JP2010204235A - 加熱転写定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】用紙搬送品質を向上させ、不具合なく良好な画像形成が行われるようにした加熱転写定着装置を提供する。
【解決手段】転写定着ローラ9に転写定着ベルト2を介して加圧ローラ24を対向設置し、転写定着ベルト2と加圧ローラ24とにより定着ニップNを形成する。該ニップNへ用紙Pを静電吸着して搬送する搬送ベルト124における搬送方向上流側に、用紙Pの表面を加熱する加熱ガイド板120を設ける。用紙Pは、加熱ガイド板120と接触することによって表面が加熱される。用紙Pと加熱ガイド板120との接触を確実にするため、搬送ローラ121により搬送ベルト124を介して用紙Pを加熱ガイド板120に押圧する。加熱ガイド板120の表面(用紙Pと接する側の面)には、用紙Pをマイナスに帯電させるためガラスコーティングを施す。
【選択図】図1
【解決手段】転写定着ローラ9に転写定着ベルト2を介して加圧ローラ24を対向設置し、転写定着ベルト2と加圧ローラ24とにより定着ニップNを形成する。該ニップNへ用紙Pを静電吸着して搬送する搬送ベルト124における搬送方向上流側に、用紙Pの表面を加熱する加熱ガイド板120を設ける。用紙Pは、加熱ガイド板120と接触することによって表面が加熱される。用紙Pと加熱ガイド板120との接触を確実にするため、搬送ローラ121により搬送ベルト124を介して用紙Pを加熱ガイド板120に押圧する。加熱ガイド板120の表面(用紙Pと接する側の面)には、用紙Pをマイナスに帯電させるためガラスコーティングを施す。
【選択図】図1
Description
本発明は、複写機,プリンタ,ファクシミリ装置などの画像形成工程において、像担持体上に形成されたトナー像と記録媒体とを共に加熱しながら転写定着させる加熱転写定着装置、および該転写定着装置を搭載する画像形成装置に関するものである。
従来の複写機,プリンタ,ファクシミリ装置などの画像形成装置においては、像担持体から記録媒体に転写された未定着画像を加熱定着することにより複写物や記録物を得ることができる。定着に際しては、未定着画像を担持している記録媒体を狭持加圧しながら未定着画像を加熱することにより未定着画像中に含まれる現像剤、特にトナーの溶融軟化および記録媒体への浸透を行わせることにより、記録媒体にトナーを定着することが行われる。そこで、像担持体上に形成した未定着画像を記録媒体に転写および定着を一体で行う転写定着装置が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1,2のうち、前者は中間転写体から記録媒体である転写材に2次転写定着を行う構成のものであり、後者は中間転写体から転写定着体に2次転写定着した後、転写定着体から転写材に3次転写定着する構成のものである。なお、これらの技術において、画像を構成する部材としては、トナーと呼ばれる樹脂を主体とした帯電性の粉体を利用するのが一般的である。
これらのトナーは、省エネルギ−化,複写機などの装置の小型化が検討される中で、よりホットオフセット発生温度が高く(耐ホットオフセット性が良好)、かつ定着温度が低い(低温定着性が良好)、トナーが求められている。特に、転写定着において定着温度(転写定着ベルト温度)が上昇すると、転写定着ベルトに接触している感光体ドラム、更には現像部にも熱が伝わり、転写定着ベルトなどの変形による画像不具合、およびトナーの固化などの不具合がより一層発生しやすくなるため、より低温定着性のトナーが必要である。
また、従来、トナー中に離型性を付加させるためにワックスが添加されている。一般にワックスなどの離型剤には低融点のものが多く、染み出しによる現像部における構成部材の汚染を招いたり、溶融時に樹脂と界面を形成するために、濁りが生じて色再現性を損なうことがある。また、樹脂との相溶性に問題があり、添加量が増すに従い現像性が悪化し、トナー中のキャリアとのスペントも起こるため、帯電量不足や帯電不安定が発生するため使用しないか、もしくは使用量を低減できることが好ましい。
従来の電子写真方式による画像形成装置において、画像品質を低下させやすいのは記録媒体としての転写材への転写工程である。転写材には、主に紙が用いられるが、紙といっても普通紙から厚紙までさまざまな厚みのものがあり、表面性も上質なものから粗いものまでさまざまである。特に、表面性の粗い紙においては、中間転写体が紙の表面性に追従できずに微小ギャップを形成してしまうため、微小ギャップ部分で異常放電が発生し、画像が正常に転写されずに、全体としてボソボソの画像になりやすいという不具合がある。
これに対し、転写定着工程を有する前記のような画像形成装置では、転写と定着を同時に行うため、表面性の粗い紙を使用しても画像品質の低下が起こり難いという利点を備えている。これは、転写と同時に熱を加えるため、熱によりトナーが軟化・溶融して、粘弾性を帯びたブロック状の塊になるため、紙の微小ギャップ部分の画像も塊として転写されやすいためである。このような利点から、転写定着手段を有する画像形成装置は、高画質達成に最適な手段といえる。
