JP3787543B2 - エキスパンションジョイント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、間隙をおいて相対する建物にその地震や地盤沈下等による変動を吸収し易い状態に装着して間隙の閉塞を良好に行なわせるエキスパンションジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
隣接する建物の間隙を建物の変動が吸収されるように閉塞させるエキスパンションジョイントにおいてバネ部材を用いるものは、特開平9−111893号及び特開2000−265576号により知られていて、前者は一方の建物に長尺状の固定部材を取り付けて、この固定部材の突部のバネ支持部にバネ部材の一端を保持させ、バネ部材の他端をブラケットに係合させて、ブラケットを他方の建物へ接するように付勢させたものであり、後者は、一方の建物に固定した台座部材の固定部分にバネ部材の一端を固定し、他端をホルダに設けたスライド係合部に係合させて、ブラケットを他方の建物へ接するように付勢させたものであって、何れもバネ部材の使用により柔軟で確実な変動対応ができるようにしている。
【0003】
しかしながら、バネ部材を一端固定の状態で使用すると可動の他端側しか機能しないため、バネの特性が充分に活かされず、建物の大きな変動に柔軟で確実に対応できず、しかも、無理な変動に伴うエキスパンションジョイントの作動により故障や部品の損傷を軽減すると言う目的を充分に果たし得ないものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来の問題点を解消し、バネ部材をコイル部とこのコイル部より延伸した係支部を備える伸び部がホルダに形成した数箇所の支承部に支承することで、バネ部材とホルダの相互支承に伴いバネ応力の機能を増加させ得るようにしたものである。又、バネ部材のコイル部を基点に伸び部の角度を狭角方向にバネ歪力で作用する狭角機構を備えるバネ部材と、ホルダの支持部とホルダ部を傾動可能とすることにより、建物の大きな変動に対する場合でもバネ部材とホルダの相乗機構にてカバー材の応動を無理なく確実に行なわせることができるエキスパンションジョイントを提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係るエキスパンションジョイントは、間隙をおいて相対する建物の間隙を覆うカバー材を、一方の建物に設けた支持部とホルダ部を傾動可能とするホルダを介して取付けたエキスパンションジョイントにおいて、上記ホルダの支持部とホルダ部に備えた支承部には、コイル部とこのコイル部より延伸し係支部を備える伸び部とを有するバネ部材を取り付け、上記コイル部を上記ホルダの表裏いずれか面の支承部に圧接状に支承させ、上記カバー材の端部を上記バネ部材により常時他方の建物に接触するように付勢することを特徴とする。
【0006】
なお、前記一方の係支部をホルダ部の支承部に(圧接状又は摺動可能に)支承し、他方の係支部を前記支持部の支承部に(圧接状又は摺動可能に)支承させるとともに、前記コイル部を前記ホルダの表裏いずれかの面の支承部に圧接状に支承させるようにしてもよい。
【0007】
また、前記コイル部を、前記ホルダのホルダ部又は支持部の表裏いずれか面の支承部に圧接状に支承させてもよい。
【0008】
さらに、前記ホルダには、係支部を備えるコイル部とこのコイル部より延伸し係支部を備える伸び部とを有するバネ部材を取り付け、前記コイル部の係支部を前記ホルダの支持部の支承部に支承し、他方の延伸した係支部を前記ホルダ部の支承部に圧接状に支承してもよい。
【0009】
また、前記ホルダには、係支部を備えるコイル部とこのコイル部より延伸し係支部を備える伸び部とを有するバネ部材を取り付け、前記コイル部の係支部を前記ホルダのホルダ部の支承部に支承し、他方の係支部を前記支持部の支承部に圧接状に支承させるようにしてもよい。
【0010】
さらに、前記バネ部材は、バネ部材自体の間隙側の角度θと、(ホルダに未支承の状態時、間隙側の角度θを意味する。)前記角度θに対しホルダに支承されたコイル部を基点に伸びる伸び部との角度αと、(バネ部材をホルダの支承部に支承した状態の、間隙側の角度αを意味する。)前記角度αに対しホルダの支持部に支承し一方建物に取付けたコイル部を基点に伸びる伸び部との角度βを備えて、(ホルダ支持部に支承した状態の間隙側の角度βを意味する。)バネ歪力で作用をするバネ部材を形成するようにしてもよい。
【0011】
前記バネ部材の各角度は、角度θにはコイル部自体のコイルバネ歪力の作用を有し、角度αには前記角度θ方向にバネ歪力の作用を有し、角度βには前記角度θ方向にバネ歪力の作用を有し、しかも、前記バネ部材の各角度に備えるバネ応力が、互いにバネ部材自体の間隙側の角度θ方向にバネ歪力が協働する付勢作用(伸び部が近づく方向の角度を意味する。)をする狭角機構を備えるバネ部材を構成してもよい。
【0012】
前記バネ部材のコイル部と伸び部にバネ歪力を備える付勢力は、コイル部が伸び部より強いバネ作用を備えるようにするのが好ましい。
【0013】
また、前記ホルダには、バネ部材のコイル部を係合(「係合」は、保持、支持、収納等を意味する。)する位置決め用のコイル受け部を、前記ホルダ部の支承部に形成してもよい。
【0014】
さらに、前記ホルダには、バネ部材のコイル部を係合(「係合」は、保持、支持、収納等を意味します。)する位置決め用のコイル受け部を、前記ホルダの支持部の支承部に形成したこと。
【0015】
さらに、前記バネ部材のいずれか係支部を前記ホルダ部の支承部に傾動可能に保持し、他の係支部及びコイル部を前記ホルダの支承部に摺動可能で圧接状に支承してもよい。
