本発明の実施の一形態(第一の実施の形態)について、図1ないし図6に基づいて説明する。
図1は、セルフチェックアウト端末101を示す斜視図である。セルフチェックアウト端末101は、操作ブロックとしての登録操作ユニット201と、載置ブロックとしての秤ユニット301と、決済ブロックとしての決済操作ユニット401とが一つに集合して構成される。これらの各ユニットは連結されて、単一の全体ハウジング102を形成している。
登録操作ユニット201について、図1に基づいて説明する。登録操作ユニット201は、概ね直方体形状をした第1のハウジング202を有している。第1のハウジング202は、幅寸法に対し奥行き寸法を大きく形成されており、その前方側の上面には平坦面202aが形成され、その後方位置から上方に向けて立ち上がっていて前面側を向く斜面202bが形成され、後方側の上面にも平坦面202cが形成されている。この平坦面202cには、警告ポール209が立設されている。警告ポール209は、セルフチェックアウト端末101のエラー発生時、エラーの発生をその点滅等によって報知する。また、第1のハウジング202の左側側面には、顧客が購入しようとする商品コード入力前の商品を載置するための商品載置台207が突設されている。
登録操作ユニット201は、第1のハウジング202の前方側の平坦面202aに計量台203を配置するスケール(図示せず)を内蔵する。このスケールは、計量台203に載置された商品の重量を計量するために用いられる。また、第1のハウジング202の斜面202bには、平面ガラス状の読取面204aを介してコードシンボルを光学的に読み取る商品コード入力部としてのスキャナ204が配置されている。このコードシンボルは、商品を特定するための商品コードがシンボル化されたもので、店舗で販売されている各商品に付されているものである。さらに、第1のハウジング202の斜面202bには、スキャナ204より上方に位置させて、ディスプレイ205も配置されている。このディスプレイ205は、例えば液晶表示装置であり、その表示面にはタッチパネル206が積層配置されている。ディスプレイ205及びタッチパネル206は、セルフチェックアウト端末101の使用者がセルフチェックアウト端末101に対する操作を行うためのユーザインタフェイスとして機能する。
次いで、秤ユニット301について、図1に基づいて説明する。秤ユニット301は、略直方体形状をした第2のハウジング302を有していて、登録操作ユニット201に横並びで配置されている。第2のハウジング302の奥行き寸法は、登録操作ユニット201の第1のハウジング202の奥行き寸法の略半分程度である。第2のハウジング302の高さ寸法は、第1のハウジング202よりも小さく形成されており、より詳細には、第1のハウジング202の前方側の平坦面202aの高さ寸法の略半分程度である。
秤ユニット301は、上面に、計量台303を備えている。計量台303には、登録操作ユニット201のスキャナ204でコードシンボルが読み取られることによって商品コードが入力された商品が載置される。すなわち、計量台303は、商品コード入力後の商品を載置するための商品載置部としての役割を果たす。また、この計量台303に載置された商品は、秤装置(図示せず)に計量される。秤装置は、第2のハウジング302に内蔵されており、計量台303に載置された商品の重量を計量してその測定値を出力する。出力された測定値は、この商品の重量がスキャナ204で読み取られた商品の重量と一致するかどうかを判定する重量チェック処理のために用いられる。重量チェック処理は、秤ユニット301に内蔵されるコンピュータ構成のコントローラ(図示せず)が実行する。このコントローラは、セルフチェックアウト端末101の各部の制御も司る。
計量台303の上面には、買物袋保持部としての右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bが対向配置して設けられている。図1中、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bには、買物袋651が開口状態で取り付けられている。右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bの構造の詳細については、図4に基づいて後述する。
次いで、決済操作ユニット401について、図1に基づいて説明する。決済操作ユニット401は、秤ユニット301の後ろ側に並べて前後方向に連結した状態で使用されるものである。決済操作ユニット401は、背が高い直方体形状を有する第3のハウジング402を有している。ここで、本実施の形態の第3のハウジング402は、特許請求の範囲に言うところの「ハウジング」に相当する。この第3のハウジング402の高さ寸法は、秤ユニット301の第2のハウジング302よりも大きく形成されている。また、第3のハウジング402の幅寸法は、秤ユニット301の第2のハウジング302の幅寸法と同一である。また、第3のハウジング402の奥行き寸法は、秤ユニット301と決済操作ユニット401とが連結された状態の奥行き寸法が登録操作ユニット201の奥行き寸法と略一致するよう設定されている。
