JP4912335B2 - Agc装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入力音響信号の利得を制御するAGC(自動利得制御値)装置に関するものである。
従来のこの種のAGC装置として、図8に示す構成のものがある(例えば、特許文献1)。図8において、入力端子41に入力した音響信号は遅延回路42で遅延されて可変利得増幅回路43に入力し、ここで利得制御されて出力端子44に出力する。また、入力端子41に入力した音響信号の一部は絶対値回路45に入力され、そこで絶対値化された信号は時定数T1の第1の平滑回路46と時定数T2の第2の平滑回路47に入力する。時定数はT1<T2に設定されている。第1、第2の平滑回路46,47の出力信号は信号選択回路48に入力し、ここで信号レベルの大きな側の平滑回路の出力信号が選択され、利得制御信号として、タイマ回路49が動作している間、入力信号を保持する値保持回路50に入力し、値保持回路50からの出力信号が可変利得増幅回路43に利得制御信号として入力する。
ここで、入力端子41に入力した音響信号が低いレベルから高いレベルに変化するときを「アタック時」、高いレベルから低いレベルに変化するときを「リリース時」と定義すると、アタック時では時定数の小さな(反応の早い)第1の平滑回路46の出力信号レベルの方が時定数の大きな(反応の遅い)第2の平滑回路47のそれより大きくなり、リリース時ではその逆に、第2の平滑回路47の出力信号レベルの方が第1の平滑回路46のそれより大きくなる。したがって、アタック時では第1の平滑回路46の出力信号が選択され、リリース時では第2の平滑回路47の出力信号が選択されて、値保持回路50に入力する。可変利得制御回路43は値保持回路50の出力信号で制御される。
遅延回路42は第1の平滑回路46が選択されるアタック時の制御時間に合わせて設定する。例えば、アタック時は音響信号が低いレベルから高いレベルに変化するが、第1の平滑回路46の時定数による制御時間「アタック制御時間」が生じる。それにより、適切な利得低減制御が行われるためには一定の制御時間が必要となるため、アタック制御時間の間、高いレベルに対して圧縮が行われず「アタック感」のある不自然な音となる。そこで、アタック制御時間が経過し、適切な利得低減制御が行われる時間を遅延回路42で設定することで「アタック感」のある不自然な音を抑制している。
このように、アタック時の不自然な音を抑制するために遅延回路42が接続されているので、音響信号が高いレベルから低いレベルへと変化するリリース時において、遅延回路42によりリリース直前の信号レベルが持ち上がる不自然なレベル変化となる。そこで、信号選択回路48の出力に値保持回路50とタイマ回路49を接続している。アタック時はタイマ回路49は不動作となり、値保持回路50は信号選択回路48の出力をそのまま可変利得増幅回路43へ出力するが、リリース時はタイマ回路49が動作し、信号レベルが高いレベルから低いレベルへ変化するまでの時間を値保持回路50へ設定し、値保持回路50は設定された時間の間、タイマ回路49が動作する直前、つまりアタック時の利得制御値信号の出力を可変利得増幅回路43に出力する。そして信号レベルが高いレベルから低いレベルへと変化したらリリース時の利得制御値信号を出力する。
このことから、小さな音響を大きくし、大きな音響を小さくすることでダイナミックレンジを失くすような音響信号に効果的であり、特にアタック時における制御を早め、リリース時における制御を遅らせることでレベル変化時の不自然な音を抑制し、自然なレベル抑圧効果を実現できる。
特開2004−72561号公報
