紙幣識別機と硬貨識別機を備え、釣銭として硬貨識別機から硬貨を払い出す自動販売機においては、硬貨識別機に貯留されている硬貨の合計金額を把握し、その貯留合計金額を払出可能金額として、それを基に、受け入れ可能な紙幣の金額を設定する制御が必要となる。また、紙幣識別機がエスクロ機能を備える場合は、硬貨貯留合計金額と、一時保留される紙幣の金額とから、払い出し可能な金額を算出し、その払出可能金額を基に、受け入れ可能な紙幣の金額を設定する制御が必要となる。
上述のように、この種の自動販売機は、通常、硬貨識別機が釣銭払出のための最低貯留枚数の硬貨を貯留しているどうかを検知する貯留枚数検知手段(ニアエンプティセンサ)を備えている。しかし、この場合は、紙幣識別機に投入される紙幣が1,000円紙幣であれば、1,000円に対する釣銭の払い出すための最低貯留枚数以上の硬貨が貯留されているかどうかを検知できるだけで、紙幣の受入可能金額(最大受入金額)として設定できるのは、エスクロ機能のない場合は「1,000円」であり、エスクロ機能のある場合は、一時保留可能な紙幣の合計金額に「1,000円」をプラスした金額であって、実際には硬貨の貯留枚数がはるかに多くても、それ以上の金額を紙幣で受け入れるよう最大受入金額を設定することができず、高額商品を販売する場合に問題が生ずる。
この問題を解消するためには、硬貨識別機内の貯留硬貨の枚数を随時計数し、その計数結果に基づいて随時最大受入金額の設定を変更する方法が考えられるが、その場合は、メンテナンスや現金回収等の作業後に、実際に貯留されている硬貨の枚数を正確に計数して、その計数した枚数を硬貨識別機の制御部に記憶させておく必要があり、そうした作業に手間が掛かる。メンテナンスや現金回収等の作業後に、ニアエンプティセンサによって最低貯留枚数以上の硬貨の貯留があるかどうかの検知は可能であるが、実際に貯留されている硬貨の枚数まで検知できない。
本発明は、硬貨の貯留合計金額に基づいて紙幣の最大受入金額を設定する自動動取引装置において、簡単な構成により、硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができるようにすることを目的とする。
請求項1に係る発明は、投入された紙幣を識別収納する紙幣識別機と、投入された硬貨を払出可能に識別貯留する硬貨識別機を備え、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留合計金額に基づいて前記紙幣識別機への紙幣の最大受入金額を設定し、紙幣の受け入れを制御する自動取引装置の紙幣受入制御装置であって、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が、それぞれ異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段と、前記複数の硬貨貯留枚数検知手段のいずれかによって前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記所定枚数以上であることが検知されると該所定枚数に基づいて硬貨の貯留合計金額を算出する硬貨貯留金額算出手段と、該硬貨貯留金額算出手段により算出された前記硬貨の貯留合計金額に基づいて前記紙幣識別機への紙幣の最大受入金額を設定する受入金額設定手段と、を備えることを特徴とする。
このように異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の自動取引装置の紙幣受入制御装置において、前記複数の硬貨貯留枚数検知手段のいずれかによって前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記それぞれ異なる所定枚数のいずれかに達したことが検知された直後に、その検知された所定枚数を初期値として硬貨の貯留枚数の計数を開始する硬貨貯留枚数計数手段と、該硬貨貯留枚数計数手段による計数中は、前記硬貨貯留金額算出手段に代わって、該硬貨貯留枚数計数手段によって計数された硬貨の貯留枚数に基づいて前記硬貨の貯留合計金額を算出する計数硬貨貯留金額算出手段を備え、前記受入金額設定手段が、前記硬貨貯留金額算出手段、または前記計数硬貨貯留金額算出手段により算出された前記硬貨の貯留合計金額に基づいて前記紙幣識別機への紙幣の最大受入金額を設定する。
このように異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出するとともに、貯留枚数がそれぞれ異なる所定枚数のいずれかに達したことが検知された直後に、その検知された所定枚数を初期値として硬貨の貯留枚数の計数を開始して、計数中は計数された硬貨の貯留枚数に基づいて貯留合計金額を算出し、それによって紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じてより細かく紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が一層円滑になる。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の自動取引装置の紙幣受入制御装置において、前記硬貨識別機が金種の異なる複数種類の硬貨を金種毎に識別して別々に貯留するもので、金種毎に前記硬貨貯留枚数検知手段と、前記硬貨貯留枚数計数手段とを備え、前記硬貨貯留枚数検知手段のそれぞれに対応する前記所定枚数が金種毎に設定され、金種毎に前記硬貨貯留金額算出手段と前記計数硬貨貯留金額算出手段とが設けられ、前記受入金額設定手段は、前記金種毎の前記硬貨貯留金額算出手段または前記計数硬貨貯留金額算出手段により算出された前記複数種類の硬貨の金種毎の貯留合計金額に基づいて、貯留されている全硬貨の貯留合計金額を算出し、その算出した全硬貨の貯留合計金額に基づいて前記最大受入金額を設定することを特徴とする。
この場合、金種毎に、異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出するとともに、貯留枚数がそれぞれ異なる所定枚数のいずれかに達したことが検知された直後に、その検知された所定枚数を初期値として硬貨の貯留枚数の計数を開始して、計数中は計数された硬貨の貯留枚数に基づいて貯留合計金額を算出し、それによって紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じてより細かく紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が一層円滑になる。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3に係る発明の自動取引装置の紙幣受入制御装置において、前記それぞれ異なる所定枚数の一つは、釣銭として払い出すために前記硬貨識別機内に貯留すべき硬貨の最低貯留枚数であり、前記複数の硬貨貯留枚数検知手段の一つは、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記最低貯留枚数以上であることを検知する硬貨最低貯留枚数検知手段であることを特徴とする。
