以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
本発明を適用する電子装置としては、具体的には、主に静止画像データとこれに関連するデータ等を取得し取り扱うスチルカメラ、主に動画像データとその関連データ等を取得し取り扱うビデオカメラ、主に音声データとその関連データ等を取得し取り扱う録音機等がある。
このうち、以下の各実施形態においては、主に電子的な画像データファイル(静止画像データ及び動画像データ)とその関連データ(音声データを含む)等を取得し取り扱う撮影装置を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の電子装置の内部構成の概略を示すブロック構成図である。図2は、本実施形態の電子装置における無線接続によるデータ送信処理のフローチャートである。図3は、本実施形態の電子装置における記憶媒体の記憶領域に記憶されている複数のデータファイルの構造を概念的に示す図である。図4,図5は、図3の状態にある複数のデータファイルがファイルサイズに基いて並べ替えられた場合の送信リストを概念的に示す図であって、このうち図4はファイルサイズ大のデータから順番に並べ替えたリストの概念図であり、図5はファイルサイズ小のデータから順番に並べ替えたリストの概念図である。なお、図3〜図5においては、各ファイルを表わす部分の図面上における面積の大小がファイルサイズの大小を示している。
本実施形態の撮影装置は、例えば光学レンズ等からなる撮影光学系によって結像される被写体の光学像を撮像素子等の光電変換素子等により受光して、これを光電変換処理することで電気的な画像信号を取得し、この画像信号をデジタルデータ化した形態の画像データ及び同画像信号に関連する各種の情報データ等(以下、関連情報という)からなるデジタル画像データファイル(以下、単に画像ファイルという)を生成する撮影手段と、この撮影手段によって生成された画像ファイルに基づく画像を表示する表示手段と、同画像ファイルを記憶媒体等に記憶する記憶手段と、本撮影装置と外部装置との間でデータ通信を行って画像ファイルを送受信する有線通信機能及び無線通信機能を有する通信手段等を含んで構成され、主に静止画像データを取得し取り扱ういわゆるデジタルスチルカメラである。なお、本実施形態の撮影装置であるデジタルスチルカメラは、付随的に動画像データや音声データ等も扱い得るようにもなっている。
また、上記通信手段(有線又は無線)を用いて本撮影装置との間で画像ファイル等のデータ通信を行う外部装置としては、具体的には、例えば小型コンピュータ等の画像再生装置又は画像処理装置や外部ストレージ装置や他の撮影装置等に加え、プリンター等の画像印刷装置等がある。本実施形態における通信手段は、上記のような外部装置に向けて画像ファイル等の各種のデータファイルを送信する送信手段を特に含んで構成されるものである。
本実施形態の撮影装置100の具体的な構成は、図1に示すように、レンズ1と、撮像素子2と、撮像回路3と、A/D変換器(図1では単に「A/D」と表記している)4と、信号処理回路5と、フレームメモリ6と、FIFOメモリ7と、TFT液晶駆動回路9と、TFTパネル10と、バックライトユニット11と、ビデオ出力回路12と、ビデオ出力端子13と、記憶バッファ14と、記憶媒体インターフェース(以下、記憶媒体I/Fという)15と、記憶媒体16と、アクチュエータ17と、アクチュエータ駆動回路18と、外部有線データインターフェース(以下、外部有線データI/Fという)22と、キーマトリクス23と、LCD表示回路24と、LCDパネル25と、電池26と、電源回路27と、バックアップ電源28と、電池状態検出回路29と、第1CPU31と、第2CPU32と、EEPROM(FlashROM)19と、外部無線データインターフェース(以下、外部無線データI/Fという)20と、無線アンテナ21等によって主に構成されている。
レンズ1は、光学的な被写体像を形成し、これを撮像素子2の受光面上に結像させるために設けられるものである。
撮像素子2は、レンズ1によって形成される光学的な被写体像を受けて光電変換処理を行って、電気的な画像信号を出力する素子である。この撮像素子2としては、高速読み出しを行うことができるタイプの固体撮像素子であって、例えばCCD(電荷結合素子),CMOS(相補型金属酸化膜半導体)あるいはその他の各種のタイプの撮像素子が適用され得る。
撮像回路3は、撮像素子2からの出力信号を受けて、その画像信号に対して各種のアナログ信号処理を行う電子回路である。
A/D変換器4は、撮像回路3から出力されるアナログ形式の画像信号を受けて、デジタル形式の画像信号に変換するための回路である。
信号処理回路5は、A/D変換器4から出力されたデジタル形式の画像信号を受けて、各種のデジタル的な信号処理を行う回路である。
フレームメモリ6は、信号処理回路5によって処理された画像信号を受けて、処理済の画像信号や、この画像信号に関する各種データ等を一時的に記憶する一時記憶手段である。このフレームメモリ6としては、例えばSDRAM等の半導体記憶素子等が適用される。
なお、本撮影装置100においては、上述のレンズ1,撮像素子2,撮像回路3,A/D変換器4,信号処理回路5,フレームメモリ6等によって、被写体を撮影して画像信号を取得し画像ファイルを生成する撮影手段の主要部が構成される。つまり、この撮影手段は、本撮影装置100においては、画像情報を取得する情報取得手段として機能している。
また、本撮影装置100においては、特に図示していないが、画像情報以外の情報、例えば音声データ等を取得する情報取得手段としてマイクロフォン等の集音装置等を有している。
FIFOメモリ7は、画像信号を各種の表示装置へ向けて出力する際に、当該画像信号の一時的な記憶を行うために設けられるメモリである。
TFT液晶駆動回路9は、FIFOメモリ7から出力される画像信号を受けてTFTパネル10を制御する回路である。
TFTパネル10は、TFT液晶駆動回路9の制御によって画像信号に基づく画像や当該撮影装置100における各種の情報等を表示するための表示部であり、カラー表示可能なものが用いられる。
バックライトユニット11は、TFTパネル10の背面側に設けられ、当該TFTパネル10を背面側から照明するためのものである。
ビデオ出力回路12は、FIFOメモリ7からの画像信号を受けて、例えばNTSC形式のビデオ信号に変換し、ビデオ出力端子13を介して、当該ビデオ出力端子13に接続される外部表示装置等へ出力するための回路である。
ビデオ出力端子13は、本撮影装置100と外部表示装置等との間を電気的に接続するビデオケーブル等の信号線を接続するための接続端子である。
なお、本撮影装置100においては、上述のFIFOメモリ7,TFT液晶駆動回路9,TFTパネル10,バックライトユニット11等によって、上記撮影手段により生成された画像ファイルに基づく画像を表示する表示手段の主要部が構成される。
記憶バッファ14は、フレームメモリ6に一時的に記憶されている画像信号等を記憶媒体16に画像データとして記憶するとき、若しくは記憶媒体16から画像データを読み出してフレームメモリ6に一時的に記憶するとき等に用いられるバッファ(一時保存領域)である。
記憶媒体I/F15は、記憶媒体16への画像データ等の記憶処理や、記憶媒体16からの画像データ等の読み出し処理等を制御するための回路である。
記憶媒体16は、画像データやその他の各種データを記憶するための不揮発性の記憶媒体、例えば薄板形状,カード形状からなるメモリカード等である。この記憶媒体16としては、撮影装置100等の機器に対して着脱自在とする形態のものや、撮影装置100等の機器内部の電気回路に固設されている形態のもの等、様々な形態のものがあり、いずれの形態のものでも本撮影装置100に適用し得る。
なお、上述の記憶バッファ14,記憶媒体I/F15,記憶媒体16等によって、上記撮影手段により生成された画像ファイル(画像データ及びその関連情報のデータ)等は、記憶手段の主要部が構成される。この記憶手段は、上記撮影手段であり情報取得手段で取得された画像情報を所定の形態のデータファイルとして記憶媒体16に記憶する記憶手段として機能する回路部である。
アクチュエータ17は、レンズ1を駆動して、オートフォーカス動作を行ったりあるいはズーミング動作を行ったりするための駆動源である。
アクチュエータ駆動回路18は、第1CPU31の制御に基づいてアクチュエータ17を制御し駆動する回路である。
アクチュエータ17及びアクチュエータ駆動回路18によって、レンズ1を、その光軸方向に移動させることで被写体像の自動焦点調節(オートフォーカス(AF))動作や変倍動作を行うレンズ駆動手段の主要部を構成している。
外部有線データI/F22は、本撮影装置100と外部装置(図示せず)との間において画像データ等の伝送(送受信)を接続ケーブル等を介して行うための接続部分(インターフェース)であって、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格やIEEE1394規格等に準拠した有線通信機能を有するものが適用される。図1に示すように、本撮影装置100は、USB規格に準拠した有線通信機能を有するシステムとして例示している。
