JP4927457B2 - 実装条件決定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部品実装機の実装条件決定方法に関し、特に、部品または材料の品質に問題がある場合に、動的に実装条件を変更する実装条件決定方法に関する。
従来、部品実装機により生産される部品実装基板の品質を改善する方法として、部品実装機の吸着ノズルや部品カセットごとにエラー発生件数の履歴を記憶し、部品吸着率との相関関係に基づいて、部品実装基板の生産における稼働状況または品質状況の低下原因となっている吸着ノズルまたは部品カセットを特定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3421372号公報
しかしながら、従来の方法は、部品実装機の稼働状況が悪化した際に、その原因が吸着ノズルや部品カセットなどの部品実装機の構成部材にあることを前提として、原因分析をするものである。
このように、従来の原因分析方法においては、部品実装機の構成部材や部品実装機への設定条件などの中から原因を特定し、部品実装機において原因となっている事項を取り除くことに終始していた。そこで、特定した原因を取り除くように、部品実装機の実装条件の再設定を行っていた。
しかし、部品メーカから供給される電子部品や材料メーカから提供される接着剤などに稼働状況や品質状況の低下の原因となりかねない要因がある場合には、従来の方法では、実装条件の最適な再設定を行うことができないという問題がある。なお、電子部品による稼働状況や品質状況の低下原因となりかねない要因としては、部品の寸法のばらつきなどが考えられる。また、接着剤による稼働状況や品質状況の低下原因となりかねない要因としては、接着剤の粘性の低下などが考えられる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、部品や材料などに、部品実装機の稼働状況や部品実装基板の品質状況の低下原因がある場合であっても、部品実装機の実装条件を最適に設定することができる実装条件決定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に係る実装条件決定方法は、部品実装基板を生産する部品実装機の実装条件を決定する方法であって、部品種ごとに、前記部品実装機全体で、部品寸法の分散または標準偏差を取得する部品品質状況データ取得ステップと、部品種ごとに、前記部品寸法の分散または標準偏差が所定の規定値以上か否かを判断するステップと、前記部品寸法の分散または標準偏差が前記所定の規定値以上の場合には、当該部品種の部品を吸着する吸着ノズルを現状のサイズよりも大きいサイズに変更するとの実装条件、前記部品を基板上の実装位置に移動させる際の移動速度を現状の移動速度よりも遅くするとの実装条件および前記部品寸法の規格値からのずれ量の許容範囲を拡げるとの実装条件のうちの少なくとも1つを前記部品実装機の実装条件として決定する決定ステップと、部品種ごとに、吸着ノズルで吸着された部品を部品認識カメラで認識した際に、認識が正常にできない率である認識エラー率を取得するステップとを含み、前記決定ステップは、部品種ごとに、前記認識エラー率が所定の規定値を超えているか否かを判断するステップと、前記認識エラー率が前記所定の規定値を超えている場合には、当該部品種の部品の寸法の規格値からのずれ量の許容範囲を拡げるとの実装条件を、前記部品実装機の実装条件として決定するステップとを含むことを特徴とする。
この構成によると、部品または材料の品質状況を考慮して、部品実装機の実装条件を決定している。このため、部品や材料などに、部品実装機の稼働状況や部品実装基板の品質状況の低下原因がある場合であっても、部品実装機の実装条件を最適に設定することができる。
上述のような処理を行うことにより、部品を部品認識カメラで認識した際の、部品の寸法の許容範囲を甘くすることができる。よって、部品の認識エラー率を減らすことができる。そのため、稼働状況を改善することができる。
本発明の他の局面に係る実装条件決定方法は、部品実装基板を生産する部品実装機の実装条件を決定する方法であって、部品種ごとに、前記部品実装機全体で、部品寸法の分散または標準偏差を取得する部品品質状況データ取得ステップと、部品種ごとに、前記部品寸法の分散または標準偏差が所定の規定値以上か否かを判断するステップと、前記部品寸法の分散または標準偏差が前記所定の規定値以上の場合には、当該部品種の部品を吸着する吸着ノズルを現状のサイズよりも大きいサイズに変更するとの実装条件、前記部品を基板上の実装位置に移動させる際の移動速度を現状の移動速度よりも遅くするとの実装条件および前記部品寸法の規格値からのずれ量の許容範囲を拡げるとの実装条件のうちの少なくとも1つを前記部品実装機の実装条件として決定する決定ステップと、部品種ごとに、吸着ノズルが部品供給部から部品を吸着するのに成功した率である吸着率を取得するステップとを含み、前記決定ステップは、部品種ごとに、前記吸着率が所定の規定値を超えているか否かを判断するステップと、前記吸着率が前記所定の規定値を超えている場合には、当該部品種の部品を吸着する吸着ノズルのサイズを現状のサイズよりも大きいサイズに変更するとの実装条件を、前記部品実装機の実装条件として決定するステップとを含むことを特徴とする。
サイズが大きな吸着ノズルを使用することにより、部品実装機は、部品を安定的に吸着することができるようになり、吸着率等の稼働状況を改善することができる。これにより、部品実装基板の品質も向上する。
本発明のさらに他の局面に係る実装条件決定方法は、部品実装基板を生産する部品実装機の実装条件を決定する方法であって、部品種ごとに、前記部品実装機全体で、部品寸法の分散または標準偏差を取得する部品品質状況データ取得ステップと、部品種ごとに、前記部品寸法の分散または標準偏差が所定の規定値以上か否かを判断するステップと、前記部品寸法の分散または標準偏差が前記所定の規定値以上の場合には、当該部品種の部品を吸着する吸着ノズルを現状のサイズよりも大きいサイズに変更するとの実装条件、前記部品を基板上の実装位置に移動させる際の移動速度を現状の移動速度よりも遅くするとの実装条件および前記部品寸法の規格値からのずれ量の許容範囲を拡げるとの実装条件のうちの少なくとも1つを前記部品実装機の実装条件として決定する決定ステップとを含み、前記決定ステップは、部品種ごとに、装着精度が所定の規格範囲からずれている割合が、所定の規定値を超えているか否かを判断するステップと、前記割合が所定の規定値を超えている場合には、当該部品種の部品を基板上の実装位置に移動させる際の移動速度を現状の移動速度よりも遅くするとの実装条件を、前記部品実装機の実装条件として決定するステップとを含むことを特徴とする。
部品の移動速度を遅くすることにより、基板上に部品を落下させる可能性が低くなる等、部品を安定的に基板に実装することができ、部品実装機の稼働状況を改善することができる。
なお、本発明は、このような特徴的なステップを含む実装条件決定方法として実現することができるだけでなく、実装条件決定方法に含まれる特徴的なステップを手段とする実装条件決定装置として実現したり、実装条件決定方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは言うまでもない。
部品や材料などに、部品実装機の稼働状況や部品実装基板の品質状況の低下原因がある場合であっても、部品実装機の実装条件を最適に設定することができる実装条件決定方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1を実現するための部品実装基板の生産システムを示す図である。