この場合、異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。そして、特に、硬貨貯留枚数検知手段の一つを硬貨最低貯留枚数(ニアエンプティ)検知手段とすることで、従来の硬貨識別機の構成を最大限に流用でき、構成が一層簡単になる。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4に係る発明の自動取引装置の紙幣受入制御装置において、前記それぞれ異なる所定枚数の一つは、釣銭として払い出すために前記硬貨識別機内に貯留すべき硬貨の最大貯留枚数であり、前記複数の硬貨貯留枚数検知手段の一つは、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記最大貯留枚数以上であることを検知する硬貨満杯検知手段であることを特徴とする。
この場合、異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。そして、特に、硬貨貯留枚数検知手段の一つを硬貨満杯検知手段とすることで、従来の硬貨識別機の構成を最大限に流用でき、構成が一層簡単になる。
請求項6に係る発明は、投入された紙幣を識別収納する紙幣識別機と、投入された硬貨を払出可能に識別貯留する硬貨識別機を備え、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留合計金額に基づいて前記紙幣識別機への紙幣の最大受入金額を設定し、紙幣の受け入れを制御する自動取引装置の紙幣受入制御装置であって、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が第1の所定枚数以上であることを検知する第1の硬貨貯留枚数検知手段と、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記第1の所定枚数より多い第2の所定枚数以上であることを検知する第2の硬貨貯留枚数検知手段と、前記第1の硬貨貯留枚数検知手段によって前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記第1の所定枚数以上であることが検知されると該第1の所定枚数に基づいて硬貨の貯留合計金額を算出する第1の硬貨貯留金額算出手段と、前記第2の貯留枚数検知手段によって前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記第2の所定枚数以上であることが検知されると、前記第1の硬貨貯留金額算出手段に代わって、該第2の所定枚数に基づいて前記硬貨の貯留合計金額を算出する第2の硬貨貯留金額算出手段と、前記第1の硬貨貯留金額算出手段または前記第2の硬貨貯留金額算出手段により算出された前記硬貨の貯留合計金額に基づいて前記紙幣識別機への紙幣の最大受入金額を設定する受入金額設定手段と、を備えることを特徴とする。
このように異なる所定枚数以上であることを検出する第1と第2の2つの硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、最小限度の簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明の自動取引装置の紙幣受入制御装置において、前記硬貨識別機が、金種の異なる複数種類の硬貨を金種毎に識別して別々に貯留するもので、金種毎に前記第1の硬貨貯留枚数検知手段および前記第2の硬貨貯留枚数検知手段を備え、前記第1の所定枚数および前記第2の所定枚数が金種毎に設定され、金種毎に前記第1の硬貨貯留金額算出手段および前記第2の硬貨貯留金額算出手段が設けられ、前記受入金額設定手段は、前記金種毎の前記第1の硬貨貯留金額算出手段または前記第2の硬貨貯留金額算出手段により算出された前記複数種類の硬貨の金種毎の貯留合計金額に基づいて、貯留されている全硬貨の貯留合計金額を算出し、その算出した全硬貨の貯留合計金額に基づいて前記最大受入金額を設定することを特徴とする。
この場合、金種毎に異なる所定枚数以上であることを検出する第1と第2の2つの硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。
請求項8に係る発明は、投入された紙幣を識別収納する紙幣識別機と、投入された硬貨を払出可能に識別貯留する硬貨識別機を備え、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留合計金額に基づいて前記紙幣識別機への紙幣の最大受入金額を設定し、紙幣の受け入れを制御する自動取引装置の紙幣受入制御装置であって、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が第1の所定枚数以上であることを検知する第1の硬貨貯留枚数検知手段と、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記第1の所定枚数より多い第2の所定枚数以上であることを検知する第2の硬貨貯留枚数検知手段と、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記第1の所定枚数より多く前記第2の所定枚数より少ない所定の中間枚数以上であることを検知する少なくとも一つの硬貨中間貯留枚数検知手段と、前記第1の硬貨貯留枚数検知手段によって前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記第1の所定枚数以上であることが検知されると該第1の所定枚数に基づいて硬貨の貯留合計金額を算出する第1の硬貨貯留金額算出手段と、前記硬貨中間貯留枚数検知手段によって前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記所定の中間枚数以上であることが検知されると前記第1の硬貨貯留金額算出手段に代わって、該所定の中間枚数に基づいて前記硬貨の貯留合計金額を算出する少なくとも1個の硬貨中間貯留金額算出手段と、前記第2の貯留枚数検知手段によって前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記第2の所定枚数以上であることが検知されると、前記硬貨中間貯留金額算出手段に代わって、該第2の所定枚数に基づいて前記硬貨の貯留合計金額を算出する第2の硬貨貯留金額算出手段と、前記第1の硬貨貯留金額算出手段、前記第2の硬貨貯留金額算出手段または前記硬貨中間貯留金額算出手段により算出された前記硬貨の貯留合計金額に基づいて前記紙幣識別機への紙幣の最大受入金額を設定する受入金額設定手段と、を備えることを特徴とする。
