JP4913107B2 - 車両速度制御装置および車両速度制御方法 - Google Patents

車両速度制御装置および車両速度制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、先行車と自車両の相対速度を所定の範囲内に維持するように自車両の速度制御を行う車両速度制御装置および車両速度制御方法に関する。
特許文献1には、アクセル操作が行われている状態(アクセル操作ON)から行われない状態(アクセル操作OFF)に移行したことが検出された時点での先行車との距離を目標車間距離に設定し、車間距離が目標車間距離よりも短くなった場合、自車両を自動的に減速させる技術が開示されている。
特開2007−238031号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、速度制御中にドライバが目標車間距離を大きくするためには、ブレーキ操作により車両を減速させ、所望の車間距離となったところで一連のアクセル操作(アクセル操作ONの後、アクセル操作OFF)を行わなければならない。つまり、ドライバの速度制御への介入が困難であり、利便性に劣るという問題があった。
本発明の目的は、ドライバの速度制御への介入を容易とし、利便性の向上を図ることができる車両速度制御装置および車両速度制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、自車両と先行車との距離があらかじめ設定された距離よりも短い場合、ドライバのアクセル操作状態およびドライバのブレーキ操作状態がオフになったときは、当該オフのタイミングを起点として自車両と先行車との相対速度を所定の範囲内に維持するように自車両の速度制御を開始する。このとき、自車両の速度と所定の最大車間時間とを掛け合わせた値と、先行車と自車両の相対速度から求めた介入距離最大値とを比較し、値の大きな方を前記あらかじめ設定された距離とする。

本発明によれば、ドライバの速度制御への介入が容易であり、利便性の向上を図ることができる。
以下、本発明の車両速度制御装置および車両速度制御方法を実現するための最良の形態を、図面に基づく実施例により説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両速度制御装置の構成図である。
ブレーキ液圧ユニット101は、ブレーキECU(コントロールユニット)102の指令により、各車輪113a,113b,113c,113dに設けられたホイルシリンダ(制動部)114a,114b,114c,114dのブレーキ液圧をコントロールする。ブレーキ液圧ユニット101とブレーキECU102により、各ホイルシリンダ114a,114b,114c,114d内の液圧を制御し車両に制動力を与えるブレーキ装置(速度制御部)が構成される。
ブレーキECU102は、マスタシリンダ液圧センサ(ブレーキ状態検出部)104、車輪速センサ(自車両速度検出部)105a,105b,105c,105d、速度制御許可SW106、カメラ(車間距離検出部,先行車速度検出部)107、エンジンECU108および前後加速度センサ111からの各情報に基づいて、速度制御介入判断、目標前後加速度を算出する。
ブレーキペダル103は、ドライバが制動を行う場合に操作し、制動力を発生する。
マスタシリンダ液圧センサ104は、マスタシリンダで発生する圧力(マスタシリンダ圧)を検出する。
右前車輪速センサ105aは、右前輪113aの車輪速を検出する。左前車輪速センサ105bは、左前輪113bの車輪速を検出する。右後輪車輪速センサ105cは、右後輪113cの車輪速を検出する。左後輪車輪速センサ105dは、左後輪113dの車輪速を検出する。
速度制御許可SW106は、ドライバの操作により、速度制御のON/OFFを切り替える。
カメラ107は、自車両前方に存在する対象物までの距離、対象物の速度を検出し、検出信号をCAN通信によりブレーキECU102へ送信する。
エンジンECU108は、アクセル開度センサ(アクセル状態検出部)110からドライバのアクセル操作量を検出し、アクセル操作量に応じたエンジントルクを発生させるように、駆動源であるエンジン(速度制御部)112をコントロールする。エンジンECU108は、ブレーキECU102からCAN通信により目標エンジントルク要求が送信された場合は、目標前後加速度に従いエンジントルクを発生させる。
アクセルペダル109は、ドライバが加速を行う場合に操作する。
アクセル開度センサ110は、ドライバのアクセルペダル操作量を検出する。
前後加速度センサ111は、車両前後方向加速度を検出する。
[速度制御処理]
図2は、ブレーキECU102で実行される速度制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この処理は、所定の演算周期で繰り返し実行される。
ステップS1では、マスタシリンダ圧センサ104、各輪の車輪速センサ105a,105b,105c,105d、速度制御許可SW106、カメラ107、エンジンECU108、前後加速度センサ111から各信号を入力し、ブレーキのON/OFF判断、車輪速、自車速Vi、速度制御許可SW106のON/OFF判断、対象物までの距離Dcaと対象物の速度Vca、アクセルON/OFFの判断および算出を行い、ステップS2へ移行する。ここで、速度制御の対象物は、先行車をいい、停止中または停止した先行車を含む。