決済操作ユニット401の第3のハウジング402は、前面側が開口しており、そこには開口部450(図2及び図3参照)が設けられている。そして、第3のハウジング402の前面には、開口部450を開閉するフロントパネル404が配置されている。フロントパネル404は、第3のハウジング402に垂直軸回りに回動自在に取り付けられていて、開口部450を開閉する。
第3のハウジング402の内部には、硬貨入出金装置405(図2参照)が第3のハウジング402の内部右側に、紙幣入出金装置406(図3参照)が第3のハウジング402の内部左側下方に、レシートプリンタ(図示せず)が第3のハウジング402の内部左側上方に、それぞれ内蔵されて配置されている。そして、フロントパネル404は、硬貨入出金装置405と紙幣入出金装置406とレシートプリンタとを別々に覆い隠すよう、三つのパネルによって構成されている。より詳細に言えば、フロントパネル404は、硬貨入出金装置405の前方に位置付けられる第1のフロントパネル404aと、紙幣入出金装置406の前方に位置付けられる第2のフロントパネル404bと、レシートプリンタ(図示せず)の前方に位置付けられる第3のフロントパネル404cとにより構成されていて、これらはいずれも、第3のハウジング402に垂直軸周りに回動開閉自在に取り付けられている。また、第1のフロントパネル404a、第2のフロントパネル404b及び第3のフロントパネル404cにはそれぞれ錠419a、419b及び419cが設けられており、鍵(図示せず)で施錠することができるようになっている。
図2は、第1のフロントパネル404aのみが開かれ硬貨入出金装置405が引き出された状態の決済操作ユニット401の一部を示す斜視図である。第3のハウジング402に内蔵されている硬貨入出金装置405は、縦型リサイクル式のもので、商品コード入力後の商品の現金決済のうち硬貨による決済を担当する。この硬貨入出金装置405は、いずれも縦方向に細長い形状を有し横並びに隣接する硬貨収納機405a及び硬貨リフタ405bと、硬貨収納機405aの下方に位置付けられる金庫405cとにより構成されている。
硬貨収納機405aは、硬貨入金口407を上端に有しており、この硬貨入金口407から入金された硬貨の金種や正偽を判別して、偽貨を収納することなく硬貨出金口408(後述)から排出するとともに、硬貨を金種別に振り分けて収納する。このような金種判別及び正偽判別を行うため、硬貨入金口407には硬貨を一枚ずつ入金することが推奨される。そのような事情から、硬貨入出金装置405に設けられている硬貨入金口407は、硬貨の複数枚の一括投入を許容せず、硬貨の一枚ずつの入金を許容するよう、小さく開口形成されている。硬貨収納機405aに硬貨が満杯に収納されている場合、新たに硬貨入金口407から入金された硬貨は、金庫405cに落下して収納される。
硬貨リフタ405bは、硬貨収納機405aに収納されている硬貨を上端まで持ち上げて、硬貨リフタ405bの上部に設けられた硬貨出金口408からその硬貨を払い出す。硬貨リフタ405bは、モータの駆動により回転するローラ対を有している。このローラ対のそれぞれには搬送ベルトが張力をもって掛け渡されていて、搬送ベルト対は硬貨を挟持できる間隔に離間して並行に設けられている。そして、硬貨リフタ405bでは、硬貨収納機405aから送り出されて搬送ベルト対の間に挟み込まれた硬貨が、モータの駆動によって持ち上げられて、硬貨出金口408に払い出される。
このような硬貨収納機405a、硬貨リフタ405b及び金庫405cにより構成される硬貨入出金装置405には、レール体451が、決済操作ユニット401の前面から奥に向かって水平に取り付けられている。また、第3のハウジング402の内部には、このレール体451に嵌合される形状のレール受部(図示せず)が取り付けられている。レール受部は、硬貨入出金装置405に取り付けられたレール体451に嵌合されることで硬貨入出金装置405を支持し、この硬貨入出金装置405を、開口部450を通過させて決済操作ユニット401の前面方向に引出収納自在にする。
硬貨入出金装置405の上方には、入金用硬貨ガイド452と出金用硬貨ガイド453とが取り付けられている。入金用硬貨ガイド452は、第1のフロントパネル404aの上方位置に設けられている硬貨の一枚分の通過を許容する大きさに縦長に開口形成された硬貨スリット407aと、硬貨入出金装置405の硬貨入金口407とを連絡し、硬貨スリット407aから入金された硬貨を硬貨入金口407に導く。また、出金用硬貨ガイド453は、第1のフロントパネル404aにおいて硬貨スリット407aよりも下方位置に設けられている受皿408aと、硬貨入出金装置405の硬貨出金口408とを連絡し、硬貨出金口408から排出された硬貨を受皿408aに払い出す。