このように異なる所定枚数以上であることを検出する第1および第2の硬貨貯留枚数検知手段と硬貨中間貯留枚数検知手段とを用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で一層容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明の自動取引装置の紙幣受入制御装置において、前記硬貨識別機が、金種の異なる複数種類の硬貨を金種毎に識別して別々に貯留するもので、金種毎に前記第1の硬貨貯留枚数検知手段および前記第2の硬貨貯留枚数検知手段と前記硬貨中間貯留枚数検知手段とを備え、前記第1の所定枚数および前記第2の所定枚数と前記所定の中間枚数が金種毎に設定され、金種毎に前記第1の硬貨貯留金額算出手段および前記第2の硬貨貯留金額算出手段と前記硬貨中間貯留金額算出手段とが設けられ、前記受入金額設定手段は、前記金種毎の前記第1の硬貨貯留金額算出手段、前記第2の硬貨貯留金額算出手段または前記硬貨中間貯留金額算出手段により算出された前記複数種類の硬貨の金種毎の貯留合計金額に基づいて、貯留されている全硬貨の貯留合計金額を算出し、その算出した全硬貨の貯留合計金額に基づいて前記最大受入金額を設定することを特徴とする。
この場合、金種毎に異なる所定枚数以上であることを検出する第1と第2の2つの硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出するとともに、貯留枚数が第1の所定枚数または第2の所定枚数に達したことが検知された直後に、その第1の所定枚数または第2の所定枚数を初期値として硬貨の貯留枚数の計数を開始して、計数中は計数された硬貨の貯留枚数に基づいて貯留合計金額を算出し、それによって紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じてより細かく紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が一層円滑になる。
請求項10に係る発明は、請求項6〜9に係る発明の自動取引装置の紙幣受入制御装置において、前記第1の所定枚数は、釣銭として払い出すために前記硬貨識別機内に貯留すべき硬貨の最低貯留枚数であり、前記第1の硬貨貯留枚数検知手段は、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記最低貯留枚数以上であることを検知する硬貨最低貯留枚数検知手段であることを特徴とする。
この場合、異なる所定枚数以上であることを検出する第1と第2の2つの硬貨貯留枚数検知手段を用いて、あるいは第1および第2の硬貨貯留枚数検知手段と硬貨中間貯留枚数検知手段とを用いて、硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、最小限度の簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。そして、特に、第1の硬貨貯留枚数検知手段を硬貨最低貯留枚数(ニアエンプティ)検知手段とすることで、従来の硬貨識別機の構成を大部分そのまま流用でき、構成が一層簡単になる。
請求項11に係る発明は、請求項6〜10に係る発明の紙幣識別機の受入制御装置において、前記第2の所定枚数は、釣銭として払い出すために前記硬貨識別機内に貯留すべき硬貨の最大貯留枚数であり、前記第2の硬貨貯留枚数検知手段は、前記硬貨識別機内の硬貨の貯留枚数が前記最大貯留枚数以上であることを検知する硬貨満杯検知手段であることを特徴とする。
この場合、異なる所定枚数以上であることを検出する第1と第2の2つの硬貨貯留枚数検知手段を用いて、あるいは第1および第2の硬貨貯留枚数検知手段と硬貨中間貯留枚数検知手段とを用いて、硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、最小限度の簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。そして、特に、第2の硬貨貯留枚数検知手段を硬貨満杯検知手段とすることで、従来の硬貨識別機の構成を大部分そのまま流用でき、構成が一層簡単になる。
請求項12に係る発明は、請求項1〜11のいずれか1項に係る発明の自動取引装置の紙幣受入制御装置において、前記紙幣識別機が、投入された紙幣を所定枚数まで払出可能に一時保留するエスクロ機能を備え、前記受入金額設定手段が、前記硬貨の貯留合計金額と、前記エスクロ機能により一時保留可能な紙幣の金額とに基づいて、前記紙幣識別機への紙幣の最大受入金額を設定することを特徴とする。
この場合、異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、算出した硬貨貯留合計金額と、一時保留される紙幣の金額とに基づいて最大受入金額を設定することで、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。
請求項1に係る発明によれば、異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。
請求項2に係る発明によれば、異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出するとともに、貯留枚数がそれぞれ異なる所定枚数のいずれかに達したことが検知された直後に、その検知された所定枚数を初期値として硬貨の貯留枚数の計数を開始して、計数中は計数された硬貨の貯留枚数に基づいて貯留合計金額を算出し、それによって紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じてより細かく紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が一層円滑になる。
請求項3に係る発明によれば、金種毎に、異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出するとともに、貯留枚数がそれぞれ異なる所定枚数のいずれかに達したことが検知された直後に、その検知された所定枚数を初期値として硬貨の貯留枚数の計数を開始して、計数中は計数された硬貨の貯留枚数に基づいて貯留合計金額を算出し、それによって紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じてより細かく紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が一層円滑になる。
請求項4に係る発明によれば、異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。そして、特に、硬貨貯留枚数検知手段の一つを硬貨最低貯留枚数(ニアエンプティ)検知手段とすることで、従来の硬貨識別機の構成を最大限に流用でき、構成が一層簡単になる。
