JP4928892B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液状機能性材料をインクジェットヘッドにより被記録媒体上へ吐出して画像形成するインクジェット装置に関する。
液状機能性材料(以下、「インク」という)をインクジェットヘッドを用いて記録媒体上に吐出して画像形成を行うインクジェット装置は、環境に優しい、種々の記録媒体に高速で記録できる、滲みにくく高精細画像が得られる、などの特徴を有している。特に、紫外線硬化型インクを用いた装置は光源の扱い易さ、コンパクト化等の観点から、開発が進んでいる。
ところが、インクジェットインクには中に気泡や溶存気体があると、吐出時にインクが十分圧縮されないために吐出性が低下し、安定したインク粒が発生できず、ドット抜けや印字不良を発生させインクジェット記録方法の信頼性が低下するという問題があった。
このため、特許文献1記載の発明や特許文献2記載の発明では、気泡や溶存気体を除去するためのインクジェットインクの脱気が一般に行われていた。
特開平5−17712号公報 特開2004−196936号公報
図4は、特許文献1記載の発明を基に本出願人が先に開発したインクジェット記録装置である。図において、50は画像記録部、52はヘッドユニット、58はインクジェットヘッド、70はインク供給部、72A、72Bはインクタンク、74はフィルタを備えたポンプ、75は送気機構であるパイプ、76は脱気(脱酸素)装置、78は真空ポンプ、80はインク供給路、80aは分岐路、84は曝露バルブ、L’は水性インク(又はソルベントインク)である。
このインクジェット記録装置の動作は、次のようになる。
画像形成時には、曝露バルブ84を閉じると共に脱気機構82を作動させ、インク供給路80中の水性インクL’から脱気を行ってインクジェットヘッド58に供給する。脱気された水性インクL’は、ヘッドドライバ54の制御に基づいてインクジェットヘッド58から吐出されて被記録媒体S(図1)に着弾し、紫外線照射部56(図1)から紫外線が照射されて画像が形成される。
被記録媒体Sに着弾した水性インクL’は脱気されているので、インクジェットヘッド58内での泡発生が低減し、泡に起因する吐出不良が改善される、という効果が得られた。
ところが、ここで用いているインクは水性インクやソルベントインクを使用しており、これらのインクでは沸点が100℃程度の成分を含むため、沸点が100℃の成分であれば室温で0.1atm程度に減圧すると沸騰が起こってしまった。そして、沸騰が起こるとインク成分が変性を伴うので、0.1atm以下(例えば0.06atm以下)の高真空に脱気することは実質不可能であった。
一方、インク中の気体成分は整流拡散によって成長するため、特に長時間の連続吐出を行う場合、0.1atm程度の従来の脱気では泡が成長するので、吐出不良を起してしまい、不十分であり、長時間安定してインクジェット吐出を行う有効な手段がなかった。
そこで、本発明はこれらの課題を解決するためになされたもので、十分に脱気できて、長時間安定してインクジェット吐出を行うことにできる実用可能なインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、液状機能性材料をインクジェットヘッドにより被記録媒体上へ吐出して画像形成するインクジェット記録装置に係り、液状機能性材料を画像信号に基づき被記録媒体に向けてノズルから吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドと対向する位置に前記被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、前記インクジェットヘッドに前記液状機能性材料を供給する供給経路と、前記インクジェットヘッド又は前記供給経路中に設けられる真空脱気機構と、を有するインクジェット装置において、前記液状機能性材料の組成物を構成する化合物の沸点の最低値が110℃以上であり、かつ、その時の前記真空脱気機構の脱気真空度が(a)〜(e)のいずれかに該当することを特徴としている。
(a)前記液状機能性材料の組成物を構成する化合物の沸点の最低値が110℃であるとき、前記真空脱気機構の脱気真空度が0.06atm前後であること。
(b)前記沸点の最低値が120℃前後のとき前記脱気真空度が0.04atm前後であること。
(c)前記沸点の最低値が130℃前後のとき前記脱気真空度が0.03atm前後であること。
(d)前記沸点の最低値が150℃前後のとき前記脱気真空度が0.02atm前後であること。
(e)前記沸点の最低値が200℃前後のとき前記脱気真空度が0.01atm前後であること。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェット装置において、さらに、前記沸点の最低値対前記脱気真空度の関係を示したテーブルを備えた制御用インターフェイス(PC)と、前記脱気装置の真空度を測定する真空計と、前記真空ポンプを制御する圧力コントローラと、を備え、前記真空計の測定値を前記制御用インターフェイスに送り、前記制御用インターフェイスは前記測定値と目標値を比較し、前記測定値が目標値に一致するように前記圧力コントローラを介して前記真空ポンプを動作させるインクジェット装置であって、前記制御用インターフェイスは前記液状機能性材料の組成物を構成する化合物の沸点の最低値から前記テーブルを基に前記目標値を決定することを特徴としている。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のインクジェット装置において、前記液状機能性材料の沸点の最低値に応じて前記脱気真空度を前記(a)〜(e)の関係から補間することを特徴としている。
そして、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット装置において、前記液状機能性材料が紫外線硬化性材料であることを特徴としている。
以上のように、インクとして高沸点物質から成る機能性材料を用いることで、高真空で脱気を行うことができるので、泡が成長しないため吐出不良がなく、良質な画像を長時間安定して描けるインクジェット装置が得られるようになる。
以下、本発明について図面に基づいて詳しく説明する。
ここでは組成物を構成する化合物の沸点の最低値が110℃以上の活性エネルギー硬化型インクを用いた実施形態で説明するが、もちろん活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置に限定されるものではなく、組成物を構成する化合物の沸点の最低値が110℃以上の高沸点物質から成るインクであればどのようなものでもかまわない。
[実施形態1]
図1は本発明が対象とする活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の構成図、図2は図1に示す活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の画像記録部および液状機能性材料供給部(以下、インク供給部とも言う)の概略構成図である。
まず、活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の構成から説明する。
図1において、活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置10の筐体12内には、筐体12内下部で同一サイズのシート状の被記録媒体Sを複数枚重ねて収納する被記録媒体収納部20と、この収納部20から被記録媒体Sを取り出して収納部20の上方位置へ搬送する搬送部30と、収納部20の上方位置に配置されて搬送部30により搬入された被記録媒体Sを記録位置範囲で保持しつつ搬送を行う走査搬送部40と、走査搬送部40で保持移送されている被記録媒体Sにインクジェット画像記録走査と紫外光照射定着(本実施形態では紫外光利用しているが、活性エネルギーであればよい。)とを行う画像記録部50と、画像記録部50で記録済みとなった被記録媒体Sが送出されるトレイ60と、画像記録部50へ液状機能性材料(以下、インクとも言う)を供給するために接続される液状機能性材料供給部であるインク供給部70と、装置内部の換気を行う排気部90とが備えられている。