また、図2中、入金用硬貨ガイド452の上方に設けられているのは、硬貨フィーダ501である。硬貨フィーダ501は、複数枚の硬貨を一括投入可能な硬貨受入部502を有し、この硬貨受入部502に投入された硬貨を一枚ずつ分離して入金用硬貨ガイド452に送り出す装置である。店員は、第1のフロントパネル404aを開けて、開口部450を通過させて硬貨入出金装置405を第3のハウジング402から引出し、この硬貨フィーダ501の硬貨受入部502に複数枚の硬貨を一括投入することで、第1のフロントパネル404aを閉めたまま硬貨スリット407aから硬貨を一枚ずつ投入するよりも効率的に、硬貨入出金装置405にお釣りとなる硬貨を補充することができる。
図3は、第2のフロントパネル404bのみが開かれた状態の決済操作ユニット401の一部を示す斜視図である。第3のハウジング402に内蔵されている紙幣入出金装置406は、縦型リサイクル式のものであり、商品コード入力後の商品の現金決済のうち紙幣による決済を担当する。紙幣入出金装置406は、上から順に、紙幣入金口409及び液晶表示部414を有する紙幣入金ユニット415、リサイクル庫417、紙幣出金口410を有する紙幣出金ユニット416、金庫418が配列されて構成されている。リサイクル庫417及び金庫418は、前面方向に引出収納自在となるように第3のハウジング402に取り付けられている。紙幣入金ユニット415の紙幣入金口409は、第2のフロントパネル404bの上方位置に設けられた紙幣スリット409aに連絡されている。紙幣出金ユニット416に設けられた紙幣出金口410は、第2のフロントパネル404bの紙幣スリット409aの下方に設けられた紙幣払出口410aに連絡されている。
また、レシートプリンタ(図示せず)は、第3のハウジング402の左側上方で、第3のフロントパネル404cによってのみ覆われる位置に内蔵されている。そして、レシートプリンタから発行されたレシート(図示せず)は、第3のフロントパネル404cに設けられたレシート排出口412aから排出される。
また、第1のフロントパネル404aで受皿408aの下方に取り付けられているのは、クレジットカード(図示せず)による決済を行うためのクレジットカード決済端末420である。このクレジットカード決済端末420は、商品コード入力後の商品のクレジットカードによる決済を担当する。
図2及び図3に示すように、決済操作ユニット401の第3のハウジング402の前面の開口部450は、開口部下端が秤ユニット301に隠されないよう計量台303の高さ位置よりも僅かに高い位置とし、開口部上端が第3のハウジング402の上面より僅かに低い高さ位置となるよう、この決済操作ユニット401の前面一杯に開口している。そして、その開口部450を覆い隠すように、フロントパネル404が決済操作ユニット401の第3のハウジング402の前面全体に設けられている。そして、図2及び図3では、図1とは異なり、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bが秤ユニット301の計量台303の上面に倒された状態にある様子が示されている。これは、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bが立設状態のままだと、フロントパネル404が回動できないからである。
再び図1を参照して、秤ユニット301と決済操作ユニット401との関係について述べる。秤ユニット301の計量台303の上面に設けられる右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bは、商品を収納可能な買物袋651をセットするために用いられる。右側袋掛部材306aは、第1のフロントパネル404aの前方に設けられている。左側袋掛部材306bは、第2のフロントパネル404bの前方に設けられている。そして、右側袋掛部材306aと左側袋掛部材306bとは、秤ユニット301の計量台303に対向配置して設けられており、その間には商品載置空間308が形成されている。
右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bはいずれも、複数本のワイヤ309が折り曲げられたり溶接されたりして形成されている。これらの右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bの上部には、いずれも、買物袋651に設けられた一対の把手652を引っ掛けて買物袋651を開口状態に保持する保持機構としての引掛け部307a及び307bが形成されている。買物袋651は、立設状態にある右側袋掛部材306aの引掛け部307a、及び、立設状態の左側袋掛部材306bの引掛け部307bのそれぞれに把手652が引っ掛けられることで、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bに開口状態で保持されて商品載置空間308に位置付けられる。
