JP4926353B2 - 溶接継手の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信頼性の高い溶接構造物の製造に有用となる溶接方法に関し、特に、溶接施工後に溶接変形の矯正処理が必要となる溶接構造物の継手疲労強度の向上方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶接構造物の溶接部には、溶接施工によって応力集中や残留応力が生じやすく、これを原因とした疲労亀裂の発生が溶接継手の疲労強度向上及び溶接構造物の信頼性向上に重大な影響を与える。
【0003】
そのため、従来、溶接継手の疲労特性を改善する方法として、TIGなめ付け溶接や機械加工などにより溶接止端部形状を改善して溶接部の応力集中を低減ししたり、ピーニングなどにより溶接止端部形状の改善と共に圧縮残留応力を導入するなどの方法がなされていた。しかし、これらの溶接施工後の後処理方法は、溶接構造物の製造コストを直接増大させる要因となっていた。
【0004】
一方、最近になり、溶接金属の変態温度が低くなるように溶接材料の成分を設計し(以降、このような溶接材料を総称して低温変態溶接材料と呼ぶ)、溶接時の溶接金属の変態に伴う体積膨張を利用して溶接部に圧縮残留応力を導入することで溶接継手の疲労特性を改善する技術が、例えば、特開平11−138290号公報、特開2000−17380号公報、特開2000−288728号公報などで提案されている。この方法は、溶接に用いる溶接材料の成分設計を変更するだけで溶接継手の疲労強度が改善できるため、施工工程数が少なくて済み、その分の人件費が節約できる点で、先に説明した溶接施工後の後処理方法に比べて経済的に優れている。
【0005】
しかし、これらの技術は、溶接施工後に、加熱処理や機械処理が行われない場合でのみ溶接継手の疲労強度向上効果が期待できるものである。
【0006】
一般に、溶接構造物の工作精度や美観の向上のために、特に、橋梁、船舶等の溶接鋼構造物の製造においては、溶接施工がすべて終了した後に、ガスバーナー加熱やプレス加工などの方法により溶接変形の矯正処理が行われる。このような溶接変形の矯正処理は、塑性変形域で外力あるいは熱を加えることにより目的とする矯正が達成されるため、上記の低温変態溶接材料を用いた溶接方法によりたとえ溶接部に圧縮残留応力を導入し引張残留応力を低減できたとしても、溶接施工後の矯正処理により溶接部に導入された残留応力が再分配されてその効果は消失する。このため、溶接後に溶接変形の矯正処理を必要とする溶接構造物の疲労強度の改善は、上記の低温変態溶接材料を用いた溶接方法では達成できなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、従来、溶接後に溶接変形の矯正処理を必要とする溶接構造物の疲労強度の改善方法はないのが現状であり、溶接変形の矯正処理を実施する場合でも効果が発揮できる疲労強度向上方法が強く望まれていた。
【0008】
本発明は、溶接後に溶接変形の矯正処理が不可欠な溶接構造物の疲労特性を改善するための低温変態溶接材料を用いた疲労強度に優れた溶接継手の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、その発明の要旨は次の通りである。
【0010】
(1) 400MPa以上の降伏強度を有する鋼材を溶接施工後に溶接変形の矯正処理を行う溶接継手の製造方法において、前記溶接変形の矯正処理後、さらに、溶接止端部に付加ビードとしてマルテンサイト変態開始温度が300〜150℃である溶接金属を形成させることを特徴とする溶接継手の製造方法。
【0011】
(2) 質量%で、C:0.001〜0.1%、Si:0.1〜0.7%、Mn:0.4〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Ni:4〜12%、Cr:7〜15%、N:0.001〜0.05%を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶接金属を形成させることを特徴とする上記(1)に記載の溶接継手の製造方法。
【0012】
(3) さらに、質量%で、Cu:0.05〜0.4%、Mo:0.1〜2.0%、Ti:0.005〜0.3%、Nb:0.005〜0.3%、V:0.05〜0.5%の1種または2種以上を含有する溶接金属を形成させることを特徴とする上記(2)に記載の溶接継手の製造方法。
【0013】