このように、従来技術では入力音響信号の利得制御によるレベルの変化を自然にすることができる。しかし、入力音響信号が入力されることを想定しているが、信号のレベルのみを利得制御の対象としているため、音域に対する個別の制御を行うことができない。音響信号は大きく分けても低音域(低域),中音域(中域),高音域(高域)の3つがあり、例えば、低音域、中音域、高音域の信号レベルが一定である音響信号が入力した場合、ラウドネス曲線に基づくと、低音域と高音域を中音域よりも増幅しなければ、音として全ての音域のレベルが一定と感じられないといった特性がある。しかし、従来技術のAGC装置ではそのような各帯域に対して個別に利得制御値を行うことができない。
また、前記従来技術は、ダイナミックレンジをあえて失くし、聞こえやすくするように音響信号を処理する場合には効果的であるが、音楽のような音響信号に対してダイナミックレンジを失くした場合、明瞭感といった本来の音響効果を損ねてしまう。
本発明はこのような点に鑑みてなされたもので、その目的は、入力音響信号のレベルだけではなく、個別の音域に対して個別の利得制御を行うことを可能にし、より細やかな設定を行うことができるAGC装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明のAGC装置は、入力音響信号をN個の周波数帯域に帯域分割する帯域分割手段と、該帯域分割手段で帯域分割された互いに異なる帯域の音響信号の利得を制御するN個の可変利得増幅手段と、該N個の可変利得増幅手段から出力するそれぞれの出力信号の位相ずれを個別に補正するN個の位相補正手段と、該N個の位相補正手段の出力信号を互いに加算して出力音響信号を取り出す加算手段とを備え、前記N個の可変利得増幅手段のそれぞれは、音響信号の入力レベルをVINとし、第1の閾値をTH1とし、第2の閾値をTH2(TH2<TH1)とし、増幅レベルをBTとしたとき、TH1≦VINのときレベル圧縮率RT1で圧縮する利得制御値VCを演算し、TH2<VIN<TH1のときダイナミックレンジ圧縮率RT2で圧縮する利得制御値VCを演算し、VIN≦TH2でかつ(TH2−VIN)<BTのとき「TH2−VIN」でレベル増幅する利得制御値VCを演算し、VIN≦TH2でかつ(TH2−VIN)>BTのときノイズ除去率RT3でノイズ除去する利得制御値VCを演算し、得られた利得制御値VCを前記入力レベルVINに加算した値が音響信号の出力レベルVOUTとなるようにし、かつ、段階数Cntを1以上に設定し、該段階数Cntのデクリメントごとに、前記TH1を順次高くなるように更新し、前記デクリメントごとに得られた前記利得制御値VCを前記入力音響入力レベルVINに加算し、前記Cnt=0になったときの前記利得制御値VCを、直前までの前記利得制御値VCを加算した前記入力レベルVINにさらに加算した値が前記出力レベルVOUTになるようにすることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のAGC装置において、前記N個の可変利得制御手段と前記N個の位相補正手段は、互いに接続される少なくとも1組の前記可変利得制御手段と前記位相補正手段の接続順序を逆にしたことを特徴とする。
本発明によれば、従来どおりに音響信号の入力レベルに対して利得制御(低減、増幅)を行えるだけではなく、個別の音域(帯域)に対しても利得制御を行うことが可能となり、ダイナミックレンジが狭くなることを抑え、映画や音楽といった利得制御の異なる音響信号に対応でき、また利得制御時の変化量をより細かく設定することができる等の利点がある。
図1は本発明の実施形態の多帯域分割多段階可変型のAGC装置の構成を示すブロック図である。1は入力端子、21〜2Nは入力音響信号の互いに異なる音域(帯域)を選択するN個のフィルタ回路、31〜3Nはフィルタ回路21〜2Nの出力信号を入力信号とするN個のAGC回路、41〜4Nはフィルタ回路21〜2Nにより変化した各帯域の位相を補正して揃えるためにAGC回路31〜3Nの出力信号を入力信号とするN個の位相器、5は位相器41〜4NからのN個の出力信号を加算して出力する加算器、6は出力端子である。なお、AGC回路31〜3Nと位相回路41〜4Nは接続順序を入れ替えてもよい。このとき、全部のAGC回路31〜3Nと全部の位相回路41〜4Nの接続順序を入れ替えてもよいし、1組のみ、例えば、AGC回路31と位相回路41のみの接続順序を入れ替えてもよい。