生産システムは、部品実装基板メーカ100に設けられた複数の実装ライン200と、部品品質管理装置300とを備えている。
複数の実装ライン200は、基板に部品を実装した部品実装基板を生産するためのシステムである。
部品品質管理装置300は、すべての実装ライン200に接続されており、部品種ごとに、当該部品の品質を管理する装置である。部品品質管理装置300は、部品の品質にばらつきがあると判断した場合には、実装ライン200を構成する部品実装機の生産条件を決定し、部品実装機に当該生産条件の変更指示を送信する。
図2は、図1に示した実装ライン200の外観図である。
実装ライン200は、上流側の生産設備から下流側の生産設備に基板を搬送し、部品が実装された基板を生産するシステムであり、ストッカ14および30と、半田印刷装置16と、コンベア18および26と、接着剤塗布装置21と、部品実装機22および24と、リフロー炉28とを備えている。
ストッカ14および30は、基板をストックする装置であり、ストッカ14が生産ラインの最上流に位置し、ストッカ30が生産ラインの最下流に位置する。すなわち、ストッカ14には、部品が未実装の基板がストックされ、ストッカ30には部品が実装済みの完成品の基板がストックされる。
半田印刷装置16は、基板上に半田を印刷する装置である。コンベア18および26は、基板を搬送する装置である。接着剤塗布装置21は、基板上に接着剤を塗布する装置である。部品実装機22および24は、基板上に部品を実装する装置である。リフロー炉28は、部品が実装された基板を熱することにより、半田等を溶かした後、部品を基板上に固定させる装置である。
図3は、部品実装機22の構成を示す外観図である。なお、部品実装機24も同様の構成を有する。
部品実装機22は、お互いが協調して(または、交互動作にて)部品実装を行なう2つのサブ設備130aおよび130bを備える。サブ設備130aは、部品テープを収納するパーツフィーダ123の配列からなる部品供給部124aと、それらパーツフィーダ123から電子部品を吸着し基板20に装着することができる複数の吸着ノズル(以下、単に「ノズル」ともいう。)を有するマルチ装着ヘッド121と、マルチ装着ヘッド121が取り付けられるビーム122と、マルチ装着ヘッド121に吸着された部品の吸着状態を2次元又は3次元的に検査するための部品認識カメラ126等を備える。サブ設備130bも、サブ設備130aと同様の構成を有する。
図4は、部品実装機22の内部の主要な構成を示す平面図である。
部品実装機22は、その内部に部品実装機22の前後方向(Y軸方向)に並んで配置される2つのサブ設備130aおよび130bを備えている。前後方向(Y軸方向)に向かい合って配置されるサブ設備130aおよび130bは、お互いが協調し1つの基板20に対して部品の実装作業を行う。
サブ設備130aおよび130bの各々は、ビーム122と、マルチ装着ヘッド121とを備えている。また、サブ設備130aおよび130bは、部品供給部124aおよび124bをそれぞれ備えている。また、部品実装機22は、サブ設備130aおよび130b間に基板20搬送用のレール129が一対備えられている。
なお、部品認識カメラ126は、同図においてその記載を省略している。
ビーム122は、X軸方向に延びた剛体であって、Y軸方向(基板20の搬送方向と垂直方向)に設けられた軌道(図示せず)上をX軸方向と平行を保ったままで移動することができるものである。また、ビーム122は、当該ビーム122に取り付けられたマルチ装着ヘッド121をビーム122に沿って、すなわちX軸方向に移動させることができるものであり、自己のY軸方向の移動と、これに伴ってY軸方向に移動するマルチ装着ヘッド121のX軸方向の移動とでマルチ装着ヘッド121をXY平面内で自在に移動させることができる。また、これらを駆動させるためのモータ(図示せず)など複数のモータがビーム122に備えられており、ビーム122を介してこれらモータなどに電力が供給されている。
図5は、部品品質管理装置300の機能的な構成を示すブロック図である。
部品品質管理装置300は、演算制御部301、表示部302、入力部303、メモリ部304、部品品質管理プログラム格納部305、通信I/F(インターフェース)部306およびデータベース部307等から構成される。
演算制御部301は、CPU(Central Processing Unit)や数値プロセッサ等であり、オペレータからの指示等に従って、部品品質管理プログラム格納部305からメモリ部304に必要なプログラムをロードして実行し、その実行結果に従って、各構成要素302〜307を制御する。
表示部302はCRT(Cathode-Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等であり、入力部303はキーボードやマウス等であり、これらは、演算制御部301による制御の下で、部品品質管理装置300とオペレータとが対話する等のために用いられる。
通信I/F部306は、LAN(Local Area Network)アダプタ等であり、部品品質管理装置300と実装ライン200を構成する部品実装機22等との通信に用いられる。メモリ部304は、演算制御部301による作業領域を提供するRAM(Random Access Memory)等である。
データベース部307は、部品品質管理装置300による実装プログラムの作成処理等に用いられる入力データ(実装点データ307a、部品ライブラリ307b等)や、減点表307c、判定表307d等を記憶するハードディスク等である。
部品品質管理プログラム格納部305は、部品品質管理装置300の機能を実現する各種制御プログラムを記憶しているハードディスク等であり、機能的に(演算制御部301によって実行された場合に機能する処理部として)、稼動状況算出部305aと、部品品質状況算出部305bと、実装基板品質状況算出部305hと、パラメータ集計部305cと、原因特定部305dと、実装条件変更部305gとから構成される。
稼動状況算出部305aは、各部品実装機の稼働状況に関する各種パラメータを算出する処理部である。部品品質状況算出部305bは、各部品実装機による部品実装基板の生産に用いられる部品の品質状況に関する各種パラメータを算出する処理部である。
実装基板品質状況算出部305hは、各部品実装機により生産された部品実装基板の品質状況に関する各種パラメータを算出する処理部である。実装基板品質状況算出部305hが算出するパラメータとして、例えば、部品の装着位置ずれの発生率、基板上での部品欠落の発生率、リードとランドとの接続不良の発生率などが考えられる。実装基板品質状況算出部305hは、部品種ごとにこれらのパラメータを集計する。
パラメータ集計部305cは、稼動状況算出部305a、部品品質状況算出部305bおよび実装基板品質状況算出部305hで算出されたパラメータを部品実装機ごとまたは部品実装機全体として集計すると共に、点数化する処理部である。ただし、パラメータ集計部305cは、稼動状況算出部305aおよび部品品質状況算出部305bで算出されたパラメータを集計するものであっても構わないし、稼動状況算出部305aで算出されたパラメータに代えて、実装基板品質状況算出部305hで算出されたパラメータを集計するものであっても構わない。
原因特定部305dは、上述の稼働状況または品質状況の低下の原因を特定する処理部である。実装条件変更部305gは、パラメータ集計部305cおよび原因特定部305dの処理結果に基づいて、部品実装機22の実装条件を求め、部品実装機22に対して、求められた実装条件への変更指示を送信する処理部である。