この外部有線データI/F22及びこれに接続される接続ケーブル(図示せず)と、第1CPU31のシステムコントロール部31a内に設けられる有線通信制御手段(後述するUSB通信制御機能部31e等)を用いて本撮影装置100と外部装置(図示せず)との間での有線接続によるデータ通信を確立し、両者間で画像ファイルの伝送を行う有線通信手段の主要部が構成される。
キーマトリクス23は、本撮影装置100に設けられる各種の操作スイッチや操作ボタン等を含む操作入力手段の総称として用いている。
即ち、キーマトリクス23に含まれる具体的な操作部材としては、例えば撮影装置100の電源状態をオン又はオフ状態に切り換える電源ボタン,撮影動作を開始させるレリーズボタン,撮影動作時には撮影倍率を変更するズームボタンとして機能し再生動作時には再生画像の拡大表示や縮小表示等の表示切換ボタンとして機能するズームボタン(TWボタン),メニュー画面を呼び出す等の各種の機能に割り当てられる複数の各種操作ボタン,メニュー画面等における選択設定を行う四方向選択キー(十字キーともいう),各種の操作ボタンを用いて選択した項目を決定指示するOKボタン等々の入力操作系の部材である。
そして、このキーマトリクス23には、上述の各種複数の操作部材と、これら操作部材のそれぞれに連動して所定の指示信号を発生させるスイッチ部材や各スイッチ部材からの指示信号を伝達する電気回路等を含んで構成される。
このキーマトリクス23の各操作部材が使用者により操作されることによって発生した指示信号は、第1CPU31に向けて出力されるようになっている。
LCD表示回路24は、第1CPU31の制御に基づいてLCDパネル25を制御し、これに各種の情報表示を行わせる回路である。
LCDパネル25は、例えば小型の液晶表示装置(LCD)等によって構成され、当該撮影装置100において設定済みの撮影条件や各種の設定情報、例えば撮影モード等の動作モード情報や、記憶媒体16に記憶可能な画像の枚数情報,撮影時のシャッタ速度や絞り値等の露出に関する情報等を表示する情報表示部材である。
電池26は、当該撮影装置100における主(メイン)電源である。この電池26としては、例えば乾電池等の一次電池や充電可能な蓄電池等の二次電池等が適用される。
バックアップ電源28は、当該撮影装置100の内部メモリや内部時計等に対して常に電力を供給するために設けられ、例えば本撮影装置100における各種の設定値等の情報や日時情報等を保持したり、日付表示を上記LCDパネル25等を用いて常時行い得るようにするための副(サブ)電源である。
電源回路27は、第1CPU31の指令に基づいて上記電池26及び上記バックアップ電源28からの電力を受けて、本撮影装置100の内部の各電気回路へと適宜供給する制御を行う回路である。
電池状態検出回路29は、電池26における電圧等、当該電池26の状態を検出して、第1CPU31(の電池残量管理機能部31g;後述する)へと出力する回路である。
第1CPU31は、主(メイン)CPUとして配設されているものである。この第1CPU31は、本撮影装置100における各回路を統括的に制御すると共に、各種の諸機能を実現するために各構成部を制御するメイン制御手段である。
そのために、本撮影装置100の第1CPU31は、同撮影装置100における各構成部を適宜制御(コントロール)することでシステム全体を制御するためのシステムコントロール部31aを備えている。
このシステムコントロール部31aの内部には、各種の電気回路等が形成されていて、例えばファイル関連性管理機能部31b,ファイルサイズ管理機能部31c,送信順番リスト生成機能部31d,USB通信制御機能部31e,WUSB通信制御機能部31f,電池残量管理機能部31g等のほか、図示していないが、撮影手段にて撮影動作を実行する際の各種の撮影条件を設定する撮影条件設定手段としての回路部や、撮影動作により取得した画像信号の画像データとこの画像データに関連する各種の情報(関連情報データ)とを合わせて画像ファイルを生成する画像ファイル生成手段としての回路部や、録音機能により取得される音声データをファイル化して生成し管理する回路部や、記憶媒体に記憶済みの各種のデータファイルに基いてアルバム機能や印刷機能を実行したり登録設定を行って各種の登録設定データ等を生成し記憶媒体に記憶する回路部や、生成された画像ファイルや音声ファイルや登録設定データ等等を適切な形態で記憶媒体16に記憶する記憶動作制御を行う回路部や、画像ファイルに基づく画像や関連情報を表示手段を用いて視覚的に表示可能な形態で提示する表示動作を実行する回路部や、音声ファイルに基づく音声をスピーカ等(図示せず)を用いて発音させる回路部等等、本撮影装置100における各種動作及び各種機能を制御するためのさまざまな制御回路を内部に有して構成されている。
本撮影装置100における無線通信手段は、無線通信機能を備えた外部装置(特に図示せず)との間で無線接続を確立し画像ファイル等のデータ信号を送受信するために設けられているものである。
本撮影装置100における無線通信機能を実現するための方式としては、例えばワイヤレスUSB(Wireless Universal Serial Bus;WUSB)規格に準拠した無線通信機能によるWUSB接続や、超広帯域(UWB;Ultra Wide Band) 無線接続や、IrDA(アイアールディーエイ;Infrared Data Association)規格に準拠した赤外線通信機能による光無線接続等を適用し得る。本撮影装置100では、図1に示すようにWUSB規格に準拠した無線通信機能を有するシステムとして例示している。
詳述すると本撮影装置100は、無線アンテナ21と、外部無線データI/F20と、第1CPU31のシステムコントロール部31a内に設けられる無線通信制御手段としてのWUSB通信制御機能部31f等からなる無線通信手段を有している。
第1CPU31のシステムコントロール部31aのWUSB通信制御機能部31fは、無線通信手段の一部である外部無線データI/F20等のオンオフ制御等を行って無線接続によるデータ通信機能を制御する無線通信制御手段として構成される回路である。
無線アンテナ21は、本撮影装置100と外部装置(図示せず)との間で無線によるデータ通信を行うのに際して、外部装置から発信される所定の形態の電磁波等の無線信号であってデータ通信に係る無線信号を受信すると共に、本撮影装置100から発信される所定の形態の電磁波等の無線信号であってデータ通信用の無線信号を送信する無線信号入出力部である。
この無線アンテナ21は、外部無線データI/F20と接続されていて、送受信した無線信号が外部無線データI/F20を介して第1CPU31との間で入出力するようになっている。
外部無線データI/F20は、無線アンテナ21と第1CPU31との間に介在し無線アンテナ21に入力される無線信号を所定の形態の電気信号に変換して第1CPU31へ出力したり、第1CPU31のWUSB通信制御機能部31fからの信号を無線信号に変換して無線アンテナ21へと出力する無線通信手段の一部であって無線通信接続部(インターフェース)として機能している。この外部無線データI/F20は、第1CPU31のシステムコントロール部31aのWUSB通信制御機能部31f(無線通信制御手段)によって制御される。
一方、USB通信制御機能部31eは、有線通信手段の一部である外部有線データI/F22等のオンオフ制御等を行って有線接続によるデータ通信機能を制御する有線通信制御手段として構成される回路である。このUSB通信制御機能部31eは、外部有線データI/F22との間で電気的に接続されている。
このように、本撮影装置100においては、USB通信制御機能部31e(有線通信手段)又はWUSB通信制御機能部31f(無線通信手段)の制御によって本撮影装置100と外部装置との間の有線接続又は無線接続を確保すると共に、本撮影装置100の記憶手段(記憶媒体16)に記憶された画像ファイルを外部装置に向けて伝送したり、外部装置からのデータ信号を受けてこれを記憶手段(記憶媒体16)に記憶させることができるようになっている。
また、ファイル関連性管理機能部31bは、記憶媒体16に記憶されているデータファイルのうち画像ファイルとその他のデータファイルについての関連性情報を管理する回路部である。
ファイルサイズ管理機能部31cは、記憶媒体16に記憶されたデータファイルの個々のファイルサイズを確認し特定するファイルサイズ特定手段として機能し、データファイルのファイルサイズについての情報を管理をする回路部である。
送信順番リスト生成機能部31dは、ファイルサイズ管理機能部31cによるファイルサイズ確認及び特定処理の結果を受けて記憶媒体16に記憶されているデータファイルのうち送信対象のデータファイルに順位を付与する順位付与手段として機能し、送信順番を列挙したリストを生成する回路部である。
