JP4924919B2 - 画像形成装置、定着装置、及び定着ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、主としてこれらに用いられる定着装置、及び定着ユニットに関する。
この種の画像形成装置、定着装置、及び定着ユニットに用いられる技術であって、現像剤像が形成されたシートを例えば加熱ロール等の加熱手段に押圧する押圧部材と、押圧部材が着座する台座とを有する技術が知られている(特許文献1)。
特開2002−372887
しかしながら、従来の技術では、例えば使用に伴う劣化等を理由として、使用開始時と使用を開始してから一定枚数のシートへの定着を行った後で、シートを加熱手段に押圧する圧力に変化が生じることがあった。そして、シートを加熱手段に押圧する圧力に変化が生じると、現像剤像のシートへの定着が良好になされなかったり、シートにシワが生じたり、また、定着が良好にされなかったりシートにシワが生じることを原因としてシートへの定着が良好になされず、形成される画像が品質が低下したりすることがあるとの問題点があった。
本発明の目的は、シートへの現像剤像の定着がより良好になされ、シートのシワが生じにくく、より良好な画質の画像形成を可能とする画像形成装置、定着装置、及び定着ユニットを提供することにある。
請求項1に係る本発明は、シートに現像剤像を形成する現像剤像形成部と、この現像剤像形成部で形成された現像剤像をシートに定着する定着装置と、を有し、前記定着装置は、加熱手段と、この加熱手段にシートを押圧する押圧部材と、この押圧部材に対して前記加熱手段と逆側に配置され、前記押圧部材が着座する台座とを有する押圧ユニットと、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方の方向に付勢する付勢手段と、を有し、前記付勢手段は、前記押圧部材の長手方向における一端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第1の付勢部材と、前記押圧部材の長手方向における他端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第2の付勢部材と、を有し、前記押圧部材は、前記加熱手段に沿った方向の形状が中央部側が高く両端部側が低くなるように設定されていて、前記加熱手段にシートを押圧する際に弾性変形し、前記台座は前記押圧部材の変形にならって塑性変形することを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に係る本発明は、前記台座は、前記押圧部材の変形にならって中央部が凹むように塑性変形することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に係る本発明は、前記第1の付勢部材及び前記第2の付勢部材は、前記押圧部材の長手方向において前記押圧部材よりも外側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置である。
請求項4に係る本発明は、前記台座の前記押圧部材が着座する側と逆側に装着され、前記台座を支持する支持部材をさらに有し、この支持部材は剛体からなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置である。
請求項5に係る本発明は、前記加熱部材と前記押圧部材との間に設けられたベルト部材を有し、このベルト部材と前記加熱部材とで形成されるニップ部でシートを搬送することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置である。
請求項6に係る本発明は、前記ベルト部材は無端状に形成され、このベルト部材の内部に前記押圧部材及び前記台座が配設されていることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置である。
請求項7に係る本発明は、前記押圧部材は液晶ポリマーからなることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の画像形成装置である。
請求項8に係る本発明は、前記台座は樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の画像形成装置である。
請求項9に係る本発明は、加熱手段と、この加熱手段にシートを押圧する押圧部材と、この押圧部材に対して前記加熱手段と逆側に配置され、前記押圧部材が着座する台座とを有する押圧ユニットと、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方の方向に付勢する付勢手段と、を有し、前記付勢手段は、前記押圧部材の長手方向における一端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第1の付勢部材と、前記押圧部材の長手方向における他端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第2の付勢部材と、を有し、前記押圧部材は、前記加熱手段に沿った方向の形状が中央部側が高く両端部側が低くなるように設定されていて、前記加熱手段にシートを押圧する際に弾性変形し、前記台座は前記押圧部材の変形にならって塑性変形することを特徴とする定着装置である。
