JP4921305B2 - マスク - Google Patents

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Description

本発明は、着用者の顔に装着されるマスクの構築技術に関するものである。
従来、例えば下記特許文献1には、着用者の口及び鼻を覆うマスク、とりわけ立体マスクが開示されている。この立体マスクは、マスク着用時に立体状とされ、これによりマスク本体部と着用者の口との間に口元空間が形成されるため、息苦しさ等の不快感を解消することができる。ところで、この種のマスクの設計・開発に際しては、着用者に対するフィット感を高めることが要請される。
特開平7−275384号公報
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、着用者に対するフィット感を高めるのに有効なマスクを提供することを課題とする。
上記課題を達成するため、各請求項に記載の発明が構成される。
本発明に係るマスクは、着用者の顔に装着されるマスクであって、マスク本体部、左側耳掛け部及び右側耳掛け部を少なくとも備える。ここでいう「マスク」は、一回使用ないし数回使用を目安とした使い捨てタイプのものであってもよいし、或いは洗濯などを行ったうえで繰り返し使用することが可能なタイプのものであってもよい。また、このマスクは、典型的には、未就学の幼児をはじめ、小学生、中学生などを含む子供や、小顔の大人などの着用者に対して好適に使用することができるが、当該マスクを相似状に拡大した形状のマスクを構成することによって、一般的な大人などの着用者に対しても同様に使用可能とされる。
マスク本体部は、不織布からなる左側シート部及び右側シート部によって形成され、着用者の少なくとも口及び鼻を覆う部位として構成される。これにより、マスク着用時には、マスク本体部と着用者の口との間に口元空間が形成されることとなる。このマスク本体部は、1または複数のシート部或いはシート片によって形成することが可能とされる。典型的には、1つのシート部或いはシート片を部分的に接合することによって、或いは複数のシート部或いはシート片の全部または一部を連接状に接合することによって、マスク本体部が形成される。このマスク本体部を形成する左側シート部及び右側シート部は、典型的には機械的、化学的、熱的などの処理によって繊維を固着したり絡み合わせたりして作られるシート状の構成物であり、典型的には熱溶融性繊維(熱可塑性繊維)を一部に含み融着(溶着)が可能な不織布によって構成される。
左側耳掛け部及び右側耳掛け部は、マスク本体部の両側から延出して形成され、着用者の耳に引っ掛けられる耳掛け穴を有する構成とされる。これら左側耳掛け部及び右側耳掛け部は、マスク本体部と別体構造であってもよいし、或いはマスクの一部として一体構造であってもよい。
本構成のマスクは、マスク本体部の左側シート部及び右側シート部が互いに重ね合わせられたマスク折り畳み時(「マスク収納時」ないし「マスク未使用時」とも称呼する)に平面状とされる一方、マスク着用時に立体状とされる。
特に本構成のマスクでは、左側耳掛け部及び右側耳掛け部は、それぞれが複数の開孔、すなわち当該耳掛け部において貫通状に形成された複数の孔を備える構成とされる。この開孔として、楕円、ひし形、多角形、円形など、各種の形状の開孔を採用することができる。また、左側耳掛け部及び右側耳掛け部は、複数の開孔の縁部の少なくとも一部における繊維密度(繊維の密集の度合い)が他の部位よりも高い構成とされる。このような構成は、典型的には高圧のウォータージェット水流もしくは高圧のスチーム噴流などの噴射流体によって開孔を形成する際に、不織布の繊維を押し分けられることによって形成され得る。この場合、開孔の縁部のうちの一部の繊維密度が、当該縁部の他の部位の繊維密度よりも高い構成であってもよいし、或いは開孔の縁部のうちの一部の繊維密度が、縁部以外の他の部位の繊維密度よりも高い構成であってもよい。
本発明に係るマスクのこのような構成によれば、マスク着用時に左側耳掛け部及び右側耳掛け部を耳に引っ掛けるべく当該耳掛け部が左右に引っ張られるとき、開孔により当該耳掛け部の引っ張り方向に関し構造上の伸びを生じさせることができ、当該耳掛け部を耳に引っ掛けた際に耳に痛みを与えないような装着快適性を付与することが可能となる。更に、開孔の縁部の少なくとも一部において繊維密度が高められ束ねられた状態の繊維によって、伸長後の耳掛け部の復帰性を助長することができるため、マスクの装着及び脱着を繰り返した場合に、耳掛け部が伸びたままになるのを防止し、これにより着脱耐久性を向上させることが可能となる。従って、マスク装着時の装着快適性向上と着脱耐久性向上の両立を図ることができ、以って着用者に対するフィット感を高めることが可能となる。
また、本発明に係る更なる形態のマスクでは、前記の複数の開孔は、長さの異なる2軸を有する開孔を含むとともに、マスク折り畳み時において、当該開孔の長い方の軸がマスク本体部と左側耳掛け部及び右側耳掛け部との間の境界線に平行に延在する構成であるのが好ましい。ここでいう「平行」には、境界線と開孔の延在方向が完全に平行となる態様のみならず、開孔が境界線に平行な成分を有しつつ延在することによって境界線に概ね平行ないし平行状となる態様が包含される。この場合、複数の開孔は、その全部または一部が長さの異なる2軸を有する開孔とされる。また、長さの異なる2軸を有する開孔は、長さの異なる2軸を少なくとも備えた構成であればよい。この開孔として、典型的には長さの異なる2軸を有する楕円孔を採用することができる。
このような構成によれば、耳掛け部の引っ張り方向に関する構造上の伸びが更に生じ易くなり、また伸長後の耳掛け部の復帰性を更に助長することができるため、マスク装着時の装着快適性向上と着脱耐久性向上の両立をより高いレベルで実現することが可能となる。
また、本発明に係る更なる形態のマスクでは、前記の複数の開孔は、高圧のウォータージェット水流もしくは高圧のスチーム噴流を不織布に吹き付けることによりなる構成であるのが好ましい。
