JP4905295B2 - 感光性組成物、それを用いた有機膜、及びこの膜を有する電子部品 - Google Patents

感光性組成物、それを用いた有機膜、及びこの膜を有する電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品の絶縁材料や半導体装置におけるパッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜、平坦化膜等の耐熱性が求められるパターンの形成に用いられる感光性組成物、それによる有機膜、及びこの膜を有する電子部品に関する。
従来、電子部品の絶縁材料や、半導体装置のパッシベーション膜、表面保護膜、層間絶縁膜等には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性を併せ持つポリイミド樹脂が用いられている。このポリイミド樹脂の中でも、感光性ポリイミド前駆体組成物の形で供されるものの場合、これを塗布し、露光し、現像し、熱イミド化処理等を施すことにより、耐熱性のレリーフパターン被膜を容易に形成させることができる。このような感光性ポリイミド前駆体組成物は、旧来の非感光型ポリイミドを用いる場合に比べて、大幅な工程短縮が可能となる特徴を有している。
しかしながら、上記の感光性ポリイミド前駆体組成物を用いる場合、その現像工程においては、現像液としてピロリドン類やケトン類等の有機溶剤を多量に用いる必要があり、安全性及び近年の環境問題への関心の高まりから、脱有機溶剤対策が求められている。これを受け、最近になって、上記材料分野では、フォトレジストと同様に、希薄アルカリ水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
中でもアルカリ水溶液に可溶なヒドロキシポリアミド、例えば、ポリベンズオキサゾール前駆体を利用する方法が、近年注目されている。このようなものとしては、例えば、当該樹脂とキノンジアジド等の光活性成分とを混合して、ポジ型感光性材料として用いる方法(例えば、特許文献1参照。)や、当該樹脂のフェノール性OHの一部に光重合性の不飽和二重結合を有する基を導入し、これと光重合性の不飽和二重結合を有する化合物、光重合開始剤等を混合してネガ型感光性材料として用いる方法(例えば、特許文献2参照。)等が知られている。
このような方法によると、現像後のパターン形成が容易で、かつ組成物の保存安定性も良好であり、また当該前駆体を加熱硬化させたポリベンズオキサゾール被膜は、ポリイミドと同等の熱硬化膜特性を有していること等から、有機溶剤現像型ポリイミド前駆体の有望な代替材料として注目されている。
一方で、上記材料が用いられる半導体装置のパッケージング方法の変遷も著しい。近年は集積度や機能の向上とチップサイズ矮小化の観点から、パッケージを多層配線化する傾向が著しく、当該構造の形成過程でポリイミドやポリベンズオキサゾール被膜が晒される条件も、以前に増して多様化しており、強酸、強塩基等に対する、より一層の耐薬品性が要求されている。
また、同様の理由から、半導体装置のプリント配線基板への実装方法も、従来の金属ピンと鉛−錫共晶ハンダによる実装方法から、より高密度実装が可能なBGA(ボールグリッドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージング)等、ポリイミドやポリベンズオキサゾール被膜が、直接ハンダバンプに接触する構造へと変化しつつある。用いられるハンダも、環境負荷低減の目的で、鉛フリーの高融点ハンダに置き換わりつつあり、またバンプ用ハンダは、基板実装用のものより、更に高融点のものを用いるのが一般的である。つまり、ポリイミドやポリベンズオキサゾール被膜が、ハンダバンプのリフロー工程等において、フラックスに接触しつつ、これまでにない高温に晒されることとなり、より一層の
耐熱性、高温耐フラックス性が要求されるようになってきた。
このように、プリント配線基板等の電子部品においては、高感度で、塗布均一性、現像性、耐熱性、保存安定性等の重合体組成物に対して一般的に求められている特性を満足し、かつ、プロキシミティー露光においてマスクサイズと同じ大きさのパターンを形成できる電子部品に用いられる感光性組成物が求められている。同様にして、硬化後に極めて高い耐熱性、耐薬品性を有する高精細なパターン状透明膜、それを含む電子部品が求められている。
特開昭63−96162号公報 特開2002−12665号公報
本発明の課題は、硬化後に極めて高い耐熱性を有し、高精細なレリーフパターンを基材上に形成するのに使用される感光性組成物、このような特性を有する有機膜、及びこの有機膜を有する電子部品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、ある感光性組成物が、非常に耐熱性が高く、同時に膜厚が厚い場合でも高精細なパターン形成が可能であり、前述の課題を高いレベルで解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明者等は、一般式(I)で表されるモノマー(A)を重合して得られるアルカリ可溶性重合体のアルカリ現像液への溶解性と、紫外線を照射することにより生じる光重合開始剤と重合性二重結合を有する化合物の硬化反応とをうまくバランスさせることで、パターン太りを解消し、マスクサイズと同じ大きさのパターンを得ることができることを見出した。本発明者等は、この微妙なバランスを発現させるために、特定の材料を用いて製造された一般式(I)で表されるモノマー(A)を重合して得られるアルカリ可溶性重合体を用いた。
すなわち、本発明者らは、一般式(I)で表されるモノマー(A)を重合して得られるアルカリ可溶性重合体と重合性二重結合を有する化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する感光性組成物において、一般式(I)で表されるモノマー(A)を重合して得られるアルカリ可溶性重合体の構造により、高感度と小さなパターン形成とを両立させることができ、さらに、この感光性組成物から得られる被膜が透明性、耐熱性に優れることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
本発明は、以下のような感光性組成物、それを用いて製造される有機膜、及びこれらを含む電子部品を提供する。
[1] 一般式(I)で表されるモノマー(A)を重合して得られるアルカリ可溶性重合体と重合性二重結合を有する化合物(B)と光重合開始剤(C)とを含有する感光性組成物。
Figure 0004905295
一般式(I)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜3のアルキルを表し、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、−CN、−CF3、−OCF3、−OH;任意の−CH2−が−COO−、−OCO−、−CO−で置き換えられてもよく、また任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキル;又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルコキシを表す。ただし、R4〜R8のうち少なくとも1つは−OHである。
[2] 前記一般式(I)で表されるモノマー(A)と前記モノマー(A)以外のラジカル重合性モノマー(D)とを共重合して得られるアルカリ可溶性重合体と、重合性二重結合を有する化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する感光性組成物。
[3] 前記R1〜R5、R7及びR8はそれぞれ独立に水素であり、前記R6は−OHである[1]又は[2]に記載の感光性組成物。
[4] ラジカル重合性モノマー(D)が、エポキシを有するラジカル重合性モノマー(d1)及びN−置換マレイミドを有するラジカル重合性モノマー(d2)の一方又は両方を含む[2]又は[3]に記載の感光性組成物。
[5] ラジカル重合性モノマー(D)が、エポキシを有するラジカル重合性モノマー(d1)を含む[4]に記載の感光性組成物。
[6] ラジカル重合性モノマー(D)が、前記ラジカル重合性モノマー(d1)、(d2)以外のラジカル重合性モノマー(d3)をさらに含む[4]に記載の感光性組成物。
