JP4916793B2 - 定量送液ポンプおよびそれを用いた薬液塗布装置 - Google Patents

定量送液ポンプおよびそれを用いた薬液塗布装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4916793B2
JP4916793B2 JP2006180806A JP2006180806A JP4916793B2 JP 4916793 B2 JP4916793 B2 JP 4916793B2 JP 2006180806 A JP2006180806 A JP 2006180806A JP 2006180806 A JP2006180806 A JP 2006180806A JP 4916793 B2 JP4916793 B2 JP 4916793B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
pump
syringe
liquid
bellows
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006180806A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008008232A (ja
Inventor
明 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saginomiya Seisakusho Inc
Original Assignee
Saginomiya Seisakusho Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saginomiya Seisakusho Inc filed Critical Saginomiya Seisakusho Inc
Priority to JP2006180806A priority Critical patent/JP4916793B2/ja
Publication of JP2008008232A publication Critical patent/JP2008008232A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4916793B2 publication Critical patent/JP4916793B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Reciprocating Pumps (AREA)

Description

本発明は、半導体分野、液晶分野等に用いられるレジスト液などの薬液を吐出する用途に好適な定量送液ポンプ、およびそれを用いた薬液塗布装置に関する。
従来より、液晶の製造方法においては、液晶ディスプレイ基板であるガラス基板上に、レジスト液を均等に塗布する工程があるが、従来は、回転による遠心力で膜厚の均一化を計るスピンコート式が主流であった。
しかしながら、近年では、液晶画面の大型化に伴い、液晶ディスプレイ基板(ガラス基板)のサイズも大きくなっている。
このような大型の液晶ディスプレイ基板に対して、最近では、製造時にレジスト液を塗布する方法として、基板を回転させずに、基板の上方から吐出ノズルを相対的に移動、走査させながら、細線状のレジスト液を連続的に吐出させることにより、1回の塗布工程で、所望の膜厚でレジスト液の塗布を行い薄膜を形成するいわゆる「スリッドコート(スピンレス)法」が採用されている。
このような塗布装置に使用されるレジスト液供給用のポンプ液晶ディスプレイ基板に対して、レジスト液を均一な膜厚で塗るために、吐出量などにおいて、正確性・繊細性及び平滑性に関して、非常に高い精度が要求されている。
そのため使用されるポンプには、減速機を付けるなどによって、高速でモータを回転させることによって、低振動・高分解能でポンプを作動させて、ポンプ吐出作動において精度が高くなるようにしている。
また、特許文献1(特開2002−257049号公報)では、ベローズポンプが開示されており、ポンプヘッドの内側にチューブフラムを内蔵し、このチューブフラムの内側にポンプ室、外側に非圧縮性の作動流体が封入された作動流体室を備え、この作動流体室に連通したシリンダのプランジャの基端側に、自動心出し機能を備えるように構成して、ポンプ吐出作動において精度が高くなるようにしている。
ところで、液晶ディスプレイ基板のサイズが大型化しているにもかかわらず、ガラス基板1枚のタクト時間(レジスト塗布)に関しては、従来1分以上であったものが、露光装置も含めた製造装置全般の技術革新やレジスト液の改良などもあって、最近では、40〜60秒まで、タクト時間を短縮することが要求されるようになっている。
しかしながら、2m近いガラス基板に均一な膜厚で正確に塗布するには、レジスト液供給用のポンプの塗布工程(吐出工程)に要する時間だけでも、40〜50秒かけないと難しい状況である。従って、図10に示したように、特許文献1のような従来のポンプでは、吐出工程と吸入工程からなるタクト時間が2倍かかってしまい、前述したようなタクト時間の短縮化に対応できないのが実情である。
このための対策としては、レジスト液供給用のポンプのレジスト液の吸入工程を、高速で行うといった手段もあるが、高速吸入するとレジスト液にマイクロバブルが発生してしまい、塗布不良の原因になるおそれがある。
また、前述したように、減速機を使ってモータを高速回転させている場合には、減速比
を落とすか減速機を外すかしないと高速吸入ができず、かえって、ポンプ吐出作動において精度が低くなってしまうことになる。
また、同型のポンプを2個並列で取り付けるといった手段もあるが、コストが高くなり、取り付けスペースが大きくなってしまうなどの問題がある。
このため、特許文献2(特許第3554115号公報)では、いわゆる「二連式チューブポンプ」が提案されている。
すなわち、図11に示したように、この特許文献2の二連式チューブポンプ100では、
相互に平行に配置された2つのチューブ102、104と、それぞれの外側に配置された2つのベローズ106、108とを備えたポンプ部110が形成されている。
そして、一方のベローズ106の小型ベローズ部116と、他方のベローズ108の大型ベローズ部114が、供給流路側に位置し、一方のベローズ106の大型ベローズ部112と、他方のベローズ108の小型ベローズ部118が、吐出流路側に位置している。このように2つのベローズ106、108が相互に逆向きに配置されている。
これにより、モータに連結された作動ディスク部120を、図11において、上方に移動させることによって、一方のベローズ106では、大型ベローズ部112が収縮して、小型ベローズ部116が伸長し、他方のベローズ108では、小型ベローズ部118が収縮して、大型ベローズ部114が伸長するので、一方のチューブ102は径方向に収縮し、他方の可撓性チューブ104は膨張するようになっている。
逆に、作動ディスク部120を、図11において、下方に移動させることによって、一方のチューブ102は径方向に膨張し、他方の可撓性チューブ104は収縮するようになっている。
これにより、モータに連結された作動ディスク部120の往動時と復動時との両方においてポンプ動作を行うことができ、連続して薬液を塗布ノズルから吐出することができるように構成されている。
また、特許文献3(実公平6−17012号公報)では、いわゆる「二連式ベローズポンプ」が提案されている。
すなわち、図12に示したように、この特許文献3の二連式ベローズポンプ200では、ポンプ本体202の左右両側部にベローズ204、206が設けられ、この両側のベローズ204、206の先端部に形成されたベローズヘッド208、210がセンターロッド212により連結されている。
そして、両側のベローズ204、206の内部にそれぞれ作動流体室214、216が設けられるとともに、両側のベローズヘッド208、210の外側に、圧送流体室218、220が設けられている。
これにより、両側の作動流体室214、216に交互に作動流体が、別途図示しない切り換え弁を介して、作動流体源が給排されて、両側のベローズ204、206が交互に伸縮されることにより、圧送流体室218、220の容積が変化されて、圧送流体の吸込および吐出が行われるように構成されている。
特開2002−257049号公報 特許第3554115号公報 実公平6−17012号公報
しかしながら、このような従来の特許文献2に開示されるような二連式チューブポンプ100では、作動ディスク部120を上下動させることによって、2つのベローズ106、108の小型ベローズ部116、118、大型ベローズ部112、114が、伸長、収縮することよって、チューブ102、104を膨張、収縮させる構成である。