電池残量管理機能部31gは、電池状態検出回路29によって検出された電池26の状態情報を受けて電池26の電力残量を検出する電池残量検出手段である。
つまり、電池残量管理機能部31gは、電池状態検出回路29の検出結果によって電池の電力残量を検出し、その検出結果(電力残量)に応じて送信順番リスト生成機能部31d(順位付与手段)は、送信対象ファイルに送信順位を付与するようになっている。
上述のように、本撮影装置100における第1CPU31は、主に各種の動作制御を行うための複数の集積回路により構成されている。
一方、第2CPU32は、本撮影装置100において、主に画像信号や各種データを取り扱う信号処理制御を実行する複数の集積回路により構成されている。
即ち、第2CPU32は、撮影手段又は記憶手段から取り込まれてフレームメモリ6に一時的に記憶されている画像データに基づいて、各種の信号処理を施す各種の回路、例えば画像圧縮伸張部32a,記憶媒体アクセス部32b等に加えて、記憶媒体アクセス部32bを介して記憶媒体16の内部状態や当該記憶媒体16に記憶されている各種ファイルについての処理等を行う各種の回路等を内部に有して構成されている。
画像圧縮伸張部32aは、フレームメモリ6に記憶されている画像データ等を読み出して、例えばJPEG圧縮処理等を行ったり、記憶媒体16から読み出された圧縮画像データの伸張処理等を行う回路部である。
記憶媒体アクセス部32bは、記憶媒体インターフェース15による記憶媒体16へのアクセスを制御するための回路部である。
その他、本発明に関連しない部分の構成については、通常一般のデジタルスチルカメラ等の撮影装置と略同様の構成であるものとして、その詳細な図示及び説明は省略する。
次に、上述のように構成される本撮影装置100において、無線通信手段を用いて画像ファイル等を外部装置に送信する際に実行されるデータ送信処理のシーケンスを、図2のフローチャートによって説明する。
まず、本実施形態の撮影装置100のキーマトリクス23のうちの電源ボタンが使用者により操作等されることによって、本撮影装置100が起動する(パワーオン)。
次いで、使用者が、キーマトリクス23の所定の操作による動作モード選択切替操作を行うと、本撮影装置100は、無線手段を用いて送信動作を行い得る無線送信モードに切り換わる。
本撮影装置100が無線送信モードで起動すると、第1CPU31は、図2のステップS1において、本撮影装置100の内部回路の無線通信手段における無線機能の初期化処理を実行する。この初期化処理は、通常の無線通信手段を具備する撮影装置において行われるのと同様の処理である。その後、ステップS2の処理に進む。
ステップS2において、第1CPU31は、ファイルサイズ管理機能部31cを制御して、記憶媒体I/F15を介して記憶媒体16に記憶されている各種のデータファイルのうち送信対象のデータファイル(以下、送信対象ファイルという)のファイルサイズを確認する処理を実行する。その後、ステップS3の処理に進む。
ここで、上記送信対象ファイルとは、使用者が予め所定の操作を行うことで、他の外部装置に向けて送信を所望する旨の付加情報が付されたデータファイルである。また、これに限らず、記憶媒体16に記憶されている全てのデータファイルを送信対象ファイルとしてもよい。
ステップS3において、第1CPU31は、ファイルサイズ管理機能部31cの処理結果に基いて送信順番リスト生成機能部31dを制御して記憶媒体16に記憶されているデータファイルのうち送信対象ファイルを、ファイルサイズ順に並び替えた形態のリストを生成する処理を実行する。ここで、第1CPU31は、自身の内部に有する送信順番カウンタn,mをリセットする。即ち、n=0,m=0にそれぞれをセットする。
なお、本撮影装置100において、記憶媒体16に記憶されている複数のデータファイルは、例えば図3に示すように、データの取得された順番で記憶されている。図3に示す例では、データ取得の順番にファイル名に固有の数字が昇順に振られるようになっている。
また、図3に示す例では、データファイルは、ファイル名+拡張子の形態で個々のファイルが特定されるようになっている。そして、拡張子「JPG」を持つデータファイル、即ち画像ファイルのみを送信対象ファイルとしている。
そして、このステップS3の並び替え処理において、例えば図4に示すようにファイルサイズが大きい順番に並べた形態の送信順番リストが生成される。なお、図3〜図5では、各ファイルを表わす部分の図面上における面積が、これら各ファイルの相対的なファイルサイズを表している。
次いで、ステップS4において、第1CPU31は、電池の電力残量を検出する処理を実行する。即ち、第1CPU31は、まず電池状態検出回路29を制御して電池26の状態を検出する。その検出結果は、電池残量管理機能部31gへと出力される。これを受けて、電池残量管理機能部31gは、電力残量の検出を行う。その後、ステップS5の処理に進む。
ステップS5において、第1CPU31は、上述のステップS4の処理における電池残量検出結果に基いて、電力残量が充分にあるか否か(所定の残量以上であるか否か)の確認を行う。ここで、電力残量が充分である、即ち所定の残量以上であることが確認された場合には、次のステップS6の処理に進む。
ステップS6において、第1CPU31は、送信順番カウンタnを一つ進める(インクリメントする)処理を行う。これにより、送信順番カウンタn=n+1がセットされる。その後、ステップS7の処理に進む。
ステップS7において、第1CPU31は、送信順番カウンタnを参照し、ファイルサイズがn番目に大きいデータファイルについての送信動作の処理を無線通信手段を制御して実行する。その後、ステップS8の処理に進む。
この場合において、図3に示す例では、最初に送信動作処理が実行されるのは、記憶媒体16に記憶されているデータファイルのうちファイルサイズが一番大きい(n=1の)データファイル、即ちファイル名「DSC0002.JPG」の画像ファイルが送信動作の処理対象となる。
つまり、撮影装置100の電力残量が充分ある場合には、送信動作処理の途中で電池切れによる無線接続の中断の心配がないので複数の送信対象ファイルのうちファイルサイズの大きいファイルから順に送信の順位を付与し、順次送信動作を実行する。このことは、ファイルサイズが大きいものほど、送信動作処理にかかる時間が必要となるため、撮影装置100の電力残量が充分あるうちに、時間のかかる処理を先に済ませておくための措置である。
一方、上述のステップS5の処理において、電力残量が充分ではない、即ち所定の残量未満であることが確認された場合には、ステップS9の処理に進む。
ステップS9において、第1CPU31は、送信順番カウンタmを一つ進める(インクリメントする)処理を行う。これにより、送信順番カウンタm=m+1がセットされる。その後、ステップS10の処理に進む。
ステップS10において、第1CPU31は、送信順番カウンタmを参照し、ファイルサイズがm番目に小さいデータファイルについての送信動作の処理を無線通信手段を制御して実行する。その後、ステップS8の処理に進む。
つまり、撮影装置100の電力残量が充分ではない場合には、複数の送信対象ファイルのうちファイルサイズの小さいデータファイルから順に送信順位が付与されて、順次送信動作が実行されることになる。この場合の送信順位リストを概念的に表わすと図5に示すような形態となる。このことは、ファイルサイズが小さいものほど、送信動作処理にかかる時間が少なくて済むため、撮影装置100の電力残量が少ないときには、時間のかからない処理を先に済ませることで、電力残量が消耗する前に出来るだけ多くの対象ファイルの送信を完了させるようにするための措置である。
そして、ステップS8において、第1CPU31は、送信順番カウンタn+m=送信対象ファイル数であるか否かの確認を行う。ここで、送信順番カウンタn+m=送信対象ファイル数ではないことが確認された場合には、上述のステップS4の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。これにより、送信対象ファイルは、付与された送信順位毎にデータ送信動作が順次行われる。
また、同ステップS8の処理において、送信順番カウンタn+m=送信対象ファイル数であることが確認された場合には、送信対象ファイルの全てについての送信動作処理が完了したものとして、一連の処理を終了し、データ送信処理のシーケンスを終了する。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、電池で動作する電子装置において、データ送信処理が実行される際には、まず、電池26の状態が検出されて、電力残量が充分であるか(所定の残量以上あるか)否かの確認が行われる。そして、電力残量検出の結果に応じて送信順位を付与する条件が切り換えられる。
即ち、実際には、ファイル送信前にファイルサイズの大きい順又はファイルサイズの小さい順に並べたリストが作成され(ステップS3)、電力残量が充分であるときには、このリストの順番でファイルサイズの大きい順にファイルが選択され、電力残量が少ない場合には、ファイルサイズの小さい順にファイルが選択される。そして、無線通信手段(送信手段)は、それらの選択に基いて順次、送信対象ファイルの送信を行うようにしている。
