JP2001352594A - 風音低減方法及び装置 - Google Patents

風音低減方法及び装置

Info

Publication number
JP2001352594A
JP2001352594A JP2000170718A JP2000170718A JP2001352594A JP 2001352594 A JP2001352594 A JP 2001352594A JP 2000170718 A JP2000170718 A JP 2000170718A JP 2000170718 A JP2000170718 A JP 2000170718A JP 2001352594 A JP2001352594 A JP 2001352594A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
wind noise
band
correlation coefficient
cross
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000170718A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Ozawa
一彦 小沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2000170718A priority Critical patent/JP2001352594A/ja
Publication of JP2001352594A publication Critical patent/JP2001352594A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Television Signal Processing For Recording (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単チャンネルで収音された信号の風音雑音の
低減を行う。 【解決手段】 マイクロフォン1で収音された音声信号
が前置アンプ2、自動利得制御回路3、アナログ−デジ
タル変換器4を通じて風音低減回路10に入力される。
そして入力されたデジタル音声信号が、ローパスフィル
タ11と遅延回路12と加算器13及び可変利得アンプ
14からなる1kHz以下の第1の風音低減手段に入力
され、さらに加算器13の出力音声信号がローパスフィ
ルタ15と遅延回路16と加算器17及び可変利得アン
プ18からなる100Hz以下の第2の風音低減手段に
入力される。また、上述のデジタル音声信号が低域帯域
分割手段19を通じて相互相関係数算出手段20に入力
され、算出された相互相関係数が時定数付加回路21を
通じて可変利得アンプ18の利得制御部に入力され、さ
らに減衰器22を通じて可変利得アンプ14の利得制御
部に入力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば音声信号を
記録可能な静止画像撮影装置等に使用して好適な風音低
減方法及び装置に関する。詳しくは、例えば単チャンネ
ルで収音される音声信号に対して良好な風による雑音の
低減が行われるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】例えばデジタル若しくは8ミリ型のVT
R一体型ビデオカメラ、或いはポータブルMD、ポータ
ブルDAT等の携帯型の録音機能を有する装置(以下、
ビデオカメラ等と略称する)において、ステレオ収音等
を行う装置として、本願出願人は先に特願平2−132
051号(特開平4−27298号公報参照)を提案し
た。すなわちこの出願においては、ビデオカメラ等に内
蔵される比較的近接して設けられる2つのマイクロフォ
ンを用いて、空間的及び電気的な処理を施すことによっ
て良好なステレオ収音が行われるようにするものであ
る。
【0003】一方、上述のビデオカメラ等を例えば野外
で使用する場合に、マイクロフォンに風が当たることに
よって発生する特有の風音雑音を低減する目的で、本願
出願人は特願平3−153341号(特開平5−739
2号公報参照)、特願平6−59099号(特開平7−
274280号公報参照)、特願平9−226501号
(特開平11−69480号公報参照)を提案してい
る。すなわちこれらの出願においては、ステレオ収音さ
れる音声信号から風音成分を検出し、収音される音声信
号の低域のレベルを制御することで風音雑音の低減を図
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、例えば
インターネット上で画像を伝送する等の目的で、デジタ
ルで静止画像を撮影する装置の普及が顕著になってい
る。さらにこのようなインターネット等で伝送される画
像に音声を付加することが行われ、そのような用途に対
しては、例えばデジタル静止画像撮影装置で音声信号の
収音も可能にした装置が実施されている。その場合に、
このようなデジタル静止画像撮影装置等においては、信
号処理の負担を軽減する目的や用いられる記録媒体の容
量等の問題から、一般的に単チャンネルのモノラル収音
が行われているものである。
【0005】一方、このようなデジタル静止画像撮影装
置等においても、例えば野外で使用される機会が多くな
ってきている。その場合には上述のビデオカメラ等と同
様に風音雑音の問題が生じるものである。ところが上述
の出願においては、いずれもステレオ収音等を行う際の
左右の音声信号の相関関係を用いて風音雑音の発生を検
出し、風音雑音の低減を行っている。従って上述のよう
に単チャンネルで収音が行われるデジタル静止画像撮影
装置等では、上述の出願を用いても風音雑音の問題を解
決することができないものである。
【0006】また、上述のビデオカメラ等においても、
例えば外部のマイクロフォンを用いて収音を行う場合に
は、上述の出願を用いての風音雑音の低減を行うことが
できない。すなわち上述の出願では、風音雑音の低減を
行うためにステレオ収音する際のマイクロフォン間の距
離や設置箇所の構造等が厳密に規定されている。従って
そのような規定に沿わない外部のマイクロフォン等を用
いる収音では、上述の出願のようなステレオ収音による
左右の音声信号の相関関係を用いる方式の風音雑音の低
減は行うことができないものである。
【0007】この出願はこのような点に鑑みて成された
ものであって、解決しようとする問題点は、従来の技術
では、例えばデジタル静止画像撮影装置のような単チャ
ンネルで収音が行われる場合や、外部のマイクロフォン
等のような必要な規定に沿えない収音では、風音雑音の
低減を行うことができなかったというものである。
【0008】なお従来においても、このような場合にお
いてユーザーがマニュアル操作で、例えば操作スイッチ
