JP4906957B1 - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】スパークプラグの耐食性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】スパークプラグ100は、外表面に保護被膜としてニッケルめっき層波形制された主体金具1を備える。ニッケルめっき層は、X線光電子分光法(XPS)によって構成元素の原子濃度を深さ方向に測定したときに、Ni元素の原子濃度が80%となる深さにおいて、炭素原子の原子濃度が、1.0%以上、かつ、10.0%以下の範囲である。
【選択図】図6

Description

この発明は、スパークプラグに関する。
ガソリンエンジンなどの内燃機関の点火に使用されるスパークプラグは、軸状の中心電極と、その中心電極を内側に保持する円筒状の絶縁体と、その絶縁体を内側に保持する主体金具とを有する。主体金具には、中心電極との間に火花放電ギャップを形成するように、略L字状の接地電極が設けられている。主体金具および接地電極は、一般に、炭素鋼等の鉄系材料で構成され、その外表面には防食のためのめっき処理が施される(下記特許文献1)。
しかし、主体金具は、絶縁体が保持される筒孔の内壁面や、外表面における凹部など、めっき浴槽中において電流が流れにくくなる部位を有しており、形成されるめっき層の厚みが不均一となる可能性がある。めっき層の厚みが不均一になると、主体金具に対する加締め加工の工程などにおいて、めっき層の厚みの比較的薄い部位に応力集中が発生し、めっき層の剥離が促進されてしまう場合がある。これまで、めっき層の厚みを均一化してめっき層の剥離を抑制し、スパークプラグの耐食性を向上させることについて十分な工夫がなされてこなかったのが実情であった。
特開2002−184552号公報
本発明は、スパークプラグの耐食性を向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
外表面がニッケルめっき層によって被覆された主体金具を備えるスパークプラグにおいて、
前記ニッケルめっき層は、X線光電子分光法(XPS)によって構成元素の原子濃度を深さ方向に測定したときに、Ni元素の原子濃度が80%となる深さにおいて、C元素の原子濃度が、1.0%以上、かつ、10.0%以下であることを特徴とする、スパークプラグ。
このスパークプラグによれば、主体金具の電解ニッケルめっき処理において、ニッケルめっき層の厚みが均一化されるようにニッケルめっき層が形成されているため、耐食性が向上する。
[適用例2]
適用例1記載のスパークプラグであって、
前記ニッケルめっき層は、厚みの最小値が、0.3μm以上、かつ、2.0μm以下であり、厚みの最大値が15μm以下である、スパークプラグ。
このスパークプラグによれば、主体金具の電解ニッケルめっき処理において電流が流れにくいような部位においても、ニッケルめっき層の厚みが確保されているため、耐食性の低下が抑制される。
[適用例3]
適用例2記載のスパークプラグであって、
前記ニッケルめっき層は、厚みの最大値と厚みの最小値との差が、5.5μm以下である、スパークプラグ。
このスパークプラグによれば、主体金具におけるニッケルめっき層の厚みの不均一性が小さいため、耐食性の低下が抑制される。
[適用例4]
適用例1記載のスパークプラグであって、さらに、
前記ニッケルめっき層の上には、クロメート層、または、防錆油層が形成されており、
前記ニッケルめっき層は、厚みの最小値が、0.2μm以上、かつ、2.3μm以下であり、厚みの最大値が15μm以下である、スパークプラグ。
このスパークプラグによれば、主体金具のニッケルめっき層の上に、クロメート層、または、防錆油層が形成されているため、耐食性がより向上する。また、電解ニッケルめっき処理において電流が流れにくいような部位においても、ニッケルめっき層の厚みが確保されるため、耐食性の低下が抑制される。
[適用例5]
適用例4記載のスパークプラグであって、
前記ニッケルめっき層は、厚みの最大値と厚みの最小値との差が、6.0μm以下である、スパークプラグ。
このスパークプラグによれば、主体金具のニッケルめっき層の厚みの不均一性が小さいため、耐食性の低下が抑制される。
[適用例6]
適用例1記載のスパークプラグであって、さらに、
前記ニッケルめっき層の上にはクロメート層が形成されるとともに、前記クロメート層の上には防錆油層が形成されており、
前記ニッケルめっき層は、厚みの最小値が、0.1μm以上、かつ、2.5μm以下であり、厚みの最大値が15μm以下である、スパークプラグ。
このスパークプラグによれば、主体金具において、ニッケルめっき層の上に、クロメート層と、防錆油層とが形成されるため、耐食性がさらに向上する。また、主体金具の電解ニッケルめっき処理において電流が流れにくいような部位においても、ニッケルめっき層の厚みが確保されるため、耐食性の低下が抑制される。
[適用例7]
適用例6記載のスパークプラグであって、
前記ニッケルめっき層は、厚みの最大値と厚みの最小値との差が、6.5μm以下である、スパークプラグ。
このスパークプラグによれば、主体金具のニッケルめっき層の厚みの不均一性が小さいため、耐食性の低下が抑制される。
[適用例8]
適用例1〜7のいずれか一つに記載のスパークプラグであって、
前記ニッケルめっき層は、X線光電子分光法(XPS)によって各構成元素の原子濃度を深さ方向に測定したときに、Ni元素の原子濃度が80%となる深さにおけるP元素の原子濃度とB元素の原子濃度との合計量が、0.1%以上、かつ、10%以下である、スパークプラグ。