図2はフィルタ回路21〜2N、位相器41〜4Nとして使用される1次IIRフィルタの構成を示すブロック図である。この1次IIRフィルタは入力端子11、1サンプルタイム遅延器12,17、乗算器13,14,16、加算器15、出力端子18の構成からなる。各フィルタ回路21〜2Nおよび位相器41〜4Nは、全て個別の1次IIRフィルタ構成で実現でき、フィルタ回路21〜2Nを示す1次IIRフィルタ構成は、入力端子11は入力端子1に接続され、出力端子18は各帯域のAGC回路31〜3Nの入力端子に接続される。また、図1に示す構成においては、位相器41〜4Nを示す1次IIRフィルタ構成は、入力端子11は各帯域のAGC回路31〜3Nの出力端子に接続され、出力端子18は加算器5に接続される。
図3は図1に示したAGC回路31〜3Nにおいて、入力音響信号のレベルを検出した後の処理内容を示したフローチャートである。AGC回路への入力音響信号のレベル検出(S1)後、対数変換回路によりその信号を指数値(リニア値)から対数値の入力レベルVINへと変換する(S2)。次に、VCをAGC回路の利得制御値として、VC=0に設定し(S3)、その後の制御を繰り返す回数、つまり何段階処理を行うかを決定する段階数Cntを1減算する(S4)。なお、この階段数Cntには1以上の値が予め設定されている。このように、1個の入力レベルVINが検出されると、段階数Cntが1づつデクリメントされ、デクリメント毎に得られる利得制御値VCを入力レベルVINに順次加算し、段階数Cntが0になったときの利得制御値VCを加算した際の値が出力レベルVOUTとなるような制御が行われる。そして、新たな入力音響信号のレベルが検出されると、同様な処理が繰り返される。
まず、検出した入力レベルVINが第2の閾値TH2より大きいか小さいかを判別し(S5)、小さい場合(S5−Y)は、検出した信号レベル「TH2−VIN」が増幅レベルBTの範囲内にあるか判別する(S6)。そして、増幅レベルBTの範囲内の場合(S6−Y)は、第2の閾値TH2のレベルを超えないように利得制御値VCを決定し(S7)、増幅レベルBTの範囲外の場合(S6−N)は、ノイズ除去率RT3により利得制御値VCを決定(S8)する。図3ではこの利得制御値をVC+で表したが、これは次回以降で加算されることを示す。
次に、検出した入力レベルVINが第2の閾値TH2より大きい場合(S5−N)は、さらに第1の閾値TH1(>TH2)より大きいか小さいかの判別を行い(S9)、小さい場合、つまりTH2<VIN<TH1のとき(S9−N)、ダイナミックレンジ圧縮率RT2により入力レベルVINに対する利得制御値VCを決定する(S10)。ただし、これにより得られた利得制御値VCが、第2の閾値TH2よりも小さくならないように設定する必要があるため、得られた利得制御値VCが第2の閾値TH2よりも小さくなる場合(S11−Y)は、利得制御値VCを第2の閾値TH2よりも小さくならないように設定する(S12)。一方、検出した入力レベルVINが第1の閾値TH1よりも大きい場合(S9−Y)、レベル圧縮率RT1により利得制御値VCを決定する(S13)。
そして、利得制御値VCを決定した後に、段階数Cnt=0かどうか、つまり繰り返し処理を終了するかどうかの判別を行い(S14)、段階数Cnt=0でない場合は、各段階に応じて第1の閾値TH1,第2の閾値TH2,増幅レベルBT,ノイズ除去率RT3,ダイナミックレンジ圧縮率RT2,レベル圧縮率RT1を更新し、多段階処理を行って、前回得られた利得制御値VCに今回得られた利得制御値VCを加算する。段階数Cnt=0になった場合は、最終的に得られた利得制御値VCを対数値から指数値へ変換して(S16)、入力音響信号と利得制御値VCの変換指数値とで乗算を行うことで利得増幅制御を行う。対数値では、出力レベルVOUTは、VOUT=VIN+VCで表される。
