JP4905470B2 - トロイダルコイルおよび空気調和機のコントローラ - Google Patents

トロイダルコイルおよび空気調和機のコントローラ Download PDF

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本発明は、トロイダルコイルおよびこのトロイダルコイルを用いた空気調和機のコントローラに関する。
例えば空気調和機のコントローラ等に組込まれる電気回路には、ノイズフィルタ等の目的でチョークコイルが実装されることがある。インダクタンスの安定性および再現性が高い等の利点があるため、前記チョークコイルとしてトロイダルコイルが用いられる場合が少なくない。
大電流が流れる電気回路では、該回路に組込まれる部品である前記トロイダルコイルも大電流に対応する必要がある。すなわち、トロイダルコイルの巻線を太くし、トロイダルコアの断面積を大きくする必要がある。
しかし、巻線を太くすると人手では巻回できないため、巻線を巻回するための装置が必要となる。そのような装置として、例えば特許文献1に開示されているような装置が従来知られている。
特開2004−327461号公報
平面視で環状とされた状態のコア体をその直径位置で切断したときに現れる2つの断面の形状が矩形を呈する従来のトロイダルコア149の場合(図14(A)の斜視図および図14(A)のXIV―XIV断面図である図14(B)参照)、巻回時に巻線がトロイダルコア149の周方向に進みにくいので、装置に対策が必要となる(特許文献1段落0020〜0021および図4参照)。したがって、トロイダルコアの形状は、前記断面形状が円もしくは楕円に近いことが望ましい。しかしながら、金型形状に制約があるため、断面形状が円もしくは楕円であるトロイダルコアを製作するのは困難である。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、巻線の巻回のしやすさと、製作の容易さとを両立可能なトロイダルコアを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るトロイダルコイルは、
チョークコイルに用いられるトロイダルコア(140)であって、平面視で環状とされ、その直径位置で切断したときに現れる2つの断面のそれぞれの形状が、高さ方向に延びる2辺(140b,140c)が直線状とされ、上下の2辺(140a,140a)のうちの上辺(140a)が上方向に凸形状とされ、下辺(140a)が下方向に凸形状とされたトロイダルコア(140)と、
前記トロイダルコア(140)を内部に格納可能な形状を有し、直径位置で切断したときに現れる2つの断面のそれぞれの内壁形状および外壁形状が楕円形であるトロイダルコアケース(121)であって、前記内壁は、前記トロイダルコア(140)の前記上辺(140a)および前記下辺(140a)によって形成される曲面に接触し当該曲面に沿う一方で、前記高さ方向に延びる2辺(140b,140c)のうちの径方向内側の辺(140c)を含む内周曲面および径方向外側の辺(140b)を含む外周曲面に非接触であるトロイダルコアケース(121)と、
前記ケース(121)にエッジワイズ巻きされた平角線(130)又は前記ケース(121)に整列巻きされた丸線(131)と、を備える
また、本発明の請求項2に係るトロイダルコイルは、
チョークコイルに用いられるトロイダルコア(141)であって、平面視で環状とされ、その直径位置で切断したときに現れる2つの断面のそれぞれの形状が、高さ方向に延びる2辺(141b,141c)及び上下の2辺(141a,141a)が直線状とされ、かつコーナー部(141d)に角Rを有する矩形であるトロイダルコア(141)と、
前記トロイダルコア(141)を内部に格納可能な形状を有し、直径位置で切断したときに現れる2つの断面のそれぞれの内壁形状および外壁形状が楕円形であるトロイダルコアケース(123)であって、前記内壁は、前記トロイダルコア(141)の前記コーナー部(141d)によって形成される曲面に接触し当該曲面に沿う一方で、前記トロイダルコア(141)の前記高さ方向に延びる2辺(141b,141c)のうちの径方向内側の辺(141c)を含む内周曲面および径方向外側の辺(141b)を含む外周曲面と、前記上下の2辺(141a,141a)のうちの上辺(141a)を含む平面及び下辺(141a)を含む平面とに非接触であるトロイダルコアケース(123)と、
前記ケース(123)にエッジワイズ巻きされた平角線(130)又は前記ケース(123)に整列巻きされた丸線(131)と、を備える
