以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施の形態は、入力された印刷データに基づいて、所定の記録媒体に現像剤を用いて画像を形成する画像形成装置である。特に、この画像形成装置は、当該画像形成装置内部の現像剤量を検出するために設けられた検出部の発光体と除電器としての発光体とを1つに兼ね備えたものである。
まず、本発明の第1の実施の形態として示す画像形成装置について説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、未画像形成の記録媒体としての記録用紙Pを収納する給紙トレイ11を備える。この給紙トレイ11に収納された記録用紙Pは、ホッピングローラ12の回転に応じて1枚ずつ繰り出され、媒体搬送経路を形成する転写部へと所定のタイミングで搬送される。
転写部は、転写ベルト13と、図示しないベルトモータによって駆動される駆動ローラ14と、転写ベルト13の移動に応じて回転するとともに当該転写ベルト13が弛緩しないように張力を与えるベルトアイドルローラ15と、高圧電源2から供給される電力に基づいて転写電圧を印加する転写ローラ16Y,16M,16C,16Kとを有する。
また、画像形成装置1は、転写ベルト13を挟むように転写ローラ16Y,16M,16C,16Kのそれぞれに対向させて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のそれぞれに対応する4つの画像形成部20Y,20M,20C,20Kを備える。これら画像形成部20Y,20M,20C,20Kは、この順序で記録用紙Pの給紙側から排紙側へと転写ベルト13に沿って並設されており、後述する感光体ドラムの回転力と、転写ベルト13の駆動搬送力とによって記録用紙Pを搬送しながら、当該転写ベルト13上に載置された記録用紙Pに対して、各色の現像剤を用いた画像形成を行う。
具体的には、画像形成部20Y,20M,20C,20Kは、それぞれ、現像剤を収容する現像剤収容器21Y,21M,21C,21Kと、この現像剤収容器21Y,21M,21C,21Kが脱着可能とされる現像装置22Y,22M,22C,22Kと、露光を行う露光器23Y,23M,23C,23Kとを有する。
現像剤収容器21Y,21M,21C,21K及び現像装置22Y,22M,22C,22Kは、それぞれ、消耗品として当該画像形成装置1に対して脱着可能に構成される。なお、現像装置22Y,22M,22C,22Kの構成については、後に詳述するものとする。
露光器23Y,23M,23C,23Kは、それぞれ、後述する感光体ドラムの周囲に配設され、外部から受信した画像データに基づいて画像変調した光を、帯電された感光体ドラムの表面に照射して露光し、当該感光体ドラム上に静電潜像を形成する。なお、露光器23Y,23M,23C,23Kは、それぞれ、画像形成部20Y,20M,20C,20Kや現像剤収容器21Y,21M,21C,21Kを当該画像形成装置1に対して脱着する際に開閉動作される当該画像形成装置1の上方カバー部材33に保持されている。
このような画像形成部20Y,20M,20C,20Kのそれぞれによって現像された各色の現像剤像は、図示しない制御部の制御のもとに、感光体ドラムのそれぞれが回転するのにともない、転写ローラ16Y,16M,16C,16Kのそれぞれによって記録用紙P上に順次重ね合わされて転写される。
画像形成装置1においては、このような構成からなる画像形成部20Y,20M,20C,20Kと転写部とにより、記録用紙P上に順次各色の画像形成を行い、カラー画像を形成する。そして、画像形成装置1においては、記録用紙Pを転写ベルト13に静電気的に吸着させた状態で、画像形成部20Y,20M,20C,20Kの下流に配設された定着部30へと搬送する。
定着部30は、例えば金属の中空ローラの外周に弾性部材を接着して構成される加熱ローラ31と、この加熱ローラ31とともに記録用紙Pを押圧する圧接ローラ32とを有する。圧接ローラ32は、加熱ローラ31に対向して当接されるように配設され、記録用紙Pを挟み込むニップ部を形成する。また、加熱ローラ31の内部には、低圧電源3から供給される電力によって発光するハロゲンランプが埋設されている。定着部30においては、図示しない制御部の制御のもとに、ハロゲンランプを発光させることによって加熱ローラ31を加熱する。このような定着部30は、加熱ローラ31及び圧接ローラ32を回転させてニップ部に記録用紙Pを通紙させ、当該記録用紙Pを加熱及び押圧することにより、当該記録用紙P上の現像剤を溶融させ、現像剤像を熱定着させる。画像形成装置1においては、このような定着部30によって記録用紙P上に画像を定着させると、所定の排出ローラによって当該記録用紙Pを搬送して外部へと排紙させ、所定のスタッカ34上に積載させる。