請求項10に係る本発明は、前記台座は前記押圧部材の変形にならって中央部が凹むように塑性変形することを特徴とする請求項8記載の定着装置である。
請求項11に係る本発明は、シートに現像剤を形成する現像剤像形成部を有する画像形成装置に着脱可能に構成され、前記現像剤像形成部で形成された現像剤像をシートに定着することを特徴とする請求項9又は10記載の定着装置である
請求項12に係る本発明は、画像形成装置に着脱されるユニット本体と、このユニット本体内に配設された加熱手段と、この加熱手段にシートを押圧する押圧部材と、この押圧部材に対して前記加熱手段と逆側に配置され、前記押圧部材が着座する台座とを有する押圧ユニットと、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方の方向に付勢する付勢手段と、を有し、前記付勢手段は、前記押圧部材の長手方向における一端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第1の付勢部材と、
前記押圧部材の長手方向における他端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第2の付勢部材と、を有し、前記押圧部材は、前記加熱手段に沿った方向の形状が中央部側が高く両端部側が低くなるように設定されていて、前記加熱手段にシートを押圧する際に弾性変形し、前記台座は前記押圧部材の変形にならって塑性変形することを特徴とする定着ユニットである。


本発明によれば、シートへの現像剤像の定着がより良好になされ、シートのシワが生じにくく、より良好な画質の画像形成を可能とする画像形成装置、定着装置、及び定着ユニットが提供される。
次に本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12の上部に画像形成がなされたシートが排出される排出部13が設けられている。また、画像形成装置本体12内にシートに現像剤像を形成する現像剤像形成部14と、現像剤像形成部14で形成された現像剤像をシートに定着する定着装置70と、現像剤像形成部14に、例えば普通紙やOHP等のシートを供給するシート供給装置80とが配設されている。
現像剤像形成部14は、カラー現像剤像を形成する電子写真方式のもので、画像形成装置本体12に着脱自在に装着される4個のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20Bと、プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20Bがそれぞれ有する例えば感光体ドラムからなる像担持体24Y、24M、24C、24Bに光により静電潜像を書き込む光書き込み装置60と、像担持体24Y、24M、24C、24Bに形成された現像剤像をシートに転写する転写装置62とを有する。
プロセスカートリッジ20Yはイエロー現像剤像の形成用であり、像担持体24Y表面にイエロー現像剤像を形成する。プロセスカートリッジ20Mはマゼンダ現像剤像の形成用であり、像担持体24Mの表面にマゼンダ現像剤像を形成する。プロセスカートリッジ20Cはシアン現像剤像の形成用であり、像担持体24Cにシアン現像剤像を形成する。そして、プロセスカートリッジ20Bはブラック現像剤像の形成用であり、像担持体24Bの表面にブラック現像剤像を形成する。これらのプロセスカートリッジは、画像形成装置本体12内において、上からプロセスカートリッジ20Y、プロセスカートリッジ20M、プロセスカートリッジ20C、プロセスカートリッジ20Bの順に縦方向に配列されている。
光書き込み装置60は、レーザ露光装置からなり、プロセスカートリッジ20Yに設けられた像担持体24Yにイエロー画像に対応するレーザ光を、プロセスカートリッジ20Mに設けられた像担持体24Mにマゼンダ画像に対応するレーザ光を、プロセスカートリッジ20Cに設けられた像担持体24Cにシアン画像に対応するレーザ光を、プロセスカートリッジ20Bに設けられた像担持体24Bにブラック画像に対応するレーザ光を発し、各像担持体24に静電潜像を書き込む。
転写装置62は、各プロセスカートリッジ20の像担持体24に形成された現像剤像が転写される2つの1次中間転写体64、65と、1次中間転写体64、65に転写された現像剤像がさらに転写される2次中間転写体66と、2次中間転写体に転写された現像剤像をさらにシートへと転写する3次転写ロール68とを有する。
