JP4909455B2 - 自動車の車体前部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体前部構造に関し、特にサイドフレームと、このサイドフレームに結合されて前車輪やエンジン等を支持するサブフレームとを備えた車体前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車体前部は、例えば、特開平9−226631号公報に開示され、図5に側面図を模式的に示すようにトーボード101によってエンジンルーム103と車室104とに区画され、エンジンルーム103の前部からトーボード101及びフロア(図示せず)の下面に沿って前後方向に左右のサイドフレーム105が延在している。
【0003】
更に、エンジンルーム103内において、サイドフレーム105の下方にエンジンや前車輪を支持するサブフレーム106が延在し、サブフレーム106の後端をトーボード101の下端近傍でサイドフレーム105の屈曲部105aに結合すると共に、サブフレーム106の中間部に設けられた門形の結合フレーム108をサイドフレーム105に結合することによってサイドフレーム105の下方にサブフレーム106を結合支持している。
【0004】
更に、特開2000−16327号公報に開示され、かつ図6に示すようにサブフレーム106の後端をトーボード(図示せず)の下端近傍でサイドフレーム105に結合すると共に、サブフレーム106の前端を前面109a及び後面109bが各々上方に移行するに従って前方及び後方に変移するように傾斜した支持ブラケット109によってサイドフレーム105に結合することによってサイドフレーム105の下方にサブフレーム106を結合している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平9−226631号公報によると、門形の結合フレーム108によってサイドフレーム105の下方にサブフレーム106を支持することから、サイドフレーム105及びサブフレーム106の中間部が広範囲に亘って結合フレーム108によって剛性強度が増大し、車体前方から衝撃荷重が作用した際、サイドフレーム105及びサブフレーム106の前端からの円滑な潰れ変形が阻害されて十分なクラッシュストロークが確保できず、かつサブフレーム106から結合フレーム108に入力された衝撃荷重がサイドフレーム105と結合フレーム105の結合部Aに応力が集中して結合部A及びこの近傍における変形が誘発されることと相まって、衝撃エネルギーの吸収が達成されないことが懸念される。
【0006】
一方、上記特開2000−16327号公報によると、サイドフレーム105とサブフレーム106を結合する支持ブラケット109の後面109bがサブフレーム106側からサイドフレーム105側に近接するに従って後方となるように傾斜して形成されることから、サブフレーム106の前端から支持ブラケット109に入力された衝撃荷重は、傾斜した後面109bに沿ってサイドフレーム105に円滑に伝達されて、サイドフレーム106と支持ブラケット109の後面109bとの接合部Aに発生する応力が集中が抑制されて支持ブラケット109の変形が回避されてサブフレーム106の姿勢保持がなされる。
【0007】
しかし、支持ブラケット109の前面109aがサブフレーム106側からサイドフレーム105側に近接するに従って前方となるように傾斜して形成されることから、サイドフレーム105の支持ブラケット109より前方となる前後方向の長さが制限されてクラッシュストロークが縮小して十分なサイドフレーム105による衝撃エネルギーの吸収に影響を及ぼすと共に、支持ブラケット109から前方にサブフレーム106が延設されることなく、サブフレーム106の潰れ変形による衝撃エネルギー吸収が十分に達成されないことが懸念される。
【0008】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明は、車体前方から衝撃荷重が作用した際、その衝撃エネルギーを有効的に吸収し得る安全性に優れた車体前部構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の車体前部構造の発明は、車体前後方向に延在する左右一対のサイドフレームと、該サイドフレームの下方に前後方向に延在するサブフレームを備えた自動車の前部車体構造において、上記サブフレームは、後端が上記サイドフレームに結合され、中間部に屈曲部を有すると共に、該屈曲部の前方に延在する直線状の前部範囲を備え、上記前部範囲の後端で、且つ該屈曲部の前方がサブフレーム支持部を介して上記サイドフレームに結合支持され、上記サブフレーム支持部は、該サブフレーム支持部の後面がサブフレーム側からサイドフレーム側に移行するに従って車体後方側となるように傾斜して延在すると共に、前面が略垂直に延在したことを特徴とする。
