワード回路の出力に所定の伝達特性を与えて前記入力信号に負帰還する帰還回路とを備え、処理回路の伝達インピーダンス特性が、全周波数域において前記所定利得以下となるようにした。
そして、前記フォワード回路を、電流制御電圧出力回路で構成し、前記電流制御電圧出力回路は、前記入力信号が入力されるベース接地トランジスタと、電圧出力するエミッタホロアトランジスタとを備え、前記所定利得を決める伝達インピーダンスを有すること、或いは、前記入力信号を反転入力とするオペアンプを有し、該オペアンプは、前記所定利得を決める伝達インピーダンスで帰還されていることを特徴とした。
また、前記帰還回路は、前記フォワード回路の出力に周波数依存特性を与える複数段による能動RC回路であり、又は、前記フォワード回路の出力に周波数依存特性を与えるオペアンプと複数段RC回路とによる電圧ホロア回路を用いた。
さらに、前記伝達インピーダンス特性が、バンドパスフィルタの所定周波数特性、ローパスフィルタの所定周波数特性、又は、ハイパスフィルタの所定周波数特性になっていることを特徴とした。
発明を実施するための最良の形態
以下に、本発明による低雑音能動RC信号処理回路について、図を参照して説明する。
先ず、本発明による信号処理回路において、全周波数域での伝送利得がフォワード利得以下の負帰還とした基本的原理を図1に基づいて説明する。
本発明の信号処理回路では、能動RCフィルタ回路として帰還形式を採用している。その帰還形回路のブロックダイヤグラムを図1にした。
図1において、Iは、入力電流を、Iは、出力電流を示し、そして、フォワード回路部の伝達関数を、T(s)、また帰還回路部の伝達関数を、T(s)としている。そこで、図1に示した帰還形回路における入出力伝達関数T(s)は次のように表される。
Figure 2003003575
Figure 2003003575
ここで、図1に示された帰還形回路の特性を、全周波数域において伝送利得がフォワード利得以下の負帰還となるようにするためには、式(1)の入出力伝達関数T(s)に基づくと、
Figure 2003003575
の条件を満足する必要がある。そこで、この式(2)で表される条件を満足するような伝達関数T(s)及びT(s)を選択することによって、目標のフィルタ特性を実現する。
しかし、図1の回路構成では、極周波数を含めて全周波数域で式(2)の条件を満足させることは困難であるので、a>1である定数aを式(1)の入出力伝達関数T(s)の分母に導入して、該関数を変形する。そうすると、式(1)で示される入出力伝達関数T(s)は、次のように変形できる。
Figure 2003003575
ここで、式(1)と式(3)の入出力伝達関数T(s)を比較すると、式(1)の帰還回路部の伝達関数T(s)を、
Figure 2003003575
に修正すれば、式(2)の条件を満足させることができる入出力伝達関数T(s)を得ることができる。
本発明では、この式(2)による原理に従って、全周波数域において伝送利得がフォワード利得以下の負帰還となるように、伝達関数T(s)及びT(s)を選択して、所望の周波数特性を有する低雑音能動RC信号処理回路を構成する。
次に、この低雑音能動RC信号処理回路の各種回路について、フォワード回路部に、バイポーラトランジスタによる電流制御電圧源(CCVS)を用いた第1の実施形態と、オペアンプによる逆相CCVSを用いた第2の実施形態とに分けて、それぞれに、種々の具体例を示しながら説明する
〔第1の実施形態〕
従来におけるサレン・キー回路、多重帰還形回路、ジャイレータによる回路等では、上述した式(2)の条件を満足させるような図1の回路構成を実現することはできない。そこで、第1の実施形態では、バイポーラトランジスタによるCCVSをフォワード回路部に採用することとした。
このトランジスタCCVSは、入力側に、ベース接地・トランジスタを、出力側にエミッタホロア・トランジスタを有し、これらのトランジスタの間には抵抗Rが接続されている。このCCVSの入力電流をI、出力電圧をVとすると、V=Rの関係が成立し、このCCVSの伝達インピーダンスは、Rとなる。
このような構成となっているトランジスタCCVSは、広帯域特性を得易いので、全周波数域の伝送利得を得る本発明の高周波信号処理回路に適用するのに好都合である。そして、伝達インピーダンスが抵抗となるため、入出力伝達関数の分子であるT(s)を定数とすることができ、これにより、上述の式(2)の条件を容易に満足でき、しかも、分母部分の伝達関数を選択することで所望する周波数特性を得ることができる。
そこで、入出力伝達関数T(s)を有する図1の帰還形回路に、フォワード回路としてトランジスタCCVSを用いたフィルタ回路の基本回路構成を、図2に示した。ここで、ベース接地のバイポーラトランジスタQと、エミッタホロアのバイポーラトランジスタQと、抵抗RとでトランジスタCCVSを形成し、帰還形能動RCフィルタ回路のフォワード回路を形成している。そのCCVSの入出力間に帰還回路部が接続されている。
なお、図2の基本回路構成では、交流成分に対する接続関係のみを示しており、トランジスタを駆動するための直流バイアスを省略している。以降に説明する基本回路構成についても同様である。
図2に示されるフィルタの基本回路構成において、使用されるトランジスタが理想的素子であると仮定した場合、その入出力伝達関数T(s)を伝達インピーダンス関数として表すと、