図6は、実装点データ307aの一例を示す図である。
実装点データ307aは、実装の対象となる全ての部品の実装点を示す情報の集まりである。図6に示されるように、1つの実装点piは、部品種ci、X座標xi、Y座標yi、装着角度θi、制御データφiからなる。ここで、「部品種」は、後述する図7に示される部品ライブラリ307bにおける部品名に相当し、「X座標」および「Y座標」は、実装点の座標(基板上の特定位置を示す座標)であり、「装着角度」は、部品装着時の部品の回転角度であり、「制御データ」は、その部品の実装に関する制約情報(使用可能な吸着ノズルのタイプ、マルチ装着ヘッド121の最高移動速度等)である。
図7は、部品ライブラリ307bの一例を示す図である。
部品ライブラリ307bは、部品実装機22等が扱うことができる全ての部品種それぞれについての固有の情報を集めたライブラリであり、図7に示されるように、部品種ごとの部品サイズ、タクト(一定条件下における部品種に固有のタクト)、その他の制約情報(使用可能な吸着ノズルのタイプ、部品認識カメラ126による認識方式、マルチ装着ヘッド121の最高移動速度等)からなる。なお、本図には、参考として、各部品種の部品の外観も併せて示されている。
まず、稼動状況算出部305aが算出する各部品実装機の稼働状況に関する各種パラメータについて説明する。
図8は、稼動状況に関するパラメータの一種である、吸着ノズル別の装着率とエラー数とを示す図である。図8は、ある部品実装機のマルチ装着ヘッド121における吸着ノズル別の装着率とエラー数とを示している。ここで、「装着率」とは、基板への部品の装着が成功した割合を示す値である。「エラー数」とは、基板への部品装着に失敗した数のことである。図8によると、16本の吸着ノズルのうち、12番目の吸着ノズルの装着率が最も小さく、エラー数が最も大きい。すなわち、図8は、12番目の吸着ノズルにおいて、部品装着のエラーが頻繁に発生していることを示している。
図9は、稼働状況に関するパラメータの一種である、吸着ノズル別の装着率と吸着回数とを示す図である。図9は、ある部品実装機のマルチ装着ヘッド121における吸着ノズル別の装着率と吸着回数とを示している。ここで、「装着率」は、図8で説明したものと同一である。「吸着回数」は、吸着ノズルによる部品の吸着回数を示す。例えば、6番目の吸着ノズルと14番目の吸着ノズルとは、他の吸着ノズルに比べて吸着回数が少ないことが示されている。
図10は、稼働状況に関するパラメータの一種である、部品カセット別の装着率と吸着回数とを示す図である。図10は、ある部品実装機の部品供給部における部品カセット別の装着率と吸着回数とを示している。ここで、「装着率」とは、図8の説明において説明したものと同様の意味である。ただし、ここでは、部品カセット別すなわち部品種別の装着率を示している。また、「吸着回数」は、吸着ノズルによる部品の吸着回数を示している。ただし、ここでは、部品カセット別すなわち部品種別の吸着回数を示している。例えば、87番目の部品カセットの部品の装着率は、99.7%を下回っており、その部品カセットから部品を吸着して、基板に装着しようとすると、装着率が低下することを示している。
図11は、稼働状況に関するパラメータの一種である、部品種別の認識エラー率を示す図である。「認識エラー率」とは、吸着ノズルで吸着された部品を部品認識カメラ126で認識した際に、認識が正常にできない率のことである。なお、同図中破線で示すように、認識エラー率の許容値を0.5%とした場合には、部品種AおよびDの認識エラー率が許容値を超えている。
図12は、稼働状況に関するパラメータの一種である、部品種別の吸着率を示す図である。「吸着率」とは、吸着ノズルが部品カセットから部品を吸着するのに成功した率のことである。吸着ノズルが部品を吸着しているか否かは、部品認識カメラ126で部品を認識することにより分かる。なお、同図中破線で示すように、吸着率の許容値を99.8%とした場合には、部品Aの吸着率が許容値を下回っている。
図13は、稼働状況に関するパラメータの一種である、部品種別の持ち帰り率を示す図である。「持ち帰り率」とは、吸着ノズルで吸着した部品を基板に装着するのに失敗し、部品を持ち帰った率のことである。部品を持ち帰ったか否かは、吸着ノズルによる基板への部品装着動作の後に、マルチ装着ヘッド121内の真空圧の変化量を計測したり、部品認識カメラ126で吸着ノズルが部品を吸着しているか否かを認識したりすることにより、判断することができる。なお、同図中破線で示すように、持ち帰り率の許容値を0.6%とした場合には、部品種BおよびCの持ち帰り率が許容値を超えている。
次に、部品品質状況算出部305bが算出する部品の品質状況に関する各種パラメータについて説明する。
まず、品質状況に関するパラメータの一種である、寸法誤差について説明する。「寸法誤差」とは、部品の寸法のばらつきを示し、具体的には、部品の寸法の分散または標準偏差が用いられる。
図14は、部品の寸法を説明するための図であり、部品の寸法は、幅x、奥行きyおよび高さtからなる。部品認識カメラ126が2次元用のカメラの場合には、部品の幅xおよび奥行きyを部品認識カメラ126の出力より得ることができる。部品認識カメラ126が3次元用のカメラの場合には、部品の幅x、奥行きyおよび高さtを部品認識カメラ126の出力より得ることができる。また、部品認識カメラ126の出力から、部品を吸着した際の吸着角度のずれ量θも得ることができる。ここでは、説明の簡単化のため、部品認識カメラ126は2次元カメラであり、部品認識カメラ126の出力から、部品の幅x、奥行きyおよび吸着角度ずれ量θを得ることができるものとする。
以下、400点の部品を部品認識カメラ126で認識した結果について説明する。
図15は、各部品について幅xの規格値からのずれ量dXを示したグラフである。横軸は、部品番号を示しており、縦軸は、幅xの規格値からのずれ量dX[μm]を示している。図16は、図15に示したグラフを縦軸方向に拡大したグラフである。
図17は、各部品について奥行きyの規格値からのずれ量dYを示したグラフである。横軸は、部品番号を示しており、縦軸は、奥行きyの規格値からのずれ量dY[μm]を示している。
図18は、ずれ量dXの分布を示したヒストグラムであり、図19は、ずれ量dYの分布を示したヒストグラムである。図20は、吸着角度ずれ量θ[deg]の分布を示したヒストグラムである。
図21は、ずれ量dXと、ずれ量dYとの分布を2次元的に示したグラフであり、横軸は、ずれ量dXを示し、縦軸は、ずれ量dYを示している。また、同グラフにおいて規格範囲を、矩形枠600で示している。「規格範囲」とは、正常な寸法の部品であると許容可能なずれ量の範囲である。同グラフにおいては、ずれ量dXが−50μmから50μmの間の値であり、かつ、ずれ量dYが−50μmから50μmの間の値の部品が規格範囲内に納まっている部品となる。
図22は、以上の結果をまとめた表である。同表によると、部品の測定点数は400箇所であり、認識エラーは0箇所である。また、部品の幅xのずれ量dXに関しては、規格範囲の上限が50μmで下限が−50μmである。さらに、ずれ量dXの平均値は11.0、最大値は37.8、最小値は−18.2であり、ずれ量dXのとる範囲(=最大値−最小値)は56である。さらにまた、ずれ量dXの標準偏差は9.51で、3σは28.53である。なお、同図では、工程能力指数(Cp、k、Cpk)も合わせて示されている。部品の奥行きyのずれ量dYおよび吸着角度ずれ量θに関しても、同様の値が示されている。ここでの寸法誤差は、ずれ量dXの標準偏差、ずれ量dYの標準偏差、吸着角度ずれ量θの標準偏差に相当する。
