JP4914090B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真技術を利用した複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置に係り、特に、転写定着工程を有する画像形成装置に関する。
従来、像担持体上に現像手段により画像を形成し、その像担持体上の画像を1次転写手段により中間転写体へ1次転写し、さらに中間転写体上の画像を2次転写手段により転写材に2次転写し、転写材上の画像を定着手段により定着するような画像形成装置が広く知られている。現在市場で主流となっているのは、このような全工程を段階的に行う画像形成装置であるが、転写工程と定着工程を同時に行う、いわゆる転写定着工程を有する画像形成装置も知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。このうち、特許文献1は、中間転写体から転写材に転写定着を行うタイプのもので、特許文献2は、中間転写体から転写定着体に2次転写定着した後、転写定着体から転写材に3次転写定着するタイプのものである。なお、これらの技術において、画像を構成する部材としては、トナーと呼ばれる樹脂を主体とした帯電性の紛体を利用するのが一般的である。
従来の画像形成装置において、画像品質を低下させやすいのは転写材への転写工程である。転写材は、主に紙が用いられるが、紙といっても普通紙から厚紙までさまざまな厚みのものがあり、表面性も上質なものから粗いものまでさまざまである。特に、表面性の粗い紙においては、中間転写体が紙の表面性に追従できずに微小ギャップを形成してしまうため、微小ギャップ部分で異常放電が発生し、画像が正常に転写されずに、全体としてぼそぼその画像になりやすいという不具合がある。
これに対し、上述したような転写定着工程を有する画像形成装置では、転写と定着を同時に行うため、表面性の粗い紙を使用しても画像品質の低下が起こり難いという利点を備えている。これは、転写と同時に熱を加えるため、熱によりトナーが軟化・溶融して粘弾性を帯びたブロック状の塊になるため、紙の微小ギャップ部分の画像も塊として転写されやすいためである。このような利点から、転写定着手段を有する画像形成装置は、高画質達成に最適な手段といえる。
ところで、従来の画像形成装置において、1次転写後、2次転写後、定着後にそれぞれ像担持体、中間転写体、定着体の上に残留した残画像は、それぞれの部材周辺に設置した清掃手段により清掃されるのが一般的である。しかし、転写定着工程を有する画像形成装置では、定着体あるいは転写定着体の清掃手段に関して、従来の画像形成装置にはない、以下のような問題が発生することがわかった。
まず、画像を構成する部材としてトナーのような帯電性の紛体を利用する場合、地肌汚れなどと呼ばれる現象が広く知られている。これは、本来画像を形成したい部分とは異なった場所に一様に画像が形成されてしまう現象で、画像のない地肌部に画像(汚れ)が形成されてしまうことから、このように称されている。この地肌汚れ画像は、本来画像が形成される範囲以外の部分にも形成されるという特徴がある。つまり、例えばA4サイズの紙に画像形成を行う際、本来画像が形成されるA4の範囲よりも外側の部分にも地肌汚れ画像が形成されてしまう。
このとき、転写定着工程を有する画像形成装置においては、A4範囲内の地肌汚れは、本来の画像と共に転写材へと転写定着されるが、A4範囲の外側の地肌汚れについては、転写材へ転写定着されることなく、転写定着体の例えばトナーを吸着するクリーニングローラ等の清掃手段にそのまま突入し、堆積することになる。このため、地肌汚れが発生する条件にて連続通紙をすると、転写定着体の清掃手段に大量の溶融トナーが連続的に突入し、清掃不良を発生しやすいことがわかった。また、清掃自体は完了していても、次に、この非画像領域を含むより大きな紙(A3サイズなど)を使用した場合に、転写定着工程の清掃手段に蓄積した地肌汚れトナーが再び画像に再付着し、画像を汚染しやすいこともわかった。
従来の画像形成装置では、2次転写部にて中間転写体から転写材へ画像を転写し、定着部に突入してくるのは、その転写材のみだったため、上記のように地肌汚れが定着部の清掃手段に直接突入してくるような現象はありえず、上記問題は転写定着工程を有する画像形成装置に特有のものである。
ただ、従来の作像プロセス、すなわち転写後に定着する場合でも、定着体表面には溶融トナーの一部が残留するオフセットトナーが存在し、これの清掃方法として、定着体よりトナー離型性が低いクリーニングローラにオフセットトナーを転移させ、ブレードにより掻き取る方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平10−63121号公報 特開2004−145260号公報 特許第3318136号公報
