JP4571082B2 - 試験装置 - Google Patents
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Description
図6は、従来の試験装置の構成例を示す図である。
図において、複数の電圧検出部30-1〜30-Nの入力には、共通の直流電源(図示されない。)の出力が接続される。電圧検出部30-1〜30-Nは個別に1対の試験端子(31-1p、31-1n)、…、(31-Np、31-Nn)を有し、これらの試験端子(31-1p、31-1n)、…、(31-Np、31-Nn)には、試料であるバッテリ40-1〜40-Nの個々の陽極端子および陰極端子が接続される。電圧検出部30-1〜30-Nの出力は試験制御部50の対応する入力に接続され、その試験制御部50の出力には、後述する計測結果が得られる。
このような構成の試験装置では、充電回路32-1〜32-Nは、直流電源から与えられる直流電力を所望の電圧Voの直流電力に変換することによって、負荷線(33-1p、33-1n)〜(33-Np、33-Nn)を介してバッテリ40-1〜40-Nにそれぞれ充電電流を供給する。
さらに、このような期間には、充電電流が流れる負荷線(33-1p、33-1n)〜(33-Np、33-Nn)の抵抗値およびバッテリ40-1〜40-Nの内部抵抗の値に比べて、A/D変換器35-1〜35-Nの入力インピーダンスが大幅に高いので、電圧測定線(34-1p、34-1n)〜(34-Np、34-Nn)の電圧降下は、バッテリ40-1〜40-Nの端子電圧がとり得る最小の値に比べて十分に小さな値に抑えられる。したがって、バッテリ40-1〜40-Nの端子電圧は、精度よく計測される。
なお、本発明に関連する先行技術としては、後述する特許文献1に記載されるように、二次電池の充放電路に直列に挿入された電流検出用抵抗を介して測定された充電電流または放電電流からその二次電池の内部インピーダンスを算出し、その内部インピーダンスに基づいてこの二次電池の電池電圧を補正することによって、充放電の有無や充放電電流の大小および電池の内部インピーダンスの影響を受けることなく、しかも、充放電を止めることなく適切な電池電圧制御を実現する「電池電圧測定装置」がある。
本発明の別の態様では、試験装置は、複数の電圧検出装置と、前記複数の電圧検出装置の動作を統括する制御手段とを備える。前記複数の電圧検出装置の各々は、電荷が蓄積された素子から、導線を介して行われる放電を間欠的に阻止する断続手段と、前記断続手段によって前記放電が阻止されている休止期間に、前記放電に用いられる負荷の電圧の計測を行い、前記計測の結果を前記素子の特性の確認の基準とする計測手段とを備える。前記制御手段は、前記複数の電圧検出装置の各々の前記休止期間を互いに重ならない異なる期間に設定する。前記複数の電圧検出装置の各々に備えられた前記計測手段は、前記複数の電圧検出装置の数より少ない数のハードウエアを共用して前記計測を行う。
このような期間には、前記導線を介して行われる前記素子への充電が阻止されているために、その導線の電圧降下は、計測された電源の出力端の電圧に含まれない。
したがって、前記素子の端子電圧は、前記導線とは別に設けられた導線を介して計測されないにもかかわらず、前記電源の出力端の電圧として精度よく検出され、その素子の充電に応じた特性を評価するための有効な基準となる。
本発明に関連する第二の技術の電圧検出装置では、断続手段は、電荷が蓄積された素子から、導線を介して行われる放電を間欠的に阻止する。計測手段は、前記断続手段によって前記放電が阻止されている期間に、前記放電に用いられる負荷の電圧の計測を行い、前記計測の結果を前記素子の特性の確認の基準とする。
したがって、前記素子の端子電圧は、前記導線とは別に設けられた導線を介して計測されないにもかかわらず、前記負荷の電圧として精度よく検出され、その素子の放電に応じた特性を評価するための有効な基準となる。
すなわち、計測手段によって計測される電源の電圧または負荷の電圧には、充電や放電が阻止されている期間における前記素子の状態の変化に応じた大きな誤差が含まれない。
本発明に関連する第四の技術の電圧検出装置では、断続手段は、電荷を蓄積可能な素子に対し、導線を介して行われる充電を間欠的に阻止する。計測手段は、前記断続手段によって前記充電の阻止が解除されている第一の期間と前記充電が阻止されている第二の期間とに、前記充電を行う電源の出力端における第一の電圧と第二の電圧との計測をそれぞれ行う。算出手段は、前記第一の電圧と第二の電圧との差を求め、前記第一の期間の後に前記充電の阻止が解除される第一の期間に前記計測によって計測された第一の電圧と、前記差との差分を前記素子の特性の確認の基準とする。
