JP4910986B2 - スノーフェード発生を持続的に推定してスノーフェード解消制御を行う車輌 - Google Patents

スノーフェード発生を持続的に推定してスノーフェード解消制御を行う車輌 Download PDF

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本発明は、車輌が寒冷気候の下、特に降雪下にて駐車されている間に制動装置のディスクとパッドの間に侵入した水分がそこで氷結することや、雪道で車輌が運転される際に跳ね上げられた氷雪が制動装置のディスクとパッドの間に侵入すること等により、ディスクとパッドの間の摩擦係数が低下して制動力が低下してくる現象(以下これを「スノーフェード」と称する)を解消する制御に係る。
外気温度が設定値以下であり、ブレーキシリンダの液圧の増加に伴って減速度が増加しないこと等により、スノーフェードが生じたと判断し、ブレーキシリンダの液圧を振動的に増減させ、ブレーキディスクとブレーキパッドの接触と離間を繰り返すことによりスノーフェードを解消することが下記の特許文献1に記載されている。
特開2003-11800
ブレーキディスクとブレーキパッドの間に氷滴が挟まれることによるその間の摩擦係数の低下は、ブレーキディスクにブレーキパッドを押し付けることとブレーキディスクよりブレーキパッドを引き離すこととを周期的に繰り返し、或いはブレーキディスクにブレーキパッドを一時的に強く押し付けるよう制動装置のサーボゲインを臨時に増大させる如きスノーフェード解消制御により、氷滴が砕かれ、溶融して水となって、ブレーキディスクとブレーキパッドの間の挟圧部より排出されることにより回復する。スノーフェードの発生は、気温がスノーフェードの発生を来たすような所定の温度以下であって、制動装置の作動に対する車輪の回転の減速度が所定の度合を越えて低下することによって推定されるが、スノーフェード解消制御を実行すべき車輪回転の減速度の低下の度合をどの程度に設定するかにつては困難な問題がある。
即ち、スノーフェード解消制御を実行すべき車輪回転の減速度の低下の度合が小さく設定されれば、スノーフェードは軽度のうちに解消されるが、スノーフェード発生の推定確度が低下し、不必要にスノーフェード解消制御が実行され、制動装置の作動の安定性が損なわれる虞れがある。しかし、スノーフェード解消制御を実行すべき車輪回転の減速度の低下の度合が大きく設定されれば、スノーフェード発生の推定確度は上がるが、スノーフェードによる制動力の一時低下の度合は大きくなり、制動能力が損なわれる虞れがある。
本発明は、スノーフェード解消制御に関する上記の問題に対処し、スノーフェード解消制御を実行すべきスノーフェードの発生度合を的確に把握してスノーフェード解消制御を実行することができる車輌を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するものとして、本発明は、制動装置にスノーフェードが生じたことに対しスノーフェード解消制御を行うようになっている車輌に於いて、気温が所定の温度以下であって、制動装置の作動に対する車輪の回転の減速度がスノーフェードの発生を推定させる所定の度合を越えて低下した状態が所定の第一の時間以上持続したことを確認して、当該車輪に対して前記スノーフェード解消制御を行うようになっていることを特徴とする車輌を提案するものである。
車輪が非駆動輪であるときには、前記のスノーフェードの発生を推定させる車輪回転の減速度の低下の所定の度合は当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に所定の第一の係数を乗じた値とされていてよく、また車輪が駆動輪であるときには、前記のスノーフェードの発生を推定させる車輪回転の減速度の低下の所定の度合は当該車輪に作用するエンジンブレーキによる減速度と当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に所定の第一の係数を乗じた値の和とされてよい。
前記第一の時間は該第一の時間の開始時の外気温度が低い程短くされてよく、また前記の第一の時間は該第一の時間の開始に先立つ前回のスノーフェード発生時からの経過時間が短い程短くされてよい。
前輪についてのスノーフェードの発生の推定における前記の第一の時間はそのとき後輪についてもスノーフェードの発生が推定されているときには後輪についてはスノーフェードの発生が推定されていないときに比して短くされてよく、また後輪についてのスノーフェードの発生の推定における前記の第一の時間はそのとき前輪についてもスノーフェードの発生が推定されているときには前輪についてはスノーフェードの発生が推定されていないときに比して短くされてよい。