や操作メニューから「風音低減」をオンにすることで風
音雑音の低減を行うことはできた。しかしながらこのよ
うな方法では、風音が発生する度に操作を必要とされる
ために煩わしく、自動化が望まれていた。この出願はこ
のような背景を有するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため本発明において
は、マイクロフォンからの信号を複数の周波数帯域に分
割し、分割された帯域間の相互相関に基づいて風音成分
の低減を行うようにしたものであって、これによれば、
例えば単チャンネルで収音された信号に対しても良好な
風音雑音の低減を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】ところで、上述のビデオカメラ等
に用いられる一般的なマイクロフォンについて、例えば
風速約4m/s時における風音信号の周波数特性は、例
えば図2に示すようになる。このグラフは、横軸に周波
数、縦軸に音圧レベルを表しており、音圧レベルの単位
のdBSPL(=Sound Pressure Level)は、人の最小
可聴限界を0dBSPLとした音圧レベルで、この場合
に通常人が耳にする音圧レベルの最大値は約120dB
SPLといわれている。従って図2における風音信号の
最大音圧レベルの約70dBSPLは比較的大きなもの
である。
【0011】一方、このような風音信号は、通常はいわ
ゆる1/fの揺らぎ成分に比例した周波数特性を示し、
一般的に極低周波数領域に集中しており、周波数が低く
なるほど風音信号と音声信号の成分比も風音成分が支配
的になる。なお図2における風音信号では、約100〜
200Hz付近をピークに低域側が減少しているが、こ
れはビデオカメラ等では、ウインドスクリーン(金網や
スポンジ)等による構造的な風音対策や、音声信号入力
回路のカップリングコンデンサ等の影響による低域の減
衰が生じているもので、成分比は風音信号が支配的にな
っている。
【0012】本発明はこのような点に着目してなされた
ものである。すなわち本発明の風音低減方法において
は、マイクロフォンからの信号を複数の周波数帯域に分
割し、これらの分割された帯域の内で音声成分の影響が
最も少ない帯域を基準帯域としてこの基準帯域の信号と
それ以外の帯域の信号との相互相関係数を算出し、この
算出された相互相関係数に基づいてマイクロフォンから
の信号の風音成分の低減を行うものである。
【0013】また、本発明の風音低減装置においては、
マイクロフォンからの信号を複数の周波数帯域に分割す
る周波数帯域分割手段と、これらの分割された帯域の内
で音声成分の影響が最も少ない帯域を基準帯域としてこ
の基準帯域の信号とそれ以外の帯域の信号との相互相関
係数を算出する相互相関係数算出手段と、この算出され
た相互相関係数に基づいてマイクロフォンからの信号の
風音成分の低減を行う風音低減手段とを有するものであ
る。
【0014】以下、図面を参照して本発明を説明する
に、図1は本発明を適用した風音低減装置の一実施形態
の構成を示すブロック図である。
【0015】図1において、例えばデジタル静止画像撮
影装置やビデオカメラ等に設けられる単一のマイクロフ
ォン1でモノラル収音された1チャンネルの音声信号
が、アンプ2で前置増幅されて自動利得制御(AGC)
回路3に入力され、例えば後段の回路に最適なレベルに
自動利得制御される。この利得制御された音声信号がア
ナログ−デジタル変換器(ADC)4に入力されてデジ
タル信号に変換され、変換されたデジタル音声信号が、
実線で囲まれた風音低減回路(手段)10に入力され
る。
【0016】この風音低減回路10では、まず入力され
たデジタル音声信号が、例えば1kHz程度のカットオ
フ周波数を有するローパスフィルタ(LPF)11と、
このローパスフィルタ11での信号遅延に相当する遅延
回路(DL)12とに入力される。そして遅延回路12
で遅延された信号が加算器13の+端子側に入力され、
ローパスフィルタ11からの信号が可変利得アンプ14
でレベル制御されて加算器13の−端子側に入力され
る。これよって、例えば1kHz以下の風音成分が、可
変利得アンプ14の制御に従って低減される。
【0017】さらに加算器13から出力されたデジタル
音声信号が、例えば100Hz程度のカットオフ周波数
を有するローパスフィルタ(LPF)15と、このロー
パスフィルタ15での信号遅延に相当する遅延回路(D
L)16とに入力される。そして遅延回路16で遅延さ
れた信号が加算器17の+端子側に入力され、ローパス
フィルタ15からの信号が可変利得アンプ18でレベル
制御されて加算器17の−端子側に入力される。これよ
って、例えば100Hz以下の風音成分が、可変利得ア
ンプ18の制御に従って低減される。
【0018】それと共に風音低減回路10では、入力さ
れたデジタル音声信号が低域帯域分割手段19に入力さ
れて、例えば図3のAに示すような複数の周波数帯域に
分割される。すなわちこの低域帯域分割手段19は、例
えば図4に示すように複数のバンドパスフィルタ(BP
F)31〜35によって形成される。あるいは図5に示
すように複数のローパスフィルタ(LPF)41〜46
と加減算器51〜55によって同様の周波数帯域の分割
を行うこともできる。ただしこの場合には、ローパスフ
ィルタ41〜46の周波数特性は図3のBに示すように
なる。
【0019】またこれらの回路において、各周波数帯域
の中心周波数は、例えば15Hz、35Hz、80H
z、190Hz、440Hzに設定される。なおこれら
の中心周波数は整数倍の関係にならないようにされ、例
えば互いに約1.2オクターブの関係にされる。この意
味は、一般的に同一音源から発せられた音は、その中に
含まれる最も低い周波数の音(基音と呼ぶ)の整数倍に
なっている場合が多いのに対し、風音信号は周波数がラ
ンダムである。従って各周波数を整数倍に選ばないこと
によって、風音信号のみの検出を行い易くするものであ
る。
【0020】ただし上述の中心周波数では、基音5Hz
の整数倍に当たることになるが、5Hzの音は自然界で
は風音以外にはほとんど存在せず、また可聴帯域外であ
るためビデオカメラ等のマイクロフォンを含めた音声入
力回路ではほとんど感度を持たないので、これらの周波
数で問題になることはない。さらに上述の実施形態では
周波数帯域の分割の数を5としたが、分割の数はこれよ
り多くても少なくても実現可能である。また中心周波数
も、上述の15Hz、35Hz、80Hz、190H
z、440Hz以外でもよい。
【0021】このようにして低域帯域分割手段19から
は音声信号の低域帯域を複数の周波数帯域に分割した信
号が取り出される。さらにこの低域帯域分割手段19か
らの信号が相互相関係数算出手段20に入力されて、上
述の分割された信号間の相互の相関係数が求められる。
すなわち上述の各分割された周波数帯域間で、風音信号
