JP4929087B2 - 給紙装置,及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

給紙装置,及びこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は,複写機やプリンタ装置などに代表される画像形成装置に設けられる給紙装置に関し,特に,その給紙装置における用紙の分離機構に関するものである。
一般に,複写機やプリンタ装置などに代表される画像形成装置には,給紙カセットや給紙トレイなどの用紙収容部に収容された用紙を,画像形成部に向けて搬出するための給紙装置が設けられる。この給紙装置には,画像形成部に対して用紙を一枚ずつ搬出するべく,用紙収容部から複数枚の用紙が重なり合って搬送された場合に,その重なり合った用紙を分離する分離機構が設けられる。
例えば,用紙収容部から送り出された用紙を搬出する給紙ローラに接触して配置された分離ローラによって,重なり合った用紙を分離する分離機構を有する給紙装置が知られている(例えば,特許文献1参照)。
より具体的に,分離ローラを用いた分離機構では,分離ローラがトルクリミッタを介してモータ軸に連結されており,このモータ軸から分離ローラには,用紙を用紙収容部に送り返す方向への回転力が伝達されている。
これにより,用紙が一枚である場合には,給紙ローラから用紙を介して分離ローラに作用する回転トルクがトルクリミッタの設定トルク以上となり,分離ローラが給紙ローラに従って回転する。
一方,用紙が重なり合っている場合には,その重なり合った用紙の間の摩擦係数が小さいため,給紙ローラから用紙を介して分離ローラに作用する回転トルクが前述の場合よりも小さくなる。そのため,分離ローラに作用する回転トルクがトルクリミッタの設定トルク未満となり,分離ローラは用紙を用紙収容部へ送り返す方向に回転する。
このように,分離ローラを用いた分離機構では,その分離ローラに設けられたトルクリミッタの設定トルクによって用紙の分離能力が定まり,その設定トルクを変更することはできなかった。
特開平3−128832号公報
ところで,昨今のデジタルカメラ技術や写真印刷技術の発展,パソコンやその周辺機器などのデジタル機器の普及により,複写機やプリンタ装置,ファクシミリ,複合機などの画像形成装置で使用される用紙として,多種多様なものが開発されている。
例えば,写真印刷などに使用されるコート紙(塗工紙とも称される)は,紙表面の平滑性と染料の発色性を向上させるため,原紙表面に特殊な物質を塗布した塗工層が形成されている。このコート紙は,一般的にプリンタ装置や複写機などで使用される普通紙と比較して,用紙表面の粘着性が高いため,複数のコート紙が用紙収容部に積まれた場合,複数枚のコート紙が重なり合って搬送(重送)されてしまう可能性が高い。
そこで,給紙装置では,重なり合ったコート紙を分離させることができる程度に大きい設定トルクを有するトルクリミッタを用いることで,用紙に掛かるトルク(以下,「分離トルク」という)を増大させることが考えられる。
しかしながら,トルクリミッタの設定トルクを大きくするほど,分離ローラの表面が給紙ローラや用紙に擦り付けられる力が強くなるため,例えば,分離ローラや給紙ローラの摩耗や変形によって長寿命化が阻害されるという問題や,搬送する用紙へのダメージが大きくなるという問題が生じる。
したがって,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,分離ローラによる分離トルクの大きさを切り換えることのできる給紙装置及びこれを備える画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,用紙収容部に収容された用紙を搬出する方向に回転駆動される給紙ローラと,前記給紙ローラに対向して配置され,重なり合った用紙を分離する分離ローラと,前記分離ローラに作用する前記給紙ローラの回転方向と反対方向の回転トルクが設定トルク以上になるまで,該分離ローラの前記給紙ローラの回転方向と反対方向への回転を規制する第1トルクリミッタと,前記分離ローラを前記給紙ローラの回転方向と同方向に回転駆動させる分離ローラ回転駆動手段と,を備えてなる給紙装置に適用されるものである。そして,本発明に係る前記給紙装置は,前記分離ローラの表面に接触して配置され,該分離ローラの表面を清掃する清掃ローラと,前記清掃ローラに作用する前記給紙ローラの回転方向と同方向の回転トルクが設定トルク以上になるまで,該清掃ローラの前記給紙ローラの回転方向と同方向への回転を規制する第2トルクリミッタと,前記清掃ローラを前記給紙ローラの回転方向と同方向及び反対方向のいずれかに回転駆動させる清掃ローラ駆動手段と,前記清掃ローラ駆動手段による前記清掃ローラの回転駆動の有無や回転方向を切り換える駆動切換手段とをさらに備えてなることを特徴として構成される。
このように構成された前記給紙装置では,前記駆動切換手段によって,前記清掃ローラの回転駆動の有無や回転方向を切り換えることにより,前記分離ローラから用紙に掛かる分離トルクの大きさを変更することが可能となる。