この結果、1回の利得制御値VCの演算を1サンプルタイム毎に行う場合は、入力音響信号のAGC制御は、段階数Cnt分のサンプリング数当り1回に行われることになるが、サンプルタイムより高速なクロックを使用して演算すれば、1サンプルタイムあたり段階数Cnt分の演算を行い、入力音響信号のAGC制御を1サンプルタイム毎に行うことが可能となる。
図4は本発明の実施例の3帯域分割可変AGC装置の構成を示すブロック図である。21は入力端子である。22は入力音響信号から低音域を通過させる遮断周波数をFLとしたローパスフィルタ回路、23は入力音響信号から中音域を通過させるようローパスフィルタ回路とハイパスフィルタ回路を組み合わせローパスフィルタ側の遮断周波数をFBLとしハイパスフィルタ側の遮断周波数をFBHとしたバンドパスフィルタ回路、24は入力音響信号から高音域を通過させる遮断周波数をFHとしたハイパスフィルタ回路である。25はローパスフィルタ回路22の出力信号を入力信号とするAGC回路、26はバンドパスフィルタ回路23の出力信号を入力信号とするAGC回路、27はハイパスフィルタ回路24の出力信号を入力信号とするAGC回路である。28はローパスフィルタフィルタ回路22により変化した位相を補正する為にAGC回路25の出力信号を入力信号とする位相器、29はバンドパスフィルタ回路により変化した位相を補正する為にAGC回路26の出力信号を入力信号とする位相器、30はハイパスフィルタ回路24により変化した位相を補正する為にAGC回路27の出力信号を入力信号とする位相器3である。31は3分割されたローパスフィルタ回路22、バンドパスフィルタ回路23、ハイパスフィルタ回路24、AGC回路25〜27を通り、位相器28〜30で位相が揃えられた各々の信号を加算して出力する加算器、32は出力端子である。ここで、各帯域の遮断周波数は分割した帯域に重ならないように設定する必要があり、その関係はFL≦FBL≦FBH≦FHとする。
図4の構成では、ローパスフィルタ回路22において、カットオフ周波数FL付近から例えば90度の位相遅れが発生するので、位相器28ではこの遅れに対してカットオフ周波数を合わせて、90度位相が進むような補正をかける。また、ハイパスフィルタ回路24において、カットオフ周波数FH付近から例えば90度の位相進みが発生するので、位相器30ではこの進みに対してカットオフ周波数を合わせて、90度位相が遅れるような補正をかける。さらに、バンドパスフィルタ回路23において、1次IIRフィルタ回路で実現する場合は、ローパスフィルタ回路とハイパスフィルタ回路を組み合わせてバンドパスフィルタ回路を実現することから、そのバンドパスフィルタ回路24内のローパスフィルタ回路のカットオフ周波数FBLに対しては90度位相が進むように補正をかけ、ハイパスフィルタ回路のカットオフ周波数FBHに対しては90度位相が遅れるよう補正をかける。このようにして、各帯域に使用されるフィルタ回路の移相特性に合わせて、位相補正を行う。
図5は図4の実施例に基づき、FL=FBL=100Hz、FBH=FH=2.5kHzと設定し、入力音響信号を、ローパスフィルタ回路22、バンドパスフィルタ回路23、ハイパスフィルタ回路24で低音域と中音域と高音域に分割し、それぞれのAGC回路25〜27において異なるレベル圧縮を行い、位相器28〜30により位相調整を行った出力を加算器31で加算した結果を示した周波数特性である。点線で示した従来のAGC特性では全ての音域に対してレベルが一定だったのに対し、実線で示した本発明の実施例のAGC特性では分割した帯域ごとに音響レベルを変更することが可能となる。
ここで、AGC回路25〜27を、図3で説明したフローチャートに沿って、実際に動作させる場合は、例えば、指数値0.0〜1.0を対数値−140dB〜0dBとした場合、第1の閾値TH1の範囲を−140dB〜0dB、第2の閾値TH2の範囲を−140dB〜0dB、増幅レベルBTの範囲を0dB〜+24dB、ノイズ除去率RT3の範囲を0.0〜10.0、ダイナミックレンジ圧縮率RT2の範囲を0.0〜10.0、レベル圧縮率RT1の範囲を0.0〜1.0とする。また、第1の閾値TH1と第2の閾値TH2はTH2<TH1とする。