ステップS2では、速度制御を許可する対象物までの距離の最大値Dmaxと最小値Dminを算出し、ステップS3へ移行する。
最大値Dmaxは、自車速Viとあらかじめ設定した最大車間時間Tmaxとを掛け合わせた値と、自車と対象物の相対速度Vr0( = Vca - Vi )に応じて図3の関係から求めた介入距離最大値Dvr_maxとのセレクトハイにより決定する。
Dmax = MAX ( Vi × Tmax , Dvr_max ) …(1)
図3は、相対速度Vr0と介入距離最大値Dvr_maxとの関係図である。相対速度Vr0がマイナス方向の場合、自車速Viは対象物速度Vcaよりも大きい。相対速度Vr0がマイナス方向に大きいほど、自車速Viを対象物速度Vcaまで減速させるために必要な距離は大きくなるため、相対速度Vr0に応じてDmaxを大きくする。相対速度Vr0がプラス方向の場合、自車速Viは対象物速度Vcaよりも小さい状態である。相対速度Vr0がプラス方向に大きい場合、ドライバが対象物への速度制御を必要としない場合や、速度制御からの離脱が容易となるよう、相対速度Vr0に応じてDmaxを小さくする。
最小値Dminは、自車速Viとあらかじめ設定した最小車間時間Tminとを掛け合わせた値と、自車と対象物の相対速度Vr0( = Vca - Vi )に応じて図4の関係から求めた介入距離最小値Dvr_minとのセレクトハイにより決定する。
Dmin = MAX ( Vi × Tmin , Dvr_min) …(2)

図4は、相対速度Vr0と介入距離最小値Dvr_minとの関係図である。相対速度Vr0がマイナス方向の場合、自車速Viは対象物速度Vcaよりも大きい。相対速度Vr0がマイナス方向に大きいほど、自車速Viを対象物速度Vcaまで減速させるために必要な距離が大きくなるため、相対速度Vr0に応じてDminを大きくする。
ステップS3では、カメラ107で検出された対象物までの距離Dcaから、対象物が速度制御許可範囲に存在するか否かを下記の式(3)を参照して判断し、ステップS4へ移行する。式(3)を満足する場合は、対象物が速度制御許可範囲に存在すると判断する。
Dmin ≦ Dca ≦ Dmax
ステップS4では、距離補正項Dcoおよび目標車速Vtgtを算出する目標車速算出処理を実行し、ステップS5へ移行する。目標車速算出処理については後述する。
ステップS5では、ステップS4の目標車速算出処理で算出した距離補正項Dco,目標車速Vtgtから目標前後加速度atgtを下記の式(4)を参照して算出し、ステップS6へ移行する。距離補正項Dcoについては後述する。
atgt = k × ( Vi - Vtgt )2 / ( 2 × |Dco| ) …(4)
ここで、kは対象物との相対速度Vrが正の場合1,Vrが負の場合-1を設定する。目標前後加速度atgtは可変可能な最大値,最小値の間の値とする。なお、式(4)の相対速度Vrは、ステップS4の目標車速算出処理で算出した値を用いる。
ステップS6では、ステップS5で算出した目標前後加速度atgtから目標エンジントルクETtgtを算出し、ステップS7へ移行する。
ステップS7では、ステップS5で算出した目標前後加速度atgtから目標液圧Ptgtを算出し、ステップS8へ移行する。
ステップS8では、ステップS3で速度制御する対象物が無しから有りと判断された場合、車両に瞬間的な減速度を与えると共に、インジケータを点灯し、対象物が速度制御許可範囲に入ったことをドライバにインフォメーションし、ステップS9へ移行する。また、速度制御が開始された場合も速度制御が終了するまでの間、インジケータ表示等でドライバに速度制御中であることをインフォメーションする。
ステップS9では、ステップS6で算出した目標エンジントルクETtgtをエンジンECU108に送信すると共に、ステップS7で算出した目標液圧Ptgtを実現するためブレーキ液圧ユニット101を駆動し、リターンへ移行する。
[目標車速算出処理]
図5は、目標車速算出処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS11では、速度制御許可SW106がONであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS12へ移行し、NOの場合にはステップS15へ移行する。
ステップS12では、アクセルとブレーキが共にOFFであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS13へ移行し、NOの場合にはステップS15へ移行する。
ステップS13では、対象物(先行車)が速度制御許可範囲内に存在するか否かを判定する。YESの場合にはステップS14へ移行し、NOの場合にはステップS15へ移行する。
ステップS14では、制御用対象物速度Vfをカメラ107で検出した対象物速度Vcaとし、ステップS16へ移行する。
ステップS15では、制御用対象物速度Vfを自車速Viとし、ステップS16へ移行する。
ステップS16では、ステップS15で算出した制御用対象物速度Vf,自車速Viから下記の式(5)を参照して相対速度Vrを算出し、ステップS17へ移行する。
Vr = Vf - Vi …(5)
ステップS17では、目標車速補正項Vcoを算出する目標車速補正項算出処理を実行し、ステップS18へ移行する。目標車速補正項については後述する。
ステップS18では、自車速Vi,ステップS16で算出した相対速度Vr,ステップS17で算出した目標車速補正項Vcoから下記の式(6)を参照して目標車速Vtgtを算出し、本制御を終了する。
