JP4899325B2 - 固体酸化物形燃料電池の製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電解質層と、電解質層の一部を挟持する一対の多孔質電極層とを有する固体酸化物形燃料電池に関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、現在、第三世代の発電用燃料電池として開発が進んでおり、円筒型、モノリス型及び平板積層型の3種類が提案されている。そのいずれもが、酸化物イオン伝導体からなる固体電解質(電解質層)を空気極層(カソード)と燃料極層(アノード)との間に挟んだ積層体を有する。通常、この積層体からなる単セルがセパレータと交互に積層されて、燃料電池スタックが構成されている(例えば特許文献1参照)。
固体酸化物形燃料電池では、空気極層側に酸素(空気)が、燃料極層側に燃料ガス(H2、CO、CH4等)が供給される。空気極層及び燃料極層は、ガスが電解質層との界面に到達することができるように、いずれも多孔質の層からなる。空気極層側に供給された酸素は、空気極層内の気孔を通って電解質層との界面近傍に到達し、この部分で空気極層から電子を受け取って酸化物イオン(O2-)にイオン化される。この酸化物イオンは、燃料極層の方向に向かって電解質層内を移動(拡散)する。そして、燃料極層との界面近傍に到達した酸化物イオンは、この部分で燃料ガスと反応して反応生成物(H2O、CO2等)となり、同時に電子を放出する。この電子は、外部電気回路を通って電気的な仕事をした後、空気極層に到達する。
空気極層側で起こる電極反応、即ち酸素分子から酸化物イオンへのイオン化反応(1/2O2+2e-→O2-)は、酸素分子、電子及び酸化物イオンの三者が関与することから、酸化物イオンを運ぶ電解質層と、電子を運ぶ空気極層と、酸素分子を供給する気相(空気)との三相の界面で起こる。燃料極層側でも同様に、電解質層と、燃料極層と、気相(燃料ガス)との三相の界面で電極反応が起こる。従って、この三相の界面を増大させることが電極反応の円滑な進行に有利であると考えられている。
電解質層は、酸化物イオンの移動媒体であると同時に、燃料ガスと空気とを直接接触させないための隔壁としても機能するので、ガス不透過性の緻密な構造となっている。この電解質層は、酸化物イオン伝導性が高く、空気極層側の酸化性雰囲気から燃料極層側の還元性雰囲気までの条件下で化学的に安定で、かつ、熱衝撃に強い材料から構成する必要があり、かかる要件を満たす材料として、イットリアを添加した安定化ジルコニア(以下、「YSZ」と略称する)等からなる金属酸化物膜が一般的に使用されている。
一方、空気極層及び燃料極層は、いずれも電子伝導性の高い材料から構成する必要がある。空気極層の材料は、1000℃前後の酸化性雰囲気中で化学的に安定でなければならないため、金属は不適当であり、例えば電子伝導性を持つペロブスカイト型酸化物材料、具体的にはLaMnO3やLaCoO3、又は、これらの材料におけるLaの一部をSr、Ca等に置換した固溶体が一般に使用されている。また、燃料極層の材料としては、Ni等の金属や、Ni−YSZ等のサーメットが一般的に使用されている。尚、Ni等の金属は、燃料極層の形成時には、通常、NiO等の酸化物の状態であるが、燃料電池の運転時(発電時)には金属(Ni等)に還元される。
この種の固体酸化物形燃料電池としては、例えば一方の電極層(燃料極層又は空気極層)を兼ねる多孔質支持基板上に、薄膜状の電解質層と他方の電極層(燃料極層又は空気極層)とを順次形成したものがある(例えば特許文献2参照)。電解質層がガスの隔壁としての機能を果たすには、緻密に形成されていることが望ましく、また、電解質層がイオン伝導膜としての機能を果たすには、その膜厚をより薄くすることが望ましい。
電解質層を形成する方法としては、例えば、多孔質電極層上にスクリーン印刷法等により電解質材料粉体を含むスラリーを塗布し、これを焼成して電解質層を形成する方法がある。この方法では、一般的に1200〜1700℃で焼結を行うことにより緻密な電解質層を形成している。この際、多孔質電極層と電解質層との熱収縮率の差を考慮して、多孔質電極層の破損を防止し、かつ電解質層を緻密に形成することが重要である。例えば、特許文献3には、比表面積(平均粒径)の異なる複数種の粉体を含むスラリーを塗布することにより、電解質層を形成する方法が提案されている。この方法によれば、経済性や量産性が向上し、かつ電解質層の大面積化が容易となる。また、特許文献4には、均質で緻密な電解質層を形成することができるスラリーが提案されている。