上記清掃方法は、転写定着工程に特有の大量の溶融トナーが清掃手段すなわちクリーニングローラに突入しても、ブレードで掻き取ることでトナー汚れの堆積を防ぎ清掃不良を防ぐことができるため、転写定着工程を有する画像形成装置にこの清掃方法を適用することにより、良好な画像形成を行なえる画像形成装置を提供することができる。しかしながら、転写定着工程でこの方法で大量の溶融トナーをクリーニングした後放置すると、クリーニングローラとブレードが固着トナーによって接着し、起動時にクリーニングローラが回転できない、又は異常音を発生するという不具合(いわゆるクリーニングロック)が発生することがわかった。
本発明は、上記従来技術の問題点に対処してなされたもので、転写定着工程に特有な大量の溶融トナーをクリーニングローラに転移させ、ブレードで掻き取ることにより清掃不良を防ぐとともに、起動時に発生するクリーニングロックを防止して安定したクリーニングを行なうことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1の発明は、熱源により加熱される加熱回転体と、この加熱回転体に圧接する加圧回転体とで転写材を挟持搬送し、トナー画像を転写材に転写定着する画像形成装置において、転写定着対象のトナー画像を保持する転写体に当接し、この転写体上に残留する溶融トナーを転移させるクリーニング回転体と、このクリーニング回転体に当接しトナーを掻き取るブレードとを備え、起動時にブレードの当接部に固着したトナーを、ブレードの先端部近傍を加熱するブレード加熱動作により乖離させるトナー乖離動作を行ない、ブレードは、熱源への通電を制御する温度制御回路と該熱源とが接続される配線の一部として構成されていることを特徴とする。
請求項1の発明においては、転写定着工程で発生する溶融トナー汚れを、これに当接するクリーニング回転体に転移させて、ブレードで掻き取ることにより、溶融トナー汚れの処理量が大量となっても効率よくクリーニングすることが可能となるとともに、起動時にブレード当接部に前回クリーニングによるトナーが固着していても、起動時のトナー乖離動作によりこれを効果的に乖離させることができ、クリーニングロックを発生することなくスムーズにクリーニングを開始させることが可能となる。
また、トナー乖離動作が、ブレードの先端部近傍を加熱するブレード加熱動作であることを特徴とする。ブレード自体を直接加熱するため、少ない電力で容易に昇温可能であるとともに、ブレード部の固着トナーを直ちに軟化さて乖離させることが可能となる。
請求項の発明は、請求項1の画像形成装置において、ブレードの先端部にフッ素樹脂が被覆されていることを特徴とする。これにより、ブレードの内側に掻き取ったトナーが蓄積されるのを防ぐことが可能となる。
請求項の発明は、請求項1〜の画像形成装置において、クリーニング回転体が加圧回転体であることを特徴とする。これにより、クリーニング回転体を別途設けることなく、構成の簡略化が可能となる。
請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、加圧回転体に対して転写材の通過域を相対的に所定の幅で変化させることを特徴とする。これにより、幅の狭い転写材を連続的に通過させても、転写材端部での加熱回転体と加圧回転体との非接触による線状のクリーニング不良部の発生を防ぐことが可能となる。
請求項の発明は、請求項又はの画像形成装置において、ブレードが加圧回転体の転写材通過出口近傍に設置されていることを特徴とする。これにより、大量の転写材を通過させても巻きつきを防止することが可能となる。
請求項の発明は、請求項1〜の画像形成装置において、転写体が、中間転写体からバイアス印加によりトナー画像が転写される加熱回転体であることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、画質調整用の基準画像が中間転写体上に形成された時、中間転写体と加熱回転体との間に逆バイアスが印加されることを特徴とする。これにより、基準画像の大半のトナーが加熱回転体に転写されずに粉として中間転写体に残留し、基準画像による加熱回転体上の溶融トナーのクリーニング量を大幅に軽減することが可能となる。
上記したように、本発明によれば、転写材に転写定着されなかった溶融トナーをクリーニング回転体に転移させ、ブレードにより掻き取るとともに、起動時にトナー乖離動作を行なうよう構成することにより、大量の溶融トナーを効率よくクリーニング可能にすることができるとともにと、起動時のクリーニングロックの発生を防止することができ、高品質画像の提供が可能な画像形成装置を実現することができる。
以下、図面に基づいて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1に、本発明の一実施の形態の画像形成装置の概略構成を示す。ここでは、画像形成装置としてタンデム型のカラー複写機を例に挙げ、3次転写定着方式への適用例を示している。
まず、本実施の形態における画像形成装置の基本的構成及び動作の概要を説明する。図1において、カラー複写機1は、装置本体中央部に位置する画像形成部1Aと、該画像形成部1Aの下方に位置する給紙部1Bと、画像形成部1Aの上方に位置する図示しない画像読取部を有している。