このスパークプラグによれば、主体金具の電解ニッケルめっき処理において、ニッケルめっき層の厚みがさらに均一化されるようにニッケルめっき層が形成されているため、耐食性が向上する。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池、その燃料電池を備えた燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することができる。
スパークプラグの構造の一例を示す要部断面図。 主体金具の製造工程の一例を工程順に示す説明図。 主体金具のめっき処理の手順を示すフローチャート。 めっき浴中において、基材の外表面にニッケルめっき層が形成される様子を段階的に示した模式図。 XPSを用いて測定されたニッケルめっき層の厚み方向における各元素の濃度分布の一例を示す説明図。 主体金具の5種のサンプルについて、ニッケルめっき層における炭素原子の原子濃度の測定値と耐食性の評価結果とを示す説明図。 主体金具の5種のサンプルについて、ニッケルめっき層におけるリン原子またはホウ素原子の原子濃度の測定値と耐食性の評価結果とを示す説明図。 ニッケルめっき層の厚みの最小値を変えた各サンプルについての耐食性の評価結果を示す説明図。 各サンプルについての、ニッケルめっき層の厚みの最大値と最小値との差と、耐食性の評価結果とを示す説明図。
以下では、まず、スパークプラグの構造例と製造工程の一部とを説明する。
図1は、スパークプラグの構造の一例を示す要部断面図である。このスパークプラグ100は、筒状の主体金具1と、先端部が突出するようにその主体金具1の筒孔1ch内に嵌め込まれた筒状の絶縁体2と、先端部を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3とを備えている。主体金具1には、接地電極4が接合されている。接地電極4は、一端が主体金具1に接合されるとともに、他端が中心電極3の先端と対向するように配置され、中心電極3との間に火花放電ギャップgを形成する。
絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には絶縁体2の軸方向に沿って中心電極3や端子金具13を嵌め込むための貫通孔6が形成されている。中心電極3は、貫通孔6の先端側(紙面下側)に挿入・固定され、端子金具13は、貫通孔6の後端側(図1の紙面上側)に挿入・固定される。また、貫通孔6内において、端子金具13と中心電極3との間には、抵抗体15が配置される。この抵抗体15の両端部は、導電性ガラスシール層16,17を介して中心電極3と端子金具13とにそれぞれ電気的に接続される。
主体金具1は、炭素鋼等の金属により中空円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成する。主体金具1の先端側(図1の紙面下側)の外周面には、スパークプラグ100を内燃機関の燃焼室(図示せず)に取り付けるためのねじ部7が形成されている。ねじ部7には、燃焼室に設けられたスパークプラグを取り付けるためのねじ孔に螺合するねじ溝が切られている。なお、ねじ部7の後端側には、六角部1eが設けられている。六角部1eは、主体金具1を燃焼室に取り付ける際に、スパナやレンチ等の工具を係合させる工具係合部であり、六角状の横断面形状を有している。
主体金具1の後端側の開口部の内壁面と、絶縁体2の外壁面との間には、タルク等の粉体が充填された充填層61が形成されている。充填層61は、絶縁体2のフランジ状の突出部2eと、主体金具1の開口部端部が内側に加締められた加締め部1dとの間に形成されている。充填層61の突出部2e側と加締め部1d側のそれぞれの端部には、リング状の線パッキン62,60が配置されている。
主体金具1の六角部1eとねじ部7との間には、フランジ状のガスシール部1fが設けられ、ガスシール部1fのねじ部7側には、ガスケット30がはめ込まれている。このガスケット30は、炭素鋼等の金属板素材を曲げ加工したリング状の部品であり、ねじ部7をシリンダヘッド側のねじ孔にねじ込むことにより、ガスシール部1fとねじ孔の開口周縁部との間で、軸線方向に圧縮されてつぶれるように変形し、ねじ孔とねじ部7との間の隙間をシールする役割を果たす。なお、ガスシール部1fと六角部1eとの間には、溝部1hが形成されている。溝部1hは、厚みが主体金具1の中で最も薄く形成されており、外側にわずかに湾曲している。以後、本明細書では、溝部1hを「薄肉部1h」とも呼ぶ。
図2(A)〜(D)は、主体金具1の製造工程の一例を工程順に示す説明図である。図2(A)の工程では、接地電極4が接合された主体金具1の基材1aが準備される。基材1aは、加締め部1dとなるべき加締め予定部1daが、後端側に延びる壁部として形成されている点と、薄肉部1hが湾曲しておらず、接地電極4も屈曲していない直棒状の形状のままである点以外は、図1で説明した主体金具1とほぼ同じである。なお、基材1aの表面は、防食のためのめっき処理がすでに施された状態である。
次に、図2(B)の工程では、基材1aの貫通孔に絶縁体2を、基材1aの後端側の挿入開口部1pから挿入し、絶縁体2と基材1aのそれぞれに設けられた係合部2h,1cを、板パッキン63を介して互いに係合させる。なお、絶縁体2には、中心電極3及び導電性ガラスシール層16,17、抵抗体15及び端子金具13が予め組みつけられている。
図2(C)の工程では、基材1aの挿入開口部1pから線パッキン62を配置し、その後、タルク等の充填層61を形成して、さらに、線パッキン60を挿入開口部1p側に配置する。そして、加締め金型111により、加締め予定部1daを線パッキン62、充填層61及び線パッキン60を介して、突出部2eの端面2nを加締め受部として加締める。これにより、図2(D)に示すように加締め予定部1daが変形して加締め部1dが形成され、基材1aが絶縁体2に加締め固定される。なお、薄肉部1hは、この加締め時における圧縮応力によって湾曲する。加締め工程の後、接地電極4を中心電極3側に曲げ加工して屈曲部Rを形成することにより、火花放電ギャップgが形成され、図1のスパークプラグ100が完成する。