従って、ベローズ106、108の変形にバラツキを生じることがあり、このため、チューブ102、104の膨張、収縮にバラツキが生じることになる。その結果、吐出圧力、吐出量にバラツキが生じて、正確で均一な塗布膜を形成することができないおそれがある。
また、特許文献3に開示されるような二連式ベローズポンプ200では、両側のベローズ204、206の内部に形成された作動流体室214、216に供給される作動流体の量、圧力に関しては、何ら考慮されていないものである。
従って、作動流体室214、216に供給される作動流体の量、圧力のバラツキによって、両側のベローズ204、206の変形にバラツキを生じることがあり、このため、圧送流体室218、220の容積の変化にバラツキが生じることになる。その結果、吐出圧力、吐出量にバラツキが生じて、正確で均一な塗布膜を形成することができないおそれがある。
本発明は、このような現状に鑑み、1サイクルの作動で、すなわち、1サイクルのピストンロッドの往復動で、2回分(ガラス基板2枚分)の塗布を行うことができ、タクト時間を短縮化することが可能であり、マイクロバブル発生等による塗布不良が発生せず、しかも、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布を行うことが可能な定量送液ポンプ、およびそれを用いた薬液塗布装置を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の定量送液ポンプは、
シリンジ本体内を軸方向に往復動するピストン部材と、
前記ピストン部材によって区画され、ピストン部材の移動に連動して、容積が相互に逆方向に増減する2つのシリンジ室と、
前記2つのシリンジ室にそれぞれ連結され、非圧縮性流体の作用によって作動する2つのポンプと、を備え、
前記ピストン部材を駆動装置により往復動させることで、2つのシリンジ室の容積を相互に逆方向に増減させて、2つのポンプの吸入工程と吐出工程とを相互に逆に行うように構成され、
前記ピストン部材に連結され、シリンジ本体を貫通して延び、ピストン部材を往復動させるピストンロッドと、
前記ピストンロッドの両端に連結され、ピストンロッドに連動するベローズを取り付けた液封入室を備え、
前記2つの液封入室は、連結管によって接続され、前記2つの液封入室内に収容した非圧縮性流体が、ピストンロッドの軸方向の移動に連動して相互に移動でき、容積が相互に逆方向に増減するように構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、ピストンロッドを介して、ピストン部材を往復動させることによって、シリンジ本体の2つのシリンジ室の容積が相互に逆方向に増減することになる。
従って、シリンジ本体の2つのシリンジ室にそれぞれ連結された2つのポンプが、吸入工程と吐出工程とを相互に逆に行うようになっている。
その結果、一方のポンプが吐出工程の時に、他方のポンプが吸入工程を行うため、図5の本発明の定量送液ポンプの作動状態に示したように、タクトを1/2に短縮することが可能で、1サイクルの作動で、すなわち、1サイクルのピストンロッドの往復動で、2回分(ガラス基板2枚分)の塗布を行うことができ、タクト時間を短縮化することが可能であり、しかも、吸入工程を高速で行う必要がないので、マイクロバブル発生等による塗布不良が発生しない。
また、シリンジ本体にピストン部材によって画成された2つのシリンジ室の容積が、ピストン部材の移動に連動して、相互に逆方向に増減するように構成し、この2つのシリンジ室の容積の増減に連動して、2つのシリンジ室とそれぞれ連結した2つのポンプの吸入工程と吐出工程とを相互に逆に行うように構成している。
また、シリンジ室の容積は、ピストンおよびシリンジ内径で規定され、それぞれ機械加工によって決定されるものであり、従来技術の定量送液ポンプのようなベローズ構造と異なり、作動による吐出量のバラツキの要因がほとんど存在しない。
従って、従来の二連式のポンプのように、ベローズの変形のバラツキによる吐出量、吐出圧力のばらつきが生じず、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布を行うことが可能である。
さらに、ピストンロッドの両端に連結され、ピストンロッドの軸方向の移動に連動して、容積が相互に逆方向に増減する2つのベローズで構成される液封入室が形成されている。
従って、シリンジ本体の2つのシリンジ室の外側がそれぞれ、非圧縮性液体を充填した空間で密閉されているので、シリンジ室内への外気の混入を防止することができる。また、シリンジ室内に充填した非圧縮性流体の容量が変化することがないので、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布を行うことが可能である。
また、これらの2つの液封入室内に収容した非圧縮性流体が相互に移動できるように、液封入室の間を連通する連結管で相互に連結されているように構成している。
従って、これらの2つの液封入室は、ベローズで構成されて、ピストンロッドにより伸縮することで、容積が相互に逆方向に増減する構成であるので容積変化がなく、容積変化に追従するための同じ容積の逃げ(液封入室であるベローズ室)を別途設置する必要がなく、構成が複雑とならず、コンパクトで、コストを低減することができる。
さらに、シリンジ室が対称的な構造であり、吸入工程と吐出工程で双方に同じ負荷がかかるため、シール部材からの液漏れの要因が少なくなり、負荷の片寄りがないため、耐久面で向上する。
また、本発明の定量送液ポンプは、
前記2つのポンプがそれぞれ、
前記シリンジ本体のシリンジ室に連通したポンプ駆動室と、
前記ポンプ駆動室と移動可能な隔壁によって画成されたポンプ室と、
前記ポンプ室に移送液が吸入される吸入口と、
前記ポンプ室から移送液が吐出される吐出口と、
を備え、
前記シリンジ本体の2つのシリンジ室の容積の増減によって、シリンジ室から、ポンプ駆動室内に流出入する非圧縮性流体によって、ポンプ駆動室の容積を増減させることで、2つのポンプ室の隔壁内容量を変える作用により、吸入口を介して移送液がポンプ室に吸入される吸入工程と、吐出口を介して、ポンプ室から移送液が吐出される吐出工程とを行うように構成したことを特徴とする。
このように構成することによって、駆動装置によって、ピストンロッドを介して、ピストン部材を往復動させることによって、シリンジ本体のシリンジ室の容積が増減し、これにともない、シリンジ本体のシリンジ室から、ポンプのポンプ駆動室内に流出入する非圧縮性流体の作用によって、隔壁が移動される。
これによって、ポンプ駆動室の容積を増減させて、吸入工程と吐出工程とを行うことができ、ポンプを介して、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布を行うことが可能である。
また、本発明の定量送液ポンプは、前記隔壁が、可撓性を有するチューブであり、チューブの内側に、ポンプ室が形成されるとともに、チューブの外側にポンプ駆動室が形成されていることを特徴とする。
具体的には、可撓性を有するチューブの材質としては、フッ素樹脂、例えば、PFAから構成するのが好ましい。
このように隔壁が、可撓性を有するチューブであり、チューブの内側に、ポンプ室が形成されるとともに、チューブの外側にポンプ駆動室が形成されているので、シリンジ本体のシリンジ室から、ポンプのポンプ駆動室内に流出入する非圧縮性流体の作用によって、チューブが正確に膨張、収縮して、吸入工程と吐出工程とを行うことができ、ポンプを介して、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布を行うことが可能である。
また、本発明の定量送液ポンプは、前記隔壁が、ベローズであり、ベローズの外側にポンプ室が形成されるとともに、ベローズの内側にポンプ駆動室が形成されていることを特徴とする。
具体的には、ベローズの材質としては、フッ素樹脂で構成するのが好ましい。
このように隔壁が、ベローズであり、ベローズの外側にポンプ室が形成されるとともに、ベローズの内側にポンプ駆動室が形成されているので、シリンジ本体のシリンジ室から、ポンプのポンプ駆動室内に流出入する非圧縮性流体の作用によって、ベローズが正確に伸長、収縮して、吸入工程と吐出工程とを行うことができ、ポンプを介して、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布を行うことが可能である。