このような構成によれば、左側耳掛け部及び右側耳掛け部の繊維に対し開孔を設けるに際し、高圧のウォータージェット水流もしくは高圧のスチーム噴流によって不織布の繊維を押し分けることによって、複数の開孔の縁部の少なくとも一部における繊維密度を他の部位よりも高めた構成を確実に形成させることが可能となる。
以上のように、本発明によれば、着用者に対するフィット感を高めるのに有効なマスクを提供することが可能となった。
以下、本発明における「マスク」の一実施の形態であるマスク1につき、図1〜図15を参照しつつ詳細に説明する。このマスク1は、1回ないし数回の使用を想定した使い捨てマスクとして構成される。花粉対策や風邪などのウイルス対策としてのバリア機能のみならず、口元や鼻腔の空間内おける保湿をはじめ、空間内環境における各種の機能付加を想定したマスクとして用いることができる。また、このマスク1は、典型的には、未就学の幼児をはじめ、小学生、中学生などを含む子供や、小顔の大人などの着用者に対し好適に使用することができるが、当該マスク1を相似状に拡大した形状のマスクを構成することによって、一般的な大人などの着用者に対しても同様に使用可能である。
まず、本実施の形態のマスク1の全体構成に関しては、図1及び図2が参照される。図1には、本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における側面図が示され、また図2には、図1中のマスク1を立体状に拡開したマスク拡開時において、当該マスク1を着用者側からみた図が示される。これら図1及び図2に示すように、本実施の形態のマスク1は、マスク本体部2及び耳掛け部3に大別される。ここでいうマスク本体部2が、本発明における「マスク本体部」に相当する。
(マスク本体部2の構成)
マスク本体部2は、マスク1の各部位のうち着用者の口及び鼻を覆う部位として構成される。このマスク本体部2は、全体としてカップ形状とされた部位であり、また着用者の少なくとも口を覆う部位であり、「カップ部」或いは「口覆い部」とも称呼される。本実施の形態では、マスク本体部2は、図1及び図2に示すように、着用者の左顔面を覆うシート片状の左側シート部2aと、着用者の右顔面を覆うシート片状の右側シート部2bからなる。これら左側シート部2a及び右側シート部2bが、縁部2cにおいて熱溶着によって互いに連接状に接合されることによって、マスク1を立体状に拡開した状態において、マスク本体部2の着用者側の着用面が凹み形状とされる。左側シート部2a及び右側シート部2bの接合部分に形成される縁部2cは、着用者の上下方向に関し曲線状に延在しており、マスク本体部2は、この縁部2cを境界として左右に二分される。ここでいう左側シート部2aが、本発明における「左側シート部」に相当し、またここでいう右側シート部2bが、本発明における「右側シート部」に相当する。
また、マスク本体部2は、マスク着用の際に、図1に示すように左側シート部2aと右側シート部2bが互いに離間した拡開状態に設定されて立体状に設定される一方、マスク折り畳み時(「マスク収納時」ないし「マスク未使用時」とも称呼する)においては、左側シート部2aと右側シート部2bが互いに重ね合わせられた折り畳み状態(平面状)に設定される。なお、このマスク本体部2は、少なくともマスク着用時に立体状とされればよく、マスク着用時のみならずマスク着用前においても同様に立体状とされてもよい。立体形状或いは三次元形状を形成可能なこのマスク本体部2を備えるマスク1は、「立体マスク」ないし「三次元マスク」とも称呼される。
本実施の形態において、マスク本体部2、すなわち左側シート部2a及び右側シート部2bは、いずれも熱可塑性合成繊維の不織布を用いて形成されている。この熱可塑性繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等を使用し、エアースルー法、スパンボンド法、サーマルボンド法、スパンレース法、ポイントボンド法、メルトブロー法、ステッチボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法等により製造された、目付けが30〜150[g/m]のものを適宜使用することができる。また、この不織布は、花粉・飛沫ウィルスの捕集性と、通気性を有し、肌触りが良く着用感の良い感触のものであり、且つ顔に被着されたときに立体構造が保持され易くなるように、耳掛け部3よりも伸縮性の低い低伸縮性とされるのが好ましい。ここでいう不織布が、本発明における「不織布」に相当する。
(耳掛け部3の構成)
耳掛け部3は、マスク本体部2の左右両側、すなわち左側シート部2a及び右側シート部2bの各々に対応する左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bを備える構成とされる。ここでいう左側耳掛け部3aが、本発明における「左側耳掛け部」に相当し、また右側耳掛け部3bが、本発明における「左側耳掛け部」に相当する。左側耳掛け部3aは左側シート部2aの端部から延出し、また右側耳掛け部3bは右側シート部2bの端部から延出しており、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bは、いずれも着用者の耳に引っ掛けられる耳掛け穴(開口)5を備えるリング状とされる。耳掛け穴5は、マスク1の上下方向(図1中の上下方向)と交差する方向に長手状に延在している。この耳掛け穴5が、本発明における「耳掛け穴」に相当する。
左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bは、いずれもマスク本体部2とは別体構造とされ、境界部4においてマスク本体部2と部分的に重ね合わせられて互いに接合された構成とされる。詳細については後述するが、この接合構造に関しては、凹凸形状を有するエンボスローラーを用いて接合を行ういわゆる「エンボス加工」を用いることができる。なお、必要に応じては、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bを、マスク1の一部としてマスク本体部2と一体構造とすることもできる。