【0016】
さらに、前記バネ部材は、コイル部が対をなし全体が一体構成又は分割構成いずれかに形成され、しかも、全形が、略ひ・U・Ω・コ・C・し・M字状の何れかをなすように形成してもよい。
【0017】
さらに、前記ホルダは、傾動部を形成した前記支持部と傾動受け部を端部に備えたホルダ部を形成し、前記支持部とホルダ部の端部が傾動可能に連結されたホルダ部とから構成するのが好ましい。
【0018】
さらに、前記傾動部と傾動受け部を傾動可能に備えたホルダと、前記ホルダのいずれかの傾動部と傾動受け部には、隣設して並列状に配するコイル部を支承する支承部を構成してもよい。
【0019】
さらに、前記ホルダのホルダ部は、単一体又は複数のホルダ部材を一体状に連結したいずれかであるのが望ましい。
【0020】
さらに、前記ホルダ部の建物に当接する他端部には切欠部を形成するのがよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係るエキスパンションジョイントを図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は本発明のエキスパンションジョイントの第1実施例を示す。この図において符号1で示すエキスパンションジョイントは、建物2,3の入隅部に間隙Sをおいて段違い状に相対する建物2と建物3の間隙Sを覆うカバー材4を、一方の建物2に設けたホルダ6は、支持部6Bとホルダ部6Aを傾動可能に取付けたものである。
【0023】
ホルダ6には、基板を兼ねた支承部5aと端部に止水板11を装着するための挟持溝14と円軸状に突出した傾動部15を図示下方に一体形成した支持部6Bを構成し、この支持部6Bに対し傾動可能に連接するC字形等の開口が建物2側へ向く欠円溝形成の傾動受け部18とこの近傍にコイル部7aを係止、収納、保持及び支持等するための円弧状の支承部5bを備え、この円弧状端の図示右がやや傾き形成しコイル部7aをより確実に支承部5bさせている、かつ、後に述べる基部等から形成したホルダ部6Aであって、ホルダ6を介して建物2,3間の変位に傾動可能に取り付けたものである。
【0024】
上記ホルダ6には、予めバネ部材7を取り付けてある。バネ部材7はコイル部7aとこのコイル部7aより両方へ延伸した伸び部7bと伸び部7c端に折曲げ形成した係支部7d、7eとを一体又は図示してないがコイル部7aと7aを対設又はコイル部7aと伸び部を分割構成若しくは一体状に設けたなどのバネ部材7を取り付け、上記一方の係支部7eを備えた伸び部7cをホルダ6のホルダ部6Aの凹部などの支承部23に係支部7eに圧接状で摺動可能に支承し、他方の係支部7dを備えた伸び部7bを上記支持部6Bの基板を兼ねた支承部5aに係支部7dを圧接状で摺動可能に支承させるとともに、上記コイル部7aを上記ホルダ6の裏面又は図9のような表面いずれかの面に係止、収納、保持及び支持等するための円弧状の支承部5bとなすコイル受け部に圧接状に複数の個所で支承させ、上記カバー材4の端部をホルダ6にて介した上記バネ部材7のバネ応力により常時建物3に接触するように付勢する構成としてある。
【0025】
入隅躯体の間隙Sを閉塞するカバー材4は、断面がL字形をなして間隙Sを覆う幅寸法及び長尺に形成し、幅方向の両側にはそれぞれ建物2側及び建物3側へ直角に曲がる折曲部の側縁4aを設けて、これら折曲部の側縁4aの先端に挟持溝8を設け、両挟持溝8には建物2及び建物3へ弾力的に接する軟質の気密材9を取り付ける。そして、カバー部材4の裏面に所要数のホルダ6を配し、ねじ、ビス、リベツト等の止具10により適当に離隔させて取り付ける。
【0026】
また、前記間隙Sは止水板11によって止水を行なう。この止水板11は建物2及び建物3にねじ、ビス等の止具12により取付板13やホルダ6の支持部6Bを取り付けて、これら取付板13の間隙Sに臨む側に挟持溝14を設け、これら挟持溝14に止水板11の両端に取付縁11aを挟ませて水密的に取り付ける。なお、屋内側の間隙Sの場合は、止水板11と取付板13を省いてもよい。
【0027】
ホルダ6の一端を係合する一方の支持部6Bは、一方の建物2へ前記取付板13と重ねてねじ等の止具12により取り付ける。そして、下端に建物3側へ直角に突出するように円軸状に突出形成した傾動部15を図5のように形成し、中間部には取付板13に設けた凸条16を、又はバネ部材7の一方の係支部7dを保持状に係合させる凹条17の支承部5dを形成してある。
【0028】
ホルダ6は、支持部6Bとホルダ部6Aとから前述したように傾動可能に連継構成し、間隙Sの長手方向に沿って一定の間隔で所要数を配置し、これらホルダ部6Aに止具10にてカバー材4の幅方向裏側へ取り付けるものであり、図9のように一体に形成したホルダ部6A、又は図2(a)に示す通り第1ホルダ部6aと、第2ホルダ部6bによりホルダ部6Aを連継構成して、ホルダ部6Aは、一端に開口が建物2側へ向く欠円溝形成した傾動受け部18を設け、この欠円溝の傾動受け部18を支持部6Bに設けた円軸状の傾動部15に嵌合して、第1ホルダ部6aを支持部6Bへ傾動可能に連結する。
【0029】
なお、この支持部6Bの傾動部15とホルダ部6Aの傾動受け部18との近い部分に隣設状に配するコイル部7aを支承する支承部5bをできるだけ近づける並列構成とすることで、建物変動時には、この傾動作用部分に近設する支承部5bのコイル部7aのコイル付勢が働きバネ応力が大きく変化作用しやすくなり、他方建物3側のホルダ部6Aの当接部21に対し効率の良いバネ変動した付勢力となる。
【0030】
