JP4908776B2 - 多軸ボーリング加工装置、及び加工方法 - Google Patents
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Description
ボーリンク加工機についての従来技術として、以下のような発明が存在する。
特許文献1には、内燃機関のクランクケースのクランク軸の軸支部のような、水平軸を有し、軸方向に互いに離間した円筒状表面を中ぐり加工するための水平式中ぐり盤に関する技術が公開されている。
このような機構を備えることで、中ぐり棒102に2つの切削バイトを備えれば、一度に2つの円筒形状軸支持部の中ぐり加工を行うことができ、公知の技術に使用されている切削バイトを1つのみを備えた機械に対して加工サイクルの所要時間を大幅に短縮することができる。
そこで、図面から推測すると、ワークベッド106の中央に設けられた、溝の下に設けてある箱107の中に、発生した切粉をその自重によって落下させて回収する方法をとっていると考えられる。
しかし、仕上げ加工のような薄くて軽い切粉が発生するような加工の場合には、切粉の回収を、落下に任せるだけでは機能しない可能性があり、結果、回収されない切粉がワークに絡みつくことによって、加工面を荒らしたり、機械を壊したりするようなことになりかねない。
多軸ボーリング機に特許文献1を適用する場合には、同時に加工する面が増えることによってさらに多くの切粉が発生する可能性が考えられ、問題を引き起こす可能性が高い。
そこで、切削油を吹きかけることによって強制的に加工時に発生する切粉を洗い流すか、特許文献2のような、切粉を常時回収するような方法を適用することが考えられる。
基盤116に対して穿孔を行うために加工工具111が配置されているが、この加工工具111及び穿孔される基盤116の周囲を密閉するように、即ちワーク部分の上下方向から、上下の集塵カバー体120、122がクランプされている。そして、この特許文献2の実施例においては、上側の集塵カバー体120にノズル部を介して空気供給ホース121が取り付けられており、かつ下側の集塵カバー体122にはノズル部を介して空気吸引ホース123が取り付けられている。
したがって、加工を行う際には加工工具が降下して基盤116に対して加工を行うのであるが、この際、上側の集塵カバー体120内は加圧状態になる。また、下側の集塵カバー体122内は空気が吸引されるため、この集塵カバー体122内は無圧状態になる。
多軸ボーリング加工は、複数の平行な軸を保持するワークの加工において、同時に加工が可能な点において、リードタイムの短縮等の効果がある。
しかしながら、こうした一度に複数の加工を同時に行えるような装置においては、その加工効率が上がるほど、発生する切粉の量は増大し、切粉の回収が重要な問題となる。加工速度が向上しても、大量に発生する切粉を除去できなくては、結局一定時間ごとに掃除をしなければならず、リードタイムの短縮には繋がらないのである。
このように、多軸ボーリング加工では特許文献1や特許文献2のような手段を用いることができないので、通常は大量の切削油を直接加工部に吹きかけて、切粉を洗い流すといった方法が採られている。しかしこの方法は、切削油が大量に必要な上に、油のミストによる作業環境の悪化や、洗い流しきれなかった切粉によって装置の故障等が問題となっている。
特に、多軸ボーリング加工機を用いるようなケースは、ワークの量産を前提にしているので、確実に切粉を排除できないと、徐々に切粉が溜まり易い部分に切粉が蓄積していく結果となり、団子状に固まった切粉は更に排出し辛くなる。これを定期的に掃除するようなことになっては、せっかく多軸同時加工を行うことによってリードタイムの短縮が出来るにもかかわらず、掃除が必要なことにより実質的なリードタイムの短縮に結びつかない。
また、確実に切粉を排出するために多量の切削油を直接加工部に吹きかけることになるので、機械外部に切削油が漏れ出さないようなカバーが必要な上に、ワークの段取り替え等でカバーの開け閉めをする際にミストが漏れ出し環境を悪化させる他、ワークが切削油で濡れているため、搬送の際に床を汚したり、不必要な油を除去する工程が必要であったりという問題もある。
(1)複数の加工工具を保持する多軸軸頭により、ワークに対して複数のボーリング加工を同時に行う多軸ボーリング加工装置において、前記ワークが凹部を有し、前記凹部の底面に位置する複数の加工部にボーリング加工を必要とする構造であって、前記ワークと前記多軸軸頭の間に設けられる切粉排出カバーは、前記多軸軸頭の一部を覆い、前記加工工具を通すための加工工具通過孔を供え、少なくとも1つの排出穴を有し、ボーリング加工時に、前記切粉排出カバーが前記ワークの前記凹部に入り込み、前記切粉排出カバーの内面と前記多軸軸頭の外面と加工面とが形成する加工空間から、前記排出穴を通じて切粉を排出することを特徴とする。
またここでいう、凹部の底面とは、例えばワークの有する凹部が一様で高低差が無い、半球状の凹部が切断部を上にした状態である場合には、凹部の縁の部分から内側に向かって低くなっている場所を底面としている。従って、凹部に凹凸を有している場合であっても、凹部の縁よりも低くなっている部分は底部に含むものとする。即ち、凹部の中腹にある部分でも底部と定義している。