前記スノーフェード解消制御が実行されている車輪の回転の減速度がスノーフェードの解消を推定させる所定の度合を越えて回復した状態が所定の第二の時間以上持続したことを確認して、当該車輪に対する前記スノーフェード解消制御を解除するようになっていてよい。この場合にも、車輪が非駆動輪であるときには、前記のスノーフェードの解消を推定させる車輪回転の減速度の回復の所定の度合は当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に前記第一の係数より大きい所定の第二の係数を乗じた値とされ、また車輪が駆動輪であるときには、前記のスノーフェードの解消を推定させる車輪回転の減速度の回復の所定の度合は当該車輪に作用するエンジンブレーキによる減速度と当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に所定の第二の係数を乗じた値の和とされてよい。
前記スノーフェード解消制御は、左右の前輪のいずれか一方に対して実行すべきと判断されたとき左右の前輪に対して実行されるようになっていてよく、また左右の後輪のいずれか一方に対して実行すべきと判断されたとき左右の後輪に対して実行されるようになっていてよい。。
上記の如く、制動装置にスノーフェードが生じたことに対しスノーフェード解消制御を行うようになっている車輌に於いて、気温が所定の温度以下であって、制動装置の作動に対する車輪の回転の減速度がスノーフェードの発生を推定させる所定の度合を越えて低下した状態が所定の第一の時間以上持続したことを確認して、当該車輪に対して前記スノーフェード解消制御を行うようになっていれば、スノーフェードの発生を推定させる制動装置の作動に対する車輪回転の減速度の低下の度合を小さくしても、それが持続する前記第一の時間を適当に設定することにより、スノーフェード発生の推定確度を上げることができる。
車輪が非駆動輪であるときには、前記のスノーフェードの発生を推定させる車輪回転の減速度の低下の所定の度合が当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に所定の第一の係数を乗じた値とされることにより、ブレーキディスクとブレーキパッドの間の摩擦係数がスノーフェードにより低下する度合を直接的に把握してその判定閾値を設定することができる。また車輪が駆動輪であるときには、前記のスノーフェードの発生を推定させる車輪回転の減速度の低下の所定の度合が当該車輪に作用するエンジンブレーキによる減速度と当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に所定の第一の係数を乗じた値の和とされることにより、同じくブレーキディスクとブレーキパッドの間の摩擦係数がスノーフェードにより低下する度合を直接的に把握してその判定閾値を設定することができる。
前記第一の時間が該第一の時間の開始時の外気温度が低い程短くされれば、外気温度がスノーフェードの発生を来たすような低温の範囲にあっても、更にその低温の度合に応じて、外気温度がより低い状態ではそれがより高い状態に於けるよりもスノーフェードの推定を確認するための時間を短くしても推定の確度を確保することができ、また逆に外気温度がより高い状態ではそれがより低い状態に於けるよりもスノーフェードの推定を確認するための時間を長くしてスノーフェードの推定に誤りが生ずることを回避することができる。
前記の第一の時間が該第一の時間の開始に先立つ前回のスノーフェード発生時からの経過時間が短い程短くされれば、スノーフェード発生の時間的間隔がより短く、スノーフェード発生の可能性がより高いときには、スノーフェード発生の時間的間隔がより長く、スノーフェード発生の可能性がより低いときよりスノーフェードの推定を確認するための時間を短くしても推定の確度を確保することができ、また逆にスノーフェード発生の時間的間隔がより長く、スノーフェード発生の可能性がより低いときには、スノーフェード発生の時間的間隔がより短く、スノーフェード発生の可能性がより高いときよりスノーフェードの推定を確認するための時間を長くとることにより、スノーフェードの推定に誤りが生ずることを回避することができる。
前輪についてのスノーフェードの発生の推定における前記の第一の時間がそのとき後輪についてもスノーフェードの発生が推定されているときには後輪についてはスノーフェードの発生が推定されていないときに比して短くされ、また後輪についてのスノーフェードの発生の推定における前記の第一の時間がそのとき前輪についてもスノーフェードの発生が推定されているときには前輪についてはスノーフェードの発生が推定されていないときに比して短くされれば、車輌の運行環境が前後輪の両方にスノーフェードを生じるような厳しい環境であるか、或はスノーフェードが前後輪のいずれが一方に半ば偶発的に生じるような緩やかな環境であるかを区別し、前者の場合には後者の場合よりスノーフェードの推定を確認するための時間を短くしてもスノーフェードの推定に高い確度を確保し、また逆に後者の場合には前者の場合よりスノーフェードの推定を確認するための時間を長くとることにより、スノーフェードの推定に誤りが生ずることを回避することができる。