が音声信号に対して支配的である場合には、上述の風音
信号による揺らぎ成分が同時に変動するため、相互相関
係数値が大きくなり、これによって風音信号を検出する
ことができるものである。
【0022】そこで相互相関係数算出手段20の算出で
は、例えば最も音声信号の影響が少なく且つ風音信号が
多い基準帯域を1つ選択し、この基準帯域とこれ以外の
帯域との間でそれぞれ帯域間の相互相関係数を演算す
る。なお、風音信号は上述したように1/fに比例した
レベルであるため、上述の最も音声信号の影響が少なく
且つ風音信号が多い基準帯域には、最も低い周波数帯域
(例えば15Hz)の信号を用いることができる。これ
によって風音信号による揺らぎ成分が発生したときの相
互相関係数値を良好に検出することができる。
【0023】このような相互相関係数算出手段20の実
施形態は、例えば図6のようなブロックで示される。こ
の図6において、上述の複数の周波数帯域に分割された
信号が入力されると、これらの信号がそれぞれ乗算器6
1〜65で2乗されて信号のエネルギーが取り出され
る。そしてこれらの2乗信号が例えばカットオフ周波数
が数Hzに設定されたローパスフィルタ(LPF)66
〜70に入力されることによって、上述の複数の周波数
帯域に分割された各帯域の信号のいわゆる1/fの揺ら
ぎ成分が取り出される。
【0024】さらに最も低い周波数帯域(例えば15H
z)からの信号が相互相関係数演算ブロック71〜74
に共通に入力され、これ以外の帯域からの信号がそれぞ
れ相互相関係数演算ブロック71〜74に独立に入力さ
れる。これによって、分割された帯域の内で音声成分の
影響が最も少ない帯域を基準帯域として、この基準帯域
の信号とそれ以外の帯域の信号との相互相関係数を算出
することができる。すなわちこのような相互相関係数の
計算は、例えば次の〔数1〕に示すような計算を用いて
行うことができる。
【0025】
【数1】
【0026】ここで、 A[n] はnサンプル目の他の帯域の信号のデジタル値 B[n] はnサンプル目の基準帯域の信号のデジタル値 Nは演算総サンプル数A[n] はnサンプルまでのNサンプルの他の帯域の信号
の平均のデジタル値B[n] はnサンプルまでのNサンプルの基準帯域の信号
の平均のデジタル値 である。
【0027】ところでこの演算式において、分母は分子
が取り得る最大の値であり、算出される相関係数は
“1”若しくは“−1”を越えることはない。しかし、
例えば演算総サンプル数N以上に亙って、値A[n] 若し
くは値B[n] に“0”若しくは“0”に近い微小信号が
続いた場合を考えると、“0”で割ったり、“0”を割
ったりする演算が発生し、有限語長を扱うデジタル信号
処理では、演算誤差が増大して算出される相関係数が不
安定になる恐れがある。そこでそのような演算誤差を解
消するために、次のような特異点処理が行われる。
【0028】すなわち上述の相互相関係数演算ブロック
71〜74には、それぞれ例えば図7に示すような構成
が設けられる。この図7において、最も低い基準帯域か
らの信号とこれ以外の帯域からの信号とが小レベル検出
回路701に入力され、いずれかの信号が任意のスレシ
ョルドレベル以下になったときに検出信号が取り出され
る。この検出信号が“0”値設定回路702に入力され
る。そして上述の最も低い基準帯域からの信号とこれ以
外の帯域からの信号と、この“0”値設定回路702か
らの予め設定された値が相関係数算出回路703に入力
される。
【0029】これよって、低域帯域分割手段19からの
分割された各周波数帯域の信号が例えば図8のA〜Eに
示すようであった場合に、それぞれの図面中に破線で示
す小レベル検出のスレショルドレベルTHより信号レベ
ルが下がったときに、小レベル検出回路701での検出
が行われて、“0”値設定回路702に設定された値が
相関係数算出回路703に入力される。これにより、例
えば“0”若しくは“0”に近い微小な入力信号が続い
た場合に、相関係数算出回路703での演算を中止し、
任意の設定値とすることで演算誤差の発生を防止するこ
とができる。
【0030】さらに図9には、相関係数算出回路703
の具体的な回路の実施形態を示す。図9において、まず
入力データA[n] は1/Nビットシフト処理101に入
力される。ここでN=2m の関係に設定すると、1/N
はm回のLSB側へのビットシフト演算で実現できる。
この1/Nビットシフト処理101で処理された信号は
ランダムアクセスメモリ(RAM)102に入力され
る。このランダムアクセスメモリ102はNワードの遅
延手段として構成され、値(1/N)A[n] が入力され
るとNサンプル前の値(1/N)A[n-N] が出力される
ものである。
【0031】また、1/Nビットシフト処理101で処
理された信号が加算器103の一方の入力端子に入力さ
れる。さらにこの加算器103の出力がアキュムレータ
104に入力され、このアキュムレータ104の出力が
加算器103の他方の入力端子に入力される。これによ
り、この加算器103とアキュムレータ104では、ア
キュムレータ104からの1サンプル前の出力値AA[n
-1] と現サンプル信号を加算してアキュムレータ104
の入力値AA[n] とすることで、入力される値(1/
N)A[n] の累積加算が行われる。
【0032】この加算器103で累積加算された信号が
加算器105の+側端子に入力される。また、ランダム
アクセスメモリ102からのNワード遅延された信号が
加算器105の−側端子に入力される。これによって加
算器105では、
【数2】 の計算が行われる。
【0033】すなわち例えばn=N+1サンプルにおい
て、〔数2〕式は、
【数3】 となり、常にNサンプルの平均のデジタル値A[n] が求
められる。
【0034】さらに入力データA[n] が加算器106の
+側端子に入力され、加算器105で求められた値
[n] が加算器106の−側端子に入力される。これによ
って加算器106からは、値(A[n] −A[n] )=R
[n] が取り出される。この値が乗算器107で2乗され
て値R[n]2が取り出され、この値R[n]2が1/Nビット
シフト処理108に入力される。そしてこの1/Nビッ
トシフト処理108で処理された信号が、Nワードの遅
延手段として構成されたランダムアクセスメモリ(RA
M)109に入力される。
【0035】また、1/Nビットシフト処理108で処
理された信号が加算器110の一方の入力端子に入力さ
れる。さらにこの加算器110の出力がアキュムレータ
111に入力され、このアキュムレータ111の出力が
加算器110の他方の入力端子に入力される。これによ
り、この加算器110とアキュムレータ111では、ア
キュムレータ111からの1サンプル前の出力値BR[n
-1]2と現サンプル信号を加算してアキュムレータ111
の入力値BR[n]2とすることで、入力される値(1/