特開2004−79332号公報 特開2002−323362号公報 特開2001−23653号公報 特開2002−15757号公報
しかし、上記のようにスラリーを塗布する方法では、電解質材料粉体の平均粒径が数μm程度であるため、多孔質電極層の内部に電解質層を形成することが困難であった。そのため、上記方法により得られた電解質層では、上述した三相の界面、即ち電極反応の反応場(電極反応場)や、酸化物イオン伝導経路を増大させることが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、電極反応場の増大が可能で高性能な固体酸化物形燃料電池を提供する。
本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法は、電解質層と、前記電解質層の一部を挟持する一対の多孔質電極層とを有し、前記電解質層は、前記一対の多孔質電極層で挟持された第1金属酸化物膜と、一方の前記多孔質電極層内の気孔を形成する壁面の少なくとも一部に沿って形成された第2金属酸化物膜とを含み、前記第1金属酸化物膜及び第2金属酸化物膜は電解質材料で構成されており、前記一方の多孔質電極層内の全ての気孔内に前記第2金属酸化物膜の一部が存在している固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
金属源と、酸化剤又は還元剤とを含む金属酸化物膜形成用溶液に多孔質電極層を浸漬することにより、第1金属酸化物膜と、第2金属酸化物膜とを含む電解質層を形成しており、前記第1金属酸化物膜は前記多孔質電極層上に形成され、前記第2金属酸化物膜は、前記多孔質電極層内の全ての気孔において気孔を形成する壁面の少なくとも一部に沿って形成されることを特徴とする。
本発明の固体酸化物形燃料電池は、電解質層が、一方の多孔質電極層内の気孔を形成する壁面の少なくとも一部に沿って形成された第2金属酸化物膜を含むため、電極反応場や酸化物イオン伝導経路の増大が可能となる。これにより、例えば電極反応の円滑化が可能な固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
本発明の固体酸化物形燃料電池は、電解質層と、この電解質層の一部を挟持する一対の多孔質電極層とを有し、上記電解質層は、上記一対の多孔質電極層で挟持された第1金属酸化物膜と、一方の上記多孔質電極層内の気孔を形成する壁面の少なくとも一部に沿って形成された第2金属酸化物膜とを含む。これにより、例えば上記一方の多孔質電極層のガス透過性を維持した上で、上記一方の多孔質電極層の電極反応場や、酸化物イオン伝導経路を増大させることができる。これにより、電極反応の円滑化が可能な固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
上記一対の多孔質電極層としては、燃料極層及び空気極層を使用することができる。この場合、上記第2金属酸化物膜は、燃料極層及び空気極層のうちいずれか一方の電極層内の気孔を形成する壁面の少なくとも一部に沿って形成されている。
上記第1及び第2金属酸化物膜の材料としては、例えば、固体酸化物形燃料電池用の電解質材料として広く知られている酸化ジルコニウム、酸化セリウム及び酸化ランタンから選ばれる少なくとも一つを含む複合金属酸化物を使用できる。このような複合金属酸化物の具体例としては、YSZ、スカンジア安定化ジルコニア(以下、「ScSZ」と略称する)、サマリアドープドセリア(以下、「SDC」と略称する)、ガドリニウムドープドセリア(以下、「GDC」と略称する)、ランタン・ガレード等が挙げられる。また、上記複合金属酸化物は、酸化物イオン伝導性の観点から、蛍石型又はペロブスカイト型の結晶構造を有することが好ましい。なお、上記第1金属酸化物膜と上記第2金属酸化物膜とは、同じ材料からなるものを使用してもよいし、それぞれ異なる材料からなるものを使用してもよい。
