JP4910230B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質二次電池、特に、高温サイクル寿命、放置性能及び安全性に優れた非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、携帯用パソコン等の電子機器の小型軽量化・高機能化に伴い、内蔵される電池としても、高エネルギー密度を有し、かつ軽量なものが採用されている。そのような要求を満たす典型的な電池は、特にリチウム金属やリチウム合金等の活物質、またはリチウムイオンをホスト物質(ここでホスト物質とは、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる物質をいう)である炭素に吸蔵させたリチウムインターカレーション化合物を負極とし、LiClO4、LiPF6等のリチウム塩を溶解した非プロトン性の有機溶媒を電解液とし、正極と負極との間に設置するセパレータには、有機溶媒に不溶であり、かつ電解質や電極活物質に対して安定なポリオレフィン系材料を微多孔質膜や不織布に加工したものを用いた非水電解質二次電池である。
【0003】
前記非水電解質二次電池用セパレータには、微多孔膜の機械的強度や透過性のような一般的特性に加えて、電池内部が異常に発熱した際に、セパレータが溶融して電流を遮断することによって、電池の安全性を確保するという「シャットダウン効果」が求められている。
【0004】
ポリオレフィン系材料としてポリエチレンを用いたポリエチレン微多孔膜の場合には、シャットダウン効果が発現する温度は、おおよそ130〜150℃であることが知られており、外部短絡等の何らかの理由により電池内部が発熱しても、シャットダウン温度に達した時点で、前記微多孔膜が溶融して微多孔が閉塞するため、電流が遮断され、電池反応が停止する。ところが、温度上昇が極めて急激な場合には、シャットダウン後もさらに温度が上昇し、結果的に前記微多孔質膜が、破膜・破断し、短絡(ショート)してしまうことがあった。このような過酷な条件下でも電池の短絡を防ぐことが可能な高い耐熱性を持ったポリエチレン微多孔質膜の開発が課題とされており、近年、様々な手法が提案されている。
【0005】
例えば、特開昭62−10857号公報では、ポリエチレンよりも高融点のポリプロピレンの微多孔質膜とポリエチレン微多孔質膜を積層することによって、耐熱性を向上させる方法が提案されている。かかる方法によれば、耐熱性は向上するが、ポリプロピレン層のシャットダウン温度が高いため、膜全体のシャットダウン性能が低下するという欠点があった。
【0006】
また、特開平4−206257号公報では、ポリエチレンにポリプロピレンをブレンドすることによって耐熱性を向上させる方法が提案されているが、ポリプロピレンがブレンドされているとはいえ、発熱による溶融後に容易に流動して破膜してしまい耐熱性の向上という点では、本質的な改善とはなっていなかった。また、ポリエチレンとポリプロピレンの相溶性が低いため、微多孔質膜中で両者が分離するため、強度が低下するという欠点があった。
【0007】
特開平3−105851号公報では、特定量の超高分子ポリエチレンを高分子のポリエチレンにブレンドすることによって、機械強度を向上させる方法が提案されている。超高分子量ポリエチレンは、溶融後もかなりの粘度、すなわち形状保持性を有するため、前記公開公報に開示の方法によるポリエチレン微多孔質膜は、副次的に溶融後の破膜も生じにくくなったが、過酷な条件下では、やはり破膜してしまい、先の公報に開示の発明と同様に本質的な解決とはなっていない。
【0008】
また、特開平3−274661号公報などでは、ポリオレフィン微多孔質膜を架橋することによって、機械強度、耐熱性等を向上させる方法が開示されている。この方法によれば、架橋によって溶融時の粘度が上昇するため、高い形状保持性を付与することが可能であるが、高温環境下で長時間使用されたり放置された場合には、架橋の切断等の酸化劣化が進行し、高温サイクル寿命・放置性能が低下するという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、上述の問題点を解決し、高温性能に優れる、すなわち耐酸化性に優れ、かつ過酷な状況下でも、膜の破膜・破断等により生じる電池の短絡を防ぐことが可能である極めて高い耐熱性を有し、高温サイクル寿命特性および放置性能の優れた非水電解質二次電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の電池の短絡が生じる原因は、シャットダウン後にさらに温度が上昇した際の破膜・破断による内部短絡、また、高温におけるサイクル寿命、放置性能低下の問題は、セパレータの正極に対向する面での酸化劣化によるものと考えられ、それらに耐え得る性能をセパレータに付与することが必要である。
【0011】
本願発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、特定構成のセパレータを用い、正極と負極の間に特定の位置関係で配置することにより、異常時においても短絡が生じず、かつ高温サイクル寿命、放置性能に優れる電池が得られることを見い出し、本願発明をなすに至ったものである。