さらに、転写定着方式の利点として、通常の電子写真方式と異なり、転写定着部直前まで転写材には粉体が乗っていないため、転写定着部直前まで通紙方向を狭く限定することが可能な搬送ガイドを設置することが可能であり、薄紙から厚紙など紙種によらず安定した搬送が可能となる。その結果、紙種対応性が広く、また通紙詰まりの発生率が極端に少ない画像形成装置が可能となる。しかし、定着前で転写材には粉体が乗っていると、搬送ガイドは粉体を擦ることがないように隙間を空けてしか通紙方向を案内することができない。この隙間の中で紙が不安定になることによる通紙詰まりが発生する場合が多い。
一方、転写定着の熱効率を最大とするためには、紙とトナーを融着する面、すなわち紙とトナーの界面の温度を高めることが必要である。従来では、このために、トナーを十分に加熱し軟化した状態で紙に圧接させる方式を提案してきた(例えば、特許文献3〜5参照)。
しかし、特許文献3〜5に記載の方法では、トナーを加熱するだけではなく、転写定着部材を加熱する必要があるため、転写定着部材が、厚い場合(例えば300μm)で、画像形成部が4連タンデムによる作像方式などの周長が長い工程の場合では、必ずしも熱効率がよくない。特に、冷却が必要となることにより、同一部材を一方で加熱し、一方で冷却することはエネルギ利用の観点から非常に非効率である。さらに、加熱と冷却のサイクルを繰り返すことによりエネルギ的に無駄があるだけでなく、このような著しいヒートサイクルによる転写定着部材の耐久性においても不利である。
また、特許文献6,7では、転写定着部材と転写材および加圧部材を、それぞれ加熱することで転写定着する方法が開示されている。この方法では転写定着部材の温度をトナー溶融温度以下に加熱し、転写材をトナー溶融温度以上に加熱することにより、転写定着部材側にあまり熱を持たせない構成にしている。
しかしながら、前記方法では転写材を表面裏面とも加熱しており、エネルギ的に非効率であるだけでなく、両面印刷の第2面目印刷時に第1面目の画像(紙裏面)が再溶融し、画像劣化につながる。また、転写定着後も高温の転写材が転写定着部材とともに搬送され、高温の転写材が長く転写定着部材と接触し、ヒートサイクルによる転写定着部材の耐久性においても不利である。
そこで、熱効率が良い転写定着装置として、トナー接触直前の転写材である紙の表面を選択的に加熱し、紙裏に熱が伝わる前に転写定着する紙加熱転写定着方式が提案されている。
前記紙加熱転写定着方式では、従来の電子写真方式の転写定着とは異なり、転写材にトナーが乗っていないので、転写材を加熱搬送する部材を狭く限定可能な場所に設置することができる。このため、転写材表面を加熱する加熱部材を転写定着ニップ直前に設置し、転写材表面の温度低下が起こる前に転写定着ニップに送り込むことが可能である。特に厚紙などでは、無駄に紙裏面を加熱することなく定着することが可能である。
紙を非画像面である裏側まで予熱することは、従来、転写定着においても行われているが、これは明らかに定着に寄与しない紙裏まで暖めることになり、エネルギを無駄に使用している。また、両面印刷時の第1面目における画像不良を引き起こしてしまう。
前記紙加熱転写定着としては、特許文献8に紙を転写定着直前に選択的に加熱する方式が提案されている。
しかしながら、前記紙加熱転写定着装置において記録媒体である紙を加熱する際、通常、紙と紙加熱部材が摺擦される構成になっている。すなわち、紙と紙加熱部材との摺擦によって用紙搬送性が損なわれる惧れがある。経時的な摺擦による紙加熱部材の摩擦係数の変化によりスキューの原因となったり、特に、薄紙や摩擦係数の高い特殊紙(コート紙)などではジャムの原因となり、これによって、使用可能な紙種が限られ、画像品質の安定性および耐久性にも問題が生じることになる。
一方、画像形成装置における用紙搬送手段として、静電吸着力を用いて搬送する方法が知られている(例えば、特許文献9参照)。
しかしながら、記録媒体に転写したトナー像が転写部から定着部へ搬送される際、記録媒体搬送部材である搬送ベルトの電荷(残留電荷)などにより、画像が乱れる惧れがある。また、記録媒体の吸湿状態により静電吸着力が不安定となり、安定な搬送性が得られにくい。
そこで、本発明の目的は、高画質が達成できるように最適な転写定着を行うことができ、なおかつ記録媒体とトナー像とを加熱しながら転写定着を行う装置において、用紙搬送品質を向上させ、不具合なく良好な画像形成が行われるようにした加熱転写定着装置および画像形成装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、表面にトナー像を担持する転写定着部材と、該転写定着部材を狭持し転写定着ニップを形成する転写定着部材および加圧部材と、転写定着部前に記録媒体表面を加熱して狭持搬送する記録媒体加熱部材および記録媒体支持部材を備えた加熱転写定着装置において、前記転写定着ニップと前記記録媒体加熱部材との間を通り、かつ静電吸着力で記録媒体を吸着して搬送する無端ベルトからなる記録媒体搬送部材を備え、前記記録媒体加熱部材に記録媒体に対してトナーと同極性電荷を付与する帯電機能を具備させたことを特徴とし、この構成によって、記録媒体を無端ベルトで吸着搬送し、加熱定着を施すため、記録媒体の搬送品質が向上し、記録媒体である用紙などの定着ジャムやしわなどの発生を低減させることができる。