N)R[n]2の累積加算が行われる。
【0036】そしてこの加算器110で累積加算された
信号が加算器112の+側端子に入力される。また、ラ
ンダムアクセスメモリ109からのNワード遅延された
信号が加算器112の−側端子に入力される。これによ
って加算器112からは、
【数4】 の計算値が取り出される。
【0037】さらに入力データB[n] についても同様の
処理が行われる。すなわち入力データB[n] は1/Nビ
ットシフト処理201に入力される。ここでN=2m
関係に設定すると、1/Nはm回のLSB側へのビット
シフト演算で実現できる。この1/Nビットシフト処理
201で処理された信号はランダムアクセスメモリ(R
AM)202に入力される。このランダムアクセスメモ
リ202はNワードの遅延手段として構成され、値(1
/N)B[n] が入力されるとNサンプル前の値(1/
N)B[n-N] が出力されるものである。
【0038】また、1/Nビットシフト処理201で処
理された信号が加算器203の一方の入力端子に入力さ
れる。さらにこの加算器203の出力がアキュムレータ
204に入力され、このアキュムレータ204の出力が
加算器203の他方の入力端子に入力される。これによ
り、この加算器203とアキュムレータ204では、ア
キュムレータ204からの1サンプル前の出力値DB[n
-1] と現サンプル信号を加算してアキュムレータ204
の入力値DB[n] とすることで、入力される値(1/
N)B[n] の累積加算が行われる。
【0039】この加算器203で累積加算された信号が
加算器205の+側端子に入力される。また、ランダム
アクセスメモリ202からのNワード遅延された信号が
加算器205の−側端子に入力される。これによって加
算器205では、
【数5】 の計算が行われる。
【0040】すなわち例えばn=N+1サンプルにおい
て、〔数5〕式は、
【数6】 となり、常にNサンプルの平均のデジタル値B[n] が求
められる。
【0041】さらに入力データB[n] が加算器206の
+側端子に入力され、加算器205で求められた値
[n] が加算器206の−側端子に入力される。これによ
って加算器206からは、値(B[n] −B[n] )=S
[n] が取り出される。この値が乗算器207で2乗され
て値S[n]2が取り出され、この値S[n]2が1/Nビット
シフト処理208に入力される。そしてこの1/Nビッ
トシフト処理208で処理された信号が、Nワードの遅
延手段として構成されたランダムアクセスメモリ(RA
M)209に入力される。
【0042】また、1/Nビットシフト処理208で処
理された信号が加算器210の一方の入力端子に入力さ
れる。さらにこの加算器210の出力がアキュムレータ
211に入力され、このアキュムレータ211の出力が
加算器210の他方の入力端子に入力される。これによ
り、この加算器210とアキュムレータ211では、ア
キュムレータ211からの1サンプル前の出力値ES[n
-1]2と現サンプル信号を加算してアキュムレータ211
の入力値ES[n]2とすることで、入力される値(1/
N)S[n]2の累積加算が行われる。
【0043】そしてこの加算器210で累積加算された
信号が加算器212の+側端子に入力される。また、ラ
ンダムアクセスメモリ209からのNワード遅延された
信号が加算器212の−側端子に入力される。これによ
って加算器212からは、
【数7】 の計算値が取り出される。
【0044】さらに加算器106から取り出される値
(A[n] −A[n] )=R[n] と、加算器206から取り
出される値(B[n] −B[n] )=S[n] とが乗算器30
1に入力されて、値R[n] S[n] =(A[n] −A[n]
・(B[n] −B[n] )が求められる。この乗算器301
で求められた値R[n] S[n] が1/Nビットシフト処理
302に入力される。そしてこの1/Nビットシフト処
理302で処理された信号が、Nワードの遅延手段とし
て構成されたランダムアクセスメモリ(RAM)303
に入力される。
【0045】また、1/Nビットシフト処理302で処
理された信号が加算器304の一方の入力端子に入力さ
れる。さらにこの加算器304の出力がアキュムレータ
305に入力され、このアキュムレータ305の出力が
加算器304の他方の入力端子に入力される。これによ
り、この加算器304とアキュムレータ305では、ア
キュムレータ305からの1サンプル前の出力値CR[n
-1] S[n-1] と現サンプル信号を加算してアキュムレー
タ305の入力値CR[n] S[n] とすることで、入力さ
れる値(1/N)R[n] S[n] の累積加算が行われる。
【0046】さらにこの加算器304で累積加算された
信号が加算器306の+側端子に入力される。また、ラ
ンダムアクセスメモリ303からのNワード遅延された
信号が加算器306の−側端子に入力される。これによ
って加算器306からは、
【数8】 の計算値が取り出される。
【0047】そしてこれらの〔数4〕〔数7〕〔数8〕
で求められた計算値が相関係数演算回路400に入力さ
れて、上述の〔数1〕に示した演算式の計算が行われ
る。なおこの演算式では、基本演算として1/√の計算
を多用しているが、この演算式においては、例えばチェ
ビチェフ多項式近似とニュートン法を組み合わせ、まず
チェビチェフ多項式近似で近似し、ニュートン法で精度
を上げることによって演算量を削減することができる。
またチェビチェフ多項式の次数を下げることやニュート
ン法の近似回数を抑えることでもさらに演算量を減らす
ことができる。
【0048】またこの相関係数演算回路400には、上
述の“0”値設定回路702からの信号が入力される。
これにより、例えば入力データA[n] 、B[n] が微小レ
ベルとなった場合には相関係数演算回路400での演算
を打ち切って、相関係数出力を例えば“0”値にする処
理が行われる。
【0049】このようにして、相関係数演算回路400
では、入力されるデータに対してサンプルごとに相関係
数を演算して出力しても良いし、また複数サンプルご
と、例えばNサンプルごとに相関係数を演算して出力す
るようにして、演算量を減らしても良い。なお、相関係
数演算の詳細については、数学的に周知な解法の利用で
あり、また本願の主旨ではないので詳細な説明は省略す
る。
【0050】さらにこの相関係数演算回路400で求め
られた相関係数出力が、図6の相互相関係数演算ブロッ
ク71〜74の出力として取り出されて、次段の負値切
り捨て処理ブロック81〜84に入力される。この負値
切り捨て処理ブロック81〜84では、例えば図10の
Aに示すような縦軸の相関係数で“−1”〜“1”の値
を有する入力信号から、例えば“0”以下の範囲、すな
わち負の相関(逆相成分による相関)部分を全て“0”
値(無相関)にする処理が行われて、図10のBに示す
