JP2003299181A - オーディオ信号処理装置及びオーディオ信号処理方法 - Google Patents

オーディオ信号処理装置及びオーディオ信号処理方法

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JP2003299181A
JP2003299181A JP2002101764A JP2002101764A JP2003299181A JP 2003299181 A JP2003299181 A JP 2003299181A JP 2002101764 A JP2002101764 A JP 2002101764A JP 2002101764 A JP2002101764 A JP 2002101764A JP 2003299181 A JP2003299181 A JP 2003299181A
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gain
signal level
band
gain adjusting
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Chikashi Yoshida
史 吉田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波成分の音質を保持しつつ音声信号出力
レベルを平均化する。 【解決手段】 オーディオ信号処理装置1は、オーディ
オ信号を入力する入力端子11と、入力したオーディオ
信号から各周波帯域成分を取り出すためのハイパスフィ
ルタ12、バンドパスフィルタ13及びローパスフィル
タ14と、各フィルタによって取り出された信号の信号
レベルを検出する高周波信号レベル検出回路15、中周
波信号レベル検出回路16、低周波信号レベル検出回路
17と、信号レベルに応じて利得調整する高周波信号利
得調整回路18、中周波信号利得調整回路19、低周波
信号利得調整回路20とを備えることにより、周波数帯
域毎に分割した信号の利得を調整して信号レベルを平均
化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ信号処
理装置及びオーディオ信号処理方法に関し、特に、オー
ディオ信号を所定の周波数帯域毎に分割して利得調整す
るオーディオ信号処理装置及びオーディオ信号処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン放送や音声信号放送では、
例えば、基準としている音声信号のダイナミックレンジ
に若干の差があるため、局(チャンネル)によって音量
に差がある。また、同一局内であっても、別番組(プロ
グラム)間で音量差が生じる場合がある。また、プログ
ラム内であっても、番組内容とコマーシャルとの間に音
量差が生じる場合もある。
【0003】そのため、オーディオ信号処理回路には、
この音声信号のダイナミックレンジ差を吸収するため、
自動利得調整回路が設けられているものもある。
【0004】このオーディオ信号処理回路は、例えば、
入力音声信号の電圧値をリアルタイムに検出し、検出し
た入力音声信号のある大きさの信号電圧が所定の電圧値
内にあるときは、出力レベルを一定値にし、所定の電圧
値(閾値電圧)内にない場合は、検出した入力音声信号
の電圧値に対応した利得を掛け合わせる利得調整回路を
用いて実現されている。
【0005】例えば、閾値電圧を100mVとした場
合、入力信号電圧が20mV→50mV→100mV→
150mV→200mV・・・と変化する場合、対応す
る出力信号が20mV→50mV→100mV→100
m・・・と閾値電圧を超えないように利得調整を実行す
る。
【0006】閾値信号レベル以上の大きさの信号が入力
された場合に、極端に音量が変化することによる不自然
さを回避するために、出力レベルにある程度の傾きを設
けることもできる。上述した例の場合、例えば、100
mV以上の入力信号電圧に対し、閾値電圧を100mV
→120mV→150mVと変化させることで、視聴者
に違和感なく出力レベルをあげることもできる。
【0007】このように、所定の電圧値より大で入力さ
れた入力信号電圧の利得を調整することによってオーデ
ィオ信号のダイナミックレンジを狭め、プログラム間、