Vtgt = Vi + Vr + Vco …(6)
[目標車速補正項算出処理]
図6は、目標車速補正項算出処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS21では、相対速度Vrに応じて図7に示す関係から距離補正項Dcoを算出し、ステップS22へ移行する。ここで、距離補正項Dcoは、最大値をDmax - Dca,最小値をDmin - Dcaとする範囲内の値とする。
図7は、相対速度Vrと距離補正項Dcoとの関係図である。対象物との相対速度Vrがプラス方向の場合、自車速Viよりも対象物速度Vfが大きい。よって、この場合は、現在の対象物までの距離Dcaから距離を広げながら加速を行うため、距離補正項Dcoをプラスにとる。距離が広がる量を所定値以下とするため、相対速度Vrが所定値以上の場合は、同一の値とする。
一方、対象物との相対速度Vrがマイナス方向の場合、自車速Viが対象物速度Vfよりも大きい。よって、この場合は、現在の対象物までの距離Dcaから距離を縮めながら減速を行うため、距離補正項Dcoをマイナスにとる。距離の縮まる量を所定値以下とするため、相対速度Vrが所定値以下の場合は、同一の値とする。
なお、相対速度Vrがゼロ付近の微小値である場合、距離補正項Dcoはゼロとする。
ステップS22では、アクセル操作ON→OFF(ブレーキ操作はOFF)またはブレーキ操作ON→OFF(アクセル操作はOFF)で対象物が「無し」から「有り」に変化したときの車間時間を基準車間時間Ttgtとし、ステップS23へ移行する。ここで、基準車間時間Ttgtは、下記の式(7)を参照して算出できる。
Ttgt = ( Dca + Dco ) / Vi …(7)
ここで、式(7)のViは、アクセル操作ON→OFF、ブレーキ操作ON→OFF、またはアクセルとブレーキが共にOFFの状態で対象物が「無し」から「有り」に変化したときの自車速である。
ステップS23では、下記の式(8)を参照して距離偏差Deを算出し、ステップS24へ移行する。
De = Ttgt × Vi - Dca …(8)
ここで、式(8)のViは、現在の演算周期で検出した自車速である。
ステップS24では、目標車速補正項Vcoを算出し、本制御を終了する。
図8は、目標車速補正項Vcoの算出方法の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS31では、ステップS23で算出した距離偏差Deがゼロよりも大きいか否かを判定する。YESの場合にはステップS32へ移行し、NOの場合にはステップS33へ移行する。
ステップS32では、ステップS17で算出した相対速度Vrがゼロよりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS34へ移行し、NOの場合にはステップS35へ移行する。
ステップS33では、距離偏差Deがゼロよりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS36へ移行し、NOの場合にはステップS38へ移行する。
ステップS34では、相対速度Vrに応じて図9の関係から目標車速補正項Vcoを算出し、本制御を終了する。
図9は、距離偏差Deと目標車速補正項Vcoとの関係図である。距離偏差Deがプラスの場合、基準の距離(Ttgt×Vi)に対して現在の対象物までの距離Dcaが小さい。対象物までの距離を大きくするため、目標車速補正項Vcoをマイナスにし、対象物速度Vfよりも自車速Viを小さくする。
一方、距離偏差Deがマイナスの場合、基準の距離に対して現在の対象物までの距離Dcaが大きい。対象物までの距離を小さくするため、目標車速補正項Vcoをプラスにし、対象物速度Vfよりも自車速Viを大きくする。
ステップS35では、目標車速補正項Vcoをゼロに設定し、本制御を終了する。
ステップS36では、相対速度Vrがゼロよりも大きいか否かを判定する。YESの場合にはステップS37へ移行し、NOの場合にはステップS38へ移行する。
ステップS37では、相対速度Vrに応じて図9の関係から目標車速補正項Vcoを算出し、本制御を終了する。
ステップS38では、目標車速補正項Vcoをゼロに設定し、本制御を終了する。
次に、作用を説明する。
[ドライバの速度制御への介入容易化]
従来の速度制御では、アクセルがOFFされたことを検出したときの車間距離を目標車間距離に設定し、車間距離が目標車間距離よりも小さくなった場合、自車両を減速させている。このため、速度制御中にドライバが目標車間距離を大きくするためには、ブレーキ操作により車両を減速させ、所望の車間距離となったところで一連のアクセル操作(アクセル操作ON→OFF)を行わなければならない。つまり、ドライバが先行車との相対関係を変更するために速度制御に介入する際、常にアクセル操作ON→OFFを行う必要があるため、利便性に劣るという問題があった。
これに対し、実施例1では、アクセル操作ON→OFFのみならずブレーキ操作ON→OFFをドライバが速度制御へ介入するためのトリガとし、アクセル操作ON→OFFまたはブレーキ操作ON→OFFを検出したときの先行車との相対関係を維持するようにブレーキ液圧ユニット101およびエンジン112を作動させる速度制御を行う。