請求項5に係る発明によれば、異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。そして、特に、硬貨貯留枚数検知手段の一つを硬貨満杯検知手段とすることで、従来の硬貨識別機の構成を最大限に流用でき、構成が一層簡単になる。
請求項6に係る発明によれば、異なる所定枚数以上であることを検出する第1と第2の2つの硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、最小限度の簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。
請求項7に係る発明によれば、金種毎に異なる所定枚数以上であることを検出する第1と第2の2つの硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。
請求項8に係る発明によれば、異なる所定枚数以上であることを検出する第1および第2の硬貨貯留枚数検知手段と硬貨中間貯留枚数検知手段とを用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で一層容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。
請求項9に係る発明によれば、金種毎に異なる所定枚数以上であることを検出する第1と第2の2つの硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出するとともに、貯留枚数が第1の所定枚数または第2の所定枚数に達したことが検知された直後に、その第1の所定枚数または第2の所定枚数を初期値として硬貨の貯留枚数の計数を開始して、計数中は計数された硬貨の貯留枚数に基づいて貯留合計金額を算出し、それによって紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じてより細かく紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が一層円滑になる。
請求項10に係る発明によれば、異なる所定枚数以上であることを検出する第1と第2の2つの硬貨貯留枚数検知手段を用いて、あるいは第1および第2の硬貨貯留枚数検知手段と硬貨中間貯留枚数検知手段とを用いて、硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、最小限度の簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。そして、特に、第1の硬貨貯留枚数検知手段を硬貨最低貯留枚数(ニアエンプティ)検知手段とすることで、従来の硬貨識別機の構成を大部分そのまま流用でき、構成が一層簡単になる。
請求項11に係る発明によれば、異なる所定枚数以上であることを検出する第1と第2の2つの硬貨貯留枚数検知手段を用いて、あるいは第1および第2の硬貨貯留枚数検知手段と硬貨中間貯留枚数検知手段とを用いて、硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、紙幣の最大受入金額を設定するよう紙幣受入制御装置を構成することにより、最小限度の簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。そして、特に、第2の硬貨貯留枚数検知手段を硬貨満杯検知手段とすることで、従来の硬貨識別機の構成を大部分そのまま流用でき、構成が一層簡単になる。
請求項12に係る発明によれば、異なる所定枚数以上であることを検出する複数の硬貨貯留枚数検知手段を用いて硬貨の貯留枚数を検知し、それに基づいて貯留合計金額を算出し、算出した硬貨貯留合計金額と、一時保留される紙幣の金額とに基づいて最大受入金額を設定することで、簡単な構成で容易に硬貨の貯留枚数に応じて紙幣の最大受入金額を増減させることができ、商品販売等の自動取引が円滑になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4は本発明の第1実施形態を示している。図1は第1実施形態の自動取引装置の制御装置の構成を示すブロック図、図2は第1実施形態の自動取引装置の紙幣受入制御のメインルーチンを示すフローチャート、図3は第1実施形態の自動取引装置の紙幣受入制御のサブルーチンを示すフローチャート、図4は第1実施形態の自動取引装置の紙幣受入制御における最大受入枚数設定の一例の説明図である。
この実施形態の自動取引装置は、例えば自動販売機であって、各種制御を行う制御部1を備えるとともに、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨のそれぞれの硬貨を識別して別々に貯留する硬貨識別機(コインメック)2と、投入される1,000円紙幣を識別収納する紙幣識別機(ビルバリ)3と、硬貨識別機2に貯留される各種硬貨の最低貯留枚数および満杯時の貯留枚数と、各種硬貨の現在の貯留枚数の計数結果および販売される商品の価格を記憶するメモリ4を備え、制御部1に、それら硬貨識別機2と、紙幣識別機3と、メモリ4が接続されている。
紙幣識別機3は、投入された複数の紙幣の内の一部紙幣を一時保留して払出可能とするエスクロ機能を備えたもので、投入された紙幣を払出不能に収納する紙幣収納部と、投入された紙幣の内の所定枚数(本実施形態では、1,000円紙幣1枚)を一時保留する一時保留部を有する。
そして、この自動取引装置は、例えば返却レバー等で投入金返却操作が行われたときに、紙幣識別機3からは、一時保留部に保留されている紙幣のみを払い戻し、紙幣収納部に収納されてしまった分の紙幣の代金は、硬貨として硬貨識別機2から払い出すようになっている。
硬貨識別機2は、10円、50円、100円、500円のそれぞれの金種の硬貨を識別して種類別に縦方向に積み重ねて別々に収納する筒状の硬貨貯留部2a〜2dを備え、それらの硬貨貯留部2a〜2dに、第1の所定枚数として、釣銭を払い出すための各種硬貨の最低貯留枚数(10円硬貨と50円硬貨と100円硬貨については各10枚、500円硬貨については5枚)が貯留されているかどうかを検知する第1の硬貨貯留枚数検知手段であり最低貯留枚数検知手段でもあるニアエンプティセンサ5a〜5dがそれぞれに設けられている。
ニアエンプティセンサ5a〜5dは、10円硬貨、50円硬貨および100円硬貨についてはそれら硬貨が各10枚積み重なった高さに相当する位置に設けられ、500円硬貨については硬貨が5枚積み重なった高さに相当する位置に設けられている。
