JP4903125B2 - 熱転写シート - Google Patents
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Description
これらの熱転写シートは、基材シートの一方の面にインク層を、他方の面に耐熱滑性層を有することが求められており、基材シートと耐熱滑性層との間にプライマー層を設けることも一般的である。
プリンターの高速印画化を達成するため、耐熱滑性層の更なる高耐熱化が取り組まれているが、高耐熱化された耐熱滑性層においても、従来のプライマー層を使用するとプライマー層が熱エネルギーにて軟化することにより耐熱滑性層が流動して印画欠陥が生じる等、性能を充分に発現できないことが分かってきた。
しかしながら、この特許文献1に開示された熱転写シートは、耐熱性の向上を図ることはできるものの、プライマー層を形成するための塗工液のポットライフが短いことによる製造安定性の問題、充分に耐熱性を向上させるために架橋反応を進行させるため、製造の高速化ができないという問題があった。
しかしながら、この特許文献2に開示された熱転写シートは、近年のプリンターの高速化に伴うサーマルヘッドの熱エネルギーの増加に充分耐え得るとはいい難く、より耐熱性に優れる熱転写シートが求められている。
この特許文献3に開示のグラフト重合体は、耐熱性に優れる樹脂であるが、特許文献3には、熱転写シート及びプライマー層に関する記載はなされていない。
しかし、特許文献4に開示のグラフト重合体は、プライマーとして必要な接着性、耐水性、耐ブロッキング性は有しているものの、特に熱転写用途に重要となる耐熱性を考慮しての検討はなされていない。
また、上記共重合ポリエステル樹脂の酸成分のうち60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であり、かつ、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールからなる群より選択される1種類以上のグリコール成分を60モル%以上含むことが好ましい。
また、上記プライマー層は、更に帯電防止剤を含有することが好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明ではオリゴマー、プレポリマー、ポリマー等を総称して、“樹脂”と記載する。
図1に示すように、本発明の熱転写シート1は、基材シート2の一方の面に熱転写性色材層3が形成され、他方の面にプライマー層4を介して耐熱滑性層5が形成されている。
基材シート2としては、各種紙類、フィルム等が挙げられる。
具体的には、例えば、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム等の耐熱性の高いポリエステルフィルムや、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又は、その混合物からなるポリエステルフィルムが好ましい。上記ポリエステルフィルムは、延伸フィルムであってもよく、未延伸フィルムであってもよいが、延伸フィルム、特に2軸延伸フィルムが好ましく用いられる。
基材シート2は、上述の紙類、プラスチックフィルム等を積層したものであってもよい。
本発明では上記表面処理の中でも、製造適性に優れ、かつコストが低い点で、コロナ処理又はプラズマ処理が好ましい。
上記グラフト重合体は、共重合ポリエステル樹脂がラジカル重合性単量体成分によりグラフト重合された構造であり、これは、共重合ポリエステル樹脂同士が、後述するラジカル重合性単量体成分の親水性基含有ラジカル重合性単量体とQ−e値におけるe値が−0.4以下であるラジカル重合性単量体成分とを介して一部反応し、分子延長した半架橋構造である。
上記グラフト重合体が上記構造を構成することで、プライマー層4は、耐熱性に優れたものとなる。更に、グラフト重合体は、その共重合体成分である共重合ポリエステル樹脂が、後述するプライマー層用塗工液中で反応することがないため、ポットライフに優れたものとなる。よって、このようなプライマー層を有する本発明の熱転写シートは、耐熱性に優れるとともに製造安定性に優れたものとなる。
上記グラフト重合体の比重は凝集力の指標となり、比重が1.24以上のグラフト重合体は、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)からなる基材シートとの優れた接着性を有する。一方、比重が1.24未満の場合は、凝集力が低下し、例えば、PETからなる基材シートとの接着力が弱くなることがある。また、上記グラフト重合体の比重が1.24以上であっても、上記共重合ポリエステルのガラス転移温度が50℃を超えると、例えば、PETからなる基材シートとの接着性が不足することがあり、上記共重合ポリエステルのガラス転移温度が0℃未満であると、プライマー層4の耐熱性が不足することがある。
上記グラフト重合体の比重が1.29を超える場合は、グラフト重合体を用いた塗工液の保存安定性が不良となるため、熱転写シートの連続生産の際、長時間安定した品質の製品を得ることが難しくなる場合がある。
また、上記共重合ポリエステルの比重が1.25未満の場合、得られるグラフト重合体が比重の小さいものとなり、例えば、PETからなる基材シートとの接着力が弱くなることがある。上記共重合ポリエステルの比重が1.33を超える場合、溶剤への溶解性が悪くなり、グラフト重合反応を行なうことが困難になることがある。