このように、主体金具1では、めっき処理が施された後の工程において、加締め部1dや、接地電極4の屈曲部R、薄肉部1hなどに外力が加えられて変形される。従って、加締め部1dや接地電極4の屈曲部R、薄肉部1hには、残留応力が生じており、めっき層の剥離が生じやすい。また、主体金具1では、筒孔1chの内壁面や、外表面に凹凸を有する部位などにおいて、めっき層の厚みが不均一となり、めっき層の厚みが薄い部位における応力集中の発生により、めっき層の剥離が促進されてしまう場合がある。めっき層の剥離が生じると、主体金具1の耐食性が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、主体金具1と絶縁体2とを固定する加締め工程の前に、主体金具1の基材1aの外表面に対してめっき処理などの防食処理が施される。図3は、主体金具1の基材1aに対して行われる防食処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図3では、省略可能な工程については破線で図示してある。以下では、図3に示したステップT100〜T130の各処理工程について工程順に説明する。
A.ニッケルストライクめっき処理(図3のステップT100):
ニッケルストライクめっき処理は、炭素鋼で形成された基材1aの表面を洗浄するとともに、めっき層と下地金属との密着性を向上させるために行われる処理である。ただし、ニッケルストライクめっき処理は省略されても良い。ニッケルストライクめっき処理は、通常利用される処理条件によって行うことができる。具体的な好ましい処理条件の例は、以下の通りである。
<ニッケルストライクめっきの処理条件の例>
・めっき浴組成:
塩化ニッケル: 150〜600g/L
35%塩酸: 50〜300ml/L
溶媒: 脱イオン水
・処理温度(浴温度): 25〜40℃
・陰極電流密度: 0.2〜0.4A/dm2
・処理時間: 5〜20分
B.電解ニッケルめっき処理(図3のステップT110):
電解ニッケルめっき処理としては、回転バレルを使用したバレル式電解ニッケルめっき処理を利用可能である。なお、電解ニッケルめっき処理としては、静止めっき法などの他のめっき処理方法を利用するものとしても良い。電解ニッケルめっき処理は、通常利用される処理条件によって行うことができる。具体的な好ましい処理条件の例は以下の通りである。
<電解ニッケルめっき処理の処理条件の例>
・めっき浴組成:
硫酸ニッケル: 100〜400g/L
塩化ニッケル: 30〜70g/L
ホウ酸: 20〜60g/L
溶媒: 脱イオン水
・浴pH: 2.0〜4.8
・処理温度(浴温度): 25〜60℃
・陰極電流密度: 0.2〜0.6A/dm2
・処理時間: 30〜90分
ここで、本発明の発明者は、電解ニッケルめっき処理においては、めっき浴の組成を以下に説明するように調整することにより、ニッケルめっき層の厚みの均一化を促進できることを見出した。また、本発明の発明者は、そうしためっき浴を用いて形成されるニッケルめっき層の厚みの最小値や、厚みの最大値と最小値との差の好適範囲を規定することにより、ニッケルめっき層の耐食性の低下を抑制できることを見出した。以下では、電解ニッケルめっき処理におけるめっき浴の組成と、ニッケルめっき層の厚みについて、それぞれ順に説明する。
I.めっき浴の組成について:
電解ニッケルめっき処理では、形成されるニッケルめっき層の厚みを均一化して耐食性を向上させるために、めっき浴中に、所定量の炭素原子が含有されていることが好ましい。この理由を以下に説明する。
図4(a),(b)は、比較例として、炭素原子が含有されていないめっき浴中において、基材1aの外表面にニッケルめっき層が形成される様子を段階的に示した模式図である。なお、図4(a),(b)では、めっき浴中における基材1aの外表面と、ニッケル原子Niとが図示されており、他の原子の図示は省略されている。
ニッケルめっき処理においては、めっき浴中でイオン状態にあるニッケル原子Niは、基材1aの表面に存在する凸部などの電流が流れやすい部位に優先的に付着する傾向にある(図4(a))。従って、通常、基材1aの表面に凹凸がある場合には、ニッケルめっき層は、基材1a表面の凸部ほど厚みが厚く、凹部ほど厚みが薄くなってしまい、厚みが不均一となるとともに平滑性が低下しやすい(図4(b))。しかし、めっき浴中に所定の量の炭素原子が含有されていると、以下のように、めっき層の厚みの不均一化が抑制される。
図4(A)〜(D)は、所定量の炭素原子が含有されているめっき浴中において、基材1aの外表面にニッケルめっき層が形成される様子を段階的に示した模式図である。めっき浴中にある一定量以上の炭素原子Cが含有されている場合には、基材1aの外表面の凸部には、炭素原子Cがニッケル原子Niに優先して付着する(図4(A))。そのため、ニッケル原子Niは、炭素原子Cが付着していない凹部に付着し、ニッケルめっき層を形成し始める(図4(B))。
基材1a表面の凹部に形成されたニッケルめっき層が基材1a表面の凸部より突出し始めると、炭素原子Cは、その突出したニッケルめっき層の表面に移動して付着する(図4(C))。そして、次に、ニッケル原子Niは、炭素原子Cの付着量が少なくなった部位に付着し、ニッケルめっき層を形成しはじめる(図4(D))。
以後、基材1aの表面では、上記のような炭素原子Cの付着と遊離とが繰り返されつつ、ニッケルめっき層が形成されていく。このように、めっき浴中に炭素原子Cが含有されていることにより、ニッケル原子Niが基材1aの凸部に偏って付着してしまうことが抑制される。そのため、ニッケルめっき層の厚みの均一化が促進されるとともに、その表面の平滑化が促進される。