画像形成部1Aには、水平方向に延びる転写面を有する中間転写体としての中間転写ベルト2が配置されており、この中間転写ベルト2の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体3Y、3M、3C、3Kが中間転写ベルト2の転写面に沿って並置されている。
各感光体3Y、3M、3C、3Kはそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置4、光書き込み手段としての書き込み装置5、現像装置6、1次転写装置7、及びクリーニング装置8が配置されている。各符号に付記しているアルファベットは、感光体3と同様、トナーの色別に対応している。各現像装置6には、それぞれのカラートナーが収容されている。
中間転写ベルト2は、駆動ローラ9と、従動ローラ10・11・12に掛け回されて感光体3Y、3M、3C、3Kとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。駆動ローラ9と対向する位置には、中間転写ベルト2の表面をクリーニングするクリーニング装置13が設けられている。
感光体3Yの表面が帯電装置4Yにより一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体3Y上に静電潜像が形成される。この静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置6Yによりトナー像として可視像化され、このトナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置7Yにより中間転写ベルト2上に1次転写される。他の感光体3M、3C、3Bでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が中間転写ベルト2上に順に転写されて重ね合わせられる。転写後感光体3上に残留したトナーはクリーニング装置8により除去され、また、転写後図示しない除電ランプにより感光体3の電位が初期化され、次の作像工程に備えられる。
従動ローラ11の近傍には、定着装置14が設けられている。定着装置14は、中間転写ベルト2上の画像としての未定着トナー像を転写される転写定着ローラ15と、転写定着ローラ15とニップを形成する加圧部材又は対向部材としての加圧ローラ16を有している。転写定着ローラ15はアルミニウム等の金属によりパイプ状に形成されており、表面には離型層がコーティングされている。また、転写定着ローラ15は、内部に転写定着ローラ15上の画像を加熱するハロゲンヒータのような定着加熱ヒータ17を有する加熱回転体である。
加圧ローラ16はクリーニングローラとしても利用され、転写定着ローラ15上に残留した溶融トナーを転移させるため、表面に転写定着ローラ15よりも離型性の低い層が形成されている。そして、加圧ローラ16に付着したトナーを掻き取るブレード18がニップ出口側に設けられている。なお、掻き取られたトナーは、図示しない回収ボックスに収容される。
給紙部1Bは、記録媒体(転写材)としての用紙Pを積載収容する給紙トレイ19と、給紙トレイ19内の用紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙する給紙コロ20と、給紙された用紙Pを搬送する搬送ローラ対21と、用紙Pが一旦停止され、斜めずれを修正された後転写定着ローラ15上の画像の先端と搬送方向の所定位置とが一致するタイミングでニップに向けて送り出されるレジストローラ対22を有している。
感光体3Y、3M、3C、3Kから中間転写ベルト2上に1次転写されたトナー像(以下、単にトナーともいう。)は、図示しないバイアス印加手段により従動ローラ11に印加されるバイアス(AC、パルスなどの重畳を含む。)により転写定着ローラ15に静電気力で2次的に転写される。
中間転写ベルト2と転写定着ローラ15はトナーを介してしか接触しない。このため、中間転写ベルト2が転写定着ローラ15により加熱されることを低減でき、感光体3Y、3M、3C、3K等の寿命を長くできる。中間転写ベルト2と転写定着ローラ15とのギャップをトナー層の厚みよりも大きく設定してもよい。この場合、中間転写ベルト2の加熱をさらに抑制でき、感光体3Y、3M、3C、3K等の一層の長寿命化を実現できる。また、中間転写ベルト2に熱を奪われないので省エネルギーとなる。但し、熱的には安定するが、トナーの転写飛距離が長くなるため画質の低下を伴う懸念がある。このため、実験等により最適値を設定することが望ましい。
