JP5012699B2 - 周波数特性調整装置および周波数特性調整方法ならびにプログラム - Google Patents
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Description
図1は本発明の実施の形態に係る周波数特性調整装置のブロック構成図である。なお、周波数特性調整方法およびプログラムについては、周波数特性調整装置の説明と併せて行う。
図1に示す周波数特性調整装置の各部について詳細に説明する前に、フィルタ部6L、6Rやアクティブコントロール部7で用いられるフィルタの回路構成について説明しておく。図2は1次のIIR(Infinite Inpulse Response:無限インパルス応答)フィルタの構成例を示し、図3は2次のIIRフィルタの構成例を示す。
図4は図1に示す基音抽出回路3の構成例を示すブロック図であり、図5はその周波数特性例を示す。基音抽出回路3は、低域通過フィルタ11と帯域通過フィルタ12とにより構成される。これらのフィルタ11、12はそれぞれ、図3に示す2次のIIRフィルタを用いて構成することができる。低域通過フィルタ11として基音の下限周波数とする所定のカットオフ周波数f0と所定のQ、利得のものを用い、帯域通過フィルタ12として基音の上限周波数とする中心周波数f0と所定の帯域幅、利得のものを用いることで、図5に示す特性を得ることができ、人間の声の基音を抽出することができる。
図6は図1に示す周波数変動検知回路4の構成例を示すブロック図である。この周波数変動検知回路4は、高域通過フィルタ21H、整流回路22Hおよび平滑化回路23Hと、これらと並列に接続された低域通過フィルタ21L、整流回路22Lおよび平滑化回路23Lと、平滑化回路23Hの出力Hと平滑化回路23Lの出力Lとの比をとる割算回路24とにより構成される。高域通過フィルタ21Hは、基音抽出回路3により抽出された人間の声の基音のうち、高周波数成分を抽出する。整流回路22Hは高域通過フィルタ21Hの出力を整流し、平滑化回路23Hは整流回路22Hの出力を平均化する。低域通過フィルタ21L、整流回路22Lおよび平滑化回路23Lは、人間の声の基音のうち低周波数成分を抽出し、それを整流し、平均化する。割算回路24で平滑化回路23Hの出力Hと平滑化回路23Lの出力Lとの比H/Lを求めることで、人間の声の周波数変動を検知することができる。
図7は図1に示すフィルタ係数制御回路5の構成例を示すブロック図である。ここで、フィルタ部6L、6Rは、フィルタ係数制御回路5の出力するデータを用いて内部のテーブル(イコライズ・テーブル)を参照し、そのデータに対応するブースト量、ターゲット周波数f0およびQ値が得られるように、フィルタ係数を設定するものとする。イコライズのレベルを設定するためのデータであることから、フィルタ係数制御回路5の出力するデータを以下「EQレベル」という。
図9は図1に示すフィルタ部6L、6Rの構成例を示すブロック図である。これらのフィルタ部6L、6Rはそれぞれ、アクティブフィルタ部41と固定フィルタ42とを備え、アクティブフィルタ部41には、アクティブフィルタ43、44を備える。アクティブフィルタ43、44はいずれも2次のIIRフィルタで構成され、そのフィルタ係数をEQレベルにしたがって変化させ、ブースト量、ターゲット周波数f0およびQ値を変化させることができる。
図12は図1、図4、図6、図7および図9にそれぞれ示した構成をまとめてひとつに示す図であり、図13は全体の処理の流れを示すフローチャートである。図12に示す構成は、個別の回路として構成することもできるが、信号処理プロセッサを用い、プログラムにより各部の機能を実現することもできる。さらに、信号処理プロセッサではなくパーソナルコンピュータのような汎用プロセッサを用いて、プログラムにより各部の機能を実現することもできる。
以上説明した実施の形態では、人間の声の基音を抽出するようなフィルタ、すなわち低域通過フィルタ11および帯域通過フィルタ12を設け、抽出された基音の周波数範囲内で、その周波数変動を検知する。特許文献1に開示の技術では所望の周波数成分と他の周波数成分との割合を求めているが、以上説明した実施の形態は、抽出した周波数範囲内での高周波数成分と低周波数成分との割合を求めることが異なる。音楽では盛り上げる部分(さび部分)ではボーカルの周波数が高くなる傾向があるので、人間の声の基音の周波数範囲内で周波数変動を検知することにより、ある程度、音楽のさび部分を検出することができる。そして、周波数変動に応じてブースト量を調整することともに、周波数特性調整のターゲット周波数f0も調整する。これにより、さび近くではブースト量とf0を可変させる動作が可能となる。さらに、ブースト量を単純に変化させるとエネルギー的な不自然さが残ることがあるが、ブースト量に応じてQ値も可変させることで、この問題も軽減できる。さらに、f0、Q、ブーストが変化する際に時定数をもたせることで、さらに自然な効果を出すことが可能となる。すなわち、目的のレベルまで一気に変化させてしまうと、急激に変化して不自然に聞こえてしまうことがあるが、レベルを1段階ずつ変化させ、さらに一段階変化させるときも信号のサンプル単位で時定数をもたせることで、不自然さが解消される。以上説明した実施の形態によれば、ボーカルの輪郭、定位、艶っぽさ、クリアさ等の効果を得ることが可能である。