上記脂肪族ジカルボン酸としては特に限定されず、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸等が挙げられる。
上記脂環族ジカルボン酸としては特に限定されず、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、及び、これらの酸無水物等が挙げられる。
なかでも、上記共重合ポリエステル樹脂の比重を1.25〜1.33の範囲内にするには、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が上記共重合ポリエステル樹脂の全酸成分に対して60モル%以上共重合されていることが最も好ましい。
上記炭素数2〜10の脂肪族グリコールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等が挙げられる。
上記炭素数6〜12の脂環族グリコールとしては特に限定されず、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
上記エーテル結合含有グリコールとしては特に限定されず、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、更にビスフェノール類の2つのフェノール性水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコ−ル類、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
また、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールも必要により使用しうる。
なかでも、上記共重合ポリエステル樹脂の比重を1.25〜1.33の範囲内にするには、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールからなる群より選択される1種以上のグリコールが上記共重合ポリエステル樹脂の全グリコール成分に対して60モル%以上共重合されていることが最も好ましい。
上記3官能以上のポリカルボン酸としては特に限定されず、例えば、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられる。
上記3官能以上のポリオールとしては特に限定されず、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト−ル等が使用される。
上記3官能以上のポリカルボン酸及び/又はポリオ−ルは、全酸成分又は全グリコール成分に対し、好ましくは0〜5モル%の範囲で共重合されることが好ましい。5モル%を超えると充分な加工性が付与できにくくなる。より好ましくは0〜3モル%の範囲で共重合されることである。
なお、本明細書において、数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算にて得られた値である。
上記グラフト重合体が上記親水性基含有ラジカル重合性単量体を含有することで、該グラフト重合体が水系媒体に分散可能となる。また、上記Q−e値は、グラフト化する際の反応のしやすさの指標となり、上記グラフト重合体がQ−e値におけるe値が−0.4以下である単量体を含有することで、上記共重合ポリエステル樹脂との間で好適なグラフト重合(架橋構造)を構成する。好ましくは−0.6以下であり、上記Q−e値におけるe値の下限は特に限定されないが、−2.2以上であることが好ましい。
また、水系媒体に分散する場合の上記グラフト重合体の体積平均粒径は、50〜300nmの範囲であることが好ましい。体積平均粒径が50nm未満であると、グラフト重合体粒子が凝集し、分散安定性が低下するおそれがある。体積平均粒径が300nmを超える場合は、長期保存安定性が悪くなり、グラフト重合体が水系媒体中に沈降するおそれがある。
上記親水性基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、リン酸基、亜リン酸基、スルホン酸基、アミド基、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。また、上記親水性基に変化させることのできる基としては、例えば、酸無水物基、グリシジル基、クロル基等が挙げられる。水性分散体として用いる場合は、酸価を変化させて水分散性をコントロールしやすいことから、カルボキシル基が好ましく、カルボキシル基を有するかカルボキシル基を発生する基を有するラジカル重合性単量体が好ましい。
なお、上記「Q−e値におけるe値」とは、例えば、「Polymer Handbook, 4th. ed. John Wiley and Sons」に記載されている値である。
本発明では、一般には共重合ポリエステル樹脂を、有機溶剤中に溶解させた状態において、ラジカル開始剤及び上記ラジカル重合性単量体成分の混合物を反応せしめることにより実施される。ここで、グラフト重合終了後の反応生成物は、所望のグラフト重合体の他に、グラフトを受けなかった共重合ポリエステル樹脂、及び、共重合ポリエステル樹脂にグラフト重合しなかったラジカル重合性単量体成分(以下、これらをまとめて非グラフト化物ともいう)をも含有している場合がある。上記グラフト重合体とは、本発明の効果を低下させない程度にこれらの非グラフト化物を含むものをも意味する。ただし、上記グラフト重合により生成された生成物中のグラフト重合体比率が低く、非グラフト化物の比率が高い場合は、本発明の効果を充分に享有することができないことがある。
