JP4926788B2 - ガスバリア性積層体 - Google Patents
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Description
本発明は優れたガスバリア性を有するフィルム等の積層体を提供するものである。
本発明のガスバリア性積層体の基材には、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂からなるフィルム、シート等の他、中空体、カップ等の形状を有するものである。
熱硬化性樹脂としては、種々公知の熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アミノ樹脂、ポリイミド等を例示することができる。熱可塑性樹脂としては、種々公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体もしくはその鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、あるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等、延伸性、透明性が良好な熱可塑性樹脂が好ましく、とくにポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステルがバリア性、耐熱性等に優れているので好ましい。
基材の形状としてはフィルム状、シート状、その他中空体、カップ状等があり、種々公知の成形方法、例えば、キャスト法、二軸延伸法、トランスファー成形、圧縮成型、射出成形等により種々の形状の基材を利用することがきでき、可塑性樹脂であれば、中空成形(吹き込み成形)、射出成形、回転成形あるいは予め射出成形して容器成形用プリフォームを得た後吹き込み成形する、いわゆる二軸延伸吹き込み(ブロー)成形する方法等を採り得る。
本発明で用いられる水溶性モノマーには、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の金属塩、(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、エチレングリコール・じ(メタ)アクリレート、グリセリン・トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール・テトラ(メタ)アクリレート等の多官能モノマーなどがあり、これらは数平均重合度(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミドが好適である。
本発明に用いられる金属アルコキシドは、一般式R1 mM(OR2)nで表示される化合物であり、Mはケイ素、チタン、ジルコニウム及びアルミニウムから選ばれる金属元素であり、R1は、水素原子又は炭素数1ないし4のアルキル基、R2は炭素数1ないし4のアルキル基であり、R1とR2とは異なっていてもよく、同一でもよい。また、mは0以上、nは1以上の整数で、かつ、m+nは金属元素Mの原子価と同じ値である。
金属アルコキシドの例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン等のチタンアルコキシド化合物、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム等のジルコニウムアルコキシド化合物、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム等のアルミニウムアルコキシド化合物等がある。これらの中では、アルコキシシラン化合物が最も好適である。これらは、少なくとも1種が使用され、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
コート液は、水溶性モノマー及び光重合開始剤、金属アルコキシドその触媒、更には必要に応じて有機溶媒等を含む。
水溶性モノマーと金属アルコキシドの組成比は一般に水溶性モノマー100重量部に対し、通常金属アルコキシド1〜500重量部程度である。
またコート液には上記の他、金属アルコキシドの加水分解反応や縮合反応を行うために、水、加水分解反応や縮合反応を行う触媒、及び有機溶媒が用いられる。
従ってコート液は、上記の各原料を混合することにより調製することができ、金属アルコキシドは、あらかじめ加水分解したものを用いてもよい。
コート液の、基材上への塗工量は、乾燥後で0.01g/m2以上であること好ましく、0.1g/m2以上であるとより好ましい。一方、20g/m2以下であることが望ましい。
電離性放射線を使用する場合は、波長領域が0.0001〜800nmの範囲のエネルギー線であれば特に限定されないが、このようなエネルギー線としては、α線、β線、γ線、X線、可視光線、紫外線、電子線等が上げられる。これらの電離性放射線の中でも、波長領域が400〜800nmの範囲の可視光線、50〜400nmの範囲の紫外線および0.01〜0.002nmの範囲の電子線が、取り扱いが容易で、装置も普及しているので
好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムの表面に設けられたガスバリア性の層の表面に、ラミネート層を設けて、ヒートシール層とすることも行われる。このような層として、ポリウレタン系樹脂からなるアンダーコートがあり、ポリウレタン系樹脂としては、公知のイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させたもの、ポリウレタン系のドライラミネート剤やアンカーコート剤などが挙げられる。なお、これらポリウレタン系樹脂中には、イソシアネート基が残存していてもよい。また、アクリル結合を有するアクリルウレタン系樹脂であってもよい。