【0010】
請求項1の発明によると、サブフレーム支持部より前方に延在するサブフレームの部分が直線状の前部範囲であり、かつこの前部範囲がサブフレームの前端に衝撃荷重が作用した際にサブフレーム支持部によって挙動が防止されることから、前方からの衝撃荷重をサブフレームの後端からサイドメンバに伝達する一方、衝撃荷重の一部をサブフレーム支持部を介してサイドフレームに分散伝達されると共に、所定以上の衝撃荷重が作用した際にはサブフレームの前端から円滑に潰れ変形がもたらされてサブフレームによる衝撃エネルギー吸収が有効的に達成できる。
【0012】
更に、サブフレームを支持するサブフレーム支持部の後面を傾斜せしめることによって、サブフレームの前端に入力された衝撃荷重をサブフレームの後端からサイドフレームに伝達すると共に、衝撃荷重の一部を荷重方向に略沿って延在するサイドフレーム支持部の後面部を伝達経路としてサイドフレームに有効的伝達され、サブフレーム支持部とサイドフレームの接合部に発生する応力集中が回避されて、サブフレーム支持部の変形が抑制される。その結果、サブフレームの挙動の発生が抑制されてサブフレームによる衝撃荷重の伝達が円滑に行えると共に、所定以上の衝撃荷重が作用した際サブフレームの前端からの潰れ変形によるエネルギー吸収が確保される。
【0013】
また、衝撃荷重の伝達経路とならないサブフレーム支持部の前面を略垂直に延在させることによって、サイドフレームの有効クラッシュストロークの確保がもたらされて、サイドフレームによる衝撃エネルギー吸収の増大が得られる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車体前部構造において、上記サブフレーム支持部は、前端縁に車幅方向に延在する前部フランジが形成されたサブフレーム支持ブラケットと、前端縁に車幅方向に延在する前部フランジが形成されたブラケットクロージングとを有し、上記サブフレーム支持ブラケット及びブラケットクロージングの各前部フランジが接合されて上下方向に延在する中空断面形状であることを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明によると、サブフレーム支持部が、上下方向に延在する中空断面形状に形成されることから、前後方向からの荷重に対し、比較的剛性が低く、サイドメンバの潰れ変形への影響が少なく、かつ前部フランジが車幅方向に延在して形成されることから、車体前部のクラッシュに伴い後退する車体部材とサブフレーム支持部材との間にハーネス等が挟まれた際に、前部フランジの端縁によってハーネス等を切断する等の破損が回避できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による車体前部構造の実施の形態を図1乃至図4によって説明する。なお、矢印Fは車体前方、矢印OUTは車体側方を示している。
【0017】
図1は、車体前部1を模式的に示す側面図であり、車体前部1は、トーボード2によってエンジンルーム3と車室4とに区画され、左右一対のサイドフレーム10がエンジンルーム3の前端からトーボード2の前面及びフロア5の下面に亘って前後方向に延設され、サイドフレーム10の下方にエンジン及び前車輪等を支持するサブフレーム30が架設されている。
【0018】
サイドフレーム10は、エンジンルーム3内の下側部に沿って比較的直線状で前後方向に延在する前部範囲10Aと、屈曲部10aを介して前部範囲10Aの後端に連続形成されてトーボード2の前面に沿って延在する傾斜範囲10Bと、屈曲部10bを介して傾斜範囲10Bの下端に連続形成されてフロア5の下面に沿って前後方向に延在する後部範囲10Cとが連続形成されている。
【0019】
一方、左右のサブフレーム30は、前端間が車幅方向に延在するフロントクロスメンバ35によって連結されると共に、中間部に屈曲部30aを有し、屈曲部30aの前方に直線状で前後方向に延在する前部範囲30Aが形成され、サブフレーム支持部40に対応する前部範囲30Aの後端が、サブフレーム支持部40によってサイドフレーム10の前部範囲10Aの中央部に結合され、後端が後部範囲10Cの前端近傍にボルト等によって結合されている。
【0020】
サイドフレーム10の前部範囲10Aは、図3に示すようにサイドフレーム本体11と、リンホース15と、クロージングプレート19とによって前後方向に延在する略矩形の中空閉断面形状に形成されている。
【0021】
サイドフレーム本体11は、内面部12と、内面部12の上縁に沿って外方に折曲形成された上面部13と、内面部12の下縁に沿って外方に折曲形成されて上面部13に対向する下面部14とによって形成された前後方向に延在する断面略コ字状であって、上面部13の外端縁に沿って上方フランジ13aが上方に折曲形成され、下面部14の外側縁に沿って下方に下方フランジ14aが折曲形成されている。
