JP4912120B2 - 主軸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント基板穴明機等の工作機械における主軸装置に係り、詳しくはスリットを備えるコレットチャックに工具を保持させるようにした主軸装置に関する。
図6は、プリント基板穴明機における従来の主軸装置を示す正面断面図である。同図において、ケース10の中心部には、主軸1が配置されている。主軸1の軸方向の中心部には、底付き穴7と、この底付き穴7の底面の中心部分に接続し先端側(図の下端側)に拡径する雌形のテーパ面1tと、が形成されている。
コレットチャック2の外周はテーパ面1tと同一の角度を有する雄形のテーパ面2tが形成されており、中心部分にはドリル(工具)3を係合させる穴4が軸方向に延びるように穿設されている。また、コレットチャック2は、テーパ面2tから穴4に達するように、かつ円周方向に等角度間隔となるように形成された複数の切り込み溝(スリット)(図示せず)を有している。なお、プリント基板加工機において使用される工具3のシャンク部(コレットチャック2に保持される部分)の直径は工具3の呼び径に拘らず同一径に形成されている。
コレットチャック2の後端側(図の上側)には、ロッド5が固定され、ロッド5の外周にはガイドブッシュ6が固定されている。底付き穴7の底面とガイドブッシュ6との間には、コレットチャック2を図の上方に向けて付勢するように皿ばね8が縮設されている。そして、テーパ面2tがテーパ面1tに密着することにより、コレットチャック2が内径方向に弾性変形して閉じ、穴4内面とドリル3表面との間の摩擦力によりドリル3が強固に保持される。
ケース10には、摺動及び回転自在に主軸1が嵌合する穴11が形成されている。この穴11の軸方向略中央部のロータ9と対向する位置には、コイル(固定子)12が配置されている。コイル12は、図示を省略するインバータ電源に接続されている。
ケース10の穴11に面する部分には、オリフィス絞り形のジャーナル気体軸受を構成する複数の給気孔13が、径方向に向くように、かつ軸線O方向に所定の間隔をあけるようにして設けられている。給気孔13が気体(ここでは、圧縮空気)を吐出する方向は軸線Oと直交する方向であり、図示の場合、コイル12の上下にそれぞれ2列ずつ配置されている。給気孔13はそれぞれ図示を省略する(第1の)供給口に接続(連通)されている。
穴11の後端側(図の上側)には、主軸1の後端側に配置されたフランジ1fを収容可能に形成された環状凹部11dが設けられている。この環状凹部11dにおけるフランジ1fと対向する上下二面には、円周方向に複数の給気孔15が形成されている。これら複数の給気孔15は、給気方向がそれぞれ軸線O方向を向き、図示を省略する(第2の)供給口に接続された形でスラスト気体軸受を構成している。
ケース10の上部にはシリンダ25が固定されている。プッシュロッド20の一端(図の上端)は、ピストン22に固定されている。ピストン22は、シリンダ25のチャンバ25a内に配置されており、これらピストン及びシリンダにより空気圧アクチュエータが構成される。ピストン22の上側のチャンバ25aはシリンダ25に形成された供給口23および供給口23に接続された管路40により3ポート電磁弁30のシリンダポート30Aに接続されている。ピストン22の下側のチャンバ25aはシリンダ25の下部に形成された貫通穴24および穴25bにより穴11に連通している。チャンバ25a内に配置されたばね26はピストン22を図の上方に付勢している。
3ポート電磁弁30の供給ポート30Pは管路41により圧縮空気源90に接続され、排出ポート30Rは開放されている。3ポート電磁弁30のコイル30Cはプリント基板加工機全体を制御するNC装置100に接続されている。
次に、上記構成を有する従来の主軸装置の動作を説明する。
ドリル3を交換する場合には、3ポート電磁弁30をオン、すなわちコイル30Cに電力を供給する。すると、供給ポート30Pとシリンダポート30Aとが連通し、圧縮空気源90からの圧縮空気が供給口23からチャンバ25a内に供給され、ばね26に抗してピストン22を下降させる。ピストン22の下降に追従してプッシュロッド20が図の下方に移動してロッド5を押し、皿ばね8の付勢力に抗してコレットチャック2を図の下方に移動させる。
コレットチャック2のテーパ面2tがテーパ面1tから離れると、コレットチャック2の内径方向に働いていた力が無くなるので、ドリル3をコレットチャック2から容易に取り外すことができる。次に、他のドリル3をコレットチャック2に挿入した後、3ポート電磁弁30をオフすると、シリンダポート30Aと排出ポート30Rが連通し、上記チャンバ25a内の圧縮空気を開放し、ピストン22はばね26の付勢力(復元力)により上昇する。これに追従してプッシュロッド20が図の上方に移動し、皿ばね8の付勢力によりテーパ面2tがテーパ面1tに圧接されてコレットチャック2が閉じ、これによりドリル3が主軸1に強く保持される。