また、巻き付きやすい薄紙や特殊紙なども安定して搬送することができるため各種の記録媒体への対応性が向上し、さらに、巻き付きやすい低融点トナーの使用も可能となる。さらに、熱による転写定着のため、記録媒体にトナー像がしっかりと固着され、転写定着後の搬送中にベルトなどの電荷の影響は受けずに画像が乱れない。なおかつ、記録媒体加熱部材に帯電付与機能を具備させたことで、部品の削減によるコストダウンおよび小スペース化が実現できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の加熱転写定着装置において、記録媒体支持部材が、記録媒体搬送部材を介して記録媒体加熱部材に弾圧する弾性部材であることを特徴とし、この構成によって、記録媒体に対する押圧により加熱定着処理が安定して行われる。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の加熱転写定着装置において、弾性部材が、表面がブラシ状のローラ構造あるいは平板構造であることを特徴とし、この構成によって、記録媒体に対する加熱定着処理が確実に行われる。
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の加熱転写定着装置において、転写定着部材上のトナー像を加熱する加熱部材を備えたことを特徴とし、この構成によって、記録媒体加熱部材のみによる加熱の補充を行うことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1記載の加熱転写定着装置において、記録媒体搬送部材である無端ベルトが複数のローラに巻き架けられており、そのうちの少なくとも1つは記録媒体を無端ベルトから剥離する分離ローラとし、該分離ローラにおける無端ベルトを介した外側にアースされた分離補助部材を設けたことを特徴とし、この構成によって、除電と機械的分離とにより、記録媒体のベルトからの分離が確実かつ良好に行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1または5記載の加熱転写定着装置において、記録媒体搬送部材に対してトナーと逆極性電荷を付与する帯電部材を備えたことを特徴とし、この構成によって、トナー像に影響なく記録媒体の記録媒体搬送部材による搬送が行うことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1または6記載の加熱転写定着装置において、帯電部材により記録媒体搬送部材である無端ベルト表面にプラスとマイナスの電荷を交互に付与し、無端ベルト上にピッチ状に付与された電荷による吸着作用によって記録媒体を搬送することを特徴とし、この構成によって、用紙を帯電させる必要がないため、省スペース化を図ることができる。
請求項8に記載の発明は、トナー画像を記録媒体に対して転写形成する電子写真方式の画像形成装置において、請求項1〜7いずれか1項記載の加熱転写定着装置を備えたことを特徴とし、この構成によって、記録媒体の搬送性が向上し、不具合なく高品位の画像形成が良好に行われる。
本発明に係る加熱転写定着装置によれば、記録媒体を無端ベルトで吸着搬送し、加熱定着を施すため、記録媒体の搬送品質が向上し、記録媒体である用紙などの定着ジャムやしわなどの発生を低減させることができる。また、巻き付きやすい薄紙や特殊紙なども安定して搬送することができるため各種の記録媒体への対応性が向上し、さらに、巻き付きやすい低融点トナーの使用も可能となる。さらに、熱による転写定着のため、記録媒体にトナー像がしっかりと固着され、転写定着後の搬送中にベルトなどの電荷の影響は受けずに画像が乱れない。なおかつ、記録媒体加熱部材に帯電付与機能を具備させたことで、部品の削減によるコストダウンおよび小スペース化が実現できる。
本発明に係る加熱転写定着装置を搭載した画像形成装置によれば、前記のように記録媒体の搬送性が向上することにより、高品位の画像形成が良好に行われる。
以下、本発明の実施形態を画像形成装置であるタンデム型の電子写真式カラー複写機に適応した例に基づいて、図面に従って説明する。
図1は本発明の実施形態1である電子写真式カラー複写機の内部要部を示す側面図である。図1に基づいて本実施形態における画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の構成および動作の概要について説明する。
本カラー複写機は、複写機本体の中央部に位置する画像形成部1aと、該画像形成部1aの下方に位置する給紙部1bと、画像形成部1aの上方に位置する図示しない画像読取部とが設置されている。
画像形成部1aには、水平方向に延在する転写面を有する転写定着部材である転写定着ベルト2が配置されており、該転写定着ベルト2の下面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成、すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体3Y,3M,3C,3Kが転写ベルト2の転写面に沿って並置されている。