上記燃料極層の材料には、例えば、セラミックス粉末材料等の酸化物イオン伝導体と金属触媒との混合物を用いることができる。酸化物イオン伝導体としては、蛍石型又はペロブスカイト型の結晶構造を有するものを好ましく用いることができる。蛍石型の結晶構造を有するものとしては、例えばサマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物等を挙げることができる。また、ペロブスカイト型の結晶構造を有するものとしては、ストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物を挙げることができる。金属触媒を構成する金属としては、還元性雰囲気中で安定であり、かつ、水素酸化活性を有する材料を用いることができ、例えば、ニッケル、鉄、コバルト等や、貴金属(白金、ルテニウム、パラジウム等)等が使用できる。上記材料の中では、水素酸化の活性が高いニッケルが好ましい。よって、酸化物イオン伝導体とニッケルとの混合物で燃料極層を形成することが好ましい。なお、酸化物イオン伝導体からなるセラミックス粉末材料とニッケルとの混合物は、両者を単に混ぜ合わせただけのものであってもよいし、セラミックス粉末をニッケルへ修飾させたものであってもよい。また、上述したセラミックス粉末材料は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。また、燃料極層は、金属触媒のみから構成することもできる。なお、燃料極層の気孔率は、通常20〜50体積%であり、望ましくは30〜40体積%である。また、燃料極層の厚みは、通常5〜50μmである。
上記空気極層の材料には、例えば、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属酸化物を用いることができる。具体的には(Sm,Sr)CoO3、(La,Sr)MnO3、(La,Sr)CoO3、(La,Sr)(Fe,Co)O3、(La,Sr)(Fe,Co,Ni)O3等の金属酸化物が挙げられ、酸化性雰囲気下の安定性の観点から(La,Sr)MnO3を使用することが好ましい。上述した金属酸化物は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。また、空気極層を形成する材料として、白金、ルテニウム、パラジウム等の貴金属を使用することもできる。なお、空気極層の気孔率は、通常20〜50体積%であり、望ましくは30〜40体積%である。また、空気極層の厚みは、通常5〜50μmである。
本発明において、上記一方の多孔質電極層の電極反応場をより増大させるためには、上記多孔質電極層と上記第1金属酸化物膜との界面から、上記多孔質電極層の深さ方向に少なくとも10nm(より好ましくは少なくとも100nm、特に好ましくは少なくとも1μm)までの範囲に存在する上記気孔内に、上記第2金属酸化物膜の一部が存在していることが好ましい。特に、上記多孔質電極層内の全ての気孔内に上記第2金属酸化物膜の一部が存在している場合は、上記多孔質電極層の電極反応場をより一層増大させることができるため、好ましい。
上記第1金属酸化物膜の厚みは、通常10nm以上50μm以下であり、好ましくは10nm以上10μm以下であり、さらに好ましくは100nm以上5μm以下であり、最も好ましくは、100nm以上1μm以下である。上記厚みが10nm未満の場合、上記一対の多孔質電極層同士が接触するおそれがある。一方、上記厚みが50μmを超えると、上記第1金属酸化物膜の酸化物イオン伝導性が低下するおそれがある。
上記第2金属酸化物膜の厚みは、10nm以上50μm以下であることが好ましく、10nm以上1μm以下であることがより好ましい。この範囲内であれば、上記一方の多孔質電極層のガス透過性を良好に維持した上で、上記一方の多孔質電極層の電極反応場を増大させることができる。
上記一方の多孔質電極層内の気孔の平均径は、1μm以上100μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。上記気孔の平均径が1μm未満の場合、上記一方の多孔質電極層のガス透過性が低下する場合がある。一方、上記気孔の平均径が、100μmを超える場合、上記一方の多孔質電極層の強度が低下する場合がある。なお、他方の多孔質電極層内の気孔の平均径についても、上記と同じ理由から上記数値範囲内であることが好ましい。
次に、上述した本発明の固体酸化物形燃料電池の好適な製造方法の一例について説明する。