したがって、これにより、送信対象ファイルのファイルサイズと撮影装置の電力残量の検出結果とに応じて適宜、送信順位を切り換えて送信動作を行うようにしたので、電池で動作する電子装置である撮影装置100においても、送信対象ファイルの送信動作を効率的にかつ確実に行なうことができる。
次に、本発明の第2の実施形態について、以下に説明する。
本実施形態の撮影装置の構成は、上述の第1の実施形態の撮影装置の構成と同様であって、データ送信処理のシーケンスが異なるのみである。したがって、本実施形態においては、撮影装置自体の構成の説明は省略し、本撮影装置の作用のうち無線接続によるデータ送信処理のシーケンスについてのみ、以下に説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態の電子装置である撮影装置における無線接続によるデータ送信処理のフローチャートである。図7は、本実施形態の電子装置における記憶媒体の記憶領域に記憶されている複数のデータファイルの構造を概念的に示す図である。図8は、図7の状態にある複数のデータファイルのうち関連のあるデータファイル同士をグループ化して並べ替えた場合の送信順番リストの概念図である。なお、図7,図8においては、各ファイルを表わす部分の図面上における面積の大小がファイルサイズの大小を示している。
上述の第1の実施形態においては、送信対象ファイルが画像ファイルのみとした場合の例を示しているものであるが、本実施形態では、画像ファイルと、この画像ファイルに関連のあるデータファイルとをグループ化して送信対象ファイルの上位に配置する場合の例示である。
まず、撮影装置100を上述の第1の実施形態と同様の手順で起動させて(パワーオン)、無線手段を用いて送信動作を行い得る無線送信モードに切り換える。
すると、図6のステップS11において、第1CPU31は、本撮影装置100の内部回路の無線通信手段における無線機能の初期化処理を実行する。この初期化処理は、上述の第1の実施形態におけるステップS1の処理(図2参照)と同様の処理である。その後、ステップS12の処理に進む。
ステップS12において、第1CPU31は、ファイル関連性管理機能部31bを制御して、記憶媒体I/F15を介して記憶媒体16に記憶されている複数のデータファイルのうち送信対象ファイルと関連のあるデータが存在するか否かの確認をする処理を実行する。その後、ステップS13の処理に進む。
ここで、送信対象ファイルの関連性の確認処理は、例えば送信対象とする画像ファイルに対して関連のあるデータファイルが存在するか否か等の確認処理である。送信対象ファイルに関連のあるデータファイルが存在する場合には、通常の場合、その送信対象ファイルとその関連データファイルとの両者の関連付けを明示するための何らかの情報が、少なくとも一方のデータファイルのヘッダ部等に含まれていたり、両者に共通するファイル名が割り振られていたり、所定の関連情報が別ファイルとして記憶されている。
例えば、撮影動作によって画像ファイルが取得されたとき、同時に音声ファイルが別ファイルとして記憶媒体16に記憶される場合がある。また、撮影記憶済みの特定の画像ファイルに対して後日、音声ファイルを生成し、この音声ファイルをその特定の画像ファイルに関連付けするような場合もある。
このとき、本実施形態の撮影装置100における記憶媒体16には、図7に示すように、拡張子「JPG」が付された画像ファイルと、拡張子「WAV」が付された音声ファイルとが混在して記憶されるようになっている。
この場合において、記憶媒体16の記憶領域内では、まず、データが取得された順番、即ち撮影動作がなされた順番に画像ファイルが記憶されるようになっている。この一群の画像ファイルの記憶領域に続く領域に一群の音声ファイルが記憶される。
このとき、画像ファイルについては、図7に示すように、ファイル名にはデータ取得の順番に固有の数字が昇順に振られるようになっている。また、音声ファイルについては、関連する画像ファイルと同名(同じ数字)のファイル名が振られるようになっている。これにより、画像ファイルと音声ファイルとが関連付けされる。つまり、この場合には、ファイル名が関連を示す情報となっており、拡張子がファイルの種類を示す情報となっているわけである。
図6に戻って、ステップS13において、第1CPU31は、送信順番リスト生成機能部31dを制御して記憶媒体16に記憶されている送信対象ファイルの一覧(リスト)を生成する。これと同時に、第1CPU31は、送信済みフラグを初期化(クリア)する。その後、ステップS14の処理に進む。
次いで、ステップS14において、第1CPU31は、電力残量を検出する処理を実行する。この電力残量検出処理は、上述の第1の実施形態におけるステップS4の処理(図2参照)と同様である。その後、ステップS15の処理に進む。
ステップS15において、第1CPU31は、上述のステップS14の処理における電力残量検出結果に基いて、電力残量が充分にあるか否か(所定の残量以上であるか否か)の確認を行う(図2のステップS5の処理と同様)。
ここで、電力残量が充分である、即ち所定の残量以上であることが確認された場合には、次のステップS16の処理に進む。
ステップS16において、第1CPU31は、上記送信対象ファイルリストと各ファイルのタイムスタンプ等を参照して、送信対象ファイルをデータ取得順で並べ替えを行って送信順番リストを生成する処理を行う。その後、ステップS17の処理に進む。
ステップS17において、第1CPU31は、上述のステップS16の処理で生成された送信順番リストを参照し、当該リストの一番最初の未送信データファイルについての送信動作の処理を無線通信手段を制御して実行する。その後、ステップS18の処理に進む。
続いて、ステップS18において、第1CPU31は、上述のステップS17の処理にて送信動作が完了したデータファイルに対して、そのヘッダ部等に送信済みフラグをセットする。その後、ステップS19の処理に進む。
次に、ステップS19において、第1CPU31は、送信対象ファイルの全てのファイルに送信済みフラグがセットされているか否かの確認処理を実行する。ここで、送信対象ファイルの全てに送信終了フラグがセットされていない場合、即ち送信対象ファイルであって、未送信のデータファイルがある場合には、上述のステップS14の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。また、送信対象ファイルの全てに送信済みフラグがセットされていることが確認された場合には、送信対象ファイルの全てについての送信動作が終了したものとして、一連のデータ送信処理のシーケンスを終了する。
一方、上述のステップS15の処理において、電力残量が充分ではない、即ち所定の残量未満であることが確認された場合には、ステップS20の処理に進む。
ステップS20において、第1CPU31は、送信対象ファイルリスト上のデータファイルについて、送信済みフラグの有無を確認し、既に送信されたデータファイルが存在するか否かの確認を行う。ここで、送信済みデータファイルがあることが確認された場合には、次のステップS21の処理に進む。
ステップS21において、第1CPU31は、ファイル関連性管理機能部31bを制御して送信済みデータファイルに対応する関連のある未送信のデータファイルが存在するか否かの確認を行う。ここで、送信済みデータファイルに対応する関連のある未送信のデータファイルが存在することが確認された場合には、次のステップS22の処理に進む。
ステップS22において、第1CPU31は、ファイル関連性管理機能部31b,送信順番リスト生成機能部31dを制御して送信済みデータファイルに対応する関連のある未送信のデータファイルを上記送信対象ファイルリストの上位に配置して送信順位を繰り上げる処理を行う。その後、次のステップS23の処理に進む。
ステップS23において、第1CPU31は、送信順番リスト生成機能部31dを制御して、その他の残りのデータファイル(他のデータファイルと関連のない単独のデータファイル等)を上記送信対象ファイルリストの下位領域に配置する並び替え処理を行って送信順位リストを生成する。その後、ステップS24の処理に進む。
つまり、グループ化手段(ファイル関連性管理機能部31b,送信順番リスト生成機能部31d)によってグループ化されたデータファイルの順位は、単独の送信対象ファイルよりも高くなるように順位付けされる。そして、順位付与手段(送信順番リスト生成機能部31d)により設定される順位に従ってグループ化されたデータファイルが、単独のデータファイルよりも優先して送信されることになる。
ステップS24において、第1CPU31は、無線通信手段を制御して送信順位リストの最上位のデータファイルについての送信動作の処理を実行する。その後、上述のステップS18の処理に進む。以降の処理は上述の通りである。