局間、或いは同一プログラム内の音量差を吸収してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
にして音声信号レベルの差による音量差を吸収する場
合、入力される音声信号の周波数に関係なく、単に全体
の音量レベルのみを考慮して出力音声信号のレベルを決
定している。
【0009】一般的なオーディオ信号の場合、大きな振
幅をもつ低周波成分に高周波成分が重畳されている場合
が多い。仮に低周波成分が閾値以上の振幅をもっていた
場合、この低周波成分に重畳される高周波成分は、オー
ディオ信号処理回路内の利得調整回路によって、ある一
定の電圧値に平均化される。この場合、入力信号と比べ
て高周波成分が不足した信号が出力される。しかし、音
色を決定する因子は、高周波成分に含まれる倍音成分で
あるため、このように高周波成分が減じられた信号とし
て出力されると、結果として音質、特に、高周波成分の
音質が劣化する。このように高周波成分が欠落したオー
ディオ信号は、しばしば、視聴者に対して音声の不明瞭
感や「こもり」を感じさせ、オーディオ信号を再生する
電子機器の品位を著しく低下させるという欠点があっ
た。
【0010】そこで本発明は、このような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、高周波成分の音質を保持
しつつ、音声出力レベルを平均化できるオーディオ信号
処理装置及びオーディオ信号処理方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明に係るオーディオ信号処理装置は、オー
ディオ信号を入力する入力手段と、入力手段において入
力したオーディオ信号を帯域に応じて分割する帯域分割
手段と、帯域分割手段において分割された個々のオーデ
ィオ信号のレベルを検出する複数の信号レベル検出手段
と、信号レベル検出手段において検出された信号レベル
に応じて帯域毎に分割されたオーディオ信号各々の利得
を調整する複数の利得調整手段と、利得調整手段におい
て利得調整された各帯域のオーディオ信号を再構成する
加算手段と、加算手段において再構成されたオーディオ
信号を出力する出力手段とを備えている。
【0012】ここで利得調整手段の各々は、オーディオ
信号の帯域及び信号レベルに応じて、それぞれ独立して
利得値を調整し、周波数帯域毎に予め決められた閾値に
基づいて利得値を調整する。
【0013】さらに、各利得調整手段は、オーディオ信
号レベルが閾値よりも大きい場合、高周波数帯域側に設
けられる利得調整手段ほど信号レベルを低減する度合い
が小さく、低周波数帯域側に設けられる利得調整手段ほ
ど信号レベルを低減する度合いが大きくなるように利得
値を調整することが好ましい。
【0014】また、上述の目的を達成するために、本発
明に係るオーディオ信号処理方法は、オーディオ信号を
入力する入力工程と、入力工程において入力したオーデ
ィオ信号を帯域に応じて分割する帯域分割工程と、帯域
分割工程において分割されたオーディオ信号毎のレベル
を検出する信号レベル検出工程と、信号レベル検出工程
において検出された信号レベルに応じて帯域毎に分割さ
れたオーディオ信号毎に利得を調整する利得調整工程
と、利得調整工程において利得調整された各帯域のオー
ディオ信号を再構成する加算工程と、加算工程において
再構成されたオーディオ信号を出力する出力工程とを有
する。
【0015】さらに、利得調整工程では、オーディオ信
号レベルが閾値よりも大きい場合、高周波数帯域側ほど
信号レベルを低減する度合いが小さく、低周波数帯域側
ほど信号レベルを低減する度合いが大きくなるように利
得値が調整される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の具体例として示すオーデ
ィオ信号処理装置は、入力されたオーディオ信号の出力
レベルのレベル調整処理を実行する信号処理装置であっ
て、帯域毎に分割されたオーディオ信号各々の利得を検
出された信号レベルに応じて調整することによって、音
質、特に高周波成分の音質を損なわずに全体の音声信号
の出力レベルを平均化することを実現したものである。
【0017】以下、本発明の具体例について、図面を参
照して詳細に説明する。図1に示すオーディオ信号処理
装置1は、オーディオ信号を入力する入力端子11と、
入力したオーディオ信号を所定の周波数帯域毎に分けて