まず、電解質層の形成方法について説明する。本方法では、金属源と、酸化剤又は還元剤とを含む金属酸化物膜形成用溶液に、多孔質電極層(燃料極層又は空気極層)を浸漬することにより、この多孔質電極層上に接触する金属酸化物膜(電解質層)を形成する。この方法によれば、従来の電解質層の形成方法に比べ成形温度の低減が可能となる。また、この方法により得られる金属酸化物膜は、上記多孔質電極層上に形成された第1金属酸化物膜と、上記多孔質電極層内の気孔を形成する壁面の少なくとも一部に沿って形成された第2金属酸化物膜とを含む。よって、本方法によれば、上記多孔質電極層のガス透過性を維持した上で、上述した三相の界面を増大させることができるため、電極反応の円滑化が可能となる。
上記電解質層を形成する際の支持基板として使用する上記多孔質電極層は、上述した燃料極層又は空気極層が使用できる。その構成材料等については、上述と同様であるため省略する。なお、上記多孔質電極層は、それ自体を上記電解質層の形成用の支持基板として使用してもよいし、多孔質な支持基板上に電極層の材料をコーティングしたものを多孔質電極層とし、これを上記電解質層の形成用の支持基板として使用してもよい。多孔質な支持基板の材料としては、耐熱性セラミックスや耐熱性金属等を使用することができる。
上記金属源としては、上記金属酸化物膜を構成する金属を含み、かつ後述する溶媒に溶解するものであればよい。例えば、金属塩、金属イオンに対して無機物又は有機物が配位した金属錯体、分子中に金属−炭素結合を有する有機金属化合物等を使用することができる。上記金属源は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
上記金属源を構成する金属元素としては、所望の金属組成の金属酸化物膜を得ることができれば特に限定されるものではないが、Mg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Ag、In、Sn、Ce、Sm、Pb、La、Hf、Sc、Gd、Ga及びTaから選ばれる少なくとも一つの金属元素であることが好ましい。上記金属元素は、プールベ線図において、金属酸化物として存在する領域(以下、「金属酸化物領域」という)、又は金属水酸化物として存在する領域(以下、「金属水酸化物領域」という)を有しているため、金属酸化物膜の主用構成元素として適している。更に好ましくは、電解質材料として広く知られているZr、Ce、Laが適している。上記金属源(1種又は複数種)は、上記金属元素を2種類以上含有していてもよい。通常、固体酸化物形燃料電池用の電解質層には、複数種の金属元素が使用されている。
上記金属塩としては、上記金属元素を含む塩化物、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩、リン酸塩、臭素酸塩等を挙げることができる。中でも、本発明においては、塩化物、硝酸塩、酢酸塩を使用することが好ましい。これらの化合物は汎用品として入手が容易だからである。
また、上記金属錯体や上記有機金属化合物の具体例としては、マグネシウムジエトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、カルシウムアセチルアセトナート二水和物、カルシウムジ(メトキシエトキシド)、グルコン酸カルシウム一水和物、クエン酸カルシウム四水和物、サリチル酸カルシウム二水和物、チタンラクテート、チタンアセチルアセトネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネートダイマー、チタニウムビス(エチルヘキソキシ)ビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタンペロキソクエン酸アンモニウム四水和物、ジシクロペンタジエニル鉄(II)、乳酸鉄(II)三水和物、鉄(III)アセチルアセトナート、コバルト(II)アセチルアセトナート、ニッケル(II)アセチルアセトナート二水和物、銅(II)アセチルアセトナート、銅(II)ジピバロイルメタナート、エチルアセト酢酸銅(II)、亜鉛アセチルアセトナート、乳酸亜鉛三水和物、サリチル酸亜鉛三水和物、ステアリン酸亜鉛、ストロンチウムジピバロイルメタナート、イットリウムジピバロイルメタナート、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウム(IV)エトキシド、