一方、上述のステップS20の処理において、第1CPU31は、送信対象ファイルリスト上のデータファイルに送信済みデータファイルが存在しないことを確認した場合には、ステップS26の処理に進む。
ステップS26において、第1CPU31は、ファイル関連性管理機能部31b,送信順番リスト生成機能部31dを制御して送信対象ファイルリストにおいて、関連のあるデータファイル同士をグループ化して当該送信対象ファイルリストの上位に配置して送信順位を繰り上げる処理を行う。その後、次のステップS23の処理に進む。
つまり、ここでは、ファイル関連性管理機能部31b,送信順番リスト生成機能部31dは、記憶媒体16に記憶されたデータファイル間に設定されている関連付け情報に基いてグループ化を行うグループ化手段としての役目をしている。
他方、上述のステップS21の処理において、送信済みデータファイルに対応する関連のあるデータファイルは存在しないことが確認された場合には、ステップS25の処理に進む。
ステップS25において、第1CPU31は、ファイル関連性管理機能部31b,送信順番リスト生成機能部31dを制御して未送信のデータファイルのうち関連のあるデータファイル同士をグループ化して上記送信対象ファイルリストの上位に配置して送信順位を繰り上げる処理を行う。その後、次のステップS23の処理に進む。
このように、ステップS22,S23,S25,S26において、それぞれの条件にて並べ替え処理が行われることにより、例えば図8に示すような送信順番リストが生成される。
この送信順番リストは、ファイル関連性管理機能部31bの処理結果に基いて送信順番リスト生成機能部31dにおいて生成されるリストであって、例えば、図8に示す符号A,符号Bのように、関連のあるデータファイル同士、即ち拡張子を除く部分のファイル名が同名に設定された画像ファイル(拡張子「JPG」)と音声ファイル(拡張子「WAV」)とがセットとしてグループ化され、このセットがリストの上位に順位付けされることになる。この場合において、各グループ間での順位は、ファイル名の数字順に昇順に並べ替えた形態となる。また、上述の第1の実施形態と同様に、グループ間での順位をファイルサイズの大小で並べ替えるようにしてもよい。
なお、この図8に示す例では、一番最初に送信動作処理が実行されるのは、ファイル名「DSC0002.JPG」の画像ファイルと、その関連データである音声ファイル(ファイル名「DSC0002.WAV」)が順次送信動作の処理対象となる。
つまり、撮影装置100の電力残量が充分ある場合には、画像ファイルとこれの関連データファイルとをグループ化したものが優先して送信されるように設定している。このことは、単独のデータファイルよりも、他のデータファイルと関連を有するデータファイルの方が、使用者に活用されているデータファイルであって、より重要性があるものと推定し、電力残量に充分な余裕があるうちに、これらのデータファイルを優先して送信処理するという思想がある。
本実施形態のデータ送信処理のシーケンスを簡略に説明すると、
電力残量が充分にあると判断された場合(ステップS15)には、ステップS16,S17,S18,S19のシーケンスにおいて、記憶媒体16に記憶された際の順序、例えばファイル名順でデータ送信処理が順次なされる。この場合は、電池に余裕があるので、順次送信するのみの単純な処理を行うのみでよい。
一方、電力残量が充分ではないと判断されて(ステップS15)分岐した後の処理のうち、既に送信済みファイルがあった場合には、ステップS20,S21,S22,S23,S24,S18,S19のシーケンスにおいて、その送信済みファイルの関連データを優先して送信する処理を行っている。
また、電力残量が充分ではないと判断されて(ステップS15)分岐した後の処理のうち、送信済みファイルがない場合には、ステップS20,S26,S23,S24,S18,S19のシーケンスにおいて、送信対象リストのうち関連のあるデータファイル(画像ファイルとその関連データの一対セット)をグループ化して、これを優先して送信する処理を行っている。
他方、電力残量が充分ではないと判断されて(ステップS15)分岐した後の処理のうち、送信済みファイルがある場合であって、かつその送信済みファイルの関連ファイルも送信済みである場合には、未送信ファイルのうちの関連のあるデータファイル(画像ファイルとその関連データの一対セット)をグループ化して、これを優先して送信する処理を行っている。
これらの一連の処理によって、関連のあるデータファイル、即ち例えば画像ファイルとその関連ファイルとのセットができるだけ同一媒体に同時に存在するようにできるので、両者の関連性を常に維持することができ、よって、送信先の外部装置に送信済みファイルは、その関連ファイルの情報に基いて有効活用することができるようになる。
以上説明したように上記第2の実施形態によれば、電池で動作する電子装置において、データ送信処理が実行される際には、まず、電池26の状態が検出されて、電力残量が充分であるか(所定の残量以上あるか)否かの確認が行われる。そして、電力残量検出の結果に応じて送信順位を付与する条件が切り換えられる。
この場合において、具体的には、電力残量が充分であるときには、データ取得時のタイムスタンプの古い順にデータ送信順位が付与される。一方、電力残量が少ない場合(所定量未満の場合)には、関連のあるデータファイル同士がグループ化された後、グループ毎にデータ送信順位が付与される。そして、無線通信手段(送信手段)は、順位付与手段(送信順番リスト生成機能部31d)で付与された順位に基いて順受送信対象のデータファイルの送信を行うようにしている。
したがって、これにより、送信対象ファイルの関連性と電力残量の検出結果とに応じて適宜送信順位を切り換えて送信動作を行うようにしたので、電池で動作する電子装置である撮影装置100においても、送信対象ファイルの送信動作を効率的にかつ確実に行なうことができる。
このように、ステップS22,S23,S25,S26において、それぞれの条件にて並べ替え処理が行われることにより、例えば図8に示すような送信順番リストが生成される。
この送信順番リストは、ファイル関連性管理機能部31bの処理結果に基いて送信順番リスト生成機能部31dにおいて生成されるリストであって、例えば、図8に示す符号A,符号Bのように、関連のあるデータファイル同士、即ち拡張子を除く部分のファイル名が同名に設定された画像ファイル(拡張子「JPG」)と音声ファイル(拡張子「WAV」)とがセットとしてグループ化され、このセットがリストの上位に順位付けされることになる。この場合において、各グループ間での順位は、ファイル名の数字順に昇順に並べ替えた形態となる。また、上述の第1の実施形態と同様に、グループ間での順位をファイルサイズの大小で並べ替えるようにしてもよい。
なお、この図8に示す例では、一番最初に送信動作処理が実行されるのは、ファイル名「DSC0002.JPG」の画像ファイルと、その関連データである音声ファイル(ファイル名「DSC0002.WAV」)が順次送信動作の処理対象となる。
つまり、撮影装置100の電力残量が充分ある場合には、画像ファイルとこれの関連データファイルとをグループ化したものが優先して送信されるように設定している。このことは、単独のデータファイルよりも、他のデータファイルと関連を有するデータファイルの方が、使用者に活用されているデータファイルであって、より重要性があるものと推定し、電力残量に充分な余裕があるうちに、これらのデータファイルを優先して送信処理する。
上述の図7,図8に示す例では、データファイルの関連性について、画像ファイルと、これに関連する音声ファイルをセットとしてグループ化する例を示しているが、これに限ることはなく、データファイルの関連性についてのその他の例も考えられる。
例えば、図9,図10に示す例は、画像ファイルと、この画像ファイルに基づく画像をプリントする際のプリント条件等を記述したデータファイルとをグループ化する場合の一例である。
図9は、本実施形態の電子装置における記憶媒体の記憶領域に記憶されている複数のデータファイルの構造の他の一例を示す概念図である。図10は、図9の状態にある複数のデータファイルのうち関連のあるデータファイル同士をグループ化して並べ替えた場合の送信順番リストの概念図である。なお、図9,図10においても、各ファイルを表わす部分の図面上における面積の大小がファイルサイズの大小を示している。
この場合において、記憶媒体16には、図9に示すように、拡張子「JPG」が付された画像ファイルと、拡張子「WAV」が付された音声ファイルとが混在して記憶されるようになっているのは、上述の第2の実施形態の場合と同様である(図7参照)が、本例では、複数の画像ファイルのうちの特定の画像ファイルには、そのヘッダ部にプリント条件に関する関連情報が埋め込まれている。この関連情報は、例えばディーポフ(DPOF;Digital Print Order Format)規格等に準拠して附される情報である。図9においては、「DPOF指定」との括弧書きにより便宜的に明示してある。