このため、ドライバは、速度制御中にブレーキペダルまたはアクセルペダルの一方をON→OFFするだけで、先行車との相対関係を変更することができる。例えば、先行車との距離を離したい場合、ドライバはブレーキ操作により車両を減速させ、所望の車間距離となったところでブレーキ操作を止めればよく、ブレーキ操作に加えてアクセル操作が強いられる上記従来技術と比較して、ドライバの速度制御への介入が容易である。
[速度フィードバックによる先行車追従]
実施例1の速度制御では、先行車までの距離Dcaが速度制御許可範囲(最小値Dmin,最大値Dmax)にある場合、ブレーキ操作ON→OFFまたはアクセル操作ON→OFFが検出されたときの自車速Viと、相対速度Vrと、目標車速補正項Vcoとの和により目標車速Vtgtを算出している(式(6))。
このとき、目標車速Vtgtを決める目標車速補正項Vcoは、距離偏差Deが正(速度制御許可条件が成立した時点での基準の距離(Ttgt×Vi)に対して現在の距離Dcaが小さい)である場合には、負の値とし、距離偏差Deが負(基準の距離に対して現在の距離Dcaが大きい)である場合には、正の値とする。また、相対速度Vrがゼロの場合、目標車速補正項Vcoはゼロとする。
つまり、目標車速Vtgtは、相対速度Vrがゼロのとき現在の自車速Viとなる。つまり、実施例1の速度制御では、相対速度Vrがゼロとなるように(先行車の速度Vfに自車速Viが追従するような)目標車速Vtgtを算出し、目標車速Vtgtに自車速Viを一致させる速度フィードバック制御を行っている。
従来の先行車追従制御では、先行車との車間距離を目標車間距離に一致させる距離フィードバック制御を行っているため、例えば、先行車が停止して速度ゼロとなった場合、先行車に追従して自車両を停止させることができず、先行車追従を継続できないことがある。
これに対し、実施例1の速度制御では、先行車が自車両前方の最大値Dmaxと最小値Dminとで決まる速度制御許可範囲内にある場合、先行車との相対速度Vrをゼロとする速度フィードバック制御を行う。このため、先行車が停止した場合であっても、それに応じて自車両を停止させることができる。つまり、先行車の速度がゼロとなっても速度制御を継続できるため、先行車が停止・発進を繰り返す市街地にも対応可能であり、従来の距離フィードバック制御を行う先行車追従制御と比較して、適用可能シーンの拡大を図ることができる。
また、実施例1では、目標車間距離を設定せず、車間距離が速度制御許可範囲のとき目標車速Vtgtに応じた速度フィードバック制御を行うものであるため、目標車間距離に基づいて速度制御を行う従来の距離フィードバック制御と比較して、追従性および制御応答性をより高めることができる。
なお、実施例1では、目標車間距離は決めていないが、速度制御許可条件が成立した時点での基準の距離(Ttgt×Vi)に応じた目標車速補正項Vcoによって目標車速Vtgtを補正しているため、先行車までの距離Dcaを基準の距離、すなわちドライバの所望する距離に近づけつつ、自車速Viを先行車速度Vfに追従させることができる。
[制御開始のインフォメーション]
実施例1の速度制御では、先行車が自車両前方に設定した速度制御許可範囲(Dmin≦Dca≦Dmax)に入ったとき、自動的に速度制御を開始、先行車が速度制御許可範囲から外れたとき、速度制御を終了する。このため、ドライバは現在速度制御中であるのか否かを判断しづらい。そこで、実施例1では、速度制御中にインジケータの点灯等によりドライバに速度制御中であることをインフォメーションする。ドライバは、インフォメーションから速度制御中であるか否かを容易に判断できる。
また、上記インジケータの点灯等に加え、速度制御開始時には、車両に瞬間的な減速度を発生させる。このように、インフォメーションとして車両挙動変化を用いることで、ドライバに速度制御の開始を確実に知らせることができる。
[自車速および相対速度に適した速度制御許可範囲の決定]
実施例1の速度制御では、速度制御許可範囲の最大値Dmaxおよび最小値Dminを決定するに当たり、まず、自車速Viと最大車間時間Tmax,最小車間時間Tminとを掛け合わせたVi×Tmax,Vi×Tminを算出している。これにより、自車速Viが高いほど最大値Dmax,最小値Dminがより前方の位置に設定され、自車速Viに適した速度制御許可範囲が得られる。
続いて、相対速度Vr0に応じた介入距離範囲(介入距離最大値Dvr_max,介入距離最小値Dvr_min)を算出している。これにより、相対速度Vr0がマイナス側に大きいほど介入距離最大値Dvr_max,介入距離最小値Dvr_minがより前方の位置に設定され、相対速度Vr0、すなわち、自車速Viと対象物速度Vcaとの関係に適した速度制御許可範囲が得られる。
最後に、Vi×TmaxとDvr_maxのセレクトハイにより速度制御許可範囲の最大値Dmaxを決定し、Vi×TminとDvr_minのセレクトハイにより速度制御許可範囲の最小値Dminを決定するため、自車速Viおよび相対速度Vr0を共に考慮した適切な速度制御許可範囲を設定できる。
以下、実施例1の速度制御作用を走行シーン別に詳述する。
[アクセル操作ON→OFF]
図10は、ドライバがアクセル操作ON→OFFした場合の、速度制御の各信号の動きを示している。時点t201では、ドライバがアクセルペダル109の操作を開始し、車両は加速し始める。時点t202では、加速により対象物までの距離が短くなり、速度制御の許容範囲(Dmin≦Dco≦Dmax)となるため、対象物有りと判断する。