【0022】
リンホース15は、サイドフレーム本体11内に嵌合して内面部12、上面部13、下面部14に各々重合可能な内面部16、上面部17及び下面部18によって形成された前後方向に延在する断面略コ字状で上面部17及び下面部18の外端縁に沿って上記上方フランジ13a及び下方フランジ14aに重合可能な上方フランジ17a及び下方フランジ18aが折曲形成されている。
【0023】
クロージングプレート19は、上縁20a及び下縁20bがサイドフレーム本体11の上方フランジ13a及び下方フランジ14aに重合可能な前後方向に延在するクロージングプレート本体20と、クロージングプレート本体20の中間部から下方に延設されてサブフレーム支持ブラケット45と協働してサブフレーム支持部40を形成するブラケットクロージング41が延設された板状に形成されている。
【0024】
ブラケットクロージング41は、前縁41aがクロージングプレート本体20の下縁20bから略垂直に垂下する一方、後縁41bがクロージングプレート本体20の下縁20bから下降するに従って前方に移行するように傾斜すると共に、下縁41cが略水平な側面視略台形形状であって、前縁41a及び下縁41cに沿って外方に折曲された前部フランジ41d及び下部フランジ41eが形成されている。
【0025】
サブフレーム支持ブラケット45は、図3及び図4の拡大斜視図を示すように、前縁46aが略垂直で、後縁46bが下降するに従って前方に移行するように傾斜すると共に上縁46c及び下縁46dが略水平で前後方向に延在する側面視略台形の内側面46と、前縁46aに沿って外方に折曲形成された略矩形の前面部47と、後縁46bに沿って外方に折曲形成された略矩形の後面部48と、下縁46dに沿って外方に折曲形成されると共に前縁及び後縁が前面部47及び後面部48の下縁に連結された略矩形の下面部49とを有している。
【0026】
更に、サブフレーム支持ブラケット45の内側面46の上縁46cに沿って、上方にサブフレーム本体11の内面部12に重合可能な内側結合部46eが延設され、前面部47の上端縁に沿ってサブフレーム本体11の下面部14に重合可能な上部フランジ47aが折曲形成されると共に外側端縁に沿って上記ブラケットクロージング41に形成された前部フランジ41dに重合可能な前部フランジ47dが外方に延設されている。
【0027】
後面部48の上端縁及び外側端縁に沿って各々サブフレーム本体11の下側面14に重合可能な上部フランジ48a及びブラケットクロージング41の後縁41bに沿って重合可能な後部フランジ48bが折曲形成され、かつ下面部49の外側端縁に沿ってブラケットクロージング41の下部フランジ41eに重合可能な下部フランジ49eが延設されている。
【0028】
更に、内側面46から内側結合部46eに亘って上下方向に延在するビード50が複数平行に形成されてサブフレーム支持ブラケット45の前後方向の荷重に対する剛性を抑制している。
【0029】
また、下面部49には、取付孔49aが穿設されると共にナット53が結合されて、サブフレーム30に穿設された取付孔31から挿入されたボルト51を取付孔49aに挿通させてナット53に螺合することによってサブフレーム30の中間部を取付支持するように形成されている。
【0030】
次に、このように形成された各部材の結合について説明する。先ずサブフレーム支持ブラケット45は、その内側面46に形成された内側結合部46eがサブフレーム本体11の内面部12に接合され、かつ前面部47及び後面部48に折曲形成された上部フランジ47a及び48aが下面部14の下面に接合される。特に後面部48の上縁に折曲形成された上部フランジ48aは、サイドフレーム本体11内に嵌合して接合されたリンホース15の下面部18の前端と共に、サイドフレーム本体11の下面部14に共に結合されてサイドフレーム本体11とサブフレーム支持ブラケット45が一体に結合される。
【0031】
更に、サイドフレーム本体11の上方フランジ13a及び下方フランジ14aにリンホース15の上方フランジ17a及び下方フランジ18aを各々介在してクロージングプレート19の上縁20a及び下縁20bを各々重ねると共に、サブフレーム支持ブラケット45及びブラケットクロージング41の各前部フランジ47dと41d、下部フランジ49eと41e、サブフレーム支持ブラケット41の後部フランジ48bとブラケットクロージング41の後縁41bを重ねる。
【0032】
そして、互いに重合されたサイドフレーム本体11及びリンホース15の各上方フランジ13aと17a及びクロージングプレート19の上縁20aを接合すると共に、サイドフレーム本体11及びリンホース15の各下方フランジ14aと18a及びクロージングプレート19の下縁20bを接合することによって、サイドフレーム本体11とクロージングプレート本体20による前後方向に延在する中空矩形断面のサイドフレーム10の前部範囲10Aが形成される。