Figure 2003003575
となる。なお、β(s)は、帰還回路部の伝送関数を示す。
この伝送関数β(s)を所望の周波数特性となるように選択することにより、高周波数域における種々のフィルタ回路を実現することができる。そこで、種々のフィルタ回路について、バンドパス能動RCフィルタ回路、ローパス能動RCフィルタ回路、そして、ハイパス能動RCフィルタ回路に分けて、トランジスタCCVSを用いた第1の実施形態による高周波用の低雑音信号処理回路の具体例を以下に説明する。
(バンドパス能動RCフィルタ回路)
図2のフィルタ回路構成において、2次バンドパス能動RCフィルタとするには、その入出力伝達インピーダンス関数T(s)は、
Figure 2003003575
で与えられる。ここで、T(j ω)=Rとして、式(2)の条件に従って、T(j ω)<Rとなるように、帰還回路部の負帰還量を増やしてやる。
そこで、式(5)の伝達インピーダンス関数T(s)に、a>1の定数aを分母に導入して、
Figure 2003003575
とし、式(6)について変形し、
Figure 2003003575
で表せる伝達インピーダンス関数T(s)を得る。この式(7)で分かるように、伝送利得の水準低下は、フォワード回路の利得によることなく、該式の分母における
Figure 2003003575
の部分で発生しており、負帰還のループ利得の変更によるものとなっている。
式(5)を参照して、式(7)における伝送関数β(s)を求めると、
Figure 2003003575
となる。このとき、T(j ω)は、
Figure 2003003575
であり、s=j ωにおける一巡ループ利得は、1−aである。
そこで、式(8)の伝送関数β(s)を参照して、2次バンドパス能動RCフィルタ回路を実現する基本回路構成を、図3に示した。フォワード回路部を、トランジスタQ及びQそして抵抗RによるトランジスタCCVSで形成し、帰還回路部を、トランジスタQ乃至Q、コンデンサC及びC、そして、抵抗R乃至RとRで形成している。ここで、トランジスタを理想的素子と仮定して、図3に示された2次バンドパス能動RCフィルタ回路の伝達関数を求めると、
Figure 2003003575
となり、当該フィルタ回路に関する中心周波数における角周波数ωと、Qとについて、
Figure 2003003575
Figure 2003003575
で求められる。そして、中心周波数におけるループ利得1−aは、
Figure 2003003575
となる。
このように、帰還回路部を構成するコンデンサ又は抵抗の大きさを調整することにより、所望の周波数特性を有する2次バンドパス能動RCフィルタを構成できることが分かる。そこで、2次バンドパス能動RCフィルタ回路の具体的回路構成の例を、図4に示した。図の具体的回路構成には、トランジスタを駆動するための直流バイアス回路も示されている。
図4の2次バンドパス能動RCフィルタ回路では、中心周波数f=5MHz、Q=10を目標に実現するものとして回路構成を行った。npnバイポーラトランジスタに、2SC3501を、pnpバイポーラトランジスタに2SA1206を使用し、コンデンサ及び抵抗の値を次のようにした。
=10、C=60(単位、pF)
=3.5、R=10、R=0.7、R=1.5、R=2.3、R=4.4、R=5.1、R=0.6、R=1.4、RE1=0.1、RE2=0.6(単位、kΩ)
なお、図4の2次バンドパス能動RCフィルタ回路におけるトランジスタQ及びQは、補償容量として接続されている。
ここで、図5に、図4の2次バンドパス能動RCフィルタ回路のシミュレーション結果を示した。同図において、横軸は周波数を、そして、縦軸は伝達インピーダンスを示しており、f=4.81MHz、Q=8.17という結果が得られた。これらによると、伝達インピーダンス|T(j ω)|は、約1.6kΩとなっており、フォワード利得のR=3.5kΩを超えていない。
従って、図5のシミュレーション結果からも分かるように、中心周波数fにおいて高Qのバンドパス能動RCフィルタを形成していることが現われている。次に、ここに具体例として挙げた2次バンドパス能動RCフィルタ回路において、低雑音化を図ることができることについて、具体的に雑音源を想定して説明する。図3に示した2次バンドパス能動RCフィルタ回路の基本回路構成において、このフィルタ回路に組み込まれている個々のトランジスタの雑音源を取り上げ、それらの雑音出力を計算する。
図6に、雑音源を考慮したフィルタ回路を示した。中心周波数における各雑音源を電圧源enk、電流源inkとしている。ここで、kは、トランジスタの符号に対応している。なお、図6の雑音源を含むバンドパス能動RCフィルタ回路では、直流バイアス用の定電流源Q10を考慮してある。
そこで、例えば、トランジスタQに係る雑音源en3、in3による雑音出力VON(e3)、VON(i3)を代表的に求めると、
Figure 2003003575
となる。ここで、T(j ω)、ω、Qは、それぞれ、
Figure 2003003575
である。他の雑音源enk、inkによる雑音出力VON(ek)、VON(ik)についても同様の計算により求めることができる。
次いで、中心周波数f、Qをほぼ一定のまま、aの値を変えて、つまり、負帰還の一巡ループ利得a−1を変えた場合の雑音源enk、inkによる電圧源に対する雑音係数NVk、電流源に対する雑音係数NIkを計算することができ、それらは次のように表せる。