なお、ここでいう加工工具を保持する多軸軸頭とは、例えば、加工工具と、加工工具を保持する軸部と、軸部を保持するための軸頭からなり、複数の軸部を軸頭が有していて、各軸部が保持する加工工具を加工可能なように回転することが可能であるものとする。
ここでいう、筒状体先端部とは、例えば円筒形状であったり、円筒形状のカバーが複数平行に並べ、一部が融合することで、一続きの外周部を持ち、部分的に円筒の形状であったりするものを指すものとする。さらに円筒の先に蓋をして、蓋の一部に穴を開けることで加工工具通過孔としたものをも含むものとする。
(3)(1)又は(2)に記載する多軸ボーリング加工装置において、前記切粉排出カバー又は前記多軸軸頭の外面の少なくともどちらか一方に、前記切粉排出カバーと前記多軸軸頭外面との隙間を減少させるための仕切り部材を設けることで、ボーリング加工時に、前記多軸軸頭外面と前記切粉排出カバーの内面と、前記加工面とが形成する前記加工空間の密閉度を高めることを特徴とする。
ここでいう切削油剤とは、切削液、潤滑剤、又は冷却材等の切削加工時に用いる加工油のことを指し、切屑、工具の接触面の摩擦の減少、あるいはこの面における温度の低下をねらって用いられるもののことをいう。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する多軸ボーリング加工装置において、前記多軸軸頭を有する2つの加工ユニットが対向して備えられ、前記切粉排出カバーが、前記加工ユニットにそれぞれ備えられ、前記ワークは、2つの前記加工ユニットの間に配置され、貫通孔加工時に、前記切粉排出カバーが前記ワークの両側から、前記ワークの加工部付近の面に近接することで、前記多軸軸頭の外面と前記切粉排出カバーの内面と貫通孔加工面とが前記加工空間を形成し、前記加工空間から、前記切粉吸引口を通じて前記吸引装置が切粉を吸引することを特徴とする。
(8)(1)乃至(7)のいずれかに記載する多軸ボーリング加工装置を使用する多軸ボーリング加工方法であって、前記ワークが前記凹部を有し、前記凹部の底面に位置する複数の前記加工部にボーリング加工を必要とする構造で、前記ワークと前記多軸軸頭の間に設けられる前記切粉排出カバーは、前記多軸軸頭の一部を覆い、前記加工工具を通すための前記加工工具通過孔を供え、少なくとも1つの前記排出穴を有し、ボーリング加工時に、前記切粉排出カバーが前記ワークの前記凹部に入り込み、前記切粉排出カバーの内面と前記多軸軸頭の外面と加工面とが形成する前記加工空間から、前記排出穴を通じて切粉を排出することを特徴とする。
(1)複数の加工工具を保持する多軸軸頭により、ワークに対して複数のボーリング加工を同時に行う多軸ボーリング加工装置において、前記ワークが凹部を有し、前記凹部の底面に位置する複数の加工部にボーリング加工を必要とする構造であって、前記ワークと前記多軸軸頭の間に設けられる切粉排出カバーは、前記多軸軸頭の一部を覆い、前記加工工具を通すための加工工具通過孔を供え、少なくとも1つの排出穴を有し、ボーリング加工時に、前記切粉排出カバーが前記ワークの前記凹部に入り込み、前記切粉排出カバーの内面と前記多軸軸頭の外面と加工面とが形成する加工空間から、前記排出穴を通じて切粉を排出することを特徴とするので、加工によって発生した切粉を加工空間から排出し易くし、ワーク凹部に溜まったり、多軸軸頭の表面に付着することにより、切粉が工具に絡んで加工面を荒らしたり、加工機側に巻き込んで加工機を壊したりすることを防ぐことができるといった優れた効果を奏する。
また、切粉排出カバーとワーク、多軸軸頭外面で閉鎖空間を作って、その内部の空気と共に切粉を吸引するので、切粉の飛散防止や洗浄液のミストを含んだエア漏れを防ぎ、作業環境の悪化を招くことを防ぐ効果もある。
また、加工空間の密閉度を高める効果も期待でき、多少隙間が開くことでその部分からの空気を取り込み、空気の流入速度を高めて、切粉の排出効果を上げることも期待できる。なお、切粉の漏れを防ぐという意味では、切粉排出カバーの筒状体先端部と、ワークの加工部の端部が密着することが理想的ではあるが、前述の空気の流入効果を得ることはできなくなる他、製品誤差等によってワークとの接触部が発生すると加工に影響したり、切粉排出カバーへの振動の伝達や、熱の伝達によって、切粉排出カバーの破損に繋がったりすることも考えられるので、数mmの隙間を設けたほうが良い。
また、クーラント液を直接吹きかけて加工しないので熱変位が低減され、加工精度の向上も見込める。
また、クーラント液がもたらす通常の効果である、加工温度の低減や、切屑、工具の接触面の摩擦低減などにより、剪断角を大きくし、剪断歪と剪断仕事が減少し、構成刃先の発生が防止されるなどに有効である。その結果として、工具の寿命を増大し、仕上げ面を良好にし、ワークや工具の熱膨張による変形、寸法精度の低下を避けることにも役立つ、という効果が得られる。
(第1実施例)