取り出すためのハイパスフィルタ12、バンドパスフィ
ルタ13及びローパスフィルタ14とを備えている。ま
た、各フィルタによって、オーディオ信号から分離され
取り出された各周波数帯の音声信号レベルを検出する高
周波信号レベル検出回路15、中周波信号レベル検出回
路16、低周波信号レベル検出回路17と、検出された
レベルに応じて出力信号の調整を行う高周波信号利得調
整回路18、中周波信号利得調整回路19、低周波信号
利得調整回路20とを備えている。これら、周波数帯毎
に分離されたオーディオ信号は、加算部21において合
成される。
【0018】入力端子11から入力されたオーディオ信
号は、ハイパスフィルタ12、バンドパスフィルタ1
3、ローパスフィルタ14において所定周波数帯域毎に
分割される。各パスフィルタを通過し、それぞれの周波
数帯域に分けられたオーディオ信号の各々は、信号レベ
ル検出回路及び利得調整回路とに供給される。
【0019】信号レベル検出回路15,16,17で
は、それぞれの帯域に分割されたオーディオ信号の信号
レベルを検出し、検出した信号レベルによって利得調整
回路18,19,20を制御している。
【0020】高周波信号利得調整回路18は、オーディ
オ信号の高周波帯域信号の利得を調整するものであり、
予め決められた閾値をもち、ハイパスフィルタ12より
供給されたオーディオ信号の信号レベルがこの閾値より
も低い場合は、利得調整することなくそのまま出力する
(利得1)。また、ハイパスフィルタ12より供給され
たオーディオ信号レベルが決められた閾値より大きい場
合は、1以下の所定係数を乗算し信号レベルを変換す
る。
【0021】中周波利得調整回路19は、オーディオ信
号の中程度の周波数帯域信号の利得を調整するものであ
る。この利得調整回路19は、予め決められた閾値をも
ち、バンドパスフィルタ13より供給されたオーディオ
信号レベルが決められた閾値よりも低い場合は、利得を
調整することなくそのまま出力する(利得1)。バンド
パスフィルタ13より供給されたオーディオ信号レベル
が決められた閾値より高い場合は、1以下の所定計数を
乗算し信号レベルを変換する。
【0022】低周波利得調整回路20は、オーディオ信
号の低周波帯域信号の利得を調整するものである。この
低周波利得調整回路20は、予め決められた閾値をも
ち、ローパスフィルタ14より供給されたオーディオ信
号の信号レベルがこの閾値より低い場合は、利得調整す
ることなくそのまま出力する(利得1)。また、ローパ
スフィルタ14より供給されたオーディオ信号レベルが
決められた閾値レベルより大きい場合は、1以下の所定
係数を乗算し信号レベルを変換する。
【0023】一般的なオーディオ信号の場合、より大き
な振幅をもつ低周波成分に高周波成分が重畳されている
場合が多い。オーディオ信号の低周波成分が閾値以上の
振幅をもっていた場合、この低周波成分に重畳される高
周波成分もまた一定の電圧値に平均化する必要がある
が、このとき利得調整された後の出力信号は、入力信号
と比べて高周波成分が減少されたものになる。音色を決
定する因子は、高周波成分に含まれる倍音成分であるた
め、このように高周波成分が減じられた信号として出力
されると、結果として音質、特に、高周波成分の音質が
劣化してしまう。
【0024】そのため、本具体例では、高周波成分の音
質を維持するために、入力したオーディオ信号の信号レ
ベルが利得調整回路に設定された閾値を上回っていた場
合の利得調整を、高周波成分ほど小さくなるように各利
得調整回路において利得(以下の式(1)に示す。)を
設定している。
【0025】 利得=(出力信号レベル)/(入力信号レベル) ・・・(1) このとき、高周波利得調整回路18における高周波帯域
のオーディオ信号の利得は、中周波利得調整回路19に
おける中周波帯域のオーディオ信号の利得より大きく設
定され、中周波利得調整回路19における利得は、低周
波利得調整回路20における低周波帯域のオーディオ信
号の利得より大きく設定されている。
【0026】各利得調整回路から出力された各周波数帯
域のオーディオ信号は、加算部21で加算され、再び1
つのオーディオ信号に戻された後、出力端子22より出
力される。
【0027】上述の構成により、本具体例として示すオ
ーディオ信号処理装置1では、オーディオ信号は、周波
数帯域により異なった利得で調整される。そのうえ、こ