したがって、前記素子の端子電圧は、前記導線とは別に設けられた導線を介して計測されないにもかかわらず、前記差分として精度よく検出され、その素子の充電に応じた特性を評価するための有効な基準となる。
すなわち、前記差分は、充電時に前記素子に供給される電流が大幅に変化した場合であっても、その電流の変動分に応じた誤差が含まれることなく求められる。
本発明に関連する第六の技術の電圧検出装置では、断続手段は、電荷が蓄積された素子から、導線を介して行われる放電を間欠的に阻止する。計測手段は、前記断続手段によって前記放電の阻止が解除されている第一の期間と前記放電が阻止されている第二の期間とに、前記放電に用いられる負荷の端子における第一の電圧と第二の電圧との計測を行う。算出手段は、前記第一の電圧と第二の電圧との差を求め、前記第一の期間の後に前記放電の阻止が解除される第一の期間に前記計測によって計測された第一の電圧と、前記差との差分を前記素子の特性の確認の基準とする。
したがって、前記素子の端子電圧は、前記導線とは別に設けられた導線を介して計測されないにもかかわらず、前記差分として精度よく検出され、その素子の放電に応じた特性を評価するための有効な基準となる。
すなわち、前記差分は、放電時に前記素子から流れ出す電流が大幅に変化した場合であっても、その電流の変動分に応じた誤差が含まれることなく求められる。
本発明に関連する第八の技術の電圧検出装置では、第四ないし第七の技術の何れかの電圧検出装置において、前記計測手段は、前記第二の期間の内、前記素子の端子電圧が変化する幅が所定の上限値以下に抑えられる期間に前記計測を行う。
したがって、第四ないし第七の技術の電圧検出装置が用いられる場合に比べて、充電や放電に応じた素子の特性の評価が精度よく実現される。
すなわち、前記複数の電圧検出装置を介して充電または放電が行われる素子の数が多い場合であっても、これらの素子の端子電圧は、充電路や放電路となる導線以外の導線を介することなく精度よく推定される。
本発明に関連する第十の技術の試験装置では、第九の技術の試験装置において、前記制御手段は、前記複数の電圧検出装置による充電または放電が阻止される期間を互いに重ならない異なる期間に設定する。前記複数の電圧検出装置に備えられた計測手段は、前記複数の電圧検出装置の数より少ない数のハードウエアを共用して前記計測を行う。
したがって、第九の技術の試験装置に比べて、ハードウエアの規模や消費電力の削減が図られ、かつ低廉化が可能となる。
また、搭載される素子の充電時や放電時における特性の確認や評価が本発明にかかわる電圧検出装置によって行われる装置あるいはシステムは、性能および信頼性が維持されつつ低廉化が図られる。
〔第一の実施形態〕
図1は、本発明の第一および第二の実施形態を示す図である。
本発明の第一および第二の実施形態の構成は、図1に示すように、電圧検出部10-1〜10-Nが既述の電圧検出部30-1〜30-Nに代えて備えられ、試験制御部12が試験制御部50に代えて備えられ、さらに、その試験制御部12の第1ないし第Nの制御用出力が上述して電圧検出部10-1〜10-Nの制御入力にそれぞれ接続された点で、図6に示す従来例の構成と異なる。
なお、電圧検出部10-2〜10-Nの構成については、電圧検出部10-1の構成と同じであるので、ここでは説明を省略し、以下では、これらの電圧検出部10-2〜10-Nの対応する構成要素の符号には、第一の添え文字として「2」〜「N」を付することとする。
以下、図1および図2を参照して本発明の第一の実施形態の動作を説明する。
試験制御部12は、所定の周期Tで数ミリ秒のパルス幅tのパルス信号を充電回路11-1〜11-Nに並行して与える。なお、以下では、電圧検出部10-1〜10-Nに共通の事項については、各構成要素の符号に付加される第一の添え文字として、「1」〜「N」の何れにも該当することを意味する「C」を用いて記述する。
試験制御部12は、上述した残存休止期間の内、既述の変化率が所定の上限値以下に抑えられる期間(図2(5))(以下、「計測期間」という。)にA/D変換器35-1〜35-Nが並行して測定した測定点の電圧を収集し、バッテリ40-1〜40-Nの特性の確認や評価に適した所定の形式の計測結果を生成する。