なお、画像形成部20Y,20M,20C,20Kは、上述したように、用いる現像剤が異なるのみで同一の構成であることから、以下では、説明の便宜上、上述した各部の符号からY,M,C,Kを除去した符号で指示するものとする。
さて、このような画像形成装置1における現像装置22は、図2及び図3に示すように構成される。すなわち、現像装置22は、例えばアルミニウム等からなる導電性基層と有機感光体とからなる表層が形成された感光体ドラム51を有する。この感光体ドラム51は、図1に示した高圧電源2から供給される電力によって駆動する駆動モータ52から動力を得た感光体駆動ギア53が回転駆動することによって回転し、その表面に露光器23による露光によって静電潜像を形成する。この感光体ドラム51の周囲には、図3に示すように、当該感光体ドラム51と接触させて帯電ローラ54が配設されている。この帯電ローラ54は、高圧電源2によって正電圧又は負電圧が印加されることにより、接触した感光体ドラム51の表面を一様電圧に帯電させる。
また、現像装置22においては、感光体ドラム51の周囲に現像ローラ55が配設されている。この現像ローラ55は、導電性の金属シャフトにシリコン等の半導電性ゴムがロール状に形成されたものであり、高圧電源2によって正電圧又は負電圧が印加されることにより、接触した感光体ドラム51上に形成された静電潜像を各色の現像剤によって現像する。また、現像ローラ55の周囲には、現像剤収容器21から供給される現像剤を攪拌する攪拌部材56が配設されている。この攪拌部材56は、感光体駆動ギア53の回転駆動力が伝達された攪拌部材駆動ギア57が回転駆動することにより、現像ローラ55に現像剤を円滑に供給するために駆動する。
さらに、現像装置22においては、感光体ドラム51の周囲に、当該感光体ドラム51と接触させてクリーニング部58が配設されている。このクリーニング部58は、転写されずに感光体ドラム51の表面に残存する現像剤を掻き取ることによって除去する。
さらにまた、現像装置22は、当該現像装置22の内部の現像剤量を検出する検出部59を有する。この検出部59は、発光体59aと、この発光体59aを支持する基板59bとからなり、接続部60を介して画像形成装置1の本体側の制御部61から発光体59aの点灯を指示する点灯信号と電力の供給を受け、画像形成動作中、発光体59aを点灯させる。ここで、検出部59と制御部61との接続について、図4及び図5を用いて説明する。制御部61の基板61b上には、内部回路に接続される導電性を有する突出部61cが設けられている。また、検出部59の基板59b上には、内部回路に接続される導電性を有する突出部59cが設けられている。これら検出部59と制御部61とを接続する接続部60は、バネによって基板61bとは反対の方向に付勢されており、図4に示す非接続状態においては、接続部60と突出部61cとが離間した状態にある。画像形成装置1に現像装置22を装着した場合には、図5に示すように、突出部59cによって接続部60が制御部61の側に押し出され、接続部60と突出部61cとが当接される。これにより、画像形成装置1においては、検出部59と制御部61とが電気的に導通し、制御部61から検出部59に点灯信号及び電力が供給されるようになる。画像形成装置1においては、このような検出部59の発光体59aからの照射光を制御部61の受光体61aによって受光することにより、後述するように、現像装置22の内部の現像剤量を検出することができる。
また、現像装置22は、図2に示すように、発光体59aからの照射光を遮光する遮光体62を有する。この遮光体62は、攪拌部材56の一端に設けられ、感光体駆動ギア53の回転駆動力が伝達された攪拌部材駆動ギア57が回転駆動することにより、当該攪拌部材56の回転周期と同一の回転周期で周回するように配設されている。また、遮光体62は、その周回軌道の一部が、検出部59における発光体59aと制御部61における受光体61aとを結ぶ光軸に重なるように配設されており、当該光軸上に当該遮光体62が位置するとき、発光体59aから受光体61aへの照射光を遮光する。ここで、遮光体62は、例えば図6に示すように、その遮光面が現像装置22に穿設された開口部63よりも大きく形成されているとともに、開口部63の近傍に配設されていることから、遮光位置にあるとき、発光体59aからの照射光を現像装置22の外部に漏らすことがない。