制御部1は、硬貨収納部2の各硬貨貯留部2a〜2dに貯留されている各金種の硬貨の最上部の硬貨がニアエンプティセンサ5a〜5dの位置よりも下に位置し、その金種の硬貨の貯留枚数が最低貯留枚数に満たないことがニアエンプティセンサ5a〜5dで検知されると,その金種の硬貨が釣切れ状態であると判定して、釣切れを知らせるランプ(図示せず)を点灯する。
また、各硬貨収納部2a〜2dの上部には、貯留される各金種の硬貨が第2の所定枚数である満杯になったことを検知する第2の硬貨貯留枚数検知手段である満杯センサ6a〜6dが金種毎に設けられている。
満杯センサ6a〜6dは、10円硬貨、50円硬貨および100円硬貨についてはそれら硬貨が各100枚積み重なった高さに相当する位置に設けられ、500円硬貨については硬貨が50枚積み重なった高さに相当する位置に設けられている。
制御部1は、硬貨収納部2の各硬貨貯留部2a〜2dに貯留されている各金種の硬貨の最上部の硬貨が満杯センサ6a〜6dの位置に達し、その金種の硬貨の貯留枚数が最大貯留枚数に達したことが満杯センサ6a〜6dで検知されると,満杯状態と判定して、その後、その金種の硬貨が投入されたときに、硬貨貯留部2a〜2dへ貯留させず、硬貨識別機2とは別に設けた金箱(図示せず)に搬送収納するよう制御する。
制御部1は、ニアエンプティセンサ2a〜2dと満杯センサ6a〜6dの検知信号に基づいて、釣切れ状態、最低貯留枚数以上で満杯未満の状態、満杯状態の3つの状態を判定する。
また、硬貨識別機2の各硬貨貯留部2a〜2dの最上部の硬貨入口部と最下部の硬貨出口部には、各硬貨貯留部2a〜2dへの硬貨に入出を計数する計数手段である計数センサ7a〜7d,8a〜8bがそれぞれ設けられている。硬貨がこれら計数センサ7a〜7d,8a〜8bの位置を通過すると、硬貨の入出が検知され、計数されて、その計数結果をメモリ4に記憶される。
計数センサ7a〜7d,8a〜8bによる各金種の硬貨の計数は、硬貨の貯留枚数が最低貯留枚数未満から最低貯留枚数に達したことがニアエンプティセンサ5a〜5dによって検知された直後、あるいは、貯留枚数が満杯に達したことが満杯センサ6a〜6dによって検知された直後のタイミングで開始される。そして、ニアエンプティセンサ5a〜5dによって検知された直後は、最低貯留枚数を初期値として貯留枚数の増減が計数され、満杯センサ6a〜6dによって検知された直後、満杯時の最大貯留枚数を初期値として貯留枚数の増減の計数が開始される。そして、計数センサ7a〜7d,8a〜8bによって計数された各金種の硬貨の貯留枚数がメモリ4に記憶される。
なお、この実施形態では、紙幣識別機に収納される紙幣が1,000円紙幣のみである場合を説明するが、5,000円紙幣や10,000円紙幣を受け入れ可能な紙幣識別機を使用するようにしてもよい。また、エスクロ機能も、本実施形態では紙幣1枚だけを一時保留する設定であるが、複数枚を一時保留できる設定としてもよい。また、エスクロ機能がない紙幣識別機を使用してもよい。
この実施形態の自動取引装置は、例えば1回の販売取引が終了した直後の所定のタイミングで、制御部1が、図6に示す紙幣受入制御の処理を開始する。
そして、まず、10円硬貨の検知処理を指定し(ステップS101)、10円硬貨について、硬貨識別機2の硬貨貯留部2aに設けられているニアエンプティセンサ5aにより、貯留枚数が最低貯留枚数(10枚)以上であるかどうかを確認する(ステップS102)。
そして、貯留枚数が最低貯留枚数(10枚)未満であれば、釣銭払出可能枚数に満たないとして、釣切れを知らせる釣切ランプを点灯させると共に、10円硬貨の貯留枚数を0枚と仮定し(ステップS108)、10円硬貨の現在の貯留合計金額を0円と算出する(ステップS107)。
また、10円硬貨の貯留枚数が最低貯留枚数(10枚)以上であれば、10円硬貨について計数中かどうかを確認し(ステップS103)、計数中であれば、10円硬貨の貯留枚数を計数した値(X)と仮定し、それに基づいて10円硬貨の現在の貯留合計金額を算出する(ステップS107)。
また、計数中でなければ、満杯センサ6aにより、貯留枚数が満杯となる最大貯留枚数(100枚)に達したかどうかを確認する(ステップS104)。
そして、10円硬貨が、計数中でなく、満杯でもないときは、10円硬貨の貯留枚数を最低貯留枚数(10枚)と仮定して、メモリからその金種の最低貯留枚数(10枚)を読み出し(ステップS110)、その最低貯留枚数(10枚)に基づいて10円硬貨の現在の貯留合計金額を算出する(ステップS107)。
また、10円硬貨が満杯であることが確認されると、10円硬貨について計数フラグを立て、それ以後の硬貨識別機2内への受入・払出について、10円硬貨の満杯時の最大貯留枚数(100枚)を初期値として1枚ずつ増減を計数してメモリ4に記憶する処理を開始する(ステップS105)。
そして、メモリ4から10円硬貨の満杯時の最大貯留枚数(100枚)を読み出して(ステップS106)、その満杯時の最大貯留枚数(100枚)に基づいて10円硬貨の貯留合計金額を算出する(ステップS107)。
次に、50円硬貨についても同様の処理(ステップS111〜120)を行い、100円硬貨についても同様の処理(ステップS121〜130)を行い、500円硬貨についても同様の処理(ステップS131〜140)を行って、それぞれの硬貨の貯留合計金額を算出する。その際、最低貯留枚数は、50円硬貨については10枚、100円硬貨については10枚、500円硬貨については5枚の設定とし、また、最大貯留枚数は、50円硬貨については100枚、100円硬貨については100枚、500円硬貨については50枚の設定とする。
そして、こうして全ての金種の硬貨について貯留合計金額の算出が終了した後、それら各金種の貯留合計金額を合計して硬貨貯留合計金額を算出する(ステップS141)。
そして、紙幣識別機3に一時保留可能な紙幣(1,000円紙幣1枚)の金額(1,000円)をメモリ4から読み出し、その金額と算出した硬貨貯留合計金額とを合計して、その合計金額を現在の払出可能金額とし、その払出可能金額から、1,000円未満を切り捨てて、受け入れ可能な紙幣の金額(最大受入金額)を算出し、最大受入枚数を設定する(ステップS142)。
そして、図3に示す処理を実行する(ステップS143)。
すなわち、紙幣(1,000円紙幣)が投入されようとしているかどうかを判定し(ステップS1)、紙幣が投入されようとしているとときは、その紙幣を受け入れたときの合計受入枚数が最大受入枚数以下かどうかを判定する(ステップS2)。
そして、その紙幣を受け入れたときの合計受入枚数が最大受入枚数を超えるときは、その紙幣の受け入れを禁止する(ステップS3)。つまり、紙幣の最大受入可能枚数が仮に5枚だとすると、6枚目からの紙幣の受け入れを禁止する。