次に、図示を省略する供給口から圧縮空気を供給する。すると、主軸1は、ジャーナル気体軸受の機能により、その軸線を穴11の軸線Oと一致させるようにして径方向に支持されると共に、スラスト気体軸受の機能により軸線O方向に支持される。この状態で、コイル12に電流を供給すると、コイル12に発生する磁界によりロータ9に回転トルクが発生し、主軸1が回転する。
以下、NC装置100は、図示を省略する手段によりケース10を軸線O方向に移動させ、ドリル3によりワークを加工する。
ところで、工具保持手段であるコレットチャック2の内面にごみが付着したり、ばね8が寿命になった場合には、コレットチャック2が工具1を保持する力(以下、「工具保持力」という。)が低下する。工具保持力が低下すると、加工時にドリル3がコレットチャック2に対して径方向および/または軸方向にスリップしてしまい、加工不良が発生する。
そこで、ワークを支持するテーブル上に工具保持力を検査する工具保持力検査装置を配置し、工具保持力を検査してから加工を行うようにした加工装置がある(特許文献1)。
この技術に依れば、作業者が工具保持力を検査する必要がないため、保守管理が容易で、かつ、加工品質および作業能率を向上させることができる。
特開2004−130502号公報
しかし、上記加工装置は、工具保持力検査装置をテーブル上に配置しなければならないため、装置が大型になった。また、ばねが寿命になった場合、工具保持力の低下がばねの寿命に起因することを特定するのに時間を要した。
本発明の目的は、上記課題を解決し、装置を小型にすることができると共に、ばね寿命を容易に特定することができる主軸装置を提供するにある。
本発明者は、工具保持力の低下の原因を調査した結果、ばねが寿命に達した場合の原因究明に時間を要していることに着目し、上記課題を解決するため、所定加圧力におけるばね(付勢手段)の変位量あるいはばねの反力に基づきばね寿命を特定することを想到した。
そして、本発明は、軸方向の外周面の一部がテーパ面に形成され、このテーパ面に軸方向のスリットを備えるコレットチャックと、前記テーパ面に係合するテーパ面を備える主軸と、前記コレットチャックが工具を係止するように、前記コレットチャックを前記主軸に対して付勢する付勢手段と、前記コレットチャックを前記付勢手段に抗して押圧して、前記コレットチャックの工具の係止を解放する棒状部材と、を備える主軸装置において、前記棒状部材を予め定める力で付勢し得る所定圧付与手段と、前記所定圧付与手段の付勢により前記棒状部材を、前記付勢力に抗して移動して、該移動量が予め定める値を超えるかを測定する測定手段と、前記所定圧付与手段により前記棒状部材を押圧した際の前記棒状部材の移動量が予め定める値を超える場合、前記付勢手段が寿命であると判断する判定手段と、を備えることを特徴とする。
前記棒状部材は、空気圧アクチュエータにより移動して、前記コレットチャックを前記付勢手段に抗して解放してなり、前記所定圧付与手段は、前記空気圧アクチュエータの空気圧供給路に介在した減圧弁である。
また、本発明の参考例としての形態は、軸方向の外周面の一部がテーパ面に形成され、このテーパ面に軸方向のスリットを備えるコレットチャックと、前記テーパ面に係合するテーパ面を備える主軸と、前記コレットチャックが工具を係止するように、前記コレットチャックを前記主軸に対して付勢する付勢手段と、前記コレットチャックを前記付勢手段に抗して押圧して、前記コレットチャックの工具の係止を解放する棒状部材と、を備える主軸装置において、前記棒状部材に前記付勢手段から作用する圧力を測定する測定手段と、測定された前記圧力が予め定める値に満たない場合、前記付勢手段が寿命であると判断する判定手段と、を備える
前記測定手段は、前記棒状部材の先端に設けられた圧電素子であり、前記付勢手段を支持しかつ該付勢手段の変形と共に移動するロッドに当接して該付勢手段からの圧力を測定してなる。
前記棒状部材は、空気圧アクチュエータにより移動して、前記コレットチャックを前記付勢手段に抗して解放してなり、前記測定手段は、前記空気圧アクチュエータによる前記棒状部材の移動により測定されてなる。
テーブル上に工具保持力検査装置を配置する必要がないため、装置を小型にすることができると共に、ばねの寿命を直ちに判定することができるので、作業能率を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る主軸装置の正面断面図であり、図6と同じもの又は同一機能のものは同一の符号を付して重複する説明を省略する。