また、ある種のモノマーを先に一時に添加しておいてから別種のモノマー、開始剤とを別々に一定時間を要して滴下した後、更に一定時間撹拌下に加温を継続して反応を進行させることも必要に応じて行なわれる。
上記グラフト重合を行なうためのラジカル重合開始剤の使用量としては、ラジカル重合性単量体成分に対して少なくとも0.2重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上である。
また、連鎖移動剤、例えば、オクチルメルカプタン、メルカプトエタノールの添加もグラフト鎖長調節のため必要に応じて使用される。この場合、ラジカル重合性単量体成分に対して0〜12重量%の範囲で添加されることが好ましい。
これに対して、第一群の水溶性有機溶媒からメチルエチルケトンを選定し、第二群の水溶性有機溶媒からイソプロピルアルコールを選定して両者を75/25の重量比で混合して得た混合溶媒系を使用し共重合ポリエステルの溶解性を調節した場合には、テトラヒドロフランの場合と全く同一の共重合ポリエステル樹脂、同一のラジカル重合性単量体組成比、同一の共重合ポリエステル/ラジカル重合性単量体比、同一の樹脂固形分で反応を行なってもグラフト重合の進行にともなう系の増粘もゲル化も観察されない。このことから混合溶媒系の使用は、製造時の樹脂固形分濃度を高めることができ、製造時に使用する有機溶媒量を低減できる合理的なプロセスであることがわかる。
また、π電子共役系構造を有する導電性材料を用いることもでき、中でもスルホン化ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールが好ましい。
更に、金属の酸化物微粉末を使用することもでき、例えば、酸化スズ等を用いることができる。
上記耐熱性のある熱可塑性樹脂バインダーとしては特に限定されず、広い範囲から選ぶことができるが、好適な例を挙げれば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、フッ化ビニリデン樹脂、ナイロン、ポリビニルカルバゾール、塩化ゴム、環化ゴム及びポリビニルアルコール等が挙げられる。
熱転写性色材層3は、昇華型熱転写シートの場合には、昇華性の染料を含む層を形成し、一方、熱溶融型の熱転写シートの場合には顔料で着色したワックスインキ層を形成する。以下、昇華型熱転写シートの場合を例として説明するが、本発明の熱転写シートは、昇華型のみに限定されるものではない。
また、黄色の染料としては、例えば、ホロンブリリアントイエロー6GL 、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられる。
また、青色染料としては、例えば、カヤセットブルー714 、ワクソリンブルーAP−FW 、ホロンブリリアントブルーS−R 、MSブルー100等が挙げられる。
上記離型層としては、粘着防止性の無機粉末を付着させたもの、或いは、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、フッ素化ポリマーのような離型性に優れた樹脂層等が挙げられる。その厚みとしては、乾燥状態で0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2μm程度である。なお、このような離型性に優れた効果を有する材料は、熱転写性色材層中に含有させても良好な効果が得られる。
共重合ポリエステル樹脂0.03gをテトラヒドロフラン10mLに溶かし、(株)島津製作所製ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、カラム温度30℃、流量1mL/分にてGPC測定を行なった。この結果から計算して、ポリスチレン換算の測定値を得た。ただし、カラムは昭和電工(株)shodex KF−802、804L、806Lを用いた。
共重合体ポリエステル5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定した。ガラス転移温度は、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
1000mLメスシリンダーに水を1000mL加え、温度を30℃に調節し、共重合ポリエステル樹脂2gを中に沈めた。この溶液をかき混ぜながら塩化カルシウムを加え、溶液中に共重合ポリエステル樹脂が留まる濃度に調整した。比重計を用いてこの溶液の比重を測定し、得られた値を共重合ポリエステル樹脂の比重とした。
グラフト重合体、ポリエステル分散体の場合は、ポリプロピレンフィルム上にアプリケーターを用いて塗布を行い、120℃30分乾燥させて得られた樹脂乾燥フィルム2gを使用し、同様の測定を行った。なお、測定に際しては予め熱風乾燥機を用いて200℃にて10分予備乾燥させた共重合ポリエステル樹脂、あるいは樹脂乾燥フィルムを測定に用いた。
コールターカウンターLS13 320(ベックマン社製)を用いて測定した。
グラフト重合により得られた生成物を、220MHz 1H NMR(バリアン社製、測定溶媒CDCl3/DMSO−d6)により測定を行い、ポリエステルに共重合した二重結合含有成分の二重結合由来のシグナルの強度変化調べ、下記の式により算出した。