Figure 2003003575
図6のフィルタ回路において、aの値を変えるために、抵抗Rの値を、変化させ、かつ中心周波数fとQをほぼ一定となるように、コンデンサC、抵抗Rの値を調整する。このようにRC素子値を調整して、aの値を変化させた例を次に示す。
Figure 2003003575
以上のRC素子以外のRC素子値は、図4に示したフィルタ回路の構成素子のとおりである。また、入力部の抵抗を、R=3.5kΩとし、R10=0.9kΩである。コンデンサCには、トランジスタQ、Q10、Qのコレクタ容量を考慮に入れて、16pFとしている。
上記の中心周波数f、Qの種々の値は、式(17)及び式(18)により求めた値である。そこで、式(14)及び式(15)による雑音出力を用いて、負帰還の一巡ループ利得a−1の大きさに対する雑音係数を求める。この利得a−1に対する雑音係数について、例えば、雑音源en3、in3による雑音係数NV3、NI3をそれぞれ求めてプロットすると、図7に示されるグラフになる。
図7(a)には、雑音源en3による雑音係数NV3の場合を、そして、図7(b)には、雑音源in3による雑音係数NI3の場合を示している。ループ利得の大きさa−1に対する雑音係数NV3、NI3の結果から、a−1の値を大きく、つまり、負帰還ループ量が大きくなるように回路設計することにより、出力雑音が低減されており、負帰還を施さない場合、つまり、a=1のときには、出力雑音は相当に高いことということが分かる。なお、他の雑音源enk、inkによる雑音係数NVk、NIkについても、利得a−1に対する変化も図7(a)及び(b)と同様の傾向を示し、出力雑音が低減されている。
(ローパス能動RCフィルタ回路)
次に、図2のフィルタ回路構成において、2次ローパス能動RCフィルタとするには、その入出力伝達インピーダンス関数T(s)は、
Figure 2003003575
となる。この2次ローパス能動RCフィルタの伝達関数T(s)を実現するには、式(4)の関数β(s)について、
Figure 2003003575
を与えればよい。しかしながら、この場合、s=j ωにおいて、
Figure 2003003575
となってしまい、フォワード利得であるRを超えることになる。この様になると、|T(s)|<|T(s)|の条件が維持されないということである。そこで、|T(s)|<Rとなるように、式(21)の伝達関数T(s)を書き換えると、次のようになる。
Figure 2003003575
ここで、a>1として、伝達利得の水準低下を、フォワード利得R/aによることなく、負帰還のループ利得で実現するように変形する。式(7)と同様の手法により、帰還回路部の伝送関数β(s)を、
Figure 2003003575
のように与える。
この伝送関数β(s)による2次ローパス能動RCフィルタ回路の基本回路構成を、図8に示した。トランジスタQ及びQと抵抗Rとにより、伝達インピーダンスRのトランジスタCCVSのフォワード回路部を形成し、トランジスタQ乃至Q、コンデンサC及びC、抵抗R乃至RとRにより帰還回路部を形成している。
図8のローパス能動RCフィルタ回路において、トランジスタが理想的素子であると仮定すると、伝送関数β(s)、極角周波数ω、Q、aは、
Figure 2003003575
とそれぞれ表される。
ここで、最大平坦特性が得られるように、Q=1/2とし、
Figure 2003003575
を条件とした、図8に示された2次ローパス能動RCフィルタの基本回路構成の具体例を、図9に示した。同図の2次ローパス能動RCフィルタ回路において、npnバイポーラトランジスタに、2SC3501を、pnpバイポーラトランジスタに2SA1206を用い、また、コンデンサの値を、C=C=35(pF)とし、抵抗の値を、R=3.5、R=R=R=2、R=1.1、R=4.4、R=6.5、R=1.4、R=2.9、R10=0.3、R=2.5(kΩ)とした。
なお、図9に示した2次ローパス能動RCフィルタ回路では、遮断周波数f=3MHz、a=2.4を目標として回路設計を行った。そして、トランジスタQとQ、Q10とQ11は、補償容量として接続されている。
上記の各種素子値による2次ローパス能動RCフィルタ回路について、周波数−伝達インピーダンス特性のシミュレーション結果を、図10に示した。全周波数域において、|T(j ω)|は、フォワード利得R=3.5kΩを超えておらず、特に、周波数3MHz以下においては、利得がほぼ一定の約1.4kΩを示し、平坦なローパス特性を示している。
ところで、図8に示した2次ローパス能動RCフィルタの基本回路構成をさらに拡張して高次のフィルタ回路とすることができる。3次に拡張した基本回路構成の具体例を、図11に示した。
図8の2次ローパス能動RCフィルタの基本回路構成を高次に拡張するには、図8に示されたフィルタ回路の帰還回路部における伝送関数β(s)に相当する回路構成を多段にすることにより実現できる。図11に示したフィルタ回路では、この関数β(s)に係る回路構成を2段にして3次に拡張している。その伝達関数T(s)は、トランジスタの不完全性(コレクタ容量等)を無視すると、次のように表せる。
Figure 2003003575