そして、紙幣(および硬貨)が投入され、その投入された紙幣の枚数が最大受入枚数以下のとき、あるいは硬貨だけが投入されたときは、いずれかの金種の硬貨が最低貯留枚数未満の状態、つまり釣り切れ状態であるかどうかを判断し(ステップS4)、釣り切れが発生していれば、メモリ4に記憶されている商品の価格と、硬貨識別機2内に貯留されている他の金種の硬貨の貯留合計金額から、販売可能な商品を判断し、販売可能商品の表示を行う(ステップS5)。販売可能商品の表示は、販売可能な商品の販売ランプのみを点灯させることによって行う。例えば、全ての金種の硬貨で釣り切れが発生している場合、エスクロ機能があるために1,000円紙幣は1枚まで受け入れ可能で、それ以外に硬貨は受け入れ可能であるが、硬貨で払い戻しができないため、価格が丁度1,000円の商品以外は販売することができない。そのため、この場合は価格が1,000円の商品以外は販売ランプを点灯させない。
そして、商品が選択される前に返却レバー等で投入貨幣の返却操作が行われたかどうかを判断し(ステップS6)、返却操作が行われなかったときは、販売可能商品の商品選択釦が押されるなどの商品選択操作により商品が選択されたかどうかを判断する(ステップS7)。そして、商品が選択されたときは、対応する商品を払い出し(ステップS8)、投入貨幣と選択された商品の価格との差額があれば、それを釣銭として払い出す(ステップS9)。
また、商品が選択される前に返却レバー等で投入貨幣の返却操作が行われたときは、一時保留した紙幣(1,000円紙幣1枚)があればそれを払い出し(ステップS10)し、次いで、投入された貨幣の合計から一時保留されていた紙幣の金額(1,000円)を差し引いた残金を、硬貨識別機2内に貯留されている硬貨によって払い出す(ステップS11)。
なお、この実施形態では、販売取引終了直後に紙幣の最大受入枚数を算出し、紙幣受入制御を開始しているが、販売動作中に、硬貨の投入がなされた直後のタイミングで紙幣の最大受入枚数を算出し、紙幣受入制御を開始するようにしても良い。また、この紙幣受入制御は、販売取引終了後、待機中に開始するようにしてもよい。
また、この実施形態では、釣切れ発生時に、硬貨識別機2内の硬貨の貯留合計金額と、紙幣識別機3内に一時保留できる紙幣の金額と、メモリ4に記憶されている商品の価格とに基づいて最大受入枚数を算出するが、その際に、例えば、全ての金種の硬貨が釣り切れの場合は、通常は、価格が1,000円の商品は販売可能であり、したがって、1,000円紙幣1枚は受入可能であるが、メモリ4に価格が1,000円の商品が記憶されていないときは、紙幣の受け入れを0枚として、受入禁止してもよく、また、釣り切れ発生時には、全て紙幣の受け入れを禁止するようにしてもよい。
この実施形態の紙幣受入制御は、計数した硬貨の枚数を受入制御に利用するものである。通常、メンテナンス等の作業を行った後は、硬貨識別機2内には各種硬貨が最低貯留枚数未満にならない程度(ニアエンプティセンサ2a〜2dが最低貯留枚数未満と判定しない程度)に貯留されている。そのため、制御部1は、ニアエンプティセンサ2a〜2dで各種硬貨が最低貯留枚数量以上であることは把握しているが、硬貨識別機2内の各種硬貨が実際に何枚貯留されているかまでは正確に把握していない。しかし、各種硬貨が少なくとも最低貯留枚数以上は貯留されていることは確実なので、制御部1は、各種硬貨の最低貯留枚数から算出した硬貨貯留合計金額((10円×10)+(50円×10)+(100円×10)+(500円×5)=4,100円)と、紙幣識別機3のエスクロ機能で一時保留できる金額(1,000円×1=1,000円)との合計(5,100円)が払戻可能金額であると判断し、その払出可能金額(5,100円)から1,000円未満を切り捨てた金額(5,000円)に相当する紙幣枚数(1,000円紙幣5枚)までの受入を可能とする(図4参照)。
そして、ある程度取引が行われて、各種硬貨が硬貨識別機2内に貯留され、少なくとも一つの金種の硬貨、例えば100円硬貨が満杯まで貯留されたことが満杯センサ6a〜6dによって検知されると、制御部1は、100円硬貨が貯留されている硬貨貯留部の満杯検知センサ6cの検知信号を受け、100円硬貨が硬貨貯留部の最大貯留枚数である100枚分貯留されたと判断する。そして、その他の金種の硬貨は貯留された枚数が正確に把握できていないので、それら硬貨の最低貯留枚数から算出した合計額((10円×10)+(50円×10)+(500円×5)=3,100円)と100円硬貨が満杯貯留されたときの合計貯留金額(100円×100=10,000円)との合計を算出して硬貨貯留合計金額(13,100円)とし、その硬貨貯留合計金額と紙幣識別機3のエスクロ機能で一時保留できる金額(1,000円)とを合計した金額(14,100円)までが払戻可能金額であると判断して、その払出可能金額(14,100円)から1,000円未満を切り捨てた金額(14,000円)に相当する1,000円紙幣14枚までの受入を可能とする(図4参照)。そして、この時、制御部1は、100円硬貨は満杯の100枚が貯留されていると把握できたので、100円硬貨の初期枚数を100枚として以後の100円硬貨の払出・受入の枚数の計数を開始する。
そして、さらに取引が進み、満杯センサ6cによって既に計数されている100円硬貨以外の他の金種の硬貨、例えば50円硬貨が満杯となったことが50円硬貨が貯留されている硬貨貯留部の満杯センサ6bによって検知されると、制御部1は、その満杯センサ6bの検知信号を受け、50円硬貨が硬貨貯留部の最大貯留枚数である100枚分貯留されたと判断する。そして、50円硬貨と、既に計数されている100円硬貨以外の他の金種の硬貨は、貯留された枚数がまだ正確に把握できていないので、それら硬貨の最低貯留枚数から算出した合計額((10円×10)+(500円×5)=2,600円)と、50円硬貨が満杯貯留されたときの合計金額(50円×100=5,000円)と、既に計数が開示されている100円硬貨のその時点での貯留枚数が例えば50枚として、その100円硬貨の貯留合計金額(100円×50=5,000円)との合計を算出して、硬貨合計額(12,600円)とし、その硬貨貯留合計金額と紙幣識別機3のエスクロ機能で一時保留できる金額(1,000円)とを合計した金額(13,600円)までが払戻可能金額であると判断して、その払出可能金額(13,600円)から1,000円未満を切り捨てた金額(13,000円)に相当する1,000円紙幣13枚までの受入を可能とする(図4参照)。そして、この時、制御部1は、50円効果も最大貯留枚数の100枚が貯留されていると把握できたので、50円硬貨の初期枚数を100枚として以後の50円硬貨の払出・受入の枚数の計数を開始する。
そして、全ての金種の硬貨が一度満杯となることで各種硬貨の計数が開始されると、制御部1は、計数されている各種硬貨のその時点での貯留枚数から硬貨貯留合計金額を算出し、その硬貨貯留合計額と紙幣識別機3のエスクロ機能で一時保留できる金額(1,000円)とを合計した金額までが払戻可能金額であると判断し、その払戻可能金額から1,000円未満を切り捨てた金額までの1,000円紙幣の受入を可能とする。