さらに、現像装置22は、図2及び図3に示すように、検出部59における発光体59aからの照射光を感光体ドラム51の表面に導光する導光管64を有する。この導光管64は、例えば透明プリズム等の透光性に優れた素材からなり、図3、図7及び図8に示すように、感光体ドラム51の表面長手方向に沿うように配設されている。このような導光管64の一端は、検出部59における基板59bに取り付けられており、発光体59aからの照射光は、導光管64の端部に形成された導光部64aから当該導光管64の内部へと導光される。また、導光管64の屈曲部には、反射部65a,65bが設けられており、導光管64の内部に導光された光は、反射部65a,65bによって反射屈折され、感光体ドラム51の表面に対向する直線部分、すなわち、照射部64bへと導光される。さらに、照射部64bの感光体ドラム51に対向する面の反対面には、当該照射部64bの全域にわたって拡散反射部65cが設けられている。これにより、照射部64bに導光された光は、拡散反射部65cによって散光拡散され、感光体ドラム51に対向する面から当該感光体ドラム51の表面に対して均一に照射される。このようにして照射部64bから感光体ドラム51に照射された光は、転写後に感光体ドラム51の表面に残存した残留電荷を除電する除電光として使用される。すなわち、導光管64は、感光体ドラム51に対する除電器として機能することになる。なお、反射部65a,65b、及び拡散反射部65cは、例えば板状の反射板や薄膜状の反射膜を導光管64に貼付することによって構成することができる。
現像装置22は、このような感光体ドラム51、帯電ローラ54、現像ローラ55、攪拌部材56、クリーニング部58、検出部59、遮光体62、及び導光管64が一体化されて構成される。
つぎに、このような画像形成装置1における制御系の構成について説明する。画像形成装置1は、図9に示すような制御系の制御のもとに動作する。すなわち、画像形成装置1は、当該画像形成装置1の全体を制御する制御部61と、露光器23を制御する露光器制御部71と、現像装置22に印加する電圧を制御する現像電圧制御部72と、転写ローラ16に印加する電圧を制御する転写電圧制御部73と、定着部30を制御する定着制御部74と、駆動モータ52を制御するモータ制御部75と、各種情報を表示する表示部76とを有する。
制御部61は、図示しない上位装置から印刷データ及び制御コマンドを受信し、印刷データを印刷可能なイメージデータに変換するとともに、当該画像形成装置1の全体をシーケンス制御する。また、制御部61は、受光体61aによって現像装置22における発光体59aからの照射光を光信号として受光し、この光信号に基づいて、現像装置22の内部の現像剤量を判断する。
露光器制御部71は、イメージデータを所定のタイミングで露光器23に送信することにより、感光体ドラム51の表面を露光させ、静電潜像を形成させる。
現像電圧制御部72は、高圧電源2から供給される電力を制御することにより、現像装置22を構成する各部、すなわち、帯電ローラ54や現像ローラ55に印加する電圧を制御する。また、現像装置22における検出部59は、制御部61から発光体59aを点灯させるための点灯信号を受信し、発光体59aを点灯させる。
転写電圧制御部73は、高圧電源2から供給される電力を制御することにより、転写ローラ16に印加する電圧を制御する。
定着制御部74は、定着部30の内部に設けられたサーミスタによって検出された温度に基づいて、低圧電源3から供給される電力を制御することにより、加熱ローラ31の内部に埋設されているハロゲンランプに印加する電圧をオン/オフ制御する。
モータ制御部75は、高圧電源2から供給される電力を制御することにより、駆動モータ52の駆動を制御する。
表示部76は、例えばステータス情報やエラー情報といった当該画像形成装置1における各種情報を表示する。
画像形成装置1は、このような制御系によって制御され、画像形成動作を行う。
つぎに、上述した現像装置22における発光体59a、及び制御部61における受光体61aを含む回路構成について、図10を用いて説明する。