前記転写定着ベルト2の構成は、本例では、基材となるポリイミド樹脂80μm,シリコーンゴム160μm,フッ素樹脂製ゴム7μmからなる代表的な構成のものである。シリコーンゴムは記録媒体の凹凸に追従するために必要であって、表面のフッ素樹脂製ゴムは、転写定着ベルト2の表面状態がトナーや紙粉に対する離型性に優れていれば不要である。
各感光体3Y,3M,3C,3Kは、それぞれ同じ方向に回転可能なドラム構造であって、各感光体3Y,3M,3C,3Kの周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置4、光書き込み手段としての書き込み装置5,クリ−ニング装置6,1次転写装置7,現像装置8が配置されている。なお図中、前記各符号に付記しているアルファベットは、感光体3と同様に、トナーの色別に対応して付している。各現像装置8には、それぞれのカラートナーが収容されている。
転写定着ベルト2は、駆動ローラ11と転写定着ローラ9とに掛け回されて、感光体3Y,3M,3C,3Kとの対峙位置において同方向に移動可能な構成になっている。駆動ローラ11と対向する外側位置には、転写定着ベルト2の表面をクリーニングするクリーニング装置12が設けられている。
感光体3Yの表面が帯電装置4Yにより一様に帯電され、画像情報に基づいて感光体3Y上に静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置6Yによりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置7Yにより転写定着ベルト2上に1次転写される。他の感光体3M,3C,3Kでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が転写定着ベルト2上に順に転写されて重ね合わせられる。
転写後、感光体3Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yにより除去され、さらに転写後、図示しない除電ランプにより感光体3Yの電位が初期化され、次の作像工程に備えられる。これらの作像工程が、他の感光体3M,3C,3Kに対して同様に行われるが、ここでは説明は省略する。
転写定着ローラ9の近傍には、転写定着ベルト2を介して加圧ローラ24が設けられている。転写定着ベルト2とにより転写定着部であるニップN(以下、ニップあるいは転写ニップともいう)を形成する加圧部材としての加圧ローラ24は、アルミニウムなどの金属によりパイプ状に形成されている。また、加圧ローラ24は芯金に耐熱弾性体層を被覆した構成のものであってもよい。
転写定着部近傍の記録媒体搬送方向Aの上流側には、記録媒体である用紙Pの表面を加熱する記録媒体加熱部材としての加熱ガイド板120が設けられている。さらに、転写定着ベルト2には、該転写定着ベルト2上のトナー像Tを加熱する加熱部材13が設けられ、トナー像Tが予備加熱される。
300g紙などの厚紙は、転写定着ベルト2よりも熱容量が大きく、加熱ガイド板120によって、その表面のみを加熱することが難しいため、本例のように転写定着ベルト2上のトナー像Tを加熱するための加熱手段13と、加熱ガイド板120とを併用することが望ましい。これにより、加熱ガイド板120から用紙Pへの余分な熱量供給を抑制することが可能となる。
図2は実施形態1の要部を示す拡大図であって、レジストローラ対17によって搬送された用紙Pは、加熱ガイド板120と接触することによって表面が所望の温度まで加熱される。用紙Pと加熱ガイド板120との接触を確実にするために、耐熱ブラシや発泡ウレタン,フェルトなどで構成される記録媒体支持部材である搬送ローラ121が、3〜10mm程度のニップ幅(加圧幅)を形成しながら用紙Pの搬送方向に略同速度で駆動される。また、本例では記録媒体支持部材として搬送ローラ121を用いたが、繊維を植毛した板状の押当部材を用いるようにしてもよい。
加熱ガイド板120の加熱源としてPTC特性を有する発熱体134を用いる。加熱ガイド板120に対して用紙Pを、記録媒体搬送部材である無端ベルトからなる搬送ベルト(後で詳述する)124を介して、搬送ローラ121によって押し当てることによって用紙Pの表面を加熱する。
PTC特性を有する発熱体134は、加熱ガイド板120における用紙Pと接する面とは反対側に設けられる。PTC特性とは、高温になるほど電気抵抗が大きくなって電流が流れなくなり、一定温度に集束する特性であり、そのような特性を有する発熱体134は、温度制御が不要で一定の温度を保持することができる。
加熱ガイド板120は熱伝導率の高い金属板で構成することにより、発熱体134の熱抵抗を抑える。発熱体134は、本例では所定のキューリー点となると抵抗が急激に上昇する抵抗発熱体であるため、その自己温度制御機能によって用紙Pが異常昇温してしまうような事故を防ぐことができ、安全性の高い構成となる。
加熱ガイド板120は、140〜220℃の範囲で制御され、搬送される紙表面を加熱する。この際、紙裏面に熱電対を固定して実験したところ、加熱ガイド板120の接触後、0〜60msでは紙裏の温度は15℃以内の変化で収まることが確認された(計測は、60k紙相当の株式会社リコー製のコピー用紙6200(紙厚87μm,70g/m2)を用いた)。