ポリエステルグラフト効率={1−(グラフト重合生成物における、反応前に確認できた共重合ポリエステル樹脂の二重結合含有成分由来のシグナルの相対強度/グラフト重合前の原料共重合ポリエステル樹脂の二重結合含有成分の二重結合由来のシグナルの相対強度)}×100(%)
共重合ポリエステル樹脂の酸価測定法
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタレインを用いた。
なお、酸価に関してはポリエステル分散体の作製に使用した共重合ポリエステル樹脂(a−12、a−13)のみ値を本文中に記載した。
撹拌機、温度計、加熱ヒーター、冷却装置、溜出用冷却器を装備した反応容器内に、ジメチルテレフタレート37部、ジメチルイソフタレート37部、フマール酸2部、エチレングリコール25部、ジエチレングリコール42部及びテトラ−n−ブチルチタネート0.04部を仕込み、230℃まで昇温しつつ4時間かけてエステル交換反応を行った。エステル交換反応終了後、系内を1torr以下の真空下まで減圧して245℃で40分間重縮合反応を行った。反応終了後、ポリエステル樹脂を取り出し、冷却することにより共重合ポリエステル樹脂(a−1)を得た。
得られた共重合ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が30℃、比重が1.32であった。また、NMR分析の結果、カルボン酸成分がモル比でテレフタル酸/イソフタル酸/フマール酸=48/47/5であり、グリコール成分がモル比でエチレングリコール/ジエチレングリコール=34/66であった。同様の方法により表1に示した組成で種々の共重合ポリエステル樹脂(a−2〜a−4、a−6、a−7、a−9〜a−11、a−14、a−15)を製造した。各共重合ポリエステル樹脂の数平均分子量、ガラス転移温度及び比重の測定を行った。結果を表1に示す。なお、表1中各成分はモル%を示す。
撹拌機、温度計、加熱ヒーター、冷却装置、溜出用冷却器を装備した反応容器内に、ジメチルテレフタレート116部、ジメチルイソフタレート105部、エチレングリコール199部、2,2−ジメチルー1,3−プロパンジオール83部及びテトラ−n−ブチルチタネート0.2部を仕込み、230℃まで昇温しつつ4時間かけてエステル交換反応を行った。
エステル交換反応終了後、系内を190℃まで冷却し、アジピン酸111部、フマール酸12部を加え、更に230℃まで昇温しつつ2時間かけてエステル化反応を行った。エステル化反応終了後、系内を1torr以下の真空下まで減圧して245℃で40分間重縮合反応を行った。反応終了後、ポリエステル樹脂を取り出し、冷却することにより共重合ポリエステル樹脂(a−5)を得た。
得られた共重合ポリエステル樹脂(a−5)のガラス転移温度は3℃、比重は1.24であった。NMR分析の結果、カルボン酸成分がモル比でテレフタル酸/イソフタル酸/フマール酸/アジピン酸=30/27/5/38であり、グリコール成分がモル比でエチレングリコール/2,2−ジメチルー1,3−プロパンジオール=61/39であった。
同様の方法により表1に示した組成で共重合ポリエステル樹脂(a−8)を製造した。なお、共重合ポリエステル樹脂(a−8)は、アジピン酸の代わりにセバシン酸を用いた。各共重合ポリエステル樹脂の数平均分子量、ガラス転移温度及び比重の測定を行った。結果を表1に示す。なお、表1中各成分はモル%を示す。
撹拌機、温度計、加熱ヒーター、冷却装置、溜出用冷却器を装備した反応缶内に、テレフタル酸980部、アジピン酸590部、エチレングリコール770部、1,4−ブタンジオール680部、イルガノックス1330(Ciba−Geigy社製)3部及びテトラブチルチタネート1部を仕込み、230℃まで昇温しつつ4時間かけてエステル化反応を行った。エステル化反応終了後、反応缶内にポリテトラメチレングリコール(三菱化学社製、PTMG1000)100部を加え、その後、系内を240℃まで昇温しながら60分かけて10torrまで減圧し、更に1torr以下の真空下まで減圧して240℃で60分間重縮合反応を行った。その後、系内に窒素を流し、真空破壊することで重縮合反応を終了させた。その後、系内に窒素を充填したまま内温が220℃になるまで冷却した。冷却後、窒素を抜き、常圧に戻してから、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)90部を投入し、再度窒素を充填して220℃で30分間酸付加反応を行った。反応終了後、ポリエステル樹脂を取り出し、冷却することにより共重合ポリエステル樹脂(a−12)を得た。
得られた共重合ポリエステル樹脂(a−12)は、NMR分析の結果、カルボン酸成分がモル比でテレフタル酸/アジピン酸/エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)=58/42/2であり、グリコール成分がモル比でエチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ポリテトラメチレングリコール=42/57/1であった。この共重合ポリエステル樹脂(a−12)の数平均分子量、ガラス転移温度及び比重の測定を行った。結果を表1に示す。なお、表1中各成分はモル%を示す。また、この共重合ポリエステル樹脂(a−12)の酸価を測定したところ、221(eq/ton)であった。