請求項1および2に係る発明によれば、トロイダルコアの製作が容易で、トロイダルケースに巻線を容易に巻回することができ、しかもトロイダルコイルを小型化することができる。
本発明の請求項3に係るトロイダルコイルは、請求項1または2に係るトロイダルコイルにおいて、前記トロイダルコア(140,141)は、継ぎ目なく一体に成形される。このコアを、トロイダルコイルに用いた場合、同一周波数でのインダクタンスは、同一断面積の分割コアと比較して大きくなる。すなわち、トロイダルコイルの性能が向上する。
また、請求項1または2に記載のトロイダルコイルは、丸線またはエッジワイズ巻きされた平角線が整列巻きされているので、複数の巻線を多重巻きした場合と比較してより高周波側に広い周波数帯でインダクタンスを大きく保つことができる。したがって、トロイダルコイルを小型化することができる。
本発明の請求項に係る空気調和機のコントローラは、請求項1〜3のいずれかに記載のトロイダルコイルが回路基板に組込まれている。
請求項に記載の発明によれば、小型化されたトロイダルコイルが用いられるため、空気調和機のコントローラを小型化することができる。
本発明に係るトロイダルコイルによれば、トロイダルコアの製作が容易で、トロイダルケースに巻線を容易に巻回することができ、しかもトロイダルコイルを小型化することができる
本発明の一実施形態に係る空気調和機のコントローラ用のノイズフィルタ用基板の一例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。 本発明の一実施形態に係るトロイダルコイルの概容を示す外観図である。 巻線が整列巻きされたトロイダルコイルと、巻線が多重巻きされたトロイダルコイルとについて、周波数とインダクタンスとの関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るトロイダルコイルの巻線を除いた状態での概容を示す図であり、(A)は外観図、(B)は、トロイダルコアケースを上下に分割して、トロイダルコアケースの内部に格納されていたトロイダルコアが見えるように示した図である。 ロイダルコアとトロイダルコアケースとの位置関係を示す図である 図5からトロイダルコアケースを除いて、トロイダルコアのみを示した図である。 本発明の一実施形態に係るトロイダルコイルを示す断面図であり、図6に示すトロイダルコアを、図5に示すトロイダルコアケースとは異なるトロイダルコアケースに格納したときの、該トロイダルコアケースとの位置関係を示す図である。 一体コアと分割コアとについて周波数とインダクタンスとの関係を示す図である。 他の形態に係るトロイダルコアの形状を説明するための断面図である。 図9に示すトロイダルコアを、他の形態に係るトロイダルコアケースに格納したときの、該トロイダルコアケースとの位置関係を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るトロイダルコイルを示す断面図であり、図9に示すトロイダルコアを、図10に示すトロイダルコアケースとは異なるトロイダルコアケースに格納したときの、該トロイダルコアケースとの位置関係を示す図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るトロイダルコイルの概容を示す外観図である。 従来のトロイダルコイルの一例を示す図である。 従来の断面形状のトロイダルコア、およびトロイダルコアケースに格納された状態の該トロイダルコアを示す図であり、(A)は該トロイダルコアの斜視図、(B)は、(A)のXIV―XIV断面図、(C)は、トロイダルコアケースに格納されたトロイダルコアについて、該トロイダルコアケースとの位置関係を示す断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る空気調和機のコントローラ用のノイズフィルタ用基板1(回路基板)の一例を示す。図1(A)は、ノイズフィルタ用基板1の平面図であり、図1(B)は、ノイズフィルタ用基板1の正面図である。
ノイズフィルタ用基板1は、本発明の一実施形態に係るトロイダルコイル100が、チョークコイル台座200に載置されてプリント基板300に配設されている。なお、トロイダルコイル100の巻線の端部には端子190が接続され(図2参照)、端子190はプリント基板300に接続されているが、図1では、端子190の図示は省略している。