図23は、品質状況に関するパラメータの一種である、リードの曲がりについて説明するための図である。図23(a)に示すようなリードを有するリード部品は、図23(a)および図23(b)に示すようなリード曲がり604が、部品の製造時や搬送時等に生じることが多い。部品認識カメラ126は、部品実装時に、このようなリード曲がり604を、2次元的または3次元的に認識することができる。リード曲がり604が生じた部品を基板に装着すると、基板装着時に、リードが基板上の正規のランドと正しく接続できずに導通できないか、正規のランドではない他のランドやリードと接触してしまい、短絡してしまう。このため、部品実装基板の品質状況を悪化させる要因となる。
図24は、品質状況に関するパラメータの一種である、半田量のばらつきについて説明するための図である。図24に示すようなBGA(Ball Grid Array)を有する部品は、配列上に並べられた電極部分にボール状の半田が予め塗布されている。しかし、領域605に含まれる半田のように、半田の面積または体積が他の半田とは異なるものが含まれている場合には、半田不足により電極が基板から浮いたり、半田過多により電極同士が導通したりする問題が生じる。このため、部品実装基板の品質を悪化させる要因となる。したがって、「半田量のばらつき」とは、半田の面積または体積のばらつきを示し、具体的には、半田の面積または体積の分散または標準偏差が用いられる。なお、半田の面積または体積は、部品認識カメラ126により認識することができる。
なお、上述した稼働状況に関するパラメータの一種である「持ち帰り率」は、品質状況に関するパラメータの一種でもある。すなわち、図25では、吸着ノズルが吸着する部品の位置をハッチングで示しているが、ハッチングで示された部分の固着性が強いような場合には、持ち帰り率が大きくなってしまう。このため、持ち帰り率と固着性との間には相関関係がある。すなわち、持ち帰り率は、品質状況に関するパラメータの一種でもある。なお、固着性は、部品の材質により変化する。例えば、錫の純度が高い材質の場合には、その部分は柔らかくなるため、吸着ノズルに引っ付きやすくなり、持ち帰り率が大きくなってしまう。
このように、部品の品質状況と部品実装機の稼働状況との間には密接な関係がある。図26は、品質状況に関するパラメータの一種である「寸法誤差」を例にとり、上述の関係について説明するための図である。図26(a)は、図21に示したグラフと同様のグラフであり、部品の幅xの規格値からのずれ量dXと部品の奥行きyの規格値からのずれ量dYとの分布を2次元的に示したグラフである。図26(a)では、矩形枠606で規格範囲を示している。このため、矩形枠606外にプロットされた点に対応する部品は規格範囲外の部品ということになる。部品寸法のばらつきが大きくなると、部品認識カメラ126における認識エラーが多発する。このため、部品実装機の小停止が多発することにより部品実装機の稼働率が低下する。このため、部品実装基板の生産性が低下してしまうという問題がある。なお、このような場合に、オペレータは、認識エラーを防ぐために部品寸法の規格値を部品実装機に再教示するが、寸法のばらつきが大きい場合には、どのような規格値を再教示させようとも、認識エラーが発生してしまう。
また、寸法のばらつきが多いと、上述した吸着率の低下にもつながる。このため、生産途中で廃棄される部品の増加につながる。このため、廃棄される部品種の部品が不足してしまい、最悪の場合には部品実装基板を生産することができなくなり、部品実装基板の生産性が低下してしまう。さらに、吸着率の低下が生じると、基板上に部品を落下させてしまう可能性が大きくなり、部品実装基板の品質の低下にもつながる。
さらに、寸法のばらつきが多いと、部品装着時に、部品の電極と基板のランドとの位置が一致しにくいため、装着精度が低下してしまう。このため、図26(b)に示すように、真の装着位置からX方向およびY方向にずれた位置に部品が装着されることとなり、部品実装基板の品質の低下につながる。
次に、部品品質管理装置300が実行する処理について説明する。図27は、部品品質管理装置300が実行する処理のフローチャートである。
部品品質状況算出部305bは、上述した品質状況に関するパラメータのうち、寸法誤差を部品種ごとに算出する(S2)。なお、部品品質状況算出部305bは、寸法誤差を部品実装機単位で算出するとともに、部品実装機全体としても算出する。
パラメータ集計部305cは、S2で算出された寸法誤差を、部品実装機単位で集計し、部品種を点数化する(S3)。また、パラメータ集計部305cは、S2で算出された寸法誤差を、部品実装機全体として集計し、部品種を点数化する(S4)。点数のつけ方については後述する。
図28は、部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。図28は、全ての実装ライン200を構成する部品実装機全体でのパラメータおよび点数を示しており、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、図28に示されるような画面(部品品質表示画面)が表示部302に表示される。図28の部品品質表示画面は、部品名と、メーカ名と、寸法誤差(X)と、寸法誤差(Y)と、点数と、判定とからなる。寸法誤差(X)は、ずれ量dXの標準偏差を示し、寸法誤差(Y)は、ずれ量dYの標準偏差を示すものとする。例えば、部品名「I」の部品の、メーカ名は「XX」であり、寸法誤差(X)は「15」であり、寸法誤差(Y)は「20」であり、点数は「55点」であり、判定は「赤」であることが示されている。判定の種類には「緑」、「黄」および「赤」があり、「緑」の判定は、部品の寸法誤差が少なく、良好であることを示している。「黄」の判定は、部品の寸法誤差が少し悪く、注意が必要であることを示している。「赤」の判定は、部品の寸法誤差が悪く、問題が生じていることを示している。
図29は、部品実装機単位でそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。図29は、ある部品実装機αに対するパラメータおよび点数を示しており、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、図29に示されるような画面(部品品質表示画面)が表示部302に表示される。図29の部品品質表示画面は、部品名と、メーカ名と、寸法誤差(X)と、寸法誤差(Y)と、点数と、判定とからなる。例えば、部品名「I」の部品の、メーカ名は「XX」であり、寸法誤差(X)は「14」であり、寸法誤差(Y)は「22」であり、点数は「55点」であり、判定は「赤」であることが示されている。
図30は、部品メーカ別に集計および点数化された部品のパラメータおよび点数の一例を示す図である。図30は、部品メーカごとに、全ての部品のパラメータおよび部品を集計しており、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、図30に示されるような画面(部品品質表示画面)が表示部302に表示される。図30の部品品質表示画面は、メーカ名と、寸法誤差(X)と、寸法誤差(Y)と、点数と、判定とからなる。例えば、メーカ名「ZZ」の全ての部品について集約した寸法誤差(X)は「8」であり、寸法誤差(Y)は「6」であり、点数は「90点」であり、判定は「緑」であることが示されている。すなわち、メーカ名「ZZ」の欄は、図28の部品品質表示画面に示した部品名「K」および部品名「L」を含む全てのメーカ「ZZ」で製造された部品を対象とした、寸法誤差や、点数等を示したものである。これにより、良い製造メーカか否かが分かることとなる。なお、製造メーカごとでなくても、製造メーカの工場ごとであっても良い。
