JP4908344B2 - 磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施の形態にかかる磁気ディスク装置の要部を表す概念図である。 本実施形態の磁気ディスク装置は、マイクロプロセッサー(MPU)18を主構成要素とするヘッド位置決め制御機構(制御手段)を備える。磁気ヘッド11はアーム12に支持されており、アーム12はボイスコイルモータ(VCM)13の駆動力により磁気ヘッド11をディスク14の半径方向に移動させる。VCM13は、マグネット15と駆動コイル16とを有し、パワーアンプ17から供給される電流により駆動される。MPU18は制御指令を演算し、この制御指令がD/Aコンバータ19によりアナログ信号に変換され、パワーアンプ17に与えられる。パワーアンプ17は、MPU18からの制御指令を駆動電流に変換してVCM13に供給する。
図2に表したシーク制御系は、位置誤差フィードバック制御系100と、モデル側制御系200と、を備えている。モデル側制御系200においては、アクチュエータの仮想的な数式モデルに対する速度制御系が構築されており、モデル速度を目標速度に追従させることにより、位置誤差フィードバック制御系100へ与える目標位置指令と、フィードフォワード制御入力と、を生成する。モデル側制御系200から出力されたフィードフォワード制御入力は、目標トラックの位置(Target Positon)の情報とともに、速度フィードバックコントローラ300に入力され、リミッタ400とゼロ次ホルダ420とを介して、ボイスコイルモータ13へのフィードフォワード制御入力として出力される。
また、図4は、本実施形態において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
図3、4に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
また、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークにおいては、シーク制御系のスイッチsw1を切り替えた際の過渡応答が出ていないことがわかる。さらに、図4に表したグラフ図より、外力が小さい方向へのシークにおいても、スイッチsw1の切り替え時に不連続な制御指令は発生していないことがわかる。
図5に表したシーク制御系においては、図2に表した本実施形態のシーク制御系に対して、位置誤差フィードバック制御系100は積分器110と位相進み補償器120とに分解されていない。このような制御系においては、シーク制御から位置決め制御への移行を円滑に行う為に、シーク前半においては位置決め制御器を用いてモデル側制御系200の更新を行い、目標位置に近くなった時において通常の2自由度制御系に切り替えるようにしている。
また、図7は、比較例において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
図6、7に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
シーク時のバラツキは、シークが終了したオントラック状態におけるバラツキに対して非常に大きい。また、制御指令数値のバラツキは、目標位置に近くなりヘッドスピードが遅くなるにつれて小さくなっている。これは、位置検出ノイズがモデル側制御系200の更新を通してモデル速度を用いた速度制御系に影響を与えているためであると考えられる。シーク時に電流のバラツキが生ずることは、シーク時の騒音を大きくすると共に、セトリング時のバラツキを引き起こしやすくなる。
図9は、モデル入力端のマルチレート観測器を表すブロック図である。
また、図10は、モデル更新のタイミングを表す模式図である。
図9に表した観測器においては、位相進み補償器120の出力をモデル側制御系200の入力に加えて、モデルの状態をプラントの状態に近づけるようにする。
図11は、単純なモデル側制御系のフィードバック制御系を表すブロック図である。
図11に表した制御系において、制御対象は位置誤差フィードバック制御系100が計算される周期Tsの1/rで計算される。この制御系は、サンプル点上の応答を考慮すると、周期Tsのフィードバックシステムと同じである。したがって、まず、式(10)と式(11)とが成り立つ。
図12は、本発明の第2の実施の形態を例示するブロック図である。
図12に表したシーク制御系においては、図2に表したシーク制御系と同様に、位置誤差フィードバック制御系100が、積分器110と位相進み補償器120とに分解されている。また、図12に表したシーク制御系は、モデル側制御系200を備えている。モデル側制御系200においては、アクチュエータの仮想的な数式モデルに対する速度制御系が構築されており、モデル速度を目標速度に追従させることにより、位置誤差フィードバック制御系100へ与える目標位置指令と、フィードフォワード制御入力と、を生成する。モデル側制御系200から出力されたフィードフォワード制御入力は、目標トラックの位置の情報とともに、速度フィードバックコントローラ300に入力され、リミッタ400とゼロ次ホルダ420とを介して、ボイスコイルモータ13へのフィードフォワード制御入力として出力される。
また、図14は、本実施形態において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
図13、14に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。なお、ゲインL500は、L=[1 1]Tと設定した。
また、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークにおいては、シーク制御系のスイッチsw1を切り替えた際の過渡応答が出ていないことがわかる。さらに、図14に表したグラフ図より、外力が小さい方向へのシークにおいても、スイッチsw1の切り替え時に不連続な制御指令は発生していないことがわかる。
横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