被記録媒体収納部20は、被記録媒体Sを収納する収納カセット22が活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置10の筐体12下部で着脱自在に配置され、入れ替えにより異なるサイズの被記録媒体Sを供給することができる。この記録媒体収納部20は複数カセットを装着する構成とすることもできる。
被記録媒体収納部20の他の構成として、ロールに巻かれた記録材料を供給するカセットとすることもできる。この場合、搬送部30の操出ローラ32に替えて、記録材料を所望の長さに切るカッターが配置されても良い。
搬送走査部40では、3つのベルトローラ44a,44b,44cに張架駆動される搬送ベルト42が備えられている。搬送ベルト42は上流ベルトローラ44bから下流ベルトローラ44c方向へ駆動され、被記録媒体Sは上流ベルトローラ44bと下流ベルトローラ44cとの間で搬送ベルト42上に戴置搬送される。上流ベルトローラ44bと下流ベルトローラ44cとのほぼ中間位置が画像記録位置42Pとされている。
なお、ベルト搬送以外にもプラテン上の搬送やローラによる挟持搬送などの構成とすることもできる。
画像記録部50では、ヘッドユニット52がそのインク吐出先端を画像記録位置42Pで搬送ベルト42に向けて備えられている。本実施形態では、ヘッドユニット52は被記録媒体Sの幅方向全域に渡って吐出ノズルを有するフルライン型のヘッドが使用されている。このヘッドユニット52にはヘッドドライバ54が接続されて、インク各色の吐出量を制御する。なお、インク供給部70にはインクカートリッジが着脱自在に備えられる構成としても良い。また、画像記録部50前後にインクジェット以外の塗布機構や表面処理機構を備えていても良い。
また、画像記録位置42Pの直後でヘッドユニット52下流には紫外線照射部56が配置され、インクが被記録媒体Sに乗って直後に硬化・定着するだけの強力なエネルギーを与える。図1では紫外線照射部56が複数あるヘッドユニット52に対して1個のみ備えられているが、複数ヘッドユニット52に任意に数だけ備えることもできる。その際の紫外線照射部の種類・光量・スペクトルが異なっていても良い。
被記録媒体Sが搬送ベルト42から離される位置(本実施形態では下流ベルトローラ44c位置)の下流には剥離爪62が配置され、剥離爪62の先端は下流ベルトローラ44c付近で被記録媒体Sの搬送ベルト42からの剥離を促す。トレイ60は搬送ベルト42から剥離された被記録媒体Sを収容する。このトレイ60は、筐体12内からトレイ送出入口12bにおいて、引き出し自在に備えられており、このトレイ送出入口12bは蓋64を備えている。
次に、液状機能性材料供給部および画像記録部の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、液状機能性材料供給部70は、組成物を構成する化合物の沸点の最低値が110℃以上の液状機能性材料であるインクLを貯留するインクタンク72A、72Bを備える。インクタンク72A、72Bは、フィルタを備えたポンプ74を介して接続されており、必要に応じてインクタンク72Aに貯留されたインクLを、インクタンク72Bに供給する。また、下流側のインクタンク72Bは、送気機構であるパイプ75により外部と連通される。送気機構は、パイプ75にエアポンプを配設して強制的にインクタンク72Bに空気を供給するようにしてもよい。また、インクタンクは撹拌機構を有しているのが好ましい。
ポンプ74としては、ローラーポンプ、ギヤポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ、ロータリーポンプ、などの各種ポンプの使用が可能である。ただし、0.04 atm以下の圧力で連続運転できる必要がある。例えばアルバック機工のDTU−20が使用可能で、ポンプは溶剤対応であることが望ましい。ポンプ周りには、必要に応じてトラップ、圧力計、コントローラを設置できる。
インクタンク72とヘッドユニット52のインクジェットヘッド58とは、液状機能性材料流路であるインク供給路80により接続されており、インクLをインクタンク72からインクジェットヘッド58に供給する。インク供給路80の途中には、脱気装置76および真空ポンプ78を具備する脱気機構が配設されている。
脱気装置76はインクに溶解している気体を膜を通して真空側に除去する脱気膜方式を用いたものである。すなわち、気体透過性・液体不透過性の隔膜の片側に液体を流し、他の側を減圧することにより、液体に溶解している気体を膜を通 して真空側に除去する方法で、具体的には中空糸状の、ポリテトラフルオロエチレン等からなる気体透過・液体不透過膜が束状になっており、インクタンクからのインクLを脱気装置76に送ると、中空糸の周りは真空ポンプ78により減圧となっており、インクLから気体透過膜を通して溶存気体が除去される。
また、脱酸素・脱水は膜脱酸素・脱水、チューブ脱酸素・脱水に加え、必要に応じて超音波発振子により超音波振動を付与しても良い。また、脱気装置76前後にフィルターを有していても良い。
脱気装置76を作動させて達成する脱気真空度は、高真空度にすればするほど脱気が改善されるので好ましいが、組成物を構成する化合物の沸点の最低値が110℃以上のインクを使用しているのでこれとの関係で脱気真空度を決定するのが効果的である。
組成物を構成する化合物の沸点の最低値から脱気真空度を決定するには、Antoine式やPressure−Temperature Nomograph等を使用する。これによれば、沸点の最低値が110℃のときは脱気真空度が0.06atm、沸点の最低値が120℃のときは脱気真空度が0.04atm、沸点の最低値が130℃のときは脱気真空度が0.03atm、沸点の最低値が150℃のときは脱気真空度が0.02atm、そして沸点の最低値が200℃以上のときは脱気真空度が0.01atm以下とするのが効果的であり、好ましい。
また、この数値にない沸点の最低値の時の脱気真空度は、その最低値に最も近い上下の既知の沸点の最低値の各脱気真空度を結ぶ勾配を基に比例配分する等の既知の補間法で求めることができる。
脱気真空度の調整はユーザーが直接真空ポンプ(又は脱気ライン上に設けられた圧力コントローラでもよい。)を制御して行なう。
なお、インク組成物を構成する化合物の沸点の最低値の対象には5%以下の微量組成物や不純物や微量の溶存気体や水分を含まないようにしておく。
また、一般に高沸点のインクを用いると、乾燥・定着行程が困難になる。そのため、インクはここで用いている活性エネルギー線硬化型インクであることが好ましい。
インク供給路80は、インクジェットヘッド58の近傍において分岐された分岐路80aを有し、分岐路80aの一端は、分岐路80aに接続されて曝露バルブ84を介して外部に連通している。外部は大気でも良いが、背圧調整機構であることが望ましい。
インク供給路80および分岐路80aの材料としては、SUS管や銅管などの金属管、PTFE、PFA、FEP、パーフロロチューブ、内面にフッ素化合物を有する複層チューブ(例えば、三ツ星社製パスカルチューブ)を使用するのが好ましい。外装の一つにはガスバリア性が高い層(例えばEVOH)を有していることが好ましい。場合によっては、遮光機能を有するものが良い。
脱気の効果は溶存酸素量測定によって測定可能である。
溶存酸素量測定には例えば東亜ディーケーケー社製のDO−24PやDO−32Aが使用できる。ただし、水性インク以外で使用する場合は、有機溶媒対応電極を使用する必要がある。また、有機溶媒を用いた場合は溶存酸素量の絶対量を測定できないため、各インクの飽和溶存酸素量を100%とした時の相対溶存酸素量で評価する必要がある。上記の構成を用いた場合、溶存酸素量は5%以下となり、最適な構成では1%以下となる。
次に、本実施形態の作用を説明する。
画像形成を行なう前に、まず使用するインクLの中に含まれる組成物を構成する化合物の沸点の最低値情報を入手して、その沸点の最低値に対応する脱気真空度となるように真空ポンプ78を設定する。沸点の最低値に対応する脱気真空度は、前述のようにして求める。