具体的には,前記清掃ローラを前記給紙ローラの回転方向と同方向に回転させれば,該清掃ローラから前記分離ローラに対しても前記給紙ローラの回転方向と反対方向の回転トルクが作用することになり,前記第1トルクリミッタによる規制が解除されやすくなる。即ち,前記分離ローラによる分離トルクが小さくなる。
一方,前記清掃ローラを前記給紙ローラの回転方向と反対方向に回転させれば,該清掃ローラから前記分離ローラに対して前記給紙ローラの回転方向と同方向の回転トルクが作用することになる。この場合には,前記分離ローラに作用する前記清掃ローラの回転方向と反対方向の回転トルクが,前記第1トルクリミッタ及び前記第2トルクリミッタの合計以上にならなければ,該分離ローラが前記清掃ローラの回転方向と反対方向に回転しない。即ち,前記分離ローラによる分離トルクが大きくなる。
このような分離トルクの大きさの切り換えを必要に応じて行えば,前記分離ローラや前記給紙ローラの摩耗や変形,或いは搬送する用紙へのダメージを抑制するという効果を得ることができる。
具体的に,本発明では,前記駆動切換手段が,前記用紙収容部に収容された用紙の種別に対応して,前記清掃ローラ駆動手段よる前記清掃ローラの回転駆動の有無や回転方向を切り換えるように構成されることが望ましい。
このような構成では,例えば普通紙とコート紙など,粘着性や摩擦係数の違いに対応して分離トルクを適宜切り換えることが可能であるため,重なり合った用紙を確実に分離しつつ,前記分離ローラや前記給紙ローラの摩耗や用紙へのダメージなどを抑制することができる。具体的には,コート紙を用いる場合には,普通紙を用いる場合よりも高い分離能力が求められるため,分離トルクが大きくなるように前記清掃ローラの回転駆動の有無や回転方向を切り換えればよい。
さらに,前記分離ローラが前記給紙ローラに接触されて配置される構成では,前記給紙ローラ及び前記分離ローラの間に用紙が狭持されていない状態で該給紙ローラが回転駆動されたときに,前記給紙ローラから前記分離ローラに作用する該給紙ローラの回転方向と反対方向の回転トルクが,前記第1トルクリミッタ及び前記第2トルクリミッタの設定トルクの合計以上となる関係が成立するように構成することが望ましい。
これにより,前記給紙ローラ及び前記分離ローラの間に用紙が狭持されていない状態で該給紙ローラを回転駆動させることで,前記分離ローラによごれが付着している場合など,該分離ローラ及び前記清掃ローラの間の摩擦係数が小さい場合には,該分離ローラの表面を前記清掃ローラに摺接させて清掃することができる。
一方,前記分離ローラによごれが付着していない場合など,該分離ローラ及び前記清掃ローラの間の摩擦係数が大きく前記分離ローラの清掃の必要がない場合には,該分離ローラの回転に従って前記清掃ローラが前記給紙ローラの回転方向と同方向に回転することになる。したがって,前記分離ローラが前記清掃ローラに摺接することなく,不要な摩耗が防止され,装置の長寿命化を図ることができる。
ところで,ここまで本発明を給紙装置の発明として捉えてきたが,本発明は,ここで説明した前記給紙装置を備えてなる画像形成装置の発明として捉えることも可能である。
本発明の構成によれば,前記駆動切換手段によって,前記清掃ローラの回転駆動の有無や回転方向を切り換えることにより,前記分離ローラから用紙に掛かる分離トルクの大きさを変更することが可能となる。したがって,その分離トルクの大きさの切り換えを必要に応じて行えば,前記分離ローラや前記給紙ローラの摩耗や変形,或いは搬送する用紙へのダメージを抑制するという効果を得ることができる。
例えば普通紙とコート紙など,粘着性や摩擦係数の違いに対応して分離トルクを適宜切り換えることで,重なり合った用紙を確実に分離しつつ,前記分離ローラや前記給紙ローラの摩耗や用紙へのダメージなどを抑制することができる。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。なお,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係るプリンタ1の概略構成を示す模式図,図2及び図3は本発明の実施の形態に係る給紙装置30の要部構成図,図4〜図6は本発明の実施の形態に係る給紙装置30の動作を説明するための模式図である。
まず,図1を用いて本発明の実施の形態に係るプリンタ1の全体構成について説明し,次に,図2〜5を用いて本発明の実施の形態に係る給紙装置30の構成及び動作について説明する。なお,図1及び図2における右方がプリンタ1の前面側,左方が背面側である。
図1に示すように,プリンタ1の本体2の内部下方には,用紙収容部の一例である給紙カセット20が配置されている。給紙カセット20の内部には,用紙Pが積まれて収容されている。給紙カセット20の用紙搬送方向下流部上方には,給紙装置30が配置されている。なお,プリンタ1は,本発明に係る画像形成装置の一例に過ぎず,他に,複写機やファクシミリ装置,複合機なども本発明に係る画像形成装置に該当する。
プリンタ1では,給紙装置30により,給紙カセット20に収容された用紙Pが,図1において給紙カセット20の右上方に向けて送り出される。なお,給紙カセット20は,本体2の前面側,すなわち図1において右方から水平に引き出すことが可能である。
