JP4899632B2 - 窒化物半導体発光ダイオード - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物半導体発光ダイオードに関し、より詳細には、InGaN量子井戸を含む発光層のピエゾ電界の低減を図った窒化物半導体発光ダイオードに関するものである。
従来の青色および緑色で発光する窒化物半導体発光ダイオードにおいては、20A/cmの密度の電流を通電するために、3V以上の電圧を印加する必要があった。これは、得られる光が持つエネルギー(青:460nm→2.7eV、緑:525nm→2.36eV)と比較しても、格段に大きい電圧である。このエネルギー差は半導体内部で熱となり、半導体発光ダイオードの動作時の温度を上昇させ、出力の低下、素子寿命の低下、封止樹脂の劣化などを引き起こす。
従来の窒化物半導体発光ダイオードの発光層は、そのほとんど全てが表面がc面の厚いGaN層の上に形成されている。これら発光ダイオードでは、サファイア基板上の低温成長GaN(またはAlN)バッファ層や、SiC基板上の高温成長AlNバッファ層などを用いることで、基板とGaN層の間の格子歪が緩和され、ほぼ無歪のGaN層となっている。ところが、従来、このGaN層上に形成されるInGaN層を含む発光層は、GaN層に擬似格子整合するかたちで形成されており、大きな格子歪を内包し、その歪みによってピエゾ電界が発生する。このため、発光ダイオードの駆動電圧が上昇すると共に、出力・寿命の低下などを招いていた。
そこで、量子井戸活性層(発光層)のバリア層にSi(シリコン)をドープすることによってピエゾ電界を打ち消す方法や、量子井戸活性層の井戸層の圧縮歪みを低減するために、低温バッファ層の直上に成長層(InGaNバッファ層)をその格子定数を活性層より大きくして、活性層に引っ張り歪みを導入する方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
特開平10−51074号公報
しかしながら、上述した従来の量子井戸活性層にSiをドープする方法や、量子井戸活性層に引っ張り歪みを導入する方法では、ピエゾ電界の影響を十分に軽減することはできなかった。
本発明は、上記課題を解決し、低動作電圧、高出力、長寿命化を図った窒化物半導体発光ダイオードを提供する。
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成されている。
本発明の第1の態様は、InGaN量子井戸を含み発光ピーク波長が440nm以上である発光層を備えた窒化物半導体発光ダイオードにおいて、基板上に少なくとも、n型GaN層と、上記n型GaN層上に形成される、シリコン単原子層の0.01〜3倍の量のシリコン原子を含むシリコン層あるいは窒化シリコン層からなる歪緩和層と、上記歪緩和層上に形成される、厚さが50nm以上、In組成が0.05以上であり、且つ、そのバンドギャップエネルギーが上記発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きいInGaNバッファ層とを備え上記発光層は、上記InGaNバッファ層上に擬似格子整合するように形成されることを特徴とする窒化物半導体発光ダイオードである。
本発明の第2の態様は、InGaN量子井戸を含み発光ピーク波長が440nm以上である発光層を備えた窒化物半導体発光ダイオードにおいて、基板上に少なくとも、n型GaN層と、上記n型GaN層上に格子整合又は擬似格子整合せずに形成される、600℃以下の温度で成長されたバンドギャップエネルギーが上記発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きなGaN層、InGaN層、AlGaN層、InAlGaN層のいずれかであり、その厚さが5〜100nmである歪緩和層と、上記歪緩和層上に形成される、厚さが50nm以上、In組成が0.05以上であり、且つ、そのバンドギャップエネルギーが上記発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きいInGaNバッファ層とを備え、上記発光層は、上記InGaNバッファ層上に擬似格子整合するように形成されることを特徴とする窒化物半導体発光ダイオード。
第3の態様は、上記InGaNバッファ層の上記n型GaN層に対する緩和度が80%以上の窒化物半導体発光ダイオードである。
第4の態様は、上記発光層が、単層あるいは多層のInGaN量子井戸層と、In組成が0.05以上でありかつバンドギャップエネルギーが発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きなInGaNバリア層とからなる窒化物半導体発光ダイオードである。