第2ホルダ部6bは、一端に円軸状形成した連継部19を下側に突出させ、この円軸状の連継部19を第1ホルダ部6aの他端に開口が斜め上へ向くように設けた欠円溝の連継受け部20へ嵌合して、第2ホルダ部6bを第1ホルダ部6aへ傾動可能又は固着状に連結し、更に第2ホルダ部6bの他端には、他方の建物3面へ当接する斜めの当接部21を設けて、この当接部21に前記した取付板13を固定するためのねじ等の止具12の頭に対応する不当接部となす部分に切欠22を設けて、ねじ等の止具12の頭が変位時に伴うホルダ6のぶつかりや移動が妨げられないようにする。
【0031】
また、第1ホルダ部6aは、第2ホルダ部6bを連結する部分に凹部23等の支承部5cを形成し、この凹部23等の支承部5cによりホルダ部6Aとカバー材4との間にバネ部材7の伸び部7c先端の係支部7eが圧接状で摺動可能に収まる空間24が形成されるようにする。この空間24は支障がなければカバー材4側に設けてもよい。この凹部23の支承部5cとなる空間24は、ホルダ6にバネ部材7を支承する時の装着時に生じるバネ変位の吸収、又は、バネ部材7が建物間で変動を吸収する時、伸び部7cの係支部7eがホルダ部6Aの支承部5cに自由にスライドし摺動できるようにするために設ける。
【0032】
なお、ホルダ6のホルダ部6Aの第1ホルダ部6aへ第2ホルダ部6bを傾動可能又は固着状に連結するには、図1の円内図に示す通り、第1ホルダ部6aの端部に開口が建物3側に向くU字溝状の連継部25を設け、この連継部25に第2ホルダ部6aから折り状に突出させた挿入片の連継受け部26を嵌合し、かつ、挿入片の連継受け部26の中間部の裏側に傾動逃し部又は連継部25を納める受け部27を設けて置けば、第1ホルダ部6aと第2ホルダ部6bとの傾動可能又はカシメ加工でその突部を変形させ固着し強固に連結ができる。
【0033】
ホルダ6は、前記の通り第1ホルダ部6aと第2ホルダ部6bの2部材構成に限られるものではなく、図9のように単一体で構成することができ、又は、3部材以上で構成とすることも可能であり、この場合は、図3及び図4に示す通り、支持部6Bへ傾動可能に連結する第1ホルダ部6aと、他方の建物3へ当接し付勢する当接部21を有する第2ホルダ部6bとを、種々の間隙寸法に対応して任意に切断した中間の第3ホルダ部6cにより連結構成すると、共通の第1と第2のホルダ部6a、6bの長さが異なる複数の第3ホルダ部6cを準備して、これらを交換することによってホルダ6の長さを加減することができる。
【0034】
第3ホルダ部6cは、図3に示す通り断面中空状又は図4に示す通りC型断面の第3ホルダ部6cを用い、その両端に、第1ホルダ部6aと第2ホルダ部6bの端部に適合する孔、溝、等の連結部28を設けた構造として、この連結部28に第1ホルダ部6aの端部挿入部29を、他端に第2ホルダ部6bの端部挿入部29を嵌合又はカシメ加工等の固着手段により3分割を一体状に構成したホルダ部6Aが形成されるようにする。
【0035】
なお、第3ホルダ部6cの連結部28、28に挿し込む第1ホルダ部6a及び第2ホルダ部6bの端部挿入部29,29を、図3及び図4に示す通り段差状の凹部23等の支承部5cを有する空間24内にバネ部材7の係支部7eを収めて摺動可能で圧接状に配置する。
【0036】
バネ部材7は、線バネ鋼を複数回円状、渦巻き状に丸めた中央のコイル部7aを形成し、このコイル部7aから両方に延伸し伸び部7b,7cを形成しこの伸び部7b,7cの端部には折れてホルダ6のホルダ部6Aと支持部6Bに支承するための係支部7d,7eを形成されている。
【0037】
また、前記バネ部材のコイル部と伸び部にバネ歪力を備える付勢力は、コイル部が伸び部より強いバネ作用を備えている。
【0038】
そして、バネ部材7のこのコイル部7aから一方へU字形、くの字形等をなす伸び部7bが伸び出し、その端は係止部7dを折曲形成し、他方へは平面視が屈折状で、縦断視が真っ直ぐな伸び部7cが伸び出すようにし、その端は第2の係止部7eを分離状又は一体につながり形成したものであり、1本又は複数の線材により2個のコイル部7aを対になすよう(図1、図2、図3参照)に構成する。そして、平面視の全体形状は略ひ・U・Ω・コ・C・し・M字形等をなすようにする。
【0039】
また、図2(b)に示す通り、前記バネ部材7は、以下に述べるようにその製作時に、予めバネ応力を持つよう備え構成し、バネ部材7における図1で示す間隙S側の角度θは、予めコイル部7a自体に備えたコイル状歪力を持つバネ付勢(コイル部のコイル空洞状、又は軸芯線状の芯、を意味する。)を構成し、かつ、第一の復帰機構を備え持つている。
【0040】
また、前記コイル部を基点に前記伸び部との角度θとし、(バネ部材がホルダの支承部に支承されていない状態の角度θを意味する。)この角度θに対しホルダ6が傾動可能に連継されたホルダ部6Aと支持部6Bの支承部5a,5b,5cに、バネ部材7のコイル部7aと係支部7d,7eを各々支承させた状態におけるバネ部材7の間隙S側の角度θ+αと、(ホルダ支承部にバネ係支部とを支承された状態の角度θ。)この角度θ+αの内の角度αには前記バネ部材7の角度θに復帰する作用が働くコイル部7aに、主として復帰バネ応力を与えたバネ応力が備えられた第二の復帰機構を有している。
【0041】
また、バネ部材7をホルダ6に装着された支持部6Bを一方の建物2に取付けた状態でのバネ部材7における間隙S側の角度θ+α+βとするバネ付勢力を持ち、各々順次にバネ付勢が働くよう対応構成されている。この場合には、前記角度θ+α+βの内の角度α及び角度βには前記バネ部材7の角度θに復帰するバネ応力が強く復帰可能に前述したものよりさらに強く付勢又は復帰力が働くよう備えられる第三の復帰機構を有している。
