JP4921658B2 - 絨毯用清拭シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダニや花粉等のアレルゲンを低減化する機能を有する絨毯用清拭シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎など多くのアレルギー疾患が問題となってきている。その主な原因は、住居内性ダニ類、特に室内塵中に多いチリダニのアレルゲン(Der1、Der2)や、おもに春季に猛威を振るうスギ花粉アレルゲン(Crij1、Crij2)等の多くのアレルゲンが生活空間内に増えてきているためである。
特にチリダニのアレルゲンはその原因となるチリダニを駆除しても、その死虫が更にアレルゲン性の高い物質を生活空間に供給することになり、アレルゲンが原因となるアレルギー疾患の根本的な解決には至らない。また、スギ花粉アレルゲンであるCrij1は分子量約40kDaの糖タンパク質、Crij2は分子量約37kDaの糖タンパク質であり、鼻粘膜等に付着すると生体外異物として認識され炎症反応を引き起こす。
よって、アレルギー疾患の症状軽減あるいは新たな感作を防ぐためには、生活空間から完全にアレルゲンを取り除くか、アレルゲンを変性させるなどして不活性化させることが必要となる。
【0003】
一方、絨毯の掃除は、通常電気掃除機による吸引によって簡易的に行われているが、電気掃除機による吸引のみでは、絨毯の塵などの粒子物質を吸引除去できても、絨毯に染みついた人体から分泌される皮脂等の油性物質や油性物質と共にこびり付いた上記のようなアレルゲンを除去することはできない。
しかしながら、これらの方法では、充分にアレルゲンを除去することができず、絨毯は、アレルゲンが活性な状態で多く残存しているという問題点があった。
このため、絨毯専用の洗浄液を用いて水洗いを行ったり、専用の機械を用いて掃除を行う方法等も考えられるが、高価で大型の装置を使用しなければならない等の問題があり、家庭では通常行うことができない等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、アレルゲンに汚染された絨毯から簡便に効率よくアレルゲンを除去し、効果的に絨毯のアレルゲン量を低減化する清拭シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、アレルゲンを不活性化し、抗原抗体反応を抑制するアレルゲン低減化成分(但し、ポリビニルアルコールを含有する溶液からなるもの、及び、水膨潤性粘土鉱物及び/又は植物抽出物を含有する水溶液若しくは水分散液に、5cm×5cmの無蛍光綿金巾布を20℃、10分間浸漬後、乾燥させた布を50℃恒温槽中で保存した場合に、ハンターLab表色系のb値において初期b値と1ヵ月後のb値の変化(Δb値)が0.4以下となる水溶液又は水分散液からなるものを除く。)を基材に含浸させてなる絨毯用清拭シートを提供する。
また、請求項2記載の本発明は、アレルゲン低減化成分が、芳香族ヒドロキシ化合物である請求項1記載の絨毯用清拭シートを提供する。
また、請求項3記載の本発明は、アレルゲンがチリダニ由来である請求項1又は請求項2に記載の絨毯用清拭シートを提供する。
また、請求項4記載の本発明は、基材が繊維集合体である請求項1〜3項いずれか1項に記載の絨毯用清拭シートを提供する。
また、請求項5記載の本発明は、基材に対し、50〜500重量%の割合で液状成分が含浸されている請求項1〜3項いずれか1項に記載の絨毯用清拭シートを提供する。
【0006】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるアレルゲン低減化成分は、アレルゲンを不活性化し、抗原抗体反応を抑制できる成分であれば、特に限定されず、例えば、タンニン酸、カテキンのような植物抽出物等、2,5−ジヒドロキシ安息香酸のようなヒドロキシ安息香酸等も使用可能である。
【0007】
上記アレルゲン低減化成分としては、芳香族ヒドロキシ化合物であることが好ましい。
【0008】
上記芳香族ヒドロキシ化合物としては、特に限定されず、中でも、絨毯への着色の心配が少ないという点から、線状高分子の側鎖に下記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを有する化合物であることが好ましい。
【0009】
【化2】
(Rは水素または水酸基で、少なくとも1つは水酸基を示し、nは0〜5を示す)
【0010】
上記一般式(1)〜(6)で示される官能基を線状高分子の側鎖に有する化合物において、nの数は0〜5である。5を越えると、線状高分子を使用する効果がなくなることがある。また、Rの少なくとも1つは水酸基であり、水酸基がないと、アレルゲン低減化効果を十分発揮できないことがある。水酸基が多すぎると着色性が強くなることがあるため、水酸基は一つが好ましい。また、水酸基の位置は、立体障害が最も少ない箇所に結合していることが好ましく、例えば一般式(1)ではパラ位にあるのが好ましい。