図1に示すように、中間転写ベルト2と転写定着ローラ15との間には、転写定着ローラ15から中間転写ベルト2への熱放射(熱移動)を抑制する熱遮蔽部材又は熱移動抑止部材としての断熱プレート23が設けられている。断熱プレート23は、中間転写ベルト2から転写定着ローラ15への2次転写を阻害しない状態で中間転写ベルト2への熱放射を極力抑えるように、開口部を有する形状に形成されており、図示しない定着装置本体、画像形成装置本体のいずれの側に設けてもよい。熱移動抑止部材としては、放射率の低い金属光沢を有する板状のものが好ましく、特に2枚の金属シートを微小空隙又は断熱材を挟んで配置すると優れた効果が得られる。また、ノートパソコンのCPU冷却用に用いられるマイクロヒートパイプ構造を内包する薄板を用いた場合、熱移動抑止部材を低温に保ち熱移動を抑制することができる。
また、図1において、中間転写ベルト2の転写定着ローラ15に対する転写部(転写定着ローラ15との対向部)と、最も上流側の感光体3Yに対する転写部との間に中間転写ベルト2の熱を奪う冷却部材としての冷却ローラ24が設けられている。冷却ローラ24は熱伝導率の高い材料で形成されており、中間転写ベルト2に接触して回転する。本実施形態では断熱プレート23と冷却ローラ24を同時に設ける構成としたが、いずれか一方を設ける構成としてもよい。図1に示す構成によれば、中間転写体の温度を低減でき、中間転写体側の熱劣化を抑制できる。また、転写定着部材の設計上の自由度を大きくすることができる。
中間転写ベルト2から転写定着ローラ15に転写されたトナー像は、ニップで用紙Pに定着されるまで、転写定着ローラ15上において単独で加熱される。トナーのみを予め加熱する過程が十分に得られるので、トナーと用紙Pを同時に加熱する従来方式に比べて加熱温度を低くできる。実験の結果、転写定着ローラ15の温度は110〜120℃の低温でも十分な画質が得られることが確認された。
従来の転写後定着するカラー画像形成装置では、十分な光沢を得るために用紙による温度低下を考慮して白黒画像形成装置に比べて1.5倍ほどの熱量を与えていた。このため、用紙が必要以上に加熱されるとともに、トナーと用紙の密着性も必要以上に高められていた。
これに対して、転写と定着を同時に行なう本実施の形態では、用紙Pを考慮せずに十分な光沢を得るための温度を独立に設定できるので、転写定着ローラ15の温度(定着設定温度)を低くできる。また、用紙Pはニップのみで加熱されるので過剰に加熱されず、トナーと用紙の密着性も必要以上に高められることはない。したがって、低温定着が可能でウォームアップ時間を短くでき、省エネルギー性を向上させることができる。また、中間転写体への熱移動を抑制できるので耐久性を向上させることができる。また、中間転写体の温度を低減でき、中間転写体側の熱劣化を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態における定着装置14は、それ自体が未定着トナー像の被転写機能を有するものであり、未定着トナー像を保持した用紙を単に加熱・加圧する従来の定着装置に対し、転写定着装置として位置付けられるものである。
次に、転写定着装置である定着装置14のクリーニングについて説明する。本実施の形態では、定着装置14の清掃手段として加圧ローラ16とブレード18が用いられている。すなわち、用紙Pに転写されずに残った転写定着ローラ15上の溶融トナー汚れを、転写定着ローラ15より離型性の低い加圧ローラ16に転移させ、ついで加圧ローラ16に付着したトナーをブレード18により掻き取っている。
まず、このような溶融トナー汚れをクリーニングするために、トナーの熱特性に着目する。トナー定着性に関連するトナーの特性は多く知られ、特に軟化点(1/2流出温度)が関連することが知られている。本発明においては、トナーを溶融状態ではなく、固化した状態で掻き取るために、軟化点に着目した。近年、省エネルギーの観点から低温定着可能なトナーが開発されており、その軟化点は90〜115℃が大半である。
トナーの流出開始温度及び軟化点は、フローテスターを用いて測定することができる。フローテスターとしては、例えば島津製作所製の高架式フローテスターCFT500D型がある。このフローテスターのフローカーブは図2(a)および(b)に示されるデータになり、そこから各々の温度を読み取ることができる。図中、Tfbは流出開始温度であり、1/2法における溶融温度とあるのは1/2流出温度のことである。
《測定条件》荷重:5kg/cm、昇温速度:3.0℃/分、ダイ口径:1.00mm、ダイ長さ:10.0mm
トナーとして用いるバインダー樹脂としては、トナーの特性を満足するものであれば、以下の組成のものを使用することができる。例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレンーイソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体が挙げられる。
また、下記の樹脂を混合して使用することもできる。ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