【0042】
建物2,3が変動する場合は、前記第一から第三の復帰機構を備えたバネ部材7構成により、建物2,3の変動時には各々の復帰機構により柔軟かつ段階的に変位に対応した複合のバネ歪力が作用し付勢又は各復帰機構を備えるバネ部材を構成している。
【0043】
バネ部材7のホルダ6に対する支承は、対設状のコイル部7a,7aの一方の伸び部7b又は伸び部7b端に形成する係支部7dと、他方の伸び部7c又は伸び部7c端に形成する係支部7eともにホルダ6のホルダ部6Aの支承部5cの対応部にバネ歪力を付勢可能応力にて圧接状で摺動可能に支承状態とする。すなわち、バネ部材7の一方の伸び部7b又は伸び部7b端の係止部7dは、先端側がホルダ6の支持部6B表面側を強く押しながらこの支承部5aへ支承し図1に示す通り圧接状で摺動可能に接触し、他方の伸び部7c又は伸び部7c端の係止部7eは先端がホルダ部6Aの表側へ図1、図2、図3又は図9の裏側に示すように接触し、コイル部7aはその一部周面に合わせた円弧状、コ状、つ字状等のコイル受け部30となる支承部5bへ係止、保持、収納及び支持され、かつ、圧接触するようにして、バネ部材7のコイル部7a伸び部7b、7c又は係支部7d,7eの少なくとも支持部6Bとホルダ部6Aのホルダ6に対し3個所が支承し、バネ部材7全体が間隙側方向に狭角状態にバネ応力が予め作動し得るようにしてある。
【0044】
前記実施例に示すエキスパンションジョイントは、図6(a)に示すように建物2に対して間隙を隔てた建物3が例えば二点鎖線で示す元位置より実線で示す上方の変動位置へ変動すると、前記バネ部材7のバネ歪力のバネ応力の付勢とともにカバー材4とホルダ部6Aは図に示す通り右上がりに傾き、バネ部材7のコイル部7aを基点に一方の係支部7eを備える伸び部7cを押し上げて、コイル7aを基点にして伸び部7bと7c端の係支部7d,7eとが、図示下方のバネ部材7の間隙側の広い角度側を狭角するように変形し狭める方向によりバネ付勢が働く。すると、バネ部材7はこのバネ応力の付勢する作用を全体で受けて、そのホルダ6の支承部5a、5b、5cに支承されている3点支持のバネ応力の反力を強くホルダ6に、かつ、支持部6Bとホルダ部6Aの傾動作用も及ぼして、カバー材4を弾力的に建物側に圧接状に支承させて、さらに、バネ応力が大きく付勢又は復帰機構されて働くことができ、間隙Sを閉塞する段階的なバネ付勢又は復帰機構の動作が確実で柔軟に行なうとともに、上記変動時には何れにも損傷の原因となる過大な応力を作用されることがない。
【0045】
また、図6(b)に示すように建物2に対して例えば建物3が二点鎖線で示す元位置より実線で示す下方の変動位置へ変動すると、前述と同様にバネ部材7のバネ応力の付勢が働くとともにカバー材4とホルダ6は図に示す通り右下がりに傾き、バネ部材7のコイル部7a、7aを基点にして一方又は他方の伸び部7b,7c端の係支部7eがバネ応力の付勢に伴い建物3側へ引き下げて、コイル部7aを基点に伸び部7bと7cとがなすバネ応力の挟角を作用される。すると、バネ部材7はこのバネ応力の付勢作用を全体で受けてバネの反力をホルダ6にかつ、支持部6Bとホルダ部6Aとの傾動作用が協働して及ぼし、カバー材4を前述同様に弾力的に建物に圧接触、摺動させて、この場合も間隙Sを閉塞する動作を確実に行なう。
【0046】
更に、例えば建物2と建物3の変動は、建物2と建物3との間隙Sの間隙幅が変化するようにも起こる。この場合、間隙Sの幅が増大するとカバー材4とホルダ6の先端は、前述のようにバネ部材7のバネ歪力によるバネ応力を付勢して伸び部7c端の係支部7eにより、ホルダ6及び支持部6Bとホルダ部6Aとの傾動作用が協働して建物3の表面へ圧接されながら間隙S側へ接近するように移動し、又逆に間隙Sが縮小するときは、反対に建物3の表面を間隙Sから離隔するように移動し、何れの移動の場合も、バネ部材7とホルダ6との取付ける組合せで少なくとも数箇所の支承によるバネ歪力によるバネ応力の働きを高めている。ホルダ6とバネ部材7との全体が協働してホルダに取付けたカバー材4に押圧力を付設することにより間隙Sの確実な閉塞を行なう。
【0047】
なお、建物2と建物3の変動は、前記のように上下左右の、その他に前後の位置関係の変動と間隙の変動が複数同時に起こる場合もあるが、本発明では、コイル部7a、伸び部7b、伸び部7cおよび、係支部7d,7eの総て支持部6Bとホルダ部6Aとの傾動作用にてホルダ6と常に支承状態にあるため、バネ歪力によるバネ応力の付勢の働きをより確実に高めて、エキスパンションジョイント全体の建物間の変動に対応でき、かつ、バネ部材7のコイル部7aと伸び部7b、7cとの狭角機構により何れの部分にも集中的な応力を受けることなく、ホルダ6を介したバネ応力の押圧を行なって、間隙Sを閉塞する動作を良好にして各部材の損傷を生ずることなく間隙を確実に覆い得る。
【0048】