ここで、図1に示すように、買物袋保持部としての右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bが立設状態にある場合、店員が錠419a及び419bを開錠して第1のフロントパネル404aや第2のフロントパネル404bを回動しても開口部450を開放することができない。これは、第1のフロントパネル404aや第2のフロントパネル404bが回動すると、右側袋掛部材306aや左側袋掛部材306bに干渉するためである。計量台303でこのような位置に右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bが取り付けられているのは、顧客が購入しようとする商品のチェックアウト作業を行っている間のみ買物袋651が開口状態で取り付けられていれば十分であり、この間に店員がフロントパネル404を開放して第3のハウジング402内の硬貨入出金装置405や紙幣入出金装置406から紙幣や硬貨を回収したり、これらの装置に対しお釣りとなる紙幣や硬貨を補充したり、これらの装置に対するメンテナンスを行ったりすることが想定されないためである。また、フロントパネル404を回動して開口部450を開放する場合、買物袋651が右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bに取り付けられることは想定されない。このようなことから、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、買物袋651を開口状態で位置付けるための専用の空間と、フロントパネル404を回動するために必要となる専用の空間とを独自に設けることなく、秤ユニット301の計量台303の上方空間を買物袋651を開口状態で位置付ける用途とフロントパネル404を回動するための用途とで共用させることで、セルフチェックアウト端末101の大きさを小さくし、店舗におけるセルフチェックアウト端末101の設置面積の縮小化を図っている。
図4は、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bが退避位置に位置付けられた状態の秤ユニット301を示す斜視図である。本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、右側袋掛部材306aや左側袋掛部材306bは、第1のフロントパネル404a及び第2のフロントパネル404bの開閉に干渉しない退避位置まで変位自在に秤ユニット301に取り付ける第1取付機構としての下部機構701が備わっている。この下部機構701により、右側袋掛部材306aや左側袋掛部材306bを退避位置に位置付けることが可能になり、第1のフロントパネル404a、第2のフロントパネル404bを回動させて開口部450を開放することができるようになる。
本実施の形態における下部機構701は、右側袋掛部材306aや左側袋掛部材306bを、秤ユニット301の計量台303に当接するまで回動自在に計量台303に取り付ける下部機構701である。
図5は、下部機構701を示す分解斜視図である。下部機構701は、金属製の円錐台形状の基部702を基礎とする。基部702の底面は、計量台303に形成された凹部304を覆う位置で、溶接等によって計量台303の上面に取り付けられる。基部702と計量台303との間には、凹部304に収納させて、下方から順にスプリング703、進退部材704が配置される。スプリング703は、進退部材704の下面に接触して進退部材704を上方に付勢する。進退部材704は、上面に突起705が設けられており、この突起705のみが基部702の上面から突出する(図6参照)。つまり、基部702の上面には、突起705のみを通過させ進退部材704の抜け止めを塞ぐ形状の抜け止め孔706(図6参照)が設けられている。