の利得を周波数帯域が低周波になるほど小さく、高周波
帯域になるほど大きく設定することにより、高周波帯域
成分のオーディオ信号品質を損なうことなく全体の信号
レベルを調整でき、音質の劣化を最小限に抑えることが
できる。
【0028】続いて以下に、DSP(Digital Signal P
rocessor)等のディジタル信号処理回路を用いて実現し
た際のオーディオ信号処理装置の各構成の詳細を図2乃
至図4を参照して説明する。図2は、一般にIIR(In
finite Impulse Responce:無限インパルス応答)フィ
ルタと呼ばれるディジタルフィルタを示した図であり、
図1中のハイパスフィルタ12、バンドパスフィルタ1
3、ローパスフィルタ14は、このフィルタを使用して
構成できる。
【0029】IIRフィルタ30は、入力端子31と、
入力された信号を1サンプル期間遅延させて出力するレ
ジスタ32〜35と、入力された信号に対してフィルタ
係数を乗算する乗算器36〜40と、これら乗算器36
〜40の出力信号を加算して出力する加算器41と、ビ
ットシフト部42と、出力端子43とから構成されてい
る。
【0030】入力端子31は、このフィルタへの入力点
であり、A/Dコンバータ等が接続され、ある値の周波
数及びビット数で離散化及び量子化されたディジタルオ
ーディオ信号が入力される。
【0031】レジスタ(ディレイ)32〜35は、入力
されたディジタルオーディオ信号をそれぞれ1サンプル
周期遅らせる働きをする。ビットシフト部42は、加算
器41で信号加算した際に、フィルタのオーバーフロー
を防ぐため、サンプルされたディジタルオーディオ信号
を指定されたビット数だけシフトするために使用され
る。
【0032】乗算器36〜40は、乗算する係数値をあ
る範囲内で自由に設定できるものであり、この係数値を
それぞれの値に設定することにより、ハイパスフィルタ
12、バンドパスフィルタ13、ローパスフィルタ14
のフィルタ種類、それぞれのフィルタのカットオフ周波
数、Q値等を決定することができる。
【0033】入力端子31は、乗算器36及びレジスタ
(ディレイ)32に接続される。レジスタ(ディレイ)
32は、乗算器37及びレジスタ(ディレイ)33に接
続される。レジスタ(ディレイ)33は、乗算器38に
接続される。乗算器36,37,38の出力は、加算器
41に接続されている。加算器41において加算された
オーディオ信号は、ビットシフト部42を介して出力端
子42に接続される。
【0034】ビットシフト部42は、レジスタ(ディレ
イ)34に接続されており、レジスタ(ディレイ)34
は、乗算器39及びレジスタ(ディレイ)35に接続さ
れる。レジスタ(ディレイ)35は、乗算器40に接続
され、乗算器39,40は、加算器41にフィードバッ
クされている。
【0035】入力端子31より入力されたディジタルオ
ーディオ信号は、まず乗算器36に入力され、乗算器3
6に設定されている係数値が乗算され、加算器41に供
給される。この入力信号は、同時にレジスタ(ディレ
イ)32に入力され、次のサンプル信号が入力されるま
で待機する。入力端子31より、次のサンプル信号が取
り込まれると、レジスタ(ディレイ)32の出力は、乗
算器37及びレジスタ(ディレイ)33に入力される。
【0036】乗算器37に入力された信号は、係数値を
乗算され、加算器41に供給される。レジスタ(ディレ
イ)33の信号は、さらに次のサンプル信号が取り込ま
れるまで待機する。次のサンプル信号が入力端子31に
入力されると、レジスタ(ディレイ)33の信号は、乗
算器38の係数値を乗算されてから加算器41に入力さ
れる。同様の操作がレジスタ(ディレイ)34,35、
乗算器39,40に対しても行われ、最終的に出力端子
43には、周波数帯域が分割されたオーディオ信号が供
給される。
【0037】次に、本具体例として示すオーディオ信号
処理装置1における信号レベル検出回路15,16,1
7について説明する。信号レベル検出回路15,16,
17における処理を図3に示す。信号レベル検出回路
は、各周波数帯域に独立して設けられ、その処理も独立
して実行されている。
【0038】図1に示す各フィルタから信号が供給され
ると、信号レベル検出処理が開始される。まず、ステッ
プS1において、信号レベル検出回路は、供給された信