【0012】
すなわち、本願発明は、架橋したポリエチレン微多孔質膜の第1の層と、架橋していないポリエチレン微多孔質膜の第2の層とを有する二層セパレータであって、正極板に前記第2の層が当接されてなることを特徴とする非水電解質二次電池である。
【0013】
さらに、前記架橋していないポリエチレン微多孔質膜としては、重量平均分子量が100万以上250万以下のポリエチレンからなる微多孔質膜が好適である。前記架橋したポリエチレン微多孔質膜の重量平均分子量には、20万〜250万の範囲を有するものが好ましい。また、前記第1の層が負極板に当接されてなることがより好ましい。
【0014】
なお、上記の架橋したポリエチレン微多孔質膜層と架橋していないポリエチレン微多孔質膜層が2層以上積層されてなるセパレータにおいて、正極側では非常に強い酸化雰囲気下にさらされるが、本願発明では、それに対応して、正極側に、架橋したポリエチレン微多孔質膜層よりも優れた耐酸化性を有する架橋していないポリエチレン微多孔質膜層を配しているため、セパレータの酸化劣化による性能の低下を抑制することができる。
【0015】
また、温度上昇が極めて急激な場合においても、本願発明では、膜内に溶融後も優れた形状保持性を有する架橋したポリエチレン微多孔質膜層を含むため、セパレータの破膜・破断による短絡(ショート)を防ぐことができ、過酷な条件下においても優れた耐熱性を維持した電池を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について説明する。
【0017】
本願発明において用いられる積層セパレータは、架橋したポリエチレン微多孔質膜及び架橋していないポリエチレン微多孔質膜、それぞれを、例えば、Tダイ押出法、インフレーション法等のすでに公知の方法により成形した後に、圧着・接着等の方法により張り合わせることによって成形することができる。
【0018】
ポリエチレンの架橋手法としては、紫外線、電子線、ガンマ線に代表される電離放射線、架橋剤や架橋助剤の添加による化学架橋等があげられるが、これらのなかで電子線照射による方法がより望ましい。
【0019】
ポリエチレンとしては、高密度、中密度、低密度の各種分岐ポリエチレン、線状ポリエチレン、高分子量及び超高分子量ポリエチレンなど、何れのポリエチレンも使用できる。また、適宜、各種の可塑剤、酸化防止剤、難燃剤などの添加剤を適量含有したものでも良い。
【0020】
本願発明にかかる、非水電解質二次電池を作製する場合には、上記のようにして成形されるセパレータを用い、架橋していないポリエチレン微多孔質膜層を正極板側に配し、通常の方法により作製すれば良い。
【0021】
正極板は、正極活物質を用いて構成されるが、例えば、リチウム二次電池を作製する場合に正極活物質としては、リチウムを吸蔵放出可能な化合物である、組成式LixMO2、またはLiy24(ただしM は遷移金属、0≦x≦1、0≦y≦2)で表される、複合酸化物、トンネル状の空孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物を用いることができる。その具体例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、Li2Mn24、MnO2、FeO2、V25、V613、TiO2、TiS2等がある。また、ポリアニリン等の導電性ポリマー等の有機化合物を用いることもでき、さらに、これらを混合して用いてもよい。また、粒状の活物質を用いる場合には、例えば、活物質粒子と導電助剤と結着剤とからなる合材をアルミニウム等の金属集電体上に形成することで作製できる。
【0022】
負極板は、負極活物質を用いて構成されるが、例えば、リチウム二次電池を作製する場合に負極活物質としては、Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウムとの合金、LiFe23、WO2、MoO2等の遷移金属酸化物、グラファイト、カーボン等の炭素質材料、Li5(Li3N)等の窒化リチウム、もしくは金属リチウム箔、又はこれらの混合物を用いてもよい。また、粒状の炭素質材料を用いる場合には、例えば、活物質粒子と結着剤とからなる合材を銅等の金属集電体上に形成することで作製できる。
【0023】
電解質としては、無機固体電解質、ポリマー固体電解質、電解液等を用いることができるが、非水電解質リチウム二次電池を作製する場合、電解液溶媒として、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテート等の極性溶媒、もしくはこれらの混合物が使用できる。
【0024】
また、これらの電解液溶媒に溶解させるリチウム塩としては、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiCF3CO2、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2CF2CF32、LiN(COCF32およびLiN(COCF2CF32などの塩もしくはこれらの混合物が使用できる。
【0025】