マスク着用時には、着用者の顔、特には鼻及び口をマスク本体部2によって覆った状態で、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bの耳掛け穴5が、着用者の耳に引っ掛けられる。このとき、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bは、いずれもマスク本体部2と同様に熱可塑性合成繊維の不織布であって、且つ耳に痛みを与えないような伸縮性、例えばマスク本体部2よりも伸縮性の高い高伸縮性を有するのが好ましい。具体的には、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bの構成として、非弾性的に伸長可能な伸長性繊維からなる伸長層(例えば、プロピレン連続繊維が互いに溶着された不織布)と、弾性伸縮可能な弾性伸縮性繊維からなる弾性層(例えば、熱可塑性合成繊維のエラストラマーやウレタン等からなる弾性糸を使用した不織布)が互いに積層された構成を好適に用いることができる。また、詳細については後述するが、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bには、それぞれマスク着用時における伸び易さ及び回復し易さを両立するのに有効な複数の開孔(開口)6が設けられている。
ところで、上記構成のマスク1の類のマスクの設計・開発に際しては、着用者に対するフィット感を高めることが重要となるが、その前提として、着用者の顔の大きさや形状等の特徴や、マスクを取り扱う際の着用者の特性などを十分に考慮することが必要となる。例えば、鼻が低く頬が高い人や、耳の位置が低い人などの着用者に対し、一般的な大人用のマスクを適用する場合には、マスク着用時に当該マスクが適正な着用位置からずれたり、着用者の口元空間を確保できなくなるような現象が想定され、マスク本来の機能を全うできないという問題が生じる。また、例えば、子供や小顔の人のためのマスクを提供する場合に、一般的な大人用のマスクを単に相似状に縮小して小型化するのみでは、当該着用者の顔の特徴を十分に反映するのに限界がある。
そこで、本発明者らは、子供の顔の特徴や子供の特性に着目し、マスク1を構成するマスク本体部2及び耳掛け部3a,3bの構造を、子供の顔の特徴や子供の特性に対応するように全般的に見直すこととした。その際、以下のような6つの見直しポイントに着目した。
(1)子供の顔の形状に関し、一般的な大人よりも鼻が低く頬が高い(盛り上がっている)。また、鼻は一般的な大人よりも丸みを帯びた傾向にある。
(2)子供の顔の形状に関し、一般的な大人に比べて鼻先と口先(唇)との高さの差が小さい。
(3)子供の顔の形状に関し、一般的な大人に比べて耳の位置が低い。
(4)子供の特性に関し、よくしゃべるためマスクが適正な着用位置からずれやすい。
(5)子供の特性に関し、マスク着用時に力加減が上手くいかず、耳掛け部を大きく引っ張って取り付ける傾向があるため、耳掛け部が伸び易い。
(6)子供の特性に関し、飽きっぽくマスクに興味を持ちにくい。
本発明者らは、これらの見直しポイントに基づいて、特に子供などの着用者に最適なマスクの構造について鋭意検討した。その検討の結果、本発明者らは、以下に示す第1〜第6の構造のうちの少なくとも1つを備えるマスクを構成することによって、子供などの着用者に最適なマスクを構築することが可能となった。ここで、このマスクの具体的な構造(第1〜第6の構造)を、図3〜図14を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の構造)
マスク1の第1の構造に関しては、図3及び図4が参照される。図3には、本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における側面図であって、第1の構造を説明する図が示され、図4には、図3中のマスク1をマスク拡開時において着用者側からみた図であって、第1の構造を説明する図が示されている。
この第1の構造は、前記の見直しポイント(1)及び(4)に対応する解決手段として構成されるものであり、マスク本体部2の左右方向の横幅に関し、上端部における横幅が下端部における横幅よりも狭い構成とされる。具体的には、図3に示すマスク折り畳み時において、マスク本体部2と左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bとの間の直線状の境界線4aに直交し、当該境界線4aと左側シート部2a及び右側シート部2b間の縁部2cとの間を結んで形成される延在線のうち、境界線4aの上端部X1に形成される第1の延在線L1の長さ(長さa)が、境界線4aの下端部X2に形成される第2の延在線L2の長さ(長さb)よりも短くなるように構成されている。このとき、第1の延在線L1は、境界線4aの上端部X1において、この境界線4aと直交する線のうち、上端部X1と縁部2cの点Y1とを結ぶ線として規定される。同様に、第2の延在線L2は、境界線4aの下端部X2において、この境界線4aと直交する線のうち、下端部X2と縁部2cの点Y2とを結ぶ線として規定される。
従って、このような構成では、図4に示すマスク拡開時において、左右の上端部X1を最短距離で結ぶ線の長さが、第1の延在線L1の長さの2倍(2×a)に実質的に合致し、また左右の下端部X2を最短距離で結ぶ線の長さが、第2の延在線L2の長さ(2×b)に実質的に合致することとなる。このような構成では、マスク1を立体状に拡開した状態において、着用者側或いはその反対側からみたマスク本体部2は、上端部X1側を短辺とし下端部X2側を長辺とする台形状とされ、或いはその左右両端部によって概ね「ハ」字形状を形成することとなる。