これらの中で特に、ポリエステル樹脂が十分な定着性を得るために、好ましい。ポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られるが、用いられるアルコールとしてはポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリエキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノル類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単体、その他の2価のアルコール単体を挙げることができる。
バインダー樹脂として用いるポリエステル樹脂を得るためには、以上の2官能性単量体のみによる重合体のみでなく、3官能以上の多官能性単量体による成分を含有する重合体を用いることも好適である。かかる多官能性単量体である3価以上の多価アルコール単量体としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。
また、3価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば1,2,4−ペンゼントリカルボン酸、1,2,5−ペンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンボール3量体酸、これらの酸無水物、その他を挙げることができる。
また、本発明に用いるトナーには、転写定着時の転写定着部材表面でのトナーの離型性を向上する目的で、離型剤を含有させることができる。離型剤として、公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックス、エステルワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものがよく、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。各ワックスの酸価が各々の範囲未満であった場合、低温定着温度が上昇し低温定着化が不十分となる。逆に酸価が各々の範囲を超えた場合、コールドオフセット温度が上昇し低温定着化が不十分となる。ワックスの添加量としてはバインダー樹脂100重量部に対して1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部の範囲で用いられる。1重量部未満では、その離型効果が薄く所望の効果が得られにくい。また15重量部を超えた場合はキャリアへのスペントが顕著になる等の問題が生じる。
また、トナーに帯電を付与する目的で、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤としては、従来公知のものが全て使用できる。正帯電制御剤としては、ニグロシン、塩基性染料、塩基性染料のレーキ顔料、四級アンモニウム塩化合物他等が挙げられ、負帯電制御剤としては、モノアゾ染料の金属塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属錯体他等が挙げられる。本極性制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100重量部に対して0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜2重量部の範囲で用いられる。0.01重量部未満では、環境変動時における帯電量Q/Mの変動に対しその効果が小さく、7重量部を超えると低温定着性が劣る結果となる。
また、使用される含金属モノアゾ染料としては、含クロムモノアゾ染料、含コバルトモノアゾ染料、含鉄モノアゾ染料を単独もしくは組み合わせて使用することができる。これらを添加することにより、現像剤中における帯電量Q/Mの立ち上がり(飽和までの時間)がより優れたものとなる。使用量としては、前記極性制御剤同様にバインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜7重量部の範囲で用いられる。0.1重量部未満では、その効果が薄く、10重量部を超えると帯電量の飽和レベルが低下する等の欠点が生じる。
また、カラートナーには、サリチル酸誘導体の金属塩を用いることが特に好ましいが、必要に応じてカラートナーの色調を損なうことのない透明もしくは白色の物質を添加して、トナーの帯電性を安定的に付与することができる。具体的には、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩類、カリックスアレン系化合物等が用いられるが、これらに限られるものではない。
本発明に用いるトナーは、さらに磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用し得る。磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部である。
着色剤としては、トナー用として公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。
また、外添加剤として、トナーの流動性を向上させる目的で、疎水性のシリカ、酸化チタン、アルミナなど、さらに必要に応じて脂肪酸金属塩類やポリフッ化ビニリデン等を添加してもよい。