時点t203では、ドライバがアクセルをOFFし、対象物有り(Dmin≦Dca≦Dmax)と判断しているため、速度制御を開始する。同時に、車両に瞬間的な減速度を発生させ、ドライバに速度制御開始がインフォメーションされる。
時点t204では、対象物速度Vfよりも自車速Viが高いため、減速を開始する。減速は、まずエンジンブレーキにより行い、さらに減速が必要であるためブレーキ液圧を増圧して制動力を発生させる。
時点t205では、対象物速度Vfと自車速Viとが一致する。
以後は対象物の加減速に応じて、目標前後加速度を出力し対象物と同等の速度(≒同一速度)で走行する。
[ブレーキ操作ON→OFF]
図11は、ドライバがブレーキ操作ON→OFFした場合の、速度制御の各信号の動きを示している。時点t301では、ドライバがブレーキペダル103の操作を開始し、車両は減速し始め、時点t301から時点t302の間、対象物との距離は大きくなっていく。
時点t302では、ドライバがブレーキをOFFし、対象物有りと判断しているため、速度制御を開始する。速度制御では、対象物速度Vfよりも自車速Viが小さいため、エンジントルクを上昇させて車両を加速させる。
時点t303では、対象物速度Vfと自車速Viとが一致する。
以後は対象物の加減速に応じて、目標前後加速度を出力し対象物と同等の速度で走行する。
[速度制御中に対象物が加速]
図12は、速度制御中に対象物が加速した場合の、速度制御の各信号の動きを示している。時点t401では、ドライバはアクセルOFF、かつ、ブレーキOFFで対象物有りと判断しているため、速度制御を行い、対象物の速度と同等の速度で走行している。
時点t402では、対象物が加速し、速度が上昇し始めるため、時点t403では、自車両は対象物との速度差に応じて加速を開始する。
時点t404では、対象物の加速度がゼロとなり速度が一定となる。時点t404から時点t405の間、速度差が小さくなるため速度制御は加速度を徐々に小さくする。
時点t405では、対象物速度Vfと自車速Viとが一致する。
以後は対象物の加減速に応じて、目標前後加速度を出力し対象物と同等の速度で走行する。
[速度制御中に対象物が減速]
図13は、速度制御中に対象物が減速した場合の、速度制御の各信号の動きを示している。時点t501では、ドライバはアクセルOFF、かつ、ブレーキOFFで対象物有りと判断しているため、速度制御を行い、対象物の速度と同等の速度で走行している。
時点t502では、対象物が減速し、速度が低下し始める。時点t503では、自車両は対象物との速度差に応じて減速を開始する。
時点t504では、対象物の減速度がゼロとなり速度が一定となる。時点t504から時点t505の間、速度差が小さくなるため速度制御は減速度を徐々に小さくする。
時点t505では、対象物速度Vfと自車速Viとが一致する。
以後は対象物の加減速に応じて、目標前後加速度を出力し対象物と同等の速度で走行する。
[対象物停止]
図14は、対象物が停止している場合の、速度制御の各信号の動きを示している。時点t601では、ドライバはアクセルOFF、かつ、ブレーキOFFの状態で走行を行っている。時点t602では、対象物までの距離が速度制御の許可範囲となり、対象物有りと判断する。
対象物速度Vfよりも自車速Viが高いため、速度制御では減速を開始する。減速は、まずエンジンブレーキにより減速を行い、さらに減速が必要な場合はブレーキ液圧を増圧して制動力を発生させる。
時点t606では、自車両が停車する。時点t606以降は、停車に必要なブレーキ液圧を保持する。
[速度制御中に割り込み発生]
図15は、速度制御中、対象物と自車両との間に他の対象物が割り込んだ場合の、速度制御の各信号の動きを示している。時点t1301では、ドライバはアクセルOFF、かつ、ブレーキOFFで対象物有りと判断しているため、速度制御を行い、対象物の速度と同等の速度で走行している。
時点t1302では、割り込みの発生により対象物が入れ替わる。このとき、対象物速度Vfは自車速Viよりも大きいが、速度制御開始時に設定された基準車間速度Ttgtに対して対象物までの距離Dcaが小さいため、時点t1303では、自車両は減速を開始する。
時点t1304では、基準車間速度Ttgtに対して対象物までの距離Dcaが大きくなったため、自車両は加速を開始する。
時点t1305では、再び基準車間速度Ttgtに対して対象物までの距離Dcaが小さくなるため、自車両は減速を開始する。そして、時点1306では、対象物速度Vfと自車速Viとが一致する。
以後は対象物の加減速に応じて、目標前後加速度を出力し対象物と同等の速度で走行する。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両速度制御装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) ドライバのアクセル操作状態を検出するアクセル開度センサ110と、ドライバのブレーキ操作状態を検出するマスタシリンダ圧センサ104と、自車両と先行車両との距離を検出するカメラ107と、自車両の走行速度を制御するエンジン112およびブレーキ装置(ブレーキ液圧ユニット101,ブレーキECU102)と、カメラ107により検出された先行車との距離が速度制御許可範囲内で、かつ、アクセル開度センサ110とマスタシリンダ圧センサ104により検出された操作状態があらかじめ設定された所定の状態の場合、自車両と先行車との相対関係を維持するように速度制御部(エンジン112およびブレーキ装置)を作動させるブレーキECU102と、を備えた。これにより、アクセル操作状態およびブレーキ操作状態に基づいて先行車と自車両の相対関係を制御できるため、ドライバの速度制御への介入が容易となり、利便性の向上を図ることができる。