ところで、一般に、ニッケルめっき層は、不純物の含有量が少ないほど好ましい。しかし、上記のように炭素原子が含有されているめっき浴で形成されたニッケルめっき層中には、めっき浴中の炭素原子の含有量に応じた炭素原子が残留する。本発明の発明者は、ニッケルめっき層における炭素原子の原子濃度が、1%以上、かつ、10%以下の範囲内にあるときに、ニッケルめっき層の厚みを均一化しつつ、炭素原子の混入による耐食性の低下を抑制できることを見出した。
即ち、ニッケルめっき層中の炭素原子の原子濃度が1%以上であれば、そのニッケルめっき層が形成された電解ニッケルめっき処理のめっき浴には、ニッケルめっき層の厚みが均一化される程度の量の炭素原子が含有されていたことになる。また、ニッケルめっき層における炭素原子の原子濃度が10%を超える場合には、ニッケルめっき層中に混入している炭素原子により、ニッケルめっき層の剥離の可能性が高くなり、耐食性が低下してしまう。
ここで、本明細書においては、ニッケルめっき層における炭素原子の原子濃度は、X線光電子分光装置(XPS)による計測値であり、ニッケル原子の原子濃度が80%以上となる深さの位置における原子濃度である。この深さにおける炭素原子の原子濃度を基準とする理由は以下のためである。
図5は、XPSを用いて測定されたニッケルめっき層の厚み方向における各元素の濃度分布の一例を示すグラフである。このグラフは、縦軸が原子濃度(at%)を示しており、横軸がスパッタ時間(分)を示している。このグラフに示す例では、ニッケルめっき層には、ニッケル(Ni)と、炭素(C)と、酸素(O)と、クロム(Cr)と、カルシウム(Ca)と、ナトリウム(Na)とが含まれている。なお、図5では、便宜上、ニッケルについてのグラフを一点鎖線で示すとともに、炭素についてのグラフを実線で示し、他の原子についてのグラフを破線で示してある。
ニッケルの原子濃度が80%未満となるのは、スパッタ時間の短い領域であり、ニッケルめっき層における比較的表層の領域である。この表層の領域では、炭素の原子濃度が著しく高い値で検出される場合がある。これは、ニッケルめっき層の表層に付着する汚れなどが炭素として検出されている可能性があるためである。即ち、ニッケルの原子濃度が80%未満である深さの領域では、炭素の原子濃度の正確な測定が困難である。
また、一般に、ニッケルめっき層の耐食機能は、主に、ニッケルの原子濃度が80%以上となる深さの領域が担う。従って、ニッケルめっき層の評価を行う場合には、その深さより深い領域において行うことが好ましい。これらの理由により、ニッケルめっき層における炭素の原子濃度の測定は、ニッケルめっき層の表層領域を避け、ニッケルの原子濃度が80%以上となる深さにおいて行うことが望ましい。
ところで、電解ニッケルめっき処理では、一般に、ニッケルめっき層の平滑性を向上させるために、めっき浴中に光沢剤が添加される。そして、光沢剤の添加の際には、めっき層の硬度を調整するための1次光沢剤と、光沢作用を担う2次光沢剤とが併用される。光沢剤としては、具体的に以下のものが用いられる。
<1次光沢剤の例>
「=C−SO2−」の構造を分子中に含む有機化合物:
1,3,6ナフタレントリスルホン酸ナトリウムや、1,5ナフタリンジスルホン酸ナトリウムなどの各種のスルホン酸塩/スルホンイミド(例えばサッカリン)/スルホンアミド(例えばパラトルエンスルホンアミド)/スルフィン酸など
<2次光沢剤の例>
「C=O」、「C=C」、「C≡C」、「C=N」、「C≡N」、「N−C=S」、「N=N」あるいは「−CH2−CH−O−」の少なくともいずれかの構造を分子中に含む有機化合物:
クマリン/2ブチン−1,4ジオール/エチレンシアンヒドリン/プロパギルアルコール/ホルムアルデヒド/チオ尿素/キノリン/ピリジンなど
このように、光沢剤には炭素原子が主成分として含まれている。そのため、これらの光沢剤を用いることにより、めっき浴中に炭素原子を含有させることが可能である。即ち、めっき浴に添加される光沢剤の量を調整することにより、形成されるニッケルめっき層の厚みの均一化を促進することができる。具体的には、めっき浴には、以下の量の光沢剤が添加されるものとしても良い。
<電解ニッケルめっき処理のめっき浴に添加される光沢剤の量の例>
・1次光沢剤: 0.01〜1.5g/L
・2次光沢剤: 0.3〜0.7g/L
さらに、本発明の発明者は、炭素原子が含有されためっき浴中に、所定の量のリン原子(P)やホウ素原子(B)を含有させることにより、ニッケルめっき層の厚みの均一化をより促進できるとともに、耐食性をより向上させることができることを見出した。これは、リン原子やホウ素原子が、めっき浴中において、図4(A)〜(D)で説明した炭素原子の挙動と同様な挙動を示すためであると推察される。
めっき浴中にリン原子またはホウ素原子を含有させた場合にも、炭素原子と同様に、それらの含有量に応じた量のリン原子またはホウ素原子が、形成されるニッケルめっき層中に残留する。本発明の発明者は、ニッケルめっき層の厚みの均一化が特に促進されているのは、ニッケルめっき層に含まれるリン原子またはホウ素原子の原子濃度が、1.0%以上であるときであることを見出した。
また、本発明の発明者は、ニッケルめっき層の耐食性の低下が抑制されるためには、ニッケルめっき層に含まれるリン原子またはホウ素原子の原子濃度は、10.0%以下であることが好ましいことを見出した。ニッケルめっき層におけるリン原子およびホウ素原子の原子濃度は、上述した炭素原子の原子濃度と同様に、ニッケル原子の原子濃度が80%以上となる深さの位置におけるXPSによる計測値である。
なお、ニッケルめっき層中にリン原子とホウ素原子とが混在している場合には、リン原子およびホウ素原子の原子濃度の合計が、1.0%以上であるときに、ニッケルめっき層の厚みの均一化が促進されている。また、リン原子およびホウ素原子の原子濃度の合計が、10.0%以下であるときに、耐食性の低下が抑制される。