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムモノステアレート、ペンタ−n−ブトキシニオブ、ペンタエトキシニオブ、ペンタイソプロポキシニオブ、トリス(アセチルアセトナト)インジウム(III)、2−エチルヘキサン酸インジウム(III)、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド、ランタンアセチルアセトナート二水和物、トリ(メトキシエトキシ)ランタン、ペンタイソプロポキシタンタル、ペンタエトキシタンタル、タンタル(V)エトキシド、セリウム(III)アセチルアセトナート、クエン酸鉛(II)三水和物、シクロヘキサン酪酸鉛等を挙げることができる。中でも、入手が容易で扱いやすい点から、マグネシウムジエトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、カルシウムアセチルアセトナート二水和物、チタンラクテート、チタンアセチルアセトネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネートダイマー、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、乳酸鉄(II)三水和物、鉄(III)アセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート、乳酸亜鉛三水和物、ストロンチウムジピバロイルメタナート、ペンタエトキシニオブ、トリス(アセチルアセトナト)インジウム(III)、2−エチルヘキサン酸インジウム(III)、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、ランタンアセチルアセトナート二水和物、トリ(メトキシエトキシ)ランタン、セリウム(III)アセチルアセトナートを使用することが好ましい。
上記金属源を適宜選択することによって、例えば、固体酸化物形燃料電池用の電解質材料として広く知られている酸化ジルコニウム、酸化セリウム及び酸化ランタンから選ばれる少なくとも一つを含む複合金属酸化物から構成された金属酸化物膜を形成することができる。
上記金属酸化物膜形成用溶液に用いられる溶媒は、上述した金属源を溶解することができるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、金属源が金属塩の場合は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール等の総炭素数が5以下の低級アルコール、水、トルエン、これらの混合溶媒等を使用することができ、金属源が金属錯体又は有機金属化合物の場合は、水、上述した低級アルコール、トルエン、これらの混合溶媒等を使用することができる。また、本発明においては、上記溶媒を組み合わせて使用してもよい。例えば、水への溶解性は低いが有機溶媒への溶解性は高い金属錯体と、有機溶媒への溶解性は低いが水への溶解性は高い材料(例えば後述する還元剤)とを使用する場合は、水と有機溶媒との混合溶媒を使用して両者を溶解させ、均一な金属酸化物膜形成用溶液とすることができる。
上記金属酸化物膜形成用溶液における上記金属源の濃度としては、通常0.001〜10mol/リットルであり、中でも0.01〜1mol/リットルであることが好ましい。濃度が0.001mol/リットル未満であると、金属酸化物膜の成膜反応が起こり難く、所望の金属酸化物膜を得ることができない可能性があり、濃度が10mol/リットルを超えると、沈殿物が生成する可能性があるからである。
上記金属酸化物膜形成用溶液は、上記金属源の他に、酸化剤及び還元剤から選ばれる少なくとも一つを更に含む。これにより、金属酸化物膜の成膜反応を促進させることができる。例えば、上記金属酸化物膜形成用溶液に酸化剤が含まれていると、上記金属源が溶解してなる金属イオン等の酸化が速やかに行われるため、金属酸化物膜の成膜反応が促進する。また、例えば、上記金属酸化物膜形成用溶液に還元剤が含まれていると、この還元剤が分解して電子を放出することにより水(溶媒)の電気分解反応を誘発すると考えられる。水の電気分解反応が起こると水酸化物イオンが発生し、これにより、金属酸化物膜形成用溶液のpHが上昇し、プールベ線図における金属酸化物領域又は金属水酸化物領域へとシフトするため、金属酸化物膜の成膜反応が促進する。
