JP4920306B2 - 蓄電池状態監視装置、蓄電池状態監視方法、蓄電池状態監視プログラム - Google Patents
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Description
このため、特許文献1、2には、セル間の電圧のバラツキを低減するために、セル電圧が高くなった時にツェナーダイオードに放電させる方法が開示されている。
また、特許文献4、5には、組電池の単位電池間の電圧レベルを均一化するために、単位電池ごとに充電器を設ける方法が開示されている。
また、特許文献6には、組電池の単位電池間の端子電圧を均等化するために、単位電池をスイッチにて切り替えながら単位電池ごとに充放電を行う方法が開示されている。
一方、蓄電池では、蓄電池の劣化に伴って内部抵抗が上昇することが知られている。このため、蓄電池の劣化を監視するために、定期的または連続的に蓄電池の内部抵抗を計測することが行われている。この内部抵抗の計測方法としては、交流4端子法が一般的に用いられている。
図8において、蓄電池101の内部抵抗を計測する場合、蓄電池101の両端に交流電源102および電圧計103を接続する。そして、蓄電池101に交流電流を流しながら蓄電池101の起電力を計測し、蓄電池101の起電力を交流電流の計測値で除することにより、蓄電池101の内部抵抗を算出する。ここで、内部抵抗の計測時に蓄電池101に交流電流を流す場合、回路構成や製造コストなどを考慮して抵抗やトランジスタを介して蓄電池101を放電させる方法が一般的に行われている。
図9において、複数のセルから構成される組電池では、組電池を構成する各セルに順次同一の電流I1〜I3を流しながら各セルの計測時間T1〜T3を同一にしての内部抵抗の計測が行われる。これにより、各セルから放電される電流と計測時間の積を一定にすることができ、内部抵抗計測に起因するセル間の端子電圧のバラツキを抑制することができる。
また、特許文献1〜7に開示された方法では、組電池の充放電を行うためには、蓄電池の劣化を監視するための蓄電池状態監視装置とは別個に、充電器や電流バイパス回路を単位電池ごとに専用に設ける必要があり、コストアップを招くとともに装置構成が煩雑化するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、蓄電池の劣化を監視することを可能としつつ、蓄電池のセル間の端子電圧を均一化することが可能な蓄電池状態監視装置、蓄電池状態監視方法、蓄電池状態監視プログラムを提供することである。
これにより、製造バラツキや温度分布などに起因して単位電池の端子電圧にバラツキが発生した場合においても、単位電池間の端子電圧を均一化しつつ単位電池の放電を行うことが可能となるとともに、単位電池の内部抵抗の計測を行うことが可能となる。このため、蓄電池の劣化を監視するための蓄電池状態監視装置を設けることで、充電器や電流バイパス回路を単位電池ごとに専用に設けることなく、単位電池間の端子電圧を均一化することが可能となり、コストアップを抑制しつつ、蓄電池の長寿命化を図ることが可能となるとともに、蓄電池の劣化を監視することが可能となる。
これにより、単位電池間の端子電圧を均一化する機能を蓄電池状態監視装置に内蔵することが可能となり、充電器や電流バイパス回路を単位電池ごとに専用に設けることなく、単位電池間の端子電圧を均一化することが可能となる。このため、コストアップを抑制しつつ、蓄電池の長寿命化を図ることが可能となるとともに、蓄電池の劣化を監視することが可能となる。
これにより、端子電圧が平均値より低い単位電池については、放電量を小さくしながら内部抵抗を計測することが可能となるとともに、端子電圧が平均値より高い単位電池については、放電量を大きくしながら内部抵抗を計測することが可能となり、単位電池の内部抵抗を計測することを可能としつつ、単位電池間の端子電圧を均一化することが可能となる。