共重合ポリエステル樹脂(a−12)の合成例と同様にして組成が表1に示される共重合ポリエステル樹脂(a−13)を合成した。共重合ポリエステル樹脂(a−13)は、アジピン酸の代わりにイソフタル酸を使用し、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)の代わりに無水トリメリット酸を使用した。共重合ポリエステル樹脂(a−1)と同様に数平均分子量、ガラス転移温度及び比重の測定を行った。結果を表1に示す。なお、表1中各成分はモル%を示す。また、この共重合ポリエステル樹脂(a−13)の酸価を測定したところ、321(eq/ton)であった。
攪拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応容器に共重合ポリエステル樹脂(a−1)75部、メチルエチルケトン90部、イソプロピルアルコール23部を入れ、70℃で加熱、攪拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完溶した後、無水マレイン酸8部、フマール酸ジブチル7部を加えた。その後、スチレン10部、メチルエチルケトン30部、イソプロピルアルコール7.5部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部、β−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステル2.5部の混合溶液を0.5部/minでポリエステル溶液中に滴下し、更に2時間攪拌を続けた。エタノールを25部加え、20分攪拌後、トリエチルアミン12.5部を反応溶液に加え、更に水200部を加えた。その後、反応溶液の温度を100℃に上げ、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のエタノール及びトリエチルアミンを蒸留により溜去してグラフト重合体(b−1)を合成した。
同様の方法により表2に示した組成で種々のグラフト重合体(b−2〜b−13)を合成した。得られた各グラフト重合体の体積平均粒径、グラフト効率及び比重を表2に示す。なお、表2中各成分は質量%を示す。
攪拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応容器に共重合ポリエステル樹脂(a−1)75部、メチルエチルケトン90部、イソプロピルアルコール23部を入れ、70℃で加熱、攪拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完溶した後、無水マレイン酸8部、フマール酸ジブチル7部を加えた。その後、スチレン10部、メチルエチルケトン30部、イソプロピルアルコール7.5部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部、β−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステル2.5部の混合溶液を0.5部/minでポリエステル溶液中に滴下し、更に20分攪拌を続けた。エタノールを25部加え、20分攪拌後、トリエチルアミン12.5部を反応溶液に加え、更に水200部を加えた。その後、反応溶液の温度を100℃に上げ、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のエタノール及びトリエチルアミンを蒸留により溜去してグラフト重合体(b−1)を合成した。得られたグラフト重合体(b−14)の体積平均粒径、グラフト効率及び比重を表2に示す。なお、表2中各成分は質量%を示す。
ラジカル重合性モノマーとして、(c−1)ではアクリル酸とアクリル酸エチル、(c−2)ではメタクリル酸とメタクリル酸エチルを使用した以外は、グラフト重合体(b−1)と同様の方法により(c−1)及び(c−2)を合成した。得られたグラフト重合体の体積平均粒径、グラフト効率及び比重を表2に示す。なお、表2中各成分は質量%を示す。
温度計、コンデンサー、攪拌羽根を備えた三つ口のセパラブルフラスコに共重合ポリエステル樹脂(a−12)270部、メチルエチルケトン180部、イソプロピルアルコール60部を仕込み70℃にて溶解した。次いで塩基としてアンモニアを5部加えた後、70℃のイオン交換水630部を加え、水分散化した。その後、蒸留用フラスコにて留分温度が100℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加えて固形分濃度を30%のポリエステル分散体(c−3)とした。得られたポリエステル分散体(c−3)の体積平均粒径、比重を表2に示す。なお、表2中各成分は質量%を示す。
共重合ポリエステル樹脂(a−12)に代えて、共重合ポリエステル樹脂(a−13)を用いた以外は、ポリエステル分散体(c−3)と同様にして、ポリエステル分散体(c−4)を合成した。得られたポリエステル分散体(c−4)の体積平均粒径、比重を表2に示す。なお、表2中各成分は質量%を示す。