したがって、本実施形態によれば、電圧測定線(34-1p、34-1n)〜(34-Np、34-Nn)が備えられなくても、多数のバッテリの特性の確認および評価がこれらのバッテリの端子電圧に基づいて精度よく実現され、かつ低廉小型化に併せて実装性の向上が図られる。
〔第二の実施形態〕
本実施形態では、試験制御部12は、既述の第1ないし第Nの制御用出力に代わる制御入出力を有し、かつ電圧検出部10-1〜10-Nは既述の制御入力に代わる制御用入出力を有する。
以下、図1および図3を参照して本発明の第二の実施形態の動作を説明する。
試験制御部12は、充電期間にバッテリ40-Cに供給される充電電流の変動分が所定の上限値を上回ることがない程度に短く既述のパルス信号の周期Tを設定する。
さらに、充電期間には、充電回路11-Cは、充電電流の値Ioを計測して試験制御部12に通知する。
休止期間には、充電回路11-Cは、上述した充電電流の供給を停止する。
また、試験制御部12は、残存休止期間の内、バッテリ40-Cの端子電圧Vs′が先行する充電期間におけるバッテリ40-Cの端子電圧Vsにほぼ等しいと見なすことが可能な期間に、既述の計測期間を設定する。このような計測期間には、先行する充電期間に充電電流に応じて生じていた負荷線33-Cp、33-Cnの電圧降下(上式(1) の右辺の第二項に相当する。)が生じない。したがって、充電回路11-Cの出力端(測定点C)の電圧Vo′は、上述した端子電圧Vs′をVsと見なすことによって上式(1) から得られる下式(2) で与えられる。
したがって、充電期間と、その充電期間の後に続く残存休止期間とにおける測定点の電圧の差δは、これらの充電期間と残存休止期間とにおける負荷電流Ioの変動が十分に小さい場合には、上式(1)、(2) から明らかなように、下式に示される一定の値と見なすことが可能である。
試験制御部12は、時系列の順に新たな充電期間が識別される度に、充電回路11-1〜11-Nの出力端(測定点1〜測定点N)の全てについて下記の処理を上述した前提の下で行う。
(1) 最新の充電期間と、この最新の充電期間の後の残存休止期間とにおける測定点Cの電圧Vo、Vo′をA/D変換器35-Cを介して計測する(図3ステップS1)。
(2) これらの測定点の電圧Vo、Vo′に基づいて、上式(3) で示される差δを算出する(図3ステップS2)。
(3) 最新の充電期間と、その最新の充電期間に先行する充電期間(以下、「先行充電期間」という。)とにそれぞれ充電回路11-Cによって通知された充電電流の差ΔIを求め、その差ΔIの絶対値|ΔI|と、所定の閾値thとを比較する(図3ステップS3)。
(4) この絶対値|ΔI|が閾値th未満である場合には、上記(1) に既述の残存休止期間の後の充電期間に計測された測定点の電圧voに対して下式で示される算術演算を行うことによって、バッテリ40Cの端子電圧Vsを求める(図2ステップS4)。
=vo−Vo+Vo′ ・・・(4)
(5) 反対に、上述した絶対値|ΔI|が閾値th以上である場合には、上式(4) に代わる下式(5) で示される算術演算を行うことによって、バッテリ40-Cの端子電圧Vsを求める(図2ステップS5)。
=vo−Vo+Vo′−ΔI×Rs ・・・(5)
(6) このようにして求められた端子電圧Vsを収集し、これらの端子電圧に基づいてバッテリ40-1〜40-Nの特性の確認や評価に適した所定の形式の計測結果を生成する(図2ステップS6)。
なお、本実施形態では、既述の充電電流の差ΔIが無視できる程度に小さな値であり続ける場合には、試験制御部12によって行われる既述の処理(図3ステップS3、S5)が行われなくてもよい。
〔第三の実施形態〕
図4は、本発明の第三の実施形態を示す図である。
図5は、本発明の第三の実施形態の動作タイムチャートである。
以下、図4および図5を参照して本発明の第三の実施形態の動作を説明する。
充電回路32-Cは、そのパルス信号Cの論理値が「1」である充電期間C(図5(1))には、直流電源から与えられる直流電力を既述の電圧Voの直流電力に変換することによって、負荷線33-Cp、33-Cnを介してバッテリ40-Cに充電電流を供給する。しかし、パルス信号Cの論理値が「0」である休止期間C(図5(2))には、充電回路32-Cは、上述した充電電流の供給を停止する。さらに、休止期間Cには、バッテリ40-Cの端子電圧は、先行する充電期間に充電電流に応じて生じていたそのバッテリ40-Cの内部抵抗および負荷線33-Cp、33-Cnによる電圧降下が発生しないために、測定点Cの電圧は、急激に降下する(図5(3))。しかし、さらに後続する残存休止期間Cには、バッテリ40-Cの端子電圧は、そのバッテリ40-Cの特性および内部の状態の変化に応じて徐々に大きな変化率で高くなる(図5(4))。