しかしながら、図11に示されるように、3次ローパス能動RCフィルタの第1基本回路構成のβ(s)回路では、帰還抵抗素子R、R、RがトランジスタQのエミッタに集中した接続となる。図11の第1基本回路構成は、交流成分にのみ注目して示しており、直流バイアスの回路構成を省略している。そのため、この第1基本回路構成の具体的回路設計するにあたって、トランジスタQのエミッタに帰還抵抗が集中する回路構成は、直流バイアスの設計を困難にしている。
そこで、複数の帰還抵抗素子がトランジスタQのエミッタに集中しないようにした3次ローパス能動RCフィルタの第2基本回路構成を、図12に示した。この第2基本回路構成では、帰還抵抗素子R、R、RがトランジスタQのエミッタからβ(s)回路内の各入力側に接続されるのではなく、β(s)回路内の各出力からβ(s)回路の入力側、つまり、フィルタ回路の出力に接続されている。この様にして、トランジスタQのエミッタのバイアス設計を容易にしている。
第2基本回路構成による3次ローパス能動RCフィルタ回路の帰還回路部における伝送関数β(s)は、
Figure 2003003575
となり、フィルタ回路としての伝達関数T(s)は、
Figure 2003003575
で表される。なお、フォワード利得Rの3次ローパス能動RCフィルタ回路の伝達関数T(s)は、通過域リップルをα=0.5dBとすると、
Figure 2003003575
で与えられる。
そこで、第2基本回路構成による3次ローパス能動RCフィルタ回路の具体例を、図13に示した。このフィルタ回路では、a=3、遮断周波数f=5MHzを目標として、各種素子の値を設計した。pnpバイポーラトランジスタに、2SA1206を、npnバイポーラトランジスタに2SC3501を使用し、各素子の値は、次のとおりである。
コンデンサC=15、C=C=40、C=1 (pF)
抵抗R=3.5、R=2、R=0.8、R=1.9、R=2.7、R=2.1、R=3、R=1、R=6.4、R10=2.3、R11=6.4、R12=5、R13=4.4、R=2.5 (kΩ)
なお、トランジスタQ10とQ11、Q12とQ13、Q14とQ15、Q16とQ17の並列によるコレクタ容量は、トランジスタQとQ、QとQ、QとQ、QとQのコレクタ容量を打ち消して補償するものである。
ここで、図13に示されたローパス能動RCフィルタ回路に係る周波数−伝達インピーダンス特性のシミュレーション結果を、図14に示した。この結果において、低周波数域での伝達インピーダンスは、約1.2kΩとなっており、フォワード利得R=3.5kΩよりも、負帰還によって、1/aに減衰されていることが分かる。そして、全周波数域で十分に負帰還が施された状態を明確に示している。
また、図14に示した特性シミュレーション結果は、温度T=27℃を想定した場合であるが、この温度を変化させて、T=0〜80℃としても同様の周波数−伝達インピーダンス特性が得られ、温度変化に対して安定な特性を有することが確認された。
さらに、図6に示した手法と同様にして、ループ利得a−1の大きさに対する雑音係数NVk、NIkを求めることができ、利得a−1を大きくすれば、低雑音化を図れることが確認できた。
(ハイパス能動RCフィルタ回路)
次に、図2のフィルタ回路構成において、2次ハイパス能動RCフィルタとするには、その入出力伝達インピーダンス関数T(s)は、
Figure 2003003575
で与えられる。しかし、この伝達関数を実現する帰還ループを考慮すると、式(35)において、Q>1の場合には、|T(j ω)|>1となるため、フォワード利得の1を超えてしまい、式(2)の条件を満足しない。このままの伝達関数では、負帰還構成を実現できないので、式(35)の分母に、a>1の定数aを導入して、式(36)を変更する。伝達関数T(s)は、次のようになる。
Figure 2003003575
そこで、フィルタ回路の伝達利得の水準低下を、フォワード利得によらずに、負帰還のループ利得
Figure 2003003575
で実現する。
ここで、フォワード回路部に、前述のトランジスタCCVSを採用し、式(36)の負帰還ループ利得を得る帰還回路部を有する2次ハイパス能動RCフィルタの基本回路構成を、図15に示した。トランジスタCCVSは、トランジスタQとQ、抵抗Rで構成され、また、帰還回路部は、トランジスタQ乃至Q、コンデンサC及びC、抵抗R乃至R、Rで構成される。
この2次ハイパス能動RCフィルタの基本回路構成における帰還回路部の伝送関数β(s)は、
Figure 2003003575
である。
そして、使用されているトランジスタを理想的素子とすると、式(36)の伝達関数T(s)は、
Figure 2003003575
となり、極周波数ω、Q、aは、それぞれ、
Figure 2003003575
Figure 2003003575
である。
次に、図15で示したハイパス能動RCフィルタの基本回路構成に対して、直流バイアスをも考慮した具体的回路を、図16に示した。ここで図示された具体的回路では、最大平坦特性が得られるQ=1/2としており、
Figure 2003003575
の場合を示している。npnバイポーラトランジスタに2SC3501、pnpバイポーラトランジスタに2SA1206を使用し、各種の素子値は次のとおりである。
コンデンサ C=234、C=240 (pF)
抵抗 R=R=3.2、R=R=R=R11=0.6、R=2.6、R=1.4、R=0.8、R=R10=2.2、R12=R14=1.2、R13=R15=3.8、R=1.0 (kΩ)