図31は、図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、点数を部品種ごとに表示したグラフである。当該グラフは、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、表示部302に表示される。図31に示すグラフは、横軸が部品名であり、縦軸がそれぞれの部品種に対する点数を示している。また、判定「赤」と「黄」の区切りを示す点数「70点」および判定「黄」と「緑」の区切りを示す点数「90点」が図中破線で示されている。このグラフによると、部品名「I」および「J」の部品の判定が「赤」であり、部品名「K」の部品の判定が「黄」であり、部品名「L」の部品の判定が「緑」であることが分かる。
図32は、図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、寸法誤差(X)を部品種ごとに表示したグラフである。当該グラフは、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、表示部302に表示される。図32に示すグラフは、横軸が部品名であり、縦軸がそれぞれの部品種に対する寸法誤差(X)を示している。例えば、部品種「I」、「J」、「K」および「L」の寸法誤差(X)がそれぞれ「15」、「10」、「9」および「8」であることが示されている。
図33は、図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、寸法誤差(Y)を部品種ごとに表示したグラフである。当該グラフは、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、表示部302に表示される。図33に示すグラフは、横軸が部品名であり、縦軸がそれぞれの部品種に対する寸法誤差(Y)を示している。例えば、部品種「I」、「J」、「K」および「L」の寸法誤差(Y)がそれぞれ「20」、「31」、「10」および「4」であることが示されている。
図34は、図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、部品種「I」についての部品の幅xの規格値からのずれ量dXと部品の奥行きyの規格値からのずれ量dYとの分布を2次元的に示したグラフである。当該グラフは、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、表示部302に表示される。当該グラフの横軸はずれ量dXを示し、縦軸はずれ量dYを示している。図34に示すグラフでは、矩形枠800で規格範囲を示している。このため、矩形枠800外にプロットされた点に対応する部品は規格範囲外の部品ということになる。なお、他の部品種たとえば部品種「J」についても同様のグラフを表示させることができる。
図35は、図23を用いて説明したリードを有する部品におけるリードの曲がり率を示したグラフである。当該グラフは、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、表示部302に表示される。図35に示すグラフは、横軸が部品名であり、縦軸がリード曲がり率を示している。リード曲がり率とは、所定の規格範囲を超えて曲がっている部品の割合を示した値である。同グラフでは、リード曲がり率のしきい値として0.5%を設けている。部品のリード曲がり率のみを考えた場合、リードの曲がり率が0.5%を超えて曲がっている部品、すなわち、部品種「I」および「J」は規格範囲外の部品であることが示されている。
再度、図27に従い、部品品質管理装置300の実行する処理について説明する。原因特定部305dは、部品種ごとに、部品実装機全体としての点数と、部品実装機ごとに求められた点数のうちの最小値との差を求め、所定のしきい値THと比較する(S6)。
原因特定部305dは、比較の結果、上述の差がしきい値THよりも大きい場合には(S6でYES)、稼働状況および品質状況の低下の原因は部品実装機にあると判断し、上述の差がしきい値TH以下の場合には(S6でNO)、稼働状況および品質状況の低下の原因は、部品実装機ではなく、部品自体にあるとの判断を行う。
このような判断の理由について以下に説明する。稼働状況および品質状況の低下の原因が部品実装機にある場合には、問題がある特定の部品実装機における点数のみが低く、その他の部品実装機における点数は高い。このため、部品実装機全体としての点数は高いが、部品実装機ごとに求められた点数のうちの最小値は低くなる。よって、上述の差を計算した場合には、差が大きくなる。
一方、稼働状況および品質状況の低下の原因が部品にある場合には、全ての部品実装機において点数が低くなる。このため、部品実装機全体としての点数と、部品実装機ごとに求められた点数のうちの最小値とのいずれもが低くなる。よって、上述の差を計算した場合には、差が小さくなる。このような性質を利用して、原因特定部305dは、稼働状況および品質状況の低下の原因が部品実装機にあるのか部品にあるのかを判断する。
稼働状況および品質状況の低下の原因が部品にあると特定された場合には(S6でNO)、実装条件変更部305gは、当該部品種を使用している部品実装機に対して、当該部品種を基板に実装する際の実装条件の変更を指示する(S8)。この処理については、後述する。
稼働状況および品質状況の低下の原因が部品実装機にあると特定された場合には(S6でYES)、実装条件変更部305gは、原因となっている部品実装機をチェックするようにとの指示を表示部302に表示することにより、オペレータに対して部品実装機のチェックの指示を行う(S9)。
原因特定部305dおよび実装条件変更部305gは、S6〜S9の処理を全ての部品種について繰り返す(ループB)。
以上説明した処理は、部品実装基板の生産が続いている間、繰り返される(S10)。
次に、実装条件変更処理(図27のS8)について詳細に説明する。図36は、実装条件変更処理(図27のS8)の詳細を示すフローチャートである。
実装条件変更部305gは、対象となっている部品種についての部品実装機全体としての寸法誤差(X)または寸法誤差(Y)が20以上か否かを判断する(S82)。いずれかの寸法誤差が20以上の場合には(S82でYES)、実装条件変更部305gは、当該部品種の部品を吸着する際に使用される吸着ノズルのサイズを1サイズ大きいものに変更するようにとの指示を、当該部品種の部品を使用している部品実装機に対して送信する(S84)。1サイズ大きな吸着ノズルを使用することにより、部品を安定的に吸着することができるようになり、吸着率等の稼働状況を改善することができる。これにより、部品実装基板の品質も向上する。
また、実装条件変更部305gは、当該部品種の部品を装着する際のマルチ装着ヘッド121の最高移動速度を2段階遅くするようにとの指示を、当該部品種の部品を使用している部品実装機に対して送信する(S86)。マルチ装着ヘッド121の最高移動速度を遅くすることにより、基板上に部品を落下させる可能性が低くなる等、部品を安定的に基板に実装することができ、稼働状況を改善することができる。また、図26(b)に示した部品装着精度も向上させることができるようになる。よって、部品実装基板の品質も向上する。