このような第1の構造によれば、マスク本体部2の上端部における横幅を下端部における横幅よりも狭くするように構成することで、マスク本体部の上端部側が着用者の鼻により面接触し易くなるため、とりわけ子供や小顔の人のように鼻が低く頬が高いような着用者のマスク着用時に、当該マスクが適正な着用位置からずれるのを防止することが可能となる。
より具体的には、着用者がマスク1を着用する際、マスク本体部2の頂上の縁部分が着用者の鼻の稜線上に配置されるとともに、左側シート部2a及び右側シート部2bが、夫々左右側の鼻の傾斜に沿った状態にて配置されるところ、マスク本体部2の上端部が下端部よりも短く構成されているため、着用者の鼻に良好にフィットする。また、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bを耳にかけた際、マスク本体部2の上端部における横幅が短いため、当該耳掛け部がマスク本体部2を引っ張る力は、下端部側よりも上端部側の方が大きくなる。つまり、マスク本体部2の上端部側の方が、着用者に密接することとなり、一方でマスク本体部2の下端部側による着用者の顔の下側に対する締め付けは相対的に弱いものとなる。さらに、この際、マスク本体部2の下端部が上端部よりも長く形成されているため、マスク本体部2の下端部側が着用者の顎の広い範囲を覆った状態となり、これにより着用者の顎に対するマスク締め付け力はより分散され易くなる。従って、着用者がマスク着用時に喋った場合、顎が動いてもマスク1が顎の動きに追随しにくく、マスク1が適正な着用位置からずれにくいものとなる。
なお、マスク本体部2と左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bとの間の境界線4aに関しては、当該境界線が直線状に構成されるのが好ましい。一方で、この境界線が曲線状に構成される場合には、曲線状の当該境界線の端部同士を結ぶ直線を、マスク本体部2と左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bとの間の境界線として規定することもできる。
(第2の構造)
マスク1の第2の構造に関しては、図5及び図6が参照される。図5には、本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における側面図であって、第2の構造を説明する図が示され、図6には、図5中のマスク1をマスク拡開時において着用者側からみた図であって、第2の構造を説明する図が示されている。
この第2の構造は、前記の見直しポイント(2)に対応する解決手段として構成されるものであり、マスク本体部2の頂部(図5中の点Y4)、すなわち口覆い部の頂部が、マスク1の上下方向に関し真中よりも下側に位置する構成とされる。具体的には、図5に示すマスク折り畳み時において、マスク本体部2と左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bとの間の境界線4aに直交し、当該境界線4aと左側シート部2a及び右側シート部2b間の縁部2cとの間を結んで形成される延在線のうち、延在長さが最長とされる第4の延在線L4(長さc)が、境界線4aの上端部X1と下端部X2との中点部X3に形成される第3の延在線L3よりも下方に配設されるように構成されている。このとき、第3の延在線L3は、境界線4aの中点部X3において、この境界線4aと直交する線のうち、中点部X3と縁部2cの点Y3とを結ぶ線として規定される。同様に、第4の延在線L4は、境界線4aと直交し延在長さが最長とされる線のうち、境界線4a上の点X3と、縁部2cの点Y4とを結ぶ線として規定される。また、このような構成では、図6に示すマスク拡開時において、左右の点X4を最短距離で結ぶ線の長さが、第4の延在線L4の長さの2倍(2×c)に実質的に合致することとなる。
このような第2の構造を採用することによって、マスク本体部の頂部をマスクの上下方向に関し真中よりも下側に配置することによって、とりわけ子供や小顔の人のように鼻先と口先(唇)との高さの差が小さい着用者のマスク着用時に、着用者の口元空間を増大させることが可能となる。
(第3の構造)
マスク1の第3の構造に関しては、図7及び図8が参照される。図7には、本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における側面図であって、第3の構造を説明する図が示され、図8には、図7中のマスク1をマスク拡開時において着用者側からみた図であって、第3の構造を説明する図が示されている。
この第3の構造は、前記の見直しポイント(3)、(4)及び(5)に対応する解決手段として構成されるものであり、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bの耳掛け穴5を、マスク本体部2の上端部に対し相対的に低い部位に配設した構成とされる。具体的には、図7に示すマスク折り畳み時及び図8に示すマスク拡開時において、マスク本体部2と左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bとの間の境界線4aの上端部X1と、左側シート部2aと右側シート部2bとの間の縁部2cの上端部Y5とを結ぶ第5の延在線L5よりも下方に、耳掛け穴5が配設されるように構成されている。
