JP4923768B2 - 車両用シート装置 - Google Patents
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Description
図13に示す従来構造は、シートクッション81と、シートバック82と、ヘッドレスト83と、アームレスト84とを備えた車両用シート装置において、アームレスト84がシートバック82に設けられた凹部に収納される仮想線α位置と、シートクッション81上方に離間して水平に倒伏した実線位置との間を回動可能に構成されており、前倒し状態下のアームレスト84がシートクッション81上面よりも所定距離上方に位置するものである。
上記構成によれば、上述のリフトアップ機構は、アームレストを倒伏位置に回動した時、該アームレストの後端部を上方にリフトさせる。
このように、アームレストの倒伏時にその後端部を上方にリフトさせることができるので、シートバックの凹部に対する収納に有利な厚さ(収納時における前後方向の厚さ)が薄いアームレストであっても、アームレスト使用時には、乗員が肘を載置するのに充分な高さを確保することができる。
上記構成によれば、アームレストの姿勢は上部リンクと下部リンクとの各遊端部の位置によって決定されるが、アームレストの収納位置においては各リンクの遊端部相互間を結ぶ仮想線分が下位置の略起立状となり、アームレストの倒伏位置においては各リンクの遊端部相互間を結ぶ仮想線分が上位置の前傾状となる。
この結果、上下の各リンクからなるデュアルリンク構造により、アームレストの倒伏時にその後端部をリフトアップさせ、アームレスト使用時において乗員が肘を載置するのに充分な高さを確保することができると共に、リフトアップ機構を2つのリンクにより簡単に構成することができる。
上記構成によれば、左右一対のリンク構造により、アームレストの支持剛性が向上し、該アームレストを収納位置と倒伏位置との間に安定して回動させることができる。
図1〜図10は車両用シート装置の実施例を示し、車室1(図2参照)の底面を形成するフロアパネル2を設け、このフロアパネル2の後部には、前低後高状に傾斜したキックアップ部3を介して略水平な荷室フロア4を形成している。
ここで、上述のアームレスト13はリヤ中央席のシートバックを兼ねるものである。
図3、図9に示すように、上部リンク21の基端部21aは、下部リンク22の基端部22aに対して、上方かつ前方に配置されている。
図3に示すアームレスト13の収納状態下において、上下の各リンク21,22は側面から見てそれぞれ前低後高状に傾斜するように配設されており、かつ上部リンク21は下部リンク22に対して傾斜角が大となる急傾斜状に配設されている。
なお、図中、27,28はセンタシートクッション10を支持するためのシートブラケットであり、矢印Fは車両前方を示すものである。
図1〜図3に示すように、アームレスト13をシートバック7,7間の凹部9に収納した収納位置においては、リヤシートに対して3人乗車(いわゆる3人掛け)が許容される。
この構成によれば、上述のリフトアップ機構20は、アームレスト13を倒伏位置(図8参照)に回動した時、該アームレスト13の後端部を上方にリフトさせる。
このように、アームレスト13の倒伏時にその後端部を上方にリフトさせることができるので、シートバック7,7間の凹部9に対する収納に有利な厚さ(収納時における前後方向の厚さ)が薄いアームレスト13であっても、アームレスト使用時には、乗員が肘を載置するのに充分な高さを確保することができる。
この構成によれば、リンク機構20によりアームレスト13の倒伏時にその後端部をリフトアップさせて、アームレスト13の使用時において乗員が肘を載置するのに充分な高さを確保することができると共に、リフトアップ機構20を構造が簡単なリンク機構(上部リンク21、下部リンク22参照)にて構成することができる。
この構成によれば、アームレスト13の姿勢は上部リンク21と下部リンク22との各遊端部21b,22bの位置によって決定されるが、アームレスト13の収納位置(図9の仮想線参照)においては各リンク21,22の遊端部21b,22b相互間を結ぶ仮想線分xが下位置の略起立状となり、アームレスト13の倒伏位置(図9の実線参照)においては各リンク21,22の遊端部21b,22b相互間を結ぶ仮想線分yが上位置の前傾状となる。
この結果、上下の各リンク21,22からなるデュアルリンク構造により、アームレスト13の倒伏時にその後端部をリフトアップさせ、アームレスト13使用時において乗員が肘を載置するのに充分な高さを確保することができると共に、リフトアップ機構を2つのリンク21,22により簡単に構成することができる。
この構成によれば、上部リンク21と下部リンク22とにより、アームレスト13の倒伏時にその後端部をリフトアップさせて、アームレスト13の使用時において乗員が肘を載置するのに充分な高さを確保することができ、また構造が簡単なリンク機構(2つのリンク21,22による機構)にて上述のリフトアップ機構20を構成することができ、しかも、アームレスト13の倒伏位置において、その前方下部がセンタシートクッション10の上面部に当接する所謂置きタイプと成るので、リンク21,22に高い剛性を必要としない効果がある。