その結果、インクの組成物を構成する化合物の沸点の最低値が110℃であるとき、脱気真空度が0.06atm、120℃のとき真空度が0.04atm、130℃のとき0.03atm、150℃のとき0.02atm、200℃のとき0.01atmとすることで、インクが沸騰しないギリギリの高真空度が実現できるので、インク内の気泡や溶存気体が最も効率よく脱気されることとなるため安定したインク粒が得られ、したがってドット抜けや印字不良の発生しない高信頼性のインクジェット記録が行なわれることとなる。
そこで、画像形成時には、曝露バルブ84を閉じると共に脱気機構(脱気装置76,真空ポンプ78)を作動させ、インク供給路80中のインクLから最も効率のよい脱気を行ってインクジェットヘッド58に供給する。効果的に脱気されたインクLは、ヘッドドライバ54の制御に基づいてインクジェットヘッド58から吐出されて被記録媒体Sに着弾し、紫外線照射部56から紫外線が照射されて画像が形成される。
このように、被記録媒体Sに着弾したインクLは、効率よく脱気されているので、インクジェットヘッド58内での泡発生がなくなり、泡に起因する吐出不良が改善される。このように、脱気時の真空度は、インクL内の組成物を構成する化合物の沸点の最低値により真空ポンプ78を最適値の真空度で制御するので、インクが沸騰しなく、かつ有効な脱気が行なわれることとなる。
画像形成した後、長時間次の画像形成を行わない場合、即ち画像形成停止時には、脱気機構82を停止させた状態でインクLをインクタンク72からインクジェットヘッド58に供給し、インク供給路80およびインクジェットヘッド58内を脱気されていないインクL、換言すれば、硬化阻害物質(酸素)を含むインクLで満たして、活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置10の停止時にインクLが硬化するのを防止する。
本実施形態の活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置10によれば、液状機能性材料供給部70又は画像記録部50に配置され、画像記録部50の画像形成時には液状機能性材料(インク)Lから脱気する脱気機構とを備えるので、硬化阻害物質である酸素が除去された液状機能性材料Lにより画像形成して短時間で活性エネルギー硬化型インクLを硬化させ、これにより、高画質の画像を得ることができる。更に、画像形成停止時には、液状機能性材料Lを空気に曝すようにしたので、空気中の酸素を液状機能性材料Lに取り込み、これにより、硬化の進行を抑制して長期間に亘って安定して保存することができる。
また、脱気機構82と、液状機能性材料Lを空気に曝す機構との切り替え手段を備えるので、画像形成時または画像形成停止時に、簡単な操作によって脱気機構による脱酸素形態と空気暴露形態とに切り替えることができる。
更に、液状機能性材料供給部70が液状機能性材料タンク72に空気を導入可能の送気機構75を有するので、液状機能性材料タンク72に貯蔵されている液状機能性材料Lに、積極的に空気を導入して水分を取り込ませることができる。
更にまた、インクジェットヘッド58の上流に液状機能性材料Lを空気に曝露可能の曝露バルブ84を備えるので、画像形成時には、曝露バルブ84を閉じて曝露バルブ84からインクジェットヘッド58に至る液状機能性材料流路80を液状機能性材料Lで満たして空気と遮断し、画像形成停止時には、曝露バルブ84を開いて液状機能性材料Lを空気に曝露させ、空気から液状機能性材料Lに硬化阻害物質である酸素を取り込ませることができる。
このようにして、本発明の実施形態1によれば、インキ内の空気を十分に脱気できるので、長時間安定してインクジェット吐出を行うことのできる実用可能なインクジェット記録装置が得られる。
[実施形態2]
図3は本発明の実施形態2を示す図で、図2と同じ符号は図2のそれと同じであるので、重複説明は省略する。図3において、制御用インターフェイス(PC)を用いて、ここに沸点の最低値対前記脱気真空度の関係を示したテーブルを備えておく。沸点の最低値対前記脱気真空度の関係を示したテーブルは、前述したように、インクの組成物を構成する化合物の沸点の最低値が110℃であるとき、脱気真空度が0.06atm、120℃のとき真空度が0.04atm、130℃のとき0.03atm、150℃のとき0.02atm、200℃のとき0.01atmとしたテーブルである。 また、この数値にない沸点の最低値値の時は、最も近い上下の沸点の最低値値を基に補間して用いる。制御用インターフェイスはこのようにして液状機能性材料の組成物を構成する化合物の沸点の最低値を入力するだけで、テーブルを基に真空度の目標値を自動的に決定すると共にそのような目標値の真空度になるように圧力調整バルブを制御する。
さらに、脱気装置の真空度を測定する真空計を備えている。真空計は0.001〜1atm程度の真空度に対応している必要がある。真空計としては、例えばキヤノンアネルバ社製のクリスタル真空計 M−320XGがある。
真空計の測定値は制御用インターフェイスに送られる。真空計の測定値を受け取った制御用インターフェイスはこの測定値と目標値を比較し、測定値が目標値に一致するように真空ポンプを制御する。
なお、真空ポンプの代わりに、圧力コントローラを脱気ライン上に設けて、これを制御用インターフェイスによって制御するようにしてもよい。
このように、脱気真空度の調整を行う際の機能性材料の参考パラメータとしては、主に含有組成物を構成する化合物の沸点の最低値を用いるのがよい。沸点から脱気真空度の限度を計算するには、Antoine式やPressure−Temperature Nomographを使用すると良い。
沸点によって脱気真空度の調整を行う場合、真空ポンプもしくは脱気ライン上に設けられた圧力コントローラによって脱気真空度の調整を行う。脱気真空度の調整は実施形態1ではユーザーが直接コントローラを制御して行っていたが、実施形態2では制御用インターフェイスによって自動制御している。
このようにして、本発明の実施形態2によれば、使用するインキ組成物を構成する化合物の沸点の最低値をPCに入力するだけで、自動的にインキ内の空気を十分に脱気できるので、長時間安定してインクジェット吐出を行うことのできる実用可能なインクジェット記録装置が得られる。
なお、発明の予期せざる効果として、インクの乾燥に起因する吐出不良も低減できる。また、UV硬化性インクの場合、硬化性が向上する。
ここで、高沸点の各種インキについて脱気真空度毎の連続描画可能時間を調べて実施例1〜3について記載する。
<シアン顔料分散物の調製>
PB15:3(IRGALITE BLUE GLO;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)160g、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA;ダイセル・サイテック(株)製)480g、及びソルスパース32000(ゼネカ(株)社製)160g混合し、スターラーで1時間攪拌した。攪拌後の混合物をアイガーミルにて分散し、顔料分散物P−1を得た。
ここで、分散条件は、直径0.65mmのジルコニアビーズを70%の充填率で充填し、周速を9m/sとし、分散時間1時間とした。
<インクI−1の調製>
下記組成の成分を攪拌混合し溶解して、インクI−1〜I−4を調製した。
I−1
比較例1用 (沸点100℃のライトエステルMを含有)
・上記の顔料分散物P−1 …21.6g
・ライトエステルM …5 g
(共栄社化学製)
・ジプロピレングリコールジアクリレート(重合性化合物)…93.4g
(DPGDA;ダイセル・サイテック(株)製)
・下記重合開始剤Irg907 … 15g
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・下記増感剤ダロキュアITX … 7.5g
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・下記増感剤ダロキュアEDB … 7.5g