図2は、トロイダルコイル100の概容を示す外観図である。トロイダルコイル100は、本実施形態では三相のトロイダルコイルであり、コモンモードノイズを除去するためのコモンモードチョークコイルとして用いられている。トロイダルコイル100は、トロイダルコア140(図4参照)と、トロイダルコア140を内部に格納するトロイダルコアケース120と、トロイダルコアケース120に巻回された巻線130とを備える。なお、トロイダルコア140は、トロイダルコアケース120の内部に格納されているため、トロイダルコイル100の外観図である図2には図示されていない。
空気調和機のコントローラに流れる例えば45Aの大電流に対応するため、トロイダルコイル100の巻線130には、整列巻きかつエッジワイズ巻きされた平角線が用いられている。なお、整列巻きとは、重ならないように一様に巻線を巻回することであり、エッジワイズ巻きとは、平角線の長方形の断面の長手方向が巻芯に直交するように巻回することである。巻線130の端部には、巻線130をプリント基板300に接続するための端子190が接続されている。
空気調和機のコントローラ等を構成する電気回路に、電気的ノイズが混入すると、機器の誤作動等の不具合を生じることがある。そのため通常は、該電気回路に電気的ノイズを除去するためのノイズフィルタ回路を設ける。本実施形態では、前記ノイズフィルタ回路をノイズフィルタ用基板1に形成して空気調和機のコントローラに実装している。ノイズフィルタリングの対象は、コントローラを構成する電気回路に流れるコモンモードノイズである。
巻線130を整列巻きする利点について、従来のトロイダルコイルと対比して以下に説明する。図13は、従来のトロイダルコイルの一例を示す図である。従来の人手で巻回するトロイダルコイル110では、太い巻線を人手で巻回することは不可能なので、大電流に対応するために巻線を太くすることができなかった。そのため、図13に示すように、複数本(図13では2本)の細い巻線139を、トロイダルコアケース128に多重に巻回して(以下、多重巻きという)、巻線の断面積を確保していた。
図3は、巻線が整列巻きされたトロイダルコイルと、巻線が多重巻きされたトロイダルコイルとについて、周波数とインダクタンスとの関係を示す図である。図3に示すように、巻線が整列巻きされたトロイダルコイルの方が、巻線が多重巻きされたトロイダルコイルよりも高周波側に広い周波数帯でインダクタンスを一定に保つことができる。
従来の多重巻きの場合、重なり合う巻線139の間には当然に隙間が乗じるので、巻線の占積率は低下することになる。そのため、大電流に対応するために必要な巻線量を巻回するためにはトロイダルコアを大型化する必要があった。しかも、図3に示すように、多重巻きした場合は高周波領域でトロイダルコイルの性能が低下する。この性能低下を補うために、さらに巻回数を増やす必要が生じ、ますますトロイダルコイルが大型化するという悪循環に陥っていた。その結果、トロイダルコイルを大電流にさせようとすると、加工費および材料費が嵩み、コストアップするという問題点があった。
一方、本実施形態では、整列巻きされた平角線を巻線130に用いることで、図3に示すように、高周波領域でトロイダルコイルの性能が向上するとともに、巻線の占積率を向上させることができる。そのため、多重巻きの場合よりもトロイダルコイルを小型化することができる。しかも、加工費および材料費が抑えられるのでコストダウンが可能となる。
さらに、巻線130を整列巻きすることで、多重巻きの場合よりも巻線130の放熱性が良くなり、巻線130の発熱による前記コントローラ内部の温度上昇が低減される。したがって、前記コントローラの過熱対策が容易になる。
図4は、トロイダルコイル100について、巻線130を除いた状態での概容を示す図である。図4(A)は外観図であり、図4(B)は、トロイダルコアケース120を上下に分割して、トロイダルコアケース120の内部に格納されていたトロイダルコア140が見えるように示した図である。
トロイダルコアケース120は、トロイダルコア140を内部に格納するケース本体120Aと、三相の巻線130をそれぞれ離隔する仕切板120Bとを備える。トロイダルコア140を内部に格納するために、トロイダルコアケース120は、上ケース120Cと下ケース120Dとに分割可能とされている。上ケース120Cと下ケース120Dとは、対応する図略の係合部を備え、該係合部によって一体に係合される。
