JP4916188B2 - 車両用外装部材取付構造 - Google Patents
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Description
また、車両は、軽微な衝突によってバンパフェイスが後退したときに、バンパフェイスから受ける入力によるフロントグリルの損傷を防止するため、バンパフェイス側にボックス状の取付部を設けてこれにフロントグリル側のクリップ部を掛止させるとともに、バンパフェイスの後退時に取付部が変形してクリップ部の掛止が解除されるように構成したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
本発明の課題は、簡単な構造によって軽衝突時における外装部材の損傷を防止する車両用外装部材取付構造を提供することである。
請求項1の発明は、車両の外部側に露出する外表面部が形成されたバンパと、前記バンパと隣接して配置された外装部材と、弾性を有する材料によって前記外装部材から車体の内部側に突き出して形成され、その先端部に爪部を有する掛止部と、前記バンパにおける前記外装部材の前記掛止部と隣接する端部に設けられ、前記掛止部の前記爪部が掛止されるとともに、その少なくとも一部に前記掛止部と対向しかつ間隔を隔てて配置された面部が形成された掛止対象部と、前記掛止対象部の前記面部内に設けられ、その少なくとも一部が前記掛止部に対向して配置され、前記面部の面剛性を低下させる剛性低下部とを備え、前記剛性低下部は、前記爪部に対して車両前方側に配置され、衝突時に受ける荷重によって前記面部を前記剛性低下部の周辺において座屈変形させることを特徴とする車両用外装部材取付構造である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用外装部材取付構造において、前記掛止対象部の前記面部は、前記バンパの前記外表面部に対して前記車両の進行方向に略沿って突き出しかつ前記バンパと一体に形成されるとともに、その端縁部に前記爪部が掛止されるものであり、前記剛性低下部は、前記面部を貫通して形成された開口を有することを特徴とする車両用外装部材取付構造である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の車両用外装部材取付構造において、前記外装部材は、前記バンパの上側に配置され、その下端部に前記掛止部が設けられたグリルであることを特徴とする車両用外装部材取付構造である。
(1)掛止対象部の面部内に、少なくとも一部が掛止部に対向して配置されかつ面部の面剛性を低下させる剛性低下部を設けるとともに、この面部と掛止部との間に間隔を設けることによって、衝突によるバンパの移動時に掛止対象部の面部が変形して爪部との掛止が解除されるから、外装部材の損傷を防止することができる。また、このような剛性低下部は、面部に開口を形成したり肉厚を小さくすることによって簡単に設けることができるから、車両用外装部材取付構造が簡素化される。
(2)剛性低下部は、爪部の幅方向における位置が掛止部と部分的に重なって配置されているから、外装部材をバンパに対して装着する際に、爪部が剛性低下部と掛止することが防止され、作業性が向上する。
図1は、車両のバンパフェイス及びフロントグリルを車両前方側から見た状態を示す外観図である。
図2は、図1のII−II部矢視断面図である。
図3は、バンパフェイスのIII−III部矢視図である。
バンパフェイス100は、車両の前端部において、フロントグリル200及び図示しないヘッドランプユニットの下側に装着されるものである。バンパフェイス100は、その内面側に設けられ略車幅方向に延在する図示しないビームリンホースメントを介して、図示しない車体に装着される。
バンパフェイス100は、外表面部110、グリル装着部120、フランジ部130(図2、図3参照)、グリル側部支持部140、ラジエータ開口部150、フォグランプ装着部160を備え、これらは例えばポリプロピレン(PP)樹脂を用いた射出成形によって一体に形成されている。
外表面部110は、車両の使用時にその外表面側に露出する面部である。
グリル装着部120は、バンパフェイス100の上端部において、車幅方向における中央部を下側に凹ませて形成された領域であって、その上側にフロントグリル200が装着される部分である。
フランジ部130は、図3に示すように、グリル装着部120の車幅方向における略全長にわたって延在し、略一定の幅(車両の前後方向寸法)を有する帯状に形成されている。
開口131は、フランジ部130の面剛性を部分的に低下させる剛性低下部として機能するものである。開口131は、図3に示すように、フランジ部130の車両前方側に寄せて配置され、車両の上方側から見た形状が、フランジ部130の延在方向と略平行に配置された1対の長辺、及び、車両の前後方向と略平行に配置された1対の短辺を有する矩形状に形成されている。
また、図2に示すように、開口131の車両前方側における端面は、車両の前後方向に対して略直交して配置された平面状に形成され、車両後方側における端面は、その下端部が上端部よりも後方側にオフセットされかつ凸面状に形成されている。
ラジエータ開口部150は、バンパフェイス100の車幅方向中央部における下部に形成され、車体内部に設けられる図示しないラジエータに走行風を導入するものである。
フォグランプ装着部160は、図示しない補助灯火装置であるフォグランプユニットが装着される開口を備え、ラジエータ開口部150を車幅方向に挟んだ両側にそれぞれ配置されている。
枠体210は、フロントグリル200の本体部として機能する部分であって、例えば弾性を有する樹脂材料をインジェクション成形して形成されている。
モール220は、枠体210の外周縁部に沿って、その前端部に装着される装飾用の部材であって、例えば樹脂材料をインジェクション成形した後、クロームメッキや塗装等の表面処理を施したものである。
図2に示すように、枠体210は、一体に形成された前端面部211、モール支持部212、掛止部213、リブ214,215を備えている。
モール支持部212は、前端面部211の上下方向における略中央部から車両前方側に突き出して形成され、その上面部にモール220が固定される部分である。