さらに、実装条件変更部305gは、部品認識カメラ126による寸法の許容値(規格範囲)を10%だけプラスするようにとの指示を、当該部品種の部品を使用している部品実装機に対して送信する(S88)。例えば、図21は、規格値からのずれ量dXおよびずれ量dYに対する規格範囲を矩形枠600で示している。図21に示されるように、規格範囲の上限が50μmで下限が−50μmであるものとする。この規格範囲を10%拡げると、規格範囲の上限が55μm、下限が−55μmとなる。これにより、認識エラー率を減らすことができる。よって、稼働状況を改善することができる。
いずれの寸法誤差も20未満の場合には(S82でNO)、実装条件変更部305gは、いずれかの寸法誤差が10以上か否かを判断する(S90)。いずれかの寸法誤差が10以上の場合には(S90でYES)、実装条件変更部305gは、当該部品種の部品を吸着する際に使用される吸着ノズルのサイズを1サイズ大きいものに変更するようにとの指示を、当該部品種の部品を使用している部品実装機に対して送信する(S92)。また、実装条件変更部305gは、当該部品種の部品を装着する際のマルチ装着ヘッド121の最高移動速度を1段階遅くするようにとの指示を、当該部品種の部品を使用している部品実装機に対して送信する(S94)。さらに、実装条件変更部305gは、部品認識カメラ126による寸法の許容値(規格範囲)を5%だけプラスするようにとの指示を、当該部品種の部品を使用している部品実装機に対して送信する(S96)。これらの指示を送信する理由は、上述したとおりである。
いずれの寸法誤差も10未満の場合には(S90でNO)、何も処理をしない。なお、以上説明した実装条件変更処理の各種数値は、一例に過ぎず、それ以外の数値であっても良い。
以上説明したように、本実施の形態によると、部品の品質が悪い場合であっても、部品実装機の稼働状況や部品実装基板の品質状況を向上させるように部品実装機の実装条件を最適に設定することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る生産システムについて説明する。
実施の形態2に係る生産システムの構成は実施の形態1に示したものと同様である。このため、その詳細な説明はここでは繰り返さない。実施の形態2では、部品品質管理装置300が実行する処理が実施の形態1とは異なる。実施の形態1では、品質状況に基づいて、部品実装機の実装条件の変更を行ったが、実施の形態2では、品質状況及び稼働状況に基づいて、部品実装機の実装条件を変更する点が実施の形態1とは異なる。
図37は、実施の形態2に係る部品品質管理装置300が実行する処理のフローチャートである。
稼動状況算出部305aは、上述した稼働状況に関するパラメータのうち、認識エラー率と、吸着率と、持ち帰り率とを部品種ごとに算出する(S1)。なお、稼動状況算出部305aは、これらのパラメータを、部品実装機単位で算出するとともに、部品実装機全体としても算出する。これにより、図11〜図13に示したような部品種ごとの認識エラー率、吸着率、持ち帰り率が、部品実装機ごとまたは部品実装機全体として算出される。
次に、部品品質状況算出部305bは、上述した品質状況に関するパラメータのうち、寸法誤差を部品種ごとに算出する(S2)。なお、部品品質状況算出部305bは、寸法誤差を部品実装機単位で算出するとともに、部品実装機全体としても算出する。
パラメータ集計部305cは、S1およびS2で算出された4種類のパラメータを、部品実装機単位で集計し、部品種を点数化する(S3)。また、パラメータ集計部305cは、S1およびS2で算出された4種類のパラメータを、部品実装機全体として集計し、部品種を点数化する(S4)。点数のつけ方については後述する。
なお、パラメータ集計部305cは、図26(b)に示した部品の装着精度も集計し、所定の規格範囲から外れている割合を算出する(S5)。
図38は、部品実装機単位でそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。図38は、ある部品実装機αに対するパラメータおよび点数を示しており、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、図38に示されるような画面(部品品質モニタ)が表示部302に表示される。図38の部品品質モニタは、部品名と、認識エラー率と、吸着率と、持ち帰り率と、寸法誤差と、メーカ名と、判定とからなる。例えば、部品名「A」の部品の、認識エラー率は「1.8」%であり、吸着率は「96.0%」であり、持ち帰り率は「0.05%」であり、寸法誤差は「16」であり、メーカ名は「XX」であり、点数は「50点」であり、判定は「赤」であることが示されている。なお、判定は、表示部302では、色の違いにより示され、部品名「A」に対しては、赤色で示されているものとする。
図39は、部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。図39は、全ての実装ライン200を構成する部品実装機全体でのパラメータおよび点数を示しており、オペレータの入力部303からの表示指示に基づいて、図39に示されるような画面(部品品質モニタ)が表示部302に表示される。図39の部品品質モニタは、部品名と、認識エラー率と、吸着率と、持ち帰り率と、寸法誤差と、メーカ名と、判定とからなる。例えば、部品名「A」の部品の、認識エラー率は「0.9」%であり、吸着率は「96.2%」であり、持ち帰り率は「0.04%」であり、寸法誤差は「17」であり、メーカ名は「XX」であり、点数は「55点」であり、判定は「赤」であることが示されている。
ここで、図28〜図30、図38、図39の部品品質表示画面に示されている「点数」のつけ方、すなわち、部品種の点数化処理(S3、S4)について説明する。部品種の点数は、100点満点からの減点方式によりつけられる。図40は、何点減点するかを示した減点表307cである。減点表307cは、部品品質管理装置300のデータベース部307に記憶されている。減点は、認識エラー率、吸着率、持ち帰り率、寸法誤差の各々について定められている。例えば、寸法誤差の減点について着目すると、寸法誤差が0以上かつ4以下の場合には、減点は「0点」である。寸法誤差が4より大きくかつ8以下の場合には、減点は「5点」である。寸法誤差が8より大きくかつ10以下の場合には、減点は「10点」である。寸法誤差が10より大きくかつ15以下の場合には、減点は「15点」である。寸法誤差が15よりも大きい場合には、減点は「30点」である。
例えば、図38に示した部品名「A」に着目すると、認識エラー率は「1.8%」である。このため、図40に示す減点表に基づいて、減点は「10点」である。同様に、吸着率が「96.0%」であるため、減点は「10点」である。また、持ち帰り率が「0.05%」であるため、減点は「0点」である。さらに、寸法誤差が「16」であるため、減点は「30点」である。以上より、部品名「A」の得点は、
100点−10点−10点−0点−30点=50点
という式により、「50点」であると求められる。
次に、図28〜図30、図38、図39の部品品質表示画面に示されている「判定」の決定処理(判定処理)について説明する。「判定処理」は、部品種の点数化処理(S3、S4)において行われ、部品種の点数に対する判定結果を求める処理である。図41は、判定処理に用いられる点数と判定結果との関係を示した判定表307dである。判定表307dは、部品品質管理装置300のデータベース部307に記憶されている。パラメータ集計部305cは、判定表307dに基づいて、点数が90点よりも大きい場合には、稼働状況および品質状況ともに良好であると判定して、判定結果を「緑」とする。また、パラメータ集計部305cは、点数が70点よりも大きくかつ90点以下の場合には、稼働状況および品質状況に注意が必要であると判定し、判定結果を「黄」とする。さらに、パラメータ集計部305cは、点数が70点以下の場合には、稼働状況および品質状況に問題が生じていると判定し、判定結果を「赤」とする。