図5は、トロイダルコアケース120に格納されるトロイダルコア140について、トロイダルコアケース120との位置関係を示す図であり、図4(A)のV―V断面図である。図6は、図5からトロイダルコアケース120を除いて、トロイダルコア140のみを示した図である。図14は、断面形状が矩形の従来のトロイダルコア149、およびトロイダルコアケース129に格納された状態のトロイダルコア149を示す図である。図14(A)は、トロイダルコア149の斜視図、図14(B)は、図14(A)のXIV―XIV断面図、図14(C)は、トロイダルコアケース129に格納されたトロイダルコア149について、トロイダルコアケース129との位置関係を示す断面図である。
本発明の一実施形態に係るトロイダルコイルに用いるトロイダルコア140について、従来のトロイダルコア149と対比しながら以下に説明する。
トロイダルコア140は、平面視で環状とされた状態のコア体をその直径位置で切断したときに現れる2つの断面の形状が、高さ方向に向かい合って延びる2辺140bおよび140cは直線状とされ、上下の底辺140a(上辺140a,下辺140a)は、それぞれ上方向および下方向に凸形状となる断面形状とされている。
断面形状が矩形を呈する従来のトロイダルコア149の場合は、巻回時に巻線がトロイダルコア149の周方向に進みにくいので、装置に対策が必要であった(特許文献1段落0020〜0021及び図4)。
一方、トロイダルコア140の場合は、巻線130を直接トロイダルコア140に巻回するときには、巻線130はトロイダルコア140の上下の曲面に沿って巻回されるので、巻線130を容易に巻回することができる。ただし、本実施形態ではトロイダルコア140を格納するトロイダルコアケース120に巻線130が巻回されている。
トロイダルコアケース120の内壁形状は、トロイダルコア140の外形に接触し、かつトロイダルコア140の外形に沿う形状とされている。トロイダルコアケース120は、予め定められた一定の厚みをもって形成されているので、トロイダルコアケース120外壁形状も、トロイダルコア140の断面形状と相似形となる。すなわち、平面視で環状とされた状態のケース本体120Aをその直径位置で切断したときに現れる2つの断面形状が、高さ方向に向かい合って延びる2辺120bおよび120cは直線状とされ、上下の底辺120a(上辺120a,下辺120a)は、それぞれ上方向および下方向に凸形状となる断面形状とされている。巻線130は、巻回時にトロイダルコアケース120の上下の曲面に沿って巻回されるので、巻線130を容易に巻回することができる。
ここで、断面形状が矩形を呈する従来のトロイダルコア149を用いて、巻線の巻回を容易にするため、トロイダルコアの断面形状は矩形のままに、該トロイダルコアケースの外形断面を楕円にする場合を想定する。(図14(C))。
この場合、トロイダルコア149とトロイダルコアケース120との間には、両者の断面形状の違いから、スペースSが生じることになる。トロイダルコイルの性能はトロイダルコアの断面積によって決まることから、スペースSは全く無駄なスペースとなる。すなわち、トロイダルコイルがスペースSの分だけ大型化し、該トロイダルコイルが実装されるコントローラ等も大型化してしまう。
一方、トロイダルコア140は、トロイダルコアケース120の内壁に密着する。したがって、無駄なスペースが生じないので、トロイダルコイルの小型化が可能となり、その結果、トロイダルコイル100が実装される空気調和機のコントローラも小型化が可能となる。
なお、図7に示すように、トロイダルコアケースの内壁形状を、トロイダルコア140の前記断面の上方向および下方向に凸形状となる上下の底辺140a(上辺140a,下辺140a)によって形成される曲面に対しては、接触し、かつ、該曲面に沿う形状とする一方、トロイダルコア140の前記断面の高さ方向に向かい合って延びる2辺140bおよび140cによって形成される曲面に対しては、非接触であり、該曲面に沿う形状でもない、楕円形としてもよい。
この場合、トロイダルコアケース121は、予め定められた一定の厚みをもって形成されているので、外壁形状も、断面が楕円形を呈することになる。トロイダルコアケース121は、トロイダルコアケース120の内壁に完全には密着しないものの、トロイダルコアケース121内部の容積に占めるトロイダルコア140の体積の割合は、従来のトロイダルコア149よりも増加する。したがって、無駄なスペースが減少する分、トロイダルコイルの小型化が可能となり、その結果、トロイダルコイル100が実装される空気調和機のコントローラも小型化が可能となる。