また、本発明の定量送液ポンプは、前記連結管に、前記2つの液封入室内に収容した非圧縮性流体の合計容量を調整する容量調整機構を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、万一、シリンジ本体内に形成されたシリンジ室側から、非圧縮性流体が、液封入室側に漏れ出たとしても、その漏れの容積変化分を吸収する
ことができる。
また、本発明の定量送液ポンプは、前記容量調整機構が、前記2つの液封入室内に収容した非圧縮性流体の合計容量の増減によって、容量が増減する第3の液封入室であることを特徴とする。
このように構成することによって、万一、シリンジ本体内に形成されたシリンジ室側から、非圧縮性流体が、液封入室側に漏れ出たとしても、その漏れの容積変化分を液封入室で吸収することができる。
また、本発明の定量送液ポンプは、前記ピストン部材の外周部に、断面U字状の一対のシール部材がそれぞれ、そのU字の内面開口部側が、前記2つのシリンジ室にそれぞれ対向するように装着されていることを特徴とする。
すなわち、内面が加圧時に変形し、シール部の接触圧を大きくすることで、シール効果が高められるように構成されている。
このように構成することによって、ピストン部材の作動によりシリンジ室の液圧が高まると、シール部材のU字内面にシリンジ室の液圧が作用してシール部材を両外側へ押圧する。これにより、シール部材におけるU字の外側の両側面が、ピストン部材の外周部と、シリンジ本体の壁面との双方に密着するので、シリンジ室の液圧が高まる程シール性が高くなり、吐出時における高液圧下においても十分なシール性を確保することができる。
その結果、2つのシリンジ室の間で、非圧縮性流体が漏洩することがないので、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布を行うことが可能である。
また、本発明の定量送液ポンプは、前記シリンジ室と液封入室との間に、断面U字状の一対のシール部材がそれぞれ、そのU字の内面開口部側がシリンジ室と液封入室にそれぞれ対向するように装着されていることを特徴とする。
すなわち、内面が加圧時に変形し、シール部の接触圧を大きくすることで、シール効果が高められるように構成されている。
このように構成することによって、ピストン部材の作動によりシリンジ室の液圧が高まると、シリンジ室側に配置したシール部材のU字内面にシリンジ室の液圧が作用してシール部材を両外側へ押圧する。これにより、シール部材におけるU字の外側の両側面が、シリンジ室と液封入室との間のピストン部材に連結したピストンロッドの外周部と、シリンジ室と液封入室との間の隔壁を構成するシリンジ本体の壁面との双方に密着するので、シリンジ室の液圧が高まる程シール性が高くなり、吐出時における高液圧下においても十分なシール性を確保することができる。
逆に、ピストン部材の作動によりシリンジ室の液圧が負圧になると、液封入室側に配置したシール部材のU字内面にシリンジ室の液圧が作用してシール部材を両外側へ押圧する。これにより、シール部材におけるU字の外側の両側面が、シリンジ室と液封入室との間のピストン部材に連結したピストンロッドの外周部と、シリンジ室と液封入室との間の隔壁を構成するシリンジ本体の壁面との双方に密着するので、シリンジ室の液圧が高まる程シール性が高くなり、吐出時における高液圧下においても十分なシール性を確保することができる。
その結果、シリンジ室と液封入室との間で、非圧縮性流体が漏洩することがないので、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布
を行うことが可能である。
また、本発明の定量送液ポンプは、
前記ピストンロッドが、駆動モータの回転によって、軸方向に移動するように、連結部材を介して、駆動モータに連結されているとともに、
前記駆動モータが、減速機を介して、連結部材に連結されていることを特徴とする。
このように構成することによって、モータ回転数を下げるなどでポンプの性能を落とさなくてもよく、吐出工程も吸入工程も減速機を用いて、モータを高速回転で使用できるため、高分解能で低振動な性能を維持できる。
また、本発明の定量送液ポンプは、
前記連結部材が、
ピストンロッドを貫通して、一端が駆動モータに連結されるとともに、他端が、ポンプ本体の他端部に軸支されたボールネジ軸と、
前記ボールネジ軸と噛合し、ピストンロッドの一端部に連結されたボールネジナットで構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、ボールネジ軸の軸端の固定が、片持ちではなく、両側端をしっかりと固定できるので、芯ズレや芯ブレによる振動を低減することができる。
また、本発明の薬液塗布装置は、
前述のいずれかに記載の定量送液ポンプを用いた薬液塗布装置であって、
前記2つのポンプの吸入側が、薬液タンクに接続され、
前記2つのポンプの吐出側が、薬液吐出ノズル側に接続され、
制御装置により所定量の薬液が吐出されるように構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、薬液の塗布装置として応用することが可能である。
また、本発明の薬液塗布装置は、前記薬液塗布装置が、レジスト液塗布装置であることを特徴とする。
このように構成することによって、均一で正確な吐出量、吐出圧力で、レジスト液の塗布を行うことが可能である。
本発明によれば、一方のポンプが吐出工程時に、他方のポンプが吸入工程を行うため、タクトを1/2に短縮することが可能で、1サイクルの作動で、すなわち、1サイクルのピストンロッドの往復動で、2回分(ガラス基板2枚分)の塗布を行うことができ、タクト時間を短縮化することが可能であり、しかも、吸入工程を高速で行う必要がないので、マイクロバブル発生等による塗布不良が発生しない。
また、従来の二連式のポンプのように、ベローズの変形のバラツキによる吐出量、吐出圧力のばらつきが生じず、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布を行うことが可能である。
さらに、シリンジ本体の2つのシリンジ室の外側がそれぞれ、非圧縮性液体を充填した空間で密閉されているので、シリンジ室内への外気の混入を防止することができるので、シリンジ室内に充填した非圧縮性流体の容量が変化することがないので、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布を行うことが可能である。
また、2つの液封入室が、容積が相互に逆方向に増減する構成であるので容積変化がなく、容積変化に追従するための同じ容積の逃げ(液封入室であるベローズ室)を別途設置する必要がなく、構成が複雑とならず、コンパクトで、コストを低減することができる。
さらに、シリンジ室が対称的な構造であり、吸入工程と吐出工程で双方に同じ負荷がかかるため、シール部材からの液漏れの要因が少なくなり、負荷の片寄りがないため、耐久面で向上する。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明の定量送液ポンプの実施例の縦断面図、図2は、図1の部分拡大断面図、図3は、図1の定量送液ポンプにおいて、左側ポンプ54が吸入工程で、右側ポンプ68が吐出工程の状態にある作動状態を説明する縦断面図、図4は、図1の定量送液ポンプにおいて、左側ポンプ54が吐出工程で、右側ポンプ68が吸入工程の状態にある作動状態を説明する縦断面図、図5は、本発明の定量送液ポンプの作動状態を示すチャート図である。
図1において、符号1は、全体で本発明の定量送液ポンプを示している。
なお、図1では、各部材を組み立てる上で、実際には、接合箇所にはネジ類およびシール部材が必要であるが、説明の便宜上、省略して示している。これについては、その他の図面においても同様である。
図1に示したように、本発明の定量送液ポンプ1は、本体部2を有しており、この本体部2には、シリンジ本体3を備えている、また、シリンジ本体3は、上下一対の上側シリンジヘッド5と、下側シリンジヘッド6とを備えており、これらの間に、パッキン台座7が設けられている。
そして、シリンジ本体3の内部には、2つのシリンジ室が形成されており、シリンジ本体3内を軸方向に往復動するピストン部材9によって、2つのシリンジ室は、上側シリンジ室10と下側シリンジ室11とに区画されている。
このピストン部材9には、ピストンロッド12が連結されており、このピストンロッド12の上側ピストンロッド12aが、上側シリンジヘッド5を貫通して延設されているとともに、ピストンロッド12の下側ピストンロッド12bが、下側シリンジヘッド6を貫通して延設されている。
また、図2の拡大断面図に示したように、パッキン台座7には、ピストン部材9の外周部に、断面U字状の一対のシール部材13、14がそれぞれ、そのU字の内面開口部側が、上側シリンジ室10と下側シリンジ室11にそれぞれ対向するように装着されている。