図2において、加熱ガイド板120と搬送ローラ121と搬送される用紙Pとの接触状態を示している。本例ではブラシや発泡ウレタンなどで構成される搬送ローラ121は、外周が円筒ガイド板140に接触変形する位置で、加圧ローラ24と同方向に回転駆動される。円筒ガイド板140は、加圧ローラ24と微少ギャップを保持しながら同心上に固定され、好適にはフッ素樹脂コートやダイヤモンドグラファイトなどの低摩擦表面処理がなされ、搬送ローラ121との摺動抵抗を低減させている。
本例では、搬送ローラ121から加圧ローラ24までの距離Lを、両ローラの半径の和よりも小さくなるように配置しているので、図2に示す距離L2を極限まで近づけることができ、加熱効率を最大限に発揮することができる。加熱ニップN1では、加熱時間を稼ぐために搬送ローラ121の変形が大きい方が望ましく、それゆえ搬送ローラ121は、耐熱ブラシや発泡ウレタンまたはフェルト材を巻き付けたローラで構成され、さらに加熱ガイド板120方向に3〜5kgf程度の作用力が付与される。
加熱ガイド板120の表面(用紙Pと接する側の面)は、用紙Pをマイナスに帯電させるためガラスコーティングされている。すなわち、加熱ガイド板120の用紙Pと接する面において用紙Pと摩擦帯電し、トナーTと逆極性に帯電する材料を用いる。用紙Pの帯電電荷をトナーTと同極性にすることにより、転写ニップN前でのトナーTの飛び散りを防ぐことができる。
本実施形態は、用紙Pに対して静電転写ではなく熱転写を行うため、用紙Pおよび搬送ベルト124の帯電の影響による画像不具合の発生がない。
図3に摩擦帯電系列を示す。図3に示す摩擦帯電系列上、紙よりもプラス極性側にある材料により表面が覆われていれば、加熱ガイド板120自体はプラスに帯電し、用紙Pはマイナスに帯電して、搬送ベルト124に、より強固に静電吸着させることができる。
トナーTがプラス極性の場合は、用紙Pよりもマイナス極性側にある材料(例えばテフロン(登録商標))によって表面を覆う。
以上のように、加熱ガイド板120が加熱部材と帯電付与部材との機能を共有することにより、部品の削減によるコストダウンおよび小スペース化が実現する。
搬送ローラ121は、側面の変形によって空走距離を低減し、上面の変形で加熱ニップ距離を確保しているが、回転駆動されている期間以外も前記変形を与えるとすると、作用力による変形や熱による組成変化によって、搬送ローラ121の回転方向に圧力ムラが生じて加熱不足の箇所が発生する。このため用紙Pが搬送されていない状態では、搬送ローラ121を加熱ガイド板120および円筒ガイド板140から離間させるように制御する。
一方、用紙搬送途中にジャムが発生した場合、特に、加熱ガイド板120の下部に用紙Pが滞留すると、発熱体134への電力を遮断しても、用紙Pによっては発火の危険性がある。このためジャム時は加熱ガイド板120を上方に回転回避させる。
搬送ローラ121のブラシ材としての繊維は、本例ではポリイミド繊維を用いている。また、図示しないが加圧ローラ24と搬送ローラ121との間に繊維の巻き込み防止のため繊維進入防止部材を設けてもよい。
図1に示す給紙部1bは、用紙Pを積載収容する給紙トレイ14と、該給紙トレイ14内の用紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙する給紙コロ16と、用紙Pが一旦停止され、斜めずれを修正された後、転写定着ベルト2上におけるトナー像Tの位置の先端と搬送方向の所定位置とが一致するタイミングで搬送ベルト124に向けて送り出すレジストローラ対17を有している。
用紙Pを搬送して転写ニップNへ導き、かつ転写定着後に用紙Pを排紙部まで導く搬送ベルト124は、耐熱性樹脂からなり、中・高抵抗から絶縁性を有するものである。本例では用紙Pを確実に静電吸着して搬送する目的から絶縁性のベルトを用いている。半導電性のベルトを用いてもよいが、用紙Pと搬送ベルト124の吸着力は低下する。搬送ベルト124の吸着力はベルトの絶縁層の厚みが誘電率に影響し、厚みが厚くなると誘電率は下がり、帯電した際にベルトに載る電荷が減る。よって、製造性および耐久性を損なわない範囲で極力薄くすることで、静電吸着力をより向上させることができる。
搬送ベルト124は、加圧ローラ24,用紙分離ローラ25、および第3/第4のローラ26,27によって支持されている。搬送ベルト124に電荷を付与する帯電ローラ123は搬送ベルト124の外側に接触し、搬送ベルト124の回転に従動して回転するように設置されている。
また、帯電ローラ123によって搬送ベルト124にテンションを加え張力を与えている。この搬送ベルト124の帯電極性はトナーと逆極性の電荷が付与される。本例では搬送ベルト124の帯電部材としてローラ部材で示したが、非接触のコロナ帯電を用いてもよい。
レジストローラ17から送り出された用紙Pは、搬送ベルト124の電荷と用紙裏面の電荷の吸着力によって搬送ベルト124に吸着されながら紙加熱部である加熱ニップN1へ送られる。ここで用紙Pは紙加熱部材120によって摺擦されながら加熱されるが、用紙Pが搬送ベルト124に強固に固定されているため、安定で確実な紙搬送が行える。