また、電池の形状は、特に限定されるものではなく、本願発明は、角形、円筒形、長円筒形、コイン形、ボタン形、シート形電池等の様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能である。
【0026】
【実施例】
以下、本願発明を適用した具体的な実施例について説明するが、本願発明は、本実施例により、何ら限定されるものではなく、その主旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施することができる。
【0027】
(実施例1)
図1は、本実施例の角形非水電解質二次電池の構成断面図である。
【0028】
本実施例1の角形非水電解質二次電池1は、アルミニウム集電体にリチウムイオンを吸蔵・放出する物質を構成要素とする正極合材を塗布してなる正極3と、銅集電体にリチウムイオンを吸蔵・放出する物質を構成要素とする負極合材を塗布してなる負極4とがセパレータ5を介して巻回された扁平状電極群2と、電解質塩を含有した非水電解液とを電池ケース6に収納してなるものである。
【0029】
電池ケース6には、安全弁8を設けた電池蓋がレーザー溶接によって取り付けられ、正極端子9は正極リード10を介して正極3と接続され、負極4は電池ケース6の内壁と接触により電気的に接続されている。
【0030】
正極合材は、活物質のLiCoO2:90重量部と、導電助剤のアセチレンブラック5重量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン5重量部とを混合した上で、N−メチル−2−ピロリドンを適宜加えて分散させ、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム集電体に均一に塗布、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成型することにより正極3を作製した。
【0031】
負極合材は、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料90重量部と、ポリフッ化ビニリデン10重量部とを混合した上で、N−メチル−2−ピロリドンを適宜加えて分散させ、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ10μmの銅集電体に均一に塗布、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成型することにより負極4を作製した。
【0032】
電解液は、エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)=1/1(vol/vol)からなる溶媒中に、LiPF6:1molを溶解したものである。
【0033】
セパレータ5は、延伸法により多孔化し、可塑剤を抽出した後に架橋した、重量平均分子量約80万のポリエチレン微多孔質膜1枚、および延伸により多孔化し、可塑剤を抽出した後に架橋せずに成膜した重量平均分子量約80万のポリエチレン微多孔質膜1枚を、ロールプレスを用いて積層圧着したものを用い、正極板側に架橋していないポリエチレン微多孔質膜層が、負極板側に架橋したポリエチレン微多孔質膜層が配するように巻回した。なお、このセパレータの膜厚は25μmで、突き刺し強度は660gであった。上述のような構成、手順により、設計容量600mAhの本願発明電池を作製した。
【0034】
(実施例2)
正極板側に配する架橋していないポリエチレン微多孔質膜の重量平均分子量を約150万とした他は、実施例1と全く同様に電池を作製した。なお、このセパレータの膜厚は25μmで、突き刺し強度は700gであった。
【0035】
(比較例1)
正極板側に、架橋した重量平均分子量約80万のポリエチレン微多孔質膜層を、負極板側に、架橋していない重量平均分子量約80万のポリエチレン微多孔質膜層を配したほかは、実施例1と全く同様に電池を作製した。なお、このセパレータの膜厚は25μmで、突き刺し強度は660gであった。
【0036】
(比較例2)
正極板側に、架橋していない重量平均分子量約150万のポリエチレン微多孔質膜層を、負極板側に、架橋していない重量平均分子量約80万のポリエチレン微多孔質膜層を配したほかは、実施例1と全く同様に電池を作製した。なお、このセパレータの膜厚は25μmで、突き刺し強度は640gであった。
【0037】
(比較例3)
架橋した重量平均分子量約80万のポリエチレン単層微多孔質膜を用いたほかは、実施例1と全く同様に電池を作製した。なお、このセパレータの膜厚は25μmで、突き刺し強度は720gであった。
【0038】
(比較例4)
架橋していない重量平均分子量約80万のポリエチレン単層微多孔質膜を用いたほかは、実施例1と全く同様に電池を作製した。なお、このセパレータの膜厚は25μmで、突き刺し強度は550gであった。
【0039】
(比較試験)
高温サイクル寿命試験:上記の電池を、温度45℃の雰囲気下において、1CAの電流で4.2Vまで定電圧・定電流で3時間充電し、その後、1CAの定電流で放電する充放電サイクルを300回繰り返した。そして、1サイクル目の放電容量に対する300サイクル目の放電容量の割合を求め、1サイクル目の放電容量に対して80%以上の容量を保持しているものを良好とした。