すなわち、これらのシール部材13、14は、断面がU字状であり、U字の内面に非圧縮性液体の高い液圧が作用すると外側へ開くように変形し、シール効果が高められるようになっている。このシール性の向上のためには、例えば、断面U字状の耐摩耗性が高い樹脂材のU字内面側にステンレス等によるばねを組み込んだものなどを使用することができる。
また、下側シリンジヘッド6の下方には、パッキン台座15を介して、下側ベローズ台座16が設けられており、この下側ベローズ台座16の下方に、ベローズ押えリング17により、蛇腹形状の下側ベローズ18の上端が固定されている。
一方、この下側ベローズ18の下端が、下側ロッド固定台19に、ベローズ押えリング20により、固定されている。これにより、下側液封入室21が形成されるようになっている。
なお、パッキン台座15には、下側シリンジ室11と下側液封入室21との間に、断面U字状の一対のシール部材22、23がそれぞれ、そのU字の内面開口部側が下側シリンジ室11と下側液封入室21にそれぞれ対向するように装着されている。なお、これらのシール部材22、23は、シール部材13、14と同様なものを使用することができる。
また、下側ロッド固定台19は、その中央の突出部分24が、ピストンロッド12の下側ピストンロッド12bの下端に連結されており、その突出部分24の下方に、ボールネジナット25が固着されている。
また、下側ロッド固定台19は、下側ベローズ台座16の下方に設けられた下側フレーム26の内部に装着されている。さらに、下側フレーム26の下方には、ボールネジ台座27が固定されているとともに、下側フレーム26の側部には、センサー固定台8が固定されている。
そして、下側ロッド固定台19は、下側ロッド固定台19の側部に設けられたリニアブッシュ4を介して、下側ベローズ台座16の下方に設けられたシャフト28に案内されて、下側ベローズ台座16と、ボールネジ台座27との間で、上下動が可能なように構成されている。なお、このリニアブッシュ4は、パルスモータ34の駆動軸34aの回転を、直線運動に変える際、ボールネジナット25の回転方向を、シャフト28に案内されることにより抑制し、下側ロッド固定台19の滑らかな直線運動をサポートするためのものである。
このセンサー固定台8には、上下に上側フォトセンサー29と下側フォトセンサー30が設けられており、これらの上下のフォトセンサー29、30の間に、下側ロッド固定台19の側部に設けられた遮蔽板31が位置するように構成されている。
なお、これらの上下のフォトセンサー29、30は、遮蔽板31の位置を、遮蔽板31が遮光する位置を検知することによって、ピストンロッド12の上死点位置、下死点位置を検出するためのものでる。なお、光を遮蔽する遮蔽板31の代わりに、光を反射する反射板を設けることも可能である。
また、ボールネジ台座27の下方には、モータ固定台32、減速機33を介して、駆動源を構成するパルスモータ34が設けられている。すなわち、パルスモータ34の駆動34aの回転が、減速機33を介して減速されて、減速機33の回転軸33aと連結されたカップリング35を介して、ボールネジ軸36に伝達されるようになっている。
このボールネジ軸36は、ボールネジ台座27の中央に設けられたサポートガイド37に回転可能に支持されているとともに、下側ロッド固定台19の下のボールネジナット25と螺合されている。
また、ボールネジ軸36は、ピストン部材9、ピストンロッド12を貫通して延びる貫通穴38内を、回転可能に上下に延設され、上側シリンジヘッド5の上方に設けられたボールネジ台座39のサポートガイド40に回転可能に支持されている。
従って、このように構成することによって、ボールネジ軸36の軸端の固定が、片持ち
ではなく、両側端をしっかりと固定できるので、芯ズレや芯ブレによる振動を低減することができるように構成されている。
一方、上側シリンジヘッド5の上方には、パッキン台座41を介して、上側ベローズ台座42が設けられており、この上側ベローズ台座42の上方に、ベローズ押えリング43により、蛇腹形状の上側ベローズ44の下端が固定されている。
一方、この上側ベローズ44の上端が、上側ロッド固定台45に、ベローズ押えリング46により、固定されている。これにより、上側液封入室47が形成されるようになっている。
なお、パッキン台座41には、上側シリンジ室10と上側液封入室47との間に、変形可能な断面U字状の一対のシール部材48、49がそれぞれ、そのU字の内面が上側シリンジ室10と上側液封入室47にそれぞれ面するように装着されている。なお、これらのシール部材48、49は、シール部材13、14と同様なものを使用することができる。
また、上側ロッド固定台45は、その中央の突出部分50が、ピストンロッド12の上側ピストンロッド12aの上端に連結されている。また、上側ロッド固定台45は、上側ベローズ台座42の上方に設けられた上側フレーム51の内部に上下に移動自在に装着されている。
さらに、下側ベローズ台座16と上側ベローズ台座42との間には、下側液封入室21と上側液封入室47との間を連通する連結管52が設けられている。なお、下側液封入室21と上側液封入室47には、例えば、シリコーンオイルなどの非圧縮性液体が充填されており、この非圧縮性液体は、封止栓53の位置に設けられた開口から下側液封入室21と上側液封入室47に注入され、非圧縮性液体を充填した後に、封止栓53によって封止される。
なお、上記の下側ベローズ18、上側ベローズ44の材質としては、特に限定されるものではないが、フッ素樹脂が耐久性、耐薬品性、内面平滑性などから望ましい。
また、本体部2の左側方には、左側ポンプ54が設けられており、この左側ポンプ54の左側ポンプ本体55の内部に、移動可能な隔壁を構成する可撓性を有する左側チューブ56によって、左側チューブ56の外周側に、左側ポンプ駆動室57と、左側チューブ56の内周側に、左側ポンプ室58とが画成されるようになっている。
この左側ポンプ駆動室57と上側シリンジ室10との間は、連結配管59を介して連通されており、左側ポンプ駆動室57と上側シリンジ室10には、例えば、シリコーンオイルなどの非圧縮性液体が充填されており、この非圧縮性液体は、左側ポンプ本体55に設けられた封止栓60の位置に設けられた開口から左側ポンプ駆動室57と上側シリンジ室10に注入され、非圧縮性液体を充填した後に、封止栓60によって封止される。
また、左側チューブ56の上端は、上側吐出ベース61を介して、左側吐出継手61Aに連結され、左側ポンプ室58と左側吐出配管62が連通するように構成されている。そして、この左側吐出配管62には、左側吐出オペレート弁63に接続されるようになっている。
さらに、左側チューブ56の下端は、下側吐出ベース64を介して、左側吸入継手64Aに連結され、左側ポンプ室58と左側吸入配管66が連通するように構成されている。そして、この左側吸入配管66には、左側吸入オペレート弁67に接続されるようになっている。
また、本体部2の右側方には、右側ポンプ68が設けられており、この右側ポンプ68の右側ポンプ本体69の内部に、移動可能な隔壁を構成する可撓性を有する右側チューブ70によって、右側チューブ70の外周側に、右側ポンプ駆動室71と、右側チューブ70の内周側に、右側ポンプ室72とが画成されるようになっている。
この右側ポンプ駆動室71と下側シリンジ室11との間は、連結配管73を介して連通されており、右側ポンプ駆動室71と下側シリンジ室11には、例えば、シリコーンオイルなどの非圧縮性液体が充填されており、この非圧縮性液体は、右側ポンプ本体69に設けられた封止栓74の位置に設けられた開口から右側ポンプ駆動室71と下側シリンジ室11に注入され、非圧縮性液体を充填した後に、封止栓74によって封止される。
また、右側チューブ70の上端は、上側吐出ベース75を介して、右側吐出継手76に連結され、右側ポンプ室72と右側吐出配管77が連通するように構成されている。そして、この右側吐出配管77には、右側吐出オペレート弁78に接続されるようになっている。
さらに、右側チューブ70の下端は、下側吐出ベース79を介して、右側吸入継手80に連結され、右側ポンプ室72と右側吸入配管81が連通するように構成されている。そして、この右側吸入配管81には、右側吸入オペレート弁82に接続されるようになっている。
なお、上記の左側チューブ56、右側チューブ70の材質としては、特に限定されるものではないが、フッ素樹脂が耐久性、耐薬品性、内面平滑性などから望ましく、実用的には、例えば、PFAからなるのが好ましい。
このように構成される本発明の定量送液ポンプ1の作動について、以下に説明する。