Claims (8)
- オーディオ信号に対する周波数特性を調整する周波数特性調整装置において、
上記オーディオ信号から調整対象となる周波数帯の少なくとも一部の周波数成分を抽出する手段と、
抽出された上記周波数成分の周波数変動を検知する手段と、
検知された上記周波数変動に追従して、上記オーディオ信号に対する周波数特性を調整する手段と
を有することを特徴とする周波数特性調整装置。 - 請求項1記載の周波数特性調整装置において、前記調整対象となる周波数帯は人間の声に相当する周波数帯であり、前記少なくとも一部の周波数成分は人間の声の基音に相当する成分であることを特徴とする周波数特性調整装置。
- 請求項1または2記載の周波数特性調整装置において、
前記抽出する手段は、前記オーディオ信号の右チャンネルと左チャンネルの同相成分から前記少なくとも一部の周波数成分を抽出し、
前記検知する手段は、前記少なくとも一部の周波数成分のうち所定の周波数を中心とする低周波数域の信号強度と高周波数域の信号強度との比較により周波数変動を検知する
ことを特徴とする周波数特性調整装置。 - 請求項1から3のいずれか記載の周波数特性調整装置において、前記調整する手段は、調整対象のターゲット周波数f0を前記周波数変動に追従させることを特徴とする周波数特性調整装置。
- 請求項1から4のいずれか記載の周波数特性調整装置において、前記調整する手段は、周波数特性の調整量に応じてQ値を変化させることを特徴とする周波数特性調整装置。
- 請求項1から5のいずれか記載の周波数特性調整装置において、前記調整する手段は、前記検知する手段の検知した周波数変動が急激であっても周波数特性が急激に変化することを防止する手段を有することを特徴とする周波数特性調整装置。
- オーディオ信号に対する周波数特性を調整する周波数特性調整方法において、
上記オーディオ信号から調整対象となる周波数帯の少なくとも一部の周波数成分を抽出し、
抽出された上記周波数成分の周波数変動を検知し、
検知された上記周波数変動に追従して、上記オーディオ信号に対する周波数特性を調整する
ことを特徴とする周波数特性調整方法。 - コンピュータに、
オーディオ信号から調整対象となる周波数帯の少なくとも一部の周波数成分を抽出する手段、
抽出された上記周波数成分の周波数変動を検知する手段、および
検知された上記周波数変動に追従して、上記オーディオ信号に対する周波数特性を調整する手段
として機能させるためのプログラム。
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JP2008171958A JP5012699B2 (ja) | 2008-07-01 | 2008-07-01 | 周波数特性調整装置および周波数特性調整方法ならびにプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008171958A JP5012699B2 (ja) | 2008-07-01 | 2008-07-01 | 周波数特性調整装置および周波数特性調整方法ならびにプログラム |
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JP2010016430A JP2010016430A (ja) | 2010-01-21 |
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ID=41702149
Family Applications (1)
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JP2008171958A Active JP5012699B2 (ja) | 2008-07-01 | 2008-07-01 | 周波数特性調整装置および周波数特性調整方法ならびにプログラム |
Country Status (1)
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2008
- 2008-07-01 JP JP2008171958A patent/JP5012699B2/ja active Active
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