1次中間転写体64はドラム形状を有し、先述のシアン用のプロセスカートリッジ20Cに設けられた像担持体24Cと、ブラック用のプロセスカートリッジ20Bに設けられた像担持体24Bとに当接しており、像担持体24Bに形成されたブラック現像剤像と像担持体24Cに形成されたシアン現像剤像とが転写されて、シアン現像剤像とブラック現像剤像とが1次中間転写体64の表面で重ねあわされる。
1次中間転写体65はドラム形状を有し、1次中間転写体64の上方に配設されている。この1次中間転写体65は、先述のイエロー用のプロセスカートリッジ20Yに設けられた像担持体24Yと、マゼンダ用のプロセスカートリッジ20Mに設けられた像担持体24Mとに当接しており、像担持体24Yに形成されたイエロー現像剤像と像担持体24Mに形成されたマゼンダ現像剤像とが転写されて、イエロー現像剤像とマゼンダ現像剤像とが1次中間転写体65の表面で重ねあわされる。
2次中間転写体66は、ドラム形状を有し、1次中間転写体64と1次中間転写体65とに当接しており、1次中間転写体64表面のシアン現像剤像とブラック現像剤像とが転写され、また、1次中間転写体65表面のイエロー現像剤像とマゼンダ現像剤像とが転写される。このようにして、2次中間転写体66の表面にイエロー、マゼンダ、ブラック、シアンの4色の現像剤像が重ねられる。
3次転写ロール68は、2次中間転写体66に当接しており、2次中間転写体66との間に3次転写ニップNを形成し、この3次転写ニップNを通過するシートにイエロー、マゼンダ、ブラック、シアンの4色の現像剤像が重ねられたカラー現像剤像をシートへと転写する。
シート供給装置80は、シートが積層された状態で保持されるシート供給カセット82と、シート供給カセット82からシートをピックアップするとともにシート搬送路88に向けて搬送する搬送ロール84とを有する。このシート搬送路88は、シート供給カセット82から排出ロール90までシートが搬送される経路であり、シート搬送方向上流側から順に、先述の搬送ロール84、レジストロール86、先述の3次転写ロール68と2次中間転写体66とで形成される3次転写ニップN、先述の定着装置70、及び、排出ロール90が配置される。
図2にはプロセスカートリッジが示されている。プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20Bは用いる現像剤の色が異なるものの構成は同じであるので、以下、プロセスカートリッジ20と総称して説明する。
プロセスカートリッジ20は、プロセスカートリッジ本体22を有し、このプロセスカートリッジ本体22内に、先述の像担持体24と、この像担持体24を一様に帯電する帯電ロールを備えた帯電装置26と、この帯電装置26により帯電され後述する光書き込み装置60により像担持体24に書き込まれた潜像を現像剤で現像する現像装置28と、転写装置による現像剤像の転写がなされた後に像担持体24に残留する現像剤をクリーニングブレード58によりクリーニングする像担持体クリーニング装置56とが配設されている。
プロセスカートリッジ本体22には、水平方向における一端部から他端部近傍まで至るレーザ光路22aが形成されていて、光書き込み装置60からのレーザ光がレーザ光路22aを通過して像担持体24へと到達する。
現像装置28は、像担持体24に形成された潜像を現像剤で現像する現像ロール30が配置された現像室36と、この現像室36に現像剤を供給する第1の現像剤供給室38と、この第1の現像剤供給室に現像剤を供給する第2の現像剤供給室46とからなる。現像室36と第1の現像剤供給室38とはプロセスカートリッジ本体22に設けられた現像剤通路37で連通され、第1の現像剤供給室38と第2の現像剤供給室46とは現像剤搬送路54で連通されている。
現像室36は像担持体24の下方に位置しており、先述の現像ロール30とあわせて、2個のオーガ32、32が設けられ、このオーガ32、32が現像室36内の現像剤を現像ロール30へと搬送し、オーガ32、32により搬送された現像剤を現像ロール30が像担持体24へと供給する。
第1の現像剤供給室38は現像室36の側方に位置しており、この第1の現像剤供給室38内に貯蔵された現像剤が、現像室36との間の位置に設けられた現像剤搬送ロール34により先述の現像剤通路37を介して現像室36へと供給される。また、第1の現像剤供給室38には、2つのスクレーパ40、40が設けられていて、スクレーパ40、40が第1の現像剤供給室38内の現像剤を撹拌するとともに、現像剤搬送ロール34の方向へ現像剤を搬送する。
第2の現像剤供給室46は、第1の現像剤供給室38の上方に位置しており、第2の現像剤供給室46内に貯蔵された現像剤が先述の現像剤搬送路54を通過して第1の現像剤供給室46へ供給される。