(1)左側ポンプ54が吸入工程で、右側ポンプ68が吐出工程の状態にある作動状態
先ず、左側ポンプ54が吸入工程で、右側ポンプ68が吐出工程の状態にするには、パルスモータ34を駆動する。これによって、パルスモータ34の駆動軸34aの回転が、減速機33を介して減速されて、減速機33の回転軸33aと連結されたカップリング35を介して、ボールネジ軸36に伝達される。
これにより、ボールネジ軸36と螺合するボールネジナット25の作用により、このボールネジナット25が固定された下側ロッド固定台19が、図3に示したように下降する。
この際、下側ロッド固定台19は、下側ロッド固定台19の側部に設けられたリニアブッシュ4を介して、シャフト28に案内されて下降する。なお、この際、このリニアブッシュ4によって、パルスモータ34の駆動34aの回転を、直線運動に変える際、ボールネジナット25の回転方向を、シャフト28に案内されることにより抑制し、下側ロッド固定台19の滑らかな直線運動がサポートされるようになっている。
この下側ロッド固定台19の下方への移動に伴って、下側ロッド固定台19に固定されたピストンロッド12の下側ピストンロッド12bが下降して、ピストンロッド12に連結されたピストン部材9が下降する。これにより、上側シリンジ室10の容積が増加するとともに、下側シリンジ室11の容積が減少することになる。
この上側シリンジ室10の容積が増加することによって、上側シリンジ室10内が負圧の状態になり、左側ポンプ54の左側ポンプ駆動室57内にある非圧縮性液体が、連結配
管59を介して、上側シリンジ室10に移動する。これにより、左側ポンプ駆動室57内が負圧の状態になり、左側チューブ56が膨張して、左側ポンプ室58内が負圧の状態となる。
この際、左側吐出オペレート弁63を閉止状態とするとともに、左側吸入オペレート弁67を開放した状態に制御することによって、左側ポンプ室58内の負圧の作用によって、左側吸入配管66を介して、別途図示しない薬液タンクなどから薬液が、左側ポンプ室58内に吸入されることになる(吸入工程、図5(A)の右側参照)。
また、この下側ロッド固定台19の下方への移動に伴って、下側ロッド固定台19に固定された下側ベローズ18が伸長して、下側液封入室21の容積が増加して、下側液封入室21内が負圧状態になる。
一方、この下側ロッド固定台19の下方への移動に伴う、ピストンロッド12の下降にともなって、ピストンロッド12の上側ピストンロッド12aに連結された上側ロッド固定台45が下降する。
これにより、この上側ロッド固定台45の下方への移動に伴って、上側ロッド固定台45に固定された上側ベローズ44が収縮して、上側液封入室47の容積が減少して、上側液封入室47内が正圧状態になる。
これにより、上側液封入室47内にある非圧縮性液体が、液封入室連結管52を介して、下側液封入室21に移動するようになっている。
従って、この状態では、上側液封入室47の方が、上側シリンジ室10よりも高圧の状態にあるので、上側シリンジ室10と上側液封入室47との間に配設した、変形可能な断面U字状の一対のシール部材48、49のうち、上側液封入室47側のシール部材48が外側に開いて、上側シリンジ室10と上側液封入室47との間をシールするようになっている。これにより、上側シリンジ室10と上側液封入室47に収容した非圧縮性流体が混じり合わないようになっている。
一方、上記のようなピストン部材9の下降に伴い、下側シリンジ室11の容積が減少することにより、下側シリンジ室11内正圧の状態になり、下側シリンジ室11内にある非圧縮性液体が、連結配管73を介して、右側ポンプ68の右側ポンプ駆動室71に移動する。これにより、右側ポンプ駆動室71内が高圧の状態になり、右側チューブ70が収縮して、右側ポンプ室72内が正圧の状態となる。
この際、右側吸入オペレート弁82を閉止状態とするとともに、右側吐出オペレート弁78を開放した状態に制御することによって、右側ポンプ室72内の正圧の作用によって、右側吐出配管77を介して、右側ポンプ室72内に予め吸入されていた薬液が吐出されることになる(吐出工程、図5(B)の右側参照)。
なお、この状態では、下側シリンジ室11の方が、下側液封入室21よりも高圧の状態にあるので、下側シリンジ室11と下側液封入室21との間に配設した、変形可能な断面U字状の一対のシール部材22、23のうち、下側シリンジ室11側のシール部材22が外側に開いて、下側シリンジ室11と下側液封入室21との間をシールするようになっている。これにより、下側シリンジ室11と下側液封入室21に収容した非圧縮性流体が混じり合わないようになっている。
また、この状態では、下側シリンジ室11の方が、上側シリンジ室10よりも高圧の状態にあるので、上側シリンジ室10と下側シリンジ室11との間に配設した、変形可能な
断面U字状の一対のシール部材13、14のうち、下側シリンジ室11側のシール部材14が外側に開いて、上側シリンジ室10と下側シリンジ室11との間をシールするようになっている。これにより、上側シリンジ室10と下側シリンジ室11に収容した非圧縮性流体が混じり合わないようになっている。
なお、上記のような下側ロッド固定台19の下方への移動は、下側ロッド固定台19の側部に設けられた遮蔽板31が光を遮蔽して、センサー固定台8の下側フォトセンサー30によって検知される下死点位置まで移動するように制御されるようになっており、これにより、左側ポンプ54の吸入工程、右側ポンプ68の吐出工程が終了するようになっている。
(2)左側ポンプ54が吐出工程で、右側ポンプ68が吸入工程の状態にある作動状態
そして、上記のように左側ポンプ54の吸入工程、右側ポンプ68の吐出工程が終了した後、左側ポンプ54が吐出工程で、右側ポンプ68が吸入工程の状態にするには、パルスモータ34を反対方向に回転するように駆動する。これによって、パルスモータ34の駆動軸34aの回転が、減速機33を介して減速されて、減速機33の回転軸33aと連結されたカップリング35を介して、ボールネジ軸36に伝達される。
これにより、ボールネジ軸36と螺合するボールネジナット25の作用により、このボールネジナット25が固定された下側ロッド固定台19が、図4に示したように上昇する。
この際、下側ロッド固定台19は、下側ロッド固定台19の側部に設けられたリニアブッシュ4を介して、シャフト28に案内されて上昇する。なお、この際、このリニアブッシュ4によって、パルスモータ34の回転を、直線運動に変える際、ボールネジナット25の回転方向を、シャフト28に案内されることにより抑制し、下側ロッド固定台19の滑らかな直線運動がサポートされるようになっている。
この下側ロッド固定台19の上方への移動に伴って、下側ロッド固定台19に固定されたピストンロッド12の下側ピストンロッド12bが上昇して、ピストンロッド12に連結されたピストン部材9が上昇する。これにより、上側シリンジ室10の容積が減少するとともに、下側シリンジ室11の容積が増加することになる。
この上側シリンジ室10の容積が減少することによって、上側シリンジ室10内が正圧の状態になり、上側シリンジ室10内にある非圧縮性液体が、連結配管59を介して、左側ポンプ54の左側ポンプ駆動室57に移動する。これにより、左側ポンプ駆動室57内が高圧の状態になり、左側チューブ56が収縮して、左側ポンプ室58内が正圧の状態となる。
この際、左側吐出オペレート弁63を開放状態とするとともに、左側吸入オペレート弁67を閉止した状態に制御することによって、左側ポンプ室58内の正圧の作用によって、左側吐出配管62を介して、上記の(1)の「左側ポンプ54が吸入工程で、右側ポンプ68が吐出工程の状態にある作動状態」において説明した吸入工程で左側ポンプ室58内に予め吸入されていた薬液が吐出されることになる(吐出工程、図5(A)の左側参照)。
また、この下側ロッド固定台19の上方への移動に伴って、下側ロッド固定台19に固定された下側ベローズ18が収縮して、下側液封入室21の容積が減少して、下側液封入室21内が正圧状態になる。
一方、この下側ロッド固定台19の上方への移動に伴う、ピストンロッド12の上昇に
ともなって、ピストンロッド12の上側ピストンロッド12aに連結された上側ロッド固定台45が上昇する。
これにより、この上側ロッド固定台45の上方への移動に伴って、上側ロッド固定台45に固定された上側ベローズ44が伸長して、上側液封入室47の容積が増加して、上側液封入室47内が負圧状態になる。
これにより、下側液封入室21内にある非圧縮性液体が、液封入室連結管52を介して、上側液封入室47に移動するようになっている。