給紙カセット20は,図1に示すように,その主たる部分が給紙トレイ21で構成されている。給紙トレイ21は,上面が開口した平たい箱で構成され,その上面方向から印刷前のカットペーパー等の用紙Pを積載して収容する。
給紙トレイ21の内底面には,リフト板22が備えられている。用紙Pは,このリフト板22の上面に積み上げられる。リフト板22は,その給紙方向上流端,すなわち図1において左方の端部が,給紙トレイ21の,給紙方向と直角をなす用紙幅方向両側壁に支持されている。そして,リフト板22は,この支持部を中心とし,下流端を自由端として垂直面内で回転可能である。
リフト板22の給紙方向下流部下方には,給紙トレイ21の内底面との間に,ばね23が備えられている。このばね23は,リフト板22の下流部を上方に変位させるべく付勢する付勢手段である。リフト板22は,ばね23の作用によりその下流部が持ち上げられ,用紙束の最上層が,給紙カセット20の下流部上方に設けられた給紙装置30に当接する,図1に示す用紙供給位置に変位する。リフト板22上の用紙Pは,この給紙装置30により一枚ずつ分離されて,給紙カセット20の用紙搬送方向下流へ,すなわち図1の右上方に向かって送り出される。
給紙カセット20の用紙搬送方向下流には,給紙用用紙搬送路3,レジストローラ4,及び画像形成部40が配置されている。画像形成部40には,その中心に,回転体の像担持体である感光体ドラム41が備えられている。
感光体ドラム41は,図1において反時計回り方向に回転する。感光体ドラム41の周囲には,その回転方向に沿って順に帯電装置42,現像装置43,及びドラム用のクリーニング装置44が配置されている。
現像装置43は,その主たるところが図1において時計回り方向に回転するロータリーラック43aで構成され,このロータリーラック43aに計4台の現像器が周方向に等間隔に配置されている。4台の現像器とは,ブラック用の現像器43B,イエロー用の現像器43Y,マゼンタ用の現像器43M,及びシアン用の現像器43Cである。
ロータリーラック43aは,不図示の駆動手段により回転せしめられ,4台の現像器43B,43Y,43M,43Cを順次感光体ドラム41と対向する位置に移動させて,感光体ドラム41表面に各色の現像剤であるトナーを供給し,トナー像を形成させるものである。画像形成部40の上方には,この現像装置43にトナーを補給するためのトナー補給容器5,及び補給パイプ6が備えられている。トナー補給容器5,及び補給パイプ6は,各色用のものが,ロータリーラック43a軸線方向に並べて配置されている。
画像形成部40の上方には光学部7が備えられ,ここからレーザ光Lが感光体ドラム41に向かって照射される。図中の太い点線がレーザ光Lを示す。
感光体ドラム41のすぐ下方には,中間転写体を無端ベルトの形で用いた中間転写ベルト8が配置されている。中間転写ベルト8は,複数のローラに巻き掛けられて支持され,図1において時計回り方向に回転する。中間転写ベルト8は,感光体ドラム41に下方から圧接し,一次転写部9を形成している。
中間転写ベルト8が用紙搬送路に懸かる箇所には,二次転写部10が配置されている。用紙Pは,この二次転写部10に形成された二次転写ニップ部に挿通されることにより,中間転写ベルト8に圧接せしめられ,トナー像が転写される。二次転写部10の用紙搬送方向下流には,ベルト用クリーニング装置11が備えられている。
画像形成部40及び二次転写部10の用紙搬送方向下流には,定着部12,排出用用紙搬送路13,及び用紙排出部14が配置されている。用紙排出部14は,本体2の上面に,印刷済みの用紙Pを外部から取り出し可能な位置に設けられている。
定着部12及び二次転写部10の下方であって,給紙カセット20との間には,両面印刷用用紙搬送路15が配置されている。両面印刷用用紙搬送路15は,排出用用紙搬送路13の途中から分岐し,定着部12の下方,及び二次転写部10の下方を通り,レジストローラ4のすぐ上流で給紙用用紙搬送路3に合流している。
一方,プリンタ1の本体2の正面上方には,操作パネル16が備えられている。ユーザは,この操作パネル16から,印刷に使用する用紙の種類やサイズ,厚さなどの用紙の条件を入力したり,印刷枚数や両面印刷を行うか否かなどの設定を入力したりすることができる。
また,プリンタ1には,当該プリンタ1を統括的に制御する制御部17が設けられている。制御部17は,CPUやRAM,ROMなどの制御機器を有してなり,前記ROMに格納された制御プログラムを実行することにより,プリンタ1の動作を制御する。例えば,制御部17は,ユーザによる操作パネル16からの入力や,外部の情報処理装置からの画像データの入力などに従って設定処理や印刷処理などを実行する。
さらに,本発明の実施の形態に係るプリンタ1では,制御部17によって給紙装置30の分離ローラ33の分離トルク切換制御が行われる。この点については,後段で詳述する。
以下,図2〜図5を用いて,プリンタ1に搭載された本発明の実施の形態に係る給紙装置30の構成及び動作について説明する。まず,図2及び図3を参照しつつ,給紙装置30の概略構成について説明する。ここに,図3(a)は分離ローラ33及び清掃ローラ34の側面図,図3(b)は分離ローラ33及び清掃ローラ34の正面図である