図16に示したハイパス能動RCフィルタ回路の周波数−伝達インピーダンス特性のシミュレーション結果を図17に示した。ここで、周波数−伝達インピーダンス特性が、100MHz以上において減少しているが、これは、トランジスタ自体が持つ高域特性によるものである。一方、図中において、破線で示される特性は、寄生トランジスタの影響に拠るものである。そのため、図16に示したハイパス能動RCフィルタ回路では、この影響を無くすため、トランジスタQのエミッタにコンデンサC=3.5pFを挿入している。コンデンサCを挿入した場合の特性は、図17中の実線で示される。同図により、平坦特性を有するハイパス能動RCフィルタが形成されていることが分かる。
また、図6に示した手法と同様にして、ループ利得a−1の大きさに対する雑音係数NVk、NIkを求めることができ、利得a−1を大きくすれば、低雑音化を図ることができることを確認できた。
次に、図15に示された2次ハイパス能動RCフィルタの基本回路構成をさらに高次に拡張した場合を説明する。この高次への拡張手法は、前述のローパス能動RCフィルタの場合と同様であり、式(37)の伝達インピーダンス関数β(s)は帰還回路部に積分回路の多段接続を用いることにより実現できる。
図18に、例えば、2次ハイパス能動RCフィルタの基本回路構成を3次に拡張した基本回路構成を示した。図18に示した3次ハイパス能動RCフィルタの基本回路構成では、トランジスタQ10のエミッタに帰還抵抗R、R、Rが集中しない回路構成になっている。その理由は、前述のローパス能動RCフィルタの場合と同様である。
3次ハイパス能動RCフィルタの基本回路構成における伝達関数T(s)は、
Figure 2003003575
で与えられる。なお、フォワード利得Rの3次ハイパス能動RCフィルタ回路の伝達関数T(s)は、通過域リップルをα=0.5dBとすると、
Figure 2003003575
となる。
そこで、図18の基本回路構成による3次ハイパス能動RCフィルタ回路の具体例を、図19に示した。このフィルタ回路では、a=4、遮断周波数f=300kHzを目標として、各種素子の値を設計した。pnpバイポーラトランジスタに、2SA1206を、npnバイポーラトランジスタに2SC3501を使用し、各素子の値は、次のとおりである。
コンデンサ C=C=C=90、C=1 (pF)
抵抗 R=R=3.5、R=3.4、R=R15=1.9、R=3、R=0.9、R=2、R=1、R=2.2、R10=4.4、R11=1.2、R12=R13=0.6、R14=3.2、R15=1.8、R16=1.4、R=2.5 (kΩ)
図19中のトランジスタQ15とQ16、Q17とQ18、Q19とQ20、Q21は、トランジスタQとQ、QとQ、QとQ、Q10とQのコレクタ容量を打ち消すための補償容量として用いられている。
図19に示した3次ハイパス能動RCフィルタ回路の周波数−伝達インピーダンス特性のシミュレーション結果を図20に示した。なお、コンデンサCに並列に、抵抗R=40kΩを接続すると、図20中に破線で示されるような低域でのピークが抑えられ、実線で示されるように、平坦な周波数−伝達インピーダンス特性が得られ、3次ハイパス能動RCフィルタを実現できたことを示している。この特性における高域での減少は、トランジスタ自体の高域特性によるものである。
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、フォワード回路部と帰還回路部からなるフィルタ回路において、そのフォワード回路部にトランジスタCCVSを採用し、フィルタ回路の伝達関数が式(2)を満足するような帰還回路部の伝達インピーダンス関数を選択し、全周波数域での伝送利得が、フォワード利得以下の負帰還となるようにループ利得を変更した。
そこで、第2の実施形態では、トランジスタCCVSの代わりに、オペアンプによる逆相CCVSを用いて、全周波数域での伝送利得が、フォワード利得以下の負帰還となるようにループ利得を変更するようにした。そして、全周波数域に対するループ利得を大きくすることにより、信号処理回路の低雑音化を図ることができる。
オペアンプによる逆相CCVSの構成を、図21(a)に示した。逆相CCVSは、基本的には、オペアンプOPと抵抗Rとで構成され、抵抗RがオペアンプOPの反転入力と、その出力との間に接続されている。そこで、オペアンプOPの有限GB積を無視すると、図21(b)に示される等価回路が得られる。オペアンプOPの反転入力に入力信号が供給されるので、その出力は入力に対して逆相となり、電流電圧変換インピーダンスは、Rとなる。なお、オペアンプは、MOSトランジスタで構成できる。
次に、オペアンプによる逆相CCVSを用いて、上述の式(2)を満足するように、伝送利得を全周波数域にわたってフォワード利得以下に減衰する伝達関数に変更し、所望の周波数特性を有する能動RCフィルタ回路の実現について、バンドパス、ローパス、そしてハイパスの各フィルタ回路に分けて、説明する。
(バンドパス能動RCフィルタ回路)
図22に、オペアンプによる逆相CCVSを用いた負帰還形2次バンドパス能動RCフィルタ回路を示した。この逆相CCVSには、図21(a)の回路をそのまま用いた。逆相CCVSの入出力間に、オペアンプOP及びOP、コンデンサC及びC、抵抗R乃至Rからなる帰還回路部が接続されている。