【0040】
高温放置試験:上記の電池を1CAの電流で4.2Vまで定電圧・定電流で3時間充電し、充電状態で30日間、60℃で放置した。そして、保存後、電池を1CAの定電流で放電した後の初期容量に対する放電容量を求めた。そして、放置前の放電容量に対する放置後の放電容量の割合を求め、放置前の放電容量に対して80%以上の容量を保持しているものを良好とした。
【0041】
耐熱性試験:オーブン中に、放電状態の電池を設置して、5℃/分の速度で180℃まで昇温した。昇温後、オーブンから電池を取り出し、電池を解体した。取り出したセパレータの収縮・破膜の有無、閉塞の程度を観察し、電池の短絡、すなわち、セパレータの収縮・破膜が生じていたものを×、電池の短絡が生じなかったもの、すなわち、セパレータの収縮・破膜が生じていなかったものを○とした。
【0042】
高温サイクル寿命、放置試験および耐熱性調査結果を、表1(実施例および比較例)に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0004910230
【0044】
高温サイクル寿命、放置試験においては、セパレータの正極板側が強い酸化雰囲気下におかれるが、表1の実施例1,2に示すように、耐酸化性に優れる架橋していないポリエチレン微多孔質膜層を正極板側に当接したことにより、酸化による劣化が、架橋したポリエチレン微多孔質膜層を正極側に当接した場合より抑制されたため、高温サイクル寿命、放置性能が向上したものと考えられる。また、この効果は、実施例1,2の比較から、セパレータの正極板側に当接する架橋していないポリエチレン微多孔膜の分子量が大きいほど、特に顕著に現れることがわかった。さらに、実施例1,2の電池は、負極板側に耐熱性に優れる架橋したポリエチレン微多孔質膜層を当接したことにより、ポリエチレンの融点以上の非常に高い温度下においても電池の短絡が生じないため、外部短絡等の何らかの異常が発生し、電池が発熱した際においても、高い耐熱性を有する電池が得られるものと考えられる。
【0045】
一方、比較例2,4では、正極板側に架橋していないポリエチレン微多孔質膜層を当接したため、高温性能は良好であるが、セパレータの耐熱性が低いため、ポリエチレンの融点以上に電池が加熱された場合には、ポリエチレンの溶融に伴う流動によりセパレータが破膜・破断し、電池の短絡が生じた。
【0046】
比較例1,3では、耐熱性に優れる架橋したポリエチレン微多孔膜を用いているため、ポリエチレンの融点以上まで電池が加熱された場合においても、セパレータの破膜等は生じず、電池が短絡することはなかったが、高温サイクル及び放置性能は非常に劣るものであった。これは、これらの試験においては、正極板側が強い酸化雰囲気下にさらされるため、ポリエチレンの架橋部が切断し、発生したラジカルにより、連鎖的に進行するポリエチレン(セパレータ)の劣化反応や同じく生成したラジカルによる電解液の分解反応が促進されたことが原因であると考えられる。また、この架橋の切断により、セパレータの機械強度が著しく低下する問題も認められた。
【0047】
以上の結果より、架橋したポリエチレン微多孔質膜の第1の層と、架橋していないポリエチレン微多孔質膜の第2の層とを有する二層セパレータであって、かつ正極板に前記第2の架橋していないポリエチレン微多孔質膜の層を当接して配することにより、高温サイクル寿命、高温放置性能に優れ、かつ、耐熱性に優れた電池を提供することが可能であることがわかった。さらに、セパレータの正極板に当接する前記架橋していないポリエチレン微多孔質膜として、重量平均分子量が100万以上250万以下の架橋していないポリエチレン微多孔質膜を用いることにより、この効果がより顕著に現れることがわかった。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、高温サイクル寿命、放置性能及び耐熱性に優れる電池を作製することができ、高温下で使用される電子機器の高性能化を測ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の角形非水電解質二次電池の構成断面図である。
【符号の説明】
1 非水電解質二次電池
2 電極群
3 正極
4 負極
5 セパレータ
6 電池ケース
7 蓋
8 安全弁
9 正極端子
10 正極リード

Claims (2)

  1. 正極と、負極と、セパレータと、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、前記セパレータが、架橋したポリエチレン微多孔質膜の第1の層と、架橋していないポリエチレン微多孔質膜の第2の層とを有する二層セパレータであって、正極板に前記第2の層が当接されてなることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記架橋していないポリエチレン微多孔質膜が、重量平均分子量が100万以上250万以下のポリエチレンからなる微多孔質膜であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
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