JPH0517712A - インクジエツト記録用インクの脱気方法 - Google Patents

インクジエツト記録用インクの脱気方法

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JPH0517712A
JPH0517712A JP16685391A JP16685391A JPH0517712A JP H0517712 A JPH0517712 A JP H0517712A JP 16685391 A JP16685391 A JP 16685391A JP 16685391 A JP16685391 A JP 16685391A JP H0517712 A JPH0517712 A JP H0517712A
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JP
Japan
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ink
gas
degassing
deaeration
jet recording
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JP16685391A
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Hiroko Hayashi
広子 林
Akio Owatari
章夫 大渡
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インクジェット記録用インクの脱気方法におい
て、泡立ち易いインクや揮発成分を含むインクでも脱気
でき、さらに効率的で信頼性の高いインクを提供するこ
とを目的とする。 【構成】インクタンク11内のインクを加圧ポンプ20
を介して、脱気ユニット19に送る。脱気ユニット19
は、中空糸状の、ポリテトラフルオロエチレン等からな
る気体透過膜17が束状になっている。中空糸の周りは
真空ポンプ18により真空15となっており、インク1
2から気体透過膜17を通して溶存気体16を除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録用イ
ンクの脱気方法に関し、特にオンディマンド型インクジ
ェット記録方法の印字安定性を改良するインクの脱気方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】オンディマンド型インクジェット記録装
置は図1のように、基本的にはインク吐出ヘッド8、イ
ンク供給管6、インクタンク7からなり、電気信号に応
じて圧電素子1がたわむことにより圧縮室3のインクが
圧縮されノズルオリフィス2よりインク粒として吐出さ
れ記録を行うものである。
【0003】該記録方法において、圧縮室3にあるイン
クに急激な圧縮の繰り返しが行われるためキャビテーシ
ョンが起こり易く、その結果圧縮室3に気泡が発生する
場合がある。一度発生した気泡は圧縮室3に留まり、そ
のため次に印加される電気信号で圧電素子1がたわんだ
時に圧縮室3のインクが十分圧縮されないために、ノズ
ルオリフィス2より安定したインク粒が発生できず、ド
ット抜けや印字不良を発生させインクジェット記録方法
の信頼性を劣化させる原因となっていた。このキャビテ
ーションはインク中に溶存する空気が大きな原因と考え
られており溶存空気を除去する方法について検討がされ
ている。
【0004】脱気方法は大きく分けると、物理的脱気
と、化学的脱気に分けることができる。物理的方法は煮
沸や減圧によって溶存空気の溶解性を下げて脱気する方
法で気体の種類に関係なく除去できる。しかし、煮沸だ
けでは、脱気の程度が十分でなく、インクの劣化にもつ
ながり、また減圧では、インクによっては泡立ちが激し
く、インクの多くが泡になり、脱気出来ない等の問題を
残しており、インクジェット記録方法に用いるインクの
脱気方法としては十分満足できるものではない。また、
化学的方法の代表的なものは亜硫酸塩系の酸素吸収剤を
用いてインク中の酸素濃度を低下させるものであり、亜
硫酸塩系は多価アルコールに溶けにくいためノズル目詰
まりを起こし易く、さらにその還元作用によってインク
中の染料の変質を引き起こすことがあり、インクジェッ
ト記録用インクとして満足できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、これら問題点を解決するもので、泡立ち易いイン
ク、揮発性成分を含むインクなど、どんなインクでも無
駄なく、信頼性の高い脱気インクを提供するインクジェ
ット記録用インクの脱気方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、インクジェッ
ト記録用インクの脱気方法において、インク中の溶存気
体を気体透過性のある膜を介して透過、除去することを
特徴とする。さらに上記気体透過性のある膜がチューブ
であり、チューブ内を移動するインクから減圧、真空に
した外部に溶存気体を連続的に除去する事を特徴とす
る。
【0007】以下、図2に基づいて本発明をさらに詳し
く説明する。本発明の脱気は以下に示す流れにしたがっ
て実現できる。まず、通常の製造方法によって製造され
たインクをインクタンク11に注入しする。加圧ポンプ
20を用いて脱気ユニット19にインクを送り込む。脱
気ユニット19の内部を拡大部14を用いて説明する。
脱気ユニット19は、中空糸状の気体透過膜17が束状
になっており、その中にインク12が入っている。中空
糸の周りは真空ポンプ18により真空状態になってお
り、インク12から気体透過膜17を通して溶存気体1
6が除去される。インクの注入が連続的に行なわれ、脱
気されたインクがインクタンク13に供給され、脱気の
工程が終る。従って、加熱、減圧状態で沸石をいれて脱
気する従来の方法に比較してインクが空気と触れないた
め、インクの泡立ちがなく、加熱の工程が必要ないため
揮発成分の蒸発が抑えられる。
【0008】本発明に用いる気体透過膜17は、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ(テトラフルオ
ロエチレン)樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタ
クリレート樹脂等があり、汎用性、加工性から良好であ
る。気体透過膜17は膜厚が10μm以下、また中空糸
の内径は20μmから30μmの範囲で効率よく脱気で
きる。また、中空糸の内部にクレーターを設けること
で、さらに効率的に脱気することができる。中空糸内の
インクの流速は、真空度やインク組成などで異なり、適
宜条件を出して用いる。
【0009】
【実施例】以下本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。
【0010】以下に示すaからdのインクを用いて脱気
の比較試験を行った。
【0011】 <インクa> 染料 C.I.ダイレクトブラック 154 1% グリセリン 10% 水酸化カリウム 1% 水 *残量 <インクb> 染料 C.I.アシッドブラック 2 3% ジエチレングリコール 5% グリセリン 5% エタノール 7% 水 *残量 <インクc> 染料 C.I.フードブラック 2 2% 溶剤 エチレングリコール 3% グリセリン 10% ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5% 水 *残量 <インクd> 染料 カーボンブラック MA7 三菱化成工業(株) 4% 溶剤 グリセリン 18% iso-プロパノール 5% C.I.ダイレクトブルー 86 0.5% 水 *残量 上記に示すインクを用いて、実施例に示す気体透過膜
を通して脱気する方法と従来の減圧脱気方法によりイン
クを脱気した。
【0012】<実施例>図2に示す実施例の気体透過膜1
7を用いて4種のインクを脱気した。以下に気体透過膜
17の仕様を示す。
【0013】 気体透過膜 ポリ(テトラフロロエチレン) 膜厚 1から2μm チューブの内径 20μm チューブの長さ 50cm チューブ本数 5万本 真空度 0.1atm以下 インク流速 1000cc/min インク温度 室温(加温の必要がないため) 上記脱気条件により脱気されたインク12は、インクタ
ンク13に溜る。インク12はインクタンク13よりイ
ンク容器に真空注入し、シールをしてインクジェット記
録用インクを得る。
【0014】<比較例>インク容器に必要量のインクを
いれて、インクを50℃に加温しそのまま真空デシケー
ターにいれる。真空ポンプにより真空度を0.1atm以
下に保ち、約20分脱気する。その後、容器をシールし
インクジェット記録用インクを得る。
【0015】実施例、比較例に示した脱気方法により得
られたインクについて以下の評価項目についての評価し
た結果を表1に示す。
【0016】溶存気体量 インク中の溶存気体として酸素と窒素についてガスクロ
マトグラフを用いて測定し、以下の判断基準にしたがっ
て判断する。
【0017】 飽和溶解量の10%以下 ◎ 飽和溶解量の20%以下 ○ 飽和溶解量の50%以下 △ 飽和溶解量の50%〜 × インク回収率 脱気によって泡立ちなどで、使用できなくなったインク
の重量を評価し、脱気前のインク重量と脱気後のインク
重量との比をとる。
【0018】K=脱気前のインク重量/脱気後のインク
重量 以下の判断基準に従って判断する。
【0019】 1>K>0.8 ○ 0.8>K × 揮発成分の蒸発率 蒸発し易いインク組成物を脱気前後で定量分析する。す
なわち、インクbとインクdについてガスクロマトグラ
フで定量分析する。脱気後の減少量を、脱気前の添加量
で割ってパーセントで表わす。
【0020】
【表1】
【0021】表1より、本発明の脱気方法は、溶存気体
の量、インク回収率、揮発成分の蒸発率も従来の脱気方
法に比較して非常によいレベルである。
【0022】さらにそれぞれのインクを用いて以下に示
す印字安定性を行いインクの信頼性のレベルを比較し
た。
【0023】印字安定性試験 それぞれ脱気されたインクを用いて、当社のインクジェ
ットプリンタであるHG−4000を用いて連続印字を
行う。その間に発生したドット抜けの回数をトータル
し、総印字ライン数をドット抜けの回数で割って、平均
印字ライン数を算出する。
【0024】 1万ライン以下 × 3万ライン以下 △ 5万ライン以下 ○ 5万ライン〜 ◎ 各インクの評価結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表2に示すように実施例に示す脱気方法で
得られたインクはインクの如何に関わらず安定性も非常
によく、インクジェット記録方法の信頼性を改良するこ
とができた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、泡立ち易いインク、揮
発し易い成分を組成としているインクなど、今まで脱気
できなかったインクの脱気を可能にした。さらに、微少
な泡立ちにでインクの流れだしによるインクの無駄がな
くなった。また、脱気時に加温する必要がなくインクの
物性に悪影響を与えず、さらにインクを効率的に使用す
ることができる。またインクの脱気レベルも非常によく
インクジェットプリンタの信頼性をあげるインクを供給
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録方法のインク滴吐出原理の
簡単な説明図。
【図2】本発明のインクジェット記録用インクの脱気方
法の簡単な説明図。
【符号の説明】
7 インクタンク 11 インクタンク 12 インク 13 インクタンク 15 真空 16 溶存気体 17 気体透過膜 18 真空ポンプ 19 脱気ユニット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク中の溶存気体を気体透過性のある
    膜を介して、透過、除去することを特徴とするインクジ
    ェット記録用インクの脱気方法。
  2. 【請求項2】上記気体透過性のある膜がチューブであ
    り、チューブ内を移動するインクから減圧、真空にした
    外部に溶存気体を連続的に除去する事を特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録用インクの脱気方法。
JP16685391A 1991-07-08 1991-07-08 インクジエツト記録用インクの脱気方法 Pending JPH0517712A (ja)

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