図3乃至10には定着装置70が示されている。図3に示されように定着装置70は、画像形成装置本体12に着脱可能な定着ユニットとして構成され、ユニット本体として用いられる定着ユニット本体71を有する。定着ユニット本体71内には、内部に加熱源701を有し、加熱手段として用いられる加熱ロール702と、ベルト部材として用いられる無端ベルト状の定着ベルト703と、定着ベルト703が回転自在となるように定着ベルト703の両端を支持するベルトガイド部材704と、定着ベルト703の内部に配設され、当該定着ベルト703を加熱ロール702の表面に押圧する押圧ユニット705と、定着ベルト703 の内面にオイルを供給するオイル供給部材として用いられるフエルト部材706 と、シートを定着ユニット本体71から排出する出口部に設けられた出口ロール750が配設されている。
上記加熱ロール702 は、鉄やステンレス等からなる薄肉円筒状の芯金と、当該芯金の表面に被覆されたシリコンゴム等からなる例えば0.65mm程度の薄肉に構成された弾性層と、弾性層の表面の被覆されたPFA等からなる肉厚30μm程度の離型層とから構成されている。加熱源701としては、例えば、600Wのハロゲンランプが用いられる。
定着ベルト703 は、加熱ロール702とニップヘッド部材709との間に設けられ、定着ベルト703と加熱ロール702との間でニップ部を形成し、このニップ部でシートを搬送する。また、定着ベルト703は例えばポリイミド等の合成樹脂によって例えば外径が30mm、肉厚が75μmの無端ベルト状に形成されており、必要に応じて、表面にPFA等からなる離型層が設けられる。また、定着ベルト703は、先述のように無端状に形成されていて、定着ベルト703の内部に後述するニップヘッド部材709、ベルトハウジング707、及びベルトフレーム708が配設されている。
図4及び図5に示されるように、ベルトガイド部材704 は、ベルトフレーム708 の両端部に互いに平行に突設された嵌合部708aに嵌合された状態で、ベルトハウジング707 の両端部に装着されるようになっている。
押圧ユニット705 は、加熱ロール702にシートを押圧する押圧部材として用いられるニップヘッド部材709を有している。ニップヘッド部材709には、パット部材710が装着されていて、パット部材710と定着ベルト703(図3参照)とを介して、ニップヘッド部材709はシートを加熱ロール702に押圧する。また、ニップヘッド部材709は、台座として用いられるベルトハウジング707に着座している。ベルトハウジング707は、ニップヘッド部材709に対して加熱ロール702と逆側に配置されている。ベルトハウジング707のニップヘッド部材709が着座する側と逆側にはベルトフレーム708が装着されている。ベルトフレーム708は、ベルトハウジング707を支持する支持部材として用いられ、剛体からなり、例えば金属から構成されていて、断面が略コ字形状をしている。
ニップヘッド部材709 は、例えば、熱伝導率が10(W・m−1・K−1)以下の耐熱性を有する合成樹脂で形成されている。ニップヘッド部材709は、例えば、LCP(液晶ポリマー)等の弾性を有する合成樹脂によって形成される。
図5中、719 は定着ベルト703と押圧ユニット705 との間に介在される合成樹脂製のフィルム状のシート部材を示している。シート部材719は定着ベルト703と押圧ユニット705との間の摩擦を低減するものであるが、必ずしも設けなくとも良い。
図6乃至図8に示されるように、押圧ユニット705 のニップヘッド部材709は、細長い略直方体状に形成されているとともに、その上面には、パッド部材710を嵌合するための凹所720が長手方向に沿って設けられている。また、上記ニップヘッド部材709は、その幅方向の一端部に、加熱ロール702に圧接され所定の幅の圧接部721が直線状に形成されており、この圧接部721はニップヘッド部材709の表面から所定量だけ突出するようになっている。さらに、上記ニップヘッド部材709の圧接部721 は、そのニップ部の出口側の部分722がR形状に湾曲させて形成されている。
ニップヘッド部材709の圧接部721は、その上面が加熱ロール702の軸方向に沿って平坦に形成されているのではなく、圧接部721の上面が、中央部が高く、両端部が低くなるように、上向きに凸形状となるよう湾曲した形状になるように構成されている。
図7及び図8に示されるように、パッド部材710は、ニップヘッド部材709の凹所720に嵌合された状態で配設されており、ニップヘッド部材709は、パッド部材710の台座部を兼ねるように構成されている。このパッド部材710は、図7に示されるように、薄い金属板723上に接着された細長い直方体状に形成された弾性体724から構成されている。パッド部材710の弾性体724は、例えば硬度が10〜30度(アスカーC硬度)のゴム材料で形成されており、例えば、シリコンゴム等からなるものが用いられる。また、上記パッド部材710の金属板723 の両端部には、ニップヘッド部材709の凹所720の両端部に形成された溝725に嵌合される凸片726が設けられている。