【0011】
上記線状高分子とは、例えば、合成高分子ではビニル重合体、ポリエステル、ポリアミドなどのことをいう。
また、上記一般式(1)〜(6)で示される官能基と線状高分子との化学結合については、特に限定されず、炭素−炭素結合、エステル結合、エーテル結合、アミド結合等が挙げられる。
上記一般式(1)〜(6)で示される官能基を線状高分子の側鎖に有する化合物としては、安全性や入手しやすさから、例えば、ポリ3,4,5−ヒドロキシ安息香酸ビニル、ポリビニルフェノール、ポリチロシン、ポリ(1−ビニル−5−ヒドロキシナフタレン)、ポリ(1−ビニル−6−ヒドロキシナフタレン)、ポリ(1−ビニル−5−ヒドロキシアントラセン)が好ましい。
【0012】
また、上記芳香族ヒドロキシ化合物としては、上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを含む単量体及び/又は一価のフェノール基を有する単量体を重合又は共重合してなるものが好ましい。
【0013】
上記1価のフェノール基を一個以上有する単量体としては、ベンゼン環に一個の水酸基を有する単量体が一個以上結合している化合物であれば特に限定されず、例えば、ビニルフェノール、チロシン、下記一般式7に示される1,2−ジ(4-ヒドロキシフェニル)エテン等が挙げられる。有効成分が、1価のフェノール基を有すると多価フェノールに比べて変色しにくいといった効果がある。
【化3】
【0014】
上記1価のフェノール基を一個以上有する単量体に共重合される他の単量体としては、エチレン、アクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレン等が挙げられる。
【0015】
また、上記芳香族ヒドロキシ化合物としては、芳香族複素環式ヒドロキシ化合物であることが好ましい。
【0016】
上記芳香族複素環式ヒドロキシ化合物は、特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシフラン、2−ヒドロキシチオフェン、ヒドロキシベンゾフラン、3−ヒドロキシピリジン等が挙げられる。また、線状高分子の側鎖に芳香族複素環式ヒドロキシ基を含有する化合物、芳香族複素環式ヒドロキシ基を有する単量体を重合又は共重合してなる化合物等であってもよい。
【0017】
上記芳香族複素環式ヒドロキシ基としては、例えば、下記一般式8、9に示されるチオフェンやフラン等の複素環骨格にヒドロキシ基が結合したものや、下記一般式10に示される複素環と芳香族環とを持つ骨格にヒドロキシ基が結合したもの、複素環骨格にヒドロキシ基とアルキル基(炭素数5以下)とを有するもの、複素環と芳香族とを持つ骨格にヒドロキシ基とアルキル基(炭素数5以下)とを有するもの等が挙げられる。
【化4】
【0018】
本発明のアレルゲン低減化成分としては、アルカリ金属の炭酸塩、明礬、ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、また、リン酸塩と、硫酸亜鉛及び/又は酢酸鉛が、絨毯への着色の心配が少ないという点から好ましく用いられる。
【0019】
上記アルカリ金属の炭酸塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムのアルカリ金属の炭酸塩が挙げられ、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウムである。
【0020】
上記明礬としては、硫酸アルミニウムと、アルカリ金属やタリウム、アンモニウム等の1価イオンの硫酸塩とからなる複塩が挙げられる。また、アルミニウムをクロム、鉄、等に置き換えた複塩も同様に挙げられる。好ましくは硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウムである。特にアレルゲン低減化能力の高い硫酸アルミニウムカリウムは、主に十二水和物(AlK(SO4)2・12H2O)あるいは無水物(AlK(SO4)2)が用いられるが、水和物が水分子を段階的に失う過程で存在する部分的な水和物であってもよい。
明礬の一部は、カリミョウバンとして食品添加物および化粧品原料にも指定されているため安全性が高い物質である。また、明礬を絨毯用清拭シートとして用いた場合、絨毯にべたつき感を与えず、起泡性を持たないことから絨毯にも泡立ちがなく、使用感が良好である。このような安全性、使用感の点で、絨毯用清拭シートとして特に好適に用いられる。
【0021】
上記ラウリルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩の塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミンなどのアミン塩が挙げられ、特に好ましくはナトリウム塩、トリエタノールアミン塩である。