図7は本発明に係るエキスパンションジョイントの第2実施例を示す。この図において前述した実施例1と異なる構成及びバネ作用等を主体に以下に説明する。符号1で示すエキスパンションジョイントは、建物2と建物3が間隙Sをおいて面一状に相対し、双方建物2,3の間隙Sを平らな状態とし、かつ、平な構成のカバー材4により覆わせる点及び、ホルダ6とバネ部材7も同様平らな形状とした点で実施例1とは相違する。しかし、カバー材4を一方の建物2に設けたホルダ6の支持部6Bとホルダ部6Aを介して傾動可能に取り付けたホルダ6と、上記ホルダ部6Aは、単一体又は第1実施例と同様に分割のホルダ部を連結形成したホルダ部6Aとし、コイル部7aとこのコイル部7aより両方へ延伸した伸び部7bと伸び部7c端に係支部7d,7eとを有するバネ部材7を、少なくともその各係支部、コイル部7aを上記ホルダ6の各支承部5a,5b,5cに配置し支承装着させる、上記一方の伸び部7c端の係支部7eをホルダ部6Aに連結側に圧接状で摺動可能に支承し、他方の伸び部7b端の係支部7dを上記支持部6Bの表面側の支承部5aに圧接状で摺動可能に支承させるとともに、上記コイル部7aを上記ホルダ部6Aの裏面又は図9のように表面のいずれか面の図示円弧状やその他鈎状等のコイル受け部30を有する支承部5bに係止しこれらコイル部7a、各係支部7d,7eの保持等をし、少なくとも3ヵ所に複数支承し圧接させる。上記バネ部材を付設したホルダ6にカバー材4を取付けてカバー材4の端部を上記バネ部材7により常時建物3に接触するように予め付与したバネ狭角機構等によるバネ応力の付勢する点では実施例1と略同様である。
【0049】
この実施例のカバー材4は平板状であって間隙Sを覆う寸法以上の幅で長尺材に形成し、かつ、幅方向の建物2及び建物3側へ両側に直角に曲がる側部を有する折曲部の側縁4aを有する。そして、これら折曲部の側縁4aの先端にそれぞれ挟持溝8を設け、挟持溝8には建物2及び建物3へ弾力的に接する軟質の気密材9を取り付けて、建物の変動時でも気密性を保つた取り付けを得る。
【0050】
ホルダ6の支持部6Bは、建物2へ直接又は取付板13と重ねてねじ・ビス等の止具12により取り付け、隙間S側の支持部6Bの端部には表側へ実施例1と同様に折れ突出する円軸等の傾動部15を形成してある。
【0051】
ホルダ6は、間隙Sの長手方向に沿って一定の間隔で所要数を配置し、表側にカバー材4を取り付けるものであり、ホルダ部6Aは一部材又は図7に示す通り第1ホルダ部6aと、第2ホルダ部6bとにより分割材を連結した一体構成する。そして、以下の説明は実施例1のように分割の例を以下に説明する。
【0052】
第1ホルダ部6aは、この一端に建物2側へ折れ突出する欠円溝や鈎状等の係合受部18を設けて、この係合受部18を支持部6Bの係合部15に嵌合して、第1ホルダ部6a端と支持部6Bとを傾動可能に連結する。
また、第2ホルダ部6bは、一端の裏側に円軸状か鈎状等の係合部19を間隙側に突出させ、この係合部19を第1ホルダ部6aの他端に開口が向くように設けた欠円溝か鈎状等の係合受部20に嵌合して、第2ホルダ部6bを第1ホルダ部6aとでカシメ加工の固着又は傾動可能に連結する。更に、第2ホルダ部6bは、他端に建物3へ当接する斜めの当接部21を設け、この当接部21にはねじ、ボルトの止具12に対応する部分に切欠22を形成して、当接部21がねじ、ボルトの止具12によりぶつかりや移動を妨げられないようにする。
【0053】
前記ホルダ6は、必ずしも複数のホルダ部6a、6bを連結して形成する必要はなく、図9に示すような単体構成とすることもできる。この例の場合、一端に建物2側へ折れ突出する欠円溝等の係合受部18を設け、他端に建物3への当接部21を設ける点は前記ホルダ部6Aと同一である。しかし、ホルダ部6A中間部の裏側にはバネ部材7一方の伸び部7c端の係支部7eを離脱しないように支承させる係止部、鈎状等の係合受け部31を形成する支承部5cを設けている。
【0054】
係合受部18を設けた側に近い部分には、ホルダ6の表側へ開口させたU字形、L字形等形成のコイル受け部30を有する支承部5bを設けて、このコイル受け部30に傾動可能にコイル部7aを保持、収納し及び係止してコイル部7aの位置決め部を設けてコイル周面を支承させ、ホルダとバネ部材を共に圧接状に保持するようにしてある。
【0055】
なお、前記コイル受部30とともに、図10に示すように第1ホルダ部6aと第2ホルダ部6bとを前述実施例と同様の連結手段を形成するホルダ部6Aにも採用することができる。なお、図示の符号は前述したものと同符号を付してある。
【0056】
実施例2のバネ部材7は、実施例1と挟持角度と伸び部の形状構成を次に示す他は、ほぼ同等の構成と作用ができ、かつ、バネ部材に予めバネ歪力のバネ応力を備えた形状及び狭角機構を備え保っている。
【0057】
バネ部材7は、図11のようにホルダ6に係合(「係合」は、保持、支持、収納等を意味する。)した場合は、略Z字型の側面視形を示し、バネ部材7自体では略逆v字型の側面視形を示している。そして、線バネ鋼を複数回丸めて中央のコイル部7aを形成し、このコイル部7aから一方に係支部7dを備える伸び部7bはコイル部7aの上周面側から支持部6Bの支承部5aに向かって真っ直ぐ傾斜状に伸び出し、他方に係支部7eを備える伸び部7cはコイル部7aの下周面側からホルダ部6Aに向って真っ直ぐ傾斜状に伸びるように形成したものであり、1本の線材により2組が対をなすようコイル部7a,7aを(図8参照)構成する。そして、平面視の全体形状を略ひ・U・Ω・コ・C・し・M字形等とする。
【0058】
バネ部材7は、複数のコイル部7a、一方の伸び部7b、他方の伸び部7c及び係支部7d,7eともに、ホルダ6の支持部6Bとホルダ部6Aの複数の支承部5a,5b,5cに圧接状に支承する。すなわち、一方の伸び部7b端の係支部7dは支持部6B表面の支承部5aへ圧接状で摺動可能に支承し、他方の伸び部7c端の係支部7eはホルダ部6Aとカバー材4との隙間24部分の支承部5cにおいてホルダ6の裏面又は表面支承し、コイル部7aはその周面を円弧状、コ字状等をなすコイル受け部30の支承部5bに収納、保持等の係合を保ち、傾動可能とさせて、バネ部材7全体がホルダ6に予め複数個所支承する状態を維持しつつホルダ6とのバネ応力を強固にしたバネ付勢又は復帰機構を強く高めたホルダ6を建物に柔軟に取付けてカバー材4の押圧力を段階的に作用させる。