これにより、メンテナンス等の作業後の硬貨識別機2内の各種硬貨の枚数が正確に把握できていなくても、硬貨の計数が確実にできるようになるとともに、紙幣の受入額を大幅に増加できるようになり、高額商品の取り扱いも可能となり、円滑な取引が可能となる。
なお、この実施形態では、硬貨識別機2内に貯留されている各種硬貨の枚数からその都度、硬貨貯留合計金額を算出しているが、メモリ4内に予め各種硬貨の貯留枚数に対応づけて紙幣の受入可能枚数をマップとして記憶しておき、ニアエンプティセンサ2a〜2dおよび満杯センサ6a〜6dの検知結果や、計数センサ7a〜7d,8a〜8dによって計数された貯留枚数に応じて、対応する紙幣の受入可能枚数をマップから読み出すようにしてもよい。
(第2実施形態)
図5および図6は本発明の第2実施例を示している。図5は第2実施形態の自動取引装置の制御装置の構成を示すブロック図、図6は第2実施形態の自動取引装置の紙幣受入制御のメインルーチンを示すフローチャートである。図3に示す第1実施形態の紙幣受入制御のサブルーチンを示すフローチャートは、この第2実施形態にも共通する。
この実施形態の自動取引装置は、例えば自動販売機であって、各種制御を行う制御部1を備えるとともに、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨のそれぞれの硬貨を識別して別々に貯留する硬貨識別機(コインメック)2と、投入される1,000円紙幣を識別収納する紙幣識別機(ビルバリ)3と、硬貨識別機2に貯留される各種硬貨の最低貯留枚数および満杯時の貯留枚数と、各種硬貨の現在の貯留枚数の計数結果および販売される商品の価格を記憶するメモリ4を備え、制御部1に、それら硬貨識別機2と、紙幣識別機3と、メモリ4が接続されている。紙幣識別機3の構成および機能は、先の第1実施形態と同様である。
そして、硬貨識別機2は、10円、50円、100円、500円のそれぞれの金種の硬貨を識別して種類別に縦方向に積み重ねて別々に収納する筒状の硬貨貯留部2a〜2dを備え、それらの硬貨貯留部2a〜2dに、第1の所定枚数として、釣銭を払い出すための各種硬貨の最低貯留枚数(10円硬貨と50円硬貨と100円硬貨については各10枚、500円硬貨については5枚)が貯留されているかどうかを検知する第1の硬貨貯留枚数検知手段であり最低貯留枚数検知手段でもあるニアエンプティセンサ5a〜5dがそれぞれに設けられている。
ニアエンプティセンサ5a〜5dは、10円硬貨、50円硬貨および100円硬貨についてはそれら硬貨が各10枚積み重なった高さに相当する位置に設けられ、500円硬貨については硬貨が5枚積み重なった高さに相当する位置に設けられている。
制御部1は、硬貨収納部2の各硬貨貯留部2a〜2dに貯留されている各金種の硬貨の最上部の硬貨がニアエンプティセンサ5a〜5dの位置よりも下に位置し、その金種の硬貨の貯留枚数が最低貯留枚数に満たないことがニアエンプティセンサ5a〜5dで検知されると,その金種の硬貨が釣切れ状態であると判定して、釣切れを知らせるランプ(図示せず)を点灯する。
また、各硬貨収納部2a〜2dの上部には、貯留される各金種の硬貨が第2の所定枚数である満杯になったことを検知する第2の硬貨貯留枚数検知手段である満杯センサ6a〜6dが金種毎に設けられている。
満杯センサ6a〜6dは、10円硬貨、50円硬貨および100円硬貨についてはそれら硬貨が各100枚積み重なった高さに相当する位置に設けられ、500円硬貨については硬貨が50枚積み重なった高さに相当する位置に設けられている。
制御部1は、硬貨収納部2の各硬貨貯留部2a〜2dに貯留されている各金種の硬貨の最上部の硬貨が満杯センサ6a〜6dの位置に達し、その金種の硬貨の貯留枚数が最大貯留枚数に達したことが満杯センサ6a〜6dで検知されると,満杯状態と判定して、その後、その金種の硬貨が投入されたときに、硬貨貯留部2a〜2dへ貯留させず、硬貨識別機2とは別に設けた金箱(図示せず)に搬送収納するよう制御する。
また、この実施形態では、各硬貨収納部2a〜2dの中間高さ位置(例えば10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨についてはそれぞれ50枚、500円硬貨については25枚が積み重なった高さの位置)に、貯留される各金種の硬貨がニアエンプティと満杯の中間の所定枚数になったことを検知する硬貨中間貯留枚数検知手段である中間枚数センサ9a〜9dが設けられている。
制御部1は、ニアエンプティセンサ2a〜2dと、満杯センサ6a〜6dと、中間枚数センサ9a〜9dの検知信号に基づいて、釣切れ状態、最低貯留枚数以上で中間所定枚数未満の状態、中間所定枚数以上で満杯未満の状態、満杯状態の4つの状態を判定する。なお、中間枚数センサ9a〜9dは、ニアエンプティセンサ2a〜2dと満杯センサ6a〜6dの間に複数設けてもよく、そうすることで制御部1は、より細かく各種硬貨の貯留状態を把握することが可能となる。
また、硬貨識別機2の各硬貨貯留部2a〜2dの最上部の硬貨入口部と最下部の硬貨出口部には、各硬貨貯留部2a〜2dへの硬貨に入出を計数する計数手段である計数センサ7a〜7d,8a〜8bがそれぞれ設けられている。
なお、この実施形態では、紙幣識別機に収納される紙幣が1,000円紙幣のみである場合を説明するが、5,000円紙幣や10,000円紙幣を受け入れ可能な紙幣識別機を使用するようにしてもよい。また、エスクロ機能も、本実施形態では紙幣1枚だけを一時保留する設定であるが、複数枚を一時保留できる設定としてもよい。また、エスクロ機能がない紙幣識別機を使用してもよい。
この実施形態の自動取引装置は、例えば1回の販売取引が終了した直後の所定のタイミングで、制御部1が、図6に示す紙幣受入制御の処理を開始する。
そして、まず、10円硬貨の検知処理を指定し(ステップS201)、10円硬貨について、硬貨識別機2の硬貨貯留部2aに設けられているニアエンプティセンサ5aにより、貯留枚数が最低貯留枚数(10枚)以上であるかどうかを確認する(ステップS202)。
そして、貯留枚数が最低貯留枚数(10枚)未満であれば、釣銭払出可能枚数に満たないとして、釣切れを知らせる釣切ランプを点灯させると共に、10円硬貨の貯留枚数を0枚と仮定し(ステップS207)、10円硬貨の現在の貯留合計金額を0円と算出する(ステップS206)。
また、10円硬貨の貯留枚数が最低貯留枚数(10枚)以上であれば、硬貨識別機2の硬貨貯留部2aに設けられている中間枚数センサ9aにより、貯留枚数が中間の所定枚数(50枚)以上であるかどうかを確認する(ステップS203)。
そして、貯留枚数が中間の所定枚数(50枚)未満であれば、最低貯留枚数(10枚)と仮定して、メモリからその金種の最低貯留枚数(10枚)を読み出し(ステップS208)、その最低貯留枚数(10枚)に基づいて10円硬貨の現在の貯留合計金額を算出する(ステップS206)。