[7] ラジカル重合性モノマー(d1)が、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、及び(2−エチル−2−オキセタニル)メチルアクリレートからなる群から選ばれる一又は二以上であり、ラジカル重合性モノマー(d2)が、N−フェニルマレイミド及びN−シクロヘキシルマレイミドの一方又は両方である[5]又は[6]に記載の感光性組成物。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の感光性組成物を用いて製造した有機膜。
[9] マスクが介在した光照射によって形成されたパターンを有する[8]に記載の有機膜。
[10] 透明であることを特徴とする[8]又は[9]に記載の有機膜。
[11] [8]〜[10]のいずれか一項に記載の有機膜を有する電子部品。
本明細書中、アクリル酸とメタクリル酸の両者を示すために「(メタ)アクリル酸」のように表記することがある。また同様にアクリレートとメタクリレートの両者を示すために「(メタ)アクリレート」のように表記することがある。本明細書中、「アルキル」とは、直鎖又は分岐鎖のアルキルであり、例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、及びヘキシル等が挙げられる。
本発明の感光性組成物は、硬化後に極めて高い耐熱性を有し、高精細なレリーフパターンを基材上に形成するのに使用することができ、またこのような特性を有する有機膜、及びこの有機膜を有する電子部品に使用することができる。
<1 感光性組成物>
本発明の感光性組成物は、特定のモノマー(A)をモノマーとして得られるアルカリ可溶性重合体と、重合性二重結合を有する化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する。本発明の感光性組成物は、前記アルカリ可溶性重合体が前記モノマー(A)の単独重合体である第一の態様と、前記アルカリ可溶性重合体が前記モノマー(A)と前記モノマー(A)以外のラジカル重合性モノマー(D)との共重合体である第二の態様とを含む。
本発明の感光性組成物は、前記第一及び第二の態様のアルカリ可溶性重合体100重量部に対し、重合性二重結合を有する化合物(B)を20〜300重量部、及び光重合開始剤(C)を0.5〜50重量部含有することが、本発明の感光性組成物から得られる有機膜の透明性、耐熱性、及び現像性を高める観点から好ましい。
<1−1 アルカリ可溶性重合体>
前記第一の態様におけるアルカリ可溶性重合体は、一般式(I)で表されるモノマー(A)を重合して得られる重合体である。また前記第二の態様におけるアルカリ可溶性重合体は、一般式(I)で表されるモノマー(A)と、前記モノマー(A)以外のラジカル重合性モノマー(D)とを共重合して得られる重合体である。すなわち、このアルカリ可溶性重合体は、モノマーの混合物を重合させて得られる共重合体である。本発明の感光性組成物におけるアルカリ可溶性重合体には、本発明の効果を損なわない範囲において、他のアルカリ可溶性重合体をブレンドしてもよい。
なお、前記アルカリ可溶性重合体におけるアルカリ可溶性とは、アルカリ可溶性重合体の溶液のスピンコート及び120℃30分間の加熱で形成される厚さ0.01〜100μmの被膜を、例えば25℃程度の2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で5分間浸した後に純水ですすいだときに、前記被膜が残こらない程度にアルカリへ溶解する性質を言う。
前記第二の態様におけるアルカリ可溶性重合体において、前記モノマー(A)の含有量は、モノマー(A)とラジカル重合性モノマー(D)との共重合体が前述したアルカリ可溶性を示せば特に限定されないが、0.5〜85重量%であることが好ましく、1〜80重量%であることがより好ましく、5〜80質量%であることがさらに好ましい。また、前記ラジカル重合性モノマー(D)の含有量は15〜99.5重量%であることが好ましく、20〜99重量%であることがより好ましく、20〜95重量%であることがさらに好ましい。このような範囲でモノマー(A)を用いると、本発明の感光性組成物から得られる有機膜の耐溶剤性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、透明性等を向上させることができる。
<1−1−1 モノマー(A)>
前記モノマー(A)は下記一般式(I)で表される。
Figure 0004905295
一般式(I)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜3のアルキルを表し、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、−CN、−CF3、−OCF3、−OH;任意の−CH2−が−COO−、−OCO−、−CO−で置き換えられてもよく、また任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキル;又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルコキシを表す。ただし、R4〜R8のうち少なくとも1つは−OHである。
炭素数1〜5のアルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル等が挙げられる。炭素数1〜5のアルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が挙げられる。
前記モノマー(A)には、例えば前記R1〜R5、R7及びR8はそれぞれ水素であり、前記R6は−OHである化合物が好ましくは挙げられる。以下において、前記モノマー(A)は「モノマーA」ともいう。
<1−1−2 モノマー(A)以外のラジカル重合性モノマー(D)>
前記ラジカル重合性モノマー(D)は、前記モノマーA以外のラジカル重合性モノマーであればよいが、好ましい例としてはエポキシを有するラジカル重合性モノマー(d1)、N−置換マレイミドを有するラジカル重合性モノマー(d2)が挙げられる。
前記ラジカル重合性モノマー(D)は、前記(d1)及び(d2)のラジカル重合性モノマーの一方でもよいし両方でもよい。前記ラジカル重合性モノマー(D)は、ラジカル重合性モノマー(d1)を含むことが好ましく、ラジカル重合性モノマー(d1)及び(d2)の両方を含むことがより好ましい。さらには、本発明の効果を損なわない範囲で、ラジカル重合性モノマー(D)は、モノマーA及びラジカル重合性モノマー(d1)、(d2)以外のラジカル重合性モノマー(d3)をさらに含んでいてもよい。例えば前記ラジカル重合性モノマー(D)は、ラジカル重合性モノマー(d1)からなっていてもよいし、ラジカル重合性モノマー(d1)及び(d2)からなっていてもよい。(d1)、(d2)及び(d3)からなっていてもよい。
以下、前記ラジカル重合性モノマー(D)について説明するが、以下において、前記ラジカル重合性モノマー(D)は「モノマーD」ともいい、エポキシを有するラジカル重合性モノマー(d1)、N−置換マレイミドを有するラジカル重合性モノマー(d2)及びその他のラジカル重合性モノマー(d3)は、それぞれ、「モノマーd1」、「モノマー
d2」、及び「モノマーd3」ともいう。
<1−1−3 エポキシを有するラジカル重合性モノマー(d1)>
前記モノマーd1は、オキシラニル及びオキセタニル等のエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーである。モノマーd1は1種の化合物でもよいし、2種以上の化合物の混合物でもよい。モノマーd1の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルアクリル酸グリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(2−エチル−2−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニル−3−エチルオキセタニル−3−イルメチルエーテル、(1−メチル−1−オキセタニル−2−フェニル)−3−(メタ)アクリレート、(1−メチル−1−オキセタニル)−2−トリフロロメチル−3−(メタ)アクリレート、及び(1−メチル−1−オキセタニル)−4−トリフロロメチル−2−(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記具体例の中でも、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレートは、入手が容易であり、本発明の感光性組成物から得られる有機膜の耐溶剤性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、透明性等を高める観点から好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性重合体の重合に際しては、アルカリ可溶性重合体の特性を調整する観点からモノマーd1を用いることが好ましい。モノマーd1は、モノマーA及びモノマーDの合計重量に対して5〜90重量%の範囲で用いられることが好ましく、10〜80重量%であればさらに好ましい。このような範囲でモノマーd1を用いると、本発明の感光性組成物から得られる有機膜の各種特性、例えば耐溶剤性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、透明性等をより一層向上させることができる。