図1は、多軸ボーリング機10の概略を斜視図で示したものである。ただし、図面の詳細部分については説明のために簡略化している。
また、多軸ボーリング機10に関しては、一般的な加工装置であるので、その概略を簡単に説明する。
適度な作業高さを持つベース20の上には、ワーク固定ユニット21が中央に固定されて、その左右に右側加工ユニット11R、及び左側加工ユニット11Lが直動可能に設けられている。
これらの右側加工ユニット11R及び左側加工ユニット11Lは、原動機16を備え、原動機16からの動力を、軸頭22に設けられた複数の加工工具13に、軸部15を介して伝えている。また加工ユニット11はポンプユニット17を備えて、オイルをミストにしてミストエアとし、軸部15の内部を通って加工工具13側から加工面に供給して給油を行う。このミストエアの通る経路は加工工具13の内部に流路が設けられており、切刃の近くからミストエアを吹き出すよう吹き出し口である加工液供給口が設けられている。このような構造になっているため、加工工具13が回転機構によって回転されて加工すると共に、ミストエアも、加工面に回転しながら吹き付けられることになる。従って、加工面に対して加工が必要な部分に吹き付けられながら加工が進行することになる。
右側加工ユニット11R及び左側加工ユニット11Lは、ベース20上に左右1つずつ設けられているので、ワーク18を両側から同時に加工することが可能である。
さらに、右側加工ユニット11R及び左側加工ユニット11Lのそれぞれの前面には、切粉排出カバー12が取り外し可能に固定されており、右側加工ユニット11R及び左側加工ユニット11Lと共に移動する。この切粉排出カバー12の働きによって、加工によって発生する切粉の回収が容易になる。また、ワーク固定ユニット21の下側には、吸引口24が複数個設けられており、図示しない集塵機に接続されている。この吸引口24から加工中に発生した切粉を回収している。
ワーク18は、図2に示すような形状のトランスミッションのカバーである。
図2は、ワーク18の片面側から見た平面図であり、説明の都合上こちら側を表側とし、反対側を裏側として説明を行う。
また、図3は貫通孔19aの切断面図である。
まず、ワーク18の形状であるが、図3に示すように、表側凹部18a及び裏側凹部18cを有しており、図示しないハウジングに、表側に有するハウジング組付け面18bを介して組みつけられる。裏側にも同様の面を有している。
このワーク18の表側から見ると、図2に示すように、貫通孔である19a、19b及び、とまり穴である19cを有しており、これらは表側凹部18aの底面に位置している。
なお、ハウジング組付け面18bには、ハウジング組付けノック穴である19d、19e、19f、19gが設けられており、このノック穴によって組付け精度を出している。これら、合計7箇所の加工部位は同時に加工されることになるので、このワーク18が多軸ボーリング機10にセットされた場合、図1で示される右側加工ユニット11Rがワーク18の表側の加工をすることとなり、右側加工ユニット11Rには7つの軸頭及び加工工具が備えられている。
これらの図示しないシャフトはエンジンの回転を駆動系に伝えるための、ギアを有し、ギア同士が噛合って、非常に速い速度で回転する。従って、これらのシャフトを支えるためのベアリング用の穴は、相対位置についても高精度に加工されている必要がある。
これらのシャフトは、それぞれ太さが異なるため、組みつけられるベアリングも大きさが異なる。
従って、単軸のボーリング機によって加工する場合には、ツールチェンジを行いながら、加工をしたり、複数の単軸のボーリング機によって、ワークをセットしなおしながら順に穴を加工したりしていく必要がある。それに比べ、多軸のボーリング機によって一度に加工したほうが、加工時間の短縮はもとより、段取り時間の短縮や、加工精度の向上が見込めるため、好ましい。
これは、多軸ボーリング機によって一度に加工する場合、予め工具の位置関係を設定された軸頭によって一度に加工するので、加工時間の大幅な短縮になるほか、精度管理も容易になり、ワーク18間での誤差も少なくなるためである。
まず、切粉排出カバー12について説明をする。図4には本実施例の切粉排出カバー12のうち右側加工ユニット11R側に備えられる表側カバー12R、図5には本実施例の切粉排出カバー12のうち左側加工ユニット11L側に備えられる裏側カバー12Lのそれぞれの斜視図を示す。以降、単に切粉排出カバー12としたときは、表側カバー12R及び裏側カバー12Lの両方を指すものとする。
図4に示す表側に対応したカバーは、工具が通過するための穴を複数備えており、5つの独立した穴と、2つの穴が繋がった形の加工工具通過孔が備えられており、合計で7つの加工工具13が通過するための穴となっている。
表側カバー12Rは筒状体12Raを有しており、図3に示される表側凹部18aへと入り込む構造となっている。また、図2のハウジング組付けノック穴である19d、19e、19f、19gは工具通過穴12Rbを通過する加工工具13によって加工されることになる。
裏側カバー12Lも筒状体12Laを有しており、図3に示される裏側凹部18cへと入り込む構造となっている。裏側カバー12Lにも工具通過穴12Rb同様に工具通過穴12Lbを有している。