(2) ブレーキECU102は、アクセル開度センサ110によりアクセル操作状態の減少方向への変化が検出された場合、または、マスタシリンダ圧センサ104によりブレーキ操作状態の減少方向への変化が検出された場合、速度制御部を作動させる。すなわち、ドライバのアクセル、ブレーキ操作終了または減少を確実に検出することで、ドライバの意思に合致した速度制御を行うことができるため、ドライバの意思と速度制御とが合致しないことに起因する違和感を防止できる。
(3) 先行車の速度を検出するカメラ107と、自車両の速度を検出する車輪速センサ105a,105b,105c,105dと、を備え、ブレーキECU102は、先行車の速度に自車両の速度が追従するように速度制御部を作動させる。これにより、先行車の速度がゼロとなるような市街地走行時でも速度制御を継続できる。また、速度制御の応答性を高めることができる。
(4) ブレーキECU102は、先行車と自車両の相対速度が略ゼロとなるようにフィードバック制御を行うため、距離フィードバック制御を行う従来の先行車追従制御と比較して、より確実性の高い制御を実現できる。
(5) ブレーキECU102は、先行車までの距離Dcaが速度制御許可範囲に有る場合、ドライバに対してインフォメーションを与える。すなわち、ドライバに対し速度制御中であることを知らせることができ、利便性が向上する。
(6) ブレーキECU102は、インフォメーションとして速度制御部を作動させ、車両に加減速度を発生させるため、ドライバに対し速度制御の開始を確実に知らせることができる。
(7) 自車速Viを検出する車輪速センサ105a,105b,105c,105dを備え、ブレーキECU102は、自車速Viに基づいて速度制御許可範囲を設定するため、自車速に応じて適切な速度制御許可範囲を設定できる。
(8) 先行車の速度を検出するカメラ107と、自車両の速度を検出する車輪速センサ105a,105b,105c,105dと、を備え、ブレーキECU102は、相対速度Vrに基づいて速度制御許可範囲を設定するため、相対速度Vrに応じて適切な速度制御許可範囲を設定できる。
(9) 速度制御部は、車両に搭載され駆動力を発生させるエンジン112と、車両の車輪に設けられたホイルシリンダ内の液圧を制御し車両に制動力を与えるブレーキ装置(ブレーキ液圧ユニット101,ブレーキECU102)とを有し、ブレーキECU102は、減速時にはブレーキ装置による速度制御を開始する前にエンジン112のエンジンブレーキによって速度制御を実行する。これにより、ブレーキ装置の作動頻度を抑制でき、ブレーキ液圧ユニット101の耐久性および静粛性の向上を図ることができる。
(10) ドライバのアクセル操作量の減少方向への変化を検出するアクセル開度センサ110と、ドライバのブレーキ操作量の減少方向への変化を検出するマスタシリンダ圧センサ104と、自車両と先行車との距離Viを検出するカメラ107と、自車両の走行速度を制御する車両の駆動源および車輪毎に設けられ車輪の回転数を低下させることができるホイルシリンダ114a,114b,114c,114dと、先行車速度Vfを検出するカメラ107と、自車速Viを検出する車輪速センサ105a,105b,105c,105dと、アクセル開度センサ110およびマスタシリンダ圧センサ104によりアクセルおよびブレーキ操作量の減少方向への変化が検出され、カメラ107により検出された先行車との距離Dcaが速度制御許可範囲内にある場合、エンジン112またはホイルシリンダ114a,114b,114c,114dを作動させ先行車との相対速度Vrを制御するブレーキECU102と、を備えた。これにより、アクセル操作状態およびブレーキ操作状態に基づいて先行車と自車両の相対関係を制御できるため、ドライバの速度制御への介入が容易であり、利便性の向上を図ることができる。
(11) 先行車までの距離Dcaが速度制御許可範囲内にあり、かつ、ドライバのアクセル操作状態およびドライバのブレーキ操作状態がオフになったときは、当該オフのタイミングを起点として相対速度Vrを所定の範囲内に維持するように自車両の速度制御を実行する。これにより、アクセル操作状態およびブレーキ操作状態に基づいて先行車と自車両の相対関係を制御できるため、ドライバの速度制御への介入が容易であり、利便性の向上を図ることができる。
(12) 先行車までの距離Dcaが速度制御許可範囲内である場合は、自車両に対して所定の加速度、または減速度を発生させるため、ドライバに対して速度制御の開始を知らせることができ、利便性の向上を図ることができる。
(13) 先行車速度Vfがゼロの場合、自車速Viもゼロとなるように速度制御を行うため、先行車が停止している場合も速度制御を行うことができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、速度制御部としてブレーキ装置とエンジンとを用いた例を示したが、車両の駆動源として電動モータを備えた電気自動車およびハイブリッド車両では、速度制御部として電動モータを用いてもよい。
また、実施例1では、アクセル操作のOFFとブレーキ操作のOFFが検出された場合、速度制御を開始する例を示したが、アクセル操作状態の減少方向(アクセル操作量の減少)またはブレーキ操作状態の減少方向(ブレーキ操作量の減少)が検出された場合に、速度制御を開始してもよい。