次に、転写定着ローラ15及びクリーニング部材としての加圧ローラ16の離型性に着目する。加圧ローラ16には、転写定着ローラ15に比べ離型性の低い材料が選択される。
転写定着ローラ15の材料は、離型性に優れた四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)などのほとんどの水素をフッ素に置換した化学構造のパーフルオロ樹脂から主に選択される。電気的な導電性や耐磨耗性を得るためにこれらにカーボンなどの充填材が数%以下含まれていてもよい。この離型性は水の接触角で表すことができる。接触角は表面エネルギーと相関があり、表面エネルギーが小さいほど接触角は大きくなる。これらの材料は最も表面エネルギーが小さな材料であり、110〜125°などの値を示すことが知られている。
これに対して、加圧ローラ16には接触角が70〜105°の材料を用いることが転写定着ローラ15側から溶融トナーを転移させるのには有効である。PTFE、PFA、FEPに耐磨耗性に優れたカーボン、ガラス繊維やセラミック、摺動性に優れたニ硫化モリブデンなどの充填材を2〜20%加えたもの、機械的強度に優れた四フッ化エチレン・エチレン共重合体樹脂(ETFE)など水素の半分をフッ素に置換した構造のフッ素樹脂により、これらの接触角の材料を得ることは容易である。また、充填材を多く含むことで耐磨耗性が確保され、トナーを掻き取ることによる損耗も同時に抑制され、非常に好適である。接触角が70°以下では完全にトナーが固着し、掻き取りが困難となるため、本発明に適していない。
転写定着ローラ15と加圧ローラ16の表面に上記条件を満たす離型層を設けることにより、転写定着ローラ15上の溶融トナーを加圧ローラ16に転移させることができる。そして、加圧ローラ16に転移したトナーは、加圧ローラ16の表層に当接するブレード18により当接部の温度が軟化点以下の条件で良好に掻き取ることができる。
ここで、転写定着ローラ15と加圧ローラ16の接触時間が長いと加圧ローラ16の温度が転写定着ローラ15の温度に徐々に近づくため、接触時間が40ms以上となるような連続通紙時には、軟化点を越えてトナー汚れがブレード18をすり抜けるクリーニング不良を発生しやすいことが実験の結果わかった。なお、図1において、Aは転写定着ローラ15の温度測定点、Bは加圧ローラ16の温度測定点である。転写定着ローラ15と加圧ローラ16の接触時間が30ms以下好ましくは20ms以下であれば、加圧ローラ16の温度は転写定着ローラ15とは温度差が40℃以上生じて、トナー軟化点以下となりやすい。したがって、金属ブレードなどのブレード18による掻き取りが可能となり、溶融トナーのすり抜け、蓄積等のクリーニング不良は発生しない。また、離型性の低い加圧ローラ16の温度が低いことは、両面作像時の加圧ローラ16からの像汚れを回避できるため必須条件である。
最大通紙幅より紙幅の小さな紙を連続的に通紙すると、転写定着ローラ15の端部は温度上昇することで軟化点温度以下からはずれる場合が発生する。それを避けるために加圧ローラ16を軸方向の熱抵抗(1/熱伝導率/厚さ)の小さなアルミニウム(熱伝導率100W/mK以上)0.5mm以上の厚さで構成することで、端部温度上昇を抑制することができ、軟化点温度以下を維持できる。加圧ローラ16表層の離型層は薄いほど、温度の均一化のためには効果があり、30μmがよい。10μm以下では耐久性の点から不利である。
上記のアルミニウムなど高熱伝導な金属層は0.5mm程度では、剛性が不十分で加圧ローラ16としては加圧力が不足する場合がある。厚肉とすると転写定着ローラ15の温度上昇に要する時間が増加してしまう。そのため、図3に示すように、加圧ローラ16として、アルミニウムなど高熱伝導層31の内側に多孔質セラミックなどの硬質断熱材32を設け、さらに内側に剛性に優れた鉄やステンレスなどの芯金33を設けることが、転写定着ローラ15の昇温時間の短縮に有効である。
本実施の形態においては、上記のように構成することにより、転写定着ロール13の溶融トナー汚れのクリーニングが可能となる。しかしながら、100枚以上の連続通紙を行い多量のトナーをクリーニングした後に放置すると、ブレード18と加圧ローラ16が固着トナーにより接着され、起動時に加圧ローラ16が回転できない、または異音を発生するという不具合(クリーニングロック)の生じる恐れがある。
このため、本実施の形態においては、さらに上記クリーニングロックを防ぐために、ブレード18又は加圧ロール14が本発明に特有な起動時動作を行なうよう構成される。クリーニングロックを防ぐ起動時動作を具体例を挙げて説明する。
<起動時動作例1>
ブレード18を起動時に加熱する。温度としては60℃以上でクリーニングロックの発生を防止でき、100℃まで実験を行なったが効果の差は見られなかった。これは、加熱によりブレード部の固着トナーが軟化し、ブレード18と乖離することで、クリーニングロックを防ぐことが可能となると考えられる。加熱方法としては、SUS301製のブレード18に電流を直接接続する方法、ブレード先端から4mm程度の部分に例えばセラミックヒータを接触させる方法等を用いることができる。