【0059】
前記実施例に示すエキスパンションジョイントは、図11(a)に示すように建物2に対して建物3が二点鎖線で示す元位置より実線で示す変動位置へ変動するとき、また、図11(b)に示すように建物2に対して建物3が二点鎖線で示す元位置より実線で示す変動位置へ変動するとき、及び、建物2に対して建物3が相互の間隙Sの幅を増大または縮小するように変動するとき、これら、第1の実施例に示したと同様にコイル部7a、伸び部7b、伸び部7c及び係支部7d,7eがホルダ6の支持部6Bホルダ部6Aとの数箇所の互いの支承部5a,5b,5cに圧接状に支承でき、前述例の何れの箇所に狭角機構の狭角作用等にもバネ応力を敵位且つ効率的に働き、エキスパンションジョイント全般の変動時でも付勢分散によりバネ部材を付設したホルダ6及びカバー材4へ、変動時であっても効率良い建物への付勢を付与し押圧力を保ちつつ確実な間隙閉塞を行い各部材にも無理な力を加えることがない配設が得る。
【0060】
図12は本発明に係るエキスパンションジョイントの第3実施例を示す。この図において前述した各符号で示すエキスパンションジョイントは、実施例1、実施例2を援用する他は、異なる構成及びバネ付勢若しくは復帰機構のバネ作用等を主体に以下に説明する。建物2と建物3が間隙Sをおいて入隅状に相対し、建物2側に配設したホルダ6の支持部6Bが、係支部7eを備えるコイル部7aを円弧状に受け止める支承部5bを形成し、かつ、この円弧状に受け止める支承部5bを表面に傾動部15と隣設状に配するコイル部7aを支承する支承部5bを並列構成した一体に形成している。すなわち、ホルダ6の支持部6Bにコイル部7aが配設した点で、前述した実施例1等と大きく変えた構成のエキスパンションジョイントとバネ部材7と相違する。しかし、カバー材4を一方の建物2に設けたホルダ6の支持部6Bの傾動部15とホルダ部6Aの端部の傾動受け部18を介して傾動可能に取り付けたホルダ6と、上記バネ部材7の係支部7eを備えるコイル部7aとを隣設状に配設して、このコイル部7aより支持部6B下部の支承部5a方向へ極めて短い伸び部7bと伸び部7c端に係支部7eを有するバネ部材7を支持部6Bにほぼ係止状態に配設し、少なくともその係支部7d、コイル部7a、他方の係支部7eを上記支持部6Bとホルダ部6Aの各支承部5a,5b,5cに配置し支承装着させる。
【0061】
上記他方の伸び部7c端の係支部7eを上記ホルダ部6Aの表面側の支承部5eに圧接状で摺動可能に支承される。
【0062】
上記は前述した各実施例と同等の作用とバネ付勢によるバネ応力が働くエキスパンションジョイントを得られる。
【0063】
図13は本発明に係るエキスパンションジョイントの第4実施例を示す。この図において前述した各符号で示すエキスパンションジョイントは、実施例1、実施例2を援用する他は、異なる構成及びバネ作用等を主体に以下に説明する。建物2と建物3が間隙Sをおいて入隅状に相対し、建物2側に配設したホルダ6の支持部6Bが、傾動部15とその上下に、バネ部材7の係支部7dを係支状に備え、また、バネ部材7の係支部7d備えるコイル部7aを、ホルダ部6Aの端部に形成した円弧状に受け止める支承部5bに圧接状に支承形成し、かつ、この円弧状に受け止める支承部5bの横端に傾動部15を一体に形成している。
【0064】
すなわち、ホルダ6の支持部6Bにコイル部7aの係支部7dが配設した点で、前述した実施例1等と大きく変えた構成のエキスパンションジョイントと相違する。また、カバー材4を一方の建物2に設けたホルダ6の支持部6Bの傾動部15とホルダ部6Aの端部の傾動受け部18を介して傾動可能に取り付けたホルダ6と、この傾動受け部18に隣設状に配するコイル部7aを支承する支承部5bを並列構成にしたホルダ部6Aで形成し、上記バネ部材7の係支部7dを備えるコイル部7aと、このコイル部7aより支持部6B下部の支承部5a方向へ極めて短い伸び部7bと反対に伸び部7c端に係支部7eを有するバネ部材7をホルダ部6Aに配設し、少なくともその係支部7d、コイル部7a、他方の係支部7eを上記支持部6Bとホルダ部6Aの各支承部5a,5b,5cに配置し支承装着させる。
【0065】
上記他方の伸び部7c端の係支部7eを上記ホルダ部6Aの表面側の支承部5eに圧接状で摺動可能に支承される。
【0066】
上記は前述した各実施例と同等の作用とバネ付勢又はバネ復帰機構によるバネ応力が働くエキスパンションジョイントを得られる。
【0067】
図14は本発明に係るエキスパンションジョイントの第5実施例を示す。この図において前述した各符号で示すエキスパンションジョイントは、実施例1、実施例2を援用する他は、異なる構成及びバネ作用等を主体に以下に説明する。建物2と建物3が間隙Sをおいて面一状に相対し、建物2側に配設した平な構成の略十手型のホルダ6と係支部7eを備えるコイル部7aがバネ全体形を前述した実施例1、2と大きく変えた構成のバネ部材7と相違する。しかし、カバー材4を一方の建物2に設けたホルダ6の支持部6Bの傾動部15とホルダ部6Aの端部の傾動受け部18を介して傾動可能に取り付けたホルダ6と、上記ホルダ部6Aは、屈折状の係支部7eを備えるコイル部7aと、このコイル部7aを横開口し収納、保持、係止より位置決め状態に支承する支承部5b、このコイル部7aより支持部6B方向へ延伸した伸び部7bと伸び部7c端に係支部7d,7eとを有するバネ部材7を形成し、少なくともその係支部7e、コイル部7aを上記ホルダ部6Aの各支承部5a,5b,5cに配置し支承装着させる。
【0068】
上記他方の伸び部7b端の係支部7dを上記ホルダ6の支持部6Bの表面側の支承部5aに圧接状で摺動可能に支承される。