ここで、りん原子をめっき浴に添加するには、次亜リン酸ソーダ(NaH2PO2・H2O)などのリンの化合物をめっき浴中へ添加することにより可能である。めっき浴への次亜リン酸ソーダの添加量は、例えば、0.1g/L以上、かつ、60g/L以下であることが好ましい。また、ホウ素原子をめっき浴に添加するには、ジメチルアミンボラン(DMAB;Dimethyl Amine Borane)などのホウ素の化合物をめっき浴中へ添加することにより可能である。めっき浴へのジメチルアミンボランの添加量は、例えば、0.05g/L以上、かつ、8g/L以下であることが好ましい。
II.ニッケルめっき層の厚みについて:
上記のようにめっき浴に炭素原子等を含有させた場合であっても、基材1aにおける筒孔1chの内壁面など、電流の流れにくい部位では、他の部位に比較して厚みの薄いニッケルめっき層が形成されてしまう可能性がある。即ち、めっき浴に炭素原子等を含有させた場合には、主体金具1の部位ごとの局所的なニッケルめっき層の均一化の促進が可能であるが、主体金具1全体で見たときに、各部位同士の間では、ニッケルめっき層の厚みにばらつきが生じる可能性がある。
しかし、基材1aが、そうした厚みの薄いニッケルめっき層が形成されてしまう部位を有する場合であっても、ニッケルめっき層の厚みの最小値が、以下の範囲内であれば、ニッケルめっき層の耐食性を確保することができる。即ち、主体金具1の表面に保護被膜としてニッケルめっき層のみが形成されている場合には、ニッケルめっき層の厚みの最小値は、0.3μm以上、かつ、2.0μm以下であれば、その耐食性の低下を抑制できる。この理由は、以下のためである。
即ち、ニッケルめっき層の厚みの最小値が0.3μmより小さい場合には、主体金具1において、ニッケルめっき層の厚みが不足する部位が多く存在し、耐食性が確保されない可能性が高くなる。一方、ニッケルめっき層の厚みの最小値が2.0μmより大きい場合には、ニッケルめっき層の厚みが過度に厚い部位が多く存在する可能性が高くなる。ニッケルめっき層は、その厚みが過度に厚い場合には、表層においてクラックが発生しやすくなり、耐食性が低下してしまう。このように、ニッケルめっき層の厚みの最小値が、上記の好適範囲内であれば、基材1aにおいて、ニッケルめっき層の厚みが過度に薄くなりすぎたり、過度に厚くなりすぎたりする部位が生じることを抑制でき、耐食性の低下が抑制される。
また、一般に、主体金具1におけるニッケルめっき層の厚みは、15.0μm以下の厚みで形成されていれば良い。しかし、ニッケルめっき層の厚みの最大値は、ニッケルめっき層の厚みの最小値が上記の範囲内であるときに、ニッケルめっき層の厚みの最小値との差が5.5μm以下となる値であることが好ましい。即ち、ニッケルめっき層の厚みは、その最大値と最小値との差が、5.5μm以下であることが好ましい。この理由は、ニッケルめっき層の厚みの最大値と最小値との差が5.5μmより大きい場合には、主体金具1におけるニッケルめっき層の厚みのばらつきが過度に大きく、加締め工程においてニッケルめっき層の剥離が生じる可能性が高くなるためである。
このように、形成されるニッケルめっき層の厚みを調整することにより、ニッケルめっき層の耐食性の低下を、より確実に抑制することができる。なお、ニッケルめっき層の厚みは、上記の電解ニッケルめっき処理の処理条件のうち、電流密度と処理時間とを調整することにより調整可能である。
ところで、以下に説明する電解クロメート処理や、防錆油の塗布処理によって、ニッケルめっき層の上に保護被膜が積層形成される場合には、ニッケルめっき層の耐性が向上する。そのため、ニッケルめっき層の厚みの最小値の好適範囲は以下のように拡大される。
(a)保護被膜が、ニッケルめっき層とクロメート層との二層構造で形成されるとき、ニッケルめっき層の最小値の好適範囲は、0.2μm以上、かつ、2.3μm以下である。
(b)保護被膜が、ニッケルめっき層と防錆油塗布層との二層構造で形成されるとき、ニッケルめっき層の最小値の好適範囲は、0.2μm以上、かつ、2.3μm以下である。
(c)保護被膜が、ニッケルめっき層とクロメート層と防錆油塗布層の三層構造で形成されるとき、ニッケルめっき層の最小値の好適範囲は、0.1μm以上、かつ、2.5μm以下である。
C.電解クロメート処理(図3のステップT120):
電解クロメート処理は、ニッケルめっき層の防食のために、ニッケルめっき層の上にクロメート層を形成する処理である。電解クロメート処理においても回転バレルを利用可能であるが、静止めっき法などの他のめっき処理方法を利用するものとしても良い。なお、この電解処理メート処理は省略されても良く、ニッケルめっき層の上のクロメート層は省略されるものとしても良い。電解クロメート処理の好ましい処理条件の例は以下の通りである。
<電解クロメート処理の処理条件の例>
・処理浴(クロメート処理液)組成:
重クロム酸ナトリウム: 20〜70g/L
溶媒:脱イオン水
・浴pH: 2〜6
・処理温度(浴温度): 20〜60℃
・陰極電流密度: 0.02〜0.45A/dm2
・処理時間: 1〜10分
なお、重クロム酸塩としては、重クロム酸ナトリウムの他に重クロム酸カリウムも利用可能である。また、他の処理条件(重クロム酸塩の量、陰極電流密度、処理時間など)は、望ましいクロメート層膜厚に応じて上記とは異なる組み合わせを採用可能である。
D.防錆油の塗布処理(図3のステップT130):
防錆油の塗布処理は、クロメート層の上、または、クロメート層が省略されている場合にはニッケルめっき層の上に、防錆油を塗布する処理である。防錆油としては、炭素、バリウム(Ba)、カルシウム、ナトリウムのうちの少なくとも1種類が含まれるものを用いることができる。なお、この防錆油の塗布処理は省略されるものとしても良い。