基部702の上面には、平面視U字形状のシャフト受け707が突出している。シャフト受け707の対向する両側面には、シャフト708が貫通可能なシャフト孔709が形成されている。シャフト受け707の内側には、右側袋掛部材306aや左側袋掛部材306bを構成するワイヤ309が位置付けられる。ワイヤ309は、端部に進退部材704の突起705が嵌合可能な嵌合孔310が形成されており、また、側面にはシャフト708が遊嵌可能に形成された長尺の遊嵌孔311が貫通されている。そこで、ワイヤ309は、嵌合孔310が基部702の上面から突出する進退部材704の突起705に嵌合され、遊嵌孔311がシャフト孔709に通されたシャフト708に貫通される向きに、シャフト受け707の内側に位置付けられる。このようにワイヤ309がシャフト受け707の内部に位置付けられた状態で、シャフト708がシャフト孔709を貫通し、そのシャフト708の両端にシール部材710が取り付けられてシャフト708の抜け止めが防がれることにより、ワイヤ309は計量台303に対し、シャフト708の軸回り方向に回動自在に取り付けられることになる。シャフト受け707は、U字形状に形成されており、このため、ワイヤ309は、シャフト受け707の開口側にのみ回動することができる。
基部702のテーパ部には、操作レバー711を挿入するための挿入孔712が形成されている。操作レバー711は、プラスチック等の弾性を有する素材で形成され、挿入孔712に挿入される先端部713と、先端部713が挿入孔712に挿入された状態で計量台303の上面に接触する接触部714と、上方に突出し操作者により操作される操作部715とを備えている。先端部713の下面側には、操作レバー711の先端部713が挿入孔712に挿入された際の抜け止めを防ぐ抜け止め突起716が設けられている。操作レバー711の先端部713が挿入孔712に挿入されると、その先端部713は進退部材704の側面に設けられた当接斜面717に当接し、操作レバー711の接触部714は計量台303の上面に接触した状態となる。操作レバー711の操作部715は、先端部713や接触部714から上方に立ち上がり、接触部714方向に曲げられて延出している箇所である。操作者は、この操作部715を押し込むことにより、先端部713を挿入孔712の奥側に押し込んで、進退部材704を下方に押し下げることができる。
図6は、下部機構701を示す断面図である。操作者が操作レバー711の操作部715を押下していない状態(図6(a))では、スプリング703は進退部材704を押し上げていて、進退部材704の上端の突起705は、基部702の上面の抜け止め孔706から上方に突出している。この突出した突起705は、鉛直方向に向けられているワイヤ309の嵌合孔310に嵌合し、ワイヤ309は立設状態に固定される。すなわち、操作レバー711が押下されていない状態では、右側袋掛部材306aや左側袋掛部材306bが立設状態となって買物袋651を取り付け可能になり、かつ、フロントパネル404の開閉に干渉する位置に位置付けられる。ここに、右側袋掛部材306aや左側袋掛部材306bを構成するワイヤ309の端部の嵌合孔310と、基部702の抜け止め孔706と、進退部材704の突起705とは、位置決め機構718を構成している。
操作者719が操作レバー711の操作部715を押下している状態(図6(b))では、操作レバー711の先端部713は、進退部材704の当接斜面717を下方に押し下げる。その結果、進退部材704の突起705は、基部702の上面の抜け止め孔706から下方に没してワイヤ309の嵌合孔310から外れ、右側袋掛部材306aや左側袋掛部材306bは自由に回動できるようになる。また、操作者719が操作レバー711の操作部715を押下すると、接触部714は計量台303の上面に接触して撓んだ状態となる。そして、操作者719が操作レバー711の操作部715の押下を止めると、接触部714はその弾性により元の形状に戻ろうとし、先端部713を図6(a)に示す位置に復帰させる。その結果、スプリング703は進退部材704を押し上げて進退部材704の突起705を基部702の抜け止め孔706に貫通させる。このように、操作レバー711は、操作者719の操作によって買物袋保持部としての右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bの回動変位を選択的にロック又はアンロックする操作機構としての役割を果たす。
以上のように構成される本実施の形態のセルフチェックアウト端末101を用い、顧客が行う、購入しようとする商品についてのチェックアウト作業の流れについて、図1に基づいて説明する。顧客は、購入しようとする商品を、例えば店舗側が用意している買物籠に入れ、これを商品載置台207に置き、一取引の開始を宣言するために、秤ユニット301が内蔵するコントローラ(図示せず)が行う処理によってディスプレイ205に表示される指示に従いタッチパネル206をタッチする。宣言後、顧客は、商品載置台207に置いた買物籠から商品を一品ずつ取り出してその商品に付されているバーコード等のコードシンボルをスキャナ204の読取面204aにかざし商品コードを読み取らせ、秤ユニット301の計量台303に載置する。コントローラは、個々の商品コードに対応させて単価と重量とを記憶する商品データファイル(図示せず)から、スキャナ204によって読み取られた商品コードに対応する単価と重量とを検索する検索処理を実行する。