従って、この状態では、上側シリンジ室10の方が、上側液封入室47よりも高圧の状態にあるので、上側シリンジ室10と上側液封入室47との間に配設した、変形可能な断面U字状の一対のシール部材48、49のうち、上側シリンジ室10側のシール部材49が外側に開いて、上側シリンジ室10と上側液封入室47との間をシールするようになっている。これにより、上側シリンジ室10と上側液封入室47に収容した非圧縮性流体が混じり合わないようになっている。
一方、上記のようなピストン部材9の上昇に伴い、下側シリンジ室11の容積が増加することにより、下側シリンジ室11内の負圧の状態になり、右側ポンプ68の右側ポンプ駆動室71内にある非圧縮性液体が、連結配管73を介して、下側シリンジ室11に移動する。これにより、左側ポンプ駆動室57内が負圧の状態になり、右側チューブ70が膨張して、右側ポンプ室72内が負圧の状態となる。
この際、右側吸入オペレート弁82を開放状態とするとともに、右側吐出オペレート弁78を閉止した状態に制御することによって、右側ポンプ室72内の負圧の作用によって、右側吸入配管81を介して、右側ポンプ室72内に、図示しない薬液タンクなどから薬液が吸入されることになる(吸入工程、図5(B)の左側参照)。
なお、この状態では、下側液封入室21の方が、下側シリンジ室11よりも高圧の状態にあるので、下側シリンジ室11と下側液封入室21との間に配設した、変形可能な断面U字状の一対のシール部材22、23のうち、下側液封入室21側のシール部材23が外側に開いて、下側シリンジ室11と下側液封入室21との間をシールするようになっている。これにより、下側シリンジ室11と下側液封入室21に収容した非圧縮性流体が混じり合わないようになっている。
また、この状態では、上側シリンジ室10の方が、下側シリンジ室11よりも正圧の状態にあるので、上側シリンジ室10と下側シリンジ室11との間に配設した、変形可能な断面U字状の一対のシール部材13、14のうち、上側シリンジ室10側のシール部材13が外側に開いて、上側シリンジ室10と下側シリンジ室11との間をシールするようになっている。これにより、上側シリンジ室10と下側シリンジ室11に収容した非圧縮性流体が混じり合わないようになっている。
なお、上記のような下側ロッド固定台19の上方への移動は、下側ロッド固定台19の側部に設けられた遮蔽板31が光を遮蔽して、センサー固定台8の上側フォトセンサー29によって検知される上死点位置まで移動するように制御されるようになっており、これにより、左側ポンプ54の吐出工程、右側ポンプ68の吸入工程が終了するようになっている。なお、上側フォトセンサー29を確認用として使用することもある。
そして、上記の(1)「左側ポンプ54が吸入工程で、右側ポンプ68が吐出工程の状態にある作動状態」、(2)「左側ポンプ54が吐出工程で、右側ポンプ68が吸入工程の状態にある作動状態」のサイクルが繰り返し行われるようになっている。
従って、このような構成の定量送液ポンプ1によれば、図3〜図5に示したように、左側ポンプ54と右側ポンプ68のうち、一方のポンプが吐出時に、他方のポンプが吸入を行うため、タクトを1/2に短縮することが可能で、1サイクルの作動で、すなわち、1サイクルのピストンロッドの往復動で、2回分(ガラス基板2枚分)の塗布を行うことができ、タクト時間を短縮化することが可能である。
しかも、吸入工程を高速で行う必要がないので、マイクロバブル発生等による塗布不良が発生しない。
また、シリンジ室の容積は、ピストンおよびシリンジ内径で規定され、それぞれ機械加工によって決定されるものであり、従来技術の定量送液ポンプのようなベローズ構造と異なり、作動による吐出量のバラツキの要因がほとんど存在しない。
従って、従来の二連式のポンプのように、ベローズの変形のバラツキによる吐出量、吐出圧力のばらつきが生じず、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布を行うことが可能である。
さらに、シリンジ本体3の上側シリンジ室10と下側シリンジ室11の2つのシリンジ室の外側がそれぞれ、非圧縮性液体を充填した空間(上側液封入室47と下側液封入室21)で密閉されているので、シリンジ室内への外気の混入を防止することができるので、シリンジ室内に充填した非圧縮性流体の容量が変化することがないので、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、例えば、レジスト液などの薬液の塗布を行うことが可能である。
また、上側液封入室47と下側液封入室21の2つの液封入室が、容積が相互に逆方向に増減する構成であるので容積変化がなく、容積変化に追従するための同じ容積の逃げ(液封入室)を別途設置する必要がなく、構成が複雑とならず、コンパクトで、コストを低減することができる。
さらに、上側シリンジ室10と下側シリンジ室11の2つのシリンジ室が対称的な構造であり、吸入工程と吐出工程で双方に同じ負荷が作用するため、シール部材からの液漏れの要因が少なくなり、負荷の片寄りがなく、耐久性が向上する。
図6は、本発明の別の実施例の定量送液ポンプの縦断面図である。
この実施例の定量送液ポンプ1は、図1に示した定量送液ポンプ1と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
なお、説明の便宜上、左側ポンプ54と右側ポンプ68、シリンジ本体3などの部分は、線で示してその詳細な部分を省略している。
この実施例の定量送液ポンプ1では、下側液封入室21と上側液封入室47との間を連通する液封入室連結管52に、下側液封入室21と上側液封入室47内に収容した非圧縮性流体の合計容量を調整する容量調整機構83を備えている。
具体的には、図6に示したように、容量調整機構83が、下側液封入室21と上側液封入室47の2つの液封入室内に収容した非圧縮性流体の合計容量の増減によって、容量が増減する第3の液封入室84であり、ベローズ台座85と、ベローズ86をベローズ台座85に固定するベローズ押えリング87とから構成されている。
このように構成することによって、万一、シリンジ本体3内に形成された上側シリンジ
室10と下側シリンジ室11の側から、非圧縮性流体が、下側液封入室21と上側液封入室47の側に漏れ出たとしても、その漏れの容積変化分を第3の液封入室84で吸収することができるようになっている。これにより、下側液封入室21と上側液封入室47内部の容積が微妙に変化しても、定量送液ポンプ1を壊さず使用し続けることが可能となる。
図7は、本発明の別の実施例の定量送液ポンプの縦断面図で、左側ポンプ54が吸入工程で、右側ポンプ68が吐出工程の状態にある作動状態を説明する縦断面図、図8は、左側ポンプ54が吐出工程で、右側ポンプ68が吸入工程の状態にある作動状態を説明する縦断面図である。
この実施例の定量送液ポンプ1は、図1に示した定量送液ポンプ1と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例の定量送液ポンプ1では、左側ポンプ54、右側ポンプ68とも、図1の実施例のようなチューブポンプの代わりに、ベローズポンプを用いている。
すなわち、左側ポンプ54では、左側チューブ56の代わりに、左側ベローズ88が用いられ、左側ベローズ88の外側に左側ポンプ室58が形成されるとともに、左側ベローズ88の内側に左側ポンプ駆動室57が形成されている。
同様に、右側ポンプ68では、右側チューブ70の代わりに、右側ベローズ89が用いられ、右側ベローズ89の外側に右側ポンプ室72が形成されるとともに、右側ベローズ89の内側に右側ポンプ駆動室71が形成されている。
このように構成される定量送液ポンプ1では、図3と図4と同様にして、図7に示したように、左側ポンプ54が吸入工程で、右側ポンプ68が吐出工程の状態になり、図8に示したように、左側ポンプ54が吐出工程で、右側ポンプ68が吸入工程の状態となるように作動され、これらのサイクルが繰り返し行われるようになっている。
図9は、このように構成される本発明の定量送液ポンプ1を用いた薬液塗布装置として、レジスト液塗布装置に適用したレジスト液塗布装置全体の構成図である。
図9に示したように、レジスト液塗布装置90は、定量送液ポンプ1の左側ポンプ54の左側吸入オペレート弁67、左側吸入配管66、ならびに、右側ポンプ68の右側吸入オペレート弁82、右側吸入配管81が、吸入配管91を介して、レジスト液貯留部(タンク)92に接続されている。
また、定量送液ポンプ1の左側ポンプ54の左側吐出オペレート弁63、左側吐出配管62、ならびに、右側ポンプ68の右側吐出オペレート弁78、右側吐出配管77が、吐出配管93から、気泡やパーティクル(ゴミ)などを除去するフィルター94を介して、レジスト液吐出ノズル95に接続されている。