第5の態様は、上記発光層上にp型層を備え、上記p型層の少なくとも上記発光層に接していない側が、In組成が0.05以上でありかつバンドギャップエネルギーが上記発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きなInGaN層からなる窒化物半導体発光ダイオードである。
第6の態様は、上記基板が、サファイア、SiC、GaN、AlNのいずれかからなる単結晶基板である窒化物半導体発光ダイオードである。
本発明によれば、n型下地層とInGaN量子井戸を含む発光層との間に、歪緩和層及びInGaNバッファ層を設けることにより、発光層の歪みが緩和減少されてピエゾ電界が低減し、もって低動作電圧・高出力・長寿命の窒化物半導体発光ダイオードを実現することが可能となった。
以下に、本発明の窒化物半導体発光ダイオードの実施形態を説明する。
この実施形態の窒化物半導体発光ダイオードは、基板上に少なくとも、n型下地層と、歪緩和層と、InGaNバッファ層と、InGaN量子井戸を含む発光のピーク波長が440nm以上である発光層と、p型層とが積層された積層構造を有する。上記窒化物半導体発光ダイオードを構成する積層構造の結晶成長は、気相成長装置内で行うのが好ましく、例えば有機金属気相成長(MOVPE)装置又はハイドライド気相成長(HVPE)装置内で行うのが好ましい。
基板には、窒化物半導体結晶の成長に適したサファイア、SiC、GaN、AlNなどの単結晶基板が好ましい。
上記基板上に形成され、歪緩和層の下地となるn型下地層は、GaN層、AlGaN層、あるいは、発光層で発生する光のエネルギーよりも大きなバンドギャップを有するInAlGaN層が好ましい。基板とn型下地層との間には、通常、格子歪を緩和するために、低温成長GaN(又はAlN)バッファ層などが設けられる。
歪緩和層は、シリコン単原子層の0.01〜3倍の量のシリコン原子を含む、シリコン層あるいは窒化シリコン層であるのが好ましい。ここで、「シリコン層あるいは窒化シリコン層」としたのは、シリコン層が窒化物半導体層間に原子層レベルの膜厚で存在した場合、「シリコン層」がシリコンとしての物性を有するのか、それとも窒化物半導体中の窒素と結合して窒化シリコンとしての物性を持つのかを明確に知る術がないため、明確に「シリコン層」あるいは「窒化シリコン層」と定義できないためである。歪緩和層の形成は、窒化物半導体の気相成長中に成長を一時中断して、シリコン原料(モノシラン、ジシラン、テトラエチルチランなど)を供給して形成した層を歪緩和層として用いる。
また、歪緩和層としては、600℃以下の温度で成長されたバンドギャップエネルギーが発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きなGaN層、InGaN層、AlGaN層、InAlGaN層のいずれかを用いても良い。この場合、その厚さは5〜100nmであるのが好ましい。
InGaNバッファ層は、その厚さが50nm以上であるのが好ましく、そのIn組成が0.05以上であるのが好ましい。厚さが50nmより薄いと、発光ダイオードの出力の低下などが現れるからである。また、InGaNバッファ層のIn組成を0.05以上とすると、発光ダイオードの駆動電圧の低減、出力・寿命の増加が見られる。更に、出力向上の目的からは、InGaNバッファ層のバンドギャップは、発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きいのが好ましい。
発光層から発生する光のピーク波長が440nm以上であるのが好ましい。440nmよりも短波長の場合には、InGaNバッファ層での光吸収の影響により、光出力が低下するためである。発光層は、単層あるいは多層のInGaN量子井戸層と、In組成が0.05以上でありかつバンドギャップエネルギーが発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きなInGaNバリア層とからなるのが好ましい。
p型層は、その少なくとも発光層に接していない側が、InN組成が0.05以上でありかつバンドギャップエネルギーが発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きなInGaN層からなるのが好ましい。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
<実施例1>
窒化物半導体発光ダイオードの製作手順を説明する。実施例1では、図1に示すように、2インチ径のC面サファイア基板1上にMOVPE法により青色(ピーク波長460nm)あるいは緑色(ピーク波長525nm)で発光するLED構造を形成した。