<1−1−4 N−置換マレイミドを有するラジカル重合性モノマー(d2)>
前記モノマーd2は、N−置換マレイミドを有するラジカル重合性モノマーである。モノマーd2は1種の化合物でもよいし、2種以上の化合物の混合物でもよい。モノマーd2の具体例としては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(4−アセチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(4−ジメチルアミノ−3,5−ジニトロフェニル)マレイミド、N−(1−アニリノナフチル−4)マレイミド、N−[4−(2−ベンズオキサゾリル)フェニル]マレイミド、及びN−(9−アクリジニル)マレイミド等が挙げられる。
これらのモノマーd2から選ばれる少なくとも1つを使用したアルカリ可溶性重合体を用いると、アルカリ水溶液による溶解性が高く、すなわち、現像性が高く、容易にパターン状の有機膜が得られる。また、耐溶剤性、高耐水性、高耐酸性、高耐アルカリ性、高耐熱性、高透明性、下地との密着性を高める観点から好ましい。
上記具体例の中でも、N−シクロヘキシルマレイミド、及びN−フェニルマレイミドは入手が容易であり、得られたパターン状の有機膜の耐溶剤性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、透明性等を高める観点から好ましい。
本発明のアルカリ可溶性重合体の重合に際しては、アルカリ可溶性重合体の特性を調整
する観点からモノマーd2を用いることが好ましい。モノマーd2は、モノマーA及びモノマーDの合計重量に対して1〜80重量%の範囲で用いられることが好ましく、5〜30重量%であればさらに好ましい。このような範囲でモノマーd2を用いると、本発明の感光性組成物から得られる有機膜の各種特性、例えば耐溶剤性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、透明性等をより一層向上させることができ、特に耐熱性を向上させる観点からより一層効果的である。
<1−1−5 その他のラジカル重合性モノマー(d3)>
モノマーAとモノマーD(例えば、モノマーd1、モノマーd2等)とを共重合して得られるアルカリ可溶性重合体の重合において、現像性等の工程マージン等を考慮して、得られるパターン状の有機膜の耐溶剤性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、透明性等に大きな影響を与えない範囲でモノマーd3を使用することができる。モノマーd3は1種の化合物でも2種以上の化合物の混合物でもよい。
モノマーd3の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルメチルスチレン、(メタ)アクリルアミド、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、無水イタコン酸、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、N−アクリロイルモルホリン、及びインデン等が挙げられる。
上記具体例の中でも、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びポリスチレンマクロモノマーから選ばれる少なくとも1つをモノマーd3として共重合したアルカリ可溶性重合体を用いた感光性組成物は現像性が良好であり、極めて耐溶剤性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、透明性が高く好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性重合体の重合に際しては、アルカリ可溶性重合体の諸特性をさらに向上させる観点からモノマーd3を用いることが好ましい。モノマーd3は、モノマーA及びモノマーDの合計重量に対して1〜80重量%の範囲で用いられることが好ましく、5〜50重量%であればさらに好ましい。
<1−1−6 アルカリ可溶性重合体の重合方法>
アルカリ可溶性重合体の重合方法は、特に制限されないが、アルカリ可溶性重合体は、前記第一の態様のアルカリ可溶性重合体であればモノマーAを、前記第二の態様のアルカリ可溶性重合体であればモノマーAとモノマーDとの混合物を重合させて得ることができ、溶剤を用いた溶液中でのラジカル重合が好ましい。重合温度は使用する重合開始剤からラジカルが十分発生する温度であれば特に限定されないが、通常50℃〜150℃の範囲である。重合時間も特に限定されないが、通常3〜24時間の範囲である。また、当該重合は、加圧、減圧又は大気圧のいずれの圧力下でも行うことができる。
上記の重合反応では溶媒をさらに用いてもよい。前記溶剤は、モノマーA、モノマーD及び生成するアルカリ可溶性重合体を溶解する溶剤が好ましい。前記溶剤は、1種であってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。当該溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸、及び水等が挙げられる。
アルカリ可溶性重合体を合成する際には重合開始剤をさらに用いてもよい。前記重合開始剤には、熱によりラジカルを発生する化合物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤や、過酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤を使用することができる。分子量を調節するために、チオグリコール酸等の連鎖移動剤を適量添加してもよい。
アルカリ可溶性重合体は、ポリエチレンオキシドを標準としたGPC分析で求めた重量平均分子量が1,000〜100,000の範囲であると、重合性二重結合を有する化合物及び光重合開始剤と混合した際に未露光部分がアルカリ現像液で溶解されるまでの現像時間が適正であり、かつ、現像時に被膜の表面が荒れにくくなり好ましい。さらに、重量平均分子量が1,500〜50,000の範囲であると、重合性二重結合を有する化合物及び光重合開始剤と混合した際に未露光部分がアルカリ現像液で溶解されるまでの現像時間が適正であり、かつ、現像時に被膜の表面が荒にくく、現像残渣も極めて少なくなるので、一層好ましい。同様の理由により、重量平均分子量が2,000〜20,000の範囲であると、特に一層好ましい。
アルカリ可溶性重合体の重量平均分子量は、例えば、標準のポリエチレンオキシドには、分子量が1,000〜510,000のポリエチレンオキシド(例えば東ソー(株)製のTSKstandard)を用い、カラムにはShodexKD−806M(昭和電工(株)製)を用い、移動相としてDMFを用いる条件で測定することができる。
<1−2 重合性二重結合を有する化合物(B)>
重合性二重結合を有する化合物(B)は、重合性二重結合を1以上有する。重合性二重結合を有する化合物(B)は、(メタ)アクリロイル基を1以上有していることが好ましく、モノマーA及びモノマーD以外の化合物であることがより好ましい。重合性二重結合を有する化合物(B)は、重合性二重結合を2以上有することがさらに好ましく、(メタ)アクリロイル基を2以上有していることが特に好ましい。重合性二重結合を有する化合物(B)は1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