【0069】
上記は前述した各実施例と同等の作用とバネ付勢又はバネ復帰機構によるバネ応力が働くエキスパンションジョイントを得られる。
【0070】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、バネ部材をホルダに複数個所支承させただけの簡単な構造によって、コイル部と係止部とよりなるバネ部材のバネ応力を有効に高めた協働作用で、建物の変動時でも弾力的に付勢対応できる。また、カバー材を取り付けたホルダによって間隙の閉塞を無理もなく確実に行なわせることができ、風雨時の密閉を高めたエキスパンションジョイントが得られる。予めホルダとバネ部材を組立セットでき建物への取り付け施工が容易である。
【0071】
請求項2に係る発明によれば、バネ部材を双方の係支部をホルダ部の各支承部に支承し、かつ、コイル部をホルダの支承部に圧接状に支承させたことで、変動時でも、ホルダにバネ部材が確実で適切なバネ応力を発揮可能である。また、複数個所の簡単な支承を得る。
【0072】
請求項3に係る発明によれば、バネ部材のコイル部を、ホルダのホルダ部又は支持部の表裏いずれか支承部に圧接状に支承させたので、ホルダのホルダ部又は支持部との支承を簡便に得る。また、変動時でも適切なバネ応力を保てる。かつ、ホルダとバネ部材の良好な摺動支承できるバネ付勢となる。
【0073】
請求項4に係る発明によれば、ホルダに、係支部を備えるコイル部とこれらの係支部のバネ部材がホルダと支持部との支承で、ホルダとコイル部の支持部との支承を簡便に得る。また、変動時でも適切なバネ応力を保てる。
【0074】
請求項5に係る発明によれば、ホルダには、係支部を備えるコイル部又は係支部を備えるバネ部材をホルダ部との支承で、ホルダ部とコイル部との支持部の支承を簡便に得る。また、変動時でも適切なバネ応力を保てる。
【0075】
請求項6に係る発明によれば、バネ部材は、バネ部材自体の間隙側の角度θと、(ホルダに未支承の状態時、間隙側の角度θを意味します)前記角度θに対しホルダに支承されたコイル部を基点に伸びる伸び部との角度αと、(バネ部材をホルダの支承部に支承した状態の、間隙側の角度αを意味します。)前記角度αに対しホルダの支持部に支承し一方建物に取付けたコイル部を基点に伸びる伸び部との角度βを備えて、(ホルダ支持部に支承した状態の間隙側の角度βを意味します。)バネ歪力で作用をするバネ部材を形成したバネ歪力の作用で、バネ部材自体とホルダと組合う支承の保持による各々の角度によるバネ応力が増強できる。また、変動時の建物への覆う対応が無理なく覆う。
【0076】
請求項7に係る発明によれば、バネ部材の各角度は、角度θにはコイル部自体のコイルバネ歪力の作用を有し、角度αには前記角度θ方向にバネ歪力の作用を有し、角度βには前記角度θ方向にバネ歪力の作用を有し、前記バネ部材の各角度に備えるバネ応力が、互いにバネ部材自体の間隙側の角度θ方向にバネ歪力が協働する付勢作用(伸び部が近づく方向の角度を意味する。)をする狭角機構を備えるバネ部材を構成したので、バネ歪力が各ホルダ、建物に配設してバネ応力を段階的な作用をするバネ部材を形成したバネ歪力の作用が得られる。また、バネ部材自体とホルダと組合う支承の保持による各々の角度によるバネ復帰機構のバネ応力が増強できる。また、変動時の建物への覆う対応が無理なく覆う。
【0077】
請求項8に係る発明によれば、バネ部材のコイル部と伸び部にバネ歪力を備える付勢力は、コイル部が伸び部より強いバネ作用を備えたので、変動時のバネ応力が好適に発揮可能となる。
【0078】
請求項9に係る発明によれば、ホルダとコイル部の位置決め用のコイル受け部でのホルダの支承で、コイル部の確実な配置を得た変動時の係脱防止となる。また、特別な固定手段を用いなくてもホルダ定位置に安定し、建物の変動にはホルダ・バネ部材のバネ応力による応動を適切に行なう。
【0079】
請求項10に係る発明によれば、ホルダとコイル部の位置決め用のコイル受け部を、支持部の支承で、コイル部の確実な配置を得た変動時の係脱防止となる。さらにバネ受けの確実な位置となる。また、ホルダで輸送時、施工時ホルダとバネ部材の一体的組付けにより外れが防止できる。
【0080】
請求項11に係る発明によれば、バネ部材いずれか係支部を、ホルダ支承部に傾動可能に保持し、他の係支部及びコイル部を支承部に摺動可能で圧接状に支承したことで、ホルダとバネ部材の支承部の配設自由度を増す。
【0081】
請求項12に係る発明によれば、バネ部材は、全体が略ひ・U・Ω・コ・C・し・M字等を形成されるバネ部材は、コイル部の対設によってホルダとバネ部材を予め組合せ、施工を簡便にできるとともに、バネ応力の付勢をすぐ作動不能に陥ることがない。また、全形の形状の選択肢が増す。
【0082】
請求項13に係る発明によれば、ホルダは、傾動部の支持部と傾動受け部を端部に備えたホルダ部で、支持部とホルダ部の端部が的確に傾動可能に連結でき、バネ部材との変動時最適に変位対応できる。
【0083】
請求項14に係る発明によれば、傾動部と傾動受け部を傾動可能に備えたホルダと、前記ホルダのいずれかの傾動部と傾動受け部には、隣設して並列状に配するコイル部を支承する支承部を構成したので、変動時のコイル部の変動応力が大きく作用する強いバネ付勢又は復帰機構のバネ応力を作用できる。
【0084】
請求項15に係る発明によれば、複数のホルダ部材を敵位組合せて連結して構成するホルダは、ホルダ部が単一体又は複数のホルダ部が対応が可能であり、間隙の異なる多種幅寸法に対応が簡便に対応でき、製作加工でも良い。又、ホルダのサイズ調整ができる。