ような“0”〜“1”の値を有する信号が形成される。
【0051】この処理の意味するところは、例えばある
帯域に音声信号が混入した場合を考えると、この帯域の
信号と風音信号の基準とする例えば15Hzの帯域の信
号との相互相関係数は小さくなり、無相関性若しくは負
の相関性を持つ場合がある。一方、このような場合には
その帯域には成分比で音声信号が支配的であるものと考
えられる。そこでこのような場合には、風音低減処理を
行わないことによって、上述の混入している音声信号の
損なわれることが無いようにしているものである。
【0052】そしてこれらの負値切り捨て処理ブロック
81〜84からの信号が係数生成手段90に入力され
て、上述の分割された帯域に応じて重み付けした平均処
理が行われる。すなわち上述の構成では、例えば15H
zの基準帯域に対して、高域に行くに従って風音信号共
に音声信号も含まれている可能性が高くなり、風音信号
のみの相関性が含まれる度合いが低くなる。そこで風音
信号の相関性が高い低域側の重みを大きくし、高域側の
重みを小さくするようにした平均化の処理が行われるも
のである。
【0053】なお具体的には、例えば上述の35Hz、
80Hz、190Hz、440Hzの各帯域の信号を1
5Hzの帯域の信号と比較して得られた相互相関係数
を、それぞれ値S35、S80、S190 、S440 とした場合
に、
【数9】 とする処理が行われる。
【0054】ここで重み係数w1 、w2 、w3 、w4
合計が値Wに等しくなるようにされる。すなわちこれら
の重み係数を、例えばw1 =0.1、w2 =0.2、w
3 =0.4、w4 =0.6とした場合には、値W=1.
3となるようにして、重み付けした平均処理が行われ
る。なおこれらの重み係数w1 、w2 、w3 、w4 の値
は任意であり、例えばマイクロフォンやキャビネットの
構造の違いによる風音信号の周波数特性等に合わせて係
数を最適化することが可能である。また、係数の個数も
任意であり、例えばある帯域の相関係数のみを使用する
場合には、その重み係数は100%の重みとなる。
【0055】このようにして、図1の相互相関係数算出
手段20において相互相関係数が算出される。ここで一
般的に風音信号は1/fに比例したレベルであるため、
上述の各分割帯域間で風音信号が音声信号に対して支配
的である場合には、風音信号による揺らぎ成分が同時に
変動することになる。従って上述の構成で最も低い周波
数帯域を基準帯域とすることにより、風音信号が音声信
号に対して支配的である場合には相互相関係数が大きく
なり、この相互相関係数の値によって風音信号の発生を
検出することができるものである。
【0056】そこで図1においては、この相互相関係数
算出手段20で算出された相互相関係数が時定数付加回
路21に入力されて、人間の聴感に合ったアタック及び
リカバリ特性が与えられる。なおこのような時定数付加
回路21には、例えばカットオフ周波数を低く設定した
ローパスフィルタや、アップカウント値とダウンカウン
ト値を別々に設定したアップダウンカウンタなどが用い
られる。これにより、制御が行われたときの音声レベル
が変化することによる聴感上の不自然さを解消すること
ができる。
【0057】そしてこの時定数の付加された相互相関係
数が可変利得アンプ18の利得制御部に入力されること
より、収音された信号の例えば100Hz以下の風音成
分が低減される。さらにこの時定数の付加された相互相
関係数が減衰器(ATT)22で所定量減衰された後、
可変利得アンプ14の利得制御部に入力されることよ
り、収音された信号の例えば1kHz以下の風音成分が
低減される。これによって例えば単チャンネルで収音さ
れる音声信号に対しても良好な風音雑音の低減を行うこ
とができる。
【0058】なお、上述の装置で可変利得アンプ14及
び18の制御特性は、例えば図11に示すようになって
いる。すなわち図11において、可変利得アンプ18の
制御特性は時定数付加回路21からの相互相関係数に応
答し、例えば相互相関係数が“0”〜“1”の値で変化
すると、利得も“0”〜“1”倍に制御される。これに
対して可変利得アンプ14の制御特性は減衰器(AT
T)22からの減衰された相互相関係数に応答し、例え
ば相互相関係数が“0”〜“1”の値で変化すると、利
得は“0”〜“0.3”倍に制御される。
【0059】さらに図12は、上述の制御が行われたと
きの風音低減回路10の入出力周波数特性を示す。すな
わち風音低減回路10では、ローパスフィルタ11を通
過した1kHz以下の風音信号が可変利得アンプ14と
加算器13により低減され、ローパスフィルタ15を通
過した100Hz以下の風音信号が可変利得アンプ18
と加算器17により低減される。これによって風音低減
回路10では、1kHz〜100Hzにおいては可変利
得アンプ14での低減は小さく利得A1 となり、100
Hz以下では可変利得アンプ14と18の両方での低減
は大きく利得A 2 となる。
【0060】すなわち上述の風音低減の処理において、
風音信号帯域の高域側では音声信号が多く混入してお
り、低域側ではほとんどが風音信号であることから、風
音信号帯域の全域を同じように低減してしまうと、音声
信号も同時に低減されてしまう副作用が生じる恐れが有
る。そこで上述のように風音信号帯域の高域と低域で低
減レベルを変えて風音信号が支配的な低域側を大きく低
減することによって、上述の風音信号帯域の低域側の風
音信号を良好に低減すると共に、高域側に多く混入して
いる音声信号が損なわれないようにしているものであ
る。
【0061】このようにして、図1の加算器17からは
風音が良好に低減された音声信号が取り出される。そし
てこの取り出された音声信号は、例えば後段の記録系信
号処理等に出力される。なおこの記録系信号処理等につ
いては、通常のビデオカメラ等における周知の処理が行
われるものであるが、このような記録系信号処理等につ
いては本願の要旨ではないのでここでの説明を割愛す
る。また図12に示す周波数特性は、ローパスフィルタ
11、15の通過特性及び可変利得アンプ14、18の
利得特性を変更することによってさらに最適化すること
が可能である。
【0062】さらに上述の実施形態において、例えば図
9の具体装置による演算処理サイクルは、一般的にはオ
ーディオサンプリング周期(1/32kHz、1/4
4.1kHz、1/48kHz)ごとに行われ、この周
期ごとに制御のための相互相関係数をデータ更新するこ
とができる。しかしながら一般的な風音低減ではそれほ
ど頻繁に制御を行う必要はなく、例えば数オーディオサ
ンプリング周期に1回の演算をするように演算回数を間
引くことによって、さらに演算量を削減することが可能
である。
【0063】従って上述の補正及び装置によれば、演算
量をさほど増やさずに制御を行うことが可能である。こ
れにより、例えば図6のような4個の相互相関係数演算