図2に示すように,給紙装置30は,前送りローラ31,給紙ローラ32,分離ローラ33,及び清掃ローラ34を備えている。なお,前送りローラ31及び給紙ローラ32は本体2に,分離ローラ33及び清掃ローラ34は給紙カセット20に取り付けられている。
前送りローラ31は,リフト板22の下流部上方に配置されている。給紙トレイ21に積載された用紙Pの下流部は,ばね23の力が作用したリフト板22により持ち上げられ,その用紙Pの最上層が,下方から前送りローラ31に接触する。用紙Pは,前送りローラ31によって給紙ローラ32へと引き渡され,給紙ローラ32により給紙カセット20の外部へと搬送される。
給紙ローラ32は,図2に示すように,前送りローラ31の下流側において,その表面下部が給紙用用紙搬送路3に突出するように配置されており,給紙カセット20から送り出される用紙Pを搬出する。
また,給紙ローラ32は,不図示のモータ(以下,「給紙用モータ」という)に連結されており,その給紙用モータによって,用紙Pを給紙用用紙搬送路3に搬出する方向,即ち図2における反時計周り方向に回転駆動される。
一方,前送りローラ31は,モータに連結されておらず,給紙ローラ32と前送りローラ31との間に設けられた不図示の連動機構を介して給紙ローラ32に連結されている。これにより,前送りローラ31は,給紙ローラ32が前記給紙用モータ(不図示)によって回転駆動されると,前記連動機構(不図示)によって給紙ローラ32と同じ方向に回転駆動される。
分離ローラ33は,図2に示すように,給紙ローラ32の下方に対向して配置されたものであって,給紙カセット20から重なり合った複数枚の用紙Pが搬送される場合に,その用紙Pを分離するものである。
また,分離ローラ33は,不図示の付勢手段の作用により上方に向かって付勢され,給紙ローラ32に接触している。この分離ローラ33と給紙ローラ32とが接触して形成される搬送ニップに用紙Pが挿通される。なお,給紙ローラ32及び分離ローラ33は,必ずしも接触している必要はなく,給紙ローラ32及び分離ローラ33で用紙を狭持して回転するものであれば,その間に微小な間隙が形成されていてもよい。
さらに,分離ローラ33は,図3(b)に示すように,第1トルクリミッタ35,モータ軸33aを介して,不図示のモータ(分離ローラ駆動手段の一例,以下「分離用モータ」という)に連結されている。分離ローラ33は,前記分離用モータ(不図示)によって,用紙Pを給紙カセット20側に押し戻す方向,即ち図2における反時計周り方向(給紙ローラ32と同方向)に回転駆動される。
即ち,給紙ローラ32及び分離ローラ33の接触箇所(搬送ニップの箇所)では,給紙ローラ32及び分離ローラ33各々の表面に,逆方向に移動する方向への回転負荷が作用していることになる。
また,分離ローラ33の駆動手法は前記分離用モータ(不図示)に限られない。例えば,前記分離用モータ(不図示)を設けずに,前送りローラ31と同様に不図示の連動機構を設けて分離ローラ33及び給紙ローラ32を連結しておき,前記給紙用モータ(不図示)による給紙ローラ32の回転駆動に連動して分離ローラ33が給紙ローラ32と同方向に回転駆動するように構成することも可能である。
第1トルクリミッタ35は,分離ローラ33に作用する時計周り方向(給紙ローラ32の回転方向と反対方向)の回転トルクが,予め定められた設定トルク以上になるまで,該分離ローラ33の時計回り方向(給紙ローラ32の回転方向と反対方向)への回転を規制するものである。具体的に,分離ローラ33には,給紙ローラ32や清掃ローラ34が図2における反時計周り方向に回転されることにより,その給紙ローラ32や清掃ローラから時計回り方向の回転トルクが掛かる。
そして,分離ローラ33に作用する時計回り方向の回転トルクが設定トルク以上になると,第1トルクリミッタ35による規制が解除され,分離ローラ33は時計回り方向に回転することになる。なお,このとき前記分離用モータ(不図示)によってモータ軸33aが反時計回り方向に回転駆動されている場合には,モータ軸33aは,その駆動力が分離ローラ33に伝達されず,第1トルクリミッタ35で空転することになる。
他方,清掃ローラ34は,図2に示すように,分離ローラ33のさらに下方に配置されたものであって,該分離ローラ33の表面を清掃するためのものである。
また,清掃ローラ34は,その下方に備えられた付勢手段であるばね51の作用により,上方に向かって付勢され,分離ローラ33に接触している。なお,ばね51を,清掃ローラ34を上方に付勢して分離ローラ33に接触させ,該分離ローラ33を上方に付勢して給紙ローラ32に接触させるための付勢手段として用いる場合には,前記した分離ローラ33を上方に付勢する不図示の付勢手段は省略してもよい。
さらに,清掃ローラ34は,図3(b)に示すように,第2トルクリミッタ36,モータ軸34aを介して,不図示のモータ(清掃ローラ駆動手段の一例,以下「清掃用モータ」という)に連結されている。ここに,前記清掃用モータ(不図示)は,清掃ローラ34を正逆転方向(時計回り方向及び反時計回り方向のいずれかの方向)に回転駆動させることが可能なものである。なお,前記清掃用モータ(不図示)は,分離ローラ34から清掃ローラ34に伝達される回転トルクとは別に,清掃ローラ34に回転トルクを作用させて該清掃ローラ34を回転駆動させる。