ここで、計り売り商品の場合、コントローラは、登録操作ユニット201に内蔵されているスケール(図示せず)の計量台203に商品を載せてその重量を計量し、検索処理で検索された単価と計量された重量とに基づいて金額を求める。続いて、コントローラは、スキャナ204による商品コードの読み取り後に秤ユニット301が内蔵する秤装置(図示せず)が出力する重量値が、検索処理によって取得した重量値又はスケールが計量した重量値と一致しているかどうかを判定する重量チェック処理を実行する。同一性を有していると判定した場合にのみ、コントローラは、読み取った商品コードと検索された単価とを含む商品情報を記憶部(図示せず)に記憶させる商品情報登録処理を実行する。
購入しようとする全ての商品についてその商品コードの読み取り操作を終了する場合、顧客は、ディスプレイ205に表示されている指示に従って、タッチパネル206をタッチすることによって一取引の終了を宣言する。コントローラは、この一取引の終了の宣言に伴い、顧客に向けた各種の決済方法の案内をディスプレイ205に表示する。顧客が現金による決済を行うことをタッチパネル206から宣言した場合、顧客は、ディスプレイ205に表示される案内に従い、購入商品の代金分の現金(紙幣や硬貨)を硬貨スリット407aや紙幣スリット409aから投入する。また、顧客がクレジットカードによる決済を行うことをタッチパネル206から宣言した場合、顧客は、ディスプレイ205に表示される案内に従い、クレジットカード決済端末420にクレジットカード(図示せず)の磁気情報を読み取らせる。コントローラは、現金の投入やクレジットカードの磁気情報の読み取りを通じて購入商品の決済を完了したと判定すると、レシートプリンタ(図示せず)を駆動制御してレシート(図示せず)をレシート排出口412aから印字発行させ、必要に応じて硬貨入出金装置405や紙幣入出金装置406を駆動しお釣りとしての硬貨や紙幣を受皿408aや紙幣払出口410aに払い出させる。顧客は、発行されたレシートや払い出されたお釣りとしての硬貨及び紙幣を受け取り、一取引を終了する。
このようなチェックアウト作業を顧客がなるべく少ない動きで完了できるよう、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、登録操作ユニット201よりも高さ寸法が小さく形成された秤ユニット301が登録操作ユニット201の右隣に横並びに配置されていて、その秤ユニット301の上面には、買物袋651を開口状態で保持できる右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bが設けられている。そして、顧客は、予め右側袋掛部材306aや左側袋掛部材306bに買物袋651を開口状態で取り付けておき、商品載置台207に買物籠を載置し、その買物籠からの商品を取り出して登録操作ユニット201のスキャナ204にかざす動きに沿って手を動かすことで、右側下方の位置する開口状態の買物袋651に商品コード入力後の商品を投入することができる。さらに、顧客は、商品コード入力後の商品を投入した買物袋651の上方に位置する硬貨スリット407a、紙幣スリット409a及びクレジットカード決済端末420を用いて、購入商品の決済を行うことができる。このように、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、登録操作ユニット201の横並び位置及び決済操作ユニット401の前方に買物袋651の設置用空間が確保されており、顧客による商品のチェックアウト作業の効率化を図ることができる。
以上のような顧客によるチェックアウト作業が繰り返され、硬貨入出金装置405や紙幣入出金装置406に収納された現金(紙幣や硬貨)が満杯になったり、お釣りとなる現金(紙幣や硬貨)が不足したりすると、セルフチェックアウト端末101に備わるコントローラは、警告ポール209を駆動して報知を行う。また、この報知は、セルフチェックアウト端末101にLANネットワーク(図示せず)を介して接続されている店舗内の店員用端末(図示せず)に報知信号を送信し、店員用端末のディスプレイにセルフチェックアウト端末101において現金回収すべき旨やお釣りとなる現金が不足している旨の情報が表示されることによってなされてもよい。また、セルフチェックアウト端末101に備わるコントローラは、セルフチェックアウト端末101内に収納されている機器に何かしらのエラーが発生した場合にも、このような報知を行う。そして、店員は、警告ポール209の駆動や店員用端末のディスプレイに示された情報を確認した場合、フロントパネル404を開錠するための鍵を携えて決済操作ユニット401に赴き、錠419a、419b及び419cを開錠して第3のハウジング402に内蔵された装置に対する作業を行う。硬貨入出金装置405に関しては、図3に示したように、前面方向に引き出すことも可能であり、店員はより一層容易に硬貨入出金装置405に対する硬貨回収や硬貨補充、保守メンテナンスを行うことができる。