重合性二重結合を有する化合物(B)の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロキシネオペンチルグリコール]アジペート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]プロパン、(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]スルホン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン,エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン,エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリグルセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、(メタ)アクリル化イソシアヌレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、重合性二重結合を有する化合物(B)が、(メタ)アクリロイル基を2〜20個有する化合物を50重量%以上含有していると、感光性組成物から有機膜を得る際の現像時の密着性を高める観点から好ましい。また、重合性二重結合を有する化合物(B)が、(メタ)アクリロイル基を4〜20個有する化合物を50重量%以上含有していると、感光性組成物から得られる有機膜のパターンの形成における感度を高める観点からより一層好ましい。
(メタ)アクリロイル基を4〜20個有する化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジグリセリンテトラアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。以下において、前記重合性二重結合を有する化合物(B)は「化合物(B)」ともいう。
<1−3 光重合開始剤(C)>
前記光重合開始剤(C)は、化合物(B)の重合性二重結合の重合を、光の照射によって開始させる性質を有する。光重合開始剤(C)は1種の化合物であっても、2種以上の
化合物の混合物であってもよい。
光重合開始剤(C)の具体例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4’−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907;商品名、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製、以下「IRGACURE 907」と記すことがある)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1(IRGACURE 369;商品名、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製、以下「IRGACURE 369」と記すことがある)、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(メトキシカルボニル)−4,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジ(メトキシカルボニル)−3,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、及び1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオフェニル)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE01;商品名、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製、以下「OXE01」と記
すことがある)が挙げられる。
これらの中でも、光重合開始剤(C)が、IRGACURE 907、及びIRGACURE 369から選ばれる1つ以上を光重合開始剤(C)の全重量に対して20重量%以上含有すると、得られる感光性組成物の感度を高める観点から好ましい。
また、光重合開始剤(C)が、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(メトキシカルボニル)−4,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、及び4,4’−ジ(メトキシカルボニル)−3,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンからなる群から選ばれる1種以上を、光重合開始剤(C)の全重量に対して20重量%以上含有すると、得られる感光性組成物から得られる有機膜の密着性を良好にする観点と前記感光性組成物の現像マージンを広くする観点とから好ましい。
<1−4 溶媒>
本発明の感光性組成物は、粘度や濃度の調整のために溶媒をさらに含有していてもよい前記溶媒は、1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物の混合物であってもよい。前記溶媒は、沸点が100℃〜300℃である化合物、又はこの化合物を20重量%以上含有する混合溶媒であることが好ましい。
沸点が100℃〜300℃である化合物の具体例としては、水、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、及びN,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
これらの溶媒の中でもプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、及び乳酸エチルから選ばれる少なくとも1つを用いると、塗布均一性が高くなるのでより好ましい。特にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、及び乳酸エチルから選ばれる溶媒を用いると、塗布均一性が高く、人体への安全性が高くなるため、より一層好ましい。
<1−5 その他の成分>
<1−5−1 添加剤>
本発明の感光性組成物には、解像度、塗布均一性、現像性、接着性を向上させるために、各種の添加剤を添加することができる。添加剤には、アクリル系、スチレン系、ポリエチレンイミン系又はウレタン系の高分子分散剤、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又はフッ素系の界面活性剤、シリコン樹脂系塗布性向上剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、エポキシ化合物、メラミン化合物又はビスアジド化合物等の熱架橋剤、有機カルボン酸等のアルカリ溶解性促進剤等が挙げられる。前記添加剤は、1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物の混合物であってもよい。前記添加剤の添加量は、添加剤の種類に応じて決めることができ、概ね感光性組成物全量に対して0.005〜10重量%であることが好ましい。
添加剤の具体例には、ポリフローNo.45、ポリフローKL−245、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(以上いずれも商標、共栄社化学工業株式会社製)、ディスパーベイク(Disperbyk)161、ディスパーベイク162、ディスパーベイク163、ディスパーベイク164、ディスパーベイク166、ディスパーベイク170、ディスパーベイク180、ディスパーベイク181、ディスパーベイク182、BYK300、BYK306、BYK310、BYK320、BYK330、BYK344、BYK346(以上いずれも商標、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KP−341、KP−358、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(以上いずれも商標、信越化学工業株式会社製)、サーフロンSC−101、サーフロンKH−40(以上いずれも商標、セイミケミカル株式会社製)、フタージェント222F、フタージェント251、FTX−218(以上いずれも商標、株式会社ネオス製)、EFTOP EF−351、EFTOP EF−352、EFTOP EF−601、EFTOP EF−801、EFTOP EF−802(以上いずれも商標、三菱マテリアル株式会社製)、メガファックF−171、メガファックF−177、メガファックF−475、メガファックR−08、メガファックR−30(以上いずれも商標、大日本インキ化学工業株式会社製)、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオルアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレ
ンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。これらから選ばれる少なくとも1つを前記添加剤に用いることが好ましい。
これらの添加剤の中でも、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオルアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、及びフルオロアルキルアミノスルホン酸塩等のフッ素系の界面活性剤、及びBYK306、BYK344、BYK346、KP−341、KP−358、及びKP−368等のシリコン樹脂系塗布性向上剤の中から選ばれる少なくとも1種が添加されると、前記感光性組成物の塗布均一性を高める観点から好ましい。
<1−5−2 その他の添加ポリマー>
本発明の感光性組成物には、耐熱性、耐薬品性等を向上させるために上記アルカリ可溶性重合体以外のポリマーを添加することができる。ここで添加されるポリマーは、カルボキシルを有しないエポキシ含有ポリマーが好ましい。添加ポリマーは、1種のポリマーでもよいし、2種以上の異なるポリマーの混合物であってもよい。前記添加ポリマーの添加量は、添加ポリマーの種類に応じて決めることができ、概ねアルカリ可溶性重合体に対して1〜50重量%であることが好ましい。
カルボキシルを有しないエポキシ含有ポリマーの具体例として、グリシジルメタクリレートのホモポリマー、グリシジルメタクリレートと他のラジカル重合可能な単官能モノマーとの共重合体、(1−メチル−1−オキセタニル)−3−エチル3−メタクリレートのホモポリマー及び(1−メチル−1−オキセタニル)−3−エチル−3−メタクリレートと他のラジカル重合可能な単官能モノマーとの共重合体等が挙げられる。これらの添加ポリマーを本発明の感光性組成物に添加することは、耐熱性、耐薬品性、現像性等の諸特性をさらに向上させる観点から好ましい。
特に、グリシジルメタクリレートのホモポリマー、グリシジルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタンのホモポリマー、グリシジルメタクリレートとN−フェニルマレイミドの共重合体、グリシジルメタクリレートと3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタンの共重合体を本発明の感光性組成物に添加することは、耐熱性、耐薬品性、現像性を大きく向上させる観点からより一層好ましい。
また、耐熱性、耐薬品性を低下させない程度に、カルボキシルを有するエポキシ含有ポリマーを少量、ブレンドして使用することもできる。このような添加ポリマーの例としては、特開平4−198937号公報に記載のグリシジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体やメタクリル酸単独重合体、及びグリシジルメタクリレートとモノメタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート共重合体が挙げられるが、オキシラニルやオキセタニルとカルボキシルとを有する限り特に限定されない。
前記添加ポリマーの原料となるカルボキシルを有するラジカル重合性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、及びシクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]等が挙げられる。
また、前記添加ポリマーの原料となるエポキシを有するラジカル重合性モノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルアクリル酸グリシジルエステル、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、前記添加ポリマーの原料となるオキセタニルを有するラジカル重合性モノマーの具体例としては、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、及び(2−エチル−2−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのカルボキシル及びオキシラニル又はオキセタニルを有するラジカル重合モノマーは1種の化合物でもよいし、2種以上の化合物の混合物でもよい。
<1−5−3 多価カルボン酸>
本発明の感光性組成物には、無水トリメリット酸、無水フタル酸、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物等の多価カルボン酸を添加してもよい。これらの多価カルボン酸の中でも無水トリメリット酸が好ましい。
本発明の感光性組成物に前記多価カルボン酸が添加されて加熱されると、多価カルボン酸のカルボキシルは、感光性組成物にエポキシが含まれる場合に、感光性組成物から有機膜を得る際にこれらと反応して、前記有機膜の耐熱性、耐薬品性をさらに向上させることができる。
本発明の感光性組成物において、多価カルボン酸を添加する場合には、モノマーAを重合して、又はモノマーAとモノマーDとを共重合して得られる前記アルカリ可溶性重合体100重量部に対し、多価カルボン酸が1〜30重量部であることが好ましく、2〜20重量部であることがさらに好ましい。
<1−6 感光性組成物の保存>
本発明の感光性組成物は、温度−30℃〜25℃の範囲で遮光して保存すると、組成物の経時安定性が良好となり好ましい。保存温度が−20℃〜10℃であれば、析出物もなく一層好ましい。
本発明の感光性組成物は、電子部品における有機膜の形成に用いられる重合体組成物に対して一般的に求められている特性を有する。この「一般に求められている特性」とは、例えば形成される有機膜の高耐溶剤性、高耐水性、高耐酸性、高耐アルカリ性、高耐熱性、高透明性、下地との密着性等である。
<2.本発明の有機膜>
本発明の有機膜は、前述した本発明の感光性組成物を用いて製造した有機膜である。本発明の有機膜は、パターニングの際の解像度が高く、小さな径のパターンを形成するのに最適である。本発明の有機膜は、本発明の感光性組成物を用いる以外は、通常のネガ型感光性組成物から有機膜を得る公知の方法を用いて得ることできる。すなわち、本発明の感光性組成物は、本発明の感光性組成物の被膜を形成する工程と、得られた被膜に、前記光重合開始剤(C)による重合を開始させる光を照射する工程とを含む方法によって得られる。本発明の有機膜の製造では、必要に応じて、感光性組成物の被膜を乾燥させる工程や、光照射後の被膜を焼成する工程をさらに含んでいてもよい。
本発明の有機膜は、パターンを有していることが、電子部品に形成される様々な用途の被膜に適用する観点から好ましい。パターンを有する本発明の有機膜は、前記光を照射する工程が、マスクを介して前記感光性組成物の被膜に光を照射する工程であり、さらには、光照射によって得られた被膜を現像液で現像する工程をさらに含む前記の方法によって得られる。
本発明の有機膜は、透明であることが、パターンを有する場合と同形に、電子部品に形成される様々な用途の被膜に適用する観点から好ましい。透明な本発明の有機膜は、本発明の感光性組成物に顔料等の粉体を含有しない本発明の感光性組成物を用いることによって得られる。