(4) 490MPa以上の降伏強度を有する鋼材を溶接施工後に溶接変形の矯正処理を行う溶接継手の製造方法において、前記溶接変形の矯正処理後、さらに、溶接止端部に付加ビードとしてマルテンサイト変態開始温度が400〜200℃である溶接金属を形成させることを特徴とする溶接継手の製造方法。
【0014】
(5) 質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.01〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Ni:6〜15%を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶接金属を形成させることを特徴とする請求項4に記載の溶接継手の製造方法。
【0015】
(6) さらに、質量%で、Ti:0.01〜0.4%、Nb:0.01〜0.4%、V:0.1〜1.0%の1種または2種以上を含有する溶接金属を形成させることを特徴とする上記(5)に記載の溶接継手の製造方法。
【0016】
(7) さらに、質量%で、Cu:0.05〜0.4%、Cr:0.1〜3.0%、Mo:0.1〜3.0%、Co:0.1〜2.0%の1種または2種以上を含有する溶接金属を形成させることを特徴とする上記(5)または(6)の何れかに記載の溶接継手の製造方法。
【0017】
(8) 前記溶接変形の矯正処理はガスバーナー加熱またはプレス加工の何れか1種または2種の方法を用いて行うことを特徴とする上記(1)〜(7)のうちの何れか1項に記載の溶接継手の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明は、溶接後に溶接変形の矯正処理が不可欠な溶接構造物の疲労特性を向上させるために、溶接変形の矯正処理の後に、特に疲労が問題となる溶接止端部のみに付加ビードとして低温変態の溶接金属を形成することにより、溶接変形を抑制しつつ溶接止端部に変態膨張による圧縮残留応力を導入し、良好な寸法精度のままで溶接継手の疲労強度を向上することを技術思想とする。
【0020】
最初に、本発明で、溶接変形の矯正処理後に、溶接止端部に付加ビードとして形成される溶接金属のマルテンサイト変態温度及び鋼材の強度の限定理由について以下に説明する。
【0021】
溶接金属は凝固した後、冷却過程でオーステナイトからマルテンサイトに変態する際に、体積増加、すなわち変態膨張が生じ、この際、まわりのHAZ部を含む鋼材からの拘束により溶接金属に圧縮応力が生じる。
【0022】
溶接金属のマルテンサイトへの変態膨張を利用して室温での溶接部を圧縮状態または低い引張状態とするために、溶接金属のマルテンサイトの変態開始温度を低温化して、変態膨張後の冷却過程での熱収縮による引張応力の発生を抑制することが有効である。さらに、変態膨張により溶接金属に圧縮残留応力を導入するためには、溶接金属の変態膨張時にそのまわりのHAZ部が容易に塑性変形せずに拘束できる必要があり、そのためには、溶接金属のマルテンサイトへの変態温度に応じて鋼材の降伏強度も確保する必要がある。
【0023】
本発明では、溶接し、溶接変形の矯正処理後に、さらに、溶接止端部に付加ビード溶接する際に、鋼材の強度に応じて、400MPa以上の降伏強度を有する鋼材の場合には、付加ビードとして形成する溶接金属のマルテンサイト変態開始温度が300〜150℃となるようにし、また、490MPa以上の降伏強度を有する鋼材の場合には、付加ビードとして形成する溶接金属のマルテンサイト変態開始温度が400〜200℃となるようにする。
【0024】
本発明で、付加ビードとしてマルテンサイト変態温度が300〜150℃の温度範囲にある溶接金属を形成する場合は、変態温度が充分低いために、溶接金属の変態膨張時にそのまわりのHAZ部の拘束力がそれ程高くなくても、変態膨張後の熱収縮による引張応力を充分抑制することにより、溶接部の引張残留応力の低減効果が効率よく得られる。しかし、鋼板の降伏強度が400MPa未満の場合には、マルテンサイト変態温度が300〜150℃の温度範囲にある溶接金属を形成する場合でも、溶接部の引張残留応力の充分な低減効果が得られなくなるため、鋼板の降伏強度の下限値を400MPaとする。
【0025】
上記マルテンサイト変態温度が150℃の温度より低い場合には、溶接部の引張残留応力の低減効果は向上するが、溶接材料に高価な合金添加元素を多く添加しなければならず、靭性等の溶接継手の機械的特性が確保できなくなるため、その下限値を150℃とした。
【0026】
一方、上記マルテンサイト変態温度が300℃の温度を上回る場合には、鋼板の強度を向上させても溶接部の引張残留応力を効率的に低減することは困難となるために、その上限値を300℃とした。