号の信号レベルを検出する。続いて、ステップS2にお
いて、検出した信号レベルと予め定められた閾値とを比
較する。
【0039】検出した信号レベルが閾値より小さい場
合、ステップS3において、後段の利得調整回路に「利
得1」を設定する。一方、検出した信号レベルが閾値を
超えている場合、ステップS4において、利得調整回路
に所定の利得値を設定する。また、利得調整回路では、
入力したオーディオ信号の信号レベルがこの利得値に基
づいて変換される。
【0040】以下に、ここで設定される利得値の一例を
図4を用いて説明する。aThを信号レベル検出回路に
設定される信号レベルの閾値、kThを閾値以上の信号
が入力されたときの傾きとすると、検出される信号が閾
値を超えている場合、入力されたオーディオ信号の信号
レベルVinと、出力されるオーディオ信号の信号レベ
ルVoutとの間には、以下の式(2)〜(4)が成り
立つ。
【0041】Vout=αVin+β ・・・(2) α=kTh ・・・(3) β=aTh(1−kTh) ・・・(4) したがって、出力信号として、以下の式(5)の値が得
られる。
【0042】 Vout=kVin+aTh(1−kTh) ・・・(5) ここで、a及びkの値は、各周波数帯域で独立の値に設
定されるものであるが、例えば、低周波帯域における信
号レベルの閾値aThをa、閾値aが入力された場
合の利得値kThをkとし、中周波帯域における信号
レベルの閾値をa、閾値aの信号が入力された場合
の傾きをkとし、高周波帯域における信号レベルの閾
値をa、また、閾値aの信号が入力された場合の傾
きをkとするとき、各信号レベル検出回路15,1
6,17では、必ず以下の式(6)及び式(7)を満た
すように各閾値及び利得値を設定する。
【0043】a≦a≦a ・・・(6) k≦k≦k ・・・(7) 式(6)、式(7)のように係数値を設定することによ
り、低周波数帯域の利得は、高周波数帯域の利得よりも
常に低くなり、高周波領域の欠損による音質の劣化を防
ぐことができる。
【0044】各利得調整部18,19,20から後段
は、図5に示すように構成することもできる。すなわ
ち、図1に示した構成の他に乗算器51,52,53
と、ビットシフト54とを設ける。
【0045】高周波利得調整回路18は、乗算器51を
介して加算部21に接続される。ここで、乗算器51で
は、図3における信号レベル検出回路におけるステップ
S3,ステップS4で高周波領域信号用の係数値(利得
値)が設定される。中周波利得調整回路19は、乗算器
52を介して加算部21に接続される。ここで、乗算器
52でも同様に、図3のステップS3,ステップS4で
中周波領域信号用の係数値(利得値)が設定される。低
周波利得調整回路20は、乗算器53を介して加算部2
1に接続される。乗算器53でも同様に、図3のステッ
プS3,ステップS4で低周波領域信号用の係数値が設
定される。
【0046】この場合、加算部21でのオーバーフロー
を防止するため、加算されたオーディオ信号は、必要に
応じてビットシフト54にてビットシフトされた後、出
力端子22に供給される。その後、本回路外部の図示し
ないD/Aコンバータ等によりアナログ信号に変換され
る。
【0047】以上説明したように、上述の構成を備えた
オーディオ信号処理装置1によれば、高周波領域信号を
損なわずに出力信号のダイナミックレンジを圧縮するこ
とが可能になり、信号レベルが平均化されたオーディオ
信号を高音質で再生できる。
【0048】なお、本発明は上述した実施の形態のみに
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0049】例えば、本具体例では、オーディオ信号の
周波数帯域を3領域に分割した場合について示したが、
式(4)及び式(5)の関係を満たしていればよく、こ
の帯域は、2以上であればいくつに分割しても構わな
い。例えば、最も簡単な場合としては、図1におけるバ
ンドパスフィルタ13と、信号レベル検出回路15及び
信号レベル検出回路16と、中周波利得調整回路19と
を省略し、高周波利得調整回路18における利得を常時
1に設定する場合である。
【0050】この場合、周波数帯域は、高周波数領域と
低周波数領域の2部分に分割され、利得調整が行われる
のは、低周波数領域のみとなるが、高周波領域信号を損
なわずに出力信号のダイナミックレンジを圧縮する上で
