JP4407874B2 - 蓄電池内部抵抗測定回路 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄電池の内部抵抗を測定する測定回路に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、直列接続された多数の鉛蓄電池の各鉛電池の内部抵抗を測定するには、第２図に示される通り、１個の蓄電池１に対し、これに印加するための定電流交流電源２用として２本のリード線と、交流電流を印加した際に蓄電池の内部抵抗によって蓄電池の端子間に表れる交流電圧を計測する交流電圧計３用として２本のリード線の計４本のリード線が必要であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の方法は、接続すべき蓄電池の数が増えるとその個数ｎの４倍即ちｎ×４（本）のリード線を必要とし、蓄電池の内部抵抗により蓄電池の状態を監視しようとする場合にその結線が煩わしい等の問題があった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決する為に、交流電流を印加する為の定電流電源を複数個の蓄電池間に跨って印加すると共に、各蓄電池の内部抵抗を測定するための電圧計測用のリード線を、隣接する蓄電池間を接続する接続かんに接続することで、例えば直列接続された３個の蓄電池の各内部抵抗を測定する場合は、従来は３×４＝１２本必要であったものが、３＋３＝６本とリード線の本数を削減でき、結線作業を簡単なものとしたものである。
【０００５】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の一実施例を示す回路図である。多数の鉛蓄電池１が直接接続されている。この様な鉛蓄電池は電源装置の非常用電源として用いられる。この電源装置は、通常は商用電源を用いて負荷に電力が供給されるが、商用電源が停電等の場合に、該鉛蓄電池から必要により交流等に変換され負荷に電力を供給するものである。この場合に停電等の非常時に鉛蓄電池が必要な電力を供給し得るか否かを常時監視しているものである。その監視手段として内部抵抗を監視し、予め求められた内部抵抗と鉛蓄電池の残存容量の関係により、鉛蓄電池の残存容量を常時監視し、残存容量が低下し、所定の内部抵抗値を越えた場合に警報等により知らせ、鉛蓄電池の交換等促すものである。
【０００６】
本発明によれば、図１に示す通り、多数の直接接続された鉛蓄電池１の４個分にそれぞれ切換えて定電流を印加すべく交流電源２のリード線2-1，2-4が１個目の蓄電池1-1の一方の端子、例えばプラス極端子1ａと４個目の蓄電池1-4の他方の端子、例えばマイナス端子4ｂに接続されている。そして、各鉛蓄電池の各内部抵抗を測定すべく、交流電圧計３のリード線は、１個目の鉛蓄電池1-1のプラス端子1ａと１個目と２個目の鉛蓄電池1-1，1-2、２個目と３個目の鉛蓄電池1-2，1-3、３個目と４個目の鉛蓄電池1-3、1-4をそれぞれ接続した接続かん４，５，６の中央と、４個目の鉛蓄電池1-4のマイナス端子4ｂの計５本接続した。
【０００７】
そして、これら接続された各リード線には切替用スイッチを挿入し、交流電源のリード線２-１、２-４は交流電源２の一方および他方に接続され、１個目の鉛蓄電池１-１のプラス端子1aに接続された交流電圧計３のリード線と接続かん４、５、６に接続された交流電圧計３のリード線は交流電圧計３の一方に接続すると共に、接続かん４、５、６に接続された各リード線には各２本の分岐線を設け、これら各分岐線にも切替用スイッチをそれぞれ挿入し、該分岐線の一方は、４個目の鉛蓄電池１-４のマイナス端子４ｂに接続した交流電圧計３のリード線と共に交流電圧計３の他端に接続し、該分岐線の他方は交流電源２の一方に接続すると共に、該他方の分岐線は１個目と２個目の鉛蓄電池１-１，１-２を接続する接続かん４に接続されたもの以外の分岐線に更に第２の分岐線を接続し、この第２の分岐線にも切替用スイッチを挿入し、交流電源２の他方にそれぞれ接続した。図中、１０、１１は直列接続された多数の鉛蓄電池を負荷等へ接続するための接続線である。
【０００８】
この様に接続された測定回路により、各鉛蓄電池１の内部抵抗を測定する場合は、例えば、交流電源と接続された切替スイッチ8-1と８-6をオンし、３個の鉛蓄電池1-1，1-2，1-3に交流電源を印加し、１個目の鉛蓄電池1-1の内部抵抗を測定する場合は切替用スイッチ7-1と7-3をオンして１個目の鉛蓄電池1-1の内部抵抗による電圧低下分を交流電圧計３で計測して求める。２個目の鉛蓄電池の内部抵抗を測定する場合は、切替用スイッチ7-1，7-3をオフにし、切替用スイッチ7-2と7-5をオンに切替えることで計測できる。以下３個目の鉛蓄電池1-3の内部抵抗も同様に切替スイッチを切替えることで計測出来る。
【０００９】
次ぎに、４個目の鉛蓄電池1-4の内部抵抗を計測する場合は、交流電源に接続されたリード線の切替用スイッチ8-1と8-6をオフにし、切替用スイッチ8-2，8-7をオンに切替えることで、２個目の鉛蓄電池から４個目の鉛蓄電池に交流電源を印加し得、交流電圧計３のリード線の切替用スイッチ7-6と7-8をオンに切替えることで計測出来る。
【００１０】
上記実施例では、４個の鉛蓄電池を直列接続した場合を説明したが、多数の鉛蓄電池を直接した場合も同様に切替用スイッチの切替で各鉛蓄電池の内部抵抗を測定することが出来る。その際、交流電源の印加は１個目から３個目、４個目から６個目と順次切替えれば良いし、又、印加する蓄電池の数の３個ずつのみならず、２個ずつや４個ずつ等任意に出来るも、あまり多数になることは好ましくない。
【００１１】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、複数の蓄電池間に定電流を流す交流電源を接続すると共に、各蓄電池の交流電圧を計測する電圧計測用リード線を各蓄電池間を接続する接続かんに接続し、これらを順次切換えるようにしたので、用いるリード線の本数を減らすことが出来、蓄電池への結線作業を簡便になし得る等の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明一実施例の回路図
【図２】 従来の回路図
【符号の説明】
１…蓄電池
２…交流電源
３…交流電圧計
４、５、６…接続かん

Claims (1)

1. 直列接続された多数の蓄電池の各蓄電池の内部抵抗を測定する回路において、複数の蓄電池間に定電流を流す交流電源を接続すると共に、各蓄電池の交流電圧を計測する電圧測定用リード線を、多数接続された蓄電池の極性の異なる両端の端子に接続すると共に、各蓄電池間を接続する接続かんに夫々１本ずつ接続し、更に、接続かんに接続されたリード線に２本の分岐線を設け、一方の分岐線は接続かんに接続されたリード線と共に電圧測定用に用い、他方の分岐線には更に第２の分岐線を設けて交流電源に接続され、両端の端子および接続かんに接続された夫々のリード線および各分岐線に切替用スイッチを設け、これら切替用スイッチを順次切換えて定電流を流すべき複数の蓄電池を切り替えると共に各蓄電池の電圧を計測して内部抵抗を求めるようにしたことを特徴とする蓄電池内部抵抗測定回路。

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