スノーフェード解消制御が実行されている車輪の回転の減速度がスノーフェードの解消を推定させる所定の度合を越えて回復した状態が所定の第二の時間以上持続したことを確認して、当該車輪に対する前記スノーフェード解消制御を解除ようになっていれば、スノーフェード解消制御を解除するに当っての車輪回転の減速度の低下の度合を小さくしても、スノーフェード解消制御の解除時期の推定を誤りなく行うことができる。この場合にも、車輪が非駆動輪であるときには、前記のスノーフェードの解消を推定させる車輪回転の減速度の回復の所定の度合が当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に前記第一の係数より大きい所定の第二の係数を乗じた値とされ、また車輪が駆動輪であるときには、前記のスノーフェードの解消を推定させる車輪回転の減速度の回復の所定の度合が当該車輪に作用するエンジンブレーキによる減速度と当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に所定の第二の係数を乗じた値の和とされれば、ブレーキディスクとブレーキパッドの間の摩擦係数がスノーフェードにより低下する度合を直接的に把握してスノーフェード解消制御の解除時期を定めることができる。
スノーフェード解消制御が左右の前輪のいずれか一方に対して実行すべきと判断されたとき左右の前輪に対して実行され、また左右の後輪のいずれか一方に対して実行すべきと判断されたとき左右の後輪に対して行われるようになっていれば、車輌の走行挙動を損なうことなくスノーフェード解消制御を実行することができる。
図1は、本発明による車輌の制動装置を油圧式の制動装置として実施した場合の一例を示す油圧回路図である。但し、本発明は車輌の制動装置の作動に関するソフト的構成にその要旨を有しているので、図1に表れているハード的構成そのものは公知のものである。10にて全体的に示された制動装置は、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキオイルを圧送するマスタシリンダ14を有している。ブレーキペダル12とマスタシリンダ14との間にはドライストロークシミュレータ16が設けられている。
マスタシリンダ14は第一のマスタシリンダ室14Aと第二のマスタシリンダ室14Bとを有し、これらのマスタシリンダ室にはそれぞれ左前輪用の油圧導管18Aおよび右前輪用の油圧導管18Bの一端が接続されている。油圧導管18Aおよび18Bの他端にはそれぞれ左前輪および右前輪に制動力を発生するためのホイールシリンダ20FLおよび20FRが接続されている。
油圧導管18Aおよび18Bの途中にはそれぞれ常開型の電磁開閉弁(マスタカット弁)22Lおよび22Rが設けられている。これらの電磁開閉弁22Lおよび22Rはそれぞれ第一のマスタシリンダ室14Aおよび第二のマスタシリンダ室14Bとこれらに対応するホイールシリンダ20FLおよび20FRとの連通を選択的に遮断する遮断弁として機能する。またマスタシリンダ14と電磁開閉弁22FLとの間のブレーキ油圧供給導管18Aには常閉型の電磁開閉弁24を介してウェットストロークシミュレータ26が接続されている。
マスタシリンダ14にはリザーバ28が接続されており、リザーバ28には送油導管30の一端が接続されている。送油導管30には電動機32により駆動されるオイルポンプ34が接続されており、オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36には加圧された油圧を蓄圧するアキュムレータ38が接続されている。送油導管30には油戻り導管40の一端が接続されている。リザーバ28、オイルポンプ34、アキュムレータ38等はホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RR内の圧力を増圧するための油圧源として機能する。
尚、図1には示されていないが、オイルポンプ34の吸入側の送油導管30と吐出側の油圧供給導管36とを連通接続する導管が設けられ、該導管の途中にはアキュムレータ38内の圧力が基準値を越えた場合に開弁し吐出側の油圧供給導管36より吸入側の送油導管30へ油を戻すリリーフ弁が設けられている。
オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36は、常閉型の電磁開閉弁42FLおよび油圧導管44FLを経てホイールシリンダ20FLと接続されている。同様に、オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36は、常閉型の電磁開閉弁42FRおよび油圧導管44FRを経てホイールシリンダ20FRと接続され、常閉型の電磁開閉弁42RLおよび油圧導管44RLを経てホイールシリンダ20RLと接続され、常閉型の電磁開閉弁42RRおよび油圧導管44RRを経てホイールシリンダ20RRと接続されている。
ホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RRは、またそれぞれ油圧導管44FL、44FR、44RL、44RRおよび常閉型の電磁開閉弁46FL、46FR、46RL、46RRを経て油戻り導管40に接続されている。
電磁開閉弁42FL、42FR、42RL、42RRはそれぞれホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RRに対する増圧弁(または油圧保持弁)として機能し、電磁開閉弁46FL、46FR、46RL、46RRはそれぞれホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RRに対する減圧弁(または油圧保持弁)として機能し、従ってこれらの電磁開閉弁は互いに共働してアキュムレータ38内の油圧源に基づいて各ホイールシリンダへ供給される油圧を個別に増減制御することができる。