【0027】
また、鋼板の降伏強度が400MPaよりも低い、いわゆる軟鋼などの鋼板を用いる場合は、溶接部の引張残留応力を効率よく低減するために、マルテンサイト変態開始温度の上限を250℃とすることが望ましい。
【0028】
本発明で、付加ビードとしてマルテンサイト変態温度が400〜200℃の温度範囲にある溶接金属を形成する場合は、変態膨張後の熱収縮による引張応力を充分抑制すると共に、溶接金属の変態膨張時にそのまわりのHAZ部からの拘束力を利用することにより、溶接部の引張残留応力の低減効果が効率よく得られる。
【0029】
この方法では、マルテンサイト変態開始温度が比較的高いために、溶接材料に添加する高価な合金元素も少なくて済み、経済的であるばかりでなく、溶接金属のシャルピー衝撃特性など機械特性の確保が容易になるため、工業的価値が高い。しかし、マルテンサイト変態開始温度が比較的高いために、鋼板の降伏強度が400MPa未満の場合には、マルテンサイト変態温度が300〜150℃の温度範囲にある溶接金属を形成する場合でも、溶接部の引張残留応力の充分な低減効果が得られなくなるため、鋼板の降伏強度の下限値を400MPaとする。
【0030】
上記マルテンサイト変態温度が200℃の温度より低い場合には、溶接部の引張残留応力の低減効果は向上するが、靭性等の溶接継手の機械的特性が充分に向上することができなくなるため、その下限値を200℃とした。
【0031】
一方、上記マルテンサイト変態温度が400℃の温度を上回る場合には、鋼板の強度を向上させても溶接部の引張残留応力を効率的に低減することは困難となるために、その上限値を400℃とした。
【0032】
なお、上記マルテンサイト変態開始温度とは、溶接金属より直接フォーマスター用試験片を採取し、該試験片でフォーマスター試験を実施したときに得られるマルテンサイト変態開始温度で定義されるものである。
【0033】
次に、付加ビード溶接金属の成分を限定した理由について述べる。
【0034】
上述の通り、本発明では、鋼材の強度に応じて、400MPa以上の降伏強度を有する鋼材の場合には、付加ビードとして形成する溶接金属のマルテンサイト変態開始温度が300〜150℃となるようにし、また、490MPa以上の降伏強度を有する鋼材の場合には、付加ビードとして形成する溶接金属のマルテンサイト変態開始温度が400〜200℃となるようにする。
【0035】
以下に、便宜上、マルテンサイト変態開始温度:300〜150℃を実現するためのCr及びNiを主体とする溶接金属の成分系をCr系とし、マルテンサイト変態開始温度:400〜200℃を実現するためのNiを主体とする溶接金属の成分系をNi系と分けて、それぞれの成分系の成分限定理由を説明する。
【0036】
まず、Cr系溶接金属の成分限定理由について説明する。
【0037】
Cは、それを鉄に添加することによりMs温度を下げる働きをする。C含有量が0.001%より低い場合には、マルテンサイト組織が得られにくく、高価な合金元素の含有量を増加しなければ溶接金属の残留応力低減効果が得られず経済的ではないので、安価元素であるCを利用し、その経済メリットが出る含有量の下限として0.001%とした。一方、C含有量が0.1%より高い場合には、溶接金属に溶接割れの問題や靱性劣化を引き起こすため、その含有量の上限値を0.1%とした。
【0038】
Siは、脱酸元素として作用し、溶接金属の酸素レベルを下げる効果がある。特に溶接施工において、溶接中に空気が混入する危険性があるため、Si含有量を適切な値にコントロールすることは極めて重要である。溶接金属のSi含有量として0.1%に満たない場合、脱酸効果が薄れ溶接金属中の酸素レベルが高くなりすぎ、機械的特性、特に靱性の劣化を引き起こす危険性があるため、その含有量の下限値を0.1%とした。一方、過度のSi添加も靱性劣化を発生せしめるため、その含有量の上限値を0.7%とした。
【0039】
Mnは、強度を上げる元素として作用し、溶接金属の変態膨張時の降伏強度確保による圧縮弾性応力の向上という観点から有効利用すべき元素である。
【0040】
Mn含有量が0.4%より低くなると、溶接金属の変態膨張時の降伏強度確保が困難になるため、その効果が得られる最低限の値としてその含有量の下限値を0.4%とした。一方、過度の添加は、溶接金属の靱性劣化を引き起こすため、その含有量の上限値を2.5%とした。
【0041】
P及びSは、本発明では不可避不純物であり、溶接金属に多く存在すると、その靱性が劣化するため、P及びSの含有量のそれぞれの上限値を0.03%、0.02%とした。