そして,清掃ローラ34は,制御部17によって前記清掃用モータ(不図示)への通電の有無や通電方向などが制御されることにより,回転駆動の有無や回転方向が切り換えられる。
ここに,清掃ローラ34の回転駆動の有無や回転方向を切り換えるように前記清掃用モータ(不図示)を制御するときの制御部17が駆動切換手段に相当する。なお,当該制御が,給紙装置30に設けられた不図示のASICなどの制御手段で実行される場合には,その制御手段が駆動切換手段に相当する。
第2トルクリミッタ36は,清掃ローラ34に作用する反時計周り方向(給紙ローラ32の回転方向と同方向)の回転トルクが,予め定められた設定トルク以上となるまで,該清掃ローラ34の反時計回り方向(給紙ローラ32の回転方向と同方向)の回転を規制する。なお,トルクリミッタ35及びトルクリミッタ36各々の設定トルクは,同じであっても或いは異なるものであってもよい。具体的に,清掃ローラ34には,給紙ローラ32が反時計回り方向に回転されることにより,該給紙ローラ32から分離ローラ33を介して図2における反時計周り方向の回転トルクが掛かる。
そして,清掃ローラ34に作用する反時計回り方向の回転トルクが設定トルク以上になると,第2トルクリミッタ36による規制が解除され,清掃ローラ34は反時計回り方向に回転することになる。なお,このとき仮に前記清掃用モータ(不図示)によってモータ軸34aが時計回り方向に回転駆動されている場合には,モータ軸34aは,その駆動力が清掃ローラ34に伝達されず,第2トルクリミッタ36で空転することになる。
次に,図4及び図5を用いて,プリンタ1において制御部17によって実行される給紙装置30の分離ローラ33の分離トルク切換制御について説明する。ここに,図4は普通紙を用いる場合,図5はコート紙を用いる場合における給紙装置30の動作を説明するための模式図である。
まず,プリンタ1に対して外部の情報処理装置から画像データが入力されることにより印字出力要求がなされた場合など,給紙カセット20からの用紙Pの供給が必要になった際,制御部17は,その印字出力に用いられる用紙Pの種別を判断するための処理を実行する。
具体的に,制御部17は,操作パネル16からの設定入力や,外部の情報処理装置からの画像データ入力時の指示などに基づいて判断を行う。もちろん,用紙種別を判断するためのセンサを有する場合には,そのセンサの検知結果に基づいて判断すればよい。
ここでは,制御部17が,用紙Pの種別が普通紙であるかコート紙であるかを判断するものとして説明する。しかし,本発明はこれに限られるものではなく,例えば,用紙Pの種別が,粘着性や摩擦係数などを指標として一定の閾値を境に予め分類して設定された二つのグループのいずれに該当するものであるかを判断するものであってもよい。要するに,用紙Pが重なり合って送り出される場合に,その用紙Pを分離ローラ33で分離するために必要な分離トルクによって用紙種別を予め分類しておけばよい。
なお,図4及び図5に示すように,プリンタ1に対して印字要求がなされた場合,プリンタ1では,制御部17によって前記給紙用モータ(不図示)及び前記分離用モータ(不図示)が制御されることにより,給紙ローラ32は矢印R10方向(反時計回り方向)に回転され,分離ローラ33のモータ軸33aは矢印R20方向(反時計回り方向)に回転される。
これにより,給紙ローラ32から分離ローラ33に対しては,該給紙ローラ32の回転方向と反対方向,即ち図4及び図5における矢印R21方向の回転トルクが作用することになる。
そして,本発明の実施の形態に係るプリンタ1では,制御部17が,給紙カセット20から搬出する用紙Pの種別に対応して,前記清掃用モータ(不図示)による清掃ローラ34の回転駆動の回転方向を切り換えることにより,その清掃ローラ34から分離ローラ33に作用する回転トルクを変化させることで,該分離ローラ33の分離トルクが調整される。以下,具体的に説明する。
なお,本実施の形態では,給紙ローラ32及び分離ローラ33の間に用紙Pが狭持されていない状態,或いは用紙Pが一枚である状態で,給紙ローラ32が回転駆動されたときに,該給紙ローラ32から分離ローラ33に作用する時計回り方向(給紙ローラ32の回転方向と反対方向)の回転トルクが,第1トルクリミッタ35及び第2トルクリミッタ36の設定トルクの合計以上となる関係が成立するように各パラメータが決定されているものとする。
また,重なり合った普通紙を分離するために分離ローラ33に必要な分離トルクが,前記清掃用モータ(不図示)によって清掃ローラ34が反時計回り方向に回転駆動されたときに,該清掃ローラ34から分離ローラ34に作用する時計回り方向の回転トルクと,第1トルクリミッタ35の設定トルクとの差分値であり,重なり合ったコート紙を分離するために分離ローラ33に必要な分離トルクが,第1トルクリミッタ35及び第2トルクリミッタ36の設定トルクの合計値であるとする。
(普通紙を用いる場合)
まず,図4を用いて,搬出される用紙Pが普通紙である場合について説明する。ここに,図4(a)は給紙カセット20からの用紙Pが一枚である場合,図4(b)は給紙カセット20からの用紙Pが二枚重なり合っている場合を説明するための図である。