これらの防食処理の結果、主体金具1の基材1aの外表面には、保護被膜として、少なくともニッケルめっき層が形成され、必要に応じて、ニッケルめっき層の上に、クロメート層や防錆油の塗布層が形成される。以後、本明細書では、保護被膜として、ニッケルめっき層のみが形成された主体金具1を「タイプA」と呼び、保護被膜として、ニッケルめっき層とクロメート層の二層が積層形成された主体金具1を「タイプB」と呼ぶ。また、保護被膜として、ニッケルめっき層と防錆油の塗布層の二層が積層形成された主体金具1を「タイプC」と呼び、保護被膜として、ニッケルめっき層とクロメート層と防錆油層の三層が積層形成された主体金具1を「タイプD」と呼ぶ。
これらの処理工程の後に、図2で説明した加締め工程により、主体金具1を備えるスパークプラグ100が製造される。なお、図2で説明した加締め工程としては、冷間加締めの他、熱加締めも利用可能である。
図6は、下記の条件により製造された主体金具1の5種のサンプルS01〜S05について、ニッケルめっき層における炭素原子の原子濃度の測定値と、耐食性の評価結果とをまとめた表を示す説明図である。なお、図6の表には、各サンプルS01〜S05のニッケルめっき層における炭素原子の原子濃度を変えるためにめっき浴に添加された光沢剤の種類と添加量とを示してある。
主体金具1の各サンプルS01〜S02は、JISG3507に規定された冷間圧造用炭素鋼線SWCH17Kを素材として用いて冷間鍛造により製造された本体部に、接地電極4を溶接接合することにより製造された。各サンプルS01〜S05に対しては、脱脂・水洗を行った後に、下記の処理条件で回転バレルを用いたニッケルストライクめっき処理を行った。
<ニッケルストライクめっきの処理条件>
・めっき浴組成:
塩化ニッケル: 300±50g/L
35%塩酸: 100±10ml/L
・処理温度(浴温度): 30±5℃
・陰極電流密度: 0.33A/dm2
・処理時間: 15分
そして、ニッケルストライクめっき処理の後に、回転バレルを用いた電解ニッケルめっき処理を、下記の処理条件で行うことにより、各サンプルS01〜S05にニッケルめっき層を形成した。
<電解ニッケルめっきの処理条件>
・めっき浴組成:
硫酸ニッケル: 250±20g/L
塩化ニッケル: 50±10g/L
ホウ酸: 40±10g/L
光沢剤:(下記参照)
・浴pH: 3.7±0.5
・処理温度(浴温度): 55±5℃
・陰極電流密度: 0.33A/dm2
・処理時間: 60分
ここで、サンプルS01については、めっき浴に光沢剤を添加しなかった。また、他の各サンプルS02〜S05については、1次光沢剤としてサッカリンを用い、2次光沢剤として2ブチン1,4ジオールを用いた。具体的には、各サンプルS02〜S05のためのめっき浴にそれぞれ、サッカリンを、0.1g/L,0.4g/L,0.8g/L,1.6g/Lずつ添加し、2ブチン1,4ジオールを、0.4g/L,0.5g/L,0.6g/L,0.8g/Lずつ添加した。
上記条件により形成されたニッケルめっき層について、XPSを用いてニッケル原子の原子濃度が80%となる深さにおける炭素原子の原子濃度を測定した。各サンプルS01〜S05の原子濃度はそれぞれ、0.0%,1.0%,5.0%,10.0%,20.0%であった。
耐食性の評価は、JIS H 8502に準拠して、中性塩水噴霧試験により行った。具体的には、試験時間は48時間とし、主体金具1の六角部1e(図1)の任意の一面と、筒孔1chの内壁面とを測定対象部位とし、測定対象部位に薬液を噴霧した後の赤錆の発生領域の面積を計測した。なお、赤錆の発生領域の面積は、光学的センサーを用いて、色彩の変化を検出することにより計測した。
なお、本明細書では、中性塩水噴霧試験における耐食性の評価は、赤錆の発生が生じなかった場合に、最も高い評価とし「☆」で示す。また、測定対象部位の総面積に対して赤錆の発生領域の面積が5%以下であったときには、2番目に高い評価として「◎」で示し、5%より大きく、10%以下であったときには、3番目に高い評価として「○」で示す。さらに、測定対象部位の総面積に対して赤錆の発生領域の面積が10%より大きいときには、好ましくない評価として「×」で示す。
図6の表に示すように、ニッケルめっき層における炭素原子の原子濃度が1.0%以上、かつ、10.0%以下の範囲内にあるサンプルS02〜S04において、良好な耐食性の評価を得ることができた。また、ニッケルめっき層における炭素原子の原子濃度が上記の範囲から外れているサンプルS01,S05についてはいずれも、好ましい耐食性の評価は得られなかった。このように、電解ニッケルめっき処理では、形成されるニッケルめっき層に1.0〜10.0%の範囲内の原子濃度で炭素原子が分散されるように、めっき浴に炭素原子を含有させることにより、ニッケルめっき層の耐食性を向上させることができる。
図7は、互いに異なる条件で製造された主体金具1の8種のサンプルS06〜S13について、ニッケルめっき層におけるリン原子およびホウ素原子の原子濃度の測定値と、耐食性の評価結果とをまとめた表を示す説明図である。なお、図7の表には、各サンプルS06〜S13のニッケルめっき層におけるリン原子またはホウ素原子の原子濃度を変えるために、各サンプルS06〜S13のためのめっき浴に添加された薬品の種類と添加量とを示してある。また、図7の表には、参考例として、炭素原子の原子濃度が5%であり、リン原子およびホウ素原子の原子濃度が0%であるサンプルS03についての評価結果も合わせて示してある。
各サプルS06〜S13は、以下に説明する点以外は、ニッケルめっき層における炭素原子の原子濃度が5%である、上述のサンプルS03と同様な条件により製造された。サンプルS06〜S09には、次亜リン酸ソーダをそれぞれ、1.0g/L,20.0g/L,40.0g/L,80.0g/Lずつ添加しためっき浴を用いて、ニッケルめっき層を形成した。また、サンプルS10〜S13には、DMABをそれぞれ、0.1g/L,2.5g/L,5.0g/L,10.0g/Lずつ添加しためっき浴を用いて、ニッケルめっき層を形成した。