攪拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応容器に共重合ポリエステル樹脂(a−14)75部、メチルエチ6ルケトン90部、イソプロピルアルコール23部を入れ、70℃で加熱、攪拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完溶した後、無水マレイン酸8部、フマール酸ジブチル7部を加えた。その後、スチレン10部、メチルエチルケトン30部、イソプロピルアルコール7.5部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部、β−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステル2.5部の混合溶液を0.5部/minでポリエステル溶液中に滴下し、更に2時間攪拌を続けた。エタノールを25部加え、20分攪拌後、トリエチルアミン12.5部を反応溶液に加えた後、水200部を加えた。その後、反応溶液の温度を100℃に上げ、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のエタノール及びトリエチルアミンを蒸留により溜去してグラフト重合体(c−5)を合成した。なお、樹脂が溶液から分離して沈殿物が析出し、水分散化したグラフト重合体を得ることはできなかった。
攪拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応容器に共重合ポリエステル樹脂(a−15)75部、メチルエチルケトン90部、イソプロピルアルコール23部を入れ、70℃で加熱、攪拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完溶した後、無水マレイン酸8部、フマール酸ジブチル7部を加えた。その後、スチレン10部、メチルエチルケトン30部、イソプロピルアルコール7.5部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部、β−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステル2.5部の混合溶液を0.5部/minでポリエステル溶液中に滴下した。更に2時間攪拌を続けたところ、溶液がゲル状物質に変化し、反応を続けることができなくなった。
攪拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応容器に共重合ポリエステル樹脂(a−1)75部、メチルエチルケトン90部、イソプロピルアルコール23部を入れ、70℃で加熱、攪拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完溶した後、無水マレイン酸8部、フマール酸ジブチル7部を加えた。その後、スチレン10部、メチルエチルケトン30部、イソプロピルアルコール7.5部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部、β−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステル2.5部の混合溶液を0.5部/minでポリエステル溶液中に滴下した。滴下終了後、すぐにエタノールを25部加え、20分攪拌後、トリエチルアミン12.5部を反応溶液に加え、更に水200部を加えた。その後、反応溶液の温度を100℃に上げ、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のエタノール及びトリエチルアミンを蒸留により溜去してグラフト重合体(c−7)を合成した。
得られたグラフト重合体(c−7)の体積平均粒径、グラフト効率及び比重を表2に示す。なお、表2中各成分は質量%を示す。
攪拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応容器に共重合ポリエステル樹脂(a−1)85部、メチルエチルケトン90部、イソプロピルアルコール23部を入れ、70℃で加熱、攪拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完溶した後、フマール酸ジブチル5部を加えた。その後、スチレン10部、メチルエチルケトン30部、イソプロピルアルコール7.5部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部、β−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステル2.5部の混合溶液を0.5部/minでポリエステル溶液中に滴下し、更に2時間攪拌を続けた。その後エタノールを25部加え、20分攪拌後、トリエチルアミン12.5部を反応溶液に加え、更に水200部を加えた。その後、反応溶液の温度を100℃に上げ、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のエタノール及びトリエチルアミンを蒸留により溜去してグラフト重合体(c−8)を合成した。なお、樹脂が溶液から分離して沈殿物が析出し、水分散化したグラフト重合体を得ることはできなかった。
グラフト重合体(b−1)(固形分30%) 100部
帯電防止剤A(aquaPASS、固形分5wt%、三菱レイヨン社製) 50部
水 250部
イソプロピルアルコール 250部
グラフト重合体(b−1)(固形分30%) 100部
帯電防止剤B(ケミスタット6120、固形分30.4wt%、三洋化成工業社製) 20部
水 300部
イソプロピルアルコール 300部
ポリアミドイミド樹脂(HR−15ET、東洋紡績社製、固形分25%) 13部
ポリアミドイミドシリコーン樹脂(HR−14ET、東洋紡績社製、固形分25%) 13部
シリコーンオイル(KF965−100、信越化学工業社製、固形分100%)0.7部