さらに、トロイダルコアケース121は外壁の断面に直線部がないため、巻線130のトロイダルコアケース外壁面への追従性が向上するので、トロイダルコアケース120を用いる場合よりも、巻線130を容易に巻回することができる。
ところで、巻回時にトロイダルコアケース120の上下の曲面に沿って巻線130は巻回されるので、巻線130の内周部と、辺120bおよび辺120cによって形成されるトロイダルコアケース120の曲面との間には隙間が生じる。トロイダルコアの体積を最大化して、トロイダルコイルの性能を最大化するためには、トロイダルコアケース121を用いて、トロイダルコアの断面形状をトロイダルコアケース121の内壁形状と一致させ、楕円とすることが理想的である。
しかしながら、金型形状に制約があるため、断面形状が円もしくは楕円であるトロイダルコアを製作するのは困難である。トロイダルコア140は、前記断面の高さ方向に向かい合って延びる2辺は直線状であるので、断面形状が円もしくは楕円の場合に生じる金型形状の制約を免れる。トロイダルコア140は、この断面形状を備えることで、断面形状が円もしくは楕円のトロイダルコアと比較して製作が容易となる。すなわち、トロイダルコア140を用いることで、トロイダルコアの製作の容易性とトロイダルコイルの小型化とを両立できる。
従来の二相あるいは三相のトロイダルコイルでは、人手で巻線を巻回できない場合、巻線の巻回を容易にするため、2分割あるいは3分割されたトロイダルコア(分割コア)に巻線を巻回し、巻線を巻回した後に該分割コアを組み合わせていた。一方、トロイダルコア140は、図4(B)に示すように、継ぎ目なく一体に成形されている(一体コア)。
図8は、一体コアと分割コアとについて周波数とインダクタンスとの関係を示す図である。図8に示すように、断面積が同じであれば、同一周波数に対しては一体コアの方が、分割コアよりも大きいインダクタンスを示す。そのため、トロイダルコアを小型化できるので、トロイダルコイルを小型化することができる。
以上、本発明の実施形態に係るトロイダルコア140および141、トロイダルコアケース120および121、トロイダルコイル100、および空気調和機のコントローラについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることもできる。
(1)上記実施形態では、トロイダルコア140は、平面視で環状とされた状態のコア体をその直径位置で切断したときに現れる2つの断面の形状が、高さ方向に向かい合って延びる2辺140bおよび140cは直線状とされ、上下の底辺140aは、それぞれ上方向および下方向に凸形状となる断面形状とされている。
これに代えて、図9に示す断面図のように、平面視で環状とされた状態のコア体をその直径位置で切断したときに現れる2つの断面形状が、いずれも直線状である高さ方向に向かい合って延びる2辺141bおよび141cならびに上下の底辺141a(上辺141a,下辺141a)からなる矩形であり、該矩形のコーナー部141dは、角Rを有する断面形状であるトロイダルコア141としてもよい。トロイダルコア141に直接巻線130を巻回する場合、巻線130はトロイダルコア140のコーナー部に形成された角Rに沿って巻回されるので、巻線130を容易に巻回することができる。
図10は、トロイダルコアケース122に格納されるトロイダルコア141について、トロイダルコアケース122との位置関係を示すための断面図である。
トロイダルコアケース122の内壁形状は、トロイダルコア141の外形に接触し、かつトロイダルコア141の外形に沿う形状とされている。トロイダルコアケース122は、予め定められた一定の厚みをもって形成されているので、トロイダルコアケース122の外壁形状も、トロイダルコア141の断面形状と相似形となる。すなわち、平面視で環状とされた状態のケース本体をその直径位置で切断したときに現れる2つの断面形状が、いずれも直線状である高さ方向に向かい合って延びる2辺121aおよび121bならびに上下の底辺121aからなる矩形であり、該矩形のコーナー部121dは、角Rを有する断面形状とされている。巻線130は、巻回時にトロイダルコアケース122のコーナー部の角Rに沿って巻回されるので、巻線130を容易に巻回することができる。
なお、図11に示すように、トロイダルコアケースの内壁形状を、トロイダルコア141の前記断面のコーナー部141dによって形成される曲面に対しては、接触し、かつ、該曲面に沿う形状とする一方、トロイダルコア141の前記断面の高さ方向に向かい合って延びる2辺141bおよび141cによって形成される曲面、ならびに上下の底辺141a(上辺141a,下辺141a)によって形成される平面に対しては、非接触であり、該曲面および該平面に沿う形状でもない、楕円形であるトロイダルコアケース123としてもよいことは上記実施形態のトロイダルコアケース121の場合と同様であり、効果もトロイダルコアケース121の場合と同様である。