ここで、オペアンプOP乃至OPの有限GB積を無視した理想形とした場合には、2次バンドパス能動RCフィルタ回路の伝達インピーダンス関数Zは、Z=V/Iであるので、
Figure 2003003575
を得ることができる。従って、中心角周波数ω、Qは、
Figure 2003003575
となる。
そこで、図22に示した2次バンドパス能動RCフィルタ回路の各素子に、具体的な数値を当て嵌めてシミュレーションした。その結果を周波数−伝達インピーダンス特性として、図23に示した。中心周波数f=100kHz、Q=10を目標にして、オペアンプには、LF356(GB=5MHz)を使用し、コンデンサは、C=100pF、C=10pF、そして、抵抗は、R=150kΩ、R=R=R=R=50kΩとした。
シミュレーション結果である図23の特性では、中心周波数f=94.9kHz、Q=21となっている。この結果と目標とのずれはオペアンプの有限GB積によるものである。
しかしながら、式(46)からも明らかなように、中心周波数fにおいて、負帰還とならない。図23に示した伝達インピーダンス特性でも、中心周波数fにおいて約350kΩとなっており、R=150kΩを大きく超えた状態になっている。つまり、図22に示した2次バンドパス能動RCフィルタ回路のままでは、式(2)の条件を満足してなく、中心周波数fで負帰還となっていない。
そこで、中心周波数fを含む全周波数域で、式(2)の条件を満足するように、負帰還量を増大させ、利得水準の低下を図った2次バンドパス能動RCフィルタ回路を、図24に示した。図24の2次バンドパス能動RCフィルタ回路の回路構成は、基本的には、図22に示した2次バンドパス能動RCフィルタ回路と同様であるが、さらに、オペアンプOPの帰還回路に、コンデンサCと直列に抵抗Rを挿入し、また、コンデンサCと直列に抵抗Rを、そして抵抗Rと並列にコンデンサCを接続した点が追加されている。
ここで、オペアンプOP乃至OPが理想形と仮定すると、フィルタ回路の伝達インピーダンス関数Zは、次のとおりになる。
Figure 2003003575
この場合のaは
Figure 2003003575
である。また中心角周波数ωとQは次式で与えられる。
Figure 2003003575
ここに示した式(48)に対し、各オペアンプOP乃至OPの有限GB積であるGB乃至GBを考慮したフィルタ回路の伝達インピーダンス関数Zは、次のとおりになる。
Figure 2003003575
なお、抵抗RとコンデンサCは、このGB積の影響を打ち消すための補償素子として用いられている。
次に、図24に示した2次バンドパス能動RCフィルタ回路について、a=2.2、中心周波数f=100kHz、Q=10を目標として、次のような数値設定をして、回路シミュレーションを行った。
コンデンサ C=150、C=85、C=1 (pF)
抵抗 R=200、R=10、R=150、R=R=50、R=1(kΩ)、R=80Ω
なお、オペアンプOP乃至OPには、LF357(GB=15MHz)を使用した。
この様に数値設定された2次バンドパス能動RCフィルタ回路についてシミュレーションを行った結果を、図25に周波数−伝達インピーダンス特性として示した。この結果によると、中心周波数f=109kHz、Q=9.5が得られ、これらは、設定した目標とよく一致しており、中心周波数fでの伝達インピーダンスは、フォワード回路の伝達インピーダンスR=200kΩより小さな値である約95kΩとなっている。このことから、図24の2次バンドパス能動RCフィルタ回路は、式(2)の条件を満足しており、全周波数域において、十分な負帰還が施されていることが分かる。
(ローパス能動RCフィルタ回路)
バイポーラトランジスタを用いた従来のローパスフィルタ回路では、帰還回路部に微分回路を多段に接続していた。しかし、オペアンプOPによる逆相CCVSを用いた2次バンドパス能動RCフィルタ回路においては、帰還回路部に、オペアンプと多段RC積分回路による周波数依存性の電圧ホロアを用いた。
この2次バンドパス能動RCフィルタ回路の構成を、図26に示した。このフィルタ回路では、フォワード回路部として、オペアンプOPによる逆相CCVSを入出力間に接続し、帰還回路部には、オペアンプOPの反転入力とその出力間に、コンデンサC、C、抵抗R、Rからなる多段RC積分回路を挿入した。
ここで、オペアンプを理想形と仮定すると、オペアンプOPの出力電圧Vは、次式で与えられる。
Figure 2003003575
この式(53)から分かるように、図26に示されるようなコンデンサC、C、抵抗R、Rによる多段はしご形接続が、s多項式の帰還伝送を与えていることに注目できる。
図26に示した2次ローパス能動RCフィルタ回路の伝達インピーダンス関数Zは、次のとおりである。
Figure 2003003575
ここで、Zに関する諸量は、
Figure 2003003575
となる。
そこで、式(54)に対し、オペアンプOP及びOPの有限GB積GB、GBを考慮すると、2次ローパス能動RCフィルタ回路の伝達インピーダンス関数Zは、次のとおりとなる。
Figure 2003003575
ただし、Aを
Figure 2003003575
とした。
次に、図26に示した2次ローパス能動RCフィルタ回路について、a=1.6、遮断周波数f=100kHz、Q=0.72を目標として、次のような数値設定をして、回路シミュレーションを行った。
コンデンサ C=C=195(pF)