【0042】
Niは、オーステナイト(面心構造)を持つ金属であり、溶接金属に含有させることにより、鉄のオーステナイト(面心構造)を安定化し、オーステナイト(面心構造)からフェライト(体心構造)に変態する温度を低温化させる作用を有する。また、Niはそれを添加することにより溶接金属の靱性を改善するという効果を併せ持つ。
【0043】
Cr系溶接金属におけるNi含有量の下限値は、溶接部の残留応力低減効果が現れる最低限の添加量及び靱性確保の観点から4%とした。
【0044】
一方、Ni含有量の上限値は、Cr系溶接金属においては、次に述べるCr添加によりある程度マルテンサイト変態温度(Ms温度)が低減されていること、及び溶接部の残留応力低減の観点からはこれ以上添加してもあまりその効果が変わらない上、これ以上添加するとNiが高価であるという経済的デメリットが生じてくるため12%した。
【0045】
Crは、Niと異なり、フェライトフォーマーであり、これを鉄に添加すると、高温度域ではフェライトであるものの、中温度域ではオーステナイトを形成し、さらに温度が低くなると再びフェライトを形成する。Crを溶接金属に含有させることにより、溶接金属の焼入性増加と共にマルテンサイト変態温度(Ms温度)そのものが低くなるため、溶接入熱量による熱履歴で、低い温度側でのフェライトの生成を抑制し、マルテンサイトの生成を促進する。この作用を利用して低温でマルテンサイト変態させることにより、溶接部の引張残留応力を充分に低減するために、Cr含有量の下限を7%とする。一方、その含有量の上限値は、これを上回る量を添加しても上記の効果が大きくならない上、Cr含有量の増加により経済的にもデメリットが大きくなるため、15%とした。
【0046】
Cuは、焼入性元素でもあるため、溶接金属に添加することによりマルテンサイト変態を促進させる作用があり、マルテンサイト変態膨張による溶接部の引張残留横領の低減効果を得るために、その含有量の下限を0.05%とする。一方、Cuの過度の添加は、コストを上げるため産業上も好ましくはないため、その含有量の上限値を0.4%とした。
【0047】
Nbは、溶接金属中でNb炭化物を形成し、少量で溶接金属の強度を上げる働きがあるため経済メリットは大きい。Nb含有量の下限値は、炭化物形成によるマルテンサイト変態温度(Ms温度)における降伏強度向上及びそれによる残溶接金属の引張残留応力低減効果が得られる最低含有量として0.005%とした。一方、過度の炭化物形成は、溶接金属の靱性劣化が発生するため、その含有量の上限値は、靱性劣化による溶接部の信頼性が損なわれない値として0.3%とした。
【0048】
VもNbと同様な働きをする元素である。しかし、Nbと異なり、同じ析出効果を期待するためには、Nbより添加量を多くする必要がある。V含有量の下限値は、添加することにより析出硬化が期待できる最低値として0.05%とした。V含有量の上限値は、これより多く添加すると析出硬化が顕著になりすぎ、靱性劣化を引き起こすために0.5%とした。
【0049】
Tiも、Nb、V同様、炭化物を形成し析出硬化を生じせしめる。しかし、Vの析出硬化がNbのそれと違っていたようにTiの析出硬化もまたNb、Vと異なる。そのため、Ti含有量の範囲もNb、Vと異なった範囲が設定される。Ti含有量の下限値は、その効果が期待できる最低量として0.005%とし、その含有量の上限値は、靱性劣化を考慮して0.3%とした。
【0050】
Moも、Nb、V、Ti同様析出硬化が期待できる元素である。しかし、Moは、Nb、V、Tiと同等な効果を得るためには、Nb、V、Ti以上に添加する必要がある。Mo含有量の下限値は、析出硬化による降伏強度増加が期待できる最低値として0.1%とした。また、Mo含有量の上限は、Nb、V、Ti同様、靱性劣化を考慮して2.0%とした。
【0051】
Nは、オーステナイトフォーマーとして作用する元素であり、溶接金属に含有させることによりマルテンサイトが得られやすくなるため、最低限の添加は必要である。N含有量の下限値は、C同様、低Ms温度が得られるための最低値として、0.001%とした。一方、過大な添加は窒化物を形成し、靱性劣化や延性劣化の問題が発生するためその含有量の上限値を0.05%とした。
【0052】
次に、Ni系溶接金属の成分限定理由について説明する。
【0053】