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
I−2
実施例1用
(沸点110℃の溶解用溶媒トルエンを含有)
・上記の顔料分散物P−1 …21.6g
・トルエン …5 g
(アルドリッチ製)
・Dowanol TPM …93.4g
(Dow Chemical(株)製)
I−3
実施例2用 (沸点130℃のシクロペンタノンを含有)
・上記の顔料分散物P−1 …21.6g
・シクロペンタノン …5 g
(アルドリッチ製)
・ジプロピレングリコールジアクリレート(重合性化合物)…93.4g
(DPGDA;ダイセル・サイテック(株)製)
・下記重合開始剤Irg907 … 15g
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・下記増感剤ダロキュアITX … 7.5g
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・下記増感剤ダロキュアEDB … 7.5g
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
I−4
実施例3用
・上記の顔料分散物P−1 …21.6g
・ジプロピレングリコールジアクリレート(重合性化合物)…98.4g
(DPGDA;ダイセル・サイテック(株)製)
・下記重合開始剤Irg907 … 15g
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・下記増感剤ダロキュアITX … 7.5g
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・下記増感剤ダロキュアEDB … 7.5g
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
Figure 0004928892
各インクの脱気真空度毎の連続描画可能時間を表1に示す。
表1における「連続描画可能時間」は東芝テック社製ヘッドCA3を、4.8kHzで連続吐出駆動した時、吐出不良が発生するまでの時間である。
Figure 0004928892
表1から判ったことは、基本的に脱気真空度が高ければ高いほど(脱気圧力が低ければ低いほど)連続描画可能時間が長くなるが、ある真空度以上になると連続描画可能時間は低下する傾向にあり、真空度の上限値は最低沸点成分の沸点に依存している、ということである。
比較例I−1では脱気真空度を0.1 atom以下にすると、連続描画可能
時間が低下する。これは高真空により、ライトエステルMが蒸発し、インク状態が変化してしまうためと考えられる。
これに対して、実施例1〜3では、最低沸点成分の沸点に合わせて真空度を高くすることができ、沸点>150℃以上で8時間以上の描画が可能となる。
各沸点での真空度上限値は、アルドリッチ社のカタログに記載されている、Pressure−Temperature Nomograph等を用いて設定することができる。
この時、室温25℃の場合、真空度上限値は以下のようになる。
沸点100℃…0.08 atom
沸点110℃…0.05 atom
沸点120℃…0.04 atom
沸点130℃…0.02 atom
沸点140℃…0.015 atom
沸点150℃…0.008 atom
ここで、本発明で言う「活性エネルギー」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、広く、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものである。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点からは、紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。従って、本発明のインク組成物としては、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録装置において、活性エネルギーのピーク波長は、インク組成物中の増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nm、好ましくは、300〜450nm、より好ましくは、350〜450nmであることが適当である。また、本発明のインク組成物の(a)電子移動型開始系は、低出力の活性エネルギーであっても十分な感度を有するものである。従って、活性エネルギーの出力は、例えば、2,000mJ/cm2以下、好ましくは、10〜2,000mJ/cm2、より好ましくは、20〜1,000mJ/cm2、更に好ましくは、50〜800mJ/cm2の照射エネルギーであることが適当である。また、活性エネルギーは、露光面照度(被記録媒体表面の最高照度)が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
特に、本発明のインクジェット記録装置では、活性エネルギー照射が、発光波長ピークが390〜420nmであり、かつ、前記被記録媒体表面での最高照度が10〜1,000mW/cm2となる紫外線を発生する発光ダイオードから照射されることが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録装置では、活性エネルギーは被記録媒体上に吐出されたインク組成物に対して、例えば、0.01〜120秒、好ましくは0.1〜90秒照射することが適当である。
更に、本発明のインクジェット記録装置では、インク組成物を一定温度に加温するとともに、インク組成物の被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を、0.01〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.02〜0.3秒、更に好ましくは0.03〜0.15秒である。このようにインク組成物の被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。
なお、本発明のインクジェット記録装置を用いてカラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。このように重ねることにより、下部のインクまで活性エネルギーが到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、臭気の低減、密着性の向上が期待できる。また、活性エネルギーの照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
また、上述したように、本発明のインク組成物のような活性エネルギー硬化型インクは、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温による温度制御を行うことが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を空気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、或いは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
また、活性エネルギー源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェットには、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。更には、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更にLED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、活性エネルギー硬化型インクジェット用放射源として期待されている。