これにより、蓄電池の劣化を監視するための蓄電池状態監視装置に蓄電池状態監視プログラムを実行させることで、単位電池間の端子電圧を均一化することが可能となり、ハードウェア構成の煩雑化を抑制しつつ、蓄電池の長寿命化を図ることが可能となるとともに、蓄電池の劣化を監視することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る蓄電池状態監視装置が用いられる蓄電池のシステムの概略構成を示すブロック図である。
図1において、蓄電池4には、蓄電池4を充電する整流器(充電器)1が接続されるとともに、整流器1または蓄電池4から電力が供給される負荷2が接続されている。ここで、蓄電池4には複数の単位電池U1〜U3・・・が設けられ、各単位電池U1〜U3・・・の端子間には、蓄電池状態監視装置3が接続されている。なお、整流器1は、定電圧定電流形にて構成することができる。
ここで、蓄電池状態監視装置3は、蓄電池4を構成する各単位電池U1〜U3・・・の端子電圧を所定時間ごとに周期的に計測し、各単位電池U1〜U3・・・の端子電圧に基づいて計測電流または計測時間を制御しながら、各単位電池U1〜U3・・・の放電を行うとともに、各単位電池U1〜U3・・・の内部抵抗を算出することができる。
図2において、蓄電池状態監視装置3には、各単位電池U1〜U3・・・の放電制御を行いながら内部抵抗を算出するマイクロコンピュータ11、マイクロコンピュータ11から出力された計測波形データをアナログ信号に変換するD/Aコンバータ12、D/Aコンバータ12から出力されたアナログ信号を増幅するアンプ13、スイッチSW1〜SW3の切り替え制御を行うスイッチ制御部14、各単位電池U1〜U3・・・の起電力を増幅する入力アンプ15、入力アンプ15から出力された信号から不要な帯域成分を除去するバンドパスフィルタ16、入力アンプ15から出力された信号およびバンドパスフィルタ16から出力された信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ17および各単位電池U1〜U3・・・に流れる計測電流を電圧に変換するシャント抵抗Rが設けられている。なお、スイッチ制御部14は、単位電池U1〜U3・・・ごとに設けることができる。
ここで、マイクロコンピュータ11は、各単位電池U1〜U3・・・の端子電圧に基づいて計測波形データを設定することにより、各単位電池U1〜U3・・・に流れる計測電流または計測時間を制御することができる。例えば、マイクロコンピュータ11は、端子電圧が平均値より低い単位電池U1〜U3・・・については計測電流と計測時間との積が小さくなるように計測波形データを設定し、端子電圧が平均値より高い単位電池U1〜U3・・・については計測電流と計測時間との積が大きくなるように計測波形データを設定することができる。なお、各単位電池U1〜U3・・・の端子電圧に基づいて計測電流を制御する場合、アンプ13の利得を変化させるようにしてもよい。
そして、このプログラムをCD−ROMなどの記憶媒体に記憶しておけば、マイクロコンピュータ11に記憶媒体を装着し、そのプログラムをマイクロコンピュータ11にインストールすることにより、各単位電池U1〜U3・・・の放電制御および内部抵抗の算出処理を実現することができる。また、このプログラムをインターネットやLANなどの通信網を介してダウンロードすることにより、このプログラムを容易に普及させることができる。
また、各単位電池U1〜U3・・・の放電制御および内部抵抗の算出処理を遂行させる命令が記述されたプログラムをコンピュータに実行させる場合、スタンドアロン型コンピュータで実行させるようにしてもよく、ネットワークに接続された複数のコンピュータに分散処理させるようにしてもよい。
図3において、単位電池U1〜U3・・・の内部抵抗を計測する場合、単位電池U1〜U3にそれぞれ流れる計測電流I1〜I3を一定とし、単位電池U1〜U3・・・の端子電圧に基づいて計測時間T1〜T3を変えることができる。ここで、端子電圧が平均値より高い単位電池U2については計測時間T2を長くし、端子電圧が平均値より高い単位電池U3については計測時間T3を短くすることができる。
図4において、単位電池U1〜U3・・・の内部抵抗を計測する場合、単位電池U1〜U3の計測時間T1〜T3を一定とし、単位電池U1〜U3・・・の端子電圧に基づいて計測電流I1〜I3を変えることができる。ここで、端子電圧が平均値より高い単位電池U2については計測電流I2を大きくし、端子電圧が平均値より高い単位電池U3については計測電流I3を小さくすることができる。