本例では、これに加えて、図9に示すように、プリント情報の関連データファイルとしてファイル名「AUTOPRINT.MRK」が別ファイルとして記憶されている。
したがって、データ送信処理を実行するのに際して、電力残量が充分でないときに、相互に関連する送信対象ファイルをグループ化する際には、図10の符号Cに示すように、上記別ファイルのプリント情報の関連データファイル「AUTOPRINT.MRK」と、ヘッダ部にプリント条件情報が付された画像ファイル、即ち図9,図10に示す「DPOF指定」されている画像ファイルとがグループ化されて、このグループファイルがリストの上位に配置された形態の送信順位リストが生成される。
同様に、図11,図12は、さらに他の一例を示しており、画像ファイルと、この画像ファイルに関連するデータとしての音声ファイルと、画像ファイルをアルバム形式で表示する際のアルバム登録に関する条件等を記述したデータファイルとをグループ化する場合の一例である。なお、図11,図12においても、各ファイルを表わす部分の図面上における面積の大小がファイルサイズの大小を示している。
この場合において、記憶媒体16には、図11に示すように、拡張子「JPG」が付された画像ファイルと、拡張子「WAV」が付された音声ファイルとが混在して記憶されるようになっているのは、上述の各例の場合と同様である(図7,図9参照)が、本例では、複数の画像ファイルのうちの特定の画像ファイルには、そのヘッダ部にアルバム登録に関する関連情報が埋め込まれている。この関連情報は、例えばイグジフ(EXIF;Exchangeable Image File format)規格等に準拠して附される情報である。図11においては、「アルバム登録」との括弧書きにより便宜的に明示してある。
本例では、これに加えて、図11に示すように、アルバム登録情報の関連データファイルとしてファイル名「ALBUM.PVM」,「ALBUM001.PVM」等がそれぞれ別ファイルとして記憶されている。
したがって、データ送信処理を実行するのに際して、電力残量が充分でないときに、送信対象ファイルを関連性に基いてグループ化する際には、図12の符号Dに示すように、上記別ファイルのアルバム登録情報の関連データファイル「ALBUM.PVM」,「ALBUM001.PVM」と、ヘッダ部にアルバム登録情報が付された画像ファイル、即ち図11,図12に示す「アルバム登録」されている旨の明示がされた画像ファイルと、場合によっては、当該画像ファイルに関連して記憶された関連データとしての音声ファイルとがグループ化されて、このグループファイルがリストの上位に配置された形態の送信順位リストが生成される。
次に、本発明の第3の実施形態について、以下に説明する。
本実施形態の撮影装置の構成は、上述の第1,第2の実施形態の撮影装置の構成と同様であって、データ送信処理のシーケンスが異なるのみである。したがって、本実施形態においても、撮影装置自体の構成の説明は省略し、本撮影装置の作用のうち無線接続によるデータ送信処理のシーケンスについてのみ、以下に説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態の電子装置である撮影装置における無線接続によるデータ送信処理のフローチャートである。
上記の第1の実施形態では、送信対象ファイルのファイルサイズと電力残量に応じて送信順位を切り換える場合の例を示し、上記第2の実施形態では、電力残量と送信対象ファイルの関連性とに基いて送信順位を切り換える場合の例を示している。
本実施形態の撮影装置100によるデータ送信処理の基本的な処理の流れは、上述の第2の実施形態と略同様である。本実施形態では、電力残量が充分ではない場合に分岐するシーケンス中において、グループ化されない単独の送信対象ファイルについての送信順位をファイルサイズの大小に基いて設定する処理ステップを加えたものである。
したがって、以下の説明では、上述の第2の実施形態にけるデータ送信処理シーケンスと同様の処理ステップについては、同じステップ番号を付して、その説明は省略し、異なる処理ステップについてのみ説明する。
まず、上述の各実施形態と同様の手順により、撮影装置100を無線送信モードで動作する状態で起動させた後、図13のステップS11〜ステップS14の処理を実行し、その後、ステップS15の処理において、第1CPU31は、撮影装置100の電力残量が充分にあるか否か(所定の残量以上であるか否か)の確認を行う。
このステップS15の処理において、電力残量が充分にあることが確認された場合には、ステップS16〜ステップS19の処理を実行する。これにより、送信対象ファイルは、データ取得順に送信される。
一方、ステップS15の処理において、電力残量が充分ではないことが確認された場合には、ステップS20の処理に進み、このステップS20において、既に送信済みのデータファイルがあるか否かの確認がなされる。
ここで、送信済みのデータファイルがないことが確認されると、ステップS26の処理に進み、このステップS26において、送信対象ファイルリスト中のデータファイルの内関連のあるデータファイル同士をグループ化して当該送信対象ファイルリストの上位に配置して送信順位を繰り上げる処理を行う。その後、次のステップS27の処理に進む。
また、ステップS20の処理において、既に送信済みのデータファイルがあることが確認されると、ステップS21の処理に進み、このステップS21において、送信済みデータファイルに関連のあるデータファイルが存在するか否かの確認を行って、送信済みデータファイルに関連のあるデータファイルが存在する場合には、次のステップS22の処理に進む。そして、ステップS22において、送信済みデータファイルに関連のあるデータファイルを上記送信対象ファイルリストの上位に配置して送信順位を繰り上げる処理を行う。その後、次のステップS27の処理に進む。
一方、上述のステップS21の処理において、送信済みデータファイルに関連のあるデータファイルは存在しない場合には、ステップS25の処理に進み、このステップS25において、未送信のデータファイルのうち関連のあるデータファイル同士をグループ化して上記送信対象ファイルリストの上位に配置して送信順位を繰り上げる処理を行う。その後、次のステップS27の処理に進む。
このようにして、ステップS27の処理に進むと、このステップS27において、第1CPU31は、上述のステップS22の処理又はステップS25の処理又はステップS26の処理のいずれかにおいて生成された送信対象ファイルリストにリストされているグループごとのファイルサイズを、ファイルサイズ管理機能部31cを制御して確認した後、送信順番リスト生成機能部31dによりファイルサイズの小さい順に並び替えを行う処理を実行する。つまり、順位付与手段(送信順番リスト生成機能部31d)は、各グループ単位のファイルサイズ、即ちグループに含まれるデータファイルのファイルサイズの合計が小さいものほど、送信順番リストの高い順位が付与されて、優先的に送信されることになる。その後、ステップS23の処理に進む。
ステップS23において、その他の残りのデータファイル(他のデータファイルと関連のない単独のデータファイル等)を上記送信対象ファイルリストの下位領域に配置する並び替え処理を行う。その後、ステップS28の処理に進む。
ステップS28において、第1CPU31は、その他の残りのデータファイル(他のデータファイルと関連のない単独のデータファイル等)のファイルサイズを、ファイルサイズ管理機能部31cを制御して確認した後、送信順番リスト生成機能部31dによりファイルサイズの小さい順に並び替え処理を行って送信順位リストを生成する。その後、ステップS24の処理に進む。
その他の処理ステップは、上述の第2の実施形態(図6参照)と同様である。
以上説明したように、上記第3の実施形態によれば、上述の第2の実施形態と同様の効果を得ることができると共に、さらに、各グループ単位のファイルサイズ、即ちグループに含まれるデータファイルのファイルサイズの合計が小さい順番に、送信順番リストの高い順位が順位付与手段(送信順番リスト生成機能部31d)によって付与されて、小さいサイズのグループほど優先的に送信されるようにしている。
これに加えて、さらに、本実施形態においては、他のデータファイルと関連のない単独のデータファイルについても、ファイルサイズの小さい順番に順位が付与されるようにしている。
したがって、これらの処理により、電力残量が少ない場合において、送信対象ファイルの送信動作をより効率的にかつ確実に行なうことができる。
上述の各実施形態においては、撮影装置100の電力残量に応じて送信順位の切り換えを行うようにしているが、これに限らず、例えば電波状態を検出する電波状態検出手段を、さらに設け、電波状態に応じて送信順位の切り換えを行うようにする構成も容易に構成できる。
この場合において、電波状態検出手段としては、例えば無線アンテナ21からの入力される信号であって、通信相手先となる外部装置からの応答信号等を受信して、この電波強度を外部無線データI/F21によって検出し、その検出結果に基いて、第1CPU31が送信順位の切り換え制御を行うようにすればよい。