また、上記のように、活性エネルギー源として、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に、一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性エネルギーを放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性エネルギー源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
〔被記録媒体〕
本発明のインク組成物を適用しうる被記録媒体としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料或いは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、PPフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能である。
本発明のインク組成物において、硬化時の熱収縮が少ない材料を選択した場合、硬化したインク組成物と被記録媒体との密着性に優れるため、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいフィルム、例えば、熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムなどにおいても、高精細な画像を形成しうるという利点を有する。
以下に、本発明で使用できるインク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
〔インク組成物〕
本発明に用いられるインク組成物は、活性エネルギーの照射により硬化可能なインク組成物であり、例えば、カチオン重合系インク組成物、ラジカル重合系インク組成物、水性インク組成物等が挙げられる。これら組成物について以下詳細に説明する。
(カチオン重合系インク組成物)
カチオン重合系インク組成物は、(a)カチオン重合性化合物と、(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物、(c)着色剤を含有する。所望により、更に紫外線吸収剤、増感剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、界面活性剤等を含有してもよい。
以下、カチオン重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
〔(a)カチオン重合性化合物〕
本発明に用いられる(a)カチオン重合性化合物は、後述する(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物から発生する酸により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526などの各公報に記載されている、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、脂肪族エポキシドなどが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等が挙げられる。その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
エポキシ化合物は、単官能であっても多官能であってもよい。
本発明に用いうる単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3',4'−エポキシ−6'−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物の中でも、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物は、単官能であっても多官能であってもよい。
具体的には、単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
また、多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明におけるオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526、同2001−310937、同2003−341217の各公報に記載される如き、公知オキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインク組成物と被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
このようなオキセタン環を有する化合物については、前記特開2003−341217公報、段落番号〔0021〕乃至〔0084〕に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明にも好適に使用しうる。
本発明で使用するオキセタン化合物の中でも、インク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。
本発明のインク組成物には、これらのカチオン重合性化合物を、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよいが、インク硬化時の収縮を効果的に抑制するといった観点からは、オキセタン化合物とエポキシ化合物とから選ばれる少なくとも1種の化合物と、ビニルエーテル化合物とを併用することが好ましい。
インク組成物中の(a)カチオン重合性化合物の含有量は、組成物の全固形分に対し、10〜95質量%が適当であり、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは50〜85質量%の範囲である。
[(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物]
本発明のインク組成物は、活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物(以下、適宜、「光酸発生剤」と称する。)を含有する。
本発明に用いうる光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、或いはマイクロレジスト等に使用されている光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
このような光酸発生剤としては、例えば、活性エネルギーの照射により分解して酸を発生する、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
光酸発生剤としては、また、特開2002−122994公報、段落番号〔0029〕乃至〔0030〕に記載のオキサゾール誘導体、s−トリアジン誘導体なども好適に用いられる。更に、特開2002−122994公報、段落番号〔0037〕乃至〔0063〕に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も、本発明における光酸発生剤として、好適に使用しうる。
(b)光酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
インク組成物中の(b)光酸発生剤の含有量は、インク組成物の全固形分換算で、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
[(c)着色剤]
本発明のインク組成物は、着色剤を添加することで、可視画像を形成することができる。例えば、平版印刷版の画像部領域を形成する場合などには、必ずしも添加する必要はないが、得られた平版印刷版の検版性の観点からは着色剤を用いることも好ましい。
ここで用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。染料としては、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
〔顔料〕
本発明に好ましく使用される顔料について述べる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、又は顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