図7中、パッド部材710の金属板723は、ニップヘッド部材709の凹所720から中央部が浮き上がった状態に図示されているが、ニップヘッド部材709及びパッド部材710を加熱ロール702に圧接させた状態では、当該金属板723はニップヘッド部材709の凹所720の底面に密着した状態となる。
図9及び図10に示されるように押圧ユニット705は、ベルトガイド部材704を介して、付勢部材として用いられる2つのアーム部材717、717に接触しており、アーム部材717、717は、コイルスプリング718、718の弾性力によって、押圧ユニット705を加熱ロール702の方向に付勢し、押圧ユニット705を加熱ロール702に所定の圧力で押圧するように構成されている。このように、アーム部材717、717、及びコイルスプリング718、718は、ニップヘッド部材709を加熱ロール702の方向に付勢する付勢手段として用いられている。この実施形態においては、ニップヘッド部材709を加熱ロール702の方向に付勢するように構成されているが、加熱ロール702をニップヘッド部材709の方向に付勢するように付勢手段を構成しても良い。
アーム部材717、717の一方はニップヘッド部材709の一方の端部側に設けられ、アーム部材717、717の他方は、ニップヘッド部材709の他方の端部側に設けられている。また、アーム部材717、717は、ニップヘッド部材709の長手方向においてニップヘッド部材709よりも外側に設けられている。
以上のように構成された定着装置70では、定着ベルト703の内部に配設された押圧ユニット705によって、定着ベルト703 を加熱ロール702の表面に圧接させ、加熱ロール702と定着ベルト703の間に形成されるニップ部に、現像剤が形成されたシートを通過させることにより、加熱ロール702によって未定着トナー像を加熱溶融させるとともに、加熱ロール702 と定着ベルト703との圧接力によって、加熱溶融された現像剤像をシートに定着させる。
図11(a)には、定着装置70の使用を開始した時点における加熱ロール702の軸に沿った方向の、加熱ロール702と定着ベルト703とで形成されるニップ部の圧力分布が模式的に示されている。先述のように、定着装置70では、コイルスプリング718、718を用いてニップヘッド部材709を加熱ロール702に押圧している。このため、軸方向両端部側で支持されている加熱ロール702は、圧力を受けて中央部がニップヘッド部材709と逆側に撓んだ状態となる。よって、この撓みを原因として、圧力分布は加熱ロール702の軸方向において両端部の圧力が比較的に高く、中央部の圧力が比較的に低くなっている。このように両端部が比較的に高い圧力分布は、シートに現像剤像を良好に定着し、シートを良好に搬送するために望ましい。しかしながら、中央部の圧力が両端部と比較して低くなりすぎると、シートが加熱ロール702から剥離しにくくなることがある。そこで、この実施形態では、先述のようにニップヘッド部材709を中央部が高く、両端部が低くなるように凸形状に構成することで、中央部の圧力分布が低くなりすぎないようにしている。
図11(b)には、従来の定着装置で一定枚数のシートへの定着を行った後おける加熱ロール702の軸に沿った方向の加熱ロール702と定着ベルト703とで形成されるニップ部の圧力分布が模式的に示されている。図11(a)の圧力分布と比較すると、圧力が全体として低下していて、且つ両端部の圧力の低下が中央部圧力の低下よりも大きい。その結果として、中央部の圧力が両端部の圧力よりも若干大きくなっている。このように従来の定着装置では、使用に伴って加熱ロールの軸方向に圧力分布が変化し、中央部の圧力が他の部分との比較で高くなりすぎることがあり、この場合、シートの中央部にシワが生じやすくなる等、定着が良好になされないことがあるとの問題が生じることがあった。そこで、この実施形態では、ニップヘッド部材709を加熱ロール702に押圧する構成を工夫することにより、加熱ロール702の軸方向に沿ったニップ圧分布の変化を生じにくくして、定着不良を発生しにくくしている。
従来の定着装置でニップ部の圧力が全体として低下している理由は、コイルスプリング718、718の劣化にある。すなわち、一定枚数のシートへの定着を行う間にバネ定数の低下が生じることで、コイルスプリング718、718がニップヘッド部材709を加熱ロール702に押圧する押圧力が弱まり圧力低下が生じている。中央部の圧力の低下が両端部の圧力低下よりも小さい理由は、ニップヘッド部材709を中央部が高く両端部が低くなるように凸形状に構成しているためである。例えば、シートへの現像剤像の定着を高速で行いたい等の理由で、ニップヘッド部材709を加熱ロール702へ強く押圧するようにした場合、加熱ロール702はより撓みやすくなる。そして、加熱ロールがより撓みやすくなることから、ニップヘッド部材709にはより大きな凸形状が形成されることになる。この場合、一定枚数のシートへの定着を行った後におけるニップ圧の分布の変化が、より発生しやすくなる。