本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、決済操作ユニット401に設けられたフロントパネル404は、三つのパネルによって構成され、それぞれ独立して回動させることができるため、店員は、例えば、第1のフロントパネル404aのみを開放させることで硬貨入出金装置405のみを露出させて作業を行うことができ、防犯性を高めることができる。
また、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、決済操作ユニット401の開口部450が前面側に設けられているため、店員は、セルフチェックアウト端末101の裏面側や側面側に回りこむことなく、紙幣入出金装置406や硬貨入出金装置405に対する紙幣や硬貨の回収及び補充の作業、これらの装置の保守メンテナンス作業等の、ハウジング内部の装置に対する作業を行うことができる。このため、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101は、店舗の壁際に配置することができ、店舗内空間の有効活用を図ることが可能になる。
そして、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、秤ユニット301の計量台303に設けられた右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bを、店員が操作レバー711の操作部715を操作して計量台303の上面に当接する位置まで回動することで、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bをフロントパネル404の開閉に干渉しない退避位置に位置付けることができる。すなわち、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、決済操作ユニット401の前方に位置し秤ユニット301の計量台303の上方空間は、顧客により商品のチェックアウト作業が行われる間では買物袋651の設置するための空間として活用されて顧客による商品のチェックアウト作業の効率化に役立つとともに、店員が第3のハウジング402内部の装置に対する作業を行う際にはフロントパネル404を開閉させるための空間として活用される。このため、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、決済操作ユニット401の前面の開口部450を大きく形成することが可能になり、従って、顧客による商品のチェックアウト作業の効率化と店員によるハウジング内部の装置に対する作業の効率化とを図ることができ、さらには、決済操作ユニット401の前方の空間領域を複数用途で活用することでセルフチェックアウト端末101の設置面積の縮小化を実現することができる。
次いで、本発明の別の実施の一形態(第二の実施の形態)について、図7及び図8に基づいて説明する。この場合、第一の実施の形態と同一の部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
図7は、秤ユニット301を示す斜視図である。本実施の形態の秤ユニット301の計量台303には、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bを取り付けるための取付板312が積層されている。そして、この取付板312と計量台303とは、計量台303の前方側の側面でヒンジ313によって回動自在に接続されている。つまり、本実施の形態では、取付板312とヒンジ313とが第2取付機構を構成し、買物袋保持部としての右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bを、秤ユニット301の前方位置まで回動可能に、秤ユニット301の幅方向に延びる水平軸回りに回動自在に秤ユニット301に取り付けている。
図8は、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bが退避位置に位置付けられた状態の秤ユニット301を示す斜視図である。本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bが計量台303に沿うように倒れこむのではなく、図8に示すように、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bを持ち上げて取付板312ごと秤ユニット301の前方に位置付けることで、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bをフロントパネル404の開閉に干渉させないようにすることができる。