赤或いはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G'レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青或いはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、更に、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
インク組成物において、顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記(a)カチオン重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、本発明のインク組成物は、活性エネルギー硬化型のインクであり、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。このような観点から、分散媒としては、(a)カチオン重合性化合物を用い、中でも、最も粘度が低いカチオン重合性モノマーを選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
顔料の平均粒径は、0.02〜4μmにするのが好ましく、0.02〜2μmとするのが更に好ましく、より好ましくは、0.02〜1.0μmの範囲である。
顔料粒子の平均粒径を上記好ましい範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
〔染料〕
本発明に用いる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
本発明に用いる染料は、インク組成物に必要量溶解させるために上記記載の染料母核に対して油溶化基を導入することも好ましい。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基及びこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
前記油溶性染料としては、融点が200℃以下のものが好ましく、融点が150℃以下であるものがより好ましく、融点が100℃以下であるものが更に好ましい。融点が低い油溶性染料を用いることにより、インク組成物中での色素の結晶析出が抑制され、インク組成物の保存安定性が良くなる。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vsSCE)以上であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vsSCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vsSCE)以上のものが特に好ましい。
イエロー色の染料としては、特開2004−250483号公報の記載の一般式(Y−I)で表される構造の化合物が好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
マゼンタ色の染料としては、特開2002−114930号公報に記載の一般式(3)、(4)で表される構造の化合物が好ましく、具体例としては、特開2002−114930号公報の段落[0054]〜[0073]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
シアン色の染料としては、特開2001−181547号公報に記載の式(I)〜(IV)で表される染料、特開2002−121414号公報の段落番号[0063]から[0078]に記載されている一般式(IV−1)〜(IV−4)で表される染料が好ましいものとして挙げられ、具体例として特開2001−181547号公報の段落番号[0052]から[0066]、特開2002−121414号公報の段落番号[0079]から[0081]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
これらの着色剤はインク組成物中、固形分換算で1〜20質量%添加されることが好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
本発明のインク組成物には、前記の必須成分に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。これらの任意成分について説明する。
〔紫外線吸収剤〕
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5〜15質量%程度である。
〔増感剤〕
本発明のインク組成物には、光酸発生剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光酸発生剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、光酸発生剤に対し0.01〜1モル%、好ましくは0.1〜0.5モル%で使用される。
〔酸化防止剤〕
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
〔褪色防止剤〕
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
〔導電性塩類〕
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
〔溶剤〕
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
〔高分子化合物〕
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
〔界面活性剤〕
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
[ラジカル重合系インク組成物]
ラジカル重合系インク組成物は、(d)ラジカル重合性化合物と(e)重合開始剤、(f)着色剤を含有する。所望により、更に、増感色素、共増感剤等を含有してもよい。
以下、ラジカル重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
(d)[ラジカル重合性化合物]
ラジカル重合性化合物としては、例えば、以下に挙げるような付加重合化能なエチレン性不飽和結合を有する化合物が含まれる。
[付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物]
本発明のインク組成物に用い得る付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等があげられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、へキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、へキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネー卜等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物もあげることができる。また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−へキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−へキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の例としては、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加した1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等があげられる。CH2=C(R)COOCH2CH(R')OH (A)(ただし、RおよびR'はHあるいはCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレー卜類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ぺージ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。本発明において、これらのモノマーはプレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態で使用しうる。