を行う場合でも、その全演算量は、演算総サンプル数N
に関係なく、例えば1回の演算で乗算60回、加算64
回で行うことができる。これは例えば一般的なデジタル
信号処理装置(DSP)及び大規模集積回路(LSI)
を用いて容易に実現可能な程度のものである。これによ
り極めて簡単な構成で、良好な風音低減を行うことがで
きるものである。
【0064】従ってこの実施形態において、マイクロフ
ォンからの信号を複数の周波数帯域に分割し、分割され
た帯域間の相互相関に基づいて風音成分の低減を行うよ
うにしたことによって、例えば単チャンネルで収音され
た信号に対しても良好な風音雑音の低減を行うことがで
きる。
【0065】これによって、従来の技術では、例えばデ
ジタル静止画像撮影装置のような単チャンネルで収音が
行われる場合や、外部のマイクロフォン等のような必要
な規定に沿えない収音では、風音雑音の低減を行うこと
ができなかったものを、本発明によればこれらの問題点
を容易に解消することができるものである。
【0066】こうして上述の風音低減方法によれば、マ
イクロフォンからの信号を複数の周波数帯域に分割し、
これらの分割された帯域の内で音声成分の影響が最も少
ない帯域を基準帯域としてこの基準帯域の信号とそれ以
外の帯域の信号との相互相関係数を算出し、この算出さ
れた相互相関係数に基づいてマイクロフォンからの信号
の風音成分の低減を行うことにより、例えば単チャンネ
ルで収音された信号に対しても良好な風音雑音の低減を
行うことができるものである。
【0067】また、上述の風音低減装置によれば、マイ
クロフォンからの信号を複数の周波数帯域に分割する周
波数帯域分割手段と、これらの分割された帯域の内で音
声成分の影響が最も少ない帯域を基準帯域としてこの基
準帯域の信号とそれ以外の帯域の信号との相互相関係数
を算出する相互相関係数算出手段と、この算出された相
互相関係数に基づいてマイクロフォンからの信号の風音
成分の低減を行う風音低減手段とを有することにより、
例えば単チャンネルで収音された信号に対しても良好な
風音雑音の低減を行うことができる装置を実現すること
ができるものである。
【0068】なお本発明は、上述の説明した実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱するこ
となく種々の変形が可能とされるものである。
【0069】
【発明の効果】従って請求項1の発明によれば、マイク
ロフォンからの信号を複数の周波数帯域に分割し、分割
された帯域間の相互相関に基づいて風音成分の低減を行
うことによって、例えば単チャンネルで収音された信号
に対しても良好な風音雑音の低減を行うことができるも
のである。
【0070】また、請求項2の発明によれば、分割され
る複数の周波数帯域は、互いに整数倍にならない値に選
ばれていることによって、周波数がランダムな風音信号
のみの検出を行い易くするものである。
【0071】また、請求項3の発明によれば、相互相関
係数は、極低周波数領域での揺らぎ成分の同時性を用い
て算出することによって、1/fに比例したレベルの風
音信号の検出を容易に行うものである。
【0072】また、請求項4の発明によれば、相互相関
係数は、基準帯域の信号とそれ以外の複数の帯域の信号
とから算出されたそれぞれの値を、基準帯域以外の各帯
域の周波数に応じて重み付け加算して得ることによっ
て、風音信号の相関性が高い低域側の重みを大きくし高
域側の重みを小さくして風音信号の検出を良好に行うも
のである。
【0073】また、請求項5の発明によれば、マイクロ
フォンからの信号の風音成分の低減は、低周波数領域の
所定の帯域に対する第1の処理と、所定の帯域より低い
帯域に対する第2の処理とを有し、相互相関係数に基づ
く制御を、第1の処理では第2の処理より軽減して行う
ことによって、風音信号帯域の低域側の風音信号を良好
に低減すると共に、高域側に多く混入している音声信号
が損なわれないようにしているものである。
【0074】さらに請求項6の発明によれば、マイクロ
フォンからの信号を複数の周波数帯域に分割し、分割さ
れた帯域間の相互相関に基づいて風音成分の低減を行う
ことによって、例えば単チャンネルで収音された信号に
対しても良好な風音雑音の低減を行うことができる装置
を実現することができるものである。
【0075】また、請求項7の発明によれば、周波数帯
域分割手段で分割される複数の周波数帯域は、互いに整
数倍にならない値に選ばれていることによって、周波数
がランダムな風音信号のみの検出を行い易くするもので
ある。
【0076】また、請求項8の発明によれば、相互相関
係数算出手段で算出される相互相関係数は、極低周波数
領域での揺らぎ成分の同時性を用いて算出することによ
って、1/fに比例したレベルの風音信号の検出を容易
に行うものである。
【0077】また、請求項9の発明によれば、相互相関
係数算出手段で算出される相互相関係数は、基準帯域の
信号とそれ以外の複数の帯域の信号とから算出されたそ
れぞれの値を、基準帯域以外の各帯域の周波数に応じて
重み付け加算して得ることによって、風音信号の相関性
が高い低域側の重みを大きくし高域側の重みを小さくし
て風音信号の検出を良好に行うものである。
【0078】また、請求項10の発明によれば、風音低
減手段は、低周波数領域の所定の帯域に対する第1の処
理手段と、所定の帯域より低い帯域に対する第2の処理
手段とを有し、相互相関係数に基づく制御を、第1の処
理手段では第2の処理手段より軽減して行うことによっ
て、風音信号帯域の低域側の風音信号を良好に低減する
と共に、高域側に多く混入している音声信号が損なわれ
ないようにしているものである。
【0079】これによって、従来の技術では、例えばデ
ジタル静止画像撮影装置のような単チャンネルで収音が
行われる場合や、外部のマイクロフォン等のような必要
な規定に沿えない収音では、風音雑音の低減を行うこと
ができなかったものを、本発明によればこれらの問題点
を容易に解消することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用される風音低減装置の一実施形態
の構成図である。
【図2】その風音信号の説明のための特性図である。
【図3】帯域分割の説明のための図である。
【図4】帯域分割のための回路の一実施形態の構成図で
ある。
【図5】帯域分割のための回路の他の実施形態の構成図
である。
【図6】相互相関関係係数算出手段の一実施形態の構成
図である。
【図7】相互相関関係係数演算ブロックの一実施形態の
構成図である。
【図8】その説明のための特性図である。
【図9】相関係数算出回路の一実施形態の構成図であ
る。
【図10】負値切り捨て処理の説明のための図である。
【図11】可変利得アンプの制御特性図である。
【図12】風音低減回路の全体の入出力周波数特性図で
ある。
【符号の説明】