本実施形態にかかるシーク制御系においても、シーク時のバラツキは、シークが終了したオントラック状態におけるバラツキに対して非常に大きいことが分かる。これは、制御指令がモデル側制御系200の速度制御系において生成されるため、位相進み補償器120の出力を通してモデルに影響を与えているためであると考えられる。
図16は、モデル状態端のマルチレート観測器を表すブロック図である。
図16に表した観測器は、カルマンフィルタのように、モデルの状態に位相進み補償器120の出力を加えている。
図17(a)は、本発明の第3の実施の形態を例示するブロック図であり、図17(b)は、速度フィードバックコントローラ300を例示する模式図である。
図17(a)に表したシーク制御系においては、図2に表したシーク制御系と同様に、位置誤差フィードバック制御系100が、積分器110と位相進み補償器120とに分解されている。また、図17(a)に表したシーク制御系は、モデル側制御系200を備えている。モデル側制御系200においては、アクチュエータの仮想的な数式モデルに対する速度制御系が構築されており、モデル速度を目標速度に追従させることにより、位置誤差フィードバック制御系100へ与える目標位置指令と、フィードフォワード制御入力と、を生成する。モデル側制御系200から出力されたフィードフォワード制御入力は、目標トラックの位置の情報とともに、速度フィードバックコントローラ300に入力され、リミッタ400とゼロ次ホルダ420とを介して、ボイスコイルモータ13へのフィードフォワード制御入力として出力される。
すなわち、目標位置までの残り距離に応じて、ゲインL500と、スイッチsw1の端子位置と、をそれぞれ設定しておくことができる。
また、図20は、本実施形態において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
図19、20に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
また、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークにおいては、積分器110の出力をアクチュエータ(VCM13)に加えているために、シーク制御系のスイッチsw1を切り替えた際の過渡応答は発生していないことがわかる。さらに、図20に表したグラフ図より、外力が小さい方向へのシークにおいても、スイッチsw1の切り替え時に不連続な制御指令は発生していないことがわかる。
横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
図21に表したグラフ図において、位相進み補償器120の出力を可変ゲインL500、または可変ゲインG1を通してモデル側制御系200の更新を行っているため、図8および図15に表したグラフ図よりも、バラツキを低減できていることが分かる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (7)
- 磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
積分器と位相進み補償器とを有し、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記駆動部をフィードバック制御する位置誤差フィードバック制御系と、
前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力する2自由度制御系と、
を有し、
前記制御手段は、前記数式モデルを更新し、前記更新に際して、前記積分器の出力は前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新する第1の更新モードを有することを特徴とする磁気ディスク装置。 - 前記制御手段は、前記駆動部への入力が飽和していない時は、前記第1の更新モードを実行し、
前記駆動部への入力が飽和している時は、前記積分器の出力と、前記位相進み補償器の出力と、を前記数式モデルにそれぞれ加えて、前記数式モデルを更新する第2の更新モードを実行することを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置。 - 前記制御手段は、固定されたゲインを、前記位相進み補償器の出力に掛けて、前記数式モデルを更新することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
- 前記制御手段は、前記磁気ヘッドの目標位置までの残り距離に応じて変化するゲインを、前記位相進み補償器の出力に掛けて、前記数式モデルを更新することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
- 前記制御手段は、前記磁気ヘッドの目標速度に応じて変化するゲインを、前記位相進み補償器の出力に掛けて、前記数式モデルを更新することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
- 前記制御手段は、前記数式モデルのモデル速度に応じて変化するゲインを、前記位相進み補償器の出力に掛けて、前記数式モデルを更新することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
- 磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる磁気ヘッドの制御方法であって、
積分器と位相進み補償器とを用い、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記磁気ヘッドの駆動部をフィードバック制御しつつ、
前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力して制御し、
前記数式モデルを更新し、
前記更新に際して、前記積分器の出力は前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新するモードを有することを特徴とする磁気ヘッドの制御方法。
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