筒状体12Ra及び工具通過穴12Rb、筒状体12La及び工具通過穴12Lbの位置、大きさ、形状は、ワーク18の形状によって異なり、適宜設計されるものである。
切粉排出カバー12の外形は、基本的にはワーク18の内側の形状である、表側凹部18a及び裏側凹部18c等の凹部と、ハウジング組付け面18bに沿って形成され、実施例では、切粉排出カバー12の厚みは3mm程度であり、2mm程度のワーク18の内側形状とのクリアランスを持って設計されている。
なお、切粉排出カバー12の設計においては、ワーク18と軸部15、及び加工工具13との関係が重要であるが、後述する。
図6は加工ユニット11と切粉排出カバー12を示しており、(a)に切粉排出カバー12が原位置にある状態の側面図、(b)に切粉排出カバー12が工具交換時の状態の側面図、(c)に切粉排出カバー12が原位置にある状態の斜視図を表している。
加工ユニット11は、左側加工ユニット11L、右側加工ユニット11Rとも同様の構造をしており、軸頭22に備えられる加工工具13が回転し加工を行うユニットである。
軸頭22の軸部15は前述の切粉排出カバー12によって覆われており、この切粉排出カバー12は、保持具14によって取り外し可能に固定されている。
保持具14は、鋼板製であって2本のガイドブッシュ25に取り付けられている。このガイドブッシュ25は、加工ユニット11側に備える支持部28にスライド可能に取り付けられており、バネ26を有している。
また、保持具14の下部にはガイド27が設けられ、ベース20上の加工ユニット11のスライド面と同じレール上を直動可能に結合されている。
ガイドブッシュ25は、片端に抜け留め25aを有し、他端にはブラケット25bを有して、保持具14に連結されており、支持部28の貫通孔に通され、保持具14と支持部28の間はバネ26が備えられている。
保持具14の下部中央には穴が設けられ、加工ユニット11の本体側に備えられる突起29aが、図6(a)及び図6(c)の状態では、その穴を通って保持具14を貫通する構造になっている。また、保持具14下部のその突起29a付近にはセンターストッパ29bが設けられている。このセンターストッパ29bは掛け金状になっており、突起29aに引っかかるようになっている。
バネ26は圧縮バネであり、図6(a)の原位置に切粉排出カバー12がいる状態においても、自然長さの状態を保っている。このバネ26は、加工時にワーク18に切粉排出カバー12を押し付けて一定の圧力を保持する効果がある。また、加工が終了する位置においても、バネ26が縮みきらない程度の圧縮バネが選定されている。
切粉排出カバー12の下側に設けられた排出穴12bが、加工時に来る位置にあわせて、吸引口24が数箇所に設けられており、加工によって発生した切粉を吸引口24から排出するようになっている。
吸引口24は漏斗状であって、切粉を受けることができる形になっており、中央に穴が空いて下に向けて伸びるパイプが接続されている。
このパイプの他端が図示しない集塵機等に接続されて、内部に存在するミストエアや空気とともに切粉を吸って、切粉の排出を行う。
第1実施例での集塵機は単位時間当たり2000L/min程度の能力で吸引しており、切粉やミストエアを加工空間50から吸引している。
まず、被加工物であるワーク18にあわせて、加工ユニット11に取り付けられる軸頭22が選択される。そして、ワーク固定ユニット21にワーク18がセットされ、予め用意されたプログラムに従って、加工ユニット11の原動機16が働き、加工工具13を回転させ、加工ユニット原動機23によって、必要な位置まで加工ユニット11が移動して、加工の準備が完了する。
ベース20には保持具14に当たって切粉排出カバー12の位置を決められるようなストッパーが設けられており、加工ユニット11が必要な位置まで移動すると、ちょうど右側加工ユニット11Rに備えられる表側カバー12Rがワーク18の表側凹部18aに、左側加工ユニット11Lに備えられる裏側カバー12Lがワーク18の裏側凹部18cの部分に、入り込む位置であってワーク18には接触せずに設けられる。
そして、右側加工ユニット11R及び左側加工ユニット11Lはその位置から加工を開始する。加工が始まると、加工ユニット11が送られ、バネ26が圧縮されることにより、ワーク18と切粉排出カバー12の距離は変わらず、切粉排出カバー12と軸頭22の距離が近くなっていく。そして、バネ26の力によって、常にワーク18に切粉排出カバー12が押し付けられた状態になっている。
従って、このようにワーク18に切粉排出カバー12が接触することなく所定の位置に保持されることにより、切粉排出カバー12とワーク18及び加工工具13の外面で密閉された加工空間50が構成され、常に必要な密閉度が確保される。この加工空間50内を介して吸引口24に切粉の吸引が行われるので切粉は外に飛び散ることはない。
このため、必要であれば、切粉排出カバー12内部に仕切り12cを設けても良い。この仕切り12cは加工空間50の外部への開口を狭くすることを目的としているので、軸部15側に設けてもよい。