抵抗 R=50、R=R=25、R=20、R=300(kΩ)
この様に数値設定された2次ローパス能動RCフィルタ回路についてシミュレーションを行った結果を、図27(a)に周波数−伝達インピーダンス特性として示した。この結果によると、低周波数域では、伝達インピーダンス50kΩより小さいものとなり、遮断周波数fは、105kHzとなり、目標値に近い結果が得られたが、16MHzと高い周波数で大きなピークが発生した。これは、式(58)の分母における(s/GB)(1+R/R)と、(R/R5)(1/s/GB)との微積分によって非常に高い周波数部分でピーク特性を生じるためである。
この高い周波数部分でのピーク特性の発生を抑制するため、図26の2次ローパス能動RCフィルタ回路において、帰還回路部に接続されている抵抗Rに並列にコンデンサCを接続する。このコンデンサCにより、主としてオペアンプOPのGBを補償するものである。
コンデンサC=5pFを抵抗Rに接続して、上述の数値設定により回路シミュレーションを行ったところ、図27(b)に示される周波数−伝達インピーダンス特性を得ることができた。この結果から、補償されることにより、Q=1.18と上昇し、初期の目標を達成できたことが分かる。
(ハイパス能動RCフィルタ回路)
オペアンプによる逆相CCVSを用いた2次ハイパス能動RCフィルタ回路の具体例を、図28に示した。そのフィルタ回路において、フォワード回路部にオペアンプOPによる逆相CCVSを接続し、帰還回路部に、オペアンプOPと、コンデンサC、C、抵抗R、Rの2段RC微分回路とによる周波数依存性の電圧ホロアを接続した。このRC微分回路を多段に増やすことにより、高次のハイパスフィルタとなる。また、このRC微分回路が、帰還伝送の(1/s)多項式を与えることに、図26のRC積分回路を用いての帰還伝送のs多項式と同様に、注目される。
図28の2次ハイパス能動RCフィルタ回路の伝達インピーダンス関数Z(s)は、オペアンプを理想形と仮定すると、次のようになる。
Figure 2003003575
ここで、
Figure 2003003575
図28に示した2次ハイパス能動RCフィルタ回路について、a=1.5、遮断周波数f=175kHz、Q=0.8を目標として、次のような数値設定をして、回路シミュレーションを行った。
コンデンサ C=C=30 (pF)
抵抗 R=50、R=R=25、R=100 (kΩ)
この様に数値設定された2次ハイパス能動RCフィルタ回路についてシミュレーションを行った結果を、図29に周波数−伝達インピーダンス特性として示した。この結果から分かるように、ローパス能動RCフィルタ回路と同様に、オペアンプの有限GB積GB、GBの影響によって、18MHzの高い周波数部分でピーク特性を示した。
そこで、式(60)に対し、オペアンプの有限GB積GB、GBの影響を考慮して、フィルタ回路の伝達インピーダンス関数Z(s)を求めると、次のようになる。
Figure 2003003575
ただし、Aは、
Figure 2003003575
である。
ここで、これらの式から、角周波数ωがGB、GB近傍では、式(65)のAが無視できる状態になり、(s/GB)(1+R/R)と(R/R)/(s/GB)とによるピーク特性を持つことが分かる。そのための補償として、抵抗Rに並列にコンデンサCを接続する。図28に示した2次ハイパス能動RCフィルタ回路に、この補償用コンデンサCを接続した回路構成を、図30に示した。
コンデンサC=0.3pFを抵抗Rに接続して、上述の数値設定で回路シミュレーションを行い、その結果を、周波数−伝達インピーダンス特性として図31に示した。コンデンサCを接続したことにより、高い周波数部分でのピーク特性を改善でき、初期の目標を達成できたことが分かる。
産業上の利用可能性
以上の様に、本発明では、能動RC信号処理回路をフォワード回路部と帰還回路部とで構成し、フォワード回路部には所定利得のCCVSを備え、そして、帰還回路部により、全周波数域でフォワード回路出力を負帰還し、かつ所定の伝達特性を付与するようにしたので、高Q、低Q素子感度に加えて、安定な高周波化の性能向上を容易に図ることができる能動RCフィルタを構成することができる。
そして、全周波数域で負帰還となっているので、安定した高Qが得られ易くなるとともに、低雑音化を図ることができる。
また、処理回路の伝達特性をほぼコンデンサと抵抗の値により決めることができるようになり、インダクタンスを用いることなく、信号処理回路を設計することが容易となり、しかも、処理回路の小型化、高集積化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による帰還形信号処理回路の基本的ブロックダイヤグラムを示す図である。
第2図は、フォワード部にトランジスタ電流制御電圧源を用いた第1の実施形態による帰還形信号処理回路の基本回路構成を示す図である。
第3図は、第1の実施形態による2次バンドパス能動RCフィルタ回路の基本回路構成を示す図である。
第4図は、第3図の2次バンドパス能動RCフィルタ回路の具体的回路構成を示す図である。
第5図は、第4図の2次バンドパス能動RCフィルタ回路における周波数−伝達インピーダンス特性をシミュレーションした結果を示す図である。
第6図は、雑音源を考慮した第3図の2次バンドパス能動RCフィルタ回路を示す図である。
第7図は、ループ利得の値に対する雑音係数の変化を示す図である。