ラジカル重合性化合物の使用量はインク組成物の全成分に対して、通常1〜99.99%、好ましくは5〜90.0%、更に好ましくは10〜70%である (ここで言う%は質量%である)。
(e)〔光重合開始剤〕
次に本発明のラジカル重合系インク組成物に使用される光重合開始剤について説明する。
本発明における光重合開始剤は光の作用、または、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸および塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物である。
好ましい光重合開始剤としては(イ)芳香族ケトン類、(ロ)芳香族オニウム塩化合物、(ハ)有機過酸化物、(ニ)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(ホ)ケトオキシムエステル化合物、(ヘ)ボレート化合物、(ト)アジニウム化合物、(チ)メタロセン化合物、(リ)活性エステル化合物、(ヌ)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。
(f)[着色剤]
カチオン重合系インク組成物に記載した(c)着色剤と同じものを利用することができる。
本発明のインク組成物には、前記の必須成分に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。これらの任意成分について説明する。
〔増感色素〕
本発明においては、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加しても良い。好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
〔共増感剤〕
さらに本発明のインクには、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えても良い。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
別の例としてはチオールおよびスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191605号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
また、保存性を高める観点から、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することが好ましい。本発明のインクジェト記録用インクは、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
〔その他〕
この他に、必要に応じて公知の化合物を用いることができ、例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を適宜選択して用いることができる。また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
また、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
また、インク色材の遮光効果による感度低下を防ぐ手段として、重合開始剤寿命の長いカチオン重合性モノマーと重合開始剤とを組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも好ましい態様の一つである。
[水性インク組成物]
水性インク組成物は、重合性化合物と活性エネルギーの作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤を含有する。所望により、更に、色材、等を含有してもよい。
[重合性化合物]
本発明の水性インク組成物に含まれる重合性化合物としては、公知の水性インク組成物に含まれる重合性化合物を用いることができる。
水性インク組成物は、硬化速度、密着性、柔軟性などのエンドユーザー特性を考慮した処方を最適化するために、反応性材料を加えることができる。このような反応性材料としては、(メタ)クリレート(即ち、アクリレート及び/又はメタクリレート)モノマー及びオリゴマー、エポキサイド並びにオキセタンなどが用いられる。
アクリレートモノマーの例としては、フェノキシエチルアクリレート、オクチルデシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート)、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)トリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビス(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、エトキシ化又はプロポキシ化グリコール及びポリオールのアクリレート(例えば、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート)、及びこれらの混合物が挙げられる。
アクリレートオリゴマーの例としては、エトキシ化ポリエチレングリコール、エトキシ化トリメチロールプロパンアクリレート及びポリエーテルアクリレート及びそのエトキシ化物、及びウレタンアクリレートオリゴマーが挙げられる。
メタクリレートの例としては、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
オリゴマーの添加量は、インク組成物全重量に対して1〜80重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
〔活性エネルギーの作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤〕
本発明のインク組成物に用いることができる重合開始剤について説明する。一例としては、例えば、波長400nm前後までの光重合開始剤が挙げられる。このような光重合開始剤としては、例えば、長波長領域に官能性、即ち、紫外線を受けてラジカルを生成する感受性を持つ物質である下記一般式で表される光重合開始剤(以下、TX系と略称する)が挙げられ、本発明においては、これらの中から適宜に選択して使用することが特に好ましい。
Figure 0004928892
上記一般式TX−1〜TX−3中、R2は−(CH2)x−(x=0または1)、−O−(CH2)y−(y=1または2)、置換若しくは未置換のフェニレン基を表わす。またR2がフェニレン基の場合には、ベンゼン環中の水素原子の少なくとも1つが、例えば、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸若しくはその塩、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、炭素数1〜4のアルコキシル基、フェノキシ基等のアリールオキシ基等から選ばれる1つまたは2つ以上の基や原子で置換されていてもよい。Mは、水素原子若しくはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K等)を表わす。更に、R3及びR4は各々独立に、水素原子、または置換若しくは未置換のアルキル基を表わす。ここでアルキル基の例としては、例えば、炭素数1〜10程度、特には、炭素数1〜3程度の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。また、これらのアルキル基の置換基の例としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、シュウ素原子等)、水酸基、アルコキシル基(炭素数1〜3程度)等が挙げられる。また、mは1〜10の整数を表わす。