掛止部213は、その後端部が前端部よりも低くなるように傾斜して配置されている。また、掛止部213の下面部は、バンパフェイス100のフランジ部130の上面部に対して間隔を隔てて対向し、この間隔は、上述した傾斜に伴い、車両後方側において前方側よりも狭くなっている。
爪部213aは、掛止部213の後端部における下面部から突き出して形成され、バンパフェイス100のフランジ部130の後端縁部の端面と実質的に面接触する面部が形成されている。
図3に示すように、開口131の端縁部のうち車両の前後方向に沿った辺部は、一方が掛止部213の車幅方向における略中央部に配置され、他方が掛止部213と上下方向において重ならない位置に配置されている。
図4は、本発明の比較例であるフロントグリル取付構造の断面図である。
比較例のフロントグリル取付構造は、バンパフェイス300、フロントグリル400を備えている。
バンパフェイス300は、実施例のバンパフェイス100における外表面部110、フランジ部130と実質的に同様の外表面部310、フランジ部330を備えるが、フランジ部330は、実施例の開口131のような開口(剛性低下部)が設けられておらず、全面にわたって略均一な肉厚を有するものである。
枠体410は、前端部411、掛止部412、リブ413,414を備えている。
前端部411は、枠体410の車両前方側の縁部に沿って形成された部分である。
掛止部412は、枠体410の下面側から突き出して形成され、その先端にフランジ部330の後端縁部と掛止する爪部412aが形成されたものである。
図5は、本実施例のフロントグリル取付構造において、軽衝突によってバンパフェイスが後退したときの状態を示す断面図であって、上述した図2に相当する断面を示すものである。
そして、この変位によって、フランジ部130と掛止部213との掛止は解除され、フロントグリル200はバンパフェイス100に対して車両の前後方向に相対移動可能な状態となる。
また、図6は、本実施例におけるフランジ部と掛止部との掛止部の斜視図である。図6に示すように、フランジ部130の開口131よりも車両後方側の領域130aは、下側への変位(ダレ)が発生しやすく、この変位も上述した掛止解除を助長する方向に作用する。なお、図6において、理解を容易とするために、ダレの量は拡大して図示している。
(1)バンパフェイス100のフランジ部130に開口131を形成して面剛性を部分的に低下させることによって、フランジ部130が軽衝突時に受ける圧縮荷重によって座屈変形しやすくなるとともに、フランジ部130と掛止部213との間に間隔を設けているから、フランジ部130の上述した座屈変形がフロントグリル200側によって妨げられることがない。
これによって、軽衝突時にバンパフェイス100がフロントグリル200に対して後退した場合であっても、フランジ部130が座屈変形することによって掛止部213の爪部213aとの掛止が解除されるから、バンパフェイス100からの入力に起因するフロントグリル200の損傷等を簡単な構造によって防止することができる。
(2)フランジ部130の開口131は、掛止部213に対してその爪部213aの幅方向における位置が爪幅の半分程度オフセットされているから、フロントグリル200を装着する際の爪部213aが誤って開口131と掛止することを防止できるとともに、使用状態におけるフランジ部130の剛性を確保することができる。
(3)フランジ部130をバンパフェイス100と一体に形成するとともに、掛止部213及び爪部213aをフロントグリル200の枠体210と一体に形成したから、部品点数を削減し、車両の製造工程を簡素化することができる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)実施例は、例えばバンパにグリルを取り付けるものであったが、本発明はこれに限らず、バンパに装着される他の外装部材にも適用することができる。例えば、フォグランプ装着部にフォグランプを装着しない場合に装着されるフォグランプカバーや、フォグランプを装着する場合にその周囲に設けられるカバー部材のバンパへの取り付けにも適用することができる。
(2)実施例は、剛性低下部としてフランジ部に開口を形成しているが、これに限らず、他の方法によって剛性を低下させてもよい。例えば、部分的に肉厚を小さくしたり、他の部分にリブ等の補剛手段が設けられる場合には、剛性低下部においてこれを省略するようにしてもよい。
110 外表面部
120 グリル装着部
130 フランジ部
131 開口
200 フロントグリル
210 枠体
213 掛止部
213a 爪部
220 モール
Claims (4)
- 車両の外部側に露出する外表面部が形成されたバンパと、
前記バンパと隣接して配置された外装部材と、
弾性を有する材料によって前記外装部材から車体の内部側に突き出して形成され、その先端部に爪部を有する掛止部と、
前記バンパにおける前記外装部材の前記掛止部と隣接する端部に設けられ、前記掛止部の前記爪部が掛止されるとともに、その少なくとも一部に前記掛止部と対向しかつ間隔を隔てて配置された面部が形成された掛止対象部と、
前記掛止対象部の前記面部内に設けられ、その少なくとも一部が前記掛止部に対向して配置され、前記面部の面剛性を低下させる剛性低下部とを備え、
前記剛性低下部は、前記爪部に対して車両前方側に配置され、衝突時に受ける荷重によって前記面部を前記剛性低下部の周辺において座屈変形させること
を特徴とする車両用外装部材取付構造。 - 請求項1に記載の車両用外装部材取付構造において、
前記剛性低下部と前記掛止部とは、前記爪部の幅方向における位置が部分的に重なって配置されること
を特徴とする車両用外装部材取付構造。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両用外装部材取付構造において、
前記掛止対象部の前記面部は、前記バンパの前記外表面部に対して前記車両の進行方向に略沿って突き出しかつ前記バンパと一体に形成されるとともに、その端縁部に前記爪部が掛止されるものであり、
前記剛性低下部は、前記面部を貫通して形成された開口を有すること
を特徴とする車両用外装部材取付構造。 - 請求項3に記載の車両用外装部材取付構造において、
前記外装部材は、前記バンパの上側に配置され、その下端部に前記掛止部が設けられたグリルであること
を特徴とする車両用外装部材取付構造。
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