加工によって発生した切粉は、加工空間50内部が負圧状態になっており、ワーク18と切粉排出カバー12の当接部の隙間等から空気が吸われ、排出穴12bへと空気の流れが発生している。ワーク18と切粉排出カバー12の隙間は排出穴12bの断面積に比べて僅かであり、発生する切粉は、仕上げ加工という加工の特性上、小さく軽いものであるので、切粉を運ぶだけの十分の空気の流れが発生している。
また従来技術では、切粉排出には大量の切削油をかけて、洗い流すといった手法がとられてきたが、吸引によって切粉の排出が可能になったことで、加工中には潤滑に必要な分の加工液があればよい。したがって、加工ユニット11に備えられるポンプユニット17から供給されるミストエアを加工工具13に設けられた加工液供給口から吹きかけてやるだけで足りる。これにより加工に必要な加工液の量が大幅に減り、実際の加工に必要なミストエアは非常に少量で済み、ワーク18を1つ加工するのに必要な加工油の量は0.2cc程度で足りることが確認されている。
ワーク18は複雑な形状を有しており、その凹凸に合うように表側カバー12R及び裏側カバー12Lが形成されている。
貫通孔19aは加工工具13によって、両側から加工されており、左側加工ユニット11L側の加工工具13は貫通孔19aの外側であって、貫通孔19aと同心円となる面を加工している。また右側加工ユニット11R側の加工工具13は貫通孔19aの内周面と、外側であって同心円となる面を同時に加工している。貫通孔19bはワーク18の表側凹部18a側から、ワーク18の外面に向けて貫通している穴であり、加工工具13は貫通孔19bの内周面を加工している。なお、実際には外側に切屑が落ちないように図示しないカバーを取り付けて加工を行うといった対策が採られている。
また、ハウジング組み付け穴19d、19e、19f、19gに関しては、それぞれ加工工具13によって加工されている。
このようにして加工されるが、それぞれの加工については、図8では認識しづらいので、図9及び図10にて加工の様子を模式的に表して説明を行う。
加工ユニット11をワーク18のハウジング組付け面18bに近接させる方向に送りつつ、加工工具13を回転させてワーク18の被加工部を切削し、孔の精度加工を行なう。この孔はノック孔に使われるものであるので、嵌め合い加工を必要とするものであり、加工面粗さや、位置精度も重要であるが、孔の径についても重要なファクターとなる。
加工の際には、加工工具13を保持する軸部15は切粉排出カバー12に覆われており、加工工具13のみ通過孔12aから飛び出す形でワーク18を加工するため、ワーク18に近接され保持された切粉排出カバー12によって、加工工具13及び軸部15の外側と、切粉排出カバー12の内側から構成される加工空間50の空気を、排出穴12bから吸引し、加工の結果生じる切粉は、ミストエアと一緒に排出穴12bから排出される。
切粉排出カバー12は仕切り12cによって密閉度が高められており、通過孔12aと加工工具13の隙間、及び仕切り12cと軸部15の隙間等からエアを取り入れつつ、図示しない排出穴12bに接続する吸引口24から図示しない集塵機等で吸引するために、かなりの速さの気流の流れが加工空間50内にできることで、切粉の排出をスムーズにしている。なお、被加工部の端部と、通過孔12aが近接して設けられているほど、切粉の外部への漏れが少なくなるので、空気の流れを遮蔽しない程度に近接させることが望ましい。
ワーク18は、貫通孔19aを有しており、片側から加工する場合は、切粉排出カバー12が加工ユニット11側に設けられるだけでは、反対側に切粉が落ちてしまう。
また、貫通している部分から大量の空気が入り込み、切粉排出カバー12の下側に設けられる排出穴12bから吸引口24にて吸引したとしても、吸引されるのは空気がほとんどであり、肝心の切粉は排出されにくく、また、吸引するためにかなり大きな集塵機等を必要とする。
しかしながら本実施例では、加工効率を上げるために、両側から同時加工を行っているので、これに対応する必要がある。
従って、図10のように右側加工ユニット11Rに取り付けられる軸部15及び加工工具13と表側カバー12Rと、左側加工ユニット11Lに取り付けられる軸部15及び加工工具13と裏側カバー12Lによって、密閉された加工空間50が作られる。そして、両方の切粉排出カバー12が備える排出穴12bからそれぞれ吸引されることによって、加工によって発生した切粉を効果的に排出しうる。
これにより、切粉は貫通孔の加工面に残ることなく速やかに排出されるので、切粉によって加工面に傷をつけたり、切粉を巻き込むことによって加工工具13を破損したりすることを防ぐことが可能となる優れた効果を奏する。
また、加工によって発生する熱はかなりの温度になるため、樹脂製である切粉排出カバー12がワーク18に加工中に接触すると、切粉排出カバー12が加工中に発生する熱によって変形して溶融してしまったり、燃えてしまったりする可能性がある。前述したクリアランスにはこうした事態を防ぐ狙いもある。