制御部61は、ベース端子にバッファBF1が接続されたトランジスタTr1と、このトランジスタTr1のコレクタ端子に接続された抵抗器R1がベース端子に接続されたトランジスタTr2とを有する。トランジスタTr1のエミッタ端子には、0Vの電源が印加される。また、トランジスタTr2のエミッタ端子には、5Vの電源が印加され、コレクタ端子には、抵抗器R2が接続されている。このような制御部61においては、図示しない信号生成回路によって生成された点灯信号を、バッファBF1を介してトランジスタTr1に供給することにより、トランジスタTr1,Tr2を順次オン状態とする。トランジスタTr2がオン状態となると、5Vの電源から抵抗器R2によって制限される電流が接続部60を介して発光体59aに流れ、当該発光体59aが点灯する。なお、発光体59aから照射される光は、上述したように、感光体ドラム51に対する除電光として利用されるため、その特性としては、除電が適切に行われるものである必要があり、例えば、波長が740nm、光量が5μJ/cm2のものが望ましい。
一方、受光側においては、発光体59aから照射された光を、例えば光電変換素子であるフォトトランジスタ等の受光体61aによって受光する。受光体61aは、受光した光の強度に応じた電流を流すため、その光の強度に応じて、電流値と抵抗器R3とで定まる出力電圧VOのレベルが変化する。そこで、制御部61は、レベル判定回路61dを設け、出力電圧VOと予め設定された閾値電圧VTHとを比較し、出力電圧VOが閾値電圧VTHよりも大きい場合には、出力信号として"1"(ハイレベル)を出力する。一方、図10に示すように、発光体59aと受光体61aとを結ぶ光軸上に遮光体62が位置する場合には、受光体61aには光が到達しないため、受光体61aには電流が流れず、出力電圧VOは略0Vとなる。この場合、レベル判定回路61dは、出力電圧VOが閾値電圧VTHよりも小さいことから、出力信号として"0"(ローレベル)を出力する。なお、閾値電圧VTHは、予め実験により、除電に必要な下限の光量の光を受光体61aに照射し、その際に流れる実際の電流値に基づいて設定される。
画像形成装置1は、このような回路構成を備えることにより、現像装置22における発光体59aからの照射光を利用した感光体ドラム51の除電を行う。
つぎに、現像装置22の内部の現像剤量の検出原理について説明する。
画像形成装置1においては、図11(a)及び図11(b)に示すように、攪拌部材56の攪拌部56aが回転軌道の最下位点にある状態で、遮光体62が発光体59aと受光体61aとを結ぶ光軸上に位置する。すなわち、この状態において、遮光体62は、発光体59aから受光体61aへの照射光を遮光する位置にある。画像形成装置1においては、この状態から、攪拌部材駆動ギア57に設けられた突起部57aが攪拌部材56に当接して押し出すことにより、図11(b)中矢印で示すように、攪拌部材56及び遮光体62を時計回りに回転させる。
また、画像形成装置1においては、図12(a)及び図12(b)に示すように、突起部57aが攪拌部材56を押し出して遮光体62が周回軌道の最下位点に到達した場合には、攪拌部材56の攪拌部56aが回転軌道の最上位点に位置する。ここで、攪拌部材56は、攪拌部材駆動ギア57に対して自由に回動可能に構成されているため、画像形成装置1においては、攪拌部56aが最上位点を通過した時点で、攪拌部材56と突起部57aとの係合が外れ、攪拌部56aが下方に向かって自由落下することになる。
下方に向かって自由落下した攪拌部56aは、図13(a)及び図13(b)に示すように、現像装置22の内部に堆積している現像剤の表面に接触した時点で、その自由落下による回転が停止される。一方、突起部57aは、攪拌部材駆動ギア57の回転速度で周回し、攪拌部56aの回転停止から所定時間経過後に、再度攪拌部材56と係合する。その後、攪拌部材56は、突起部57aによって押し出されて時計回りに回転を開始し、攪拌部56aが回転軌道の最上位点に到達すると、再度、攪拌部56aが下方に向かって自由落下する。画像形成装置1においては、このような動作を繰り返し行うことになる。
ここで、攪拌部56aは、上述したように、現像装置22の内部に堆積している現像剤の表面に接触した時点で、その自由落下による回転が停止される。換言すれば、攪拌部56aが自由落下を停止する位置は、現像装置22の内部の現像剤量に応じて変化する。ここで、図14(a)に示すように、現像装置22の内部の現像剤量が少ない場合を想定すると、攪拌部56aは、図12(a)に示した最上位点から図14(b)に示す最下位点へと一気に落下することになる。このように、攪拌部56aが最下位点にある状態においては、上述したように、遮光体62は、発光体59aから受光体61aへの照射光を遮光する位置にある。そして、かかる遮光状態は、攪拌部材56と突起部57aとが再度係合するまで維持されることになる。したがって、画像形成装置1においては、図14(a)に示すように、現像装置22の内部の現像剤量が少ない場合には、攪拌部材56の回転の一周期内で遮光時間が最も長くなることになる。