また、ラミネートにより設ける場合、その厚みは1μmないし100μmであることが好ましい。1μm以下では密着性に対する防護効果が十分では無くなる場合があり、100μmを超えても効果の差は大きく変わらない。
また、本発明の積層体、例えば複合フィルムには、ヒートシール層を積層することも行われる。このようなヒートシール層としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられ、その厚さは一般的には15〜200μm程度である。これらヒートシール層は、ドライラミネート法、無溶剤接着剤を用いて貼り合わせるノンソルベント型ドライラミネート法、エキストルージョンラミネート法等の公知の方法が採用される。
これにより、塗布されたコート液から得られるガスバリア性の層の構造をより緻密にしてガスバリア性能が向上するものと考えられる。
・アクリルアミド・・・和光純薬工業(株)製:試薬
・N−ヒドロキシメチルアクリルアミド・・・和光純薬工業(株)製:試薬
(光重合開始剤)
・光重合開始剤・・・1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名:イルガキュアー 2959)
・テトラエトキシシラン(TEOS)・・・信越化学工業(株)製:KBE−04
・ポリオキシエチレン・ラウリルエーテル・・・(株)花王製エマルゲン120
(酸素透過度[ml/(m2・day・MPa)の測定)
フィルムを、モコン社製
OX−TRAN2/21MLを用いて、JIS K 7126に準じ、温度20℃、湿度90%R.H.の条件で測定する。
(1)TEOSの加水分解液の調製
TEOS10グラムに0.1規定の塩酸を0.22グラム加え、精製水を21.89グラム加えて12時間撹拌することにより、TEOSの加水分解物を得た。
(2)アクリルアミドの水溶液の調製
アクリルアミド2.5グラムに精製水24.33グラム加え、10%水溶液の界面活性剤を0.15グラム、メタノールで25%溶液に調製したイルガキュア2959を0.8グラム加えてアクリルアミド水溶液を調製した。
(3)コート液調製
上記で得られたTEOSの加水分解物及びアクリルアミド水溶液を1:1の割合で混合し、10分撹拌してコート液を調製した。
(ガスバリア性層の調製)
厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製 商品名;エンブレットPET12)からなる基材フィルムのコロナ処理面に、メイヤバーを用いて塗工した。その後、塗膜を水分率が60〜80%となるまで放置し、その後UVを用いて条件 照度285mW/cm2、光量425ミリジュールで重合させた。得られた塗膜を200℃、1時間で熱処理して試料を得た。なお、塗膜の厚みは1.1μmであった。(ガスバリア性の評価)
厚さ50μmの線状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ社製 商品名:T.U.X. FCS)に、ウレタン系接着剤(ポリウレタン系接着剤(三井武田ケミカル社製 商品名:タケラックA310):12重量部、イソシアネート系硬化剤(三井武田ケミカル社製 商品名:タケネートA3):1重量部及び酢酸エチル(関東化学社製):7重量部)を塗布・乾燥後、得られたガスバリア性積層フィルムのコート面を貼り合わせ(ドライラミネート)し、多層フィルムを得た。
得られたガスバリア性フィルムの酸素透過度を表1に示す。
実施例1において、PETの替わりにアルミ蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルム(TL−PET)を用いる以外は同様に行った。
実施例3
実施例1において、コート液の組成中、アクリルアミドをN−ヒドロキシメチルアクリルアミドとする以外は同様に行った。ただし、N−ヒドロキシメチルアクリルアミドを2グラムとし、精製水を20グラムとし、10%水溶液の界面活性剤を0.06グラム、メタノールで25%溶液に調製したイルガキュア2959を0.18グラムとした。
また、コート後に、120℃60秒乾燥し、その後UVを用いて条件 照度205mW/cm2、光量210ミリジュールで重合させた。
実施例1において、コート液の組成中、水溶性モノマーを用いない以外は同様に行った。但しUV照射は行わなかった。
比較例2
実施例1において、コート液の組成中、TEOSを用いない以外は同様に行った。
表1
基材 酸素透過度
(ml/m2・day・MPa)
実施例1 PET 4.3
実施例2 TL−PET 3.0未満
実施例3 PET 31
比較例1 PET 注 膜が形成されなかった。
比較例2 PET 753
Claims (2)
- アクリルアミド又はN−ヒドロキシメチルアクリルアミドから選ばれる水溶性モノマー及び金属アルコキシドを含むコート液を基材に塗布し、これらを固化、加水分解及び/又は縮合させて得られるガスバリア性層を有することを特徴とするガスバリア性積層体。
- 金属アルコキシドが含有する金属元素がケイ素である請求項1に記載のガスバリア性積層体。
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