本実施の形態のセルフチェックアウト端末101によっても、決済操作ユニット401の前方に位置し秤ユニット301の計量台303の上方空間は、顧客による商品のチェックアウト作業における買物袋651の設置用空間としても、店員が第3のハウジング402内部の装置に対する作業を行う際にフロントパネル404を開放するための空間としても活用され、顧客による商品のチェックアウト作業の効率化と店員によるハウジング内部の装置に対する作業の効率化とを図りつつ、セルフチェックアウト端末の設置面積の縮小化を実現することができる。さらに、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101によれば、第一の実施の形態における下部機構701(図5及び図6参照)のような複雑な構造の部品を用いることなく、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bを秤ユニット301に変位自在に取り付けることができる。
次いで、本発明の別の実施の一形態(第三の実施の形態)について、図9及び図10に基づいて説明する。この場合、第一の実施の形態及び第二の実施の形態と同一の部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
図9は、秤ユニット301を示す斜視図である。本実施の形態の右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bは、秤ユニット301の計量台303に、秤ユニット301の幅方向にスライド自在に取り付けられている。この右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bのスライド移動を実現しているのは、計量台303の上面に秤ユニット301の幅方向に向けられた一対のレール314である。レール314には、右側袋掛部材306aや左側袋掛部材306bを構成するワイヤ309の端部が嵌合できる形状の溝が長手方向に切られている。また、このワイヤ309の端部は、レール314の溝から抜けないよう抜け止めが施されている。すなわち、本実施の形態では、レール314が第3取付機構を構成し、買物袋保持部としての右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bの一方を他方に向けてスライド自在に、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bを秤ユニット301の計量台303に取り付けている。
図10は、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bをスライド移動させた状態の秤ユニット301を示す斜視図である。本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、店員が、右側袋掛部材306aを把持して左側袋掛部材306b寄りにスライド移動させることで、決済操作ユニット401の前面に設けられているフロントパネル404のうち右側に位置する第1のフロントパネル404aを回動して第3のハウジング402内に収納されている硬貨入出金装置405(図2参照)に対する作業を行うことができるようになる(図10(a))。
また、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101では、店員が、左側袋掛部材306bを把持して右側袋掛部材306a寄りにスライド移動させることで、決済操作ユニット401の前面に設けられているフロントパネル404のうち左側に位置する第2のフロントパネル404bを回動して第3のハウジング402内に収納されている紙幣入出金装置406(図3参照)に対する作業を行うことができるようになる(図10(b))。
本実施の形態のセルフチェックアウト端末101によっても、秤ユニット301の計量台303の上方空間は、顧客による商品のチェックアウト作業における買物袋651の設置用空間としても、店員が第3のハウジング402内部の装置に対する作業を行う際にフロントパネル404を開放するための空間としても活用され、顧客による商品のチェックアウト作業の効率化と店員によるハウジング内部の装置に対する作業の効率化とを図りつつ、セルフチェックアウト端末の設置面積の縮小化を実現することができる。さらに、本実施の形態のセルフチェックアウト端末101によれば、右側袋掛部材306a及び左側袋掛部材306bを動かす際には、第二の実施の形態のように大掛かりにならず、秤ユニット301の幅方向に力を加えるだけで十分であって、力の弱い店員にとっても作業が容易になる。