図4(a),(b)に示すように,制御部17は,用紙Pが普通紙であると判断した場合には,清掃ローラ34を回転駆動する前記清掃用モータ(不図示)を制御することにより,清掃ローラ34のモータ軸34aを矢印R30方向(反時計回り方向)に回転させる。したがって,モータ軸34aから清掃ローラ34に対して矢印R31方向(反時計回り方向)への回転力が作用する。
これにより,分離ローラ33には,給紙ローラ32からだけではなく,該分離ローラ33に接触配置された清掃ローラ34からも回転トルクが作用することになる。ここで,清掃ローラ34の回転方向は,給紙ローラ32の回転方向(矢印R10方向)と同じである矢印R31方向であるため,分離ローラ33には,給紙ローラ32及び清掃ローラ34の両方から矢印R21方向(時計回り方向)の回転トルクが作用することになる。
即ち,給紙ローラ32から分離ローラ33に作用する回転トルクをF1,清掃ローラ34から分離ローラ33に作用する回転トルクをF2とすると,それらを合計した回転トルクF3(=F1+F2)が,分離ローラ33に対して矢印R21方向に作用することになる。
このように,プリンタ1では,用紙Pが普通紙である場合には,清掃ローラ34に矢印R31方向の回転トルクを作用させて,該清掃ローラ34から分離ローラ33に対して矢印R21方向の回転トルクを作用させることで,該分離ローラ33が矢印R21方向に回転しやすい状況となる。
この状況で,図4(a)に示すように,普通紙である用紙Pが一枚だけ,給紙ローラ32及び分離ローラ33の間に搬送されると,給紙ローラ32の回転トルクが用紙Pを介して分離ローラ33に十分に伝達されることになる。
ここで,プリンタ1では,前述したように,用紙Pが一枚である状態では,給紙ローラ32から分離ローラ33に作用する時計回り方向(矢印R21方向)の回転トルクF1が,第1トルクリミッタ35及び第2トルクリミッタ36の設定トルクの合計以上となる関係が成立している。これにより,当然に前記回転トルクF3は第1トルクリミッタ35の設定トルク以上である。
したがって,前記回転トルクF3によって第1トルクリミッタ35の規制が解除され,分離ローラ33は給紙ローラ32及び清掃ローラ34の回転に従って矢印R21方向に回転することになり,用紙Pが給紙用用紙搬送路3に搬出される。
一方,図4(b)に示すように,普通紙である用紙Pが二枚重なり合った状態で,給紙ローラ32及び分離ローラ33の間に搬送される場合には,重なり合った用紙Pの間の摩擦係数が小さいため,給紙ローラ32の回転トルクが用紙Pを介して分離ローラ33に十分に伝達されない。
そのため,前記回転トルクF3が第1トルクリミッタ35の設定トルク未満となり,分離ローラ33の矢印R21方向への回転は第1トルクリミッタ35によって規制される。これにより,分離ローラ33は停止或いは矢印R22方向に回転することになる。
したがって,重なり合った下側の用紙Pは,分離ローラ33の矢印R22方向の回転トルク(分離トルク)によって上側の用紙Pと分離され,上側の用紙Pだけが,給紙ローラ32の矢印R10方向の回転トルクによって給紙用用紙搬送路3に搬出されることになる。
(コート紙を用いる場合)
次に,図5を用いて,搬出される用紙Pがコート紙である場合について説明する。ここに,図5(a)は給紙カセット20からの用紙Pが一枚である場合,図5(b)は給紙カセット20からの用紙Pが二枚重なり合っている場合を説明するための図である。
図5(a),(b)に示すように,制御部17は,用紙Pがコート紙であると判断した場合には,清掃ローラ34を回転駆動する前記清掃用モータ(不図示)を制御することにより,清掃ローラ34のモータ軸34aを矢印R40方向(時計回り方向)に回転させる。したがって,モータ軸34aから清掃ローラ34に対して矢印R41方向(時計回り方向)への回転力が作用する。
これにより,清掃ローラ34から分離ローラ33には,給紙ローラ32からの矢印R21方向の回転トルクとは反対方向である矢印R22方向の回転トルクが作用することになる。そのため,給紙ローラ32から分離ローラ33に作用する回転トルクをF1,清掃ローラ34から分離ローラ33に作用する回転トルクをF2とすると,それらを差し引いた回転トルクF4(=F1−F2)が,分離ローラ33に対して矢印R21方向に作用することになる。
このように,プリンタ1では,用紙Pがコート紙である場合には,清掃ローラ34に矢印R41方向の回転トルクを作用させて,該清掃ローラ34から分離ローラ33に対して矢印R22方向の回転トルクを作用させることで,該分離ローラ33が矢印R21方向に回転しにくい状況となる。
具体的に,この場合には,給紙ローラ32から分離ローラ33に作用する回転トルクF1が,第1トルクリミッタ35及び第2トルクリミッタ36の設定トルクの合計以上となるまで,分離ローラ33の矢印R21方向の回転は規制される。即ち,用紙Pがコート紙である場合には,普通紙である場合に比べて,分離ローラ33による分離トルクが増大されている。
この状況で,図5(a)に示すように,コート紙である用紙Pが一枚だけ,給紙ローラ32及び分離ローラ33の間に搬送されると,給紙ローラ32の回転トルクが用紙Pを介して分離ローラ33に十分に伝達されることになる。