Cは、それを鉄に添加することによりMs温度を下げる働きをする。C含有量が0.01%より低い場合には、マルテンサイト組織が得られにくく、高価な合金元素の含有量を増加しなければ溶接金属の残留応力低減効果が得られず経済的ではないので、安価元素であるCを利用し、その経済メリットが出る含有量の下限として0.01%とした。一方、C含有量が0.2%より高い場合には、溶接金属に溶接割れの問題や靱性劣化を引き起こすため、その上限値を0.2%とした。
【0054】
Siは、脱酸元素として作用し、溶接金属の酸素レベルを下げる効果がある。特に溶接施工中においては、溶接中に空気が混入する危険性があるため、Si量を適切な値にコントロールすることは極めて重要である。溶接金属に添加するSi量として0.1%に満たない場合、脱酸効果が薄れ溶接金属中の酸素レベルが高くなりすぎ、機械的特性、特に靱性の劣化を引き起こす危険性があるため、その含有量の下限値を0.1%とした。一方、過度のSi添加も靱性劣化を発生せしめるため、その含有量の上限値を0.5%とした。
【0055】
Mnは、強度を上げる元素として作用し、溶接金属の変態膨張時の降伏強度確保による圧縮弾性応力の向上という観点から有効利用すべき元素である。
【0056】
Mn含有量が0.01%より低くなると、溶接金属の変態膨張時の降伏強度確保が困難になるため、その効果が得られる最低限の値としてその含有量の下限値を0.01%とした。一方、過度の添加は、溶接金属の靱性劣化を引き起こすためその含有量の上限値を2.0%とした。
【0057】
P及びSは、本発明では不可避不純物であり、溶接金属に多く存在すると、その靱性が劣化するため、P及びSの含有量のそれぞれの上限値を0.03%、0.02%とした。
【0058】
Niは、オーステナイト(面心構造)を持つ金属であり、溶接金属に含有させることにより、鉄のオーステナイト(面心構造)を安定化し、オーステナイト(面心構造)からフェライト(体心構造)に変態する温度を低温化させる作用を有する。
【0059】
Ni系溶接金属におけるNi含有量の下限値は、溶接部の残留応力低減効果が現れる最低限の添加量として6%とした。
【0060】
一方、Ni含有量の上限値は、溶接部の残留応力低減の観点からこれ以上添加してもあまりその効果が変わらない上、これ以上添加するとNiが高価であるという経済的デメリットが生じてくるため15%とした。
【0061】
Cuは、焼入性元素でもあるため、溶接金属に添加することによりマルテンサイト変態を促進させる作用があり、マルテンサイト変態膨張による溶接部の引張残留応力の低減効果を得るために、その含有量の下限を0.05%とする。一方、Cuの過度の添加は、コストを上げるため産業上も好ましくはないため、その含有量の上限値を0.4%とした。
【0062】
Nbは、溶接金属中でNb炭化物を形成し、少量で溶接金属の強度を上げる働きがあるため経済メリットは大きい。Nb含有量の下限値は、炭化物形成によるマルテンサイト変態温度(Ms温度)における降伏強度向上及びそれによる残溶接金属の引張残留応力低減効果が得られる最低含有量として0.01%とした。
【0063】
一方、過度の炭化物形成は、溶接金属の靱性劣化が発生するため、その含有量の上限値は、靱性劣化による溶接部の信頼性が損なわれない値として0.4%とした。
【0064】
VもNbと同様な働きをする元素である。しかし、Nbと異なり、同じ析出効果を期待するためには、Nbより添加量を多くする必要がある。V含有量の下限値は、添加することにより析出硬化が期待できる最低値として0.1%とした。V含有量の上限値は、これより多く添加すると析出硬化が顕著になりすぎ、靱性劣化を引き起こすために1.0%とした。
【0065】
Tiも、Nb、V同様、炭化物を形成し析出硬化を生じせしめる。しかし、Vの析出硬化がNbのそれと違っていたようにTiの析出硬化もまたNb、Vと異なる。そのため、Ti含有量の範囲もNb、Vと異なった範囲が設定される。Ti含有量の下限は、その効果が期待できる最低量として0.01%とし、その含有量の上限は靱性劣化を考慮して0.4%とした。
【0066】
Crは、Nb、V、Ti同様析出硬化元素である。また、Crはマルテンサイト変態温度(Ms温度)を低減する効果も合わせ持つので有効活用すべき元素である。しかし、本発明におけるNi系溶接金属は、主としてNi添加によりMs温度低減を達成しているため、Cr含有量はNiより少なくすべきである。過度のCr添加は必ずしも残留応力低減効果を向上させず、Crが高価であるため産業上好ましくはない。Cr含有量の下限値は、これを添加し、残留応力低減効果が得られる最低限の値として0.1%とした。Cr含有量の上限値は、Ni系溶接金属については、Ms温度がNi添加によりすでに低減されていること、他の析出元素により強度も確保されていることから、これ以上添加しても残留応力低減効果があまり変わらなくなる、靱性劣化が顕著になることにより3.0%とした。