このような第3の構造によれば、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bの耳掛け穴5を、マスク本体部2の上端部に対し相対的に低い部位に配設することで、とりわけ子供や小顔の人のように耳の位置が低い着用者のマスク着用時に、当該マスクを適正な着用位置に設定することが可能となる。また、このような第3の構造を採用することによって、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bの上下の長さ、すなわち左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bのうち耳掛け穴5を挟んで上側の部位の長さと下側の部位の長さに関し、上側の部位の長さと下側の部位の長さが概ね等しいか、或いは上側の部位の長さが下側の部位の長さよりも若干長くなる。従って、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bを左右に多少強く引っ張っても、上側の部位及び下側の部位が概ね同様に伸びることとなり、バランスの良い装着性能を確保するとともに、局所的に力が作用するのを防止することが可能となる。
(第4の構造)
マスク1の第4の構造に関しては、図9が参照される。図9には、本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における耳掛け部3a,3bの側面図であって、第4の構造を説明する図が示されている。
この第4の構造は、前記の見直しポイント(5)に対応する解決手段として構成されるものであり、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bの素材及び構造を工夫した構成とされる。具体的には、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bとして、繊維長さが44mm以上の捲縮繊維を用いるとともに、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bに、長さの異なる2軸を有する楕円状の開孔(開口)6を複数設けるように構成されている。これら複数の開孔6は、いずれも左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bにおいて貫通状に形成された孔とされる。ここでいう開孔6が、本発明における「複数の開孔」、「長さの異なる2軸を有する開孔」に相当する。なお、図9中の左図において、この開孔6は、長軸6a及び短軸6bを有する楕円孔としているが、楕円孔のみならず、ひし形、多角形、円形などの形状の開孔を適宜採用することもできる。
この開孔6は、典型的には、スパンレース不織布の製造過程において、全面均一にウォータージェット(高圧水流)による処理を施した後に、更にウォータージェット(高圧水流)による開孔処理を施すことによって形成される。このような開孔処理を用いることにより、開孔6の縁部において他の部位よりも繊維密度が高められ繊維が束ねられた状態が形成されることとなり、伸長後の耳掛け部3a,3bを、元の状態に復帰させるための復帰性(「復元性」、「回復性」、「ストレッチ性」ないし「バネ性」とも称呼する)を助長する。この場合、開孔6の縁部の少なくとも一部における繊維密度が他の部位よりも高い構成であればよく、開孔6の縁部のうちの一部の繊維密度が、当該縁部6の他の部位の繊維密度よりも高い構成であってもよいし、或いは開孔6の縁部のうちの一部の繊維密度が、縁部6以外の他の部位の繊維密度よりも高い構成であってもよい。また、開孔6の縁部のうち繊維密度が高い部位は、典型的には、当該縁部のうち短軸6bと交差する部位及びその周辺部位に少なくとも合致する。
このスパンレース不織布の製造過程は、より具体的には、カード工程、ウォータージェット工程、開孔ウォータージェット工程、乾燥工程、シュリンク工程からなる。カード工程は、各種繊維の開繊されたものを幅方向に対して均一に目付を合わせて連続的にウェーブを形成する工程とされる。ウォータージェット工程は、ウェーブを高圧水流で交絡させ、シート強度を持たせる工程とされる。開孔ウォータージェット工程は、起伏したもので水が抜ける構造物(ネット・パンチングプレート)の上に交絡したシートを通過させる際に高圧の水流を不織布に吹き付けて開孔を形成させる工程とされる。なお、高圧の水流を不織布に吹き付けるこの開孔ウォータージェット工程にかえて、高圧のスチーム噴流を不織布に吹き付ける工程を採用することもできる。乾燥工程では、シートに含まれている水分を乾燥させて飛ばす工程とされる。シュリンク工程は、捲縮繊維がポリプロピレン/変性ポリプロピレンであれば、変性ポリプロピレンが140℃付近で収縮が始まり、もう一方のポリプロピレンは収縮が起こらないのでコイル状になり、その時に不織布の流れ方向と幅方向に収縮が起こる。
このような製造過程において、特にカード工程及びウォータージェット工程により、織布の流れ方向に配向性を有する不織布基体が形成される。また、開孔ウォータージェット工程により、噴射流体(ウォータージェットの水流もしくはスチーム噴流)が不織布基体に噴射され、この噴射流体のあたった部分を繊維がよけることにより、すなわち繊維が押し分けられることにより、不織布に開孔が確実に形成される。このとき、ウォータージェットの水流(もしくは蒸気)が固定されており、一方で不織布基体は移動されているため、開孔は長円形となる。よって、開孔の周辺は、繊維の密度(密集の度合い)が高くなる。この高い密度の繊維がシュリンク工程によりシュリンクされることにより、高いバネ性を有するものとなる。
このような第4の構造を採用することによって、マスク着用時に耳掛け部3a,3bを耳に引っ掛けるべく当該耳掛け部3a,3bが左右に引っ張られるとき、開孔6が全体的に図9中の右図のように二点鎖線の状態から実線の状態へと変化し、これにより引っ張り方向(図9中の左右方向)に関し構造上の伸びが生じることとなる。この構造上の伸びによって、耳掛け部3a,3bを耳に引っ掛けた際に耳に痛みを与えないような伸縮性、すなわち装着快適性を付与することが可能となる。一方で、開孔6の縁部において繊維密度が高められ束ねられた状態の繊維によって、伸長後の耳掛け部3a,3bの復帰性を助長することができるため、マスクの装着及び脱着を繰り返した場合に、耳掛け部3a,3bが伸びたままになるのを防止し、これにより着脱耐久性を向上させることが可能となる。従って、マスク装着時の装着快適性向上と着脱耐久性向上の両立を図ることが可能となる。