【0085】
請求項16に係る発明によれば、ホルダ部の切欠部で、建物側にねじ頭等止め部の突出物があってもぶつかり、変位時の移動が障害無く円滑に移動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エキスパンションジョイントの第1実施例の断面図。
【図2】同上に用いたホルダとバネ部材の斜視図。
【図3】ホルダとバネ部材の他の例の斜視図。
【図4】ホルダの他の例の斜視図。
【図5】取付材と支持部の斜視図。
【図6】(a)(b)は図1に示す変動作動状態を示す説明図。
【図7】エキスパンションジョイントの第2の実施例を示す断面図。
【図8】同上に用いたホルダとバネ部材の斜視図
【図9】図7に示すの一部変形の一例を示す断面図。
【図10】図7に示すの一部変形の他の例を示す断面図。
【図11】(a)(b)は図7に示す変動作動状態を示す説明図。
【図12】エキスパンションジョイントの第3実施例の断面図。
【図13】エキスパンションジョイントの第4施例の断面図。
【図14】エキスパンションジョイントの第5実施例の断面図。
【符号の説明】
1 エキスパンションジョイント
S 間隙
2、3 建物
4 カバー材
5 ホルダの支持部
6 ホルダ部
7 バネ部材
7a コイル部
7b 伸び部
7c 伸び部
7d 係止部
7e 係止部
Claims (16)
- 間隙をおいて相対する建物の間隙を覆うカバー材を、一方の建物に設けた支持部とホルダ部を傾動可能とするホルダを介して取付けたエキスパンションジョイントにおいて、 上記ホルダの支持部とホルダ部に備えた支承部には、コイル部とこのコイル部より延伸し係支部を備える伸び部とを有するバネ部材を取り付け、
上記コイル部を上記ホルダの表裏いずれか面の支承部に圧接状に支承させ、
上記カバー材の端部を上記バネ部材により常時他方の建物に接触するように付勢することを特徴とするエキスパンションジョイント。 - 前記一方の係支部をホルダ部の支承部に支承し、他方の係支部を前記支持部の支承部に支承させるとともに、前記コイル部を前記ホルダの表裏いずれかの面の支承部に圧接状に支承させた、請求項1記載のエキスパンションジョイント。
- 前記コイル部を、前記ホルダのホルダ部又は支持部の表裏いずれかの面の支承部に圧接状に支承させた、請求項1記載のエキスパンションジョイント。
- 前記ホルダには、係支部を備えるコイル部とこのコイル部より延伸し係支部を備える伸び部とを有するバネ部材を取り付け、
前記コイル部の係支部を前記ホルダの支持部の支承部に支承し、他方の延伸した係支部を前記ホルダ部の支承部に圧接状に支承した、請求項1記載のエキスパンションジョイント。 - 前記ホルダには、係支部を備えるコイル部とこのコイル部より延伸し係支部を備える伸び部とを有するバネ部材を取り付け、
前記コイル部の係支部を前記ホルダのホルダ部の支承部に支承し、他方の係支部を前記支持部の支承部に圧接状に支承させた、請求項1記載のエキスパンションジョイント。 - 前記バネ部材は、前記ホルダに未支承時のバネ部材自体の間隙側の角度θと、前記角度θに対しホルダに支承されたコイル部を基点に伸びる伸び部との角度αと、前記角度αに対しホルダの支持部に支承し一方建物に取付けたコイル部を基点に伸びる伸び部との角度βを備えて、バネ歪力で作用をするバネ部材を形成した、請求項1記載のエキスパンションジョイント。
- 前記バネ部材の各角度は、角度θにはコイル部自体のコイルバネ歪力の作用を有し、角度αには前記角度θ方向にバネ歪力の作用を有し、角度βには前記角度θ方向にバネ歪力の作用を有し、しかも、前記バネ部材の各角度に備えるバネ応力が、互いにバネ部材自体の間隙側の角度θ方向にバネ歪力が協働する付勢作用をする狭角機構を備えるバネ部材を構成した、請求項6記載のエキスパンションジョイント。
- 前記バネ部材のコイル部と伸び部にバネ歪力を備える付勢力は、コイル部が伸び部より強いバネ作用を備えた、請求項6記載のエキスパンションジョイント。
- 前記ホルダには、バネ部材のコイル部を係合する位置決め用のコイル受け部を、前記ホルダ部の支承部に形成した、請求項1記載のエキスパンションジョイント。
- 前記ホルダには、バネ部材のコイル部を係合する位置決め用のコイル受け部を、前記ホルダの支持部の支承部に形成した、請求項1記載のエキスパンションジョイント。
- 前記バネ部材のいずれか係支部を前記ホルダ部の支承部に傾動可能に保持し、他の係支部及びコイル部を前記ホルダの支承部に摺動可能で圧接状に支承した、請求項1記載のエキスパンションジョイント。
- 前記バネ部材は、コイル部が対をなし全体が一体構成又は分割構成いずれかに形成され、しかも、全形が、略ひ・U・Ω・コ・C・し・M字状の何れかをなすように形成した、請求項1記載のエキスパンションジョイント。
- 前記ホルダは、傾動部を形成した前記支持部と傾動受け部を端部に備えたホルダ部を形成し、前記支持部とホルダ部の端部が傾動可能に連結されたホルダ部とから構成された、請求項1記載のエキスパンションジョイント。
- 前記傾動部と傾動受け部を傾動可能に備えたホルダと、前記ホルダのいずれかの傾動部と傾動受け部には、隣設して並列状に配するコイル部を支承する支承部を構成された、請求項13記載のエキスパンションジョイント。
- 前記ホルダのホルダ部は、単一体又は複数のホルダ部材を一体状に連結したいずれかである、請求項1記載のエキスパンションジョイント。
- 前記ホルダ部の建物に当接する他端部には切欠部を形成した、請求項15記載のエキスパンションジョイント。
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