1…マイクロフォン、2…前置アンプ、3…自動利得制
御回路、4…アナログ−デジタル変換器、10…風音低
減回路(手段)、11,15…ローパスフィルタ、1
2,16…遅延回路、13,17…加算器、14,18
…可変利得アンプ、19…低域帯域分割手段、20…相
互相関係数算出手段、21…時定数付加回路、22…減
衰器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロフォンからの信号を複数の周波
    数帯域に分割し、 これらの分割された帯域の内で音声成分の影響が最も少
    ない帯域を基準帯域としてこの基準帯域の信号とそれ以
    外の帯域の信号との相互相関係数を算出し、 この算出された相互相関係数に基づいて前記マイクロフ
    ォンからの信号の風音成分の低減を行うことを特徴とす
    る風音低減方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の風音低減方法において、 前記分割される複数の周波数帯域は、互いに整数倍にな
    らない値に選ばれていることを特徴とする風音低減方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の風音低減方法において、 前記相互相関係数は、極低周波数領域での揺らぎ成分の
    同時性を用いて算出することを特徴とする風音低減方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の風音低減方法において、 前記相互相関係数は、前記基準帯域の信号とそれ以外の
    複数の帯域の信号とから算出されたそれぞれの値を、前
    記基準帯域以外の各帯域の周波数に応じて重み付け加算
    して得ることを特徴とする風音低減方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の風音低減方法において、 前記マイクロフォンからの信号の風音成分の低減は、低
    周波数領域の所定の帯域に対する第1の処理と、前記所
    定の帯域より低い帯域に対する第2の処理とを有し、 前記相互相関係数に基づく制御を、前記第1の処理では
    前記第2の処理より軽減して行うことを特徴とする風音
    低減方法。
  6. 【請求項6】 マイクロフォンからの信号を複数の周波
    数帯域に分割する周波数帯域分割手段と、 これらの分割された帯域の内で音声成分の影響が最も少
    ない帯域を基準帯域としてこの基準帯域の信号とそれ以
    外の帯域の信号との相互相関係数を算出する相互相関係
    数算出手段と、 この算出された相互相関係数に基づいて前記マイクロフ
    ォンからの信号の風音成分の低減を行う風音低減手段と
    を有することを特徴とする風音低減装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の風音低減装置において、 前記周波数帯域分割手段で分割される複数の周波数帯域
    は、互いに整数倍にならない値に選ばれていることを特
    徴とする風音低減装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の風音低減装置において、 前記相互相関係数算出手段で算出される相互相関係数
    は、極低周波数領域での揺らぎ成分の同時性を用いて算
    出することを特徴とする風音低減装置。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の風音低減装置において、 前記相互相関係数算出手段で算出される相互相関係数
    は、前記基準帯域の信号とそれ以外の複数の帯域の信号
    とから算出されたそれぞれの値を、前記基準帯域以外の
    各帯域の周波数に応じて重み付け加算して得ることを特
    徴とする風音低減装置。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の風音低減装置におい
    て、 前記風音低減手段は、低周波数領域の所定の帯域に対す
    る第1の処理手段と、前記所定の帯域より低い帯域に対
    する第2の処理手段とを有し、 前記相互相関係数に基づく制御を、前記第1の処理手段
    では前記第2の処理手段より軽減して行うことを特徴と
    する風音低減装置。
JP2000170718A 2000-06-07 2000-06-07 風音低減方法及び装置 Pending JP2001352594A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000170718A JP2001352594A (ja) 2000-06-07 2000-06-07 風音低減方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000170718A JP2001352594A (ja) 2000-06-07 2000-06-07 風音低減方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001352594A true JP2001352594A (ja) 2001-12-21

Family

ID=18673388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000170718A Pending JP2001352594A (ja) 2000-06-07 2000-06-07 風音低減方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001352594A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006073607A1 (en) * 2004-12-30 2006-07-13 Plantronics, Inc. Multifunction preamplifier microphone
EP1814108A1 (en) 2005-09-12 2007-08-01 Sony Corporation Noise reducing apparatus, method and program and sound pickup apparatus for electronic equipment
CN102780948A (zh) * 2011-05-11 2012-11-14 富士通株式会社 风噪声抑制器、半导体集成电路和风噪声抑制方法
GB2500251A (en) * 2012-03-16 2013-09-18 Wolfson Microelectronics Plc Active noise cancellation system with wind noise reduction