また、この開孔6は、図9に示すように、マスク折り畳み時において、長い方の軸(長軸6a)がマスク本体部2と左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bとの間の境界線4aに平行に延在する開孔を含む構成であるのが好ましい。この場合、境界線4aと開孔6の延在方向が完全に平行とされた構成であってもよいし、或いは開孔6が境界線4aに平行な成分を有しつつ延在することによって境界線4aに概ね平行ないし平行状とされた構成であってもよい。ここでいう境界線4aが、本発明において「マスク本体部と左側耳掛け部及び右側耳掛け部との間の境界線」に相当する。このような構成によれば、耳掛け部3a,3bの引っ張り方向に関する構造上の伸びが更に生じ易くなり、また伸長後の耳掛け部3a,3bの復帰性を更に助長することができるため、マスク装着時の装着快適性向上と着脱耐久性向上の両立をより高いレベルで実現することが可能となる。なお、図9に示す実施形態では、複数の開孔6が規則的に配列される場合について記載したが、これら複数の開孔6が不規則的に配列された構成や、これら複数の開孔6に加えて、別の形状の開孔が規則的ないし不規則的に配列された構成等を適宜採用することもできる。
ここで、マスク装着時の装着快適性と着脱耐久性に関しては、耳掛け部3a,3bを構成する試料を作成し、当該試料の性能評価(引張強度及び伸長回復率の測定・評価)を実施した。以下、この性能評価の手順及び結果に関して説明する。なお、この性能評価として、典型的にはJIS L−1096法が参照される。
(試料の作成)
上記構成の耳掛け部3a,3bと同様の素材を用い、縦210[mm]、横297[mm]、目付け100.0[g/m]の試料を3枚採取した。更に、各試料から、幅50[mm]、長さ297[mm]のサンプルを、縦、横各方向に関し3枚ずつ採取した。
(引張強度の測定・評価)
引張強度の測定では、公知の定速伸縮型引張試験機によって、幅50[mm]、長さ297[mm]の上記サンプルを評価した。この場合の測定条件に関しては、サンプルのつかみ間隔を200[mm]、引張速度を200[mm/min]とし、縦方向及び横方向における当該サンプルの50%伸長時の強度、また縦方向及び横方向における当該サンプルの90%伸長時の強度を測定し、測定サンプルの平均値を算出した。この場合、50%伸長時の強度を50%応力[N]として規定し、また90%伸長時の強度を90%応力[N]として規定した。そして、50%応力が1[N]以下で、且つ90%応力が1[N]以下のものが、所望の装着快適性基準を満たすもの、すなわち耳掛け部3a,3bを耳に引っ掛けた際に耳に痛みを与えないような伸縮性を有するものであると評価した。
(伸長回復率の測定・評価)
伸長回復率の測定では、公知の定速伸縮型引張試験機によって、幅50[mm]、長さ297[mm]の上記サンプルを評価した。この場合の測定条件に関しては、サンプルのつかみ間隔を200[mm]、引張速度を200[mm/min]とし、当該サンプルを50%伸長させたのち同速度で原点まで回復させたときの回復度合い(割合)、また当該サンプルを90%伸長させたのち同速度で原点まで回復させたときの回復度合い(割合)を測定し、測定サンプルの平均値を算出した。この場合、50%伸長後の回復度合いを50%伸長回復率[%]として規定し、また90%伸長後の回復度合いを90%伸長回復率[%]として規定した。そして、50%伸長回復率が70[%]以上で、且つ90%伸長回復率が60[%]以上のものが、所望の着脱耐久性基準を満たすもの、すなわち耳掛け部3a,3bが伸びたままの状態になりにくいものであると評価した。
その評価の結果、上記所望の装着快適性基準及び着脱耐久性基準を両立するためには、耳掛け部3a,3bを構成する伸縮性繊維の繊維長を44[mm]以上とし、且つ開孔6の収縮前の大きさを10〜50メッシュとするのが有効であることが確認された。伸縮性繊維の繊維長を44[mm]を下回ると、開孔6の収縮前の大きさを大きくしたとしても、応力が基準値を上回る。また、開孔6の収縮前の大きさを50メッシュよりも大きくすると、伸長回復率が基準値よりも大幅に小さくなり、一方で開孔6の収縮前の大きさを10メッシュよりも小さくすると、今度は無開孔の状態に近づくこととなり、応力が基準値を大幅に上回ることとなる。
(第5の構造)
マスク1の第5の構造に関しては、図10〜図13が参照される。図10には、本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における側面図であって、第5の構造を説明する図が示され、図11には、図10中のA−A線断面に関する構造が示されている。また、図12及び図13には、いずれも図10中の第2のエンボス加工部4cの一実施形態が示されている。
この第5の構造は、前記の見直しポイント(6)に対応する解決手段として構成されるものであり、マスク本体部2と耳掛け部3a,3bとの境界部4におけるエンボス構造を工夫した構成とされる。具体的には、図10に示すように、耳掛け部3a,3bは、マスク本体部2と耳掛け部3a,3bとを互いに接合するべく境界部4の全体にわたって形成された複数の第1のエンボス加工部4bに加えて、更に第1のエンボス加工部4bとは異なる形状の複数の第2のエンボス加工部4cを備えるように構成されている。図11に示すように、これら第1のエンボス加工部4b及び第2のエンボス加工部4cは、いずれも凹凸形状を有するエンボスローラーによって凹状に加工された部位とされる。特に、本実施の形態の第1のエンボス加工部4bは、マスク本体部2と耳掛け部3a,3bとの接合強度を高める機能を有する。