(2)上記実施形態では、トロイダルコイル100は、巻線130に平角線を用い、巻線130の巻回を、エッジワイズ巻きかつ整列巻きとしている。これに代えて、図12に示すように、丸線を整列巻きした巻線131を備えるトロイダルコイル101とすることもできる。
(3)上記実施形態では、トロイダルコイル100は、三相のトロイダルコイルであるが、トロイダルコイルは、三相に限定されるものではなく、例えば、単相や、二相、四相であっても本発明は適用できる。なお、トロイダルコアケース120の仕切板120Bは、トロイダルコイルが単相の場合は設けられず、二相の場合は2枚設けられ、四相の場合は4枚設けられる。
(4)上記実施形態では、トロイダルコイル100を、コモンモードノイズを除去するコモンモードチョークコイルとして用いているが、トロイダルコイルは、巻線をノーマルモードに巻回することでノーマルモードノイズを除去するノーマルモードチョークコイルとして用いてもよく、また、トロイダルコイルの用途はノイズフィルタに限られるものでもない。
1 ノイズフィルタ用基板(回路基板)
100、101 トロイダルコイル
120〜123 トロイダルコアケース
130 巻線(平角線)
131 巻線(丸線)
140、141 トロイダルコア

Claims (4)

  1. チョークコイルに用いられるトロイダルコア(140)であって、平面視で環状とされ、その直径位置で切断したときに現れる2つの断面のそれぞれの形状が、高さ方向に延びる2辺(140b,140c)が直線状とされ、上下の2辺(140a,140a)のうちの上辺(140a)が上方向に凸形状とされ、下辺(140a)が下方向に凸形状とされたトロイダルコア(140)と、
    前記トロイダルコア(140)を内部に格納可能な形状を有し、直径位置で切断したときに現れる2つの断面のそれぞれの内壁形状および外壁形状が楕円形であるトロイダルコアケース(121)であって、前記内壁は、前記トロイダルコア(140)の前上辺(140a)および前記下辺(140a)によって形成される曲面に接触し当該曲面に沿う一方で、前記高さ方向に延びる2辺(140b,140c)のうちの径方向内側の辺(140c)を含む内周曲面および径方向外側の辺(140b)を含む外周曲面に非接触であるトロイダルコアケース(121)と、
    前記ケース(121)にエッジワイズ巻きされた平角線(130)又は前記ケース(121)に整列巻きされた丸線(131)と、を備えるトロイダルコイル。
  2. チョークコイルに用いられるトロイダルコア(141)であって、平面視で環状とされ、その直径位置で切断したときに現れる2つの断面のそれぞれの形状が、高さ方向に延びる2辺(141b,141c)及び上下の2辺(141a,141a)が直線状とされ、かつコーナー部(141d)に角Rを有する矩形であるトロイダルコア(141)と、
    前記トロイダルコア(141)を内部に格納可能な形状を有し、直径位置で切断したときに現れる2つの断面のそれぞれの内壁形状および外壁形状が楕円形であるトロイダルコアケース(123)であって、前記内壁は、前記トロイダルコア(141)の前記コーナー部(141d)によって形成される曲面に接触し当該曲面に沿う一方で、前記トロイダルコア(141)の前記高さ方向に延びる2辺(141b,141c)のうちの径方向内側の辺(141c)を含む内周曲面および径方向外側の辺(141b)を含む外周曲面と、前記上下の2辺(141a,141a)のうちの上辺(141a)を含む平面及び下辺(141a)を含む平面とに非接触であるトロイダルコアケース(123)と、
    前記ケース(123)にエッジワイズ巻きされた平角線(130)又は前記ケース(123)に整列巻きされた丸線(131)と、を備えるトロイダルコイル。
  3. 前記トロイダルコア(140,141)は、継ぎ目なく一体に成形されたものである、請求項1または2に記載のトロイダルコイル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトロイダルコイルが回路基板(1)に組込まれた空気調和機のコントローラ。
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