より具体的には該有機膜は以下のようにして形成される。まず、本発明の感光性組成物をスピンコート、ロールコート、スリットコート等により、ガラス等の基板上に塗布する。基板としては、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等の透明ガラス基板、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニール樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド等の合成樹脂製シート、フィルム又は基板、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属基板、その他セラミック板、光電変換素子を有する半導体基板等が挙げることができる。これらの基板には所望により、シランカップリング剤等の薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の前処理を行うことができる。基板への感光性組成物の塗布は、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法等従来からの公知の方法により行うことができる。
次に、ホットプレート又はオーブンで通常60〜120℃、1〜5分間乾燥する。乾燥した基板に、必要に応じて所望のパターン形状のマスクを介して紫外線を照射する。照射量はi線で5〜1000mJ/cm2が適当である。紫外線の当たった部分は化合物(B)の重合により三次元化架橋体となる。
前記基板にマスクを介して紫外線を照射した場合では、紫外線の当たった部分は化合物(B)の重合により三次元化架橋体となり、現像液に対して不溶化するので、紫外線を照射した後の基板を現像液で現像し、マスクによって紫外線が遮られた部分を基板から除去する。より具体的には、シャワー現像、スプレー現像、パドル現像、ディップ現像等の、前記有機膜における現像で通常用いられている方法により前記基板を現像液に浸し、不要部分を溶解除去する。
このようにして得られたパターン状透明膜は、パターン状絶縁膜として用いることもできる。絶縁膜に形成された穴の形状は、真上から見た場合、正方形、長方形、円形又は楕円形であることが好ましい。さらに、該絶縁膜上に透明電極を形成し、エッチングによりパターニングを行った後、配向処理を行う被膜を形成させてもよい。該絶縁膜は、耐スパッタ性が高いため、透明電極を形成しても絶縁膜にしわが発生せず、高い透明性を保つことができる。
現像液としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類、及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アルカリ類等のアルカリ性の水溶液が挙げられる。また、前記現像液にメタノール、エタノール、界面活性剤等を適当量添加して用いることもできる。例えば現像液には、現像残渣の低減やパターン形状の適性化を目的として、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系から選択して使用することができる。特にノニオン系のポリオキシエチレンアルキルエーテルを添加すると、パターン形状が良好になるので好ましい。
基板に形成された感光性組成物の被膜にマスクを介さないで紫外線を照射した場合には紫外線照射後に、前記被膜にマスクを介して紫外線を照射した場合には現像後に、基板を180〜250℃で10〜120分間置き、基板上の被膜を焼成すると、透明膜を得るこ
とができる。マスクを介しての紫外線照射と現像とを行った場合では、所望のパターンを有する透明膜を得ることができる。基板に塗布する感光性組成物にカーボンブラック等の顔料を混合した場合には、着色された有機膜を得ることができる。
以上、本発明の有機膜について、基板上に形成される形態を具体的に示したが、本発明の有機膜は、基板上に形成された層や電極上にも、基板上に形成される形態と同様に形成することができる。
本発明の感光性組成物は、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、透明性に優れているから、当該感光性組成物を用いた有機膜は、透明膜、絶縁膜、保護膜、ブラックマテリアル等の、表示素子等の電子部品における種々の用途の被膜に用いることができる。また本発明の有機膜は、その製造後工程において溶剤、酸、アルカリ溶液等の液への浸漬や接触、及び熱処理等の後処理がなされても、有機膜に表面荒れが発生しにくい。その結果、本発明の有機膜は、光の透過率が高く、透明膜に好適に用いることができる。より具体的に、本発明の有機膜は、液晶表示素子の用途としては、例えばフォトスペーサーやカラーフィルター用保護膜に用いることができ、プリント配線基板用途としては、例えばポリイミド材料の代替として、絶縁膜やカバーレイに用いることができる。
<3.本発明の電子部品>
本発明の電子部品は、前述した本発明の有機膜を有する。本発明の電子部品には、例えば液晶表示素子、プリント配線基板等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[合成例1]アルカリ可溶性重合体(1)の合成
攪拌器付4つ口フラスコにモノマーAとして4−ヒドロキシフェニルビニルケトン、モノマーd1としてグリシジルアクリレート及び(3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート、モノマーd3としてベンジルメタクリレートを下記の組成で仕込み、2−ブタノンの還流温度で4時間加熱して重合を行った。重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を用いた。
2−ブタノン 200.0g
4−ヒドロキシフェニルビニルケトン 25.0g
グリシジルアクリレート 30.0g
(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート 20.0g
ベンジルメタクリレート 25.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 2.0g
反応液を室温まで冷却し、大量のヘキサンに投入した。生成した沈殿を3−メトキシプロピオン酸メチル(以下、「MMP」という)に溶解し、1.33×104Paの減圧下100℃にて重合溶媒及びヘキサンを留去して、アルカリ可溶性重合体(1)のMMP溶液を得た。溶液の一部をサンプリングし、220℃で30分乾燥して減少した重量を求め、得られた重量値をサンプル中のアルカリ可溶性重合体(1)の重量と見なしてアルカリ可溶性重合体(1)の収率を求め、さらに重合体濃度が30重量%となるようにMMPを加えて溶液を調製してアルカリ可溶性重合体(1)のGPCによる重量平均分子量を測定した。その結果、得られたアルカリ可溶性重合体(1)の収率は78%であり、重量平均分子量は5,800であった。
[合成例2]アルカリ可溶性重合体(2)の合成
モノマーd1としてグリシジルメタクリレート及び(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、モノマーd3としてスチレンを使用した以外は、合成例1と同様の成分を、下記の重量で仕込み、重合を行った。
2−ブタノン 200.0g
4−ヒドロキシフェニルビニルケトン 20.0g
グリシジルメタクリレート 30.0g
(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート 15.0g
スチレン 35.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 2.0g
得られた反応液に合成例1と同様の処理を行い、得られたアルカリ可溶性重合体(2)の収率を求め、さらにアルカリ可溶性重合体(2)の30重量%MMP溶液を得てアルカリ可溶性重合体(2)のGPCによる重量平均分子量を測定した。得られたアルカリ可溶性重合体(2)の収率は75%であり、重量平均分子量は5,200であった。
[合成例3]アルカリ可溶性重合体(3)の合成
モノマーd1としてメチルグリシジルメタクリレート及び(2−エチル−2−オキセタニル)メチルアクリレート、モノマーd2としてN−フェニルマレイミドを使用した以外は、合成例1と同様にして、下記組成にて重合を行った。
2−ブタノン 200.0g
4−ヒドロキシフェニルビニルケトン 30.0g
メチルグリシジルメタクリレート 20.0g
(2−エチル−2−オキセタニル)メチルアクリレート 20.0g
N−フェニルマレイミド 30.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 2.0g
得られた反応液に合成例1と同様の処理を行い、得られたアルカリ可溶性重合体(3)の収率を求め、さらにアルカリ可溶性重合体(3)の30重量%MMP溶液を得てアルカリ可溶性重合体(3)のGPCによる重量平均分子量を測定した。得られたアルカリ可溶性重合体(3)の収率は82%であり、重量平均分子量は5,000であった。