検出した信号レベルを対数へと変換したものを入力レベルVINとすると、まず入力レベルVINが第1の閾値TH1および第2の閾値TH2に対してどの位置にあるかにより処理内容を変更する。検出した入力レベルVINと第1の閾値TH1と第2の閾値TH2の関係は、VIN≦HT2、TH2<VIN<TH1、TH1≦VINの3つの場合があるので、TH1≦VINならばレベル圧縮を、TH2<VIN<TH1ならばダイナミックレンジ圧縮を、VIN≦HT2ならばレベル増幅かノイズ除去を行う。
まず、TH1≦VINのときは、入力音響信号に対してレベル圧縮率RT1の設定に応じた圧縮(利得低減制御)を行う(S13)。RT1=1.0の場合は、圧縮率は最大となって出力信号が第1の閾値TH1よりも大きくならないためリミッタとして動作し、RT1=0.0の場合は、圧縮は行わずに入力音響信号をそのまま出力し、0.0<RT1<1.0の場合は、値に応じた圧縮(コンプレッサとして動作)を行う。
また、VIN≦TH2のときは、入力音響信号に対してノイズ除去(利得低減制御)およびレベル増幅(利得増幅制御)を行う。検出した入力レベルVINが第2の閾値TH2から増幅レベルBTの間にある場合、つまり(TH2−VIN)<BTのとき、第2の閾値TH2よりも小さな出力信号を第2の閾値TH2のレベルまで増幅する利得増幅制御を行い(S7)、検出した入力入力レベルVINが第2の閾値TH2と増幅レベルBTの間にない場合、つまり(TH2−VIN)≧BTのとき、ノイズ除去率RT3の設定に応じて利得低減制御を行う(S8)。RT3=0.0の場合は、ノイズ除去は行わず入力音響信号をそのまま出力し、RT3が0.0よりも大きくなっていくと、より急峻な利得低減制御となる。
次に、TH2<VIN<TH1のときは、入力音響信号に対してダイナミックレンジ圧縮率RT2に応じたダイナミックレンジ抑制(利得低減制御)を行う(S10)。RT2=0.0の場合は、ダイナミックレンジ抑制は行わず、入力音響信号をそのまま出力し、RT2が0.0よりも大きくなっていくとダイナミックレンジの抑制が大きくなっていく。このとき、ダイナミックレンジ抑制を行った結果、第2の閾値TH2よりも小さくなると、レベル増幅およびノイズ除去処理に対して不自然な音響信号が出力されてしまうため、ダイナミックレンジ抑制による利得制御値VCと検出した入力レベルVINを加算した結果が第2の閾値TH2よりも小さい場合、つまりVC<(TH2−VIN)のときは、出力レベルVOUTが第2の閾値TH2よりも小さくならないようにレベル圧縮を行う(S12)。
図6は図3のフローチャートで処理したAGC回路の入出力特性であり、Cnt=1とした場合の処理結果である。第1の閾値TH1を−20dBとし、第2の閾値TH2を−50dBとし、増幅レベルBTを+20dBとし、レベル圧縮率RT1を0.5とし、ダイナミックレンジ圧縮率RT2を1.0とし、ノイズ除去率RT3を1.0としたときにおいて、入力レベルVINを−100dB〜0dBとした場合を示す。横軸は入力レベルVIN、縦軸は出力レベルVOUTである。
図6の入出力特性では、TH1≦VIN、つまり「VIN=0dB〜−20dB」の入力レベルVINに対しては、レベル圧縮率RT1=0.5によってステップS13で出力レベルVOUTが圧縮される。よって、VIN=−0dBのときは、
VC=RT1*(TH1−VIN)=0.5*(−20−0)=−10dB
となるので、
VOUT=VIN+VC=−10dB
となる。VIN=−20dBのときは、同様にしてVOUT=−20dBとなる。
次に、VTH2<VIN<TH1、つまり「VIN=−20dB〜−50dB」の入力レベルVINに対しては、ダイナミックレンジ圧縮率RT2=1.0によってステップS10で出力レベルVOUTが圧縮される。よって、VIN=−20dBのときは、