常開型の電磁開閉弁22Lおよび22Rは、駆動電流が供給されない非制御モード時には開弁状態に維持され、常閉型の電磁開閉弁42FL、42FR、42RL、42RRおよび46FL、46FR、46RL、46RRは、駆動電流が供給されない非制御モード時には閉弁状態に維持される。また電磁開閉弁42FL、42FR、42RL、42RRおよび46FL、46FR、46RL、46RRの何れかが故障し、対応するホイールシリンダ内の圧力を正常に制御できなくなった場合には、これらの電磁開閉弁は非制御モードとされ、これにより左右前輪のホイールシリンダ内の圧力は直接マスタシリンダ14により制御される。
第一のマスタシリンダ室14Aと電磁開閉弁22Lとの間の油圧導管18Aには該油圧導管内の圧力を第一のマスタシリンダ圧力として検出する第一の油圧センサ48Aが設けられている。同様に第二のマスタシリンダ室14Bと電磁開閉弁22Rとの間の油圧導管18Bには該油圧導管内の圧力を第二のマスタシリンダ圧力として検出する第二の油圧センサ48Bが設けられている。ブレーキペダル12には運転者によるブレーキペダルの踏み込みストロークを検出するストロークセンサ50が設けられている。オイルポンプ34の吐出側の油圧供給導管36には該導管内の圧力をアキュムレータ圧力として検出する油圧センサ52が設けられている。ホイールシリンダ20FL、20FR、20RL、20RR内の圧力は、それぞれ油圧センサ54FL、54FR,54RL,54RRにより圧力Pbi(i=fl,fr,rl,rr)として検出されるようになっている。各車輪の回転速度は、それぞれ車輪速センサ56FL、56FR、56RL、56RRによりVwi(i=fl,fr,rl,rr)として検出されるようになっている。
電磁開閉弁22Lおよび22R、電磁開閉弁24、電動機32、電磁開閉弁42FL〜42RR、電磁開閉弁46FL〜46RRは、電子制御装置58により制御される。電子制御装置58はマイクロコンピュータ60と駆動回路62よりなっている。マイクロコンピュータ60には、外気温センサより外気温を示す信号、車速センサより車速を示す信号、油圧センサ48Aおよび48Bよりそれぞれ第一および第二のマスタシリンダ圧を示す信号、ストロークセンサ50よりブレーキペダル12の踏み込みストロークを示す信号、油圧センサ52よりアキュムレータ圧力を示す信号、油圧センサ54FL〜54RRよりそれぞれホイールシリンダ20FL〜20RR内の圧力Pbi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、車輪速センサ56FL、56FR、56RL、56RRより各車輪の回転速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される。
マイクロコンピュータ60は、制動制御ルーチンを記憶しており、ブレーキペダル12が踏み込まれると電磁開閉弁24を開弁すると共に、電磁開閉弁22Lおよび22Rを閉弁し、その状態にて油圧センサ48A、48Bにより検出されたマスタシリンダ圧Pma、Pmbおよびストロークセンサ50より検出された踏み込みストロークに基づき要求されている制動力を演算すると共にそれを前後左右の各輪に配分する配分比を演算し、ホイールシリンダ20FL〜20RRの各々に対する目標ホイールシリンダ圧力Pbti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各ホイールシリンダの圧力Pbi(i=fl、fr、rl、rr)が目標ホイールシリンダ圧力Ptiになるよう電磁開閉弁42FL〜42RRおよび46FL〜46RRを制御する。
尚、マイクロコンピュータ60には、その他に図には示されていないヨーレートセンサより車体のヨーレートを示す信号、前後加速度センサより車体の前後加速度を示す信号、横加速度センサより車体の横加速度を示す信号等が供給されており、クロコンピュータ60は同時にそれらの信号を参照して車輌の走行制御技術の分野に於いて種々提案されている制御態様にて車輌の走行支援制御を行い、その一環として本発明に係るスノーフェード発生を持続的に推定することに基づくスノーフェード解消制御を行う。
図2は、本発明によるスノーフェード解消制御をその一つの実施の形態について示すフローチャートである。かかるフローチャートに沿った制御は、車輌の運転中、クロコンピュータ60により他の車輌走行支援制御の実施の合間を縫って数十〜数百ミリセカンドの周期にて繰り返されてよい。