なお、上記のオペレート弁は、エアー式や電磁式、電動式など制御可能であれば、いずれであっても構わない。
このレジスト液吐出ノズル95は、ノズル走査機構96によって、液晶ガラス基板などの基板97の上方をXY方向に走査されながら、基板97上へレジスト液を吐出するように構成されている。なお、図9中、符号98は、レジスト液吐出ノズル95から吐出されるレジスト液を吐出工程の最後に、基板97上に余分に滴下しないようにするサックバックバルブであり、符号99は、レジスト液塗布装置90全体の作動を制御する制御装置である。なお、レジスト液の温度管理を適宜検討することもあり得る。
このように構成することによって、均一で正確な吐出量、吐出圧力を得ることができ、液晶ガラス基板などの基板上に、レジスト液の塗布を行うことが可能である。
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、いわゆる縦置き型の定量送液ポンプとしたが、横置き型の定量送液ポンプとすることも可能である、
また、上記実施例では、左側ポンプ54と右側ポンプ68を、いわゆるチューブポンプ、ベローズポンプを用いた実施例について説明したが、これらのポンプを組み合わせることも、また、その他のダイアフラムなどのポンプを用いることも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
図1は、本発明の定量送液ポンプの実施例の縦断面図である。 図2は、図1の部分拡大断面図である。 図3は、図1の定量送液ポンプにおいて、左側ポンプ54が吸入工程で、右側ポンプ68が吐出工程の状態にある作動状態を説明する縦断面図である。 図4は、図1の定量送液ポンプにおいて、左側ポンプ54が吐出工程で、右側ポンプ68が吸入工程の状態にある作動状態を説明する縦断面図である。 図5は、本発明の定量送液ポンプの作動状態を示すチャート図である。 図6は、本発明の別の実施例の定量送液ポンプの縦断面図である。 図7は、本発明の別の実施例の定量送液ポンプの縦断面図で、左側ポンプ54が吸入工程で、右側ポンプ68が吐出工程の状態にある作動状態を説明する縦断面図である。 図8は、左側ポンプ54が吐出工程で、右側ポンプ68が吸入工程の状態にある作動状態を説明する縦断面図である。 図9は、このように構成される本発明の定量送液ポンプ1を用いた薬液塗布装置として、レジスト液塗布装置に適用したレジスト液塗布装置全体の構成図である。 図10は、従来の定量送液ポンプの作動状態を示すチャート図である。 図11は、従来の定量送液ポンプの縦断面図である。 図12は、従来の定量送液ポンプの縦断面図である。
符号の説明
1 定量送液ポンプ
2 本体部
3 シリンジ本体
4 リニアブッシュ
5 上側シリンジヘッド
6 下側シリンジヘッド
7 パッキン台座
8 センサー固定台
9 ピストン部材
10 上側シリンジ室
11 下側シリンジ室
12 ピストンロッド
12a 上側ピストンロッド
12b 下側ピストンロッド
13 シール部材
14 シール部材
15 パッキン台座
16 下側ベローズ台座
17 ベローズ押えリング
18 下側ベローズ
19 下側ロッド固定台
20 ベローズ押えリング
21 下側液封入室
22 シール部材
23 シール部材
24 突出部分
25 ボールネジナット
26 下側フレーム
27 ボールネジ台座
28 シャフト
29 上側フォトセンサー
30 下側フォトセンサー
31 遮蔽板
32 モータ固定台
33a 回転軸
33 減速機
34 パルスモータ
34a 駆動軸
35 カップリング
36 ボールネジ軸
37 サポートガイド
38 貫通穴
39 ボールネジ台座
40 サポートガイド
41 パッキン台座
42 上側ベローズ台座
43 リング
44 上側ベローズ
45 上側ロッド固定台
46 リング
47 上側液封入室
48 シール部材
49 シール部材
50 突出部分
51 上側フレーム
52 連結管
53 封止栓
54 左側ポンプ
55 左側ポンプ本体
56 左側チューブ
57 左側ポンプ駆動室
58 左側ポンプ室
59 連結配管
60 封止栓
61 上側吐出ベース
61A 左側吐出継手
62 左側吐出配管
63 左側吐出オペレート弁
64 下側吐出ベース
64A 左側吸入継手
66 左側吸入配管
67 左側吸入オペレート弁
68 右側ポンプ
69 右側ポンプ本体
70 右側チューブ
71 右側ポンプ駆動室
72 右側ポンプ室
73 連結配管
74 封止栓
75 上側吐出ベース
76 右側吐出継手
77 右側吐出配管
78 右側吐出オペレート弁
79 下側吐出ベース
80 右側吸入継手
81 右側吸入配管
82 右側吸入オペレート弁
83 容量調整機構
84 液封入室
85 ベローズ台座
86 ベローズ
87 ベローズ押えリング
88 左側ベローズ
89 右側ベローズ
90 レジスト液塗布装置
91 吸入配管
92 レジスト液貯留部
93 吐出配管
94 フィルター
95 レジスト液吐出ノズル
96 ノズル走査機構
97 基板
98 サックバックバルブ
99 制御装置
100 二連式チューブポンプ
102、104 チューブ
106、108 ベローズ
110 ポンプ部
112、114 大型ベローズ部
116、118 小型ベローズ部
120 作動ディスク部
200 二連式ベローズポンプ
202 ポンプ本体
204、206 ベローズ
208、210 ベローズヘッド
212 センターロッド
214、216 作動流体室
218、220 圧送流体室

Claims (10)

  1. シリンジ本体内を軸方向に往復動するピストン部材と、
    前記ピストン部材によって区画され、ピストン部材の移動に連動して、容積が相互に逆方向に増減する2つのシリンジ室と、
    前記2つのシリンジ室にそれぞれ連結され、非圧縮性流体の作用によって作動する2つのポンプと、を備え、
    前記ピストン部材を駆動装置により往復動させることで、2つのシリンジ室の容積を相互に逆方向に増減させて、2つのポンプの吸入工程と吐出工程とを相互に逆に行うように構成され、
    前記ピストン部材に連結され、シリンジ本体を貫通して延び、ピストン部材を往復動させるピストンロッドと、
    前記ピストンロッドの両端に連結され、ピストンロッドに連動するベローズを取り付けた液封入室を備え、
    前記2つの液封入室は、連結管によって接続され、前記2つの液封入室内に収容した非圧縮性流体が、ピストンロッドの軸方向の移動に連動して相互に移動でき、容積が相互に逆方向に増減するように構成されていることを特徴とする定量送液ポンプ。
  2. 前記2つのポンプがそれぞれ、
    前記シリンジ本体のシリンジ室に連通したポンプ駆動室と、
    前記ポンプ駆動室と移動可能な隔壁によって画成されたポンプ室と、
    前記ポンプ室に移送液が吸入される吸入口と、
    前記ポンプ室から移送液が吐出される吐出口と、を備え、
    前記シリンジ本体の2つのシリンジ室の容積の増減によって、シリンジ室から、ポンプ駆動室内に流出入する非圧縮性流体によって、ポンプ駆動室の容積を増減させることで、2つのポンプ室の隔壁内容量を変える作用により、吸入口を介して移送液がポンプ室に吸入される吸入工程と、吐出口を介して、ポンプ室から移送液が吐出される吐出工程とを行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の定量送液ポンプ。
  3. 前記隔壁が、可撓性を有するチューブであり、チューブの内側に、ポンプ室が形成されるとともに、チューブの外側にポンプ駆動室が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の定量送液ポンプ。
  4. 前記隔壁が、ベローズであり、ベローズの外側にポンプ室が形成されるとともに、ベローズの内側にポンプ駆動室が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の定量送液ポンプ。
  5. 前記連結管に、前記2つの液封入室内に収容した非圧縮性流体の合計容量を調整する容量調整機構を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の定量送液ポンプ。
  6. 前記容量調整機構が、前記2つの液封入室内に収容した非圧縮性流体の合計容量の増減によって、容量が増減する第3の液封入室であることを特徴とする請求項5に記載の定量送液ポンプ。
  7. 前記ピストン部材の外周部に、断面U字状の一対のシール部材がそれぞれ、そのU字の内面開口部側が、前記2つのシリンジ室にそれぞれ対向するように装着されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の定量送液ポンプ。