VC=RT2*(VIN−TH1)=(−20+20))=0dB
となるので、
VOUT=VIN+VC=−20dB
となる。また、VIN=−36dBのときは、
VC=(−36+20))=−16dB
となるが、このVCはVC<(TH2−VIN)のステップS11を満足するので、ステップS12によって、
VC=TH2−VIN=−50+36=−14dB
となり、
VOUT=VIN+VC=−36−14=−50dB
となる。また、VIN=−50dBのときも、同様にしてVOUT=−50dBとなる。
さらに、VIN≦TH2で且つ(TH2−VIN)<BT、つまり「VIN=−50dB〜−70dB」の入力レベルVINに対しては、増幅率「TH2−VIN」によってステップ7で出力レベルVOUTが圧縮される。よって、VIN=−50dBのときは、
VC=TH2−VIN=−50+50=0dB
となり、
VOUT=VIN+VC=−50+0=−50dB
となる。また、VIN=−70dBのときも、同様にしてVOUT=−50dBとなる。
一方、(TH2−VIN)>BT、つまり「VIN=−70dB〜−140dB」の入力レベルVINに対しては、ノイズ除去率RT3=1.0によって出力レベルVOUTがステップS8で圧縮される。よって、VIN=−70dBのときは、
VC=RT3*(VIN−(TH2−BT))+BT
=VIN−TH2+2BT=−70+50+40=20dB
となり、
VOUT=VIN+VC=−70+20=−50dB
となる。また、VIN=−90dBのときは、同様にしてVOUT=−90dBとなり、VIN=−140dBのときは、同様にしてVOUT−140dBとなる。
また、多段階可変利得制御を行う場合は、段階数Cntを2以上にし、段階数Cntと同数の第1の閾値TH1と第2の閾値TH2と増幅レベルBTとノイズ除去率RT3とダイナミックレンジ圧縮率RT2とレベル圧縮率RT1を使用して、入力レベルVINに対して各段階で得られた利得制御値VCを加算した信号が出力レベルVOUTとなるよう制御する。
図7はCnt=6の多段階可変を行った場合の結果を示す入出力特性である。ここで、段階数Cnt=1のとき第1の閾値TH1=−20dB、第2の閾値TH2=−50dB、増幅レベルBT=0dB、レベル圧縮率RT1=0.5、ダイナミックレンジ圧縮率RT2=0.0、ノイズ除去率RT3=0.0とする。そして、Cnt=2のときTH1=−17dB、Cnt=3のときTH1=−14dB、Cnt=4のときTH1=−11dB、Cnt=5のときTH1=−8dB、Cnt=6のときTH1=−5dBのように、第1の閾値TH1を更新する。ただし、他の変数は変更しない。
Cnt=1のとき、入力VINが−20dB以上の場合はレベル圧縮率RT1を用いて利得制御値VCを算出する。次にCn=2のとき、入力VINが−17dB以上の場合はレベル圧縮率RT1用いて利得制御値VCを算出し、前回の利得制御値VCと加算する。つまり、VC=「Cnt=1のVC」+「Cnt=2のVC」となる。Cn=3のとき、入力VINが−14dB以上の場合はレベル圧縮率RT1用いて利得制御値VCを算出し、前回の利得制御値VCと加算する。つまりVC=「Cnt=1のVC」+「Cnt=2のVC」+「Cnt=3のVC」となる。Cnt=4〜Cnt=6の場合も同様に第1の閾値TH1の値を更新し、各Cntにおいて算出したVCを加算して、最終的な利得制御値VCを確定する。
以上から、最後の段階数Cnt=6では、入力VINが−20dB〜−17dBのときはCnt=1で算出した利得制御値VCとなり、−17dB〜−14dBのときはCnt=2で算出した利得制御値VC(Cnt=1とCnt=2のVCの加算結果)となり、−14dB〜−11dBのときはCnt=3で算出した利得制御値VC(Cnt=1とCnt=2とCnt=3のVCの加算結果)となり、−11dB〜−8dBのときはCnt=4で算出した利得制御値VC(Cnt=1とCnt=2とCnt=3とCnt=4のVCの加算結果)となり、−8dB〜−5dBのときはCnt=5で算出した利得制御値VC(Cnt=1とCnt=2とCn=3とCn=4とCnt=5のVCの加算結果)となり、−5dB〜0dBのときはCnt=6で算出した利得制御値VC(Cnt=1とCn=2とCnt=3とCn=4とCnt=5とCnt=6のVCの加算結果)となり、これらを使用することで、Cnt回数分だけ圧縮段階が増えるため、入出力特性は、図7に示したような擬似曲線となる。