また、10円硬貨の貯留枚数が所定の中間枚数(50枚)以上であれば、満杯センサ6aにより、貯留枚数が満杯となる最大貯留枚数(100枚)に達したかどうかを確認する(ステップS204)。
そして、10円硬貨が満杯でないときは、10円硬貨の貯留枚数を中間の所定枚数(50枚)と仮定して、メモリからその金種の最低貯留枚数(50枚)を読み出し(ステップS209)、その最低貯留枚数(50枚)に基づいて10円硬貨の現在の貯留合計金額を算出する(ステップS206)。
また、10円硬貨が満杯であることが確認されると、メモリ4から10円硬貨の満杯時の最大貯留枚数(100枚)を読み出して(ステップS205)、その満杯時の最大貯留枚数(100枚)に基づいて10円硬貨の貯留合計金額を算出する(ステップS206)。
次に、50円硬貨についても同様の処理(ステップS210〜218)を行い、100円硬貨についても同様の処理(ステップS219〜227)を行い、500円硬貨についても同様の処理(ステップS228〜236)を行って、それぞれの硬貨の貯留合計金額を算出する。その際、最低貯留枚数は、50円硬貨については10枚、100円硬貨については10枚、500円硬貨については5枚の設定とし、中間の所定枚数は、50円硬貨については50枚、100円硬貨については50枚、500円硬貨については25枚の設定とし、また、最大貯留枚数は、50円硬貨については100枚、100円硬貨については100枚、500円硬貨については50枚の設定とする。
そして、こうして全ての金種の硬貨について貯留合計金額の算出が終了した後、それら各金種の貯留合計金額を合計して硬貨貯留合計金額を算出する(ステップS237)。
そして、紙幣識別機3に一時保留可能な紙幣(1,000円紙幣1枚)の金額(1,000円)をメモリ4から読み出し、その金額と算出した硬貨貯留合計金額とを合計して、その合計金額を現在の払出可能金額とし、その払出可能金額から、1,000円未満を切り捨てて、受け入れ可能な紙幣の金額(最大受入金額)を算出し、最大受入枚数を設定する(ステップS238)。
そして、図3に示す処理を実行する(ステップS239)。この処理は先の第1実施形態で説明したとおりである。
この実施形態の紙幣受入制御は、ニアエンプティセンサ2a〜2d、満杯センサ6a〜6d以外に、中間枚数センサ9a〜9dを設け、それら3つのセンサの検知信号に基づいて紙幣受入制御を行うものである。通常、メンテナンス等の作業を行った後は、硬貨識別機2内には各種硬貨が最低貯留枚数未満にならない程度(ニアエンプティセンサ2a〜2dが最低貯留枚数未満と判定しない程度)に貯留されている。そのため、制御部1は、ニアエンプティセンサ2a〜2dで各種硬貨が最低貯留枚数量以上であることは把握しているが、硬貨識別機2内の各種硬貨が実際に何枚貯留されているかまでは正確に把握していない。しかし、各種硬貨が少なくとも最低貯留枚数以上は貯留されていることは確実なので、制御部1は、各種硬貨の最低貯留枚数から算出した硬貨貯留合計金額((10円×10)+(50円×10)+(100円×10)+(500円×5)=4,100円)と、紙幣識別機3のエスクロ機能で一時保留できる金額(1,000円×1=1,000円)との合計(5,100円)が払戻可能金額であると判断し、その払出可能金額(5,100円)から1,000円未満を切り捨てた金額(5,000円)に相当する紙幣枚数(1,000円紙幣5枚)までの受入を可能とする。
そして、ある程度取引が行われて、各種硬貨が硬貨識別機2内に貯留され、少なくとも一つの金種の硬貨、例えば50円硬貨と100円硬貨が中間の所定枚数まで貯留されたことが中間枚数センサ9a〜9dによって検知されると、制御部1は、50円硬貨が貯留されている硬貨貯留部の中間枚数センサ9bと100円硬貨が貯留されている硬貨貯留部の中間枚数センサ9cの検知信号を受け、50円硬貨と100円硬貨がそれぞれ硬貨貯留部の中間の所定枚数である50枚分貯留されたと判断する。そして、その他の金種の硬貨は貯留された枚数が正確に把握できていないので、それら硬貨の最低貯留枚数から算出した合計額((10円×10)+(500円×5)=2,600円)と、50円硬貨が所定枚数貯留されたときの合計貯留金額(50円×50=2,500円)と、100円が所定枚数貯留されたときの合計貯留金額(100円×50=5,000円)とを合計を算出して硬貨貯留合計金額(10,100円)とし、その硬貨貯留合計金額と紙幣識別機3のエスクロ機能で一時保留できる金額(1,000円)とを合計した金額(11,100円)までが払戻可能金額であると判断して、その払出可能金額(11,100円)から1,000円未満を切り捨てた金額(11,000円)に相当する1,000円紙幣11枚までの受入を可能とする。
そして、さらに取引が進み、例えば10円硬貨が中間の所定枚数(50枚)まで貯留されたことが中間枚数センサ9aによって検知され、50円硬貨が払い出されて中間の所定枚数(50枚)未満になったことが中間枚数センサ9bによって検知され、100円硬貨が満杯になったことが満杯検知センサ6cによって検知されたとすると、制御部1は、貯留枚数が把握されていない500円硬貨の最低貯留枚数(5枚)の貯留合計金額(500円×5=2,500円)と、中間の所定枚数未満且つ最低貯留枚数以上貯留されていると判断された50円硬貨の最低貯留枚数(10枚)の貯留合計額(50円×10=500円)と、10円硬貨が中間の所定枚数(50枚)貯留されたときの貯留合計金額(10円×50=500円)と、100円硬貨が満杯(100枚)まで貯留されたときの貯留合計金額(100円×100=10,000円)とを合計し合計を算出して硬貨貯留合計金額(13,500円)とし、その硬貨貯留合計金額と紙幣識別機3のエスクロ機能で一時保留できる金額(1,000円)とを合計した金額(14,500円)までが払戻可能金額であると判断して、その払出可能金額(14,500円)から1,000円未満を切り捨てた金額(14,000円)に相当する1,000円紙幣14枚までの受入を可能とする。
このように、ニアエンプティセンサ2a〜2d、満杯センサ6a〜6d、中間枚数センサ9a〜9dの3つのセンサによって、釣切れ、最低貯留枚数以上中間の所定枚数未満、中間の所定枚数以上満杯未満、満杯というように、各種硬貨がどの程度硬貨識別機内に貯留されているかを大まかに判定して、3段階の紙幣の受入制御を行うことができ、それにより、メンテナンス等の作業後に硬貨識別機2内の各種硬貨の枚数が正確に把握できていなくても、硬貨の貯留枚数の大まかな把握ができ、貯留枚数に合わせて紙幣の受入金額を細かに切り換えることで、高額商品の取り扱いも可能となり、円滑な取引が可能となる。
以上、2つの実施形態を説明したが、他に、例えば、ニアエンプティセンサによる貯留枚数検出と満杯センサによる貯留枚数検出との2つの受入制御を実施するなど、様々な実施形態が可能である。