図15に、現像装置22の内部の現像剤量とレベル判定回路61dからの出力信号との関係を示す。同図(a)は、現像装置22の内部に現像剤が十分にある場合を示し、同図(b)は、現像装置22の内部の現像剤が不足している場合を示している。
画像形成装置1においては、上述したように、現像装置22の内部に現像剤が十分にある場合には、現像剤の表面で攪拌部56aの自由落下による回転が停止される。この場合、遮光体62は、図13(a)及び図13(b)に示すように、発光体59aから受光体61aへの照射光を遮光しない位置にある。そして、遮光体62による遮光は、攪拌部材56が突起部57aに押し出されて攪拌部56aが最下位点に到達した時点ではじめて行われる。そのため、攪拌部材56の回転周期をTcとし、照射光の透光時間をtaとし、照射光の遮光時間をtbとすると、図15(a)に示すように、回転周期Tcにおける透光時間taと遮光時間tbとの比、すなわち、デューティ比(tb/ta)は小さくなる。
一方、画像形成装置1においては、現像装置22の内部に現像剤が不足している場合には、攪拌部56aが最上位点から最下位点へと一気に落下することから、遮光体62は、図14(a)及び図14(b)に示すように、発光体59aから受光体61aへの照射光を遮光する位置にある。そして、かかる遮光状態は、攪拌部材56と突起部57aとが再度係合するまで維持される。突起部57aの周回速度は、攪拌部材駆動ギア57の回転速度と同一であり、攪拌部56aの自由落下の速度よりも遅い。そのため、攪拌部56aが自由落下を開始してから再度突起部57aと係合するまでの時間は、現像装置22の内部に現像剤が十分にある場合よりも長くなる。すなわち、現像剤が不足している場合における遮光時間は、現像剤が十分にある場合における遮光時間よりも長くなる。したがって、図15(b)に示すように、デューティ比(tb/ta)は、現像剤が十分にある場合におけるデューティ比よりも大きくなる。
このように、画像形成装置1においては、攪拌部材56の回転周期における照射光の透光時間と遮光時間とのデューティ比(tb/ta)を求めることにより、現像装置22の内部の現像剤量を検出することができる。
さて、このような画像形成装置1は、以下のように動作する。図16に、画像形成装置1の動作を示すタイムチャートを示す。なお、ここでは、現像装置22の内部に十分な量の現像剤があるものとして説明する。
画像形成装置1は、上位装置から印刷データ及び制御コマンドを受信すると、時刻t1で画像形成動作を開始する。また、画像形成装置1は、この画像形成動作の開始と同時に、駆動モータ52の回転を開始し、これにより、感光体ドラム51、帯電ローラ54、現像ローラ55、攪拌部材56等の回転を開始する。画像形成装置1は、画像形成動作の間、公知の帯電、露光、現像、定着の一連のプロセスを行い、記録用紙Pに画像を形成する。
また、画像形成装置1は、画像形成動作の開始と同時に、制御部61から検出部59に対して点灯信号を送信し、発光体59aの発光を開始する。ここで、現像装置22の内部の攪拌部材56及び遮光体62は、上述したように、画像形成動作の間、所定の周期Tcで回転しており、制御部61は、遮光体62による照射光の遮光時間に基づいて、現像装置22の内部の現像剤量を監視している。
発光体59aが発光を開始すると、その照射光は、導光部64aから導光管64の内部へと導光される。そして、導光管64の内部に導光された光は、上述したように、反射部65a,65bによって反射屈折されて照射部64bへと導光され、感光体ドラム51の表面に除電光として照射される。
ここで、時刻t2において発光体59aの発光不良が発生した場合を想定する。かかる発光不良としては、発光体59a自体の破損や配線の断線等によって当該発光体59aから光が全く照射されない場合と、発光体59aの寿命等によって当該発光体59aからの照射光の光量が低下する場合とが想定される。
まず、発光体59aから光が全く照射されない場合を想定する。この場合、時刻t2からはじまる攪拌部材56の各回転周期Tc1〜Tc3においては、遮光体62の動作にかかわらず、出力電圧VOが常に0Vとなる。これにより、レベル判定回路61dからの出力信号も常にローレベルとなる。制御部61は、ローレベルのみの出力信号が得られる回転周期が所定回数(ここでは3周期、時刻t3)継続した場合には、発光体59aに異常が発生したものと判断し、当該発光体59aの不良発生を報知するエラーメッセージを表示部76に表示させ、画像形成動作を停止する。ここで、発光体59aから光が全く照射されないということは、その照射光を用いる除電動作も行われないことを意味する。したがって、画像形成装置1においては、発光体59aの異常を判断することにより、除電器としての機能の異常も同時に検出することができる。