[比較合成例1]比較共重合体(1)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
2−ブタノン 200.0g
アクリル酸 15.0g
グリシジルアクリレート 30.0g
(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート 20.0g
ベンジルメタクリレート 35.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 2.0g
得られた反応液に合成例1と同様の処理を行い、得られた比較共重合体(1)の収率を求め、さらに比較共重合体(1)の30重量%MMP溶液を得て比較共重合体(1)のGPCによる重量平均分子量を測定した。得られた比較共重合体(1)の収率は72%であり、重量平均分子量は6,200であった。
[比較合成例2]比較共重合体(2)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
2−ブタノン 200.0g
メタクリル酸 18.0g
グリシジルアクリレート 30.0g
(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート 20.0g
N−フェニルマレイミド 32.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 2.0g
得られた反応液に合成例1と同様の処理を行い、得られた比較共重合体(2)の収率を求め、さらに比較共重合体(2)の30重量%MMP溶液を得て比較共重合体(2)のGPCによる重量平均分子量を測定した。得られた比較共重合体(2)の収率は83%であり、重量平均分子量は7,900であった。
[比較合成例3]比較共重合体(3)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
2−ブタノン 200.0g
メタクリル酸 30.0g
メチルグリシジルメタクリレート 20.0g
(2−エチル−2−オキセタニル)メチルアクリレート 20.0g
N−フェニルマレイミド 30.0g
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 2.0g
得られた反応液に合成例1と同様の処理を行い、得られた比較共重合体(3)の収率を求め、さらに比較共重合体(3)の30重量%MMP溶液を得て比較共重合体(3)のGPCによる重量平均分子量を測定した。得られた比較共重合体(3)の収率は78%であり、重量平均分子量は6,400であった。
[実施例1]
[ネガ型感光性樹脂組成物の製造]
アルカリ可溶性重合体として合成例1で得られたアルカリ可溶性重合体(1)、化合物(B)としてトリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、光重合開始剤としてIRGACURE OXE01(商品名、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製、以下「OXE01」と記す)、添加剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックR−08(商品名、大日本インキ化学工業株式会社製、以下「R−08」と略す)、溶媒としてMMPを下記の重量で混合溶解し、ネガ型感光性樹脂組成物を得た。
MMP 1.40g
アルカリ可溶性重合体(1)の30重量%MMP溶液 10.00g
トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート 3.00g
OXE01 0.60g
R−08 0.006g
保護膜の作製・評価
得られたネガ型感光性樹脂組成物をガラス基板上に600rpmで10秒間スピンコートし、60℃のホットプレート上で3分間乾燥した。この基板を空気中ドットパターンのマスクを介して、プロキシミティー露光機(商品名;TME−400PRC、株式会社トプコン製)を使用し、波長カットフィルターを通して350nm以下の光をカットしてg、h、i線を取り出し、露光ギャップ100μmで露光した。露光量は積算光量計及び受光器(商品名;UIT−150及びUVD−S365、ともにウシオ株式会社製)で測定して100mJ/cm2とした。
露光後のガラス基板を、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間ディップ現像し、未露光部を除去した。現像後の基板を純水で20秒間洗ってから100℃のホットプレートで2分間乾燥した。現像後の残膜率(現像後膜厚×100/現像前膜厚)は96.6%であり、十分な感度を有していることを確認した。現像前後
の膜厚は、それぞれ触針式膜厚計(商品名;αステップ200、KLA−Tencor Japan株式会社製)を使用し、3箇所の測定値の平均値とした。
さらにオーブン中220℃で30分間ポストベイクした。ポストベイク後の膜厚は10.1μmであった。ポストベイク後の被膜を1,000倍の光学顕微鏡で観察したところ、50μm角のホールパターンから得られたホールの大きさは、対角線長さで58.0μmであった。
この基板上の被膜を削り取り、示差熱熱重量同時測定装置(商品名;TG/DTA6200、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて、大気雰囲気下において30〜350℃(昇温速度:10℃/min)のTG−DTAを測定した結果、1%重量減少温度は302℃、5%重量減少温度は335℃であった。
[実施例2]
[ネガ型感光性樹脂組成物の製造]
アルカリ可溶性重合体として合成例2で得られたアルカリ可溶性重合体(2)を用いて、下記の組成において実施例1と同様の方法でネガ型感光性樹脂組成物を得た。
MMP 1.40g
アルカリ可溶性重合体(2)の30重量%MMP溶液 10.00g
トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート 3.00g
OXE01 0.60g
R−08 0.006g
保護膜の作製・評価
得られたネガ型感光性樹脂組成物をガラス基板上に600rpmで10秒間スピンコートし、60℃のホットプレート上で3分間乾燥した。以後、実施例1と同様の操作を行ったところ、現像後残膜率が95.8%であり、ポストベイク後の膜厚は10.6μmであった。ポストベイク後の被膜のホールの大きさを前記光学顕微鏡で観察したところ、50μm角のホールパターンから得られたホールの大きさは、対角線長さで56.5μmであった。
この基板上の被膜を削り取り、実施例1と同様にTG−DTAを測定した結果、1%重量減少温度は298℃、5%重量減少温度は324℃であった。
[実施例3]
[ネガ型感光性樹脂組成物の製造]
アルカリ可溶性重合体として合成例3で得られたアルカリ可溶性重合体(3)を用い、化合物Bとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用い、光重合開始剤としてIRGACURE 907(商品名、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製)を用いて、下記の組成において実施例1と同様の方法でネガ型感光性樹脂組成物を得た。
MMP 1.40g
アルカリ可溶性重合体(3)の30重量%MMP溶液 10.00g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3.00g
IRGACURE 907 0.60g
R−08 0.006g
透明保護膜の作製・評価
得られたネガ型感光性樹脂組成物をガラス基板上に800rpmで10秒間スピンコートし、60℃のホットプレート上で3分間乾燥した。この基板を空気中ドットパターンのマスクを介して、実施例1と同様に露光した。露光後のガラス基板を、0.4重量%テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間ディップ現像し、未露光部を除去した。現像後の基板を純水で20秒間洗ってから100℃のホットプレートで2分間乾燥した。現像後の残膜率は99.7%であり、十分な感度を有していることを確認した。現像前後の膜厚も実施例1と同様に求めた。
さらにオーブン中220℃で30分ポストベイクした。ポストベイク後の膜厚は1.55μmであった。ポストベイク後の被膜を1,000倍の光学顕微鏡で観察したところ、20μm角のドットから得られたドットの大きさは、対角線長さで27.0μmであった。