また、本実施の形態の第2のエンボス加工部4cは、マスク本体部2と耳掛け部3a,3bとの接合機能に加えて、更にマスク1の上下方向を識別可能に表示する表示部として機能を備える。ここでいう第2のエンボス加工部4cが、本発明における「表示部」を構成している。第2のエンボス加工部4cによるこの表示形態に関しては、単一の第2のエンボス加工部4cによって、マスク1の上下方向に関する情報を表示する第1の表示態様であってもよいし、複数の第2のエンボス加工部4cを組み合わせることによって、マスク1の上下方向に関する情報を表示する第2の表示態様であってもよい。この場合、マスク1の上下方向に関する情報を表示可能な文字、記号、模様、図柄などを適宜用いることができる。
上記第1の表示態様に関しては、図12に示すように、第2のエンボス加工部4cに「上向き矢印」を表示する形態を採用することによって、矢印の先が上を向くようにマスク1を設定することでマスク1の上下方向が定まることとなる。また、上記第2の表示態様に関しては、図13に示すように、上側から下側の第2のエンボス加工部4cの順で「A」〜「E」を表示する形態を採用することによって、「A」が表示された第2のエンボス加工部4cを最上部に配置し、「E」が表示された第2のエンボス加工部4cを最下部に配置するようにマスク1を設定することでマスク1の上下方向が定まることとなる。
このような第5の構造を採用することによって、マスク1の上下方向を着用者に容易に識別させることが可能となるとともに、接合用のエンボス加工部分を表示部として兼用することで新たな表示部を設ける必要がなく、製造コスト低減を図るのに有効とされる。また、第2のエンボス加工部4cとして、子供の興味を引きやすい表示形態、例えば特定のキャラクターなどを採用することによって、とりわけ着用者が子供である場合に、マスクに対する子供の興趣を高めることが可能となる。
なお、マスク本体部2と耳掛け部3a,3bとの境界部4におけるエンボス構造によって、マスク1の上下方向に関する情報を表示する以外に、この境界部4に代えて或いは加えて、マスク本体部2や耳掛け部3a,3bの外表面に、エンボス構造やその他の表示構造(例えば印字構造)によってマスク1の上下方向に関する情報を表示することもできる。
(第6の構造)
マスク1の第6の構造に関しては、図14が参照される。図14には、本実施の形態のマスク1の第6の構造を説明する図が示されている。
この第6の構造は、前記の見直しポイント(6)に対応する解決手段として構成されるものであり、マスク本体部2の外表面に装飾用の被着部材(「シール部材」とも称呼する)を設けるとともに、この被着部材の構造を工夫した構成とされる。具体的には、図14に示すように、台紙S上の被着部材S1〜S4を、パズル状に適正に配置してスク本体部2の外表面に被着することで、マスク本体部2の外表面全体が被着部材S1〜S4によってほぼ完全に覆われるように構成されている。換言すれば、被着部材S1〜S4の適正な配置により、被着部材S1〜S4全体によって形成される形状が、マスク本体部2の外表面全体の形状に概ね合致した状態を完成させることが可能となる。なお、これら被着部材S1〜S4は、マスク着用時において着用者の息苦しさが生じることのないような空気透過性を備えた構成であるのが好ましい。
このような第6の構造を採用することによって、とりわけ着用者が子供である場合に、マスクに対する子供の興趣を高めるとともに、被着部材S1〜S4をパズル状に組み合わせて目的の形状を形成させるという達成感を付与することができ、これにより子供の知育に関する機能を得ることが可能となる。また、子供の興味を引きやすい表示、例えば特定のキャラクターなどを各被着部材に表示した構成を採用するのが好ましい。この場合、被着部材S1〜S4のそれぞれに対し同一の表示または異なる表示を行うように構成してもよいし、或いは被着部材S1〜S4のうちの複数の被着部材が適正に配置されることで、各被着部材における表示が互いに組み合わせられて結果的に単一の表示が形成されるように構成することもできる。このような構成によれば、とりわけ着用者が子供である場合に、マスクに対する子供の興趣を高めることが可能となる。
上記構成のマスク1を、着用者としての子供が着用した状態に関しては、図15が参照される。図15には、本実施の形態のマスク1を子供が着用したマスク着用状態を側面からみた様子が示される。
図15に示すように、本実施の形態のマスク1は、子供の顔に包括的にフィットする構成とされる。例えば、マスク本体部2の上端部における横幅を下端部における横幅よりも狭くして、マスク本体部2の上端部側が着用者の鼻により面接触し易くしているため、フィット感を高め、とりわけ子供や小顔の人のように鼻が低く頬が高いような着用者のマスク着用時に、当該マスクが適正な着用位置からずれるのを防止するのに効果的である。なお、一般的な大人において鼻の部位のフィット感を向上させたいという要請に対しては、少なくとも前述の第1の構造を備えた、本実施の形態のマスク1を相似状に拡大した形状のマスクを提供することによって対応が可能となる。
また、例えば、マスク本体部2の頂部、すなわち縁部2cの頂部をマスク1の上下方向に関する下側に配設することによって、立体状のマスク本体部2と着用者の口との間に口元空間7を確実に形成させることができ、これにより息苦しさ等の不快感を解消するのに効果的である。
また、例えば、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bの耳掛け穴5を、マスク本体部2の上端部に対し相対的に低い部位に配設することで、とりわけ子供や小顔の人のように耳の位置が低い着用者のマスク着用時に、当該マスクを適正な着用位置に設定するのに効果的である。
また、例えば、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bのそれぞれに複数の開孔6を設けることで、引っ張り方向に関し構造上の伸びを生じさせて、耳掛け部3a,3bを耳に引っ掛けた際に耳に痛みを与えないような装着快適性を付与するとともに、開孔6の縁部において繊維密度が高められ束ねられた状態の繊維によって、伸長後の左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bの復帰性を助長することで、左側耳掛け部3a及び右側耳掛け部3bが伸びたままになるのを防止するような着脱耐久性を付与するのに効果的である。