更に本発明において、下記一般式からなる光重合開始剤 Irgacure2959(商品名:Ciba Specialty Chemicals製)の水溶性の誘導体(以下、IC系と略称する)を使用することもできる。具体的には、下記式からなるIC−1〜IC−3を使用することができる。
Figure 0004928892
〔クリアインクとする場合の処方〕
上述した水溶性重合性化合物は、上記したような色材を含有させることなく、透明な水性インクの形態とすることで、クリアインクとすることができる。特に、インクジェット記録特性を有するように調製すれば、水性光硬化型のインクジェット記録用のクリアインクが得られる。かかるインクを用いれば、色材を含有していないので、クリアな皮膜を得ることができる。色材を含有しないクリアインクの用途としては、画像印刷への適性を被記録材に付与するためのアンダーコート用としたり、或いは、通常のインクで形成した画像の表面保護、更なる装飾や光沢付与等を目的としたオーバーコート用としての用途等が挙げられる。クリアインクには、これらの用途に応じて、着色を目的としない無色の顔料や微粒子等を分散して含有させることもできる。これらを添加することによって、アンダーコート、オーバーコートいずれにおいても、印刷物の画質、堅牢性、施工性(ハンドリング性)等の諸特性を向上させることができる。
そのようなクリアなインクに適用する場合の処方条件としては、インクの主成分とする水溶性重合性化合物が10〜85%、光重合開始剤(例えば、紫外線重合触媒)を、上記水溶性重合性化合物100質量部に対して1〜10質量部含有され、同時に、インク100部に対して光重合開始剤が最低0.5部が含有されているように調製することが好ましい。
〔色材含有インクにおける材料構成〕
上述した水溶性重合性化合物を色材を含有するインクに利用する場合には、含有させた色材の吸収特性に合わせて、インク中における重合開始剤と重合性物質の濃度を調節することが好ましい。前記したように、配合量としては、水或いは溶剤の量を、質量基準で、40%〜90%の範囲、好ましくは60%〜75%の範囲とする。更に、インク中における重合性化合物の含有量は、インク全量に対して、質量基準で1%〜30%の範囲、好ましくは、5%〜20%の範囲とする。重合開始剤は、重合性化合物の含有量に依存するが、概ね、インク全量に対して、質量基準で0.1〜7%、好ましくは、0.3〜5%の範囲である。
インクの色材として顔料が使用される場合には、インク中における純顔料分の濃度は、概ね、インク全量に対して0.3質量%〜10質量%の範囲である。顔料の着色力は顔料粒子の分散状態に依存するが、約0.3〜1%の範囲であると、淡色のインクとして利用される範囲となる。また、それ以上であると、一般のカラー着色用に用いられる濃度を与える。
[インク組成物の好ましい物性]
本発明のインク組成物は、射出性を考慮し、射出時の温度において、インク粘度が20mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは10mPa・s以下であり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。
本発明のインク組成物の共通の表面張力としては、好ましくは20〜40mN/m、更に好ましくは25〜35mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで40mN/m以下が好ましい。
このようにして調整された本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インクとして好適に用いられる。インクジェット記録用インクとして用いる場合には、インク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に射出し、その後、射出されたインク組成物に活性エネルギーを照射して硬化して記録を行う。
このインクにより得られた印刷物は、画像部が紫外線などの活性エネルギー照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の構成図である。 図1に示す活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の画像記録部および液状機能性材料供給部の実施形態1の概略構成図である。 図1に示す活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の画像記録部および液状機能性材料供給部の実施形態2の概略構成図である。 本発明の先行発明としてのインクジェット記録装置の画像記録部および液状機能性材料供給部の概略構成図である。
符号の説明
10 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置
50 画像記録部
52 ヘッドユニット
58 インクジェットヘッド
70 インク供給部
72A、72B インクタンク
74 フィルタを備えたポンプ
75 送気機構
76 脱気(脱酸素)装置
78 真空ポンプ
80 インク供給路
80a 分岐路
84 曝露バルブ
L 沸点の最低値が110℃以上のインク
S 被記録媒体

Claims (4)

  1. 液状機能性材料を画像信号に基づき被記録媒体に向けてノズルから吐出するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドと対向する位置に前記被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、
    前記インクジェットヘッドに前記液状機能性材料を供給する供給経路と、前記供給経路に連通され、前記液状機能性材料を貯留する貯蔵器と、
    前記インクジェットヘッド又は前記供給経路もしくは前記貯蔵器中に設けられる真空脱気機構と、を有するインクジェット装置において、
    前記液状機能性材料の組成物を構成する化合物の沸点の最低値が110℃以上であり、かつ、その時の前記真空脱気機構の脱気真空度が(a)〜(e)のいずれかに該当することを特徴とするインクジェット装置。
    (a)前記液状機能性材料の組成物を構成する化合物の沸点の最低値が110℃であるとき、前記真空脱気機構の脱気真空度が0.06atm前後であること。
    (b)前記沸点の最低値が120℃前後のとき前記脱気真空度が0.04atm前後であること。
    (c)前記沸点の最低値が130℃前後のとき前記脱気真空度が0.03atm前後であること。
    (d)前記沸点の最低値が150℃前後のとき前記脱気真空度が0.02atm前後であること。
    (e)前記沸点の最低値が200℃前後のとき前記脱気真空度が0.01atm前後であること。
  2. 前記沸点の最低値対前記脱気真空度の関係を示したテーブルを備えた制御用インターフェイス(PC)と、前記脱気装置の真空度を測定する真空計と、前記真空ポンプを制御する圧力コントローラと、を備え、前記真空計の測定値を前記制御用インターフェイスに送り、前記制御用インターフェイスは前記測定値と目標値を比較し、前記測定値が目標値に一致するように前記圧力コントローラを介して前記真空ポンプを動作させるインクジェット装置であって、前記制御用インターフェイスは前記目標値を前記液状機能性材料の組成物を構成する化合物の沸点の最低値から前記テーブルを基に決定することを特徴とする請求項1記載のインクジェット装置。
  3. 前記液状機能性材料の沸点の最低値に応じて前記脱気真空度を前記(a)〜(e)の関係から補間することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット装置。
  4. 前記液状機能性材料が紫外線硬化性材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット記録装置。
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