ここで,プリンタ1では,前述したように,用紙Pが一枚である状態では,給紙ローラ32から分離ローラ33に作用する時計回り方向(矢印R21方向)の回転トルクF1が,第1トルクリミッタ35及び第2トルクリミッタ36の設定トルクの合計以上となる関係が成立している。
したがって,前記回転トルクF1によって第1トルクリミッタ35及び第2トルクリミッタ36の規制が解除され,分離ローラ33は給紙ローラ32の回転に従って矢印R21方向に回転することになり,用紙Pは給紙用用紙搬送路3に搬出される。なお,このとき清掃ローラ34は,分離ローラ33の矢印R21方向の回転に従って矢印R31方向に回転することになる。
一方,図5(b)に示すように,コート紙である用紙Pが二枚重なり合った状態で,給紙ローラ32及び分離ローラ33の間に搬送される場合には,重なり合った用紙Pの間の摩擦係数が小さいため,給紙ローラ32の回転トルクが用紙Pを介して分離ローラ33に十分に伝達されない。
そのため,給紙ローラ32から分離ローラ33に作用する回転トルクF1が,第1トルクリミッタ35及び第2トルクリミッタ36の設定トルクの合計未満となり,分離ローラ33の矢印R21方向(図5(a)参照)への回転,清掃ローラ34の矢印31方向(図5(a)参照)への回転は規制された状態になる。これにより,分離ローラ33は停止或いは矢印R22方向に回転し,清掃ローラ34も停止或いは矢印R41方向に回転することになる。
したがって,重なり合った下側の用紙Pは,分離ローラ33の矢印R22方向の回転トルク(分離トルク)によって上側の用紙Pと分離され,上側の用紙Pだけが,給紙ローラ32の矢印R10方向の回転トルクによって給紙用用紙搬送路3に搬出されることになる。
以上説明したように,本発明の実施の形態に係るプリンタ1では,制御部17が,用紙Pの用紙種別が普通紙であるかコート紙であるかを判断し,その判断結果に対応して,清掃ローラ34の回転方向を自動的に切り換えている。
これにより,給紙装置30の分離ローラ33の分離トルクをその用紙種別に適した分離トルクに切り換えて,重なり合った用紙Pを分離させることができるため,高い分離性能を得ることができる。
即ち,必要に応じて,分離ローラ33の表面が給紙ローラ32や用紙Pに擦り付けられる力を強めたり弱めたりすることができるため,従来のように常に分離ローラ33の分離トルクを高い値で維持される場合に比べて,分離ローラや給紙ローラの摩耗や変形,搬送する用紙へのダメージなどを抑制することができる。
また,本実施の形態では,説明の便宜上,給紙カセット20が一つである場合を例に挙げて説明したが,さらに複数の給紙カセット20や手差しトレイなどを有してなり,それらを選択的に用いる構成であってもよい。この場合には,例えば,その給紙カセット20や手差しトレイごとに収容される用紙Pの種別を予め登録しておくことで,いずれの給紙カセット20を用いるかに対応して,分離ローラ33の分離トルクを切り換えるように制御することが可能である。
なお,本実施の形態では,制御部17が,清掃ローラ34を回転駆動する前記清掃用モータ(不図示)の回転方向を切り換える場合について説明したが,前記清掃用モータ(不図示)による清掃ローラ34の回転駆動の有無を切り換えることも他の実施例として考えられる。この場合にも同様に,分離ローラ33の分離トルクを切り換えることが可能である。
また,本発明の構成に,清掃ローラ34を分離ローラ33に接触・離間させることのできる手段を追加して,分離ローラ33から清掃ローラ34を離間させた状態を実現可能とすれば,分離ローラ33の分離トルクを,トルクリミッタ35及びトルクリミッタ36の設定トルクの差分と,トルクリミッタ35単体の設定トルクと,トルクリミッタ35及びトルクリミッタ36の設定トルクの合計との三通りに切り換えることが可能となる。
本実施例では,図6を用いて,清掃ローラ34による分離ローラ33の清掃動作について説明する。ここに,図6は給紙装置30における分離ローラ33の清掃動作を説明するための模式図である。
給紙装置30における分離ローラ33の清掃動作は,プリンタ1の電源が投入された際や,一定期間経過ごと,或いは印字出力前など,清掃ローラ34及び分離ローラ33の間に用紙Pがない状態で,制御部17によって適宜実行される。
清掃動作時,制御部17は,前記給紙用モータ(不図示),前記分離用モータ(不図示)を制御することにより,図6に示すように,給紙ローラ32を矢印R10方向,分離ローラ33のモータ軸33aを矢印R20方向に回転駆動させる。また,制御部17は,清掃ローラ34が停止状態となるように前記清掃用モータ(不図示)を制御する。
このとき,給紙ローラ32及び分離ローラ33の間には用紙Pが存在せず,該給紙ローラ32が分離ローラ33に直接接触しているため,該給紙ローラ32から分離ローラ33へは十分に回転トルクが伝達される。
ここで,プリンタ1では,前述したように,給紙ローラ32及び分離ローラ33の間で用紙Pが狭持されていない状態では,給紙ローラ32から分離ローラ33に作用する時計回り方向(矢印R21方向)の回転トルクが,第1トルクリミッタ35及び第2トルクリミッタ36の設定トルクの合計以上となる関係が成立している。