以上のように、段階数Cntが1のときは、図6に示したように、第1の閾値TH1より大きな信号に対して直線的な圧縮(利得低減制御)しか行えないが、段階数Cntの値を大きくして多段階可変を行った場合は、直線的な圧縮を繰り返すことで、図7に示したように、擬似的に曲線による利得制御が可能となり、より細かな制御を行うことが可能となる。
本発明の実施形態のAGC装置のブロック図である。 図1のAGC装置を構成するフィルタ回路および位相器の具体的な回路ブロック図である。 図1のAGC装置を構成するAGC回路のレベル検出後の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例を示す3帯域可変AGC装置のブロック図である。 図4のAGC装置の各帯域における動作を示す周波数特性図である。 図4のAGC装置を構成するAGC回路のCnt=1の場合の入出力特性図である。 図4のAGC装置を構成するAGC回路のCnt=6の場合の入出力特性図である。 従来のAGC装置のブロック図である。
符号の説明
1:入力端子、21〜2N:フィルタ回路、31〜3N:AGC回路、41〜4N:位相器、5:加算器、6:出力端子
11:入力端子、12,17:1サンプルタイム遅延器、13,14,16:乗算器、15:加算器、18:出力端子
21:入力端子、22:ローパスフィルタ回路、23:バンドパスフィルタ回路、24:ハイパスフィルタ回路、25,26,27:AGC回路、28,29,30:位相器

Claims (2)

  1. 入力音響信号をN個の周波数帯域に帯域分割する帯域分割手段と、該帯域分割手段で帯域分割された互いに異なる帯域の音響信号の利得を制御するN個の可変利得増幅手段と、該N個の可変利得増幅手段から出力するそれぞれの出力信号の位相ずれを個別に補正するN個の位相補正手段と、該N個の位相補正手段の出力信号を互いに加算して出力音響信号を取り出す加算手段とを備え、
    前記N個の可変利得増幅手段のそれぞれは、音響信号の入力レベルをVINとし、第1の閾値をTH1とし、第2の閾値をTH2(TH2<TH1)とし、増幅レベルをBTとしたとき、
    TH1≦VINのときレベル圧縮率RT1で圧縮する利得制御値VCを演算し、TH2<VIN<TH1のときダイナミックレンジ圧縮率RT2で圧縮する利得制御値VCを演算し、VIN≦TH2でかつ(TH2−VIN)<BTのとき「TH2−VIN」でレベル増幅する利得制御値VCを演算し、VIN≦TH2でかつ(TH2−VIN)>BTのときノイズ除去率RT3でノイズ除去する利得制御値VCを演算し、得られた利得制御値VCを前記入力レベルVINに加算した値が音響信号の出力レベルVOUTとなるようにし、
    かつ、段階数Cntを1以上に設定し、該段階数Cntのデクリメントごとに、前記TH1を順次高くなるように更新し、前記デクリメントごとに得られた前記利得制御値VCを前記入力音響入力レベルVINに加算し、前記Cnt=0になったときの前記利得制御値VCを、直前までの前記利得制御値VCを加算した前記入力レベルVINにさらに加算した値が前記出力レベルVOUTになるようにすることを特徴とするAGC装置。
  2. 請求項1に記載のAGC装置において、
    前記N個の可変利得制御手段と前記N個の位相補正手段は、互いに接続される少なくとも1組の前記可変利得制御手段と前記位相補正手段の接続順序を逆にしたことを特徴とするAGC装置。
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