なお、実際加工を行った場合には、吸引によって空気が動くので、クリアランスを設けてやれば、切粉排出カバー12が変形し問題になるほどの温度になることは無い。
切粉排出カバー12は、加工工具13及び軸部15に干渉しないような形状になっており、複数本ある軸部15のすべてを、軸部15の中間辺りまで覆うような形状になっている。また、軸部15との隙間は数mm程度のクリアランスに抑えてある。これは、図9及び図10で説明する切粉排出カバー12の内面と、加工工具13及び軸部15との隙間によって構成される加工空間50から、切粉を吸引するため、あまり大きな隙間が空いていると、空気の流入量が多くなって、切粉の吸引性能が悪化する他、加工中に切粉が外に出てしまったり、加工工具13や軸部15の間に堆積してしまったり、加工中に使用するミストエアが外側に漏れてしまい、作業環境を悪化させるなどの問題を生じるためである。
このように、切粉排出カバー12の外形は加工するワーク18の形状に、内側の形状は加工工具13と干渉しないような形状である必要があるので、被加工物の形状が変われば、切粉排出カバー12の形状も当然変化する。
もっとも、全周に亘って近接している必要はなく、適宜空気の流入するための切れ目等を設けることを妨げない。実際に吸引する場合には一定の空気の流れが必要であるので、通過孔12aの周りの切粉排出カバー12の上側に切込みを入れて、空気が流入するように工夫されている。
このように設計されることで、切粉排出カバー12の内面と、加工工具13及び軸部15との隙間によって構成される加工空間50の体積が大きくならないように考慮されている。なお、ワーク18の表側凹部18aまたは裏側凹部18cと、加工工具13及び軸部15の外形との形状は異なり隙間の大きな部分も存在するので、内部に仕切り等を設け、空間を小さくしてやる配慮も、必要に応じて行うことは有効である。
なお、切粉排出カバー12には、加工工具13を通す通過孔12aから、加工工具13の先端が加工可能であるように切粉排出カバー12の外側に突き出ている。また、切粉排出カバー12の下部分にも複数の切粉を排出するための排出穴12bが空いている。
図8及び図10と同様に、ワーク18の貫通孔を加工工具13にて両側から切削加工している。
第1実施例では、実際にはこのように多軸の軸頭22を用いて、一度にワーク18にある複数の孔を加工することが必要となる。
このように加工するため、切粉排出カバー12の形状は、ワーク18の表側凹部18aまたはハウジング組付け面18bに沿うような形で形状が作られており、かつ、軸部15との距離があまり離れないように仕切り12cを随所に設けている。このようにすることで加工空間50の開口部をできるだけ小さくしてやり、切粉の吸引効率を上げているほか、軸部15上に切粉が乗ってしまったり、開口部から外に切粉や加工液を含んだミストエア等が外に出てしまったりしないように工夫されている。
前述の仕切り12cは軸部15に設けられていてもよく、要は加工空間50の開口部を大きくしないことが重要である。もっとも、切粉を吸引するに当たっては、空気の流れが発生することを必要とするので、完全に密閉するわけではなく、適度な空気の流れができる程度の隙間は必要である。
加工開始時には、ワーク18がワーク固定ユニット21にセットされ図1に示すような状態になっている。この状態から「早送り」が開始されて、右側加工ユニット11R及び左側加工ユニット11Lがワーク18に近づくように送られて、加工がなされる。
「早送り」が終わると、右側加工ユニット11R、左側加工ユニット11L共にミストエアの供給を開始し、吸引口24からの吸引を開始する。
そして、右側加工ユニット11R及び左側加工ユニット11Lにてワーク18の加工が開始される。
一方、右側加工ユニット11Rは加工が終了した段階で、ミストエアの供給を中止し、吸引もOFFにする。これにあわせて左側加工ユニット11Lもミストエアの供給を中止し、吸引もOFFにする。そして、左側加工ユニット11L、右側加工ユニット11R共に、後退端まで下がり、図1の状態となる。
このようにすることで、多軸の軸頭22を用いて加工する場合にも、加工時に切粉排出カバー12を用いることで、効果的に切粉を吸引することが可能となり、多軸で同時加工することによって、大量に発生する切粉によって、加工工具13に絡んだり、加工面を荒らしたりしてしまうといった問題を解決し得る。即ち、リードタイムの短縮に貢献し、コストダウンに繋がる。
従来技術において設けられている外側のカバーは、一体式であったために、加工工具13や軸頭22の交換が困難であったが、加工工具13の交換が容易になったことにより、整備が短時間で行え、その結果、設備停止時間が短くすむようになるので、リードタイムの短縮にも貢献する。
次に本発明の第2の実施例について説明を行う。
第2実施例の構成については第1実施例とほぼ同じである。ただし、ポンプユニット17は、ミストエアでなく、クーラント液を供給するように構成されている。
また、第1実施例では図示しない集塵機を用いて、加工空間50の内部より空気やミストエアと共に切粉を吸引していたが、第2実施例では集塵機での吸引を特に必要とせず、クーラント液で洗い流すことによって、切粉を加工空間50から切粉排出カバー12の排出穴12bより排出する。