次に、本発明の第4の実施形態の電子装置について、以下に説明する。
本実施形態の電子装置である撮影装置の構成は、上述の第1の実施形態の撮影装置の構成と略同様であるが、主電源を二次電池とし、この二次電池を充電する燃料電池を配設した点が異なる。そして、これに伴って、本撮影装置の作用のうち無線接続によるデータ送信処理のシーケンスの一部が異なる。
したがって、本実施形態においては、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して、その詳細説明を省略し、異なる構成及び作用についてのみ以下に説明する。
図14は、本発明の第4の実施形態の電子装置である撮影装置の内部構成の概略を示すブロック構成図である。図15は、図14の撮影装置における燃料電池ユニットの内部構成の概略を示すブロック構成図である。図16は、本実施形態の電子装置(撮影装置)における無線接続によるデータ送信処理のフローチャートである。
本実施形態の撮影装置100の具体的な構成は、図14に示すように、上述の第1の実施形態(図1参照)における主電源である電池26に代えて第1の電池である二次電池26Aを配設し、さらに、この二次電池26Aを充電するため燃料電池ユニット34と、この燃料電池ユニット34から出力される電力を二次電池26Aに供給し充電する充電回路33等が配設されている。
二次電池26Aは、電源回路27に接続されている。これにより、二次電池26Aの電力は、電源回路27へと供給されるようになっている。そして、電源回路27は、第1CPU31の指令に基づいて、二次電池26Aの電力を本撮影装置100の各電気回路へと適宜供給するようになっている。
また、二次電池26Aは、電池状態検出回路29に接続されている。これにより、電池状態検出回路29は、当該二次電池26Aの電力残量の状態等を検出し、その検出結果を第1CPU31の電池残量管理機能部31gへと出力するようになっている。
さらに、二次電池26Aには、充電回路33を介して燃料電池ユニット34が接続されている。これにより、燃料電池ユニット34から供給される電力は、充電回路33を介して二次電池26Aへと出力されて、当該二次電池26Aを充電するようになっている。
燃料電池ユニット34は、電池状態検出回路29と接続されている。これにより、電池状態検出回路29は、当該燃料電池ユニット34の燃料残量等の状態を検出し、その検出結果を第1CPU31の電池残量管理機能部31gへと出力するようになっている。
また、燃料電池ユニット34は、第1CPU31と接続されている。これにより、燃料電池ユニット34は、第1CPU31によって制御されるようになっている。
本実施形態に適用される燃料電池ユニット34としては、例えばメタノール直接型燃料電池(DMFC;Direct Methanol Fuel Cell)が適用される。
ここで、燃料電池ユニット34の詳細構成について、図15によって以下に説明する。
図15に示す形態の燃料電池ユニット34は、固体高分子形燃料電池の一種であって、メタノールを燃料に用い、メタノール水を直接電池に供給する方式のメタノール直接型燃料電池(DMFC)の詳細構成を示している。
このタイプの燃料電池ユニット34は、メタノールタンク41a及び純水タンク41bを有する燃料カートリッジ41と、燃料量検出回路42と、調整弁43a,43bと、混合器44と、燃料電池セル46と、燃料ポンプ45と、空気ポンプ47と、気液分離器48と、回収ポンプ49と、メタノール濃度検出回路51と、燃料コントローラ50等によって構成されている。
燃料カートリッジ41は、高濃度メタノールを蓄えるメタノールタンク41aと、純水を蓄える純水タンク41bとを有しており、当該撮影装置100A本体に対して着脱自在に形成されている。
燃料量検出回路42は、燃料カートリッジ41の燃料、即ちメタノールタンク41aのメタノールや純水タンク41bの純水の残量を検出し、燃料残量情報を出力する回路である。この燃料量検出回路42から出力される燃料残量検出信号は、電池状態検出回路29(図14参照)へと出力される。
調整弁43aは、メタノールタンク41aから流出される高濃度メタノールの流量を調整するために設けられている。
調整弁43bは、純水タンク41bから流出される純水の流量を調整するために設けられている。
混合器44は、調整弁43a,43bを介して燃料カートリッジ41aから流入する高濃度メタノール及び純水と、回収ポンプ49を介して回収されるメタノール水溶液とを混合させて所定の濃度のメタノールを含むメタノール燃料を生成するものである。
燃料ポンプ45は、燃料電池セル46の燃料極側にメタノール燃料を供給するものである。
空気ポンプ47は、外部から空気を取り入れて燃料電池セル46の空気極側に酸素を供給するものである。
燃料電池セル46は、メタノール直接型の電池セルである。このタイプの燃料電池セルは、メタノール溶液が供給される陰極側(燃料極)と、空気が供給される陽極側(空気極)が固体高分子膜により分離されている。燃料極では高分子膜表面でメタノール溶液が電子と水素イオンと二酸化炭素に分解され、水素イオンは高分子膜を介して空気極に移動する。空気極では、高分子膜を介して流入した水素イオンと空気中の酸素と電子が反応して水が生成される。燃料極で生成された電子は外部回路(本実施例では充電回路33)に供給され、最終的には空気極で水の生成に消費される。
この燃料電池セル46は、充電回路33(図14参照)に接続されている。これにより、当該燃料電池セル46で発生した電力は、充電回路33へと供給されるようになっている。
気液分離器48は、燃料電池セル46で生成される廃液から二酸化炭素等の気体成分を分離して、気体成分を外部へ排気すると共に、メタノール水溶液を回収して、これを回収ポンプ49へと供給するものである。
回収ポンプ49は、気体分離器48で回収されたメタノール水溶液を混合器44へと供給するものである。
メタノール濃度検出回路51は、燃料電池セル46内のメタノール濃度を検出し、その検出情報を燃料コントローラ50へと出力するようになっている。
燃料コントローラ50は、メタノール濃度検出回路51によって検出されるメタノール濃度情報や第1CPU31からの制御信号を受けて当該燃料電池ユニット34内の各種ポンプや弁、即ち調整弁43a,43b,燃料ポンプ45,空気ポンプ47等を制御するようになっている。
その他の構成は、上述の第1の実施形態と同様である。
このように構成される本実施形態の本撮影装置100Aにおいて、無線通信手段を用いて画像ファイル等を外部装置に送信する際に実行されるデータ送信処理のシーケンスを、図16のフローチャートによって説明する。
まず、使用者が所定の操作により、本実施形態の撮影装置100Aを無線送信モードで起動させる(パワーオン)。
本撮影装置100Aが無線送信モードで起動すると、図16のステップS1において、第1CPU31は、本撮影装置100Aの内部回路の無線通信手段による無線機能の初期化処理を実行する。その後、ステップS2の処理に進む。
ステップS2において、第1CPU31は、ファイルサイズ管理機能部31cを制御して、記憶媒体I/F15を介して記憶媒体16に記憶されている各種のデータファイルのうち送信対象ファイルのファイルサイズを確認する処理を実行する。その後、ステップS3の処理に進む。
ステップS3において、第1CPU31は、ファイルサイズ管理機能部31cの処理結果に基いて送信順番リスト生成機能部31dを制御して記憶媒体16に記憶されているデータファイルのうち送信対象ファイルを、ファイルサイズ順に並べた形態のリストを生成する処理を実行する。ここで、第1CPU31は、自身の内部に有する送信順番カウンタn,mをリセットする。即ち、n=0,m=0にそれぞれをセットする。その後、ステップS4Aの処理に進む。
なお、記憶媒体16に記憶されている複数のデータファイルの内部構造については、上述の第1の実施形態で説明した図3と同様であり、また、上述のステップS3の処理で生成される送信順番リストは、図4と同様である。
また、上述のステップS1〜ステップS3の処理は、上述の第1の実施形態における図2に示す同じ符号を付した動作ステップと同様である。
次いで、ステップS4Aにおいて、第1CPU31は、二次電池26Aの電力残量を検出する処理を実行する。即ち、第1CPU31は、まず電池状態検出回路29を制御して電池26Aの状態を検出する。その検出結果は、電池残量管理機能部31gへと出力される。これを受けて、電池残量管理機能部31gは、電力残量の検出を行う。その後、ステップS5Aの処理に進む。
ステップS5Aにおいて、第1CPU31は、上述のステップS4Aの処理における電池残量検出結果に基いて、第1の電池である二次電池26Aの電力残量が充分にあるか否か、即ち二次電池26Aの電力残量が所定量(第1の基準値)以上であるか否かの確認を行う。ここで、二次電池26Aの電力残量が所定量(第1の基準値)以上であることが確認された場合には、次のステップS6の処理に進む。