再度、図37に従い、部品品質管理装置300の実行する処理について説明する。原因特定部305dは、部品種ごとに、部品実装機全体としての判定または部品実装機単位の判定のうち「赤」のものがあるか否かを判断する(S22)。判定が「赤」の部品種があれば(S22でYES)、実装条件変更部305gは、当該部品種の部品および当該部品を使用している部品実装機をチェックするようにとの指示を表示部302に表示することにより、オペレータに対して部品および部品実装機のチェックの指示を行う(S24)。
原因特定部305dは、対象となっている部品種の、部品実装機全体としての点数と、部品実装機ごとに求められた点数のうちの最小値との差を求め、所定のしきい値THと比較する(S26)。
原因特定部305dは、比較の結果、上述の差がしきい値THよりも大きい場合には(S26でYES)、稼働状況および品質状況の低下の原因は部品実装機にあると判断し、上述の差がしきい値TH以下の場合には(S26でNO)、稼働状況および品質状況の低下の原因は、部品実装機ではなく、部品自体にあるとの判断を行う。このような判断の理由は、実施の形態1で説明したとおりである。
稼働状況および品質状況の低下の原因が部品にあると特定された場合には(S26でNO)、実装条件変更部305gは、対象となっている部品種についての部品実装機全体としての寸法誤差(X)または寸法誤差(Y)が所定の規定値以上か否かを判断する(S28)。
いずれかの寸法誤差が所定の規定値以上の場合には(S28でYES)、実装条件変更部305gは、対象となっている部品種の部品実装機全体としての認識エラー率が所定の規定値よりも大きいか否かを判断する(S30)。認識エラー率が所定の規定値よりも大きい場合には(S30でYES)、実装条件変更部305gは、部品認識カメラ126による寸法の許容値(規格範囲)を所定の割合だけプラスするようにとの指示を、当該部品種の部品を使用している部品実装機に対して送信する(S32)。具体的には、図36のS88と同様の処理を行う。これにより、部品の認識エラー率を減らすことができる。よって、稼働状況を改善することができる。
実装条件変更部305gは、対象となっている部品種の部品実装機全体としての吸着率が所定の規定値を超えているか否かを判断する(S34)。吸着率が所定の規定値よりも大きい場合には(S34でYES)、実装条件変更部305gは、当該部品種の部品を吸着する際に使用される吸着ノズルのサイズを1サイズ大きいものに変更するようにとの指示を、当該部品種の部品を使用している部品実装機に対して送信する(S36)。1サイズ大きな吸着ノズルを使用することにより、部品を安定的に吸着することができるようになり、吸着率等の稼働状況を改善することができる。これにより、部品実装基板の品質も向上する。
実装条件変更部305gは、対象となっている部品種の装着精度が所定の規格範囲からずれている割合が、所定の規定値よりも大きいか否かを判断する(S38)。当該割合が所定の規定値よりも大きい場合には(S38でYES)、実装条件変更部305gは、当該部品種の部品を装着する際のマルチ装着ヘッド121の最高移動速度を1段階遅くするようにとの指示を、当該部品種の部品を使用している部品実装機に対して送信する(S40)。マルチ装着ヘッド121の最高移動速度を遅くすることにより、基板上に部品を落下させる可能性が低くなる等、部品を安定的に基板に実装することができ、稼働状況を改善することができる。また、図26(b)に示した部品装着精度も向上させることができるようになる。よって、部品実装基板の品質も向上する。
原因特定部305dおよび実装条件変更部305gは、S22〜S40の処理を全ての部品種について繰り返す(ループC)。
以上説明した処理は、部品実装基板の生産が続いている間、繰り返される(S42)。
以上説明したように、本実施の形態によると、部品の品質が悪い場合であっても、部品実装機の稼働状況や部品実装基板の品質状況を向上させるように部品実装機の実装条件を最適に設定することができる。
以上、本発明の実施の形態に係る生産システムについて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
上述の実施の形態では、部品の寸法誤差を用いて点数付けを行ったが、必ずしも、部品の寸法誤差を用いる必要はなく、その他に紹介した各種パラメータを用いて点数付けを行うようにしてもよい。例えば、リードの曲がり率を用いて点数付けを行うようにしてもよいし、BGAの半田量のばらつきを用いて点数付けを行うようにしてもよい。例えば、部品のリードの曲がり率が大きい場合には、マルチ装着ヘッド121の最高移動速度を1段階遅くする旨の指示を部品実装機に送信するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、部品実装機に使用される部品に対して点数を付けたが、点数付けの対象は必ずしも部品である必要はなく、部品実装機で使用される基板または材料や、その他の生産設備で使用される材料等であってもよい。例えば、基板、クリーム半田、接着剤等であっても良い。
また、クリーム半田に問題がある場合には、半田印刷装置16における印刷速度を落とす等の半田印刷条件を変更するようにしてもよい。
さらに、接着剤に問題がある場合には、接着剤塗布装置21による接着剤塗布条件を変更するようにしてもよい。
また、上述の部品品質管理装置300の機能が部品実装機に備わっていても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、基板に電子部品を実装する部品実装機を含む実装ラインにおいて、部品実装機の最適な実装条件を決定する実装条件決定装置等に適用できる。
本発明の実施の形態を実現するための部品実装基板の生産システムを示す図である。 図1に示した実装ラインの外観図である。 部品実装機の構成を示す外観図である。 部品実装機内部の主要な構成を示す平面図である。 部品品質管理装置の機能的な構成を示すブロック図である。 実装点データの一例を示す図である。 部品ライブラリの一例を示す図である。 稼動状況に関するパラメータの一種である、吸着ノズル別の装着率とエラー数とを示す図である。 稼働状況に関するパラメータの一種である、吸着ノズル別の装着率と吸着回数とを示す図である。 稼働状況に関するパラメータの一種である、部品カセット別の装着率と吸着回数とを示す図である。 稼働状況に関するパラメータの一種である、部品種別の認識エラー率を示す図である。 稼働状況に関するパラメータの一種である、部品種別の吸着率を示す図である。 稼働状況に関するパラメータの一種である、部品種別の持ち帰り率を示す図である。 部品の寸法を説明するための図である。 各部品について幅xの規格値からのずれ量dXを示したグラフである。 図15に示したグラフを縦軸方向に拡大したグラフである。 各部品について奥行きyの規格値からのずれ量dYを示したグラフである。 ずれ量dXの分布を示したヒストグラムである。 ずれ量dYの分布を示したヒストグラムである。 吸着角度ずれ量θ[deg]の分布を示したヒストグラムである。 ずれ量dXと、ずれ量dYとの分布を2次元的に示したグラフである。 