制御が開始されると、まずステップ(S)10にてマスタシリンダ圧Pma(第一のマスタシリンダ圧でも第二のマスタシリンダ圧でもよく、或いはこれらの平均値でもよい)が所定の圧力閾値Pbo以上であるか否かが判断される。これは、スノーフェードの発生を推定しまたそれを解消するスノーフェード解消制御を実行するのは、運転者がブレーキペダルを或る程度以上の深さまで踏み込んで制動装置が実質的に作動しているときに限られるためである。Pboはそのように制動装置が実質的に作動していることを判断する閾値である。答がイエス(Y)の時には、制御はステップ20へ進む。答がノー(N)のときには、制御は後述のステップ310へ進み、スノーフェード解消制御が実行中であれば、これを解除し、後述のフラグSfおよびSr、カウント値Cf,Cr,Ceが0にリセットされ、この回の制御はこれにて終了する。
ステップ20に於いては、外気温Taが制動装置にスノーフェードが生ずる虞のある低温の閾値、例えば摂氏0〜5度以下であるか否かが判断される。答がノーのときにはスノーフェード解消制御は必要ないので、この回の制御はこれにて終了する。この時にも制御はステップ310へ進む。
ステップ30に於いては、フラグSfが1であるか否かが判断される。フラグSfは車輌の運転開始による制御の開始時および制御が後述のステップ220または310に至ったときに0にリセットされ、制御が後述のステップ80に至ったとき1にセットされるものであるので、それまで答はノーである。従って、一先ず制御はステップ40へ進む。
ステップ40に於いては、左前輪の回転の減速度δflが左前輪の制動油圧Pflに所定の係数Kfsをかけた値Kfs・Pflより小さいか否かが判断される。尚、ここでは減速度は正の値として取り扱い、スノーフェードによりブレーキディスクとブレーキパッドの間の摩擦係数が下がったときには、車輪の減速度は小さくなる(下がる)ものとする。また今この車輌は後輪駆動車であり、前輪は非駆動輪であるとする。このKfsは左前輪の制動油圧がPflであるとき、左前輪に対するブレーキディスクとブレーキパッドの間の摩擦係数が正常な値にあれば、制動油圧Pflによる制動力によって左前輪に生ずるべき回転の減速度の値の下限値を求めるための係数である。この答がイエスであるときには、左前輪に対するブレーキディスクとブレーキパッドの間の摩擦係数が異常に低下している、即ちそれが低温下に於いて生じている異常であって、左前輪の制動装置にスノーフェードが生じていると推定する。答がノーのときには、制御はステップ50へ進むが、答がイエスの時には、制御はステップ60へ進む。
ステップ50に於いては、同様に、非駆動輪である右前輪の回転の減速度δfrが右前輪の制動油圧Pfrに前記の係数Kfsをかけた値Kfs・Pfrより小さいか否かが判断され、この答がイエスであるときには、右前輪の制動装置にスノーフェードが生じていると推定する。答がノーであれば、制御はステップ60〜80をバイパスするが、答がイエスの時には、制御はステップ60へ進む。
制御がステップ60に至ったことは、左前輪または右前輪の少なくとも一方にスノーフェードが生じていることを推定させるものであるが、ここで本発明においては、ステップ40またはステップ50の答が一度イエスとなっただけでスノーフェードが発生したと断定してスノーフェード解消制御を発動させるのではなく、ステップ40またはステップ50の答が所定の時間に亙ってイエスとなるか否かが確認される。即ち、ステップ60に於いては、マイクロコンピュータ60内に組み込まれたカウンタのカウント値Cfが所定のカウント値Cfoを越えたか否かが判断される。カウント値Cfは制御の開始時および制御が以下のステップ80または310に至ったとき0にリセットされ、以下のステップ70に於いて1ずつカウントアップされるものである。従って、当初はステップ60の答はノーであり、制御はステップ70へ進み、Cfが1だけカウントアップされる。こうして左前輪または右前輪の少なくとも一方にスノーフェードが生じたと推定させる状態が所定時間(Cfo☓フローのサイクルタイム)に亙って継続すると、ステップ60の答はノーからイエスに転じ、このとき制御はステップ80へ進み、フラグSfが1にセットされ、ここでカウント値
Cfは0にリセットされる。フラグSfが1にセットされると、以後ステップ40〜80はバイパスされる。カウント値Cfoは左前輪または右前輪の少なくとも一方にスノーフェードが生じたことを確認するための適当な値とされるが、このことについては更に図3および4を参照して後述する。
次いで制御はステップ90へ進み、フラグSrが1であるか否かが判断される。フラグSrは車輌の運転開始による制御の開始時および制御が後述のステップ300または310に至ったときに0にリセットされ、制御が後述のステップ140に至ったとき1にセットされるものであるので、それまで答はノーである。従って、一先ず制御はステップ100へ進む。
ステップ100に於いては、左後輪の回転の減速度δrlがKfs・Prl+Debより小さいか否かが判断される。前記の通り、今この車輌は後輪駆動車であるとされており、駆動輪である後輪には車輌の制動時にトランスミッションの切換え状態の如何によってエンジンブレーキが作用する。Debはエンジンとトランスミッションの作動状態から推定されるエンジンブレーキによる車輪減速度を考慮に入れるための値であり、係数Krsは、左後輪の回転の減速度δrlがエンジンブレーキによる減速度Debと制動装置に付与される制動油圧Prlに係数Krsを乗じた値の和以下であるとき、左後輪にスノーフェードが生じたと推定するための係数である。この答がノーであるときには制御はステップ120へ進む。