具体的には、サファイア基板1をMOVPE装置に導入した後、1200℃で基板1表面をクリーニングし、その後、520℃で低温成長GaNバッファ層2を形成した。その上に、1150℃でアンドープGaN層3を2μm成長させ、更に同じ温度でn型GaN層(n型キャリア濃度:5×1018/cm)4を2μm成長させた。
その後、成長を一時中断し、成長装置にアンモニアガスと同時にシリコン原料であるSiHガスを導入し、0.5原子層のシリコンで成長表面を被覆する量に対応する量のSiHガスを供給し、歪緩和層11を形成した。その後、850℃でInGa1−bNバッファ層12を500nm形成した。
その後、成長温度を780℃(青色の場合、In組成a=0.15)あるいは730℃(緑色の場合、In組成a=0.25)として、InGa1−aN井戸層(3nm)/InGa1−bNバリア層(10nm)の6ペアの多重量子井戸からなる発光層5を成長させた。その後、1100℃でp型Al0.1Ga0.9N層(p型キャリア濃度:3×1017/cm)6を30nm、p型GaN層(p型キャリア濃度:7×1017/cm)7を170nm成長させた。
次に、リアクティブ・イオン・エッチング(RIE)装置によるエッチングにより、p型GaN層7の表面からn型GaN層4の一部までをエッチングした。その後、透明導電膜(Ni(2nm)/Au(4nm))8をRIEでエッチングされなかったp型GaN層7表面に蒸着し、酸素中で500℃で5分間熱処理を行いオーミック性の電極を形成した。続いて、RIEでエッチングした領域にTi(200nm)/Al(500nm)/Ti(200nm)を蒸着し、窒素中600℃、10分間の熱処理によりオーミック性を持つn電極とした。その後、Ti(200nm)/Au(8000nm)を上記n電極上および上記透明導電膜8と一部重なるようにp型GaN層7上に蒸着し、n電極9及びp電極10を形成した。
また、実施例と比較するために、比較例として、図2に示す構造の窒化物半導体発光ダイオードを作製した。この比較例は、上記実施例1における歪緩和層11及びInGa1−bNバッファ層12を省略し、かつ発光層6のInGa1−bNバリア層をGaNバリア層に変更した以外は、上記実施例1とほぼ同様な条件で作製したものである。
図3に、InGa1−bNバリア層およびInGa1−bNバッファ層12のIn組成bに対する、発光ダイオードに20A/cm通電時の電圧(図3(i))、20A/cm通電時の光出力(図3(ii))、および、寿命(50A/cm通電し続けた時に、光出力が初期の値の90%に低下するまでの時間とする)(図3(iii))の変化を示す。青色および緑色発光ダイオードのどちらの場合においても、b≧0.05において、比較例の発光ダイオード(b=0)と比較して、実施例1の発光ダイオードでは、電圧の大幅な低下(≦2.9V)、出力の向上、寿命の増大が見られた。
これは、歪緩和層11及びInGa1−bNバッファ層12が設けられたため、発光層5における歪が減少して、ピエゾ電界が減少したことによる動作電圧の低下と、それに伴った発熱の減少により、出力が増加し、更には劣化が遅くなったものと考えられる。
実際に、図2の半導体発光ダイオードに対して、動作時のバンド構造を、ピエゾ電界がある場合と無い場合につき、ポアソン方程式、電流連続の式を自己無撞着に解き、それぞれの場合の電流−電圧特性を求めたところ、20A/cm通電時の電圧は、ピエゾ電界がある場合で3.3V、ピエゾ電界が無い場合で2.7Vとなり、計算上でもピエゾ電界が存在すると、電子および正孔がピエゾ電界により生じるエネルギー障壁を乗り越えるために余分な電圧を印加する必要があるということが示された。
InGa1−bN層のIn組成bがInGa1−aN量子井戸層のIn組成aに近づくとともに、出力の低下と寿命の減少が見られるが、これはInGa1−bN層で光吸収が生じたことによる、光の取り出し効率の低下と、それに伴う発熱の影響と考えられる。
実施例1のInGa1−bNバッファ層12の厚さは500nmであったが、このInGa1−bNバッファ層12の厚さを変えた発光ダイオードを、更に、複数製作し、それらの特性を調べたところ、厚さが50nm以上の場合に上記実施例1と同様な結果が得られた。しかし、厚さが50nmより薄い場合には、駆動電圧の上昇、出力低下および寿命の減少が見られたが、これは歪緩和層11から発光層5へのシリコンの混入が原因であると考えられる。
<実施例2>
実施例1において、InGa1−bNバッファ層12およびInGa1−bNバリア層のIn組成bを0.05とし、n型GaN層4とInGa1−bNバッファ層(b=0.05)12との間の歪緩和層11形成時におけるSiHガスの供給量を変えて発光ダイオードを製作した。その結果を図4に示す。