図16は、アクセル操作の減少方向が検出されたときに速度制御を開始する場合の、アクセル開度判別ロジックの流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
ステップS101では、アクセル開度センサ110から入力したアクセル開度が所定値θよりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS104へ移行し、NOの場合にはステップS102へ移行する。ここで、所定値θは、ゼロ近傍の微小なアクセル開度とする。
ステップS102では、単位時間当たりのアクセル開度変化量が所定量−δよりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS104へ移行し、NOの場合にはステップS103へ移行する。ここで、所定量−δは、ドライバのアクセル操作OFFを判断できるアクセル開度変化量とする。また、単位時間とは、例えば、図5に示した目標車速算出処理の1制御周期とする。
ステップS103では、アクセルオフタイマをゼロとし、本制御を終了する。
ステップS104では、アクセルオフタイマをインクリメント(+1)し、本制御を終了する。
以上のように、アクセル開度判別ロジックでは、アクセル開度がゼロの場合(アクセル開度<θ)、または単位時間当たりのアクセル開度減少量(アクセル操作量減少量)が所定量δよりも大きい場合(図17の実線で囲まれた領域)には、ドライバのアクセル操作OFFと判定してアクセルオフタイマをインクリメントする。それ以外の場合(図17の破線で囲まれた領域)には、アクセルオフタイマをゼロとする。
例えば、ドライバがアクセルを緩めてアクセルオフとし、再びアクセルを踏み込んだ場合には、図18に示すように、単位時間当たりのアクセル開度変化量が−δよりも小さくなってから、アクセル開度がθ以上となるまでの間、アクセルオフタイマは増加し続ける。よって、上記判別ロジックにより、アクセルオフタイマがゼロ以外のとき、アクセル操作OFFと判定し、速度制御を開始する。
なお、ブレーキ操作の減少方向を検出する方法についても、上記と同様のロジックを用いることができる。すなわち、マスタシリンダ液圧センサやブレーキペダルストロークセンサ等から検出したブレーキペダルストローク量がゼロの場合、または単位時間当たりのブレーキペダルストローク減少量が所定量よりも大きい場合には、ドライバのブレーキ操作OFFと判定してブレーキオフタイマをインクリメントする。そして、ブレーキオフタイマがゼロ以外のとき、ブレーキ操作OFFと判定し、速度制御を開始する。
また、実施例1では、先行車速度と自車速との相対速度をゼロとするように速度制御を行う例を示したが、相対速度が所定値以内となるようにしてもよい。ここで、所定値は自車速が高くなるほどより幅を持たせてもよい。
実施例1では、自車両と先行車との距離を検出する車間距離検出部としてカメラを用いた例を示したが、レーザレーダ、カーナビゲーションシステムや車車間通信等の手段を用いてもよい。
実施例1の車両速度制御装置の構成図である。 ブレーキECU102で実行される速度制御処理の流れを示すフローチャートである。 相対速度Vr0と介入距離最大値Dvr_maxとの関係図である。 相対速度Vr0と介入距離最小値Dvr_minとの関係図である。 目標車速算出処理の流れを示すフローチャートである。 目標車速補正項算出処理の流れを示すフローチャートである。 相対速度Vrと距離補正項Dcoとの関係図である。 目標車速補正項Vcoの算出方法の流れを示すフローチャートである。 距離偏差Deと目標車速補正項Vcoとの関係図である。 ドライバがアクセルOFFした場合の、実施例1の速度制御の各信号の動きを示すタイムチャートである。 ドライバがブレーキOFFした場合の、実施例1の速度制御の各信号の動きを示すタイムチャートである。 速度制御中に対象物が加速した場合の、実施例1の速度制御の各信号の動きを示すタイムチャートである。 速度制御中に対象物が減速した場合の、実施例1の速度制御の各信号の動きを示すタイムチャートである。 対象物が停止している場合の、実施例1の速度制御の各信号の動きを示すタイムチャートである。 速度制御中、対象物と自車両との間に他の対象物が割り込んだ場合の、実施例1の速度制御の各信号の動きを示すタイムチャートである。 他の実施例のアクセル開度判別ロジックの流れを示すフローチャートである。 他の実施例のアクセル開度判別ロジックにおけるアクセル開度およびアクセル開度変化量とアクセルオフタイマの関係を示す図である。 他の実施例のアクセルオフから再びアクセルオンした場合のアクセルオフタイマの変化を示すタイムチャートである。
符号の説明
101 ブレーキ液圧ユニット(ブレーキ装置、速度制御部)
102 ブレーキコントロールユニット(コントロールユニット、ブレーキ装置、速度制御部)
104 マスタシリンダ圧センサ(ブレーキ状態検出部)
105a,105b,105c,105d 車輪速センサ(自車両速度検出部)
107 カメラ(車間距離検出部、先行車速度検出部)
110 アクセル開度センサ(アクセル状態検出部)
112 エンジン(速度制御部)
114a,114b,114c,114d ホイルシリンダ(制動部)

Claims (12)

  1. ドライバのアクセル操作状態を検出するアクセル状態検出部と、
    ドライバのブレーキ操作状態を検出するブレーキ状態検出部と、