上記条件により形成された各サンプルS06〜S13のニッケルめっき層について、XPSを用いてニッケル原子の原子濃度が80%となる深さにおけるリン原子またはホウ素原子の原子濃度を測定した。サンプルS06〜S09のニッケルめっき層におけるリン原子の原子濃度はそれぞれ、0.1%,5.0%,10.0%,20.0%であった。また、サンプルS10〜S13のニッケルめっき層におけるホウ素原子の原子濃度はそれぞれ、0.1%,5.0%,10.0%,20.0%であった。
耐食性の評価は、図6で説明したのと同様な中性塩水噴霧試験により、赤錆の発生領域の面積を測定して行った。ただし、試験時間は96時間とし、主体金具1の筒孔1chの内壁面のみを測定対象部位とした。なお、図7の表における評価結果は、図6で説明したのと同様な基準で、「☆」、「◎」、「○」、「×」により示してある。
めっき浴にリン原子を含有させたサンプルS06〜S09では、ニッケルめっき層におけるリン原子の原子濃度が、0.1%以上、かつ、10.0%以下の範囲に含まれるサンプルS06〜S08において、特に良好な評価結果を得ることができた。しかし、ニッケルめっき層におけるリン原子の原子濃度が、上記範囲から外れているサンプルS09については、好ましい評価結果を得ることはできなかった。
また、めっき浴にホウ素原子を含有させたサンプルS10〜S13では、ニッケルめっき層におけるホウ素原子の原子濃度が、0.1以上、かつ、10%以下の範囲に含まれるサンプルS10〜S12において、特に良好な評価結果を得ることができた。しかし、ニッケルめっき層におけるホウ素原子の原子濃度が、上記範囲から外れているサンプルS13については、好ましい評価結果を得ることはできなかった。
このように、ニッケルめっき層は、0.1%〜10.0%の範囲の原子濃度で炭素原子が分散されているときに、さらに、0.1%〜10.0%の範囲の原子濃度で、リン原子またはホウ素原子が分散されているときに、特に良好な耐食性を得ることができる。なお、リン原子とホウ素原子とを、ニッケルめっき層に混在させる場合には、リン原子の原子濃度とホウ素原子の原子濃度との合計値が、0.1%〜10.0%の範囲内であるときに、良好な耐食性が得られる。
図8は、ニッケルめっき層の厚みの最小値を変えた各サンプルS100〜S110,S200〜S210,S300〜S310,S400〜S410についての耐食性の評価結果をまとめた表を示す説明図である。なお、図8には、電解ニッケルめっき処理において、ニッケルめっき層の厚みを調整するために設定された電流密度と処理時間とを、ニッケルめっき層の厚みの最小値ごとに示してある。
各サンプルS100〜S110,S200〜S210,S300〜S310,S400〜S410を、下記に説明する点以外は、上述したサンプルS03(炭素原子の原子濃度が5%)と同様な条件によって製造した。なお、サンプルS100〜S110は、タイプAの主体金具1であり、保護被膜としてニッケルめっき層のみを形成した。サンプルS200〜S210は、タイプBの主体金具1であり、保護被膜としてニッケルめっき層と電解3価クロメート層の2層を積層形成した。サンプルS300〜S310は、タイプCの主体金具1であり、保護被膜としてニッケルめっき層と防錆油層の2層を積層形成した。サンプルS400〜S410では、タイプDの主体金具1であり、保護被膜としてニッケルめっき層と電解3価クロメート層と防錆油層の3層を積層形成した。
ここで、電解3価クロメート層を形成するために行った電解クロメート処理の処理条件は以下の通りである。この処理条件は、タイプB,Dの各サンプルS200〜S210,S400〜S410に共通の処理条件である。
<電解クロメート処理の処理条件>
・処理浴(クロメート処理液)組成:
重クロム酸ナトリウム: 40g/L
溶媒: 脱イオン水
・処理温度(浴温度): 35±5℃
・陰極電流密度: 0.2A/dm2
・処理時間: 5分
なお、この電解クロメート処理は、回転バレルを用いて行った。
また、各サンプルS100〜S110,S200〜S210,S300〜S310,S400〜S410では、電解ニッケルめっき処理における電流密度と処理時間とを変えることにより、ニッケルめっき層の厚みの最小値を、0.05〜2.8μmの範囲で変えた。なお、ニッケルめっき層の厚みは、蛍光X線膜厚計(エスアイナノテクノロジー社製,型番:SFT-3200)により計測した。
耐食性の評価は、図6で説明したのと同様な中性塩水噴霧試験により、赤錆の発生領域の面積を測定して行った。ただし、試験時間は72時間とし、主体金具1の筒孔1chの内壁面のみを測定対象部位とした。なお、図7の表における評価結果は、図6で説明したのと同様な基準で、「☆」、「◎」、「○」、「×」により示してある。
タイプAのサンプルS100〜S110では、ニッケルめっき層の厚みの最小値が、0.3μm以上、かつ、2.0μm以下であるサンプルS103〜S107において、良好な耐食性の評価を得ることができた。タイプBのサンプルS200〜S210では、ニッケルめっき層の厚みの最小値が、0.2μm以上、かつ、2.3μm以下であるサンプルS202〜S208において、良好な耐食性の評価を得ることができた。タイプCのサンプルS300〜S310では、ニッケルめっき層の厚みの最小値が、0.2μm以上、かつ、2.3μm以下であるサンプルS302〜S308において、良好な耐食性の評価を得ることができた。