ステアリル燐酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業社製、固形分100%)
2.6部
ステアリン酸亜鉛(GF−200、日本油脂社製、固形分100%) 2.6部
タルク(ミクロエースP−3、日本タルク社製、固形分100%) 2.6部
エタノール 32.8部
トルエン 32.7部
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業社製、固形分100%) 4部
ポリイソシアネート(バーノックD750、大日本インキ化学工業社製、固形分45%) 9部
リン酸エステル(プライサーフA−208S、第一工業製薬社製、固形分100%)
1.1部
水酸化マグネシウム(キスマ5A、協和化学工業社製、固形分100%) 0.4部
タルク(ミクロエースP−3、日本タルク社製、固形分100%) 0.5部
トルエン 42.5部
メチルエチルケトン 42.5部
C.I.ソルベントブルー63 3部
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学工業社製、固形分100%)
3部
メチルエチルケトン 47部
トルエン 47部
基材シートとして、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に、上記組成のプライマー層塗工液Aをグラビアコーティングにより塗布し、100℃で2分間乾燥処理して、乾燥塗布量が0.2g/m2のプライマー層を形成した。
そのプライマー層の上に、上記組成の耐熱滑性層用塗工液Aをグラビアコーティングにより塗布し、100℃で2分間乾燥処理して、乾燥塗布量が0.5g/m2の耐熱滑性層Aを形成した。
更に、基材シートの耐熱滑性層と反対の面に、上記組成の色材層用塗工液をグラビアコーティングにより塗布し、80℃で2分間乾燥処理して、乾燥塗布量が1.0g/m2の熱転写性色材層を形成し、実施例1の熱転写シートを作製した。
プライマー層塗工液Aの乾燥塗布量を0.05g/m2とした以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層塗工液Aの乾燥塗布量を0.8g/m2とした以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
耐熱滑性層用塗工液Aに代えて、耐熱滑性層用塗工液Bを用いて耐熱滑性層Bを形成し、乾燥塗布量を1.0g/m2、乾燥処理を60℃48時間にした以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aに代えて、プライマー層用塗工液Bを用いてプライマー層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aに帯電防止剤Aを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−2)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−3)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−4)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−5)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−6)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−7)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−8)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−9)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−10)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−11)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−12)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−13)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(b−14)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(c−1)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(c−2)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、ポリエステル分散体(c−3)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Bにグラフト重合体(b−1)に代えて、ポリエステル分散体(c−3)を添加した以外は、実施例5と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、ポリエステル分散体(c−4)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Bにグラフト重合体(b−1)に代えて、ポリエステル分散体(c−4)を添加した以外は、実施例5と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(c−5)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(c−6)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(c−7)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