このようにして試験制御部21によって収集される測定点Cの電圧は、バッテリの内部抵抗および負荷線33-Cp、33-Cnによる電圧降下が生じない残存休止期間の内、上述した変化率が十分に小さい期間に計測される。
しかし、このようなA/D変換器23の共用は、既述の第二の実施形態における測定点1〜測定点Nの電圧の測定に用いることも可能である。
また、上述した各実施形態では、測定点(測定点1〜測定点N)の電圧がA/D変換器23を介して測定されている。
さらに、上述した各実施形態では、試験制御部12(21)は、電圧検出部10-1〜10-N(20-1〜20-N)の全てに接続された1つの処理装置として構成されている。
しかし、充電回路11-1〜11-Nに電圧変換を実現するスイッチング制御部が備えられる場合には、試験制御部12(21)は、例えば、これらのスイッチング制御部による分散処理系として構成されてもよい。
さらに、上述した各実施形態では、既述の周期T、パルス幅tおよび残存休止期間の詳細な設定の方法が開示されていない。
また、上述した各実施形態では、測定点が充電回路11-1〜11-Nの出力に設定されている。
さらに、上述した各実施形態は、充電時におけるバッテリの特性の確認や評価のみを実現する試験装置として構成されている。
また、上述した各実施形態は、バッテリ40-1〜40-Nが如何なる電子機器にも搭載されていない状態で、これらのバッテリ40-1〜40-Nの充電時における特性の確認や評価を専ら行う試験装置として構成されている。
さらに、このようなバッテリ40-1〜40-Nに限定されず、例えば、コンデンサのように充電や放電の対象となる電荷を蓄積可能な多用な素子の特性の確認および評価にも、本発明は適用可能である。
11,32 充電回路
12,21,50 試験制御部
22 電子リレー
23,35 A/D変換器(A/D)
31 試験端子
33 負荷線
34 電圧測定線
40 バッテリ
Claims (3)
- 複数の電圧検出装置と、
前記複数の電圧検出装置の動作を統括する制御手段とを備え、
前記複数の電圧検出装置の各々は、
電荷を蓄積可能な素子に対し、導線を介して行われる充電を間欠的に阻止する断続手段と、
前記断続手段によって前記充電が阻止されている休止期間に、前記充電を行う電源の出力端の電圧の計測を行い、前記計測の結果を前記素子の特性の確認の基準とする計測手段とを備え、
前記制御手段は、
前記複数の電圧検出装置の各々の前記休止期間を互いに重ならない異なる期間に設定し、
前記複数の電圧検出装置の各々に備えられた前記計測手段は、
前記複数の電圧検出装置の数より少ない数のハードウエアを共用して前記計測を行う
ことを特徴とする試験装置。 - 複数の電圧検出装置と、
前記複数の電圧検出装置の動作を統括する制御手段とを備え、
前記複数の電圧検出装置の各々は、
電荷が蓄積された素子から、導線を介して行われる放電を間欠的に阻止する断続手段と、
前記断続手段によって前記放電が阻止されている休止期間に、前記放電に用いられる負荷の電圧の計測を行い、前記計測の結果を前記素子の特性の確認の基準とする計測手段とを備え、
前記制御手段は、
前記複数の電圧検出装置の各々の前記休止期間を互いに重ならない異なる期間に設定し、
前記複数の電圧検出装置の各々に備えられた前記計測手段は、
前記複数の電圧検出装置の数より少ない数のハードウエアを共用して前記計測を行う
ことを特徴とする試験装置。 - 請求項1または請求項2に記載の試験装置において、
前記複数の電圧検出装置の各々に備えられた前記計測手段は、
前記休止期間の内、前記素子の端子電圧が変化する幅が所定の上限値以下に抑えられる期間に前記計測を行う
ことを特徴とする試験装置。
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JP2003121512A (ja) * | 2001-10-09 | 2003-04-23 | Furukawa Battery Co Ltd:The | 蓄電池内部抵抗測定回路 |
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