【0022】
上記リン酸塩としては、水系溶媒に溶解したときPO4 3-イオンを生成する塩類を指し、例えば、実施例に用いたようなリン酸二水素ナトリウム(リン酸一ナトリウム)、リン酸水素二ナトリウム(リン酸二ナトリウム)の他に、リン酸二水素カリウム等が挙げられる。
【0023】
上記硫酸亜鉛としては、主に水和物(七水和物)あるいは無水物が用いられるが、水和物が水分子を段階的に失う過程で存在する部分的な水和物であってもよい。
硫酸亜鉛は古来より、白ばんあるいは亜鉛華などとして知られており日本薬局方にも収載されている。また、食品添加物であり、人の成長、健康維持に必須の微量金属元素であるZnの供給を目的として、母乳代替食品に添加されているため安全性が高く、絨毯用清拭シートとして好適に用いられる。
【0024】
上記酢酸鉛とは、水和物(三水和物)、あるいは無水物が用いられるが、水和物が水分子を段階的に失う過程で存在する部分的な水和物であっても良い。
上記酢酸鉛は、古来より、鉛糖として知られており日本薬局方にも収載されている。
【0025】
本発明の絨毯用清拭シートには、上記アレルゲン低減化成分が少なくとも1つ有効成分として配合されていればよく、2つ以上を組み合わせて使用されていてもよい。
【0026】
本発明の絨毯用清拭シートに配合されるアレルゲン低減化成分の量としては、基材に対して、0.1〜100重量%の割合で配合されることが好ましい。さらに好ましくは、0.2〜60重量%の割合、特に好ましくは0.5〜30重量%の割合である。
0.1重量%未満であれば、アレルゲン低減化効果を発揮することが難しくなることがあり、100重量%を超えた量を使用した場合には、絨毯表面を拭いた場合にべたつき感が出て使用に適さないことがあり、あるいは使用後に塩の析出があり、更に清掃の必要性が出てくることがある。
【0027】
本発明で用いられる基材としては、アレルゲン低減化成分を含浸できるものであれば、いかなる素材、形態のものを用いてもよく、繊維集合体や内部に空孔を有する構造体が好適に用いられる。
繊維集合体としては、特に限定されず、例えば織布、不織布等が挙げられ、不織布は、熱融着や圧縮などいかなる製造方法によるものでも用いることができる。繊維の材質としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等の熱可塑性繊維、またこれら各繊維の複合化繊維、アセテート等の半合成繊維、キュプラ、レーヨン等の再生繊維、コットン、セルロース等の天然繊維あるいはこれらの混綿などが用いられる。
上記内部に空孔を有する構造体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の合成高分子の発泡体、天然ゴム等の天然物の発泡体、あるいは合成高分子および天然物を熱や溶剤により溶融させた後、空孔を持つように成型したもの等が用いられる。
【0028】
中でも、アレルゲン低減化成分を容易に含浸させ、アレルゲンを絨毯から除去する機能に優れている点から、上記繊維集合体が特に好適に用いられる。
また、絨毯用清拭シートとしてさらに性能を高めるためには、アレルゲン低減化成分を含浸する機能が高い基材と、絨毯を清拭する機能が高い基材とを2層以上組み合わせて用いてもよい。すなわち、本発明の絨毯用清拭シートは、基材として上記繊維集合体を1種だけで使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
また、上記繊維集合体は、界面活性剤や油剤などの表面処理、分極処理による静電的な吸着効果などによりアレルゲン除去機能を向上させてもよい。
【0029】
アレルゲン低減化成分を上記基材に含浸させる方法としては、上記アレルゲン低減化成分を適当な溶媒に溶解あるいは分散して液状成分とし、基材に含浸させることが好ましい。
上記溶媒としては、例えば水、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等)、炭化水素類(トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ケロセン、シクロヘキサン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド等)等が挙げられる。
【0030】
上記液状成分の量としては、基材に対して50〜500重量%であることが好ましく、さらに好ましくは、100〜400重量%である。
液状成分の量が50重量%未満では、油性物質等の汚れの除去性に問題がでる恐れがあり、500重量%を超えると、清掃時に基材から液状成分がしみ出て、絨毯に移行し、絨毯の形状変化を起こす恐れがある。
上記液状成分の量とアレルゲン低減化成分量は、それぞれの種類、目的、効果により上記した範囲で適宜決めることができる。