ステップ110に於いては、同様に、右後輪の回転の減速度δrrがKrs・Prr+Debより小さいか否かが判断され、答がノーであれば制御はステップ120〜140をバイパスして次のステップ150へ進むが、答がイエスであるときには、ステップ120に於いて同じくマイクロコンピュータ60内に組み込まれたカウンタのカウント値Crが所定のカウント値Croを越えたか否かが判断される。カウント値Crもまた制御の開始時および制御が以下のステップ140または310に至ったとき0にリセットされ、以下のステップ130に於いて1ずつカウントアップされるものである。従って、当初はステップ120の答はノーであり、制御はステップ130へ進み、Crが1だけカウントアップされる。こうして左後輪または右後輪の少なくとも一方にスノーフェードが生じたと推定させる状態が所定時間(Cro☓フローのサイクルタイム)に亙って継続すると、ステップ120の答はノーからイエスに転じ、このとき制御はステップ140へ進み、フラグSrが1にセットされ、ここでカウント値Crは0にリセットされる。フラグSrが1にセットされると、以後ステップ100〜140はバイパスされる。カウント値Croは左前輪または右前輪の少なくとも一方にスノーフェードが生じたことを確認するための適当な値とされるが、このことについても更に図3および4を参照して後述する。
ステップ150於いては、フラグSfが1であるか否かが判断される。制御が一度ステップ80に至った後ここに至ったときには、答はイエスであり、このとき制御はステップ160へ進む。
ステップ160に於いては、左前輪の回転の減速度δflが左前輪の制動油圧Pflに所定の係数Kfeをかけた値Kfe・Pflより小さいか否かが判断される。この係数Kfeは上記の係数Kfsより大きい値であって、スノーフェードが生じていると推定された左前輪に対するブレーキディスクとブレーキパッドの間の摩擦係数が、スノーフェード解消制御の実行によりスノーフェード解消制御を解除してもよい値まで回復したことを判断するための係数である。またステップ170に於いては、右前輪の回転の減速度δfrが右前輪の制動油圧Pfrに係数Kfeをかけた値Kfe・Pfrより小さいか否かが判断される。
上記の通り制御がステップ160に至るのはフラグSfが1にセットされることによるが、フラグSfをステップ80にて1にセットさせたのが、左前輪にスノーフェードが生じたこと、或いは右前輪にスノーフェードが生じたことのいずれによるとしても、或いはそのときスノーフェードは左右の前輪の両方に生じていたとしても、フラグSfが1となり、制御がステップ160へ進むようになって暫くは、少なくともステップ160かステップ170のいずれかの答がイエスであることにより、制御はステップ180へ進み、その間、左右両前輪に対しスノーフェード解消制御が行われる。スノーフェード解消制御は、上述の通り、ブレーキディスクにブレーキパッドを押し付けることとブレーキディスクよりブレーキパッドを引き離すこととを周期的に繰り返すこと、或いは制動装置のサーボゲインを臨時に増大させること、或いはこれら両方を適度に組合せることによって行われてよい。
こうしてスノーフェード解消制御が或る時間続けられると、スノーフェードを生じていたのが左前輪、右前輪、或いはその両方のいずれであっても、やがてスノーフェードの解消によりステップ160および170のいずれの答もノーとなるときが来る。このとき制御はステップ190へ進み、同じくマイクロコンピュータ60内に組み込まれたカウンタのカウント値Ceが所定のカウント値Ceoを越えたか否かが判断される。カウント値Ceは制御の開始時および制御が以下のステップ220または310に至ったとき0にリセットされ、以下のステップ200に於いて1ずつカウントアップされるものである。(尚、以下に記載の通り、便宜上、カウント値Ceは前輪に対するスノーフェード解消制御の解除および前輪に対するスノーフェード解消制御の解除に共通に使用されている。)いずれにしても、当初はステップ190の答はノーであり、制御はステップ200へ進み、Ceが1だけカウントアップされる。こうして左前輪および右前輪の両方に於けるスノーフェードが解消したと推定させる状態が所定時間(Ceo☓フローのサイクルタイム)に亙って継続すると、ステップ190の答はノーからイエスに転じ、このとき制御はステップ210へ進み、左右の前輪の制動装置に対するスノーフェード解消制御が解除され、また続くステップ220に於いてフラグSfが0にリセットされ、ここでカウント値Ceも0にリセットされる。