は、最小限ではあるが効果があげられる。
【0051】また、本具体例では、DSP等のディジタ
ル回路により構成した場合について説明したが、本発明
に係るオーディオ信号処理装置は、アナログ回路であっ
ても容易に実現可能である。図6に本発明をアナログ回
路で実現した例の構成図を示す。この場合、オーディオ
信号処理装置2は、アナログフィルタであるハイパスフ
ィルタ62,バンドパスフィルタ63,ローパスフィル
タ64とを備えている。オーディオ信号処理装置1にお
ける信号レベル検出回路と各利得調整回路は、汎用のA
GC(Auto Gain Controler)回路65,66,67で
構成する。また、加算器68としては、アナログ加算器
を使用する。入力端子61及び出力端子69は、それぞ
れアナログ入力端子、出力端子である。
【0052】この場合は、以下の式(6)に示すよう
に、高周波側の利得が最も大きくなるようにする。利得
Hは、図6におけるAGC部65における利得、利得M
は、AGC部66における利得、利得Lは、AGC部6
7における利得を示す。
【0053】利得H≦利得M≦利得L ・・・(8) 但し、利得=(出力信号レベル)/(入力信号レベル) なお、上式(8)における利得H、M、Lは、リスニン
グテストにより、聴感上の最適値を選択する。ここでの
最適値とは、オーディオ信号のダイナミックレンジが圧
縮され且つ音質が劣化しない値であるが、オーディオ信
号を再生するパワーアンプやスピーカ等、他の機器の性
能によって異なるため、リスニングテストによって決定
することが好ましい。
【0054】このようにアナログ回路の場合であっても
同様に、高周波領域信号を損なわずに出力信号のダイナ
ミックレンジを圧縮することが可能になり、信号レベル
が平均化されたオーディオ信号を高音質で再生できる。
【0055】
【発明の効果】本発明に係るオーディオ信号処理装置
は、入力手段において入力したオーディオ信号を帯域に
応じて分割する帯域分割手段と、帯域分割手段において
分割された個々のオーディオ信号のレベルを検出する複
数の信号レベル検出手段と、信号レベル検出手段におい
て検出された信号レベルに応じて帯域毎に分割されたオ
ーディオ信号各々の利得を調整する複数の利得調整手段
と、利得調整手段において利得調整された各帯域のオー
ディオ信号を再構成する加算手段とを備えることによ
り、高周波領域信号を損なわずに出力信号のダイナミッ
クレンジを圧縮することが可能になるため、信号レベル
が平均化されたオーディオ信号を高音質で再生できる。
これにより、放送局間或いはプログラム間に生じる音量
差を吸収できる。
【0056】また、本発明に係るオーディオ信号処理方
法は、入力工程において入力したオーディオ信号を帯域
に応じて分割する帯域分割工程と、帯域分割工程におい
て分割されたオーディオ信号毎のレベルを検出する信号
レベル検出工程と、信号レベル検出工程において検出さ
れた信号レベルに応じて帯域毎に分割されたオーディオ
信号毎に利得を調整する利得調整工程と、利得調整工程
において利得調整された各帯域のオーディオ信号を再構
成する加算工程とを有することにより、高周波領域信号
を損なわずに出力信号のダイナミックレンジを圧縮する
ことが可能になるため、信号レベルが平均化されたオー
ディオ信号を高音質で再生できる。これにより、放送局
間或いはプログラム間に生じる音量差を吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例として示すオーディオ信号処理
装置の構成を説明する構成図である。
【図2】本発明の具体例として示すオーディオ信号処理
装置の各フィルタの構成を説明する構成図である。
【図3】本発明の具体例として示すオーディオ信号処理
装置の利得調整回路における処理を説明するフローチャ
ートである。
【図4】本発明の具体例として示すオーディオ信号処理
装置の利得調整を説明する説明図である。
【図5】本発明の具体例として示すオーディオ信号処理
装置の利得調整回路の後段を別構成とした場合を説明す
る構成図である。
【図6】アナログオーディオ信号の利得調整処理を可能
としたオーディオ信号処理装置の構成を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1,2 オーディオ信号処理装置、11 入力端子、1