【0031】
また、本発明の絨毯用清拭シートは、絨毯からのアレルゲン除去効果を増大させるために、油性物質溶解性溶剤を配合することが好ましい。
これは、アレルゲンは単独で絨毯に付着しているだけでなく、人体などから発生する油性物質と共に付着している場合が多いからである。
上記油性物質溶解性溶剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、グリセリン、プロピレングリコールなどが挙げられる。絨毯に使用した場合の起泡性や洗浄性を考慮すると、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキレンフェニルエーテル等)、プロピレングリコール等が好ましい。
上記油性物質溶解性溶剤の使用量は、目的に応じて適宜決めることができるが、好ましくは、基材に対して0.1〜200重量%である。
【0032】
本発明の絨毯用清拭シートには、アレルゲン除去および低減化効果の有効性を阻害しない範囲において、分散剤、乳化剤、湿潤剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の製剤用補助剤が配合されていてもよく、また、殺ダニ剤、殺菌剤、防黴剤、消臭剤等が配合されていてもよい。
【0033】
本発明の絨毯用清拭シートが対象とするアレルゲンとしては、動物性アレルゲン、花粉などの植物性アレルゲンが挙げられる。本発明のアレルゲン低減化成分は、これらのアレルゲンの特異抗体との反応を抑えることにより、本シートを使用した場所のアレルゲンを低減化する。特に効果のある動物性アレルゲンとしては、ダニ類のアレルゲン(ダニ類、節足動物一蛛形綱−ダニ目の生物で、主に7つの亜目に分かれている。アシナガダニに代表される背気門、カタダニに代表される四気門、ヤマトマダニ、ツバメヒメダニに代表される後気門、イエダニ、スズメサシダニ代表される中気門、クワガタツメダニ、ナミホコリダニに代表される前気門、ケナガコナダニ、コナヒョウヒダニに代表される無気門、イエササラダニ、カザリヒワダニに代表される隠気門等)のいずれの種類でも対象となり得るが、室内塵中、特に寝具類に多く、アレルギー疾患の原因となるチリダニ科、ヒョウヒダニ類に特に効果がある。
【0034】
本発明の絨毯用清拭シートは、液状成分の蒸発を防ぐために、不使用時には、蒸発防止用容器や蒸発防止用袋に収納しておくことが好ましい。蒸発防止用袋としては、特に限定されないが、ガスバリア性が高い、アルミニウムと樹脂との複合フィルムを用いた袋が好ましい。また、使用勝手を考えた場合、取り出し口を繰り返し開閉でき、かつ、密閉しつ封止できるフラップラベルを採用することが好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
アレルゲン低減化成分としてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王社製)10重量%、アレルゲン低減化成分の溶媒として精製水90重量%とからなる溶液3.6gを、20cm×30cm(2.4g)の不織布(三昭紙業社製;KP8340)に滴下含浸させて、密封容器中で24時間放置して、サンプルシートを得た。
【0037】
(実施例2)
アレルゲン低減化成分としてタンニン酸(和光純薬工業社製)0.5重量%、アレルゲン低減化成分の溶媒として精製水90重量%、油性物質溶解性溶剤としてグリセリン9.5重量%とからなる溶液6gを、20cm×30cm(2.4g)の不織布(三昭紙業社製;KP8340)に滴下含浸させて、密封容器中で24時間放置して、サンプルシートを得た。
【0038】
(実施例3)
アレルゲン低減化成分として明礬(和光純薬工業社製 硫酸アルミニウムカリウム)9重量%、アレルゲン低減化成分の溶媒として精製水90重量%、油性物質溶解性溶剤としてポリオキシエチレンアルキレンフェニルエーテル1重量%とからなる溶液7gを、15cm×20cm(2.7g)の不織布(呉羽テック社製;#281)に滴下含浸させて、密封容器中で24時間放置して、サンプルシートを得た。
【0039】
(実施例4)
アレルゲン低減化成分としてラウリル硫酸ナトリウム(花王社製)4重量%、アレルゲン低減化成分の溶媒として精製水96重量%とからなる溶液17gを、15cm×20cm(4.1g)の綿布に滴下含浸させて、密封容器中で24時間放置して、サンプルシートを得た。
【0040】
(実施例5)
アレルゲン低減化成分として重量平均分子量8000のポリ−4−ビニルフェノール(アルドリッチ社製)3重量%、アレルゲン低減化成分の溶媒として精製水30重量%およびエチルアルコール47重量%、油性物質溶解性溶剤としてプロピレングリコール20重量%とからなる溶液3gを、15cm×20cm(2.7g)の不織布(呉羽テック社製;#281)に滴下含浸させて、密封容器中で24時間放置して、サンプルシートを得た。