まず、SiHガスを供給しなかった場合(図1の歪緩和層11を省略した構造の発光ダイオード)には、図2の比較例の発光ダイオードとほぼ同じ、電圧、光出力、および、寿命であった。また、SiHガスの供給量が0.01原子層のシリコンで成長表面を被覆する量に対応する量よりも少ない場合でも、比較例の発光ダイオードとほぼ同じ結果であった。
これに対して、SiHガスの供給量が、0.01〜3原子層のシリコンで成長表面を被覆する量の場合には、比較例の発光ダイオードと比べて電圧の大幅な低下(≦2.9V)、出力の向上、寿命の増大が見られた。
また、SiHガスの供給量が、3原子層のシリコンで成長表面を被覆する量よりも多い場合には、逆に電圧の上昇、出力の低下、寿命の減少が見られた。
これら発光ダイオードの構造をX線回折測定により調査した。その結果、歪緩和層11が無い場合、及び、ある場合でも歪緩和層11形成時のSiHガスの供給量が0.01原子層のシリコンで成長表面を被覆する量よりも少ない場合には、InGa1−bNバッファ層12は下地のn型GaN層4に擬似格子整合して、歪を内包した状態で成長していることが明らかと成った。このため、発光層5も比較例の発光ダイオードと同等の歪を受けており、発光層5内のピエゾ電界が比較例の発光ダイオードとほぼ同じ状態となっていた。このため、これらの発光ダイオードの特性は、比較例の発光ダイオードとほぼ同じであったのであった。
これに対して、歪緩和層11形成時のSiHガスの供給量が、0.01〜3原子層のシリコンで成長表面を被覆する量の場合には、InGa1−bNバッファ層12のGaN層に対する緩和度(=(InGaNバッファ層のa軸長の測定値−GaN層に格子整合するInGaNバッファ層のa軸長)/(InGaNバッファ層が完全に緩和した場合のa軸長−GaN層に格子整合するInGaNバッファ層のa軸長))が80%以上となり、ほぼ完全に歪の無い状態で成長していた。その上の発光層については、InGa1−bNバッファ層12に擬似格子整合するように成長しており、このためn型GaN層4に擬似格子整合した比較例の発光ダイオードと比べて、格段に歪の量が少なく、ピエゾ電界が大幅に低減され、駆動電圧が低減される。また、駆動電圧が低減された結果、発熱が抑えられ、発光出力が向上し、寿命も伸ものびたのである。
歪緩和層11形成時のSiHガスの供給量が3原子層のシリコンで成長表面を被覆する量よりも多い場合には、電圧が大幅に増大している。また、これに伴い発光出力が低下し、寿命が減少している。この原因は、現在のところ明らかではないが、供給したシリコンの量が多いため、歪緩和層11が絶縁体である窒化シリコンとしての物性を発現しはじめた結果、駆動電圧が上昇したものと考えられる。
<実施例3>
実施例1と同様な実験を、歪緩和層として600℃以下の温度で成長させたGaN層を用いて行った。この場合、低温成長GaN層である歪緩和層の厚さが5〜100nmの範囲で、かつ、InGaNバッファ層12の厚さが50nm以上の場合に、実施例1と同様な結果が得られた。InGaNバッファ層12の厚さが50nmよりも薄い場合には、その上に成長した量子井戸層の結晶性が劣化し、出力が低下した。
歪緩和層として、上記低温成長GaN層の換わりに、同様に600℃以下の温度で成長させたAlGaN層あるいはバンドギャップエネルギーが発光層5より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きなInGaN層またはInAlGaN層を用いた場合にも、上記と同様な結果が得られた。
<実施例4>
実施例1〜3と同様な実験を、基板をSiC、GaN、AlNの単結晶基板に換えてそれぞれ行ったところ、実施例1とほぼ同じ結果が得られた。
<実施例5>
実施例1と同様な実験を、低温成長GaNバッファ層2、アンドープGaN層3およびn型GaN層4を、AlGa1−xN(0<x<0.5)層に換えて行ったところ、実施例1とほぼ同じ結果を得た。
<実施例6>
実施例1と同様な実験を、低温成長GaNバッファ層2、アンドープGaN層3およびn型GaN層4を、InAlGaN層に換えて行った。ここでInAlGaN層は、発光層からの発光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを持つ組成とした。この場合にも、実施例1とほぼ同じ結果を得た。
<実施例7>
実施例1のInGa1−bNバッファ層12およびInGa1−bNバリア層のIn組成bを0.1とすると共に、最上層のp型GaN層7をp型InGa1−dNに換えた発光ダイオードを製作した。
その結果、0≦d<0.05の範囲では実施例1とほぼ同じ結果が得られたが、In組成dが0.05≦d<aの範囲の場合には、20A/cm通電時の駆動電圧が平均して0.02V低減され、発光出力が約8%向上し、更に寿命も約10%延びた。InGaN層ではGaN層よりも高い正孔濃度が得られることが知られているが、本実施例においてもp型層の電極を形成する面をp型InGaN層とした結果、p型GaN層を用いた場合よりも正孔濃度が増加し、その結果電極との接触抵抗が低減できた結果である。