    自車両と先行車との距離を検出する車間距離検出部と、
    先行車の速度を検出する先行車速度検出部と、
    自車両の速度を検出する自車両速度検出部と、
    自車両の走行速度を制御する速度制御部と、
    前記車間距離検出部により検出された先行車との距離があらかじめ設定された距離以内で、かつ、前記アクセル状態検出部によりアクセル操作状態の減少方向への変化が検出された場合、または、前記ブレーキ状態検出部によりブレーキ操作状態の減少方向への変化が検出された場合、先行車の速度に自車両の速度が追従するように前記速度制御部による走行速度制御を開始するコントロールユニットと、
    を備え
    前記コントロールユニットは、自車両の速度と所定の最大車間時間とを掛け合わせた値と、先行車と自車両の相対速度から求めた介入距離最大値とを比較し、値の大きな方を前記あらかじめ設定された距離とすることを特徴とする車両速度制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両速度制御装置において、
    前記コントロールユニットは、先行車と自車両の相対速度が略ゼロとなるようにフィードバック制御を行うことを特徴とする車両速度制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両速度制御装置において、
    前記コントロールユニットは、前記先行車との距離が前記あらかじめ設定された距離になった場合、ドライバに対してインフォメーションを与えることを特徴とする車両速度制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両速度制御装置において、
    前記コントロールユニットは、前記インフォメーションとして前記速度制御部を作動させ、車両に加減速度を発生させることを特徴とする車両速度制御装置。
  5. 請求項1に記載の車両速度制御装置において、
    前記速度制御部は、車両に搭載され駆動力を発生させるエンジンと、車両の車輪に設けられたホイルシリンダ内の液圧を制御し車両に制動力を与えるブレーキ装置とを有し、
    前記コントロールユニットは、減速時には前記ブレーキ装置による速度制御を開始する前に前記エンジンのエンジンブレーキによって速度制御を実行することを特徴とする車両速度制御装置。
  6. ドライバのアクセル操作によるアクセル操作量の減少方向への変化を検出するアクセル状態検出部と、
    ドライバのブレーキ操作によるブレーキ操作量の減少方向への変化を検出するブレーキ状態検出部と、
    自車両と先行車との距離を検出する車間距離検出部と、
    自車両の走行速度を制御する車両の駆動源および車輪毎に設けられ車輪の回転数を低下させることができる制動部と、
    先行車の速度を検出する先行車速度検出部と、
    自車両の速度を検出する自車両速度検出部と、
    前記アクセル状態検出部および前記ブレーキ状態検出部によりアクセルおよびブレーキ操作量の減少方向への変化が検出され、前記車間距離検出部により検出された先行車との距離があらかじめ設定された距離以内の場合、自車両と先行車との相対速度が所定値以内となるように前記駆動源または前記制動部の作動の開始を許可するコントロールユニットと、
    を備え、
    前記コントロールユニットは、自車両の速度と所定の最大車間時間とを掛け合わせた値と、先行車と自車両の相対速度から求めた介入距離最大値とを比較し、値の大きな方を前記あらかじめ設定された距離とすることを特徴とする車両速度制御装置。
  7. 請求項に記載の車両速度制御装置において、
    前記コントロールユニットは、前記先行車との距離が前記あらかじめ設定された距離になった場合、ドライバに対してインフォメーションを与えることを特徴とする車両速度制御装置。
  8. 請求項に記載の車両速度制御装置において、
    前記コントロールユニットは、前記インフォメーションとして前記駆動源または前記制動部を作動させ、車両に加減速度を発生させることを特徴とする車両速度制御装置。
  9. 請求項に記載の車両速度制御装置において、
    前記コントロールユニットは、減速時には前記制動部による速度制御を開始する前に前記駆動源によって速度制御を実行することを特徴とする車両速度制御装置。
  10. 自車両と先行車との距離があらかじめ設定された距離よりも短い場合、ドライバのアクセル操作状態およびドライバのブレーキ操作状態がオフになったときは、当該オフのタイミングを起点として自車両と先行車との相対速度を所定の範囲内に維持するように自車両の速度制御を開始する車両速度制御方法であって、
    自車両の速度と所定の最大車間時間とを掛け合わせた値と、先行車と自車両の相対速度から求めた介入距離最大値とを比較し、値の大きな方を前記あらかじめ設定された距離とすることを特徴とする車両速度制御方法。
  11. 請求項10に記載の車両速度制御方法において、
    前記あらかじめ設定された距離以内に自車両が入った場合は、自車両に対して所定の加速度、または減速度を発生させることを特徴とする車両速度制御方法。
  12. 請求項11に記載の車両速度制御方法において、
    前記先行車の速度がゼロの場合、自車両の速度もゼロとなるように速度制御を行うことを特徴とする車両速度制御方法。
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