ステップS6において、第1CPU31は、送信順番カウンタnを一つ進める(インクリメントする)処理を行う。これにより、送信順番カウンタn=n+1がセットされる。その後、ステップS7の処理に進む。
ステップS7において、第1CPU31は、送信順番カウンタnを参照し、ファイルサイズがn番目に大きいデータファイルについての送信動作の処理を無線通信手段を制御して実行する。その後、ステップS8の処理に進む。
ステップS8において、第1CPU31は、送信順番カウンタn+m=送信対象ファイル数であるか否かの確認を行う。ここで、送信順番カウンタn+m=送信対象ファイル数ではないことが確認された場合には、上述のステップS4の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。これにより、送信対象ファイルは、付与された送信順位毎にデータ送信動作が順次行われる。
また、同ステップS8の処理において、送信順番カウンタn+m=送信対象ファイル数であることが確認された場合には、送信対象ファイルの全てについての送信動作処理が完了したものとして、一連の処理を終了し、データ送信処理のシーケンスを終了する。
なお、上述のステップS6〜ステップS8の処理は、上述の第1の実施形態における図2に示す同じ符号を付した動作ステップと同様である。
つまり、撮影装置100Aの二次電池26Aの電力残量が充分ある場合には、送信動作処理の途中で電池切れによる無線接続の中断の心配がないので、複数の送信対象ファイルのうちファイルサイズの大きいファイルから順に送信の順位を付与し、順次送信動作を実行する。
一方、上述のステップS5Aの処理において、二次電池26Aの電力残量が充分ではない、即ち二次電池26Aの電力残量が所定量(第1の基準値)未満であることが確認された場合には、ステップS31の処理に進む。
ステップS31において、第1CPU31は、燃料電池ユニット34が充電回路33を介して二次電池26Aに対する充電動作中であるか否かの確認を行う。ここで、二次電池26Aが充電中であることが確認された場合には、上述のステップS6の処理に進む。一方、二次電池26Aが充電中ではないことが確認された場合には、次のステップS32の処理に進む。
ステップS32において、第1CPU31は、燃料電池ユニット34の燃料量検出回路42からの検出信号を確認し、燃料カートリッジ41の着脱状況及び燃料残量を検出する処理を実行する。その後、ステップS33の処理に進む。
ステップS33において、第1CPU31は、上述のステップS32の処理による検出結果に基いて、燃料カートリッジ41は未装着状態にあるか、又は燃料残量が無い(ゼロ(0)である)かどうかの確認を行う。ここで、燃料カートリッジ41が未装着状態ではない(装着されている)ことが確認され、なおかつ燃料カートリッジ41の各タンク41a,41bの燃料残量が有る(ゼロではない)ことが確認された場合には、ステップS34の処理に進む。
ステップS34において、第1CPU31は、燃料電池ユニット34の燃料コントローラ50に対して制御信号を送信し、二次電池26Aの充電動作を開始させる処理を実行する。これにより、燃料電池ユニット34は、充電回路33を介して二次電池26Aを充電する動作を開始する。その後、ステップS9の処理に進む。
ステップS9において、第1CPU31は、送信順番カウンタmを一つ進める(インクリメントする)処理を行う。これにより、送信順番カウンタm=m+1がセットされる。その後、ステップS10の処理に進む。
ステップS10において、第1CPU31は、送信順番カウンタmを参照し、ファイルサイズがm番目に小さいデータファイルについての送信動作の処理を無線通信手段を制御して実行する。その後、ステップS8の処理に進む。
つまり、撮影装置100Aの二次電池26Aの電力残量が所定量未満の場合には、複数の送信対象ファイルのうちファイルサイズの小さいデータファイルから順に送信順位が付与されて、順次送信動作が実行されることになる。この場合の送信順位リストは、図4に示す形態である。
一方、上述のステップS33の処理において、燃料カートリッジ41が未装着状態であることが確認されるか、又は燃料カートリッジ41の何れかのタンク41a,41bの燃料残量が無い(ゼロである)ことが確認された場合、即ち燃料電池が動作できない状態にある場合には、ステップS35の処理に進む。
ステップS35において、第1CPU31は、上述のステップS4Aの処理における電池残量検出結果に基いて、二次電池26Aの電力残量が、燃料電池ユニット34を起動するために必要となる電力値(第2の基準値)以上であるか否かの確認を行う。ここで、二次電池26Aの電力残量が第2の基準値以上であることが確認された場合には、ステップS9の処理に進む。一方、二次電池26Aの電力残量が第2の基準値未満であることが確認された場合には、次のステップS36の処理に進む。
ステップS36において、第1CPU31は、未送信ファイルのリストを内部メモリ(図示せず)等に一時的に記憶させる処理を実行する。その後、ステップS37の処理に進む。
ステップS37において、第1CPU31は、電源切断処理を実行する。これにより、本撮影装置100Aは、全動作を終了し、シャットダウンされる。
つまり、二次電池26Aを充電するための手段が機能しない状態において、二次電池26Aの電力残量が少なくとも燃料電池ユニット34を起動するために必要となる電力量を残した所定の電力量(第2の基準値)未満となった場合には、ただちに、送信対象データファイルの送信動作を中止して、当該撮影装置100Aの全ての動作を終了するようにしている。このことは、残り少ない電力残量を消耗する前に無線通信を終了させ、通信途中において電力消耗による意図しない電源切断状態になることを防ぐための措置に加えて、燃料追加による自力復起できるようにするためである。
燃料電池は、その性質上、電力を発生するまでは起動のための電力を消費する。即ち、図15において燃料入りの燃料カートリッジを装着してもすぐには発電を開始しない。まずポンプ類や調整弁を動作させて燃料を燃料ユニットに行き渡らせなければならない。そして燃料セル内のメタノール濃度が所定の濃度になって電力が取り出せるようになって初めて2次電池26Aを充電できるようになる。それまでの間は、二次電池から電力の供給を受けなければならないのである。従って、S35の判定により、少なくとも燃料電池の起動にかかる電力を2次電池の残した状態で、カメラ100の動作を終了するのである。
以上説明したように上記第4の実施形態によれば、燃料電池ユニット34を適用した撮影装置100Aにおいても、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述の第4の実施形態の撮影装置100Aにおいては、図15に示す形態のメタノール直接型燃料電池を燃料電池ユニット34として適用したが、当該燃料電池ユニット34の形態としては、これに限ることはなく、例えば図17に示す形態の水素燃料電池を適用することも同様に可能である。
図17は、本発明の第4の実施形態の撮影装置に適用される別の形態の燃料電池ユニットの内部構成の概略を示すブロック構成図である。
図17に示す形態の燃料電池ユニット34Aは、固体高分子形燃料電池の一種であって、水素を燃料に用い、水素を直接電池に供給する方式の水素燃料電池の詳細構成を示している。
このタイプの燃料電池ユニット34Aは、水素タンク56と、開閉弁57と、圧力流量検出器58と、調整弁59と、燃料電池セル60と、燃料コントローラ61等によって構成されている。
水素タンク56は、水素を貯蔵するタンクであって、例えば水素吸蔵合金等に水素が貯蔵されるようになっている。
開閉弁57は、水素タンク56に貯蔵される水素の供給路に設けられ、当該水素の供給を開閉(オンオフ)する弁である。
圧力流量検出器58は、水素タンク56から開閉弁57を介して供給される水素の圧力や流量を検出するセンサー等を有する検出器である。
調整弁59は、圧力流量検出器58から流出される水素の流量を調整するために設けられている弁である。
燃料電池セル60は、固体高分子型の電池セル(PEFC;Polymer Electrolyte Fuel Cell)である。この燃料電池セル60は、充電回路33(図14参照)に接続されている。これにより、当該燃料電池セル60で発生した電力は、充電回路33へと供給されるようになっている。
燃料コントローラ61は、第1CPU31からの燃料電池制御信号を受けて、開閉弁57,調整弁59等の開閉動作を制御すると共に、圧力流量検出器58からの検出情報を受けて本燃料電池ユニット34A内の流路中の水素の圧力や流量を監視し、燃料残量の監視を行う制御を行うものである。
図14に示す撮影装置100Aの燃料電池ユニット34に代えて図17に示す形態の燃料電池ユニット34Aを採用しても、当該撮影装置100Aを、全く同様に作用させることができ、また上述の第4の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。