【0033】
また、サイドフレーム支持ブラケット45及びブラケットクロージング41の前部フランジ47dと41d、下部フランジ49eと41e、ブラケットクロージング41の後部フランジ48bとブラケットクロージング41の後縁41bを接合することによって、サイドフレーム支持ブラケット45とブラケットクロージング41による上下方向に連続する断面略矩形で、かつ前面が前面部47によって略垂直に形成され、かつ後面部48によって後面が上昇するに従って後方に変移するように傾斜するサブフレーム支持部40が形成される。
【0034】
このように形成されたサブフレーム支持部40の下面部49に下方からサブフレーム30の前部範囲30Aの後端を重ね、サブフレーム30に穿設された取付孔31からボルト51を挿入して取付孔49aを貫通させてナット53に螺合することによってサブフレーム30の中間部が取付支持される。
【0035】
このように形成された車体前部に前方から衝撃荷重が作用すると、図2に示すようにサイドフレーム10の前端及びサブフレーム30の前端に前方から各々衝撃荷重P1、P2が入力され、サイドフレーム10に入力された衝撃荷重P1はサイドフレーム10の前部範囲10A、傾斜範囲10Bを介して後部範囲10Cに伝達されて、後部範囲10Cからフロア5及びサイドシル等によって車体全体に分散伝達される。
【0036】
一方、サブフレーム30の前端に入力された衝撃荷重P2は、前部範囲30Aから屈曲部30aを介してサイドフレーム30の後端からサイドフレーム10の後部範囲10Cの前端近傍に伝達されて車体全体に分散伝達されると共に、衝撃荷重P2の一部P3は前部範囲30Aの後端から分岐して、サブフレーム支持部40の傾斜した後面部48に沿って伝達されてサイドフレーム10とリンホース15の前端の結合部に入力され、リンホース15によってサイドフレーム10の広範囲に分散されてサイドフレーム10を介して後部範囲10Cから車体全体に分散伝達される。
【0037】
従って、サブフレーム30に入力された衝撃荷重P2の一部、即ち衝撃荷重P3は、その荷重方向に略沿って延在するサブフレーム支持部40の後面部48及び結合されて剛性が確保された後部フランジ48bとブラケットクロージング41の後縁41bを伝達経路としてサイドフレーム10とリンホース15に有効的伝達され、サブフレーム支持部40とサイドフレーム10の接合部Aに発生する応力集中が抑制されて、サブフレーム支持部40の変形が抑制される。
【0038】
更に、所定以上の衝撃荷重P1、P2がサイドフレーム10及びサブフレーム30の各前端に入力されると、上記と同様にサイドフレーム10に入力された衝撃荷重P1はサイドフレーム10の前部範囲10A、傾斜範囲10Bを介して後部範囲10Cから車体全体に分散伝達され、かつサブフレーム30の前端に入力された衝撃荷重P2はサイドフレーム30の後端からサイドフレーム10の後部範囲10Cの前端近傍に伝達される一方、前部範囲30Aの後端において分岐した衝撃荷重P3がサブフレーム支持部40の傾斜した後面部48に沿って伝達されてサイドフレーム10とリンホース15の前端の結合部に有効的に入力伝達され、サブフレーム支持部40とサイドフレーム10の接合部Aに発生する応力集中が抑制されると共にブラケットクロージング41をサイドフレーム10を形成するクロージングプレート本体20と一体に形成されることと相俟ってサブフレーム支持部40の変形が防止される。
【0039】
従って、サブフレーム支持部40によって支持されたサブフレーム30の挙動、特に直線状に形成された前部範囲30Aの姿勢変化が抑制されてサブフレーム30の前端から前部範囲30Aが円滑に潰れ変形して、サブフレーム30のクラッシュストロークによる衝撃エネルギー吸収が達成される。
【0040】
また、サブフレーム支持部40の前面が衝撃荷重の伝達経路から離れたサブフレーム支持部40の前面部47によって略垂直に形成されることから、サブフレーム支持部40から前方に位置するサイドフレーム10の範囲Lの増大が得られ、該部によるサイドフレーム10の前端からの円滑な潰れ変形によるクラッシュストロークが確保されると共に、サブフレーム支持ブラケット45の内側面46及び内側結合部46eに連続して上下方向に延在するビード50によってサブフレーム支持ブラケット45の前後方向の荷重対する剛性が抑制されることによってサブフレーム支持ブラケット45の取付によるサイドフレーム10の剛性の増大が抑制されることと相俟って、サイドフレーム10による衝撃エネルギー吸収が十分に達成される。
【0041】