左後輪または右後輪の少なくともいずれかにスノーフェードが生じたと推定され、フラグSrが1にセットされたときには、制御はステップ230に至る。尚、これに先立つステップ80および140にてフラグSfおよびSrが共に1にセットされた場合には、ステップ160〜220により前輪のスノーフェード解消制御が先に実行され且つ終了し、その後で制御がステップ230へ進む。ステップ230の答がイエスであるときには、ステップ240に於いて、左後輪の回転の減速度δrlが左後輪の制動油圧Prlに所定の係数Kreをかけた値Kre・PrlとDebの和より小さいか否かが判断される。この係数Kreは上記の係数Krsより大きい値であって、スノーフェードが生じていると推定された左後輪に対するブレーキディスクとブレーキパッドの間の摩擦係数が、スノーフェード解消制御の実行によりスノーフェード解消制御を解除してもよい値まで回復したことを判断するための係数である。またステップ250に於いては、右後輪の回転の減速度δrrが右後輪の制動油圧Prrに係数Kreをかけた値Kre・PrrとDebの和より小さいか否かが判断される。
後輪についても、制御がステップ240に至るべくステップ140にてフラグSrを1にセットさせたのが、左後輪にスノーフェードが生じたこと、或いは右後輪にスノーフェードが生じたことのいずれによるとしても、或いはそのときスノーフェードが左右の後輪の両方に生じていたとしても、フラグSrが1となり、制御がステップ260へ進むようになって暫くは、少なくともステップ240かステップ250のいずれかの答がイエスであることにより、制御はステップ260へ進み、その間、左右両後輪に対しスノーフェード解消制御が行われる。
こうしてスノーフェード解消制御が或る時間続けられると、スノーフェードを生じていたのが左後輪、右後輪、或いはその両方のいずれであっても、やがてスノーフェードの解消によりステップ240および250のいずれの答もノーとなるときが来、このとき制御はステップ270へ進み、カウント値Ceが、便宜上、前輪について設定された値と同じカウント値Ceoを越えたか否かが判断される。カウント値Ceは制御の開始時または先のステップ220または310にて0にリセットされているので、リセット状態より始まって以下のステップ280に於いて1ずつカウントアップされる。そしてステップ270の答がノーからイエスに転ずると、制御はステップ290へ進み、左右の後輪の制動装置に対するスノーフェード解消制御が解除される。このとき続くステップ300に於いてフラグSrおよびカウント値Csが0にリセットされる。
スノーフェードの発生を推定させる状態が所定時間以上持続したことを確認するステップ60、120に於けるCfo、Cro、およびスノーフェードの解消を推定させる状態が所定時間以上持続したことを確認するステップ190、270におけるカウント値Ceは、一定値として適当に設定されてもよいが、これらの値は、それぞれCf、Cr、Ceのカウントが開始されるときの外気温度が低い程短くされるよう、例えば、或る基本値に図3に示す如きマップより読み取られる値C1を加えた値とされてもよい。
更にまた、Cfo、Cro、Ceoは、Cf、Cr、Ceのカウント開始に先立つ前回のスノーフェード発生時からの経過時間が短い程短くされるよう、例えば、或る基本値または基本値に上記のC1を加えた値に図4に示す如きマップより読み取られる値C2を加えた値とされてもよい。
更にまた、前輪についてのスノーフェードの発生の推定におけるCfoは、そのとき後輪についてもスノーフェードの発生が推定されているとき、即ちCrも0以上となってカウントアップ中であるときには、後輪についてはスノーフェードの発生が推定されていないとき、即ちCrは0にと止まっているときに比して短くされるよう、或る基本値または基本値に上記のC1またはC2或はこれら両者を加えた値に、Crのカウントアップ中にはC3aを、またCrが0にと止まっているときにはC3b(C3a<C3b)を加えた値とされてもよい。同様のことは、後輪についてのスノーフェードの発生の推定におけるCrについても、そのとき前輪についてもスノーフェードの発生が推定されているときには前輪についてはスノーフェードの発生が推定されていないときに比して小さくされるよう行なわれてよい。尚、スノーフェード解消制御の解除時期を判断する制御に於けるステップ190、200,270,280は省略されてもよい。
運転者がブレーキペダルを所定の閾値以上の深さまでは踏み込んでおらず、或いはスノーフェード解消制御の実行中であっても運転者がブレーキペダルの踏込みを解除したことにより、または外気温が制動装置にスノーフェードを生ずる虞のある低温の閾値以下ではないとき、或いはスノーフェード解消制御の実行中であっても何らかの事情により外気温が上昇することにより、ステップ10または20の答がノーであり或はノーに転じたときには、制御はステップ310へ進み、スノーフェード解消制御が実行中であれば、それが解除され、フラグSf、Srが1にセットされていれば、これが0にリセットされ、カウント値Cf,Cr,Ceも0にリセットされる。
以上に於いては本発明を一つの実施の形態およびその一部の変更例について詳細に説明したが、かかる実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明による車輌の制動装置を油圧式の制動装置として実施した場合の一例を示す油圧回路図。 本発明によるスノーフェード解消制御をその一つの実施の形態について示すフローチャート。 スノーフェードの発生推定の確認のための時間の設定に外気温度を組み入れる一例を示すマップ。 スノーフェードの発生推定の確認のための時間の設定にスノーフェード発生頻度を組み入れる一例を示すマップ。