つぎに、発光体59aからの照射光の光量が低下した場合を想定する。この場合、時刻t2からはじまる攪拌部材56の各回転周期Tc1〜Tc3においては、遮光体62の動作に同期して出力電圧VOは出力されるものの、そのレベルは、閾値電圧VTHよりも低い。これにより、レベル判定回路61dからの出力信号も常にローレベルとなる。制御部61は、発光体59aから光が全く照射されない場合と同様に、ローレベルのみの出力信号が得られる回転周期が所定回数継続した場合には、発光体59aに異常が発生したものと判断し、当該発光体59aの不良発生を報知するエラーメッセージを表示部76に表示させ、画像形成動作を停止する。したがって、画像形成装置1においては、発光体59aからの照射光の光量が低下した場合にも、発光体59aの異常を判断することにより、除電器としての機能の異常も同時に検出することができる。
画像形成装置1は、このようなタイミングで動作し、発光体59aからの照射光に基づいて、現像装置22の内部の現像剤量を検出するとともに、感光体ドラム51の表面を除電し、さらに、発光体59aの異常を判断することにより、除電器としての機能の異常も同時に検出することができる。
つぎに、図17、図18(a)及び図18(b)を用いて、画像形成装置1の変形例について説明する。この画像形成装置1の変形例は、上述したように、未使用の現像剤量を検出するために用いるための照射光を除電光として利用するのではなく、使用済現像剤量の検出に用いるための照射光を除電光として利用するものである。
現像装置22'に対して脱着される現像剤収容器21'は、図17に示すように、使用済現像剤を収容する使用済現像剤収容部81と、未使用現像剤を収容する未使用現像剤収容部82とに大別されて構成される。現像装置22'は、クリーニング部58によって感光体ドラム51の表面から掻き取られた使用済現像剤を、搬送ダクト83を介して使用済現像剤収容部81に搬送するように構成される。
現像剤収容器21'の内部には、使用済現像剤収容部81の内部から未使用現像剤収容部82の内部を通って当該現像剤収容器21'の外部に延在する現像剤量検出シャフト84が、当該現像剤収容器21'に対して回動自在に設けられている。また、使用済現像剤収容部81の内部に位置する現像剤量検出シャフト84の一端には、現像剤量検出板85が設けられており、現像剤収容器21'の外部に位置する他端には、当該現像剤量検出シャフト84の長手方向に対して所定の角度を有して反射板86が設けられている。
また、現像剤量検出シャフト84の延長線上であって反射板86に対向する画像形成装置1の本体側の基板61b上には、受光体61aが設けられている。したがって、発光体59aからの照射光は、反射板86によって受光体61aの方向に反射され、当該受光体61aによって受光される。
さらに、現像装置22'は、発光体59aの下方に、上述した導光管64を有する。これにより、発光体59aからの照射光は、導光部64aから導光管64の内部へと導光され、照射部64bに導光された光は、感光体ドラム51の表面に対して均一に照射される。すなわち、導光管64は、感光体ドラム51に対する除電器として機能し、発光体59aからの照射光は、転写後に感光体ドラム51の表面に残存した残留電荷を除電する除電光として使用される。
このような現像剤収容器21'及び現像装置22'が脱着される画像形成装置1は、以下のような原理にしたがって、使用済現像剤収容部81の内部の現像剤量を検出する。
図18(a)に、使用済現像剤収容部81の内部の使用済現像剤量が少ない場合における現像剤量検出板85及び反射板86の動作を示し、図18(b)に、使用済現像剤収容部81の内部の使用済現像剤量が多い場合における現像剤量検出板85及び反射板86の動作を示す。
図18(a)に示すように、使用済現像剤収容部81の内部の使用済現像剤量が少ない場合には、現像剤量検出板85は、その自重により、現像剤量検出シャフト84に当接する端部を最上位として鉛直方向に垂下した状態となっている。このとき、反射板86は、その背面部を発光体59aの側に向けた状態となっている。したがって、発光体59aからの照射光は、当該発光体59aの背面部で散乱又は吸収され、受光体61aに到達することはない。