ずれ量に関する実験結果をまとめた表である。 品質状況に関するパラメータの一種である、リードの曲がりについて説明するための図である。 品質状況に関するパラメータの一種である、半田量のばらつきについて説明するための図である。 固着性について説明するための図である。 品質状況に関するパラメータの一種である「寸法誤差」を例にとり、部品実装基板の品質状況と部品実装機の稼働状況との間の関係について説明するための図である。 部品品質管理装置が実行する処理のフローチャートである。 部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。 部品実装機単位でそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。 部品メーカ別に集計および点数化された部品のパラメータおよび点数の一例を示す図である。 図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、点数を部品種ごとに表示したグラフである。 図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、寸法誤差(X)を部品種ごとに表示したグラフである。 図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、寸法誤差(Y)を部品種ごとに表示したグラフである。 図28に示した部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数のうち、部品種「I」についての部品の幅xの規格値からのずれ量dXと部品の奥行きyの規格値からのずれ量dYとの分布を2次元的に示したグラフである。 図23を用いて説明したリードを有する部品におけるリードの曲がり率を示したグラフである。 実装条件変更処理(図27のS8)の詳細を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る部品品質管理装置が実行する処理のフローチャートである。 部品実装機単位でそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。 部品実装機全体としてそれぞれ集計および点数化された部品種ごとのパラメータおよび点数の一例を示す図である。 何点減点するかを示した減点表である。 判定処理に用いられる点数と判定結果との関係を示した判定表である。
符号の説明
14、30 ストッカ
16 半田印刷装置
18、26 コンベア
20 基板
21 接着剤塗布装置
22、24 部品実装機
28 リフロー炉
100 部品実装基板メーカ
121 マルチ装着ヘッド
122 ビーム
123 パーツフィーダ
124a、124b 部品供給部
126 部品認識カメラ
129 レール
130a、130b サブ設備
200 実装ライン
300 部品品質管理装置
301 演算制御部
302 表示部
303 入力部
304 メモリ部
305 部品品質管理プログラム格納部
305a 稼動状況算出部
305b 部品品質状況算出部
305c パラメータ集計部
305d 原因特定部
305g 実装条件変更部
305h 実装基板品質状況算出部
306 通信I/F部
307 データベース部
307a 実装点データ
307b 部品ライブラリ
307c 減点表
307d 判定表

Claims (3)

  1. 部品実装基板を生産する部品実装機の実装条件を決定する方法であって、
    部品種ごとに、前記部品実装機全体で、部品寸法の分散または標準偏差を取得する部品品質状況データ取得ステップと、
    部品種ごとに、前記部品寸法の分散または標準偏差が所定の規定値以上か否かを判断するステップと、
    前記部品寸法の分散または標準偏差が前記所定の規定値以上の場合には、当該部品種の部品を吸着する吸着ノズルを現状のサイズよりも大きいサイズに変更するとの実装条件、前記部品を基板上の実装位置に移動させる際の移動速度を現状の移動速度よりも遅くするとの実装条件および前記部品寸法の規格値からのずれ量の許容範囲を拡げるとの実装条件のうちの少なくとも1つを前記部品実装機の実装条件として決定する決定ステップと、
    部品種ごとに、吸着ノズルで吸着された部品を部品認識カメラで認識した際に、認識が正常にできない率である認識エラー率を取得するステップを含み、
    前記決定ステップは、
    部品種ごとに、前記認識エラー率が所定の規定値を超えているか否かを判断するステップと、
    前記認識エラー率が前記所定の規定値を超えている場合には、当該部品種の部品の寸法の規格値からのずれ量の許容範囲を拡げるとの実装条件を、前記部品実装機の実装条件として決定するステップとを含む
    ことを特徴とする実装条件決定方法。
  2. 部品実装基板を生産する部品実装機の実装条件を決定する方法であって、
    部品種ごとに、前記部品実装機全体で、部品寸法の分散または標準偏差を取得する部品品質状況データ取得ステップと、
    部品種ごとに、前記部品寸法の分散または標準偏差が所定の規定値以上か否かを判断するステップと、
    前記部品寸法の分散または標準偏差が前記所定の規定値以上の場合には、当該部品種の部品を吸着する吸着ノズルを現状のサイズよりも大きいサイズに変更するとの実装条件、前記部品を基板上の実装位置に移動させる際の移動速度を現状の移動速度よりも遅くするとの実装条件および前記部品寸法の規格値からのずれ量の許容範囲を拡げるとの実装条件のうちの少なくとも1つを前記部品実装機の実装条件として決定する決定ステップと、
    部品種ごとに、吸着ノズルが部品供給部から部品を吸着するのに成功した率である吸着率を取得するステップを含み、
    前記決定ステップは、
    部品種ごとに、前記吸着率が所定の規定値を超えているか否かを判断するステップと、
    前記吸着率が前記所定の規定値を超えている場合には、当該部品種の部品を吸着する吸着ノズルのサイズを現状のサイズよりも大きいサイズに変更するとの実装条件を、前記部品実装機の実装条件として決定するステップとを含む
    ことを特徴とする実装条件決定方法。
  3. 部品実装基板を生産する部品実装機の実装条件を決定する方法であって、
    部品種ごとに、前記部品実装機全体で、部品寸法の分散または標準偏差を取得する部品品質状況データ取得ステップと、
    部品種ごとに、前記部品寸法の分散または標準偏差が所定の規定値以上か否かを判断するステップと、
    前記部品寸法の分散または標準偏差が前記所定の規定値以上の場合には、当該部品種の部品を吸着する吸着ノズルを現状のサイズよりも大きいサイズに変更するとの実装条件、前記部品を基板上の実装位置に移動させる際の移動速度を現状の移動速度よりも遅くするとの実装条件および前記部品寸法の規格値からのずれ量の許容範囲を拡げるとの実装条件のうちの少なくとも1つを前記部品実装機の実装条件として決定する決定ステップとを含み、
    前記決定ステップは、
    部品種ごとに、装着精度が所定の規格範囲からずれている割合が、所定の規定値を超えているか否かを判断するステップと、
    前記割合が所定の規定値を超えている場合には、当該部品種の部品を基板上の実装位置に移動させる際の移動速度を現状の移動速度よりも遅くするとの実装条件を、前記部品実装機の実装条件として決定するステップとを含む
    ことを特徴とする実装条件決定方法。
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