実施形態に係る定着装置70においては、ベルトハウジング707を、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)等の塑性変形が可能な樹脂により構成している。そして、先述のようにニップヘッド部材709をLCP(液晶ポリマー)等の弾性を有する合成樹脂によって構成している。このため、ニップヘッド部材709が加熱ロール702に押圧されると、ニップヘッド部材709は弾性変形しつつ、ベルトハウジングに押圧される。そして、ニップヘッド部材709が押圧されることで、ベルトハウジング707はニップヘッド部材709の弾性変形にならって塑性変形する。先述のようにニップヘッド部材709は中央部が高くなった凸部を有している。よって、この凸部が加熱ロール702に押圧されることで、ニップヘッド部材709は中央部が加熱ロール702と逆側に押し出されるように弾性変形する。このため、ベルトハウジング707は、ニップヘッド部材709に押圧されて、中央部が凹むようにニップヘッド部材709にならって塑性変形する。このため、使用に伴ってコイルスプリング718、718が劣化しても、両端部の圧力が中央部と比較して大きく低下することがなくなり圧力分布の変化が生じにくくなる。
図11(c)には、実施形態に係る定着装置70で一定枚数のシートへの定着を行った後おける加熱ロール702の軸に沿った方向の加熱ロール702と定着ベルト703とで形成されるニップ部の圧力分布が模式的に示されている。図11(b)に示す従来の定着装置と同様に圧力の低下が生じているものの、中央部と比較して両端部の圧力が高いとの圧力分布が保たれている。このため、シートのシワが従来技術と比較して生じにくくなるとともに、より良好な定着がなされる。
定着装置70では、先述のようにベルトフレーム708が剛体である金属から構成される。このため、ベルトフレーム708に支持されるベルトハウジング707の塑性変形が大きくなりすぎ、ニップ部における圧力分布形状が崩れることが防止されている。
以上述べたように、本発明は現像剤像をシートに定着する定着装置、及びこの種の定着装置を備えた画像形成装置に適用することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。 本発明の実施形態に用いられるプロセスカートリッジを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置を示す断面図である。 本発明の実施形態に用いられる押圧ユニットを示す外観斜視図である。 本発明の実施形態に用いられる押圧ユニットを示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に用いられる押圧部材を示す構成図である。 本発明の実施形態に用いられる押圧部材を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に用いられる押圧部材を示す外観斜視図である。 本発明の実施形態に用いられる押圧部材を加熱手段に押圧する構成を示す説明図である。 本発明の実施形態に用いられる押圧部材を加熱手段に押圧する構成を模式的に示す模式図である。 図11(a)は本発明の実施形態に係る定着装置の使用を開始した時点における定着ニップ部の圧力分布を示すグラフであり、図11(b)は従来の定着装置の使用を開始した後、一定枚数のシートへの定着を行った時点における定着ニップ部の圧力分布を示すグラフであり、図11(c)は本発明の実施形態に係る定着装置の使用を開始した後、一定枚数のシートへの定着を行った時点における定着ニップ部の圧力分布を示すグラフである。
符号の説明
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
14 現像剤像形成部
24Y、24M、24C、24B 像担持体
70 定着装置
71 定着ユニット本体
701 加熱源
702 加熱ロール
703 定着ベルト
704 ベルトガイド部材
705 押圧ユニット
707 ベルトハウジング
708 ベルトフレーム
709 ニップヘッド部材
717、717 アーム部材
718、718 コイルスプリング
724 弾性体

Claims (12)

  1. シートに現像剤像を形成する現像剤像形成部と、
    この現像剤像形成部で形成された現像剤像をシートに定着する定着装置と、
    を有し、
    前記定着装置は、
    加熱手段と、
    この加熱手段にシートを押圧する押圧部材と、この押圧部材に対して前記加熱手段と逆側に配置され、前記押圧部材が着座する台座とを有する押圧ユニットと、
    前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方の方向に付勢する付勢手段と、
    を有し、
    前記付勢手段は、
    前記押圧部材の長手方向における一端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第1の付勢部材と、