第1実施例ので方法は、仕上げ加工に使用し、切粉が軽く集塵機によって十分吸引し得るだけの流量が確保でき、切粉排出カバー12内に空気が滞留しない必要があるが、切粉が重くなったり、形状によってできる空気の流れの悪い部分ができたりし、必要な吸引力を確保できない場合には、切粉が残ってしまい徐々に堆積してしまうことがあるという問題があった。そこで、第2実施例では、加工空間50内をクーラント液で洗い流すことよって解決を図っている。
さらに、クーラント液は、ワーク18内部や、切粉排出カバー12内部を洗い流しながら加工し、加工終了後一定時間クーラント液が切粉排出カバー12内部のみにかかる位置に停止して、切粉を洗い流してやれば、切粉排出カバー12内に切粉が残ることは無い。
また、この場合においても、ワーク全体にクーラント液をかける従来技術に比べて、加工部位のみにクーラント液をかければよいので、クーラント液の消費量は従来技術の1/3で済み、クーラント液を送液するためのポンプの消費電気量も1/2程度で済むことを確認している。
上段には左側加工ユニット11L側の加工サイクルを示しており、下段には右側加工ユニット11R側の加工サイクルを示している。
加工の段取りは図12とほぼ同様であり、図13の横軸を時間、縦軸を擬似的な位置としてあり、縦軸側に引いてある2本の線は、下側が加工ユニット11の後退端で、上側が加工ユニット11の前進端として示している。
加工開始時には、ワーク18がワーク固定ユニット21にセットされ図1に示すような状態になっている。この状態から「早送り」が開始されて、右側加工ユニット11R及び左側加工ユニット11Lがワーク18に近づくように送られて、加工がなされる。
「早送り」が終わると、右側加工ユニット11R、左側加工ユニット11L共にクーラントの供給を開始する。
そして、右側加工ユニット11R及び左側加工ユニット11Lにてワーク18の加工が開始される。
一方、右側加工ユニット11Rは加工が終了した段階で、「逃がし」動作を行い表側カバー12Rが移動しない位置まで後退する。この状態では加工工具13は表側カバー12Rの内部に居る状態になる。
次に、左側加工ユニット11L及び右側加工ユニット11Rは、「洗浄サイクル」にはいる。この状態では加工空間50の内部に残っている切粉を洗い流す作業となる。そして、「洗浄サイクル」終了後、左側加工ユニット11L、右側加工ユニット11R共に、後退端まで下がり、図1の状態となる。
よって、加工する状態に合わせて、第1実施例と第2実施例の方法を選択することでより効率的に加工が行えると考える。
(1)複数の加工工具13を保持する多軸軸頭により、ワーク18に対して複数のボーリング加工を同時に行う多軸ボーリング加工装置において、ワーク18が表側凹部18a及び裏側凹部18cを有し、表側凹部18a及び裏側凹部18cの底面に位置する複数の加工部である貫通孔19a等にボーリング加工を必要とする構造であって、ワーク18と軸頭22の間に設けられる切粉排出カバー12(表側カバー12R及び裏側カバー12Lを指す。以下同じ)は、軸頭22の一部を覆い、加工工具13を通すための通過孔12a(工具通過穴12Rb及び工具通過穴12Lbを指す。以下同じ)を供え、少なくとも1つの排出穴12bを有し、ボーリング加工時に、表側カバー12Rの筒状体12Ra及び裏側カバー12Lの筒状体12Laがワーク18の表側凹部18a及び裏側凹部18cに入り込み、切粉排出カバー12の内面と軸頭22の外面と加工面とが形成する加工空間50から、排出穴12bを通じて切粉を排出することを特徴とするので、加工によって発生した切粉を加工空間50から排出し易くし、ワーク18の表側凹部18a及び裏側凹部18cに溜まったり、軸頭22及び軸部15の表面に付着することにより、切粉が加工工具13に絡んで加工面を荒らしたり、加工機側に巻き込んで加工機を壊したりすることを防ぐことができるといった優れた効果を奏する。
また、切粉排出カバー12とワーク18、軸部15外面で加工空間50という閉鎖空間を作って、その内部の空気と共に切粉を吸引するので、切粉の飛散防止や洗浄液のミストを含んだエア漏れを防ぎ、作業環境の悪化を招くことを防ぐ効果もある。
また、加工空間50の密閉度を高める効果も期待でき、多少隙間が開くことでその部分からの空気を取り込み、空気の流入速度を高めて、切粉の排出効果を上げることも期待できる。なお、切粉の漏れを防ぐという意味では、切粉排出カバー12の表側カバー12Rの筒状体12Ra及び裏側カバー12Lの筒状体12Laの先端部と、ワーク18の加工部の端部が密着することが理想的ではあるが、前述の空気の流入効果を得ることはできなくなる他、製品誤差等によってワーク18との接触部が発生すると加工に影響したり、切粉排出カバー12への振動の伝達や、熱の伝達によって、切粉排出カバー12の破損に繋がったりすることも考えられるので、数mmの隙間を設けたほうが良い。
また、クーラント液を直接吹きかけて加工しないので熱変位が低減され、加工精度の向上も見込める。