一方、図18(b)に示すように、使用済現像剤収容部81の内部の使用済現像剤量が増えてくると、現像剤量検出板85は、当該使用済現像剤収容部81の内部に堆積している使用済現像剤の表面に接触し、現像剤量検出シャフト84を中心として回転を開始する。また、反射板86も、現像剤量検出シャフト84の回転に応じて回転を開始する。そして、反射板86は、使用済現像剤量の表面が現像剤量検出シャフト84の高さと略同じ高さにまで到達すると、その反射面を発光体59aの側に向けた状態となる。これにより、発光体59aからの照射光は、反射板86によって受光体61aの方向に反射され、当該受光体61aによって受光される。そして、受光体61aによって受光された光は、先に図10に示した回路によって出力信号に変換され、使用済現像剤収容部81の内部の使用済現像剤が満杯になった旨が検出される。
このように、画像形成装置1においては、使用済現像剤量の検出に用いるための発光体59aからの照射光を除電光として利用することもできる。なお、このような構成は、上述した未使用現像剤量を検出するために用いるための照射光を除電光として利用する構成と容易に組み合わせることもできる。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態として示す画像形成装置1においては、現像装置22や使用済現像剤収容部81の内部の現像剤量を検出するために設けられた検出部59の発光体59aと除電器としての発光体とを1つに兼ね備えることにより、除電器専用の発光体を設ける必要がなく、安価且つ省スペース化を図ることができる。また、この画像形成装置1においては、発光体59aの異常を判断することにより、除電器としての機能の異常も容易に検出することができる。
つぎに、第2の実施の形態として示す画像形成装置について説明する。
この第2の実施の形態として示す画像形成装置は、第1の実施の形態として示した画像形成装置における導光管の導光部が集光レンズ構造を有するものである。したがって、この第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の説明と同様の構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
画像形成装置1における現像装置22は、図19に示すように、検出部59における発光体59aからの照射光を感光体ドラム51の表面に導光する導光管64を有する。この導光管64は、感光体ドラム51の表面長手方向に沿うように配設されており、発光体59aからの照射光は、導光部64a'から導光管64の内部へと導光される。
ここで、導光部64a'は、集光レンズ構造を有する。この集光レンズの焦点は、導光管64の屈曲部に位置する先に図8に示した反射部65aの表面に設定されている。このような導光部64a'を介して導光管64の内部に導光された光は、反射部65a,65bによって反射屈折されて照射部64bへと導光され、感光体ドラム51の表面に対して均一に照射されることにより、転写後に感光体ドラム51の表面に残存した残留電荷を除電する除電光として使用される。
このような導光管64を有する現像装置22において、発光体59aからの照射光は、放射状に拡散しながら導光管64へと到達する。ここで、第1の実施の形態にて示したように、例えばプリズム等の素材を切り出しただけの切削面を有する導光部64aを介して導光管64の内部に導光する場合には、発光体59aからの照射光は、図20(a)に示すように、導光部64aに対して垂直方向の成分のみの光を反射部65aの表面に集光するように偏光されるが、導光部64aに対して垂直方向の成分以外の成分の光は、殆ど反射部65aの表面に導光することができない。これに対して、集光レンズ構造を有する導光部64a'を介して導光管64の内部に導光する場合には、発光体59aからの照射光は、図20(b)に示すように、集光レンズの焦点とされる反射部65aの表面に集光するように偏光される。
そのため、現像装置22においては、反射部65aの表面に所定光量の光を照射するためには、導光部64aよりも導光部64a'を用いた場合の方が、発光体59aによる照射量が少なくて済むことになる。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態として示す画像形成装置1においては、導光管64の導光部64a'を、集光レンズ構造を有するものとすることにより、素材を切り出しただけの切削面を有する導光部に比べて大幅に集光能力を高めることができる。そのため、この画像形成装置1においては、発光体59aへの電力供給を抑制しても所定光量の確保を実現することができ、換言すれば、発光体59aへの電力供給を抑制することができるため、消費電力の低減を図ることができる。
つぎに、第3の実施の形態として示す画像形成装置について説明する。