そして、用紙Pの表面が加熱された直後に、印刷用紙はニップNへ搬送される。この際、転写定着前の用紙がトナーTと同極のため、転写定着直前でのトナーTの飛び散りが防止できる。転写定着ベルト2に転写されたトナー像Tは、加熱手段13よって加熱され、ニップNで加熱ガイド板120よって加熱された用紙Pに定着される。
次に、用紙Pの分離動作について説明する。
用紙Pが、搬送ベルト124にしっかりと静電吸着されているので、薄紙など巻き付きやすい紙や特殊紙も転写定着ローラ9から分離でき紙種対応性が広がる。さらに、用紙Pが巻き付かないことからより低融点トナーを使用できるようになる。
転写定着された用紙Pは、搬送ベルト124に保持されつつ用紙分離ローラ25が設置された用紙分離部へ搬送される。該用紙分離部まで搬送された用紙Pは用紙分離ローラ25の曲率によって搬送ベルト124から分離される。曲率による分離効果を出すためには用紙分離ローラ25の直径は12mm以下が好ましい。
さらに、用紙分離ローラ25をアースに電気的に接続することにより、搬送ベルト124内の過剰に蓄積された電荷を除去することができるため好ましい。また、分離の補助手段および搬送ベルト124表面の除電をするために、分離爪28を用紙分離ローラ25における用紙分離部に搬送ベルト124を介して当接させる。これによって、用紙Pを搬送ベルト124から確実に分離することができる。
転写定着を終えた転写定着ベルト2は、ベルト移動方向の最上流側の感光体3Yと1次転写装置7Yとの間に設けられた図示しない冷却手段によって冷却される。これによって、転写定着ベルト2の温度上昇を抑えることができ、感光体への熱影響がなくなる。また、図示しない温度均し用ローラを転写定着ベルト2内に設けてもよい。温度均し用ローラとしては、ヒートパイプや熱伝導率の高いグラファイトなどの材料で形成されており、転写ベルト2に接触して回転する。温度均しローラとしては、駆動ローラ11をヒートパイプローラとすることで兼用することも可能である。
そして、冷却された転写定着ベルト2上の残留物(残トナーなどの付着物)は、ベルトクリーニング装置12によって回収される。さらに、ジャム時などで転写定着ベルト2に固着してしまったトナーは、フッ素樹脂が被覆されているローラ(アドレローラ)などでクリーニングする。以上の工程で転写定着プロセスは完了する。
このように本実施形態では、用紙Pを、用紙加熱部から転写定着部を経て用紙分離部まで搬送ベルト124に吸着搬送することで、用紙搬送品質が向上し、定着ジャムやしわなどの発生を低減することができる。また、巻き付きやすい薄紙や特殊紙なども安定して搬送できるので用紙対応性拡大、および巻き付きやすい低融点トナーの使用が可能となる。
また、本実施形態による紙加熱転写定着では用紙Pを加熱するため、用紙Pの吸湿により静電付着力が低下せず、安定した用紙吸着力が得られる。さらに、本実施形態による熱による転写定着により、用紙Pにトナー像がしっかりと固着されており、転写定着後の用紙搬送中に搬送ベルト124などの電荷の影響は受けずに画像が乱れない。
さらに、静電吸着搬送における用紙Pと搬送ベルト124との吸着力を、それぞれ帯電部材123によって付与された電荷(通常、トナーTがマイナスなので用紙Pはマイナス極性、搬送ベルト124はプラス極性)との吸着作用によって得て、用紙Pの帯電電荷をトナーTと同極性にすることにより、転写前におけるトナーTの飛び散りを防ぐことができる。
また、従来のカラー画像形成装置では十分な光沢を得るために、用紙による温度低下を考慮して白黒画像形成装置に比べて1.5倍ほどの熱量を与えていた。このため、用紙が必要以上に加熱されるとともに、トナーと用紙の密着性も必要以上に高められていた。
しかし、本実施形態では、十分な光沢を得るための温度を転写定着ベルト温度と紙温度とに、それぞれ独立して設定することができるので、転写定着ベルト2の温度(定着設定温度)を低くすることができる。また、用紙Pは転写定着の直前に加熱されるので過剰に加熱されず、トナーTと用紙Pとの密着性が必要以上に高めることはない。
本実施形態によれば、加熱ガイド板120の設置により、中間転写体である転写定着ベルト2への熱移動を抑制できるので、耐久性を向上させることができる。また、中間転写体の温度を低減でき、中間転写体側の熱劣化を抑制できる。
以上のように、本実施形態では、未定着トナー像を保持した用紙を単に加熱・加圧する従来の定着装置に対し、紙加熱転写定着装置として位置付けられるものである。
本実施形態において、用紙Pの搬送ベルト124による静電吸着を、搬送ベルト124の表面にプラスとマイナスの電荷を交互に付与することによって得ることができる。これによって、用紙Pを帯電させる必要がないので省スペース化を図ることができる。
以下に詳細を説明する。
搬送ベルト124の帯電ローラ123に、図示しない制御部によって高圧電源からプラス出力とマイナス出力が交互に繰り返すように、すなわち、交番する矩形波の高電圧が印加されるようにすることにより、搬送ベルト124の表面にプラスとマイナスの電荷が同電位で所定のピッチで帯電する。
この状態で用紙Pが接触し始めたときには、搬送ベルト124の表面にはプラス電荷からマイナス電荷に向かって磁力線が発生している。この磁力線の影響で用紙Pの搬送ベルト124と接触している側と、その反対側とには同極の電荷が誘電される。用紙Pの搬送ベルト124と接触する側の磁力密度は高く、用紙Pの搬送ベルト124と非接触面側の密度は疎となる。
そのとき、用紙Pの下側と上側とにおいて電荷の差異が生じて、その差異分、搬送ベルト124と吸着する向きに力が作用する(これは、マクスウエル応力と称されるもので、正負極性帯電の境目で発生する)。これにより、用紙Pが搬送ベルト124に吸着され、搬送ベルト124の周回移動によって用紙が搬送されることになる。
なお、用紙Pの搬送ベルト124による静電吸着のため、搬送ベルト124の表面にプラスとマイナスの電荷を交互に付与する他の構成として、2種類の電位を有する電極を交互に配置する搬送ベルト構造にすることによって静電吸着力を得ることができる。
すなわち、搬送ベルト124の内部に、導電金属からなる櫛歯状電極を内蔵し、該櫛歯状電極の下部には搬送ベルト124のベース層を形成して、櫛歯状電極の上部に表層を形成する。櫛歯状電極には、該櫛歯状電極に給電するために、例えば給電ブラシのような接触可能な被給電部材を電気的に接続する。
したがって、櫛歯状電極層に電圧が印加されると、櫛歯状電極層の間で電気力が発生して電気力線が形成される。そして、櫛歯状電極層の間の電位差によって搬送ベルト124の上方に静電吸着力が発生し、用紙が搬送ベルト124に吸着して搬送されることになる。
図4は本発明の実施形態2である電子写真式の感光体上色重ね方式の画像形成装置における要部を示す側面図であって、図1,図2にて説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
本加熱転写定着装置は、図1に示す4連タンデム方式の構成のもの以外にも、図4に示す感光体上色重ね方式においても適用することができ、同様の効果が得られる。
感光体上色重ね方式は、単体の感光体3の周りに、感光体3の回転過程において画像形成処理を実行する光書き込み手段としての書き込み装置5K,5C,5M,5Yと、クリーニング装置6と、1次転写装置7と、現像装置8K,8C,8M,8Yなどが配置された構成のものである。
この作像動作としては、1色のトナーに対する帯電、露光(書き込み)、現像までの工程を、それぞれ多色のトナーにおいて単一の感光体上で行う方式である。
4連タンデム方式では、通常、1色ごとにそれぞれ1つの感光体上に作像工程を行うため、各色分に対応した感光体が必要とする。この4連タンデム方式と比較すると、感光体上色重ね方式は、高速対応性にも適しており、感光体が1つで構成されているため、省スペース化が可能であり、装置の低コストに繋がる。
また、本実施形態に用いるトナー結着樹脂としては、特性を満足するものであれば、以下の組成のものを使用することができる。
例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体が挙げられる。
また、下記の樹脂を混合して使用することもできる。ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族、または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
この中で、特にポリエステル樹脂を含有していることが十分な定着性を得るために好ましい。特に結晶性ポリエステル樹脂は、紙接触時に十分に軟化溶融し、定着強度と共に色再現性の高い画像形成が可能となる。ポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られるが、用いられるアルコールとはポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリエキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノル類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単体、その他の2価のアルコール単体を挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマ−ル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和、もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の2量体、その他の2価の有機酸単量体を挙げることができる。
バインダー樹脂として用いるポリエステル樹脂を得るためには、以上の2官能性単量体のみによる重合体のみでなく、3官能以上の多官能性単量体による成分を含有する重合体を用いることも好適である。かかる多官能性単量体である3価以上の多価アルコール単量体としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。
また、3価以上の多価カルボン酸単量体としては、例えば、1,2,4−ペンゼントリカルボン酸、1,2,5−ペンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンボール3量体酸、これらの酸無水物、その他を挙げることができる。
また、本実施形態に用いるトナーには、転写定着時の転写定着部材表面でのトナーの離型性を向上する目的で、離型剤を含有させることができる。離型剤として、公知のものが全て使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス、および酸化ライスワックス、エステルワックスを単独または組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。
モンタンワックスについては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10〜30が好ましい。各ワックスの酸価が各々の範囲未満であった場合、低温定着温度が上昇し低温定着化が不十分となる。逆に酸価が各々の範囲を超えた場合、コールドオフセット温度が上昇し低温定着化が不十分となる。ワックスの添加量として一般的にバインダー樹脂100重量部に対して1〜15重量部、好ましくは3〜10重量部の範囲で用いられている。
しかし、本実施形態においては、分離性が向上するため、ワックスの添加量を少なくすることが可能となり、トナーの現像性、帯電性の向上を期待することができる。ちなみに、15重量部を超えた場合は、キャリアへのスペントが顕著になるなどの問題が生じた。また、外添加剤として、トナーの流動性を向上させる目的で、シリカ、酸化チタン、アルミナなどを添加したり、必要に応じて脂肪酸金属塩類やポリフッ化ビニリデンなどを添加したりしてもよい。
本発明は、各種シート材,用紙などの記録媒体と、それに転写されるトナー像とを共に加熱して転写定着を行う定着装置に適用され、複写機,プリンタ,ファクシミリ装置などの画像形成装置における定着部に実施して有効である。
1a 画像形成部
1b 給紙部
2 転写定着ベルト
9 転写定着ローラ
13 加熱部材
24 加圧ローラ
25 用紙分離ローラ
28 分離爪
120 加熱ガイド板
121 搬送ローラ
123 帯電部材
124 搬送ローラ
134 発熱体
140 円筒ガイド板
1b 給紙部
2 転写定着ベルト
9 転写定着ローラ
13 加熱部材
24 加圧ローラ
25 用紙分離ローラ
28 分離爪
120 加熱ガイド板
121 搬送ローラ
123 帯電部材
124 搬送ローラ
134 発熱体
140 円筒ガイド板
Claims (8)
- 表面にトナー像を担持する転写定着部材と、該転写定着部材を狭持し転写定着ニップを形成する転写定着部材および加圧部材と、転写定着部前に記録媒体表面を加熱して狭持搬送する記録媒体加熱部材および記録媒体支持部材を備えた加熱転写定着装置において、前記転写定着ニップと前記記録媒体加熱部材との間を通り、かつ静電吸着力で記録媒体を吸着して搬送する無端ベルトからなる記録媒体搬送部材を備え、前記記録媒体加熱部材に記録媒体に対してトナーと同極性電荷を付与する帯電機能を具備させたことを特徴とする加熱転写定着装置。
- 前記記録媒体支持部材が、前記記録媒体搬送部材を介して前記記録媒体加熱部材に弾圧する弾性部材であることを特徴とする請求項1記載の加熱転写定着装置。
- 前記弾性部材が、表面がブラシ状のローラ構造あるいは平板構造であることを特徴とする請求項2記載の加熱転写定着装置。
- 前記転写定着部材上のトナー像を加熱する加熱部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の加熱転写定着装置。
- 前記記録媒体搬送部材である前記無端ベルトが複数のローラに巻き架けられており、そのうちの少なくとも1つは記録媒体を前記無端ベルトから剥離する分離ローラとし、該分離ローラにおける無端ベルトを介した外側にアースされた分離補助部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の加熱転写定着装置。
- 前記記録媒体搬送部材に対してトナーと逆極性電荷を付与する帯電部材を備えたことを特徴とする請求項1または5記載の加熱転写定着装置。
- 前記帯電部材により前記記録媒体搬送部材である前記無端ベルト表面にプラスとマイナスの電荷を交互に付与し、前記無端ベルト上にピッチ状に付与された電荷による吸着作用によって記録媒体を搬送することを特徴とする請求項1または6記載の加熱転写定着装置。
- トナー画像を記録媒体に対して転写形成する電子写真方式の画像形成装置において、請求項1〜7いずれか1項記載の加熱転写定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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-
2009
- 2009-03-02 JP JP2009047638A patent/JP2010204235A/ja active Pending
Cited By (6)
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