【0041】
(実施例6)
アレルゲン低減化成分として、硫酸亜鉛七水和物(和光純薬品工業社製)3重量%、リン酸塩としてリン酸一ナトリウム2水和物(関東化学社製)及びリン酸二ナトリウム12水和物(和光純薬品工業社製)を精製水に溶解させて濃度を0.01Mに調整したリン酸緩衝液(pH=7.35)97重量%とからなる溶液3gを、15cm×20cm(2.7g)の不織布(呉羽テック社製;#281)に滴下含浸させて、密封容器中で24時間放置して、サンプルシートを得た。
【0042】
(比較例1)
A家の居間の絨毯、B家の寝室の絨毯、C家の寝室の絨毯、D家の居間の絨毯の4カ所を拭き掃除しないで、(290mm×210mm)をアサヒビール薬品製「ダニスキャン」のキットに従って、アレルゲン量を測定比較した。結果を表1に示す。
【0043】
(比較例2)
アレルゲン低減化成分として硫酸アルミニウムカリウム(和光純薬工業社製)9重量%、アレルゲン低減化成分の溶媒として精製水90重量%、油性物質溶解性溶剤としてポリオキシエチレンアルキレンフェニルエーテル1重量%からなる溶液3gを、トリガータイプのスプレー型容器(1回の噴射で、約0.8ml噴)に入れた。A家の居間の絨毯、B家の寝室の絨毯、C家の寝室の絨毯、D家の居間の絨毯の4カ所をそれぞれ300mm×300mmに一様になるように噴霧した。
噴霧終了後、溶液が均一に絨毯表面に広がるように15cm×20cmのアクリル板で塗り広げた。噴霧した区画の中央部分(290mm×210mm)をアサヒビール薬品製「ダニスキャン」のキットに従って、アレルゲン量を測定比較した。
結果を表1に示す。
【0044】
(比較例3)
アレルゲン低減化成分を用いないで、アレルゲン低減化成分の溶媒として精製水99重量%、油性物質溶解性溶剤としてポリオキシエチレンアルキレンフェニルエーテル1重量%からなる溶液7gを、15cm×20cm(2.7g)の不織布(呉羽テック社製;#281)に滴下含浸させて、密封容器中で24時間放置して、サンプルシートを得て、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0045】
<アレルゲン低減化の評価>
各サンプルシートを使用し、一般家庭であるA家の居間の絨毯、B家の寝室の絨毯、C家の寝室の絨毯、D家の居間の絨毯の4カ所をそれぞれ300mm×300mmづつ5秒かけて拭き掃除した。掃除終了後、掃除した区画の中央部分(290mm×210mm)をアサヒビール薬品製「ダニスキャン」のキットに従って、アレルゲン量を測定比較した。判定はダニスキャンの使用説明書に従った。ダニスキャンの判定基準は以下のとおり。結果を表1に示す。
1・・・ダニアレルゲンの汚染は無い(テストラインT=0)
2・・・ややダニアレルゲンで汚染されている(T<Cコントロールライン)3・・・ダニアレルゲンで汚染されている(T=C)
4・・・非常に汚染されている(T>C)
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明の絨毯用清拭シートは、アレルゲン低減化成分を基材に含浸させてなる絨毯用清拭シートなので、アレルゲンに汚染された絨毯から、簡便に効率よくアレルゲンを除去できる。さらに、絨毯にアレルゲンが残留する場合でも、本発明の絨毯用清拭シートに含有されるアレルゲン低減化成分により、アレルゲンが不活性になる効果を持つ。すなわち本発明の絨毯用清拭シートは、上記のごとく二段階の低減化手段(除去及び不活性化)を併せ持つために、非常に有効に絨毯のアレルゲン量を低減化することができる。
Claims (5)
- アレルゲンを不活性化し、抗原抗体反応を抑制するアレルゲン低減化成分(但し、ポリビニルアルコールを含有する溶液からなるもの、及び、水膨潤性粘土鉱物及び/又は植物抽出物を含有する水溶液若しくは水分散液に、5cm×5cmの無蛍光綿金巾布を20℃、10分間浸漬後、乾燥させた布を50℃恒温槽中で保存した場合に、ハンターLab表色系のb値において初期b値と1ヵ月後のb値の変化(Δb値)が0.4以下となる水溶液又は水分散液からなるものを除く。)を基材に含浸させてなることを特徴とする絨毯用清拭シート。
- アレルゲン低減化成分が、芳香族ヒドロキシ化合物であることを特徴とする請求項1記載の絨毯用清拭シート。
- アレルゲンがチリダニ由来であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の絨毯用清拭シート。
- 基材が繊維集合体であることを特徴とする請求項1〜3項いずれか1項に記載の絨毯用清拭シート。
- 基材に対し、50〜500重量%の割合で液状成分が含浸されていることを特徴とする請求項1〜4項いずれか1項に記載の絨毯用清拭シート。
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