この第3の実施の形態として示す画像形成装置は、第2の実施の形態として示した画像形成装置における発光体の周囲に集光反射体を設けたものである。したがって、この第3の実施の形態の説明においては、第2の実施の形態の説明と同様の構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
画像形成装置1における現像装置22は、図21に示すように、検出部59における発光体59aの周囲に、集光した光を反射する集光反射体90を有する。この集光反射体90は、発光体59aから放射状に発光された光のうち、導光部64a'の方向とは異なる方向に照射された光を当該導光部64a'に向けて反射偏光し、当該導光部64a'の表面に焦点を結ぶように配設されている。
このような集光反射体90を有する現像装置22において、発光体59aからの照射光は、放射状に拡散しながら導光管64へと到達する。そのため、発光体59aからの照射光は、導光部64a'の方向とは異なる方向にも及ぶ。ここで、現像装置22においては、集光反射体90を有しない場合には、導光部64a'と発光体59aとを結ぶ領域に照射された光のみが導光管64の内部へと導光され、当該領域外に照射された光は、導光管64の内部へと導光されず、反射部65aにも到達しない。これに対して、現像装置22においては、集光反射体90を有することにより、導光部64a'と発光体59aとを結ぶ領域に照射された光に加え、集光反射体90と発光体59aとを結ぶ領域に照射された光も導光管64の内部へと導光される。
したがって、現像装置22においては、反射部65aの表面に所定光量の光を照射するためには、集光反射体90を有する場合の方が、発光体59aによる照射量が少なくて済むことになる。
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態として示す画像形成装置1においては、集光反射体90を設けることにより、導光部64a'の方向とは異なる方向に照射された光も導光管64の内部へと導光することができるため、集光反射体90を設けない場合に比べて大幅に集光能力を高めることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、現像剤収容器21,21'が現像装置22,22'に対して脱着可能であるものとして説明したが、本発明は、現像剤収容器21,21'が現像装置22,22'に対して脱着不可能であっても適用することができる。
また、上述した実施の形態では、発光体59aを現像装置22,22'の側に設けるとともに、受光体61aを画像形成装置1の本体側に設けるものとして説明したが、本発明においては、発光体59aからの照射光を感光体ドラム51の表面に対して照射するための導光管64を設けることができるのであれば、これら発光体59a及び受光体61aの配設位置に拘泥するものではない。そのため、本発明においては、例えば、これら発光体59a及び受光体61aがともに現像装置22,22'の側に設けられていてもよく、また、画像形成装置1の本体側に設けられていてもよく、さらには、発光体59aが画像形成装置1の本体側に設けられるとともに、受光体61aが現像装置22,22'の側に設けられていてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、発光体59aからの照射光の光路を明確化するために、導光管64が透明プリズム等の透光性に優れた素材からなるものとして説明したが、本発明においては、感光体ドラム51の表面に対向する直線部分、すなわち、照射部64bのみを透光性に優れた素材からなるものとし、導光部64a,64a'から照射部64bまでの経路を、光ファイバケーブル等を介して接続してもよく、また、導光管64の全てを、光ファイバケーブル等を用いて構成してもよい。
さらにまた、上述した実施の形態では、画像形成プロセス的に転写後であって帯電前の間に導光管64を配設して除電するものとして説明したが、本発明においては、画像形成プロセス的に任意のプロセスの途中に導光管64を配設して除電してもよい。
また、上述した実施の形態では、所定の記録用紙に現像剤を用いて画像を形成する画像形成装置を用いて説明したが、本発明は、画像形成を行う機器であればいかなるものであっても適用することができ、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写機、又は他の機能を複合的に備える装置に適用して好適である。
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。