タイプDのサンプルS400〜S410では、ニッケルめっき層の厚みの最小値が、0.1μm以上、かつ、2.5μm以下であるサンプルS401〜S409において、良好な耐食性の評価を得ることができた。また、タイプDのサンプルS400〜S410では、ニッケルめっき層の厚みの最小値が、0.3μm以上、かつ、1.5μm以下であるサンプルS404〜S409において、特に良好な耐食性の評価を得ることができた。このように、ニッケルめっき層の厚みの最小値が上述した好適範囲内にある場合には、良好な耐食性を得ることが可能である。
図9は、各サンプルS100〜S110,S200〜S210,S300〜S310,S400〜S410についてのニッケルめっき層の厚みの最大値と最小値との差と、耐食性の評価結果とをまとめた表を示す説明図である。なお、図8には、図9と同様に、電解ニッケルめっき処理において、ニッケルめっき層の厚みを調整するために設定された電流密度と処理時間とを示してある。
耐食性の評価は、図6で説明したのと同様な中性塩水噴霧試験により、赤錆の発生領域の面積を測定して行った。ただし、試験時間は96時間とし、主体金具1の六角部1e(図1)の任意の一面と、筒孔1chの内壁面とを測定対象部位とした。なお、図7の表における評価結果は、図6で説明したのと同様な基準で、「☆」、「◎」、「○」、「×」により示してある。
タイプAのサンプルS100〜S110では、ニッケルめっき層の厚みの最大値と最小値の差が、5.5μm以下であるサンプルS100〜S107において、良好な耐食性の評価を得ることができた。タイプBのサンプルS200〜S210では、ニッケルめっき層の厚みの最大値と最小値との差が、6.0μm以下であるサンプルS200〜S208において、良好な耐食性の評価を得ることができた。タイプCのサンプルS300〜S310では、ニッケルめっき層の厚みの最大値と最小値との差が、6.0μm以下であるサンプルS300〜S308において、良好な耐食性の評価を得ることができた。
タイプDのサンプルS400〜S410では、ニッケルめっき層の厚みの最大値と最小値との差が、6.5μm以下であるサンプルS400〜S409において、良好な耐食性の評価を得ることができた。また、タイプDのサンプルS400〜S410では、ニッケルめっき層の厚みの最大値と最小値との差が、4.0μm以上、かつ、6.0μm以下であるサンプルS404〜S408において、特に良好な耐食性の評価を得ることができた。
このように、ニッケルめっき層の厚みの最小値が好適な範囲内にあるときに、ニッケルめっき層の厚みの最大値と最小値との差が、所定の値以下であるときに、さらに、良好な耐食性の評価をえることができる。ここで、図8では、ニッケルめっき層の厚みの最大値と最小値との差が1.5μm以下となる場合についての評価結果が示されていない。しかし、ニッケルめっき層の厚みの最大値と最小値との差が1.5μm以下の場合には、ニッケルめっき層の部位ごとの厚みの不均一性はきわめて低いため、高い耐食性を得ることが可能である。
1…主体金具
1a…基材
1ch…筒孔
1d…加締め部
1da…加締め予定部
1e…六角部
1f…ガスシール部
1h…薄肉部(溝部)
1p…挿入開口部
2…絶縁体
2e…突出部
2h,1c…係合部
2n…端面
3…中心電極
4…接地電極
6…貫通孔
7…ねじ部
13…端子金具
15…抵抗体
16,17…導電性ガラスシール層
30…ガスケット
60…線パッキン
61…充填層
62…線パッキン
63…板パッキン
100…スパークプラグ
111…金型
C…炭素原子
Ni…ニッケル原子
R…屈曲部
g…火花放電ギャップ

Claims (8)

  1. 外表面がニッケルめっき層によって被覆された主体金具を備えるスパークプラグにおいて、
    前記ニッケルめっき層は、X線光電子分光法(XPS)によって構成元素の原子濃度を深さ方向に測定したときに、Ni元素の原子濃度が80%となる深さにおいて、C元素の原子濃度が、1.0%以上、かつ、10.0%以下であることを特徴とする、スパークプラグ。
  2. 請求項1記載のスパークプラグであって、
    前記ニッケルめっき層は、厚みの最小値が、0.3μm以上、かつ、2.0μm以下であり、厚みの最大値が15μm以下である、スパークプラグ。
  3. 請求項2記載のスパークプラグであって、
    前記ニッケルめっき層は、厚みの最大値と厚みの最小値との差が、5.5μm以下である、スパークプラグ。
  4. 請求項1記載のスパークプラグであって、さらに、
    前記ニッケルめっき層の上には、クロメート層、または、防錆油層が形成されており、
    前記ニッケルめっき層は、厚みの最小値が、0.2μm以上、かつ、2.3μm以下であり、厚みの最大値が15μm以下である、スパークプラグ。
  5. 請求項4記載のスパークプラグであって、
    前記ニッケルめっき層は、厚みの最大値と厚みの最小値との差が、6.0μm以下である、スパークプラグ。
  6. 請求項1記載のスパークプラグであって、さらに、
    前記ニッケルめっき層の上にはクロメート層が形成されるとともに、前記クロメート層の上には防錆油層が形成されており、
    前記ニッケルめっき層は、厚みの最小値が、0.1μm以上、かつ、2.5μm以下であり、厚みの最大値が15μm以下である、スパークプラグ。
  7. 請求項6記載のスパークプラグであって、
    前記ニッケルめっき層は、厚みの最大値と厚みの最小値との差が、6.5μm以下である、スパークプラグ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のスパークプラグであって、
    前記ニッケルめっき層は、X線光電子分光法(XPS)によって各構成元素の原子濃度を深さ方向に測定したときに、Ni元素の原子濃度が80%となる深さにおけるP元素の原子濃度とB元素の原子濃度との合計量が、0.1%以上、かつ、10%以下である、スパークプラグ。
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