電流を流す方法においては、SUSが合金中でもブレードとしての強度に優れるため20〜100μmの薄板で掻き取りに適しているとともに、金属中でも抵抗率も高いため好適である。鉄クロム合金、ニクロム合金も好ましい。また、加熱温度60〜100℃でその効果の差が見られなかったことからも、精密な温度制御は不要で、電流発熱と空気への放熱で略60〜100℃に安定するような電流および放熱設計を実験に基づいて設定することがもっとも簡易な方法である。電流は専用に低電圧回路を設けてもよいが、図4に示すように、定着加熱ヒータ17(転写定着ローラ15の熱源)の配線の一部をブレード18とすることで初期的立ち上がりと、連続使用時に異常に高温となる危険性を回避できるため非常に適している。ブレード18の抵抗は0.2〜0.8程度に設定可能であり、初期には定着加熱ヒータ17に10A程度連続で通電すれば(100V1000Wのヒータを用いた場合)、約20〜80Wの発熱量が得られる。温度制御回路35で定着加熱ヒータ17が平均で500W程度に制御されれば、ブレード18も約半分の電力で加熱状態が維持される。無論、連続使用時はブレード18の加熱は不要なため、ブレード18を回避する電流バイパス回路を設けてもよい。
<起動時動作例2>
ブレード18を起動時に振動させる。図5に示すように、ブレード18の端部にアクチュエータ37を取り付け、先端が無負荷時に0.2mmの振動を生じるようにアクチュエータ37を起動時のみ作動させたところ、クリーニングロックの発生を防止できた。振動を0.5mmまで増加させたが効果に変化はなく、0.1mm以下にすると、クリーニングロックを生じてしまった。これは、ブレード部の固着トナーが機械的にブレードと界面で乖離する効果と考えられる。さらにこの効果を高めるには加熱との併用も可能である。また、変形例として、超音波カッターで用いる20kHzの超音波アクチュエータで振動を加えれば、トナー界面を容易に溶融できることも確認した。
<起動時動作例3>
起動時にクリーニングローラである加圧ローラ16を逆回転させる。加圧ローラ16を1mm逆回転させた後クリーニングを行ったところ、クリーニングロックの防止効果が得られた。逆回転を2mm以上行うとその方向にもロックすることがあり、効果が得られなかった。また、0.5mm以下にすると、クリーニングロックの発生が見られ、防止効果がなかった。これも、ブレード部の固着トナーが機械的にブレードと界面で乖離する効果と考えられる。
上述したように、本実施の形態においては、転写定着工程で発生する溶融トナー汚れを、クリーニングローラとして利用する加圧ローラ16に転移させてブレードで掻き取ることにより、簡単な構成で多量の溶融トナーを効率よくクリーニングすることができるとともに、起動時にブレード18の加熱及び/又は振動、あるいは加圧ローラ16の逆回転の動作を行なうことにより、ブレード当接部にトナーが固着していても、これを効果的に乖離させることができ、クリーニングロックの発生を防止することができる。
また、本実施の形態においては、ブレード18をPFA、PTFE、FEP、ポリイミド入りのフッ素樹脂等のフッ素樹脂でコートすることが好ましい。これは、紙幅の狭い紙のみを連続的に10000枚通紙する最悪試験を行うと、図6に示すように、ブレード18の内側にトナーがつらら状に成長して蓄積されるケースが生じ、このトナー固着が成長するとその一部が紙に付着する裏汚れが発生したためで、ブレードに30μmのPFAコートを行って同様な実験を行ったところ、トナー固着の成長はほとんど発生せず大幅な改善効果が得られた。コートはPFAに限らず、PTFE、FEP、ポリイミド入りのフッ素樹脂などでも同様な結果が得られた。
また、本実施の形態では加圧ローラ16をクリーニングに用いているが、このように加圧ローラ16をクリーニングローラとして用いると、紙幅の狭い紙のみを連続的に10000枚通紙するような過酷な使用条件では、紙幅方向端部に線状のクリーニング不良部が発生することがある。これは、図7(a)、(b)に示すように、拡大図(b)で考えると、紙端部では加圧ローラ16が接触しない部分が存在するため、中間転写体から転写定着ローラ15に移った非通紙部の地汚れトナーが加圧ローラ16側にクリーニングしきれないことによることが推測できる。
このような紙幅方向端部の線状のクリーニング不良を防ぐためには、通紙方向に対して左右に例えば約1.5mmの範囲で周期的にずらして通紙するか、あるいは転写定着ローラ15を軸方向左右に揺動して、通紙域が軸方向に相対的に変化するように構成することが好ましい。これにより、加圧ローラをクリーニングローラとして用いても長期に安定したクリーニングが可能となる。また、紙端部の磨耗を軽減する効果も得られる。