この感光性組成物をガラス基板上に800rpmで10秒間スピンコートし、60℃のホットプレート上で3分間乾燥した。この基板を空気中、ドットパターンのマスクを介さない以外は実施例1と同様にして全面露光した。露光後のガラス基板を、0.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間ディップ現像し、現像後の基板を純水で20秒間洗ってから100℃のホットプレートで2分間乾燥した。さらにオーブン中220℃で30分ポストベイクした。得られた基板を用いて、分光光度計(商品名;MICRO COLOR ANALYZER TC−1800M、(有)東京電色技術センター製)により被膜のみの波長400nmにおける光の透過率を測定したところ、透過率が99.0%であった。
この基板上の被膜を削り取り、実施例1と同様にTG−DTAを測定した結果、1%重量減少温度は298℃、5%重量減少温度は329℃であった。
[比較例1]
アルカリ可溶性重合体として比較合成例1で得られた比較共重合体(1)を用い、下記の組成において実施例1と同様の方法でネガ型感光性樹脂組成物を得た。
MMP 1.40g
比較共重合体(1)の30重量%MMP溶液 10.00g
トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート 3.00g
OXE01 0.60g
R−08 0.006g
得られたネガ型感光性樹脂組成物をガラス基板上に600rpmで10秒間スピンコートし、60℃のホットプレート上で3分間乾燥した。以後、実施例1と同様の操作を行ったところ、現像後残膜率が89.5%であり、ポストベイク後の膜厚は11.2μmであった。ポストベイク後の被膜を前記光学顕微鏡で観察したところ、50μm角のホールパターンから得られたホールの大きさは、対角線長さで68.2μmであった。
この基板上の被膜を削り取り、実施例1と同様にTG−DTAを測定した結果、1%重量減少温度は254℃、5%重量減少温度は283℃であった。
[比較例2]
アルカリ可溶性重合体として比較合成例2で得られたアルカリ可溶性重合体(2)を用い、下記の組成において実施例1と同様の方法でネガ型感光性樹脂組成物を得た。
MMP 1.40g
比較共重合体(2)の30重量%MMP溶液 10.00g
トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート 3.00g
OXE01 0.60g
R−08 0.006g
得られたネガ型感光性樹脂組成物をガラス基板上に600rpmで10秒間スピンコートし、60℃のホットプレート上で3分間乾燥した。以後、実施例1と同様の操作を行ったところ、現像後残膜率が91.5%であり、ポストベイク後の膜厚は12.1μmであった。ポストベイク後の被膜を前記光学顕微鏡で観察したところ、50μm角のホールパターンから得られたホールの大きさは、対角線長さで65.2μmであった。
この基板上の被膜を削り取り、実施例1と同様にTG−DTAを測定した結果、1%重量減少温度は273℃、5%重量減少温度は289℃であった。
[比較例3]
アルカリ可溶性重合体として比較合成例3で得られた比較共重合体(3)を用い、下記の組成において実施例3と同様の方法でネガ型感光性樹脂組成物を得た。
MMP 1.40g
比較共重合体(3)の30重量%MMP溶液 10.00g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3.00g
IRGACURE 907 0.60g
R−08 0.006g
得られたネガ型感光性樹脂組成物をガラス基板上に500rpmで10秒間スピンコートし、60℃のホットプレート上で3分間乾燥した。以後、実施例3と同様の操作を行ったところ、現像後残膜率が89.3%であり、ポストベイク後の膜厚は1.47μmであった。ポストベイク後の被膜を前記光学顕微鏡で観察したところ、20μm角のドットパターンから得られたドットの大きさは、対角線長さで26.5μmであった。
この基板上の被膜を削り取り、実施例1と同様にTG−DTAを測定した結果、1%重量減少温度は264℃、5%重量減少温度は287℃であった。
上記の結果を下記の表1及び表2に示す
Figure 0004905295
Figure 0004905295
本発明の感光性組成物は、例えば微細なパターン状透明膜を含む電子部品の製造に適用できる。

Claims (11)

  1. 一般式(I)で表されるモノマー(A)を重合して得られるアルカリ可溶性重合体と重合性二重結合を有する化合物(B)と光重合開始剤(C)とを含有する感光性組成物。
    Figure 0004905295
    (一般式(I)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜3のアルキルを表し、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、−CN、−CF3、−OCF3、−OH;任意の−CH2−が−COO−、−OCO−、−CO−で置き換えられてもよく、また任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキル;又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルコキシを表す。ただし、R4〜R8のうち少なくとも1つは−OHである。)
  2. 一般式(I)で表されるモノマー(A)と前記モノマー(A)以外のラジカル重合性モノマー(D)とを共重合して得られるアルカリ可溶性重合体と、重合性二重結合を有する化合物(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する感光性組成物。
    Figure 0004905295
    (一般式(I)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜3のアルキルを表し、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、−CN、−CF3、−OCF3、−OH;任意の−CH2−が−COO−、−OCO−、−CO−で置き換えられてもよく、また任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキル;又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルコキシを表す。ただし、R4〜R8のうち少なくとも1つは−OHである。)
  3. 前記R1〜R5、R7及びR8はそれぞれ独立に水素であり、前記R6は−OHである請求項1又は2に記載の感光性組成物。
  4. ラジカル重合性モノマー(D)が、エポキシを有するラジカル重合性モノマー(d1)及びN−置換マレイミドを有するラジカル重合性モノマー(d2)の一方又は両方を含む請求項2又は3に記載の感光性組成物。
  5. ラジカル重合性モノマー(D)が、エポキシを有するラジカル重合性モノマー(d1)を含む請求項4に記載の感光性組成物。
  6. ラジカル重合性モノマー(D)が、前記ラジカル重合性モノマー(d1)、(d2)以外のラジカル重合性モノマー(d3)をさらに含む請求項4に記載の感光性組成物。
  7. ラジカル重合性モノマー(d1)が、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、及び(2−エチル−2−オキセタニル)メチルアクリレートからなる群から選ばれる一又は二以上であり、ラジカル重合性モノマー(d2)が、N−フェニルマレイミド及びN−シクロヘキシルマレイミドの一方又は両方である請求項5又は6に記載の感光性組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性組成物を用いて製造した有機膜。
  9. マスクが介在した光照射によって形成されたパターンを有する請求項8に記載の有機膜。
  10. 透明であることを特徴とする請求項8又は9に記載の有機膜。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項に記載の有機膜を有する電子部品。
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