JP2014187556A (ja) * 2013-03-23 2014-10-02 Yamaha Corp 信号処理装置
WO2015003220A1 (en) * 2013-07-12 2015-01-15 Wolfson Dynamic Hearing Pty Ltd Wind noise reduction
US9020157B2 (en) 2012-03-16 2015-04-28 Cirrus Logic International (Uk) Limited Active noise cancellation system
CN107045874A (zh) * 2016-02-05 2017-08-15 深圳市潮流网络技术有限公司 一种基于相关性的非线性语音增强方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006073607A1 (en) * 2004-12-30 2006-07-13 Plantronics, Inc. Multifunction preamplifier microphone
EP1814108A1 (en) 2005-09-12 2007-08-01 Sony Corporation Noise reducing apparatus, method and program and sound pickup apparatus for electronic equipment
CN102780948A (zh) * 2011-05-11 2012-11-14 富士通株式会社 风噪声抑制器、半导体集成电路和风噪声抑制方法
JP2012239017A (ja) * 2011-05-11 2012-12-06 Fujitsu Ltd 風雑音抑圧装置、半導体集積回路及び風雑音抑圧方法
US9124962B2 (en) 2011-05-11 2015-09-01 Fujitsu Limited Wind noise suppressor, semiconductor integrated circuit, and wind noise suppression method
KR101354308B1 (ko) 2011-05-11 2014-01-23 후지쯔 가부시끼가이샤 풍잡음 억압 장치, 반도체 집적 회로 및 풍잡음 억압 방법
GB2500251B (en) * 2012-03-16 2014-01-29 Wolfson Microelectronics Plc Active noise cancellation system
US9020157B2 (en) 2012-03-16 2015-04-28 Cirrus Logic International (Uk) Limited Active noise cancellation system
GB2500251A (en) * 2012-03-16 2013-09-18 Wolfson Microelectronics Plc Active noise cancellation system with wind noise reduction
JP2014187556A (ja) * 2013-03-23 2014-10-02 Yamaha Corp 信号処理装置
WO2015003220A1 (en) * 2013-07-12 2015-01-15 Wolfson Dynamic Hearing Pty Ltd Wind noise reduction
GB2532379A (en) * 2013-07-12 2016-05-18 Wolfson Dynamic Hearing Pty Ltd Wind noise reduction
US9589573B2 (en) 2013-07-12 2017-03-07 Cirrus Logic International Semiconductor Ltd. Wind noise reduction
GB2532379B (en) * 2013-07-12 2019-06-19 Cirrus Logic Int Semiconductor Ltd Two-stage wind noise reduction method
CN107045874A (zh) * 2016-02-05 2017-08-15 深圳市潮流网络技术有限公司 一种基于相关性的非线性语音增强方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3152160B2 (ja) ハウリング検出防止回路及びそれを用いた拡声装置
US6434246B1 (en) Apparatus and methods for combining audio compression and feedback cancellation in a hearing aid
KR101597375B1 (ko) 오디오 신호의 인지된 음량을 조절하기 위한 시스템
JP4827675B2 (ja) 低周波帯域音声復元装置、音声信号処理装置および録音機器
JP2003032780A (ja) ハウリング検出抑圧装置、これを備えた音響装置、及び、ハウリング検出抑圧方法
JP2011147127A (ja) 音響システムにおけるホイッスリングの検出方法
JP2773656B2 (ja) ハウリング防止装置
CN113891205B (zh) 一种补偿耳机泄漏的主动降噪方法、装置及耳机
KR101253708B1 (ko) 보청장치의 외부 소음을 차폐하는 방법
JPH06269083A (ja) マイクロホン装置
JP2002218583A (ja) 音場合成演算方法及び装置
JP2001352594A (ja) 風音低減方法及び装置
JP5998483B2 (ja) 音声信号処理装置、音声信号処理方法、プログラム及び記録媒体
JP2003299181A (ja) オーディオ信号処理装置及びオーディオ信号処理方法
JP2002171591A (ja) ステレオマイクロホン装置、雑音低減処理方法及び装置
JP2011135485A (ja) ハウリング抑制装置
JPH08223677A (ja) 送話器
JPH05119794A (ja) 収音装置
JP2004032387A (ja) ハウリング制御装置及び補聴器
JP3593860B2 (ja) 収音装置
KR101400865B1 (ko) 입력 신호에 따라 파라메트릭 이퀄라이저의 게인을 다이나믹하게 조절하는 방법 및 그 방법을 채용한 다이내믹 파라메트릭 이퀄라이저 시스템
JP3277435B2 (ja) 音声信号処理装置
JP6878137B2 (ja) 音声処理装置、音声処理方法およびプログラム
JP5036283B2 (ja) オートゲインコントロール装置、音響信号記録装置、映像・音響信号記録装置および通話装置
JP3067409B2 (ja) ハウリング防止プロセッサ