また、サイドフレーム支持部40の前部に形成されるサブフレーム支持ブラケット45の前部フランジ47d及びブラケットクロージング部41の前部フランジ41dを車幅方向に延在させることによって、後退する車体前部に配設されたハーネス等が車体部材と前部フランジ47d及び41dに挟まった際にも、前部フランジ47d及び41dの端縁、いわゆるコバによってハーネス等を損傷させることが回避され更に安全性が向上する。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態ではブラケットクロージング41をサイドフレーム10を形成するクロージングプレート本体20と一体に形成したが、個々の部材によって形成することも可能である。
【0043】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によると、サブフレームが、直線状の前部範囲を備え後端がサイドフレームに結合され、かつサブフレームの前部範囲の後端で、且つ屈曲部の前方をサブフレーム支持部を介してサイドフレームに結合支持することから、サブフレームの前端に衝撃荷重が作用した際にサブフレーム支持部によって挙動が防止されて衝撃荷重を円滑にサイドフレームに伝達できると共に、所定以上の衝撃荷重が作用した際には、直線状に形成されたサブフレームの前部範囲が前端から円滑に潰れ変形がもたらされてサブフレームによる衝撃エネルギー吸収が有効的に達成できる。
【0044】
また、衝撃荷重の一部が荷重方向に略沿って延在するサブフレーム支持部の後面部を伝達経路としてサイドフレームに有効的伝達され、サブフレーム支持部とサイドフレームの結合部に発生する応力集中が抑制されてサブフレーム支持部の変形が防止されてサブフレームの挙動発生を抑制することができ、サブフレームによる衝撃荷重の伝達が円滑に行える。また、所定以上の衝撃荷重が作用した際サブフレームの前端からの潰れ変形によるエネルギー吸収が確保される。
【0045】
更に、衝撃荷重の伝達経路とならないサブフレーム支持部の前面を略垂直に延在させることによって、サイドフレームの有効クラッシュストロークが確保されて、サイドフレームによる衝撃エネルギー吸収の増大が得られる。
【0046】
請求項2に記載の発明によると、サブフレーム支持部が、上下方向に延在する中空断面形状に形成されることから、前後方向の荷重に対して、比較的剛性が低く、サイドメンバの潰れ変形への影響が少なく、かつ前部フランジが車幅方向に延在して形成されることから、車体前部のクラッシュに伴い後退する車体部材とサブフレーム支持部材との間にハーネス等が挟まれた際に、前部フランジの端縁によってハーネス等を切断する等の破損が回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車体前部構造の実施の形態の概要を示す車体前部を模式的に示す側面図である。
【図2】同じく、図1の要部拡大図である。
【図3】同じく、図1の要部分解斜視図である。
【図4】同じく、サブフレーム支持ブラケットの斜視図である。
【図5】従来の車体前部構造の概要を示す側面図である。
【図6】同じく、従来の車体前部構造の概要を示す側面図である。
【符号の説明】
1 車体前部
10 サイドフレーム
11 サイドフレーム本体
15 リンホース
19 クロージングプレート
20 クロージングプレート本体
30 サブフレーム
30a 屈曲部
30A 前部範囲
40 サブフレーム支持部
41 ブラケットクロージング
41d 前部フランジ
45 サブフレーム支持ブラケット
47d 前部フランジ
Claims (2)
- 車体前後方向に延在する左右一対のサイドフレームと、該サイドフレームの下方に前後方向に延在するサブフレームを備えた自動車の前部車体構造において、
上記サブフレームは、後端が上記サイドフレームに結合され、中間部に屈曲部を有すると共に、該屈曲部の前方に延在する直線状の前部範囲を備え、上記前部範囲の後端で、且つ該屈曲部の前方がサブフレーム支持部を介して上記サイドフレームに結合支持され、
上記サブフレーム支持部は、該サブフレーム支持部の後面がサブフレーム側からサイドフレーム側に移行するに従って車体後方側となるように傾斜して延在すると共に、前面が略垂直に延在したことを特徴とする自動車の車体前部構造。 - 上記サブフレーム支持部は、前端縁に車幅方向に延在する前部フランジが形成されたサブフレーム支持ブラケットと、前端縁に車幅方向に延在する前部フランジが形成されたブラケットクロージングとを有し、上記サブフレーム支持ブラケット及びブラケットクロージングの各前部フランジが接合されて上下方向に延在する中空断面形状であることを特徴とする請求項1に記載の自動車の前部構造。
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