プライマー層用塗工液Aにグラフト重合体(b−1)に代えて、グラフト重合体(c−8)を添加した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
下記手順にて、各実施例及び比較例に使用した各プライマー層用塗工液、及び、熱転写シートについて以下の評価を行った。結果を表3に示した。なお、評価できなかった項目については「−」と記載した。
グラフト重合体の合成、水分散体の作製、プライマー層用塗工液の調製における状態を観察し、以下の基準にて評価した。
(評価基準)
○:グラフト重合体の合成、水分散体の作製、プライマー層用塗工液の調製に問題がみられない。
×1:グラフト重合体が合成できない
×2:プライマー層用塗工液調製後24時間以内に沈降・凝集・増粘などの状態変化がみられる
実施例及び比較例で作製した熱転写シートを25℃・50%、40℃・20%、40℃・90%の環境下に100時間保存した後すぐに、25℃・50%環境下にて耐熱滑性層上にニチバン株式会社製メンディングテープ、エルパック(登録商標)MDLP−12を貼り、塗工面に対して45°の角度で剥離試験を行い、以下の基準にて評価した。
(評価基準)
○:塗膜のハガレが認められない。
×:耐熱滑性層のハガレ若しくは耐熱滑性層とプライマー層とのハガレが認められる。
アルテック社製デジタルフォトプリンターメガピクセルIIを用い、実施例及び比較例で作製した熱転写シートを、メガピクセルII純正インクリボンのイエロー部、マゼンタ部及びシアン部に全て貼り込んだインクリボンと、メガピクセルII純正印画紙(ポストカードサイズ)とを組み合わせて、階調値0/255の画像(印加エネルギー0:白画像)、階調値128/255の画像、階調値192/255の画像、及び、階調値255/255(印加エネルギー最大)の画像を印画し、各印画後のサーマルヘッドの状態を観察し、以下の基準にて評価した。
(評価基準)
◎:全ての画像において、印画後のサーマルヘッドに樹脂付着がみられない。
○:印画後のサーマルヘッドへの樹脂付着が一部の画像でしかみられず、付着量はわずかである。
×:印画後のサーマルヘッドに樹脂付着がみられる。
アルテック社製デジタルフォトプリンターメガピクセルIIを用い、実施例及び比較例で作製した熱転写シートを、メガピクセルII純正インクリボンのイエロー部、マゼンタ部及びシアン部に全て貼り込み、メガピクセルII純正印画紙(ポストカードサイズ)と組み合わせてベタ画像(階調値255/255:濃度MAX)を印画し、各印画後のインクリボンと得られた印画物の状態を観察し、以下の基準にて評価した。
(評価基準)
◎:印画後のインクリボンに破断がみられず、印画物に印画シワやスティック痕もみられない。
○:印画物にごくわずかにスティック痕がみられるものの、印画後のインクリボンが破断せず、印画シワも見られない。
△:印画後のインクリボンに破断はみられないものの、印画物に印画シワもしくはスティック痕がみられる。
×:印画後のインクリボンに破断がみられる。
2:基材シート
3:熱転写性色材層
4:プライマー層
5:耐熱滑性層
Claims (4)
- 基材シートの一方の面に熱転写性色材層が形成され、他方の面にプライマー層を介して耐熱滑性層が形成された熱転写シートであって、
前記プライマー層は、共重合ポリエステル樹脂にラジカル重合性単量体成分がグラフト重合されたグラフト重合体を含有するものであり、
前記グラフト重合体は、前記共重合ポリエステル樹脂に対する前記ラジカル重合性単量体成分のグラフト効率が60〜100%であり、
更に、前記共重合ポリエステル樹脂は、重合性不飽和基含有ジカルボン酸成分が全酸成分に対して0.5〜10モル%共重合されており、かつ、
前記ラジカル重合性単量体成分は、親水性基含有ラジカル重合性単量体と、Q−e値におけるe値が−0.4以下である単量体とを含む
ことを特徴とする熱転写シート。 - 共重合ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が0〜50℃、かつ、比重が1.25〜1.33であり、グラフト重合体は、比重が1.24〜1.29である請求項1記載の熱転写シート。
- 共重合ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸が全酸成分に対して60モル%以上共重合されており、かつ、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールからなる群より選択される1種以上のグリコール成分が全グリコール成分に対して60モル%以上共重合されている請求項1又は2記載の熱転写シート。
- プライマー層は、更に帯電防止剤を含有する請求項1、2又は3記載の熱転写シート。
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