圧縮空気源90の出口に接続された管路41には3ポート2位置切換え電磁弁31と減圧弁32が配置されている。3ポート電磁弁31の供給ポート31Pは圧縮空気源90と減圧弁32の入口に接続されている。3ポート電磁弁31のシリンダポート31Aは管路42を介して3ポート電磁弁30の供給ポート30Pに接続されている。3ポート電磁弁31の排出ポート31Rは減圧弁32の出口に接続されている。3ポート電磁弁31のコイル31Cは、電磁弁30のコイル30cと共にNC装置100に接続されている。減圧弁32は、その入口側を空気源に連通し、その出口側の圧力が、入口側圧力に関係なく予め定められた所定設定圧を出力するものであって、所定圧付与手段を構成する。
ケース10の上端にはセンサ72が配置されている。センサ72は、プッシュロッド(棒状部材)20に設けられたドッグ71と対向したときにオンになり、棒状部材(ロッド)の移動量を測定する測定手段を構成する。センサ72は判定装置95に接続されている。判定装置95は、センサ72がオンした場合はセンサが動作中である旨の信号をNC装置100に出力し、センサ72がオフである場合はセンサ72がオフである旨の信号をNC装置100に出力する。プッシュロッド20にはドッグ71が固定されている。なお、ドッグ71は以下のようにして位置決めされている。
すなわち、ピストン22の加圧力が仕様を満たす最小の加圧力となるように減圧弁32を調整する。この状態で、3ポート電磁弁30と3ポート電磁弁31をオンし、ピストン22を下降させる。そして、ドッグ71をピストン22が停止した位置、すなわちピストン22の加圧力とばね8の反発力が釣り合った位置においてセンサ72がオンし、センサ72よりも下方に移動した場合はセンサ72がオンしない位置に位置を定めて、プッシュロッド20に固定する。
次に、この実施形態の動作を説明する。
加工に先立ち、あるいは予め定める時間が経過する毎に、3ポート電磁弁30と3ポート電磁弁31をオンする。すると、チャンバ25aには減圧弁32で定められる圧力の圧縮空気が供給され、ピストン22を下降させる。予め定める時間が経過すると、判定装置95はセンサ72の出力をチェックする。
ばね8が寿命に達していない場合、ピストン22が停止した位置においてドッグ71がセンサ72と対向し、センサ72がオンする。センサ72がオンしたことを確認した判定装置95は加工可能信号をNC装置100に出力する。加工可能信号、すなわちばね8が寿命に達していないことを確認したNC装置100は3ポート電磁弁30と3ポート電磁弁31をオフし、次の作業開始指令を待つ。
また、ばね8が寿命に達していた場合、プッシュロッド20はさらに下降するので、ドッグ71はセンサ72と対向する位置から外れ、検出信号は出力されない。そこで、判定装置95は加工不能の信号をNC装置100に出力すると共に、例えば図示を省略する警報装置を作動させる。また、加工不能の信号を受けたNC装置100は、ばね8が交換されるまで以後の作業を行わない。
ところで、この実施形態の場合、主軸1はケース10の移動に伴って、軸線方向(上下方向)に移動するので、主軸1を移動させる移動手段の能力を大きくする必要があるが、ケース10に対して主軸1を移動可能に構成すると、主軸1の応答速度を高速化することができる。
図2は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図1及び図6と同じものまたは同一機能のものは同一の符号を付して重複する説明を省略する。
主軸ホルダ50の下部に設けられたフランジ部50fの内部には主軸1のフランジ1fを収容可能な環状凹部50dが設けられている。この環状凹部50dにおけるフランジ1fと対向する上下二面には、円周方向に複数の給気孔15が形成されている。これら複数の給気孔15は、給気方向がそれぞれ軸線O方向を向き、図示を省略する(第2の)供給口に接続された形でスラスト気体軸受を構成している。
フランジ部50fはケース10に形成された空間10kの内部に配置され、軸線O方向移動自在である。空間10kの軸線O方向の長さはフランジ部50fの長さよりもGだけ長い。主軸ホルダのセンサ72と対向する位置には、主軸ホルダ50を軸線方向に切欠いた切り欠き50aが設けられている。
主軸ホルダ50は軸受け51に支持され軸線O方向に移動自在である。軸受け51はケース10に保持されている。主軸ホルダ50の上端は図示を省略するボルトにより可動子52の下端に固定されている。