2 ハイパスフィルタ、13 バンドパスフィルタ、1
4 ローパスフィルタ、15,16,17 信号レベル
検出回路、18 高周波利得調整回路、19 中周波利
得調整回路、20 低周波利得調整回路、21 加算
器、22 出力端子、31 入力端子、32,33,3
4,35 レジスタ、36,37,38,39,40
乗算器、41 加算器、42 ビットシフト、43 出
力端子、51,52,53 乗算器、54、ビットシフ
ト、65,66,67 AGC回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オーディオ信号を入力する入力手段と、 上記入力手段において入力したオーディオ信号を帯域に
    応じて分割する帯域分割手段と、 上記帯域分割手段において分割された個々のオーディオ
    信号のレベルを検出する複数の信号レベル検出手段と、 帯域毎に分割されたオーディオ信号各々の利得を上記信
    号レベル検出手段において検出された信号レベルに応じ
    て調整する複数の利得調整手段と、 上記利得調整手段において利得調整された各帯域のオー
    ディオ信号を再構成する加算手段と、 上記加算手段において再構成されたオーディオ信号を出
    力する出力手段とを備えるオーディオ信号処理装置。
  2. 【請求項2】 上記利得調整手段の各々は、オーディオ
    信号の帯域及び信号レベルに応じて、それぞれ独立して
    利得値を調整することを特徴とする請求項1記載のオー
    ディオ信号処理装置。
  3. 【請求項3】 上記利得調整手段の各々は、周波数帯域
    毎に予め決められた閾値に基づいて利得値を調整するこ
    とを特徴とする請求項2記載のオーディオ信号処理装
    置。
  4. 【請求項4】 より高周波帯域側のオーディオ信号の利
    得調整を行う利得調整手段の閾値がより低周波帯域側に
    設けられる利得調整手段の閾値よりも大であることを特
    徴とする請求項3記載のオーディオ信号処理装置。
  5. 【請求項5】 上記各利得調整手段は、上記オーディオ
    信号レベルが閾値よりも大きい場合、高周波数帯域側に
    設けられる利得調整手段ほど信号レベルを低減する度合
    いが小さく、低周波数帯域側に設けられる利得調整手段
    ほど信号レベルを低減する度合いが大きくなるように利
    得値を調整することを特徴とする請求項2記載のオーデ
    ィオ信号処理装置。
  6. 【請求項6】 オーディオ信号を入力する入力工程と、 上記入力工程において入力したオーディオ信号を帯域に
    応じて分割する帯域分割工程と、 上記帯域分割工程において分割されたオーディオ信号毎
    のレベルを検出する信号レベル検出工程と、 上記信号レベル検出工程において検出された信号レベル
    に応じて帯域毎に分割されたオーディオ信号毎に利得を
    調整する利得調整工程と、 上記利得調整工程において利得調整された各帯域のオー
    ディオ信号を再構成する加算工程と、 上記加算工程において再構成されたオーディオ信号を出
    力する出力工程とを有するオーディオ信号処理方法。
  7. 【請求項7】 上記利得調整工程では、オーディオ信号
    の帯域及び信号レベルに応じて、それぞれ独立して利得
    値が調整されることを特徴とする請求項6記載のオーデ
    ィオ信号処理方法。
  8. 【請求項8】 上記利得調整工程では、周波数帯域毎に
    予め決められた閾値に基づいて利得値が調整されること
    を特徴とする請求項7記載のオーディオ信号処理方法。
  9. 【請求項9】 上記利得調整工程において、より高周波
    帯域側のオーディオ信号の利得調整のための閾値がより
    低周波帯域側の閾値よりも大であることを特徴とする請
    求項8記載のオーディオ信号処理方法。
  10. 【請求項10】 上記各利得調整工程では、上記オーデ
    ィオ信号レベルが閾値よりも大きい場合、高周波数帯域
    側ほど信号レベルを低減する度合いが小さく、低周波数
    帯域側ほど信号レベルを低減する度合いが大きくなるよ
    うに利得値が調整されることを特徴とする請求項7記載
    のオーディオ信号処理方法。
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