符号の説明
10…制動装置、12…ブレーキペダル、14…マスタシリンダ、16…ドライストロークシミュレータ、18A,18B…油圧導管、20FL,20FR,20RL,20RR…ホイールシリンダ、22F,22R…電磁開閉弁(マスターカット弁)、24…電磁開閉弁、26…ウェットストロークシミュレータ、28…リザーバ、30…送油導管、32…電動機、34…オイルポンプ、36…油圧供給導管、38…アキュムレータ、40…油戻り導管、42FL,42FR,42RL,42RR…電磁開閉弁、44FL,44FR,44RL,44RR…油圧導管、46FL,46FR,46RL,46RR…電磁開閉弁、48A,48B…圧力センサ48、50…ストロークセンサ、52…圧力センサ、54FL,54FR,54RL,54RR…圧力センサ、56FL,56FR,56RL,5RR…車輪速センサ、58…電子制御装置、60…マイクロコンピュータ、62…駆動回路

Claims (11)

  1. 制動装置にスノーフェードが生じたことに対しスノーフェード解消制御を行うようになっている車輌に於いて、気温が所定の温度以下であって、制動装置の作動に対する車輪の回転の減速度がスノーフェードの発生を推定させる所定の度合を越えて低下した状態が所定の第一の時間以上持続したことを確認して、当該車輪に対して前記スノーフェード解消制御を行うようになっており、前記第一の時間は該第一の時間の開始時の外気温度が低い程短くされることを特徴とする車輌。
  2. 前記車輪は非駆動輪であり、前記のスノーフェードの発生を推定させる車輪回転の減速度の低下の所定の度合は当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に所定の第一の係数を乗じた値とされることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  3. 前記車輪は駆動輪であり、前記のスノーフェードの発生を推定させる車輪回転の減速度の低下の所定の度合は当該車輪に作用するエンジンブレーキによる減速度と当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に所定の第一の係数を乗じた値の和とされることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  4. 前記の第一の時間は該第一の時間の開始に先立つ前回のスノーフェード発生時からの経過時間が短い程短くされることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車輌。
  5. 前輪についてのスノーフェードの発生の推定における前記の第一の時間はそのとき後輪についてもスノーフェードの発生が推定されているときには後輪についてはスノーフェードの発生が推定されていないときに比して短くされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車輌。
  6. 後輪についてのスノーフェードの発生の推定における前記の第一の時間はそのとき前輪についてもスノーフェードの発生が推定されているときには前輪についてはスノーフェードの発生が推定されていないときに比して短くされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車輌。
  7. 前記スノーフェード解消制御が実行されている車輪の回転の減速度がスノーフェードの解消を推定させる所定の度合を越えて回復した状態が所定の第二の時間以上持続したことを確認して、当該車輪に対する前記スノーフェード解消制御を解除ようになっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車輌。
  8. 前記車輪は非駆動輪であり、前記のスノーフェードの解消を推定させる車輪回転の減速度の回復の所定の度合は当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に前記第一の係数より大きい所定の第二の係数を乗じた値とされることを特徴とする請求項7に記載の車輌。
  9. 前記車輪は駆動輪であり、前記のスノーフェードの解消を推定させる車輪回転の減速度の回復の所定の度合は当該車輪に作用するエンジンブレーキによる減速度と当該車輪の制動装置に付与される制動油圧に所定の第二の係数を乗じた値の和とされることを特徴とする請求項7に記載の車輌。
  10. 前記スノーフェード解消制御は左右の前輪のいずれか一方に対して実行すべきと判断されたとき左右の前輪に対して実行されるようになっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の車輌。
  11. 前記スノーフェード解消制御は左右の後輪のいずれか一方に対して実行すべきと判断されたとき左右の後輪に対して実行されるようになっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の車輌。
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