したがって,分離ローラ33に紙粉等のよごれが付着していない場合など,分離ローラ33及び清掃ローラ34の摩擦係数が高く,給紙ローラ32からの回転トルクが,分離ローラ33を介して清掃ローラ34に十分に作用する場合には,図6(a)に示すように,第1トルクリミッタ35及び第2トルクリミッタ36の両方が解除され,分離ローラ33が矢印R21方向に回転し,清掃ローラ34が矢印R31方向に回転することになる。この場合には,分離ローラ33及び清掃ローラ34の接触位置では,各々の表面が摺接することなく同方向に進行することになる。
一方,分離ローラ33に紙粉等のよごれが付着している場合など,分離ローラ33及び清掃ローラ34の摩擦係数が低く,給紙ローラ32からの回転トルクが,分離ローラ33を介して清掃ローラ34に十分に伝達されない場合には,該清掃ローラ34に作用する回転トルクが第2トルクリミッタ36の設定トルクを超えないため,該清掃ローラ34は停止状態で維持されることになる。
しかし,給紙ローラ32から分離ローラ33に作用する回転トルクは,少なくとも該分離ローラ33の第1トルクリミッタ35の設定トルクは超えるため,該第1トルクリミッタ35の規制が解除され,分離ローラ33は,図6(b)に示すように矢印R21方向に回転することになる。
したがって,分離ローラ33は,その表面が清掃ローラ34の表面に摺接しながら回転することになり,該分離ローラ33の表面が清掃される。
以上,説明したように,プリンタ1では,分離ローラ33の表面によごれが付着して摩擦係数が低下している場合など,該分離ローラ33の清掃が必要な場合にのみ,その分離ローラ33が清掃ローラ34に摺接しながら回転してその表面が清掃される。これにより,プリンタ1では,清掃が不要な状況で分離ローラ33及び清掃ローラが摺接しながら回転することが防止されるため,分離ローラ33及び清掃ローラの摩耗や変形を抑制し,装置の長寿命化を図ることができる。
本発明は,重なり合った用紙を分離する分離ローラに接触してその表面をクリーニングする清掃ローラを備えた給紙装置,及び画像形成装置において利用可能である。
本発明の実施の形態に係るプリンタ1の概略構成を示す模式図。 本発明の実施の形態に係る給紙装置30の要部構成図。 本発明の実施の形態に係る給紙装置30の要部構成図。 普通紙を用いる場合の給紙装置30の動作を説明するための模式図。 コート紙を用いる場合の給紙装置30の動作を説明するための模式図。 給紙装置30における清掃動作を説明するための模式図。
符号の説明
1…プリンタ(画像形成装置の一例)
2…本体
3…給紙用用紙搬送路
16…操作パネル
17…制御部(駆動切換手段の一例)
20…給紙カセット(用紙収容部の一例)
21…給紙トレイ
30…給紙装置
31…前送りローラ
32…給紙ローラ
33…分離ローラ
34…清掃ローラ
35…第1トルクリミッタ
36…第2トルクリミッタ

Claims (4)

  1. 用紙収容部に収容された用紙を搬出する方向に回転駆動される給紙ローラと,
    前記給紙ローラに対向して配置され,重なり合った用紙を分離する分離ローラと,
    前記分離ローラに作用する前記給紙ローラの回転方向と反対方向の回転トルクが設定トルク以上になるまで,該分離ローラの前記給紙ローラの回転方向と反対方向への回転を規制する第1トルクリミッタと,
    前記分離ローラを前記給紙ローラの回転方向と同方向に回転駆動させる分離ローラ回転駆動手段と,
    を備えてなる給紙装置であって,
    前記分離ローラの表面に接触して配置され,該分離ローラの表面を清掃する清掃ローラと,
    前記清掃ローラに作用する前記給紙ローラの回転方向と同方向の回転トルクが設定トルク以上になるまで,該清掃ローラの前記給紙ローラの回転方向と同方向への回転を規制する第2トルクリミッタと,
    前記清掃ローラを前記給紙ローラの回転方向と同方向及び反対方向のいずれかに回転駆動させる清掃ローラ駆動手段と,
    前記清掃ローラ駆動手段による前記清掃ローラの回転駆動の有無及び/又は回転方向を切り換える駆動切換手段と,
    を備えてなることを特徴とする給紙装置。
  2. 前記駆動切換手段が,前記用紙収容部に収容された用紙の種別に対応して,前記清掃ローラ駆動手段よる前記清掃ローラの回転駆動の有無及び/又は回転方向を切り換えるものである請求項1に記載の給紙装置。
  3. 前記分離ローラが前記給紙ローラに接触されて配置され,
    前記給紙ローラ及び前記分離ローラの間に用紙が狭持されていない状態で該給紙ローラが回転駆動されたときに,前記給紙ローラから前記分離ローラに作用する該給紙ローラの回転方向と反対方向の回転トルクが,前記第1トルクリミッタ及び前記第2トルクリミッタの設定トルクの合計以上となる関係が成立する請求項1又は2のいずれかに記載の給紙装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の給紙装置を備えてなる画像形成装置。
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