    前記押圧部材の長手方向における他端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第2の付勢部材と、
    を有し、
    前記押圧部材は、前記加熱手段に沿った方向の形状が中央部側が高く両端部側が低くなるように設定されていて、前記加熱手段にシートを押圧する際に弾性変形し、
    前記台座は前記押圧部材の変形にならって塑性変形することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記台座は、前記押圧部材の変形にならって中央部が凹むように塑性変形することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記第1の付勢部材及び前記第2の付勢部材は、前記押圧部材の長手方向において前記押圧部材よりも外側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記台座の前記押圧部材が着座する側と逆側に装着され、前記台座を支持する支持部材をさらに有し、
    この支持部材は剛体からなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。
  5. 前記加熱部材と前記押圧部材との間に設けられたベルト部材を有し、
    このベルト部材と前記加熱部材とで形成されるニップ部でシートを搬送することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置。
  6. 前記ベルト部材は無端状に形成され、このベルト部材の内部に前記押圧部材及び前記台座が配設されていることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  7. 前記押圧部材は液晶ポリマーからなることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の画像形成装置。
  8. 前記台座は樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の画像形成装置。
  9. 加熱手段と、
    この加熱手段にシートを押圧する押圧部材と、この押圧部材に対して前記加熱手段と逆側に配置され、前記押圧部材が着座する台座とを有する押圧ユニットと、
    前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方の方向に付勢する付勢手段と、
    を有し、
    前記付勢手段は、
    前記押圧部材の長手方向における一端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第1の付勢部材と、
    前記押圧部材の長手方向における他端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第2の付勢部材と、
    を有し、
    前記押圧部材は、前記加熱手段に沿った方向の形状が中央部側が高く両端部側が低くなるように設定されていて、前記加熱手段にシートを押圧する際に弾性変形し、
    前記台座は前記押圧部材の変形にならって塑性変形することを特徴とする定着装置。
  10. 前記台座は前記押圧部材の変形にならって中央部が凹むように塑性変形することを特徴とする請求項8記載の定着装置。
  11. シートに現像剤を形成する現像剤像形成部を有する画像形成装置に着脱可能に構成され、前記現像剤像形成部で形成された現像剤像をシートに定着することを特徴とする請求項9又は10記載の定着装置。
  12. 画像形成装置に着脱されるユニット本体と、
    このユニット本体内に配設された加熱手段と、
    この加熱手段にシートを押圧する押圧部材と、この押圧部材に対して前記加熱手段と逆側に配置され、前記押圧部材が着座する台座とを有する押圧ユニットと、
    前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方の方向に付勢する付勢手段と、
    を有し、
    前記付勢手段は、
    前記押圧部材の長手方向における一端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第1の付勢部材と、
    前記押圧部材の長手方向における他端部側に設けられ、前記加熱手段及び前記押圧ユニットの一方を他方に付勢する第2の付勢部材と、
    を有し、
    前記押圧部材は、前記加熱手段に沿った方向の形状が中央部側が高く両端部側が低くなるように設定されていて、前記加熱手段にシートを押圧する際に弾性変形し、
    前記台座は前記押圧部材の変形にならって塑性変形することを特徴とする定着ユニット。
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