【0067】
MoもCrと同様の効果を持つ元素である。しかし、Moは、Cr以上に析出硬化が期待できる元素である。そのため、その含有量の範囲はCrより狭く設定した。Mo含有量の下限値は、Mo添加の効果が期待できる最低限の値として0.1%とした。また、Mo含有量の上限値は、これ以上添加すると、硬化しすぎるため溶接金属の靱性劣化が顕著になるため、3.0%とした。
【0068】
Coは、Ti等と異なり、強い析出硬化を生じせしめる元素ではない。しかし、Coは、それを添加することにより強度増加をもたらし、かつ強度増加を期待しながら靱性を確保するという観点からは、Niより好ましい元素であることから有効利用すべき元素である。しかし、Niは、残留応力低減効果を期待できる程度の低いマルテンサイト変態温度(Ms温度)を確保するために溶接金属に添加しているため、Co含有量の下限値は、Co添加の効果が期待できる最低限の値として0.1%とした。一方、過度の添加は、強度増加が過大となり靱性劣化をもたらすためその含有量の上限を2.0%とした。
【0069】
以上、本発明の溶接金属の成分の限定理由について述べてきたが、溶接金属の成分をこれらの範囲に制御する方法として、付加ビード溶接に用いる溶接ワイヤ中の成分含有量を制御する方法や、付加ビード溶接に用いる溶接ワイヤ及びフラックス中の成分含有量を制御する方法、あるいは付加ビード溶接に用いる溶接心線及び被覆フラックス中の成分含有量を制御する方法などがあるが、本発明においては、これらの方法によらず、溶接金属の成分が前述の範囲内に設定されれば高疲労強度の溶接継手の製造が実現できる。
【0070】
さらに、前述の本発明の溶接金属の成分を付加ビード溶接に用いる溶接ワイヤ、溶接ワイヤとフラックスの組み合わせ、または溶接心線と被覆フラックスの組み合わせ等により制御する方法は、当該溶接分野の技術者ならば容易に成し得るものである。
【0071】
また、本発明において対象とする溶接変形の強制処理方法は、橋梁、船舶等の溶接鋼構造物の製造において、溶接構造物の工作精度や美観の向上のために多く用いられる、塑性変形域で外力あるいは熱の付加による矯正、例えば、ガスバーナー加熱やプレス加工などの方法が適用できる。付加荷重、加熱温度などの矯正条件は、鋼材の強度や溶接変形の程度により変わるために特に限定する必要はなく、溶接変形矯正の目的を達成できる条件で良い。
【0072】
【実施例】
次に、本発明における実施例について説明する。
【0073】
図1は、溶接継手の疲労強度を測定するために作製した角回し溶接継手であり、溶接部での応力集中が他の溶接継手形状よりも厳しい。この角回し溶接継手は、厚さ:15mm、幅:70mm、長さ:500mmで強度:490MPa、780MPa、400MPa級の3種の鋼板を用いて、これらに厚さ:12.5mm、幅:100mmの両面ガセットを上部長さ:60mmの位置で角回し溶接することにより作製した。この際の本ビード溶接には、3種の各鋼材に対応した従来の溶接材料を用い、本ビード1溶接後の溶接止端部の付加ビード2溶接には、表1に示す成分の溶接ワイヤを用い、溶接条件は、本ビード及び付加ビード共にワイヤ径:1.2mm、電流:220A、電圧:27V、溶接速度:20cm/minで行った。角回し溶接継手に用いた鋼板の種類と付加ビードに用いた溶接ワイヤの種類、本ビード溶接後の付加ビード溶接と溶接変形の矯正処理の手順、付加ビード溶接で形成された溶接金属のマルテンサイト変態温度(Ms温度)及び成分組成、溶接継手の疲労強度を表2及び表3に示す。なお、溶接変形の矯正処理としては、塑性変形域での荷重付加またはバーナー加熱を行った。この際、荷重付加による溶接変形の矯正処理では、鋼材降伏強度の7割の応力に相当する荷重を図1に示す荷重負荷方向Fに負荷した。ここで、荷重付加を鋼材強度の7割の応力に相当する荷重とした理由は、実構造物での溶接変形の矯正処理時の付加荷重の大きさは溶接施工条件によって異なるものの、変形矯正するためには塑性歪の導入し、部分的に鋼材の降伏強度以上の荷重を加わえる必要があり、その付加荷重として鋼材降伏強度の7割の荷重が妥当であるとした。また、バーナー加熱による矯正処理時の最高加熱温度は、同様に塑性歪を導入し、部分的に鋼材を降伏させるために必要な最高加熱温度として溶接表面で約600℃とした。また、マルテンサイト変態開始温度は、同じ溶接継手をいくつか作製した後、その付加ビード部分よりフォーマスター試験片を採取し、フォーマスター試験によ測定した。