  8. 前記シリンジ室と液封入室との間に、断面U字状の一対のシール部材がそれぞれ、そのU字の内面開口部側がシリンジ室と液封入室にそれぞれ対向するように装着されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の定量送液ポンプ。
  9. 前記ピストンロッドが、駆動モータの回転によって、軸方向に移動するように、連結部材を介して、駆動モータに連結されているとともに、
    前記駆動モータが、減速機を介して、連結部材に連結されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の定量送液ポンプ。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の定量送液ポンプを用いた薬液塗布装置であって、
    前記2つのポンプの吸入側が、薬液タンクに接続され、
    前記2つのポンプの吐出側が、薬液吐出ノズル側に接続され、
    制御装置により所定量の薬液が吐出されるように構成されていることを特徴とする薬液塗布装置。
JP2006180806A 2006-06-30 2006-06-30 定量送液ポンプおよびそれを用いた薬液塗布装置 Expired - Fee Related JP4916793B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006180806A JP4916793B2 (ja) 2006-06-30 2006-06-30 定量送液ポンプおよびそれを用いた薬液塗布装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006180806A JP4916793B2 (ja) 2006-06-30 2006-06-30 定量送液ポンプおよびそれを用いた薬液塗布装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008008232A JP2008008232A (ja) 2008-01-17
JP4916793B2 true JP4916793B2 (ja) 2012-04-18

Family

ID=39066661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006180806A Expired - Fee Related JP4916793B2 (ja) 2006-06-30 2006-06-30 定量送液ポンプおよびそれを用いた薬液塗布装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4916793B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4547369B2 (ja) * 2006-11-29 2010-09-22 株式会社コガネイ 薬液供給装置
US8453675B2 (en) * 2009-12-01 2013-06-04 Deublin Company Rotary union with selectively controlled seal
KR101015761B1 (ko) 2010-09-28 2011-02-22 정진영 액체공급장치
KR200483917Y1 (ko) * 2015-09-09 2017-07-11 주식회사 디엠에스 약액토출장치
JP6739786B2 (ja) * 2016-05-30 2020-08-12 武蔵エンジニアリング株式会社 液体材料吐出装置、その塗布装置および塗布方法
JP6920923B2 (ja) * 2017-08-25 2021-08-18 株式会社Screenホールディングス ポンプ装置および基板処理装置
CN111556793B (zh) * 2018-02-02 2022-12-06 三键有限公司 喷出装置以及供液方法
JP7180916B1 (ja) * 2021-09-30 2022-11-30 株式会社ナカリキッドコントロール 液体供給装置及び液体吐出装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4820807B1 (ja) * 1969-10-14 1973-06-23
SE412939B (sv) * 1977-09-09 1980-03-24 Kaelle Eur Control Hydrauldriven deplacementpump serskilt for pumpning av tjocka och slitande medier
JPH0914451A (ja) * 1995-07-04 1997-01-14 Ckd Corp ピストン及びシリンダ
JPH09170559A (ja) * 1995-12-18 1997-06-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 往復動ポンプ
JPH09310681A (ja) * 1996-05-21 1997-12-02 Zexel Corp ベローズシールポンプ
JPH1047234A (ja) * 1996-08-05 1998-02-17 Koganei Corp 定量吐出ポンプ
JPH11107924A (ja) * 1997-09-30 1999-04-20 Kurita Mach Mfg Co Ltd ダイヤフラムポンプ装置
JP2002257033A (ja) * 2001-03-06 2002-09-11 Mitsubishi Paper Mills Ltd ピストンシリンダー型定量ポンプ及びそれを用いた感光材料の処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008008232A (ja) 2008-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4916793B2 (ja) 定量送液ポンプおよびそれを用いた薬液塗布装置
JP4942449B2 (ja) 薬液供給装置
JP5404850B2 (ja) ポンプのための誤差容積システムおよび方法
JP4585563B2 (ja) 薬液供給装置およびポンプ組立体
KR100893991B1 (ko) 약액 공급장치
JP4547369B2 (ja) 薬液供給装置
JP4790311B2 (ja) 定量送液ポンプ
JP5060766B2 (ja) 薬液供給装置
US20110073620A1 (en) Twisting translational displacement pump cartridge
JP2008038837A (ja) 定量送液ポンプおよびそれを用いた薬液塗布装置
JPH08128389A (ja) バルブ駆動制御方法およびバルブ駆動制御装置ならびに流動体供給制御装置
US6685444B2 (en) Fluid discharging device with a reciprocating pump member defining an outlet valve, and a valve member defining an outlet and suction valve
JP5114527B2 (ja) 液体供給装置
JPH08285125A (ja) 弁装置および弁装置を有する薬液供給装置
KR100804769B1 (ko) 펌프 모듈
JP4652067B2 (ja) ベローズポンプ
JPH1057850A (ja) 薬液供給装置の駆動方法
JP2698851B2 (ja) ダイアフラムポンプ
US20220048063A1 (en) Plural material dispensing system
KR101057782B1 (ko) 실린지 펌프
CN219101544U (zh) 一种计量机械隔膜泵
TW202202234A (zh) 具有固定的撓性隔膜密封件的分配單元
CN220599975U (zh) 一种紧凑结构往复泵
US20210310477A1 (en) Precision volumetric pump with a bellows hermetic seal
KR20120133227A (ko) 기판 코터 장치의 약액 공급용 펌프

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120125

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees