JP4913999B2 - 伸縮継手装置 - Google Patents

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Description

本発明は、隣接する2つの建物の各躯体間に目地などとして存在する空隙を、急激な地震などによる各躯体の相対変位を許容しながら塞いだ状態に維持して、空隙内への雨水などの浸入を防止する伸縮継手装置に関する。
図9は、従来の技術の伸縮継手装置1を示す鉛直断面図であり、この従来の技術は特許文献1に記載されている。伸縮継手装置1は、隣接する2つの建物の各躯体2a,2bの空隙3を介して対向する各対向部4a,4bにそれぞれ設けられる縁材5a,5b、各縁材5a,5b上で各対向部4a,4b間にわたって設けられるカバー体6、カバー体6の前記空隙3に臨む裏面7に固定されるブラケット8、カバー体6の幅方向両端部にそれぞれ装着されるパッキン9a,9b、ブラケット8をカバー体6とともに各幅方向一端部が一方の対向部4aの上面10に当接する矢符A方向(反時計まわり)にばね付勢する捩りばね11、ブラケット8の幅方向他端部に挿入されて保持され、前記捩りばね11が装着されるばね装着ピン12、および各縁材5a,5bに幅方向両端部が嵌着される止水シート13を有する。
一方の縁材5aには、一方の対向部4aの略水平な上面10および略鉛直な対向壁面14aのうち、上面10にアンカー体15aによって固定される平坦状の基部16aと、基部16aの幅方向他端部に連なって一体的に形成され、前記止水シート13の幅方向一端部が嵌着される嵌合部17aとが形成される。
他方の縁材5bには、他方の対向部4bの略鉛直な対向壁面14bに、前記一方の対向部4bの上面10よりも上方でアンカー体15bによって固定される断面が略L字状の基部16bと、基部16bの下端部に連なって一体的に形成され、前記止水シート13の幅方向他端部が嵌着される嵌合部17bとが形成される。
前記捩りばね11は、ばね装着ピン12が内挿され、他方の縁材5bによって支持される一対の巻回部18と、各巻回部18に連なり、ブラケット8に係止される略U字状の一端部19と、各巻回部18から延び、他方の縁材5bに係止される一対の他端部20とを有する。
前記ブラケット8は、カバー体6がビス21によって固定され、前記捩りばね11の一端部19が回動自在に嵌合するばね受け凹部22が形成される大略的に平坦状の幅方向中間部23と、幅方向中間部23に屈曲して連なる略V字状の幅方向一端部24と、幅方向中間部23に連なり、他方の縁材5b上に支持されるとともに前記ばね装着ピン12を保持する断面が略C字状の幅方向他端部25とを有する。
このようなブラケット8は、図9の紙面に垂直な方向に間隔をあけて設けられ、長尺のカバー体6が装着される。
前記カバー体6は、ブラケットの幅方向中間部23に前記ビス21によって固定される平坦な基部27と、基部27の幅方向一端部から一方の対向部4a側に直角に屈曲して連なる一方の屈曲部28aと、基部27の幅方向他端部から上方(図9の上方)に直角に屈曲して連なる他方の屈曲部28bとを有する。
各屈曲部28a,28bには、前述のようにパッキン9a,9bがそれぞれ装着され、一方のパッキン9aは一方の対向部4aの上面10に当接し、他方のパッキン9bは他方の対向部4bの対向壁面14に当接している。
図10は、伸縮継手装置1の動作を示す鉛直断面図であり、図10(1)は各対向部4a,4bが相互に近接する方向に相対変位したときの状態を示し、図10(2)は一方の対向部4aが他方の対向部4bに対して下方に相対変位したときの状態を示し、図10(3)は一方の対向部4aが他方の対向部4bに対して上方に相対変位したときの状態を示す。なお、同図において、図解を容易にするため、止水シート13は省略して示されている。
急激な地震などの発生によって、各対向部4a,4bが図10(1)に示されるように、相互に近接する方向に相対的に変位すると、カバー体6は水平を維持したままで各縁材5a,5bが近接する。このとき、一方のパッキン9aは、上面10上を摺動し、一方の縁材5aから離反する。他方のパッキン9bは、他方の対向部4bの対向壁面14bに当接した状態に保たれ、上下方向にはほとんど変位しない。
次に、図10(2)に示されるように、一方の対向部4aが他方の対向部4bに対して下方に相対変位を生じると、他方の縁材5bは一方の縁材5aに対して上方に変位し、この変位によって、カバー体6は、ブラケット8とともにばね装着ピン12の軸線まわりに矢符A方向(反時計まわり)に角変位し、一方のパッキン9aはその一部が一方の縁材5aに乗り上げた状態で上面10に当接する。他方のパッキン9bは、他方の対向部4bの対向壁面14から離反し、カバー体6によるシール性は絶たれ、止水シート13だけによって空隙3内への雨水などの浸入が防がれている。
この状態では、ブラケット8の幅方向一端部24は一方の縁材5aから上方へ離反し、捩りばね11は他方の縁材5b上に支持され、カバー体6には、一方の対向部4aの上面10から、捩りばね11のばね力に対する反力が作用している。
また、図10(3)に示されるように、一方の対向部4aが他方の対向部4bに対して上方に相対変位を生じると、他方の縁材5bは一方の縁材5aに対して下方へ変位し、この変位によって、カバー体6は、ブラケット8とともにばね装着ピン12の軸線まわりに、前記矢符A方向とは逆方向B(時計まわり)に角変位し、他方のパッキン9bは他方の対向部4bの対向壁面14bに押し付けられた状態となり、一方のパッキン9aは一方の対向部4aの上面10から離反し、カバー体6によるシール性は絶たれ、止水シート13だけによって空隙3内への雨水など浸入が防がれている。
この状態では、ブラケット8の幅方向一端部24は一方の縁材5a上に支持されるが、ブラケット8の幅方向他端部25は他方の縁材5bから捩りばね11のばね力に抗して上方へ離反し、捩りばね11の矢符A方向へのばね力は図10(1)の水平方向の近接変位に比べてさらに増大し、カバー体6には他方のパッキン9bを介して、他方の対向部4bの対向壁面14bからの大きな反力が作用している。
特開平9−111893号公報
このような従来の伸縮継手装置1では、捩りばね11は、ばね装着ピン12によってブラケット8に拘束されているため、図10(3)に示されるように、一方の対向部4aが他方の対向部4bに対して上方となるような上下方向の相対変位に対して、ブラケット8には捩りばね11によって前記上下方向の変位量に応じて比例的に変化する大きなばね力が作用し、その結果、カバー体6には他方のパッキン9bを介して他方の対向部4bの対向壁面14bから大きな反力が作用する。
したがって、各対向部4a,4b間の前記一方の対向部4aが他方の対向部4bに対して上方となる方向への上下方向の変位が大きいほど、また急激であるほど、ブラケット8にビス21によって幅方向中間部が固定されたカバー体6には他方の対向部4bの対向壁面14bから大きく、しかも急激な反力が作用し、カバー体6が変形または破損してしまうという問題がある。
また、各縁材5a,5bが各対向部4a,4bに固定された後、カバー体6、ブラケット8、各パッキン9a,9bおよび捩りばね11の取り付け作業を行うに際しては、ブラケット8にばね装着ピン12を挿通した捩りばね11を装着し、そのブラケット8のばね受け凹部22に捩りばね11の一端部19を嵌合させ、捩りばね11の他端部20を他方の縁材5bに掛け止め、各ブラケット8にカバー体6を乗載して、ビス21によってカバー体6を各ブラケット8に固定する、という手順で作業を行わなければならない。したがって、このような伸縮継手装置1では、取り付け作業が煩雑であり、施工性が悪いという問題がある。
さらに、前記従来の技術では、各対向部4a,4bが上下方向に変位して、カバー体6が各対向部4a,4bのうちいずれか一方から離反した状態(すなわち、図10(2)、図10(3)の状態)では、外部から空隙3内への水の浸入を遮断するのは止水シート13だけであるため、各対向部4a,4bと各縁材5a,5bとの間の僅かな隙間から水が空隙3内へ浸入してしまい、止水性が低いという問題がある。
本発明の目的は、各対向部の上下方向により大きな相対変位を許容し、施工性を向上することができる伸縮継手装置を提供することである。
本発明の他の目的は、止水性の向上された伸縮継手装置を提供することである。
本発明は、空隙をあけて隣接する2つの躯体の相互に対向する各対向部にそれぞれ固定される縁材と、
各対向部間にわたって各縁材および空隙を上方から覆うようにして設けられ、2つのパッキンが嵌着されるカバー体と、
一方の縁材に支持される支持部を有し、水平面においてカバー体の幅方向に垂直な長手方向に間隔をあけて配置され、カバー体の空隙に臨む裏面に固定されるブラケットと、
一端部が前記ブラケットに回動自在に係止されるとともに、他端部が他方の縁材に形成されるばね受け部に嵌り込み、ビスによってばね受け部から離脱してしまうことが防がれた状態で回動自在に係止され、前記一端部および他端部に連なる巻回部がカバー体と他方の縁材との間に変位自在に装着されるばね部材とを含み、
前記各対向部のうち、一方の対向部は、鉛直な対向壁面と、水平な上面とを有する一方の躯体の隅角部であり、他方の対向部は、鉛直な対向壁面が上下方向に延びる他方の躯体の側面部であり、
前記各縁材のうち、一方の縁材は、一方の対向部の上面上で固定され、他方の縁材は、他方の対向部の対向壁面に、前記一方の縁材とほぼ同じ高さに固定され、
前記ブラケットの一方の対向部側に配置される先端部は、カバー体に係止され、
前記一方の縁材の端部のうち、他方の対向部から離反する側の端部には、他方の対向部から離反するにつれて上方に屈曲するシール受け部が形成され、
前記一方の縁材に形成されるシール受け部と前記一方の対向部の上面との間には、シール材が充填され、
前記他方の縁材の上端部には、上方になるにつれて一方の対向部寄りに傾斜するシール受け部が形成され、
前記他方の縁材に形成されるシール受け部と他方の対向部を形成する鉛直な対向壁面との間にシール材が充填され、
前記カバー体は平坦状の本体部分と、本体部分の幅方向一端部から下方へ直角に屈曲して連なる屈曲部とを有し、
前記カバー体には、一方のパッキンが、一方の縁材のシール材よりも外側で一方の対向部の上面に弾発的に当接するように前記カバー体の屈曲部の下端部に嵌着され、他方のパッキンが、他方の縁材のシール材よりも外側で他方の対向部の鉛直な対向壁面に弾発的に当接するように前記カバー体の本体部分の幅方向他端部に嵌着されることを特徴とする伸縮継手装置である。
本発明に従えば、空隙をあけて隣接する2つの躯体の相互に対向する各対向部には縁材がそれぞれ固定される、また、ブラケットには、各対向部間にわたって設けられ、各縁材および空隙を上方から覆うようにして、カバー体が装着される。
前記ブラケットは、各対向部が設置当初の間隔を維持した状態おいて、一方の縁材に支持される支持部を有し、水平面においてカバー体の幅方向に垂直な長手方向に間隔をあけて配置され、カバー体の空隙に臨む裏面に固定される。このブラケットには、ばね部材の一端部が回動自在に係止される。ばね部材の他端部は、他方の縁材に回動自在に係止される。ばね部材は、前記一端部および他端部に連なる巻回部を有し、この巻回部はカバー体と他方の縁材との間で変位自在とされ、巻回部の変位を拘束しないように構成される。
したがって、一方の対向部が他方の対向部に対して急激な地震などによって上方に相対変位を生じると、カバー体はブラケットとともに、幅方向一端部が幅方向他端部に対して上方、すなわち鉛直断面において時計まわりに角変位する。このとき、ばね部材の巻回部はブラケットおよび他方の縁材のいずれにも拘束されていないので、その巻回部はブラケットと他方の縁材との間でカバー体およびブラケットの前記角変位に追従して移動することができ、この巻回部の移動によってカバー体およびブラケットの他方の縁材に対する上方への変位量が増大し、各縁材間の上下方向の相対変位に対するカバー体およびブラケットの角変位量を、前記巻回部が他方の縁材に拘束された場合に比べて少なくすることができる。
これによって、ブラケットにばね部材から作用するばね力を緩和することができ、カバー体が他方の対向部から受ける反力を減少させて、各対向部の上下方向の相対変位が大きくかつ急激であっても、カバー体の変形または破損を防ぐことができる。また、ばね部材の巻回部が拘束される、一端部をブラケットに係止し、他端部を他方の縁材に係止すればよいので、ばね部材の他方の縁材への取付け作業を容易に行うことができ、施工性を向上することができる。
さらに、ばね部材は、その一端部がブラケットに回動自在に係止され、他端部が他方の縁材に回動自在に係止されるので、巻回部は一端部および他端部の回動阻止による捩り反力を受けず、回動部をブラケットの変位だけによってばね力を発生させることができる。これによってもまた、ブラケットにばね部材から作用するばね力を緩和することができ、カバー体が他方の対向部から受ける反力を減少させて、各対向部の上下方向の相対変位が大きくかつ急激であっても、カバー体の変形または破損を防ぐことができる。
また、一方の縁材に形成されるシール受け部と一方の対向部の上面との間、および他方の縁材に形成されるシール受け部と他方の対向部を形成する鉛直な対向壁面との間にはシール材が充填され、一方のパッキンは、カバー体の屈曲部の下端部に嵌着されて、一方の縁材のシール材よりも外側で一方の対向部の上面に弾発的に当接し、他方のパッキンは、カバー体の本体部分の幅方向他端部に嵌着されて、他方の縁材のシール材よりも外側で他方の対向部の鉛直な対向壁面に弾発的に当接しているので、カバー体がブラケットとともに各縁材から離間しても、一方の縁材と一方の対向部との間および他方の縁材と他方の対向部との間の僅かな隙間から空隙内へ水が浸入することが防がれ、各対向部間で確実に空隙内への水の浸入を阻止し、止水性が向上される。
また、本発明は、各縁材間には、可撓性を有する止水シートが設けられることを特徴とする。
本発明に従えば、各縁材間には、可撓性を有する止水シートが設けられるので、各対向部が地震などによって上下方向に相対変位を生じ、カバー体の幅方向一端部が一方の対向部から離間し、あるいは幅方向他端部が他方の対向部から離間しても、各対向部間の前記上下方向の相対変位に応じて止水シートがその可撓性によって自在に変形して許容し、各縁材間にわたって張架された状態を維持することができる。これによって、各対向部間の空隙への雨水および散水などによるカバー体と一方の縁材との間およびカバー体と他方の縁材との間を介する空隙内への水の浸入が防がれる
さらに、本発明は、他方の縁材には、前記ばね部材の他端部が回動自在に係止されることを特徴とする。
本発明に従えば、他方の縁材を、他方の対向部の鉛直な対向壁面に固定される第1縁材と、他方の対向部の水平な上面に設置され、前記第1縁材に連結される第2縁材とによって構成し、第1縁材に前記ばね部材の他端部が回動自在に係止される。このように他方の縁材が構成されることによって、他方の対向部が前記他方の縁材の取付け位置よりも上方に立ち上がる取付け区間では、前記第2縁材を用いずに、第1縁材だけを対向壁面に固定して、伸縮継手装置を実現することができる。これによって、他方の対向部の鉛直な対向壁面が他方の縁材の取付け位置を越えて上方に立ち上がる場合、および前記取付け位置から水平に上面が形成される場合のいずれであっても、前記第1縁材だけを用いて、あるいは第1および第2縁材の双方を用いて他方の縁材を実現することができ、他方の対向部の形態にかかわらず、他方の縁材の汎用性を向上し、伸縮継手装置の設置上の自由度を向上することができる。
本発明によれば、カバー体が装着されるブラケットを巻回部が変位自在なばね部材によって他方の縁材に連結するので、各対向部の上下方向に変位してカバー体が各対向部に当接しても、カバー体に各対向部から作用する反力を小さくすることができ、この反力によるカバー体の変形または破損を防ぐことができる。また、ばね部材の巻回部が拘束される、一端部をブラケットに係止し、他端部を他方の縁材に係止すればよいので、ばね部材の他方の縁材への取付け作業を容易に行うことができ、施工性を向上することができる。
さらに、ばね部材は、その一端部がブラケットに回動自在に係止され、他端部が他方の縁材に回動自在に係止されるので、ブラケットへのばね力を緩和して、カバー体が各対向部から過大な反力を受けないようにして、各対向部の上下方向の相対変位が大きくかつ急激であっても、カバー体の大きな変位は許容し、かつそのカバー体の変形または破損を防ぐことができる。
また、各縁材と各対向部との間のシール材による止水効果によって、各対向部と各縁材との間の僅かな隙間から空隙内への水の浸入が防がれ、高い水密性を実現して、止水性を向上することができる。
また、本発明によれば、各縁材間に止水シートが設けられるので、高い水密性を実現して、空隙内への水の浸入を防ぎ、止水性を向上することができる。
さらに、本発明によれば、他方の対向部の形態に応じて第1縁材だけを用いる場合と、第1および第2縁材の双方を用いる場合とを使い分けることが可能となり、伸縮継手装置の設置上の自由度を向上することができる。
図1は、本発明の実施の一形態の伸縮継手装置40を示す鉛直断面図である。なお、同図において上下方向を鉛直方向とし、紙面に垂直な方向および左右方向を水平方向とする。
本実施の形態の伸縮継手装置40は、空隙41をあけて隣接する2つの建物の各躯体42a,42bの相互に対向する各対向部43a,43bにそれぞれ固定される縁材44a,44bと、各対向部43a,43b間にわたって各縁材44a,44bおよび空隙41を上方から覆うようにして設けられるカバー体45と、一方の縁材44aに支持される支持部46を有し、水平面においてカバー体45の幅方向に垂直な長手方向に間隔をあけて配置され、カバー体45の空隙41に臨む裏面47に固定されるブラケット48と、一端部49が前記ブラケット48に回動自在に係止されるとともに、他端部50が他方の縁材44bに回動自在に係止され、前記一端部49および他端部50に連なる巻回部51がカバー体45と他方の縁材44bとの間に変位自在に装着されるばね部材である捩りばね52とを含む。
このような伸縮継手装置40は、一方の躯体42aの対向部43aにおける水平な上面71と、他方の躯体42bの対向部43bにおける鉛直な対向壁面70bとにわたって設置される。各対向部43a,43bの図1の左右方向である第1の水平方向に対向する各対向壁面70a,70bは平行であって、図1の紙面に垂直な第2の水平方向に延在し、各対向壁面70a,70b間には各躯体42a,42b間の目地として、前記空隙41が存在する。また、急激な地震が発生すると、各建物の揺れによって各躯体42a,42bは相対変位を生じ、空隙41の周囲では各対向部43a,43bが前記第1の水平方向、前記第2の水平方向、および上下方向に相対変位を生じる。このような各対向部43,43b間の相対変位のうち、特にカバー体45およびブラケット48は上下方向に大きく変位するため、主として上下方向の変位を許容し、空隙41内へ水の浸入を阻止することができる構成について、以下に説明する。
各縁材44a,44b間には、可撓性を有する帯状の止水シート53が空隙41内で下方に凸に湾曲した弛緩状態で設けられる。この止水シート53は、たとえば合成ゴム製シートによって実現される。一方の縁材44aと一方の対向部43aとの間および他方の縁材44bと他方の対向部43bとの間には、シール材54a,54bが設けられる。各シール材54a,54bは、たとえばシリコーン系ゴムからなる湿式シーリング材によって実現される。
前記カバー体45は、たとえばアルミニウム合金からなる押し出し形材によって実現され、その幅方向一端部55には、ブラケット48の一方の対向部43a側に配置される先端部56が係止される。
図2は、捩りばね52および他方の縁材44bの一部を示す分解斜視図である。前記捩りばね52は、前述のように、一端部49、他端部50および巻回部51を有する。具体的には、前記一端部49は、前記巻部51の軸線m1方向両端部から接線方向に延び、相互に近接する方向に屈曲したL字状の一対の屈曲部分59,60からなる。また前記他端部50は、前記巻部51の軸線m1方向両端部間の中間部から接線方向に突出する1つのU字状の屈曲部分61からなる。さらに前記巻回部51は、互いに巻回方向が逆方向の一対のコイル状部分62,63からなる。
各コイル状部分62,63は、共通な一直線状の軸線m1を成して同軸に配置され、各コイル状部分62,63の相互に隣接する各一端部は、屈曲部分61によって連結される。各コイル状部分62,63の各他端部には、前記屈曲部分59,60がそれぞれ連なり、共通な一直線上に軸線m2を有するように同軸にかつ相互に間隔あけて離間した係合部分64,65を有する。これらの係合部分64,65は、前記ブラケット48に係合して、前記軸線m2まわりに回動自在に係止される。
前記屈曲部分61は、一直線上に軸線m3を有する係合部分66を有し、この係合部分66は他方の縁材44bに回動自在に係合して、係止される。これらの係合部分64〜66の軸線m2、m3は、各コイル状部分62,63の軸線m1に平行であり、捩りばね52に外力が作用しない自然状態では、各コイル状部分62,63の軸線m1を含む仮想一平面に関して一方側(上側)に軸線m2が配置され、他方側(下側)に軸線m3が配置される。
前記他方の縁材44bの係合する係合部分66およびブラケット48に係合する各係合部分64,65は、他方の縁材44bおよびブラケット48に対して前述のようにそれぞれ回動可能であるために、各軸線m、mを中心軸線とする直円柱状に形成され、具体的には、直円柱状のばね鋼線を曲げ加工して実現される。
このような捩りばね52は、前述の図1に示されるように、ブラケット48および他方の縁材44bに装着された状態では、係合部分66は前記仮想一平面に関して一方側(下側)から他方側(上側)へ前記他方の縁材44bにばね力を作用させ、各係合部分64,65は前記仮想一平面に関して他方側(上側)から一方側(下側)へ前記ブラケット48にばね力を作用させて、ブラケット48をカバー体45とともに、図1において反時計まわりの矢符A方向にばね付勢する。
再び図1を参照して、前記一方の対向部43aは、鉛直な対向壁面70aと、水平な上面71とを有する一方の躯体42aの隅角部であり、また他方の対向部43bは、鉛直な対向壁面70bが上下方向に延びる他方の躯体42bの側面部の前記上面71と同一高さ位置付近である。各対向壁面70a,70bは、相互に平行でかつ図1の左右方向である第1の水平方向に対向し、他方の対向部43bの対向壁面70bは一方の対向部43aの上面71の高さ位置を越えて上方に延びる。
一方の縁材44aは、上面71に支持される平坦状の基部75と、基部75の他方の対向部43b寄りの幅方向他端部に一体的に形成され、他方の対向部43bに臨んで開口する嵌合凹部76と、基部75の幅方向一端部に連なり幅方向他端部から離反するにつれて上方に屈曲するシール受け部77とを有する。
このような一方の縁材44aは、図1の紙面に垂直な第2の水平方向に延びる長尺のアルミニウム形材によって実現され、基部75を貫通するアンカー体78aによって、一方の対向部43aに上面71上で固定される。また前記シール受け部77と上面71との間には、シール材54aが全長にわたって充填される。さらに前記嵌合凹部76には、止水シート53の幅方向一端部が嵌着されて保持される。この止水シート53は、可撓性を有するたとえば合成ゴムからなる。
図2をも参照して、他方の縁材44bは、平坦状の底部80と、底部80の幅方向他端部から上方に直角に屈曲して連なる基部81と、底部80の幅方向一端部から上方に直角に屈曲して連なる前壁部82と、底部80の幅方向一端部寄り下面から下方に突出し、一方の対向部43aに臨んで開口する嵌合凹部83とを有する。
前壁部82に上端部には逆U字状のばね受け部84が形成され、このばね受け部84には長手方向に間隔をあけて切欠き85が形成される。ばね受け凹部84には、捩りばね52の他端部50、具体的には係合部分66が嵌り込んで回動可能に係合し、前壁部82に螺着されるビス86によって、係合部分66がばね受け凹84から離脱してしまうことが防がれた状態で保持される。前記基部81の上端部には、上方になるにつれて一方の対向部43a寄り(図1では左側)に傾斜するシール受け部87が一体的に形成される。
このような他方の縁材44bは、図1の紙面に垂直な第2の水平方向に延びる長尺の鋼材によって実現され、基部81を貫通するアンカー体78bによって、他方の対向部43bの対向壁面70bに、前記一方の縁材44aとほぼ同じ高さに固定され、シール受け部87と対向壁部70bとの間にシール材54bが充填される。また、嵌合凹83には、前記止水シート53の幅方向他端部が嵌着されて保持される。この止水シート53は、幅方向両端部が各嵌合凹部76,83に嵌着された状態では上方に開放したU字状に垂下し、各対向部43a,43bの近接および離反する方向(すなわち、第1の水平方向)の相対変位を許容することができるとともに、図1の紙面に垂直な長手方向(すなわち、第2の水平方向)に向かうにつれて下方に傾斜する排水勾配を有し、止水シート53内の水を下流側に導いて所定箇所に集水して排水することができるように設置されている。
前記ブラケット48は、カバー体45の裏面47に接触する平坦状の基部90と、基部90の幅方向一端部に連なる略V字状の前述の支持部46と、支持部46の幅方向一端部に連なり、基部90と平行に延びる先端部56と、基部90の幅方向他端部近傍で下方に突出するばね受け突部92とを有する。ばね受け突部92は、図1の仮想線で示されるように基部90側へかしめられて屈曲し、捩りばね52の一端部49を回動自在に係止する。このようなブラケット48は、短尺のアルミニウム形材からなり、図1の紙面に垂直な第2の水平方向に間隔をあけて複数、設けられる。
また、前記カバー体45は、平坦状の本体部分93と、本体部分93の幅方向一端部から下方へ直角に屈曲して連なる屈曲部94と、屈曲部94の下端部に連なる嵌合凹部95と、本体部分93の幅方向他端部に連なるもう一方の嵌合凹部96とを有する。
各嵌合凹部95,96には、パッキン97,98が嵌着され、一方のパッキン97は一方の対向部43aの上面に一方の縁材44aのシール材54aよりも外側で弾発的に当接し、他方のパッキン98は他方の対向部43bの対向壁面70bに他方の縁材44bのシール材54bよりも外側で弾発的に当接し、これによってカバー体45を介して外部から空隙41側への水の浸入を防止している。
このようなカバー体45および各パッキン97,98は、図1の紙面に垂直な水平方向を長手方向として延在し、外部から螺着された複数のビス99によってブラケット48の幅方向のほぼ中央に固定されている。
図3は、伸縮継手装置40の取付け手順を説明するための分解断面図である。前記伸縮継手装置40を各対向部43a,43bに取り付けるにあたっては、まず、各縁材44a,44bを各対向部43a,43bにアンカー体78a,78bによって水平に固定する。各対向部43a,43bに固定された各縁材44a,44bの各嵌合凹部95,96に止水シート53の幅方向両端部を嵌着し、各シール受け部77,87と各対向部43a,43bとの間にはシール材54a,54bを打設する。
カバー体45は、現場または工場のいずれかにおいて、ブラケット48にビス99によって固定し、各嵌合凹部95,96にはパッキン97,98をそれぞれ装着し、ばね受け突部92に捩りばね52の一端部49を前述のように回動自在に係止して、予め組み立てておき、これを設置位置へ搬入し、捩りばね52の他端部50を他方の縁材44bのばね受け部84に装着し、ビス86を螺着して係止する。このようにして伸縮継手装置40が各対向部43a,43bに取り付けられる。
図4〜図6は、伸縮継手装置40の動作を説明するための鉛直断面図であり、図4(1)は伸縮継手装置40を各対向部43a,43bに設置した当初の状態を示し、図4(2)は他方の対向部43bが一方の対向部43aに対して下方へ変位しかつ相互に近接する方向に変位したときの伸縮継手装置40の状態を示し、図4(3)は図4(2)の状態から一方の対向部43aが他方の対向部43bから離反する方向に変位して初期の水平方向の間隔Lに復帰したときの伸縮継手装置40の状態を示す。
図5(1)は図4(3)に状態から一方の対向部43aが他方の対向部43bに対して初期の間隔Lを超えて離反したときの伸縮継手装置40の状態を示し、図5(2)は各対向部43a,43bが上下方向に関して初期位置に復帰しかつ離反する方向に変位したときの伸縮継手装置40の状態を示し、図5(3)は他方の対向部43bが一方の対向部43aに対して上方に変位したときの伸縮継手装置40の状態を示す。
図6(1)は他方の対向部43bが一方の対向部43aに対して上方へ変位したときの伸縮継手装置40の状態を示し、図6(2)は図6(1)の状態から他方の対向部43bが一方の対向部43aに近接する方向に変位したときの伸縮継手装置40の状態を示す。
前述の伸縮継手装置40が各対向部43a,43bに設置した設置当初の状態では、図4(1)に示されるように、各対向部43a,43bの各対向壁面70a,70bは、前記第1の水平方向(図4(1)では左右方向)に間隔Lをあけて離間し、各縁材44a,44bはほぼ同一高さに配置されている。ブラケット48の支持部46は、一方の縁材44a上に支持され、幅方向他端部57は、ばね受け突部92に一端部49が係止された捩りばね52によって、矢符A方向にばね付勢されている。
このようなブラケット48に装着されたカバー体45は、水平に配置され、一方のパッキン97が一方の対向部43aの上面71に全長にわたって弾発的に当接し、他方のパッキン98は他方の対向部43bの鉛直な対向壁面70bに全長にわたって弾発的に当接し、各パッキン97,98によって水密に空隙41が塞がれ、空隙41内への水の浸入が防がれる。
図4(1)に示される状態から各対向部43a,43bが相互に第1の水平方向に近接し、一方の対向部43aが上方、他方の対向部43bが下方に位置する上下方向の相対変位が生じると、図4(2)に示されるように、ブラケット48が一方の縁材44aの嵌合凹部76によって支持された状態で、カバー体45は幅方向一端部が上方にかつ幅方向他端部が下方に傾斜し、一方のパッキン97は、一方の縁材44aおよび上面71から上方へ離反し、他方のパッキン98は、他方の縁材44bの直上で対向壁面70bに弾発的に当接している。
このような状態であっても、空隙41は止水シート53と他方のパッキン98とによって水密に塞がれ、空隙41内への水の浸入が防がれる。また、一方の縁材44aと上面71との間にはシール材54aが打設されるので、一方の縁材44aと上面71との間のわずか隙間を介して空隙41内へ水が浸入してしまうことはない。
さらに、図4(3)に示されるように、カバー体45およびブラケット48が図4(2)の状態から高さを変えずに第1の水平方向に離反すると、カバー体45は間隔Lが増加するにつれて幅方向一端部を下方へ、また幅方向他端部を上方へ変位する方向に傾斜状態を変化させ、ブラケット48の支持部46が一方の縁材44aによって支持されながら空隙41側に移動する。この状態においても、前記一方のパッキン97は上面71または一方の縁材44aから離反し、他方の縁材44bは他方の対向壁面70bに当接している。
各対向部43a,43bが第1の水平方向の間隔Lを増大し、他方の対向部43bが一方の対向部43aに対して上昇すると、図5(1)に示されるように、ブラケット48の支持部46が嵌合凹部76上を通過し、さらに間隔Lが増大して他方の対向部43bが一方の対向部43aに対して上昇し、各縁材44a,44bがほぼ同一高さに達すると、図5(2)に示されるように、一方のパッキン97は前記嵌合凹部76上に乗り上げた状態となり、水密性が維持される。
各対向部43a,43bが相互に近接しかつ他方の対向部43bが一方の対向部43aよりも上方に変位すると、図5(3)に示されるように、カバー体45はブラケット48とともに、幅方向一端部が下方に、幅方向他端部が上方に傾斜する。この状態では、一方のパッキン97は一方の縁材44aの前記嵌合凹部76の背後(図5(3)においては左側)に弾発的に当接し、他方のパッキン98は対向壁面70bか離反している。このように一方のパッキン98が対向壁面70bから離反した状態であっても、他方の縁材44bと対向壁面70bとの間にはシール材54bが設けられるので、空隙41内へ水が浸入することが防がれる。
図5(3)に示される状態からさらに、他方の対向部43bが一方の対向部43aに対して第1の水平方向に近接しかつ上昇すると、図6(1)に示されるように、一方のパッキン97が上面71に当接し、他方のパッキン98は対向壁面70bから離反するが、水密な状態が維持され、図6(2)に示されるように、各対向部43a,43bが近接する方向に相対変位しても、他方のパッキン98は対向壁面70bから離反したままであるが、一方のパッキン97は上面71上を摺動し、各対向部43a,43b間に大きく開放せずに、水密状態を維持し、各対向部43a,43b間の第1の水平方向に関して近接/離反する方向の相対変位および上下方向の相対変位を許容することができる。
このように本実施の形態によれば、一方の対向部43aが他方の対向部43bに対して急激な地震などによって上方に相対変位を生じると、カバー体45はブラケット48とともに、幅方向一端部が幅方向他端部に対して上方、すなわち時計まわりに角変位する。このとき、捩りばね52の巻回部51はブラケット48および他方の縁材44bのいずれにも拘束されていないので、その巻回部51はブラケット48と他方の縁材44bとの間でカバー体45およびブラケット48の前記角変位に応じて移動することができ、この巻回部51の移動量だけカバー体45およびブラケット48の他方の縁材44bに対する上方への変位量が増大し、各縁材44a,44b間の上下方向の相対変位に対するカバー体45およびブラケット48の角変位量を、前記巻回部51が他方の縁材44bに拘束された場合に比べて少なくすることができる。
これによって、ブラケット48に捩りばね52から作用するばね力を緩和することができ、カバー体45が他方の対向部43bから受ける反力を減少させることが可能となり、カバー体45の変形または破損が防がれる。また、捩りばね52は、その一端部49がブラケット48に係止され、他端部50が他方の縁材44bに係止され、巻回部51はブラケットおよび他方の縁材のいずれにも係止されないので、捩りばね52の一端部だけがブラケット48に係止された状態で、捩りばね52の他端部は巻回部とともに自由に回動させることができ、容易に捩りばね52の他端部を他方の縁材に掛け止めて係止することができる。これによって捩りばね52の他方の縁材に対する取付け作業が格段に容易となり、伸縮継手装置の現場での施工性が向上される。
また、各縁材間には、可撓性を有する止水シート53が設けられ、さらに各縁材と各対向部との間にはシール材54a,54bが設けられるので、各対向部が地震などによって上下方向に相対変位を生じ、カバー体45の幅方向一端部が一方に対向部43aから離反し、あるいは幅方向他端部が他方の対向部から離反しても、その変位は止水シート53が可撓性を有することによって許容することができ、この止水シート53によって、各対向部間の空隙への雨水および散水などによる水の浸入が防がれるとともに、各縁材と各対向部との間の前記シール材54a,54bによる止水効果によって、各対向部と各縁材との間の僅かな隙間から空隙内への水の浸入をも防がれ、高い水密性を実現して、止水性が向上される。
さらに、カバー体45の幅方向一端部は、ブラケット48によって係止されるので、他方の対向部が一方の対向部43aに対して上方に変位し、カバー体45がブラケット48とともに反時計まわりに角変位して、カバー体45の幅方向一端部に一方の対向部43aから大きな反力が作用しても、その反力はブラケット48によって受けられ、カバー体45に大きな曲げ荷重が直接作用することがなく、カバー体45が前記一方の対向部からの反力によって容易に変形または破損することが防がれる。
図7は、本発明の実施の他の形態の伸縮継手装置40aを示す鉛直断面図である。なお、本実施の形態の伸縮継手装置40aは、前述の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。本実施の形態の伸縮継手装置40aは、他方の対向部43bは一方の対向部43aの上面71とほぼ平行な上面110を有し、カバー体45は各上面71,110間にわたる幅を有し、断面が逆凹状のアルミニウム形材からなる。このカバー体45の幅方向一端部には、前述の実施の形態と同様な一方のパッキン97が装着され、幅方向他端部にも同様な他方のパッキン98が装着される。
他方の縁材44bは、上面110上に載置され、アンカー体78bによって他方の対向部43bに固定される基部111と、基部111の前記一方の対向部43a寄りの一端部に上方に突出して直角に連なり、断面が逆J字状のばね受け凹部112と、前記一端部から下方に直角に連なって空隙41内へ突出し、最も一方の対向部43a寄りの端部に止水シート53の幅方向他端部が嵌着される嵌合凹部83が一体に形成される断面が略L字状の止水シート取付け部113とを有する。
前記ばね受け凹部112には、捩りばね52の他端部50が下方から嵌り込んで保持され、ブラケット48に対して矢符A方向(反時計まわり)にばね力を付与することができる。
前記他方の縁材44bにおいて、前記基部111の一方の対向部43aから最も離れた端部には、一方の縁材44aのシール受け部77と同様なシール受け部114が一体に形成され、このシール受け部114と上面110との間にはシール材54bが打設され、他方のパッキン98が上面から離れた状態であっても、空隙41に対する水密性を維持することができるように構成されている。
本実施の形態の伸縮継手装置40aにおいても、前述の実施の形態の伸縮継手装置40と同様な効果を達成して、各対向部43a,43bの第1の水平方向に関する近接/離反する方向の相対変位および上下方向の相対変位を許容し、空隙41内への水の浸入を防ぐことができる。
図8は、本発明の実施のさらに他の形態の伸縮継手装置40bを示す鉛直断面図である。なお、本実施の形態の伸縮継手装置40bは、前述の図1〜図7に示される実施の各形態と類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。本実施の形態の伸縮継手装置40bは、注目すべきは、前記一方の縁材44aおよび他方の縁材44bのうち少なくとも一方である他方の縁材44bは、他方の対向部43bの鉛直な対向壁面70bに固定される第1縁材44b1と、他方の対向部70bの水平な上面110に設置され、前記第1縁材44b1に複数のビス120連結される第2縁材44b2とによって構成され、第1縁材44b1は、前記ばね部材52の他端部50が回動自在に係止されるばね受け部84を有する。
第2縁材44b2は、上面110に設置され、他方の対向部43bにアンカー体78bによって固定される基部121と、基部121の一方の対向部43a寄りの端部から上方に直角に立ち上がる立ち上り部122と、基部121の幅方向のほぼ中央から上方へ立ち上がる逆L字状の支持片123とが形成される。基部121の前記一方の対向部43aから最も離れた端部には、図7に示される実施の形態のシール受け部114と同様なシール受け部124が一体に形成され、このシール受け部124と上面110との間にはシール材125が打設される。このシール材125もまた、前記シール材54bと同様なシーリング材が用いられる。
前記支持片124には、断面が略L字状の化粧カバー体126が装着され、ビス127によって固定される。化粧カバー体126は、水平に配置される上面板128と、上面板128の一方の対向部43aから最も離れた端部から下方に直角に屈曲して連なる側面板129とを有する。側面板129には嵌合凹部131が一体に形成され、この嵌合凹部131には、前記シール材125よりも外側方でパッキン130が装着され、上面110に弾発的に当接し、水密性を達成している。
このような本実施の形態の伸縮継手装置40bによれば、他方の縁材44bを、他方の対向部43bの鉛直な対向壁面70bに固定される第1縁材44b1と、他方の対向部43bの水平な上面110に設置され、前記第1縁材44b1に連結される第2縁材44b2とによって構成し、第1縁材44b1に前記捩りばね52の他端部50が回動自在に係止される。このように他方の縁材44bが構成されることによって、他方の対向部43bが前記他方の縁材44bの取付け位置よりも上方に立ち上がる取付け区間では、前記第2縁材44b2を用いずに、第1縁材44b1だけを対向壁面70bに固定して、図1〜図6に示される実施の形態の伸縮継手装置40と同様な構成の伸縮継手装置を実現することができる。
これによって、前述の実施の各形態の効果を達成するとともに、他方の対向部43bの鉛直な対向壁面70bが他方の縁材44bの取付け位置を越えて上方に立ち上がる場合(図1〜図6)、および前記取付け位置から水平に上面が形成される場合(図7および図8)のいずれであっても、前記第1縁材44b1だけを用いて、あるいは第1および第2縁材44b1,44b2の双方を用いて他方の縁材44bを実現することができ、他方の対向部43bの形態にかかわらず、他方の縁材44bの汎用性を向上し、伸縮継手装置40bの設置上の自由度を向上することができる。
本発明の実施の一形態の伸縮継手装置40を示す鉛直断面図である。 捩りばね52および他方の縁材44bの一部を示す分解斜視図である。 伸縮継手装置40の取付け手順を説明するための分解断面図である。 伸縮継手装置40の動作を説明するための鉛直断面図であり、図4(1)は伸縮継手装置40を各対向部43a,43bに設置した当初の状態を示し、図4(2)は他方の対向部43bが一方の対向部43aに対して下方へ変位しかつ相互に近接する方向に変位したときの伸縮継手装置40の状態を示し、図4(3)は図4(2)の状態から一方の対向部43aが他方の対向部43bから離反する方向に変位して初期の水平方向の間隔Lに復帰したときの伸縮継手装置40の状態を示す。 伸縮継手装置40の動作を説明するための鉛直断面図であり、図5(1)は図4(3)に状態から一方の対向部43aが他方の対向部43bに対して初期の間隔Lを超えて離反したときの伸縮継手装置40の状態を示し、図5(2)は各対向部43a,43bが上下方向に関して初期位置に復帰しかつ離反する方向に変位したときの伸縮継手装置40の状態を示し、図5(3)は他方の対向部43bが一方の対向部43aに対して上方に変位したときの伸縮継手装置40の状態を示す。 伸縮継手装置40の動作を説明するための鉛直断面図であり、図6(1)は他方の対向部43bが一方の対向部43aに対して上方へ変位したときの伸縮継手装置40の状態を示し、図6(2)は図6(1)の状態から他方の対向部43bが一方の対向部43aに近接する方向に変位したときの伸縮継手装置40の状態を示す。 本発明の実施の他の形態の伸縮継手装置40aを示す鉛直断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態の伸縮継手装置40bを示す鉛直断面図である。 従来の技術の伸縮継手装置1を示す鉛直断面図である。 伸縮継手装置1の動作を示す鉛直断面図であり、図10(1)は各対向部4a,4bが相互に近接する方向に相対変位した状態を示し、図10(2)は一方の対向部4aが他方の対向部4bに対して下方に相対変位したときの状態を示し、図10(3)は一方の対向部4aが他方の対向部4bに対して上方に相対変位した状態を示す。
符号の説明
40,40a,40b 伸縮継手装置
41 空隙
42a,42b 躯体
43a,43b 対向部
44a,44b;44b1,44b2 縁材
45 カバー体
46 支持部
47 裏面
48 ブラケット
49 一端部
50 他端部
52 捩りばね
53 止水シート
54a,54b;125 シール材
55 カバー体45の幅方向一端部
56 ブラケット48の先端部
70a,70b 対向壁面
71,110 上面
77,87,114,124 シール受け部
97,98,130 パッキン

Claims (3)

  1. 空隙をあけて隣接する2つの躯体の相互に対向する各対向部にそれぞれ固定される縁材と、
    各対向部間にわたって各縁材および空隙を上方から覆うようにして設けられ、2つのパッキンが嵌着されるカバー体と、
    一方の縁材に支持される支持部を有し、水平面においてカバー体の幅方向に垂直な長手方向に間隔をあけて配置され、カバー体の空隙に臨む裏面に固定されるブラケットと、
    一端部が前記ブラケットに回動自在に係止されるとともに、他端部が他方の縁材に形成されるばね受け部に嵌り込み、ビスによってばね受け部から離脱してしまうことが防がれた状態で回動自在に係止され、前記一端部および他端部に連なる巻回部がカバー体と他方の縁材との間に変位自在に装着されるばね部材とを含み、
    前記各対向部のうち、一方の対向部は、鉛直な対向壁面と、水平な上面とを有する一方の躯体の隅角部であり、他方の対向部は、鉛直な対向壁面が上下方向に延びる他方の躯体の側面部であり、
    前記各縁材のうち、一方の縁材は、一方の対向部の上面上で固定され、他方の縁材は、他方の対向部の対向壁面に、前記一方の縁材とほぼ同じ高さに固定され、
    前記ブラケットの一方の対向部側に配置される先端部は、カバー体に係止され、
    前記一方の縁材の端部のうち、他方の対向部から離反する側の端部には、他方の対向部から離反するにつれて上方に屈曲するシール受け部が形成され、
    前記一方の縁材に形成されるシール受け部と前記一方の対向部の上面との間には、シール材が充填され、
    前記他方の縁材の上端部には、上方になるにつれて一方の対向部寄りに傾斜するシール受け部が形成され、
    前記他方の縁材に形成されるシール受け部と他方の対向部を形成する鉛直な対向壁面との間にシール材が充填され、
    前記カバー体は平坦状の本体部分と、本体部分の幅方向一端部から下方へ直角に屈曲して連なる屈曲部とを有し、
    前記カバー体には、一方のパッキンが、一方の縁材のシール材よりも外側で一方の対向部の上面に弾発的に当接するように前記カバー体の屈曲部の下端部に嵌着され、他方のパッキンが、他方の縁材のシール材よりも外側で他方の対向部の鉛直な対向壁面に弾発的に当接するように前記カバー体の本体部分の幅方向他端部に嵌着されることを特徴とする伸縮継手装置。
  2. 各縁材間には、可撓性を有する止水シートが設けられることを特徴とする請求項1記載の伸縮継手装置。
  3. 他方の縁材には、前記ばね部材の他端部が回動自在に係止されることを特徴とする請求項1または2記載の伸縮継手装置。
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