溶接継手の疲労強度は、図1に矢印で示された方向に応力を、0MPaから所定応力までの間を正弦波形で与える疲労試験を実施して、500万回繰り返しても破断しなかった応力振幅の最大値を疲労限として、500万回疲労強度を決定した。
【0074】
表2及び表3において、溶接継手No.1〜7は、降伏強度:490MPaの同じ強度の鋼板を用いて両面ガセットを角回し溶接したものであり、溶接継手No.1〜5は、溶接止端部の付加ビード溶接の際には、同じ成分組成の溶接ワイヤWAを用いて付加ビードとして充分に低いMs変態温度(216℃)の溶接金属を形成し、また、溶接継手No.6は、WBを用いて負荷ビードとしてMs変態温度(345℃)の溶接金属を形成し、溶接継手No.7は、WDを用いて付加ビードとしてMs変態温度(465℃)の溶接金属を形成した。
【0075】
このうち、溶接継手No.5は、溶接止端部に付加ビードとして低温変態の溶接金属を形成した後、矯正処理としての荷重負荷やバーナー加熱を実施しない本発明の対象外の比較例であり、当然ながら、溶接継手の500万回疲労限は175MPaと高い。
【0076】
これに対して、溶接継手No.1及び4の比較例は、溶接継手No.5と同じ成分組成の溶接ワイヤWAを用いて同様に溶接止端部に付加ビードとして充分に低いMs変態温度(216℃)の溶接金属を形成しているが、その後、さらに、矯正処理として溶接継手No.1では荷重負荷を、溶接継手No.4ではバーナー加熱をそれぞれ実施しているために、溶接継手の500万回疲労限はそれぞれ100MPa、90MPaとなり、溶接継手No.5に比べて非常に低下している。また、溶接継手No.7の比較例は、矯正処理として荷重負荷を実施した後、WDを用いて溶接止端部に付加ビードを形成しているが、その溶接金属のMs変態温度が465℃と、本発明の降伏強度:490Mpaの鋼板に対するMs変態温度範囲から高く外れているため、溶接継手の500万回疲労限はそれぞれ100MPaとなり、溶接継手No.5に比べて非常に低下している。
【0077】
一方、溶接継手No.2、3および6の発明例は、本ビード溶接後に、矯正処理として溶接継手No.2および6では荷重負荷を、溶接継手No.3ではバーナー加熱をそれぞれ実施しているが、その後、さらに、溶接止端部に付加ビードとして本発明の降伏強度:490MPaの鋼板に対するMs変態温度の範囲内(No.2、3では216℃、No.6では、346℃)の溶接金属を形成しているため、溶接継手の500万回疲労限はそれぞれ175MPa、180MPa、170MPaとなり、何れも溶接継手No.5の矯正処理を実施しない例と同等以上の高い疲労強度が得られている。
【0078】
溶接継手No.8〜10は、降伏強度:780MPaの同じ強度の鋼板を用いて両面ガセットを角回し溶接したものであり、溶接止端部の付加ビード溶接の際に、溶接継手No.8及び9は、同じ成分組成の溶接ワイヤWCを用いて付加ビードとして充分に低いMs変態温度(240℃)の溶接金属を形成し、溶接継手No.10は溶接ワイヤWDを用いて付加ビードとしてMs変態温度が高い(450℃)の溶接金属を形成した。
【0079】
溶接継手No.8及び9は、同じ溶接ワイヤWCを用いて溶接止端部に付加ビードとして充分に低いMs変態温度(240℃)の溶接金属を形成しているが、溶接継手No.8の比較例は、この付加ビード溶接後に、矯正処理として溶接継手に荷重負荷を加えたために、溶接継手の500万回疲労限は90MPaと低下したのに対して、溶接継手No.9の発明例は、矯正処理後に付加ビード溶接をしたために溶接継手の500万回疲労限は190MPaと充分な疲労強度が得られた。
【0080】
また、溶接継手No.10の比較例は、溶接継手No.9の発明例と同様に、矯正処理後に付加ビード溶接をしたが、付加ビード溶接に用いた溶接ワイヤWDが適切でなかったために、付加ビードとして形成された溶接金属の成分組成が本願発明範囲から外れ、そのMs変態温度も450℃と本願発明範囲より高くなったため、溶接継手の500万回疲労限は100MPaと所要疲労強度を維持できなかった。
【0081】
溶接継手No.11及び12は、降伏強度:400MPaの同じ強度の鋼板を用いて両面ガセットを角回し溶接したものであり、溶接継手No.11は、溶接止端部の付加ビード溶接の際に、溶接ワイヤWAを用いて付加ビードとして充分に低いMs変態温度(220℃)の溶接金属(Cr系溶接金属の成分系に相当する)を形成し、溶接継手No.12は、溶接止端部の付加ビード溶接の際に、溶接ワイヤWBを用いたため付加ビードとしてMs変態温度が高い(320℃)の溶接金属(Ni系溶接金属の成分系に相当する)を形成した。