図5において、各単位電池U1〜U3・・・Unの内部抵抗を算出する場合、図1の蓄電池状態監視装置3は、単位電池U1〜U3・・・Unの個々の端子電圧を計測する(ステップS1)。そして、蓄電池状態監視装置3は、単位電池U1〜U3・・・Unの個々の端子電圧を計測すると、単位電池U1〜U3・・・Unの平均電圧Vaを算出し(ステップS2)、単位電池U1の端子電圧V1と平均電圧Vaとの差分Aを算出する(ステップS3)。そして、蓄電池状態監視装置3は、単位電池U1の計測電流I1を基準値+A×B(ただし、Bは係数)に設定し(ステップS4)、ステップS4にて設定された計測電流I1を単位電池U1に流しながら、単位電池U1の起電力を計測する(ステップS5)。そして、単位電池U1の起電力の交流成分を計測電流I1の交流成分で除することにより、単位電池U1の内部抵抗を算出する(ステップS6)。そして、蓄電池状態監視装置3は、蓄電池4を構成する全ての単位電池U1〜U3・・・Unについて以上の処理が終了したかどうかを判断し(ステップS7)、終了していない場合には、各単位電池U2、U3・・・Unの端子電圧V2、V3・・・Vnと平均電圧Vaとの差分Aを順次算出しながら(ステップS8)、ステップS4以降の処理を行うことにより、各単位電池U1〜U3・・・Unの内部抵抗を算出する。
図6において、蓄電池4の放電後に充電が行われる場合、整流器1から蓄電池4に浮動充電電圧Vsが印加され、その時に蓄電池4に流れる電流Isは、1/5000〜1/10000cの極めて小さな値になる。例えば、200Ahの蓄電池4の場合、1時間に充電される電気量は20mAh〜40mAhの値となる。
図7において、単位電池U1〜U3・・・の放電制御を行う前は、単位電池U1〜U3・・・の端子電圧は、例えば、2.14〜2.26Vの間でばらついている。そして、図5の方法にて単位電池U1〜U3・・・の放電制御を行うことにより、単位電池U1〜U3・・・の端子電圧のバラツキが均一化され、単位電池U1〜U3・・・の端子電圧を2.19〜2.22Vの間に収めることができる。
2 負荷
3 蓄電池状態監視装置
4 蓄電池
U1〜U3 単位電池
SW1〜SW3 スイッチ
R シャント抵抗
11 マイクロコンピュータ
12 D/Aコンバータ
13 アンプ
14 スイッチ制御部
15 入力アンプ
16 バンドパスフィルタ
17 A/Dコンバータ
Claims (4)
- 蓄電池を構成する各単位電池の端子電圧を測定する電圧測定手段と、
前記単位電池の内部抵抗を計測する内部抵抗計測手段と、
前記端子電圧に基づいて前記内部抵抗計測時の計測電流または計測時間を制御する計測制御手段とを備えることを特徴とする蓄電池状態監視装置。 - 蓄電池を構成する各単位電池の端子電圧を測定するステップと、
前記端子電圧に基づいて前記単位電池の放電時の計測電流または計測時間を制御するステップと、
前記放電時の計測電流に基づいて前記単位電池の起電力を計測するステップと、
前記計測された起電力および前記放電時の計測電流に基づいて前記単位電池の内部抵抗を計測するステップとを備えることを特徴とする蓄電池状態監視方法。 - 端子電圧が平均値より低い単位電池については計測電流と計測時間との積を小さくして内部抵抗を計測し、端子電圧が平均値より高い単位電池については計測電流と計測時間との積を大きくして内部抵抗を計測することを特徴とする請求項2記載の蓄電池状態監視方法。
- 蓄電池を構成する各単位電池の端子電圧を測定するステップと、
前記端子電圧に基づいて前記単位電池の放電時の計測電流または計測時間を制御するステップと、
前記放電時の計測電流に基づいて前記単位電池の起電力を計測するステップと、
前記計測された起電力および前記放電時の計測電流に基づいて前記単位電池の内部抵抗を計測するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする蓄電池状態監視プログラム。
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