また、クーラント液がもたらす通常の効果である、加工温度の低減や、切屑、工具の接触面の摩擦低減などにより、剪断角を大きくし、剪断歪と剪断仕事が減少し、構成刃先の発生が防止されるなどに有効である。その結果として、工具の寿命を増大し、仕上げ面を良好にし、ワークや工具の熱膨張による変形、寸法精度の低下を避けることにも役立つ、という効果が得られる。
例えば、切粉排出カバー12は、透明アクリル等の厚さ3mmの樹脂製としているが、目的とする、加工空間50が確保できるようなカバーであれば材質は金属等であっても構わないし、加工空間50が大きくなりすぎず、切粉の排出性をよくするために、1枚の板から構成するのではなく、複数のパーツからなる切粉排出カバー12を使用しても良い。
また、工具の先端からミストエアや加工液を供給するとしているが、特に加工工具の先端ではなくとも、別途ノズルを設けて加工に必要で効率の良い位置にノズルを持ってきたり、ミストエアと加工液の両方を供給するようなノズル、あるいはそれぞれを専用に供給するようなノズルを設けたりすることを妨げない。
11 加工ユニット
11L 左側加工ユニット
11R 右側加工ユニット
12 切粉排出カバー
12L 裏側カバー
12La 筒状体
12Lb 工具通過穴
12R 表側カバー
12Ra 筒状体
12Rb 工具通過穴
12a 通過孔
12b 排出穴
12c 仕切り
13 加工工具
14 保持具
15 軸部
16 原動機
17 ポンプユニット
18 ワーク
18a 表側凹部
18b ハウジング組付け面
18c 裏側凹部
19a 貫通孔
19b 貫通孔
19c とまり穴
19d、19e、19f、19g ハウジング組付けノック穴
20 ベース
21 ワーク固定ユニット
22 軸頭
23 加工ユニット原動機
24 吸引口
25 ガイドブッシュ
25a 抜け留め
25b ブラケット
26 バネ
27 ガイド
28 支持部
29a 突起
29b センターストッパ
50 加工空間
Claims (3)
- 複数の加工工具を保持する多軸軸頭により、ワークに対して複数のボーリング加工を同時に行う多軸ボーリング加工装置において、
前記ワークが凹部を有し、前記凹部の底面に位置する複数の加工部にボーリング加工を必要とする構造であって、
前記ワークと前記多軸軸頭の間に設けられる切粉排出カバーは、前記多軸軸頭の一部を覆い、前記加工工具を通すための加工工具通過孔を供え、少なくとも1つの排出穴を有し、
ボーリング加工時に、前記切粉排出カバーが前記ワークの前記凹部に入り込み、前記切粉排出カバーの内面と前記多軸軸頭の外面と加工面とが形成する加工空間から、前記排出穴を通じて切粉を排出すること、
前記多軸軸頭を有する2つの加工ユニットが対向して備えられ、
前記切粉排出カバーが、前記加工ユニットにそれぞれ備えられ、
前記ワークは、2つの前記加工ユニットの間に配置され、
貫通孔加工時に、前記切粉排出カバーが前記ワークの両側から、前記ワークの加工部付近の面に近接することで、前記多軸軸頭の外面と前記切粉排出カバーの内面と貫通孔加工面とが前記加工空間を形成し、
前記加工空間から、切粉吸引口を通じて吸引装置が切粉を吸引すること、
一方の前記加工ユニットによる加工が、他方の前記加工ユニットによる加工よりも早く終了するときに、前記一方の加工ユニットが、加工空間を負圧の状態に維持するための待機密閉状態を維持すること、
を特徴とする多軸ボーリング加工装置。 - 請求項1に記載する多軸ボーリング加工装置において、
前記待機密度状態が、前記一方の加工ユニットが、工具を逃がした位置であって、前記切粉排出カバーが移動しない位置であること、
を特徴とする多軸ボーリング加工装置。 - 請求項1又は請求項2に記載する多軸ボーリング加工装置を使用する多軸ボーリング加工方法であって、
前記ワークが前記凹部を有し、前記凹部の底面に位置する複数の前記加工部にボーリング加工を必要とする構造で、
前記ワークと前記多軸軸頭の間に設けられる前記切粉排出カバーは、前記多軸軸頭の一部を覆い、前記加工工具を通すための前記加工工具通過孔を供え、少なくとも1つの前記排出穴を有し、
ボーリング加工時に、前記切粉排出カバーが前記ワークの前記凹部に入り込み、前記切粉排出カバーの内面と前記多軸軸頭の外面と加工面とが形成する前記加工空間から、前記排出穴を通じて切粉を排出すること、
前記多軸軸頭を有する2つの加工ユニットが対向して備えられ、
前記切粉排出カバーが、前記加工ユニットにそれぞれ備えられ、
前記ワークは、2つの前記加工ユニットの間に配置され、
貫通孔加工時に、前記切粉排出カバーが前記ワークの両側から、前記ワークの加工部付近の面に近接することで、前記多軸軸頭の外面と前記切粉排出カバーの内面と貫通孔加工面とが前記加工空間を形成し、
前記加工空間から、切粉吸引口を通じて吸引装置が切粉を吸引すること、
一方の前記加工ユニットによる加工が、他方の前記加工ユニットによる加工よりも早く終了するときに、前記一方の加工ユニットが、加工空間を負圧の状態に維持するための待機密閉状態を維持すること、
を特徴とする多軸ボーリング加工方法。
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