可動子52の側面にはコイル53aと共にリニアモータ53を形成するマグネット53bが配置されている。コイル53aはマグネット53bと対向するベース54に配置されている。そして、コイル53aに電流を供給すると、可動子52は軸線Oに沿って移動する。マグネット53bとベース54との間には、ばね55が配置されている。ばね55は、マグネット53bを介して可動子52を図の上方に付勢している。この結果、リニアモータ53がオフの場合、フランジ部50fの下端と空間10kの底部との間には高さGの隙間が形成されている。
ベース54はプレート56に固定されている。なお、この実施形態の場合ケース10は図示を省略するプレート56の支持部材に固定されている。シリンダ25はベース54の上部に固定されている。ピストン22に固定されたプッシュロッド20は可動子52および主軸ホルダ50を貫通し、下端がロッド5の上端に対向している。センサ72はケース10の上部に配置されている。
ドッグ71のプッシュロッド20に対する取り付け位置は、主軸1を移動の上端側(図示の場合)に位置決めした状態で、上記第1の実施形態の場合と同様にして定める。なお、主軸1を移動の下端側に位置決めした状態で、ドッグ71のプッシュロッド20に対する取り付け位置を定めてもよい。
本実施形態にあっては、リニアモータ53により可動子52及びそれと一体の主軸ホルダ50を上下方向に移動することにより、フランジ部50f及びフランジ1fを介して主軸1が上下方向に移動する。
そして、3ポート電磁弁30をオンして、チャンバ25aに、減圧弁32で定められた所定圧力の圧縮空気を供給することにより、ピストン22及びプッシュロッド20を下方に移動する。プッシュロッド20の先端がロッド51に当接して、ばね8を変形しつつ移動し、ドック71がセンサ72と対向する位置から外れる位置まで移動すると、判定装置95は、ばね8が寿命に達していると判定する。
ところで、この第2の実施形態の場合、プッシュロッド20が可動子52および主軸ホルダ50を貫通する構造であるため、構造が複雑になる。
図3は本発明の第3の実施形態を示す図であり、図1、図2及び図6と同じものまたは同一機能のものは同一の符号を付して重複する説明を省略する。
シリンダ60はプレート56上にベース54と並列に固定されている。シリンダ60のピストンロッド60aの先端にはガイド61が固定されている。ガイド61には軸62が固定されている。レバ63の一端には長穴63aが形成されている。この長穴63aは軸62に係合している。レバ63は軸64の回りに回転自在である。軸64はプレート56に支持されたブロック65に支持されている。レバ63の他端はプッシュロッド20に対向している。
プッシュロッド20にはストッパ66が固定されている。ストッパ66と主軸ホルダ50との間にはばね67が配置されている。ばね67によりプッシュロッド20の先端(下端)とロッド5の上端との間には隙間が形成されている。
この実施形態では、図2における3ポート電磁弁30に代えて5ポート電磁弁33が使用される。5ポート電磁弁33がオフの場合、圧縮空気はシリンダ60の上側に供給されており、このときレバ63の先端はプッシュロッド20から離れている。5ポート電磁弁33のコイル33cに電流を供給すると、ピストン60pが上昇し、レバ63が反時計回り回転してプッシュロッド20を押し下げる。
この実施形態では、プッシュロッド20をピストンにより直接移動させることに代えてレバ63を介して移動させるようにしたものであり、動作は実質的に第2の実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。
ところで、通常、ピストン22の上側のチャンバ25aに供給される空気圧を変更することはない。以下、所定圧付与手段を設けない場合について説明する。
図4は、参考例を示すものであり、便宜的に第4の実施形態と称する。図1及び図6と同じものまたは同一機能のものは同一の符号を付して重複する説明を省略する。
プッシュロッド20の先端部には凹部20aが配置されている。凹部20aにはピエゾ素子(圧電素子)からなる圧カセンサ81が配置されている。圧力センサ81の先端(図における下端)はプッシュロッド20の先端から0.5〜1mm突出している。プッシュロッドに形成されたL字形の穴20bは一端が凹部20aに開口し、他端はシリンダケース25に形成された穴25b内に開口している。圧力センサ81の信号線84は、穴20bを通り、ケース25に設けられた貫通穴83を介して判定装置95に接続されている。判定装置95には、後述する出力電圧値E1が予め入力されている。