この構成によれば、2つのリンク21,22の基端部21a,22aおよび遊端部21b,22bの設定により、アームレスト13の収納位置の位置規定と、アームレスト13の倒伏位置の位置規定を行なうことができ、しかもアームレスト13の倒伏時には下部リンク遊端部22bの上方移動量L2が上部リンク遊端部21bの上方移動量L1よりも大きくなるように設定したので、該アームレスト13の倒伏時においてその後端部を確実にリフトアップさせることができる。
この構成によれば、左右一対のリンク構造により、アームレスト13の支持剛性が向上し、該アームレスト13を収納位置(図2参照)と倒伏位置(図8参照)との間に安定して回動させることができる。
図11は車両用シート装置の他の実施例を示し、図1〜図10で示した先の実施例においては、リフトアップ機構20を構成する上下の各リンク21,22の基端部21a,22aを、支軸23,25を介してシートバック7に枢支させたが、図11に示すこの実施例では、上述の各リンク21,22の基端部21a,22aを、支軸23,25を介して車体に枢支させたものである。
図12は車両用シート装置の参考例を示すものである。
この参考例においては、キックアップ部3(フロアパネル)に正面視凹状の支持ブラケット30を立設固定する一方、アームレスト13の基端部左右両サイドには軸31,31を突設すると共に、アームレスト13の中間部にはストッパピン32,32を突設している。
この構成によれば、上述のリフトアップ機構35は、アームレスト13を倒伏位置に回動した時、該アームレスト13の後端部を上方にリフトさせる。
このように、アームレスト13の倒伏時にその後端部を上方にリフトさせることができるので、シートバック7の凹部9に対する収納に有利な厚さ(収納時における前後方向の厚さ)が薄いアームレスト13であっても、該アームレスト13の使用時には、乗員が肘を載置するのに充分な高さを確保することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のアームレストが倒伏載置されるシートクッションは、実施例のセンタシートクッション10に対応し、
以下同様に、
シートバックに設けられた凹部は、左右のシートバック7,7間の凹部9に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
さらに図示実施例で示したセパレート構造のシートに代えてベンチタイプのシートを設け、このベンチシートのシートバック中央にアームレスト13を収納する凹部を形成すると共に、アームレスト13をベンチシートタイプのシートクッション上面部に当接するよう倒伏載置させる構造を採用してもよい。
7…シートバック
9…凹部
10…センタシートクッション(シートクッション)
13…アームレスト
20…リフトアップ機構
21…上部リンク
22…下部リンク
21a,22a…基端部
21b,22b…遊端部
x,y…仮想線分
Claims (3)
- シートクッションと、シートバックと、アームレストとを備え、
該アームレストは、その基端部周りに回動してシートバックに設けられた凹部に収納される収納位置と、
上記シートクッション上に倒伏した倒伏位置との間を回動可能に形成された車両用シート装置であって、
上記アームレストは、該アームレストが倒伏位置に回動された時、該アームレストの後端部を上方にリフトさせるリフトアップ機構を介してシートバックまたは車体に連結され、
上記リフトアップ機構は、アームレストの基端部と、シートバックまたは車体とを連結するリンク機構により構成され、
上記リンク機構は上部リンクと下部リンクとを備え、これら各リンクの基端部がシートバックまたは車体に枢支され、かつ遊端部が上記アームレストに枢支されると共に、上部リンクの基端部は下部リンクの基端部より上方に配置され、
アームレストの倒伏位置において、上部リンクの遊端部は下部リンクの遊端部より前方に配置され、
上記各リンクはアームレストを上記収納位置と、アームレストの後端部が上方にリフトされ、かつ前方下部がシートクッション上面部に当接した倒伏位置と、に回動されるように構成され、
上記アームレストの収納位置で上部リンクの遊端部がその基端部よりも前下方に位置し、下部リンクの遊端部がその基端部よりも前下方で、かつ上部リンクの遊端部よりも前方に位置するように配設し、
上記アームレストの倒伏位置で各リンクの遊端部が共に上方に移動し、下部リンク遊端部の上方移動量が上部リンク遊端部の上方移動量よりも大きくなるように設定された
車両用シート装置。 - 上記リンク機構は上部リンクと下部リンクとを備え、これら各リンクの基端部がシートバックまたは車体に枢支され、かつ遊端部が上記アームレストに枢支され、
上記各リンクの遊端部相互間を結ぶ仮想線分が、アームレストの収納位置から倒伏位置への回動により、下部リンク遊端部を基点として見た時、下位置の略起立状から上位置の前傾状に変位すべく上記各リンクが配設された
請求項1記載の車両用シート装置。 - 上記上部リンクおよび下部リンクはアームレストに対して左右一対設けられた
請求項1または2に記載の車両用シート装置。
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