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記実施の形態においては、第1〜第6の構造を兼ね備えたマスク1について記載したが、本発明では、第1〜第6の構造のうちの第4の構造を少なくとも備えるマスクを採用することができる。
また、上記実施の形態においては、左側シート部2a及び右側シート部2bの熱溶着接合によってマスク本体部2が形成される場合について記載したが、本発明では熱溶着をはじめとする各種の接合方法によって少なくとも1つの複数のシート部の全部または一部を接合して、マスク本体部を形成することができる。
また、上記実施の形態や変更例の記載に鑑みた場合、本発明では、「不織布からなる左側シート部及び右側シート部によって形成され、着用者の少なくとも口及び鼻を覆うマスク本体部と、前記マスク本体部の両側から延出して形成され、着用者の耳に引っ掛けられる耳掛け穴を有する左側耳掛け部及び右側耳掛け部と、を備え、前記マスク本体部の前記左側シート部及び右側シート部が互いに重ね合わせられたマスク折り畳み時に平面状とされる一方、マスク着用時に立体状とされる構成のマスクであって、前記左側耳掛け部及び右側耳掛け部は、それぞれが複数の開孔を備える構成であることを特徴とするマスク。」という構成を採用することができる。
このような構成によれば、左側耳掛け部及び右側耳掛け部に複数の開孔を設けるに際し、高圧のウォータージェット水流もしくは高圧のスチーム噴流などの噴射流体によって開孔を形成する方法を用いる場合には、複数の開孔の縁部の少なくとも一部における繊維密度が他の部位の繊維密度よりも高められる。これにより、開孔により当該耳掛け部の引っ張り方向に関し構造上の伸びを生じさせることが可能となるうえに、繊維密度が高められた部位によって伸長後の耳掛け部の復帰性を助長することが可能となり、マスク装着時の装着快適性向上と着脱耐久性向上の両立を図ることができる。
本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における側面図である。 図1中のマスク1を立体状に拡開したマスク拡開時において、当該マスク1を着用者側からみた図である。 本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における側面図であって、第1の構造を説明する図である。 図3中のマスク1をマスク拡開時において着用者側からみた図であって、第1の構造を説明する図である。 本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における側面図であって、第2の構造を説明する図である。 図5中のマスク1をマスク拡開時において着用者側からみた図であって、第2の構造を説明する図である。 本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における側面図であって、第3の構造を説明する図である。 図7中のマスク1をマスク拡開時において着用者側からみた図であって、第3の構造を説明する図である。 本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における耳掛け部3a,3bの側面図であって、第4の構造を説明する図である。 本実施の形態のマスク1のマスク折り畳み時における側面図であって、第5の構造を説明する図である。 図10中のA−A線断面に関する構造を示す図である。 図10中の第2のエンボス加工部4cの一実施形態を示す図である。 図10中の第2のエンボス加工部4cの一実施形態を示す図である。 本実施の形態のマスク1の第6の構造を説明する図である。 本実施の形態のマスク1を子供が着用したマスク着用状態を側面からみた様子を示す図である。
符号の説明
1…マスク
2…マスク本体部
2a…左側シート部
2b…右側シート部
2c…縁部
3…耳掛け部
3a…左側耳掛け部
3b…右側耳掛け部
4…境界部
4a…境界線
4b…第1のエンボス加工部
4c…第2のエンボス加工部
5…耳掛け穴
6…開孔
6a…長軸
6b…短軸
7…口元空間

Claims (3)

  1. 不織布からなる左側シート部及び右側シート部によって形成され、着用者の少なくとも口及び鼻を覆うマスク本体部と、
    前記マスク本体部の両側から延出して形成され、着用者の耳に引っ掛けられる耳掛け穴を有する左側耳掛け部及び右側耳掛け部と、
    を備え、
    前記マスク本体部の前記左側シート部及び前記右側シート部が互いに重ね合わせられたマスク折り畳み時に平面状とされる一方、マスク着用時に立体状とされる構成のマスクであって、
    前記左側耳掛け部及び前記右側耳掛け部は、それぞれが複数の開孔を備えるとともに、前記複数の開孔の縁部の少なくとも一部における繊維密度が他の部位よりも高い構成であり、
    前記複数の開孔はいずれも、長さの異なる2軸を有する楕円として構成されるとともに、前記マスク折り畳み時において、当該楕円の長い方の軸が前記マスク本体部と前記左側耳掛け部及び前記右側耳掛け部との間の境界線に平行に延在し、且つマスク装着時の各耳掛け部の引っ張り方向に交差して延在する構成であることを特徴とするマスク。
  2. 請求項1に記載のマスクであって、
    各耳掛け部は、繊維長が44mm以上の伸縮性繊維を用いて構成され、且つ前記複数の開孔の大きさがいずれも10〜50メッシュとなるように構成されていることを特徴とするマスク。
  3. 請求項1または2に記載のマスクであって、
    前記複数の開孔は、高圧のウォータージェット水流もしくは高圧のスチーム噴流を不織布に吹き付けることによりなる構成であることを特徴とするマスク。
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