第8図は、第1の実施形態による2次ローパス能動RCフィルタ回路の基本回路構成を示す図である。
第9図は、第8図の2次ローパス能動RCフィルタ回路の具体的回路構成を示す図である。
第10図は、第9図の2次ローパス能動RCフィルタ回路における周波数−伝達インピーダンス特性をシミュレーションした結果を示す図である。
第11図は、第1の実施形態による3次ローパス能動RCフィルタ回路の第1基本回路構成を示す図である。
第12図は、第1の実施形態による3次ローパス能動RCフィルタ回路の第2基本回路構成を示す図である。
第13図は、第12図の第2基本回路構成による3次ローパス能動RCフィルタ回路の具体的回路構成を示す図である。
第14図は、第13図の3次ローパス能動RCフィルタ回路における周波数−伝達インピーダンス特性をシミュレーションした結果を示す図である。
第15図は、第1の実施形態による2次ハイパス能動RCフィルタ回路の基本回路構成を示す図である。
第16図は、第15図の2次ハイパス能動RCフィルタ回路の具体的回路構成を示す図である。
第17図は、第16図の2次ハイパス能動RCフィルタ回路における周波数−伝達インピーダンス特性をシミュレーションした結果を示す図である。
第18図は、第15図の基本構成を高次化した3次ハイパス能動RCフィルタ回路の基本回路構成を示す図である。
第19図は、第18図の3次ハイパス能動RCフィルタ回路の具体的回路構成を示す図である。
第20図は、第19図の3次ハイパス能動RCフィルタ回路における周波数−伝達インピーダンス特性をシミュレーションした結果を示す図である。
第21図は、オペアンプによる逆相電流制御電圧源を説明する図である。
第22図は、フォワード部に逆相電流制御電圧源を用いた第2の実施形態による2次バンドパス能動RCフィルタ回路を示す図である。
第23図は、第22図の2次バンドパス能動RCフィルタ回路における周波数−伝達インピーダンス特性をシミュレーションした結果を示す図である。
第24図は、GB積の影響を打ち消した第22図の2次バンドパス能動RCフィルタ回路を示す図である。
第25図は、第24図の2次バンドパス能動RCフィルタ回路における周波数−伝達インピーダンス特性をシミュレーションした結果を示す図である。
第26図は、第2の実施形態による2次ローパス能動RCフィルタ回路を示す図である。
第27図は、第26図の2次ローパス能動RCフィルタ回路における周波数−伝達インピーダンス特性をシミュレーションした結果を示す図である。
第28図は、第2の実施形態による2次ハイパス能動RCフィルタ回路を示す図である。
第29図は、第28図の2次ハイパス能動RCフィルタ回路における周波数−伝達インピーダンス特性をシミュレーションした結果を示す図である。
第30図は、第29図におけるピーク特性を無くした第28図の2次ハイパス能動RCフィルタ回路を示す図である。
第31図は、第30図の2次ハイパス能動RCフィルタ回路における周波数−伝達インピーダンス特性をシミュレーションした結果を示す図である。

Claims (9)

  1. 入力信号を所定利得で出力するフォワード回路と、
    前記フォワード回路の出力に所定の伝達特性を与えて前記入力信号に負帰還する帰還回路とを有し、全周波数域において前記所定利得以下となる伝達インピーダンス特性となる低雑音能動RC信号処理回路。
  2. 前記フォワード回路は、電流制御電圧出力回路であることを特徴とする請求項1に記載の低雑音能動RC信号処理回路。
  3. 前記電流制御電圧出力回路が、前記入力信号が入力されるベース接地トランジスタと、電圧出力するエミッタホロアトランジスタとを備え、前記所定利得を決める伝達インピーダンスを有することを特徴とする請求項2に記載の低雑音能動RC信号処理回路。
  4. 前記電流制御電圧出力回路が、前記入力信号を反転入力とするオペアンプを有し、該オペアンプは、前記所定利得を決める伝達インピーダンスで帰還されていることを特徴とする請求項2に記載の低雑音能動RC信号処理回路。
  5. 前記帰還回路は、前記フォワード回路の出力に周波数依存特性を与える複数段による能動RC回路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の低雑音能動RC信号処理回路。
  6. 前記帰還回路は、前記フォワード回路の出力に周波数依存特性を与えるオペアンプと複数段RC回路とによる電圧ホロア回路であることを特徴とする請求項1、2又は4のいずれか一項に記載の低雑音能動RC信号処理回路。
  7. 前記伝達インピーダンス特性が、バンドパスフィルタの所定周波数特性になっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の低雑音能動RC信号処理回路。
  8. 前記伝達インピーダンス特性が、ローパスフィルタの所定周波数特性になっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の低雑音能動RC信号処理回路。
  9. 前記伝達インピーダンス特性が、ハイパスフィルタの所定周波数特性になっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の低雑音能動RC信号処理回路。
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