また、本実施の形態のように加圧ローラ16をクリーニングローラとして利用する場合、加圧ローラ16に対するブレード18の位置を、図1に示すようにニップ出口近傍に設定することが好ましい。これにより、例えば連量45kgとなるような大量の紙を通紙しても巻きつきを防止することができる。これは、ブレード18が巻きつき防止の分離板として機能するためで、この際には、ブレード18の剛性を紙の衝突時にも変形しないように注意する必要がある。
ところで、図8に示すように、トナー濃度、画像ずれのチェックのために基準画像を中間転写体上に作成することが広く行われている。このトナーは面積は小さいものの高濃度画像のためトナー厚みとしては多量であり、このクリーニングは困難である。通常のカールソンプロセスでは、例えば特開2002―31967号公報に記載されているように、転写部で逆バイアスを印加することで、転写部材のクリーニングを軽減することが知られている。しかしながら、転写定着においては、転写定着部材が不要なトナーを溶融トナーとして引き受けてしまう特有な課題があり、この多量の溶融トナーを減らすため、図1において基準画像の場合のみ従動ローラ11と転写定着ローラ15間に作像時と逆バイアスを印加することを行う。そうすることで大半のトナーは中間転写ベルト2に粉として残留し、クリーニング装置8により除去される。もちろん転写定着ローラ15に転移した溶融トナーは、加圧ローラ16とブレード18による清掃方法により除去される。
図9に、本発明の画像形成装置の他の実施の形態を示す。ここでは2次転写定着方式への適用例を示している。図1に示す実施の形態と比較して、従動ローラ11が転写定着ローラ15と同一構成の加熱回転体となり、中間転写ベルト2上のトナー画像が直接用紙Pに転写定着されること以外は同様に説明することができる。
図10に、本発明の画像形成装置のさらに他の実施の形態を示す。本実施の形態では、加圧ローラ16とは別に専用のクリーニングローラを設けている。
なお、クリーニングローラ(加圧ローラ)に線速差を設けることは、クリーニングの掻き取り効果を増すために有効である。転写定着部材に対して2%〜20%程度の線速差が選択可能である。
本発明の画像形成装置の一実施の形態を概略的に示す図である。 フローテスターのフローカーブを示す図である。 加圧ローラの構成例を示す断面図である。 ブレードの加熱回路の一例を示す図である。 ブレードの振動手段の一例を示す図である。 ブレードの内側にトナーが蓄積された状態を示す断面図である。 転写定着ローラ15と加圧ローラ16の間に用紙Pが挟持された状態を示す断面図である。 中間転写体上に形成される基準画像の一例を示す図である。 本発明の画像形成装置の他の実施の形態を概略的に示す図である。 本発明の画像形成装置のさらに他の実施の形態を概略的に示す図である。
符号の説明
2……中間転写ベルト
3……感光体
5……書き込み装置
6……現像装置
7……1次転写装置
9……駆動ローラ
14……定着装置
15……転写定着ローラ
16……加圧ローラ
17……定着加熱ヒータ
18……ブレード
19……給紙トレイ

Claims (7)

  1. 熱源により加熱される加熱回転体と、この加熱回転体に圧接する加圧回転体とで転写材を挟持搬送し、トナー画像を前記転写材に転写定着する画像形成装置において、
    転写定着対象のトナー画像を保持する転写体に当接し、該転写体上に残留する溶融トナーを転移させるクリーニング回転体と、このクリーニング回転体に当接しトナーを掻き取るブレードとを備え、
    起動時に前記ブレードの当接部に固着したトナーを、前記ブレードの先端部近傍を加熱するブレード加熱動作により乖離させるトナー乖離動作を行ない、
    前記ブレードは、前記熱源への通電を制御する温度制御回路と該熱源とが接続される配線の一部として構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ブレードの先端部にフッ素樹脂が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記クリーニング回転体が加圧回転体であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記加圧回転体に対して転写材の通過域を相対的に所定の幅で変化させることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  5. 前記ブレードが前記加圧回転体の転写材通過出口近傍に設置されていることを特徴とする請求項又は記載の画像形成装置。
  6. 前記転写体が、中間転写体からバイアス印加によりトナー画像が転写される加熱回転体であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 画質調整用の基準画像が前記中間転写体上に形成された時、該中間転写体と加熱回転体との間に逆バイアスが印加されることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
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