図2に示す比較例の発光ダイオードのp型GaN層7に同様なp型InGaN層を適用した場合には、ピエゾ電界により電極/p型層間に電位障壁が形成され、電位障壁による駆動電圧増加が正孔濃度増加による駆動電圧低減よりも大きく、全体として駆動電圧が増加してしまう。
上述のように、本実施例の構造においてはInGaN層におけるピエゾ電界が弱められるため、p型InGaN層における高い正孔濃度の効果を有効に利用できたのである。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードの一実施例を示す構造断面図である。 窒化物半導体発光ダイオードの比較例を示す構造断面図である。 実施例1における、InGaNバッファ層のIn組成bと、窒化物半導体発光ダイオードの電圧、出力、寿命との関係を示す図である。 実施例2における、SiH4ガスの供給量と、窒化物半導体発光ダイオードの電圧、出力、寿命との関係を示す図である。
符号の説明
1 サファイア基板
2 低温成長GaNバッファ層
3 アンドープGaN層
4 n型GaN層
5 発光層
6 p型Al0.1Ga0.9N層
7 p型GaN層
8 透明導電膜
9 n電極
10 p電極
11 歪緩和層
12 InGa1−bNバッファ層

Claims (6)

  1. InGaN量子井戸を含み発光ピーク波長が440nm以上である発光層を備えた窒化物半導体発光ダイオードにおいて、
    基板上に少なくとも、n型GaN層と、
    上記n型GaN層上に形成される、シリコン単原子層の0.01〜3倍の量のシリコン原子を含むシリコン層あるいは窒化シリコン層からなる歪緩和層と、
    上記歪緩和層上に形成される、厚さが50nm以上、In組成が0.05以上であり、且つ、そのバンドギャップエネルギーが上記発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きいInGaNバッファ層とを備え
    上記発光層は、上記InGaNバッファ層上に擬似格子整合するように形成されることを特徴とする窒化物半導体発光ダイオード。
  2. InGaN量子井戸を含み発光ピーク波長が440nm以上である発光層を備えた窒化物半導体発光ダイオードにおいて、
    基板上に少なくとも、n型GaN層と、
    上記n型GaN層上に格子整合又は擬似格子整合せずに形成される、600℃以下の温度で成長されたバンドギャップエネルギーが上記発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きなGaN層、InGaN層、AlGaN層、InAlGaN層のいずれかであり、その厚さが5〜100nmである歪緩和層と、
    上記歪緩和層上に形成される、厚さが50nm以上、In組成が0.05以上であり、且つ、そのバンドギャップエネルギーが上記発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きいInGaNバッファ層とを備え、
    上記発光層は、上記InGaNバッファ層上に擬似格子整合するように形成されることを特徴とする窒化物半導体発光ダイオード。
  3. 上記InGaNバッファ層の上記n型GaN層に対する緩和度が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  4. 上記発光層が、単層あるいは多層のInGaN量子井戸層と、In組成が0.05以上でありかつバンドギャップエネルギーが発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きなInGaNバリア層とからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  5. 上記発光層上にp型層を備え、上記p型層の少なくとも上記発光層に接していない側が、In組成が0.05以上でありかつバンドギャップエネルギーが上記発光層より発生する光のピーク波長に対応するエネルギーよりも大きなInGaN層からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  6. 上記基板が、サファイア、SiC、GaN、AlNのいずれかからなる単結晶基板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物半導体発光ダイオード。
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