【0082】
溶接継手No.11及び12は、何れも矯正処理後に溶接止端部の付加ビード溶接を行っているが、溶接継手No.12の比較例は、降伏強度:400MPaの鋼材の付加ビード溶接としては、不適当な溶接ワイヤWBを用いNi系溶接金属に相当する成分組成で、320℃と比較的高いMs変態温度の溶接金属を形成したために、溶接継手の500万回疲労限は100MPaと所要疲労強度を維持できなかった。これに対して、溶接継手No.11の発明例は、強度:400MPaの鋼材の付加ビード溶接としては、適当な溶接ワイヤWAを用いCr系溶接金属に相当する成分組成で、220℃と充分に低いMs変態温度の溶接金属を形成したために、溶接継手の500万回疲労限は140MPaと高い疲労強度を維持できた。
【0083】
以上のように、本発明に従えば、溶接後に溶接変形の矯正処理が不可欠な溶接構造物の疲労特性を確実に向上することができ、溶接構造物の信頼性はますます確実なものとできる。
【0084】
【表1】
Figure 0004926353
【0085】
【表2】
Figure 0004926353
【0086】
【表3】
Figure 0004926353
【0087】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、溶接後に溶接変形の矯正処理が不可欠な溶接構造物の疲労特性を向上することが可能となるため、本発明の適用により工業的価値は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接継手の疲労強度を測定するために作製した角回し溶接継手を示す図である。
【符号の説明】
1 本ビード
2 付加ビード
F 荷重負荷方向

Claims (8)

  1. 400MPa以上の降伏強度を有する鋼材を溶接施工後に溶接変形の矯正処理を行う溶接継手の製造方法において、前記溶接変形の矯正処理後、さらに、溶接止端部に付加ビードとしてマルテンサイト変態開始温度が300〜150℃である溶接金属を形成させることを特徴とする溶接継手の製造方法。
  2. 質量%で、C:0.001〜0.1%、Si:0.1〜0.7%、Mn:0.4〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Ni:4〜12%、Cr:7〜15%、N:0.001〜0.05%を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶接金属を形成させることを特徴とする請求項1に記載の溶接継手の製造方法。
  3. さらに、質量%で、Cu:0.05〜0.4%、Mo:0.1〜2.0%、Ti:0.005〜0.3%、Nb:0.005〜0.3%、V:0.05〜0.5%の1種または2種以上を含有する溶接金属を形成させることを特徴とする請求項2に記載の溶接継手の製造方法。
  4. 490MPa以上の降伏強度を有する鋼材を溶接施工後に溶接変形の矯正処理を行う溶接継手の製造方法において、前記溶接変形の矯正処理後、さらに、溶接止端部に付加ビードとしてマルテンサイト変態開始温度が400〜200℃である溶接金属を形成させることを特徴とする溶接継手の製造方法。
  5. 質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.01〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Ni:6〜15%を含有し、残部が鉄及び不可避不純物からなる溶接金属を形成させることを特徴とする請求項4に記載の溶接継手の製造方法。
  6. さらに、質量%で、Ti:0.01〜0.4%、Nb:0.01〜0.4%、V:0.1〜1.0%の1種または2種以上を含有する溶接金属を形成させることを特徴とする請求項5に記載の溶接継手の製造方法。
  7. さらに、質量%で、Cu:0.05〜0.4%、Cr:0.1〜3.0%、Mo:0.1〜3.0%、Co:0.1〜2.0%の1種または2種以上を含有する溶接金属を形成させることを特徴とする請求項5または6の何れかに記載の溶接継手の製造方法。
  8. 前記溶接変形の矯正処理はガスバーナー加熱またはプレス加工の何れか1種または2種の方法を用いて行うことを特徴とする請求項1〜7のうちの何れか1項に記載の溶接継手の製造方法。
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