図5は、プッシュロッド20の動作回数N(すなわち、皿ばね8の動作回数。)と圧カセンサ81に設けられた圧電素子から出力される出力電圧E(皿ばね8の反力であり、工具保持力である。)との関係を示す図である。同図に示されるように、プッシュロッド20の動作回数がある回数に達すると、徐々に出力電圧Eが低下し、出力電圧Eが図で点線で示す所定値E1以下では工具3を強固に保持することができない。そこで、出力電圧値E1を電圧の最小値として判定装置95に入力しておく。即ち、圧力センサは、プッシュロッド20にばね8から作用する圧力を測定し、チャンバ25aに作用する空気圧が一定である以上、ばね8から反力(応力)を検出することによりばね8のヘタリ度を検出することになり、出力電力Eが所定値E1以下になると、寿命に達したことを判定する。
次に、この実施形態の動作を説明する。
コレットチャック2を開くためにプッシュロッド20を下降させると、圧力センサ81がロッド5に押しつけられる結果、プッシュロッド20の下降に伴って皿ばね8の反力が圧力センサ81に加わる。そこで、プッシュロッド20を動作させる時には、圧力センサ81の出力電圧Eを監視する。そして、プッシュロッド20を所望量(通常、プッシュロッド20の全移動量は3mm程度である。)移動させたときの出力電圧Eの値がE1未満になった場合は、皿ばね8が寿命になったと判定し、判定装置95は加工不能の信号をNC装置100に出力すると共に、例えば図示を省略する警報装置を作動させる。また、加工不能の信号を受けたNC装置100は、ばね8が交換されるまで以後の作業を行わない。
この実施形態の場合、上記第1〜3の実施形態の場合に必要とされる所定圧付与手段を、コレットチャック2を交換する際のプッシュロッド20の移動手段が代用するので、上記第1〜3の実施形態で必要とされた所定圧付与手段が、実質的に不要となり、構造が簡単である。また、プッシュロッド20を動作させる度に工具保持力をチェックするので、工具保持力が低下した場合には直ちに保守ができる。したがって、上記第1〜3の実施形態の場合に比べてさらに作業効率を向上させることができる。
なお、判定装置95の機能をNC装置100に持たせるように構成する場合には、専用の判定装置95を特に設けなくてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る主軸装置の正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る主軸装置の正面断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る主軸装置の正面断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る主軸装置の正面断面図である。 プッシュロッドの動作回数と圧力センサの出力電圧の関係を示す図である。 プリント基板穴明機における従来の主軸装置の正面断面図である。
符号の説明
1 主軸
1t テーパ面
2 コレットチャック
2t テーパ面
8 ばね(付勢手段)
20 プッシュロッド(棒状部材)
22 ピストン(空気圧アクチュエータ)
30 3ポート電磁弁
31 3ポート電磁弁
32 減圧弁(所定圧付与手段)
30A,30P,42,90 空気圧供給路
71 ドッグ
72 センサ(測定手段)
81 圧電センサ(測定手段)
95 判定装置(判定手段)

Claims (2)

  1. 軸方向の外周面の一部がテーパ面に形成され、このテーパ面に軸方向のスリットを備えるコレットチャックと、
    前記テーパ面に係合するテーパ面を備える主軸と、
    前記コレットチャックが工具を係止するように、前記コレットチャックを前記主軸に対して付勢する付勢手段と、
    前記コレットチャックを前記付勢手段に抗して押圧して、前記コレットチャックの工具の係止を解放する棒状部材と、を備える主軸装置において、
    前記棒状部材を予め定める力で付勢し得る所定圧付与手段と、
    前記所定圧付与手段の付勢により前記棒状部材を、前記付勢手段の付勢力に抗して移動して、該移動量が予め定める値を超えるか否かを測定する測定手段と、
    前記所定圧付与手段により前記棒状部材を押圧した際の前記棒状部材の移動量が予め定める値を超える場合、前記付勢手段が寿命であると判断する判定手段と、
    を備えることを特徴とする主軸装置。
  2. 前記棒状部材は、空気圧アクチュエータにより移動して、前記コレットチャックを前記付勢手段に抗して解放してなり、
    前記所定圧付与手段は、前記空気圧アクチュエータの空気圧供給路に介在した減圧弁である、
    請求項1記載の主軸装置。
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