上記酸化剤としては、上述した溶媒に溶解し、かつ上記金属源が溶解してなる金属イオン等を酸化することができるものであれば特に限定されず、例えば、過酸化水素、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、酸化銀、二クロム酸、過マンガン酸カリウム等が挙げられ、中でも過酸化水素、亜硝酸カリウムを使用するのが好ましい。
上記金属酸化物膜形成用溶液における上記酸化剤の濃度は、酸化剤の種類に応じて異なるが、通常0.001〜1mol/リットルであり、中でも0.01〜0.1mol/リットルであることが好ましい。濃度が0.001mol/リットル未満であると、金属酸化物膜の成膜反応を促進させる効果を充分に発揮することができない可能性があり、濃度が1mol/リットルを超えると、濃度の増加に見合う効果が得られず、コスト上好ましくないからである。
上記還元剤としては、上述した溶媒に溶解し、かつ分解反応により電子を放出することができるものであれば、特に限定されず、例えば、ボラン−tert−ブチルアミン錯体、ボラン−N,Nジエチルアニリン錯体、ボラン−ジメチルアミン錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体等のボラン系錯体、水酸化シアノホウ素ナトリウム、水酸化ホウ素ナトリウム等を挙げることができ、中でもボラン系錯体を使用することが好ましい。
上記金属酸化物膜形成用溶液における上記還元剤の濃度は、還元剤の種類に応じて異なるが、通常0.001〜1mol/リットルであり、中でも0.01〜0.1mol/リットルであることが好ましい。濃度が0.001mol/リットル未満であると、金属酸化物膜の成膜反応を促進させる効果を充分に発揮することができない可能性があり、濃度が1mol/リットルを超えると、濃度の増加に見合う効果が得られず、コスト上好ましくないからである。
また、上記金属酸化物膜形成用溶液は、補助イオン源や界面活性剤等の添加剤を含有していても良い。
上記補助イオン源は、電子と反応して水酸化物イオンを発生するものであり、金属酸化物膜形成用溶液のpHを上昇させ、金属酸化物膜の成膜反応を促進させることができる。これは、プールベ線図において、金属酸化物領域や金属水酸化物領域へと誘導する働きのことである。従って、上記補助イオン源は、熱で分解して電子を放出する還元剤と組み合わせることで効果を発揮するが、金属酸化物膜形成用溶液に還元剤が含まれていなくても、加熱により酸素と分離するため、単独で酸化剤としても使用できる。なお、上記補助イオン源の使用量は、使用する金属源等に応じて適宜設定すればよい。
このような補助イオン源としては、具体的には、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、臭素酸イオン、次臭素酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン等のイオン種を挙げることができる。これらの補助イオン源は、溶液中で下記の反応を起こすと考えられている。
(化1) ClO4 - + H2O + 2e- ⇔ ClO3 - + 2OH-
(化2) ClO3 - + H2O + 2e- ⇔ ClO2 - + 2OH-
(化3) ClO2 - + H2O + 2e- ⇔ ClO- + 2OH-
(化4) 2ClO- + 2H2O + 2e- ⇔ Cl2 + 4OH-
(化5) BrO3 - + 2H2O + 4e- ⇔ BrO- + 4OH-
(化6) 2BrO- + 2H2O + 2e- ⇔ Br2 + 4OH-
(化7) NO3 - + H2O + 2e- ⇔ NO2 - + 2OH-
(化8) NO2 - + 3H2O + 3e- ⇔ NH3 + 3OH-
上記界面活性剤は、多孔質電極層表面に対する金属酸化物膜形成用溶液の濡れ性を向上させ、金属酸化物膜の成膜反応を促進させることができる。このような界面活性剤としては、具体的にはサーフィノール485、サーフィノールSE、サーフィノールSE−F、サーフィノール504、サーフィノールGA、サーフィノール104A、サーフィノール104BC、サーフィノール104PPM、サーフィノール104E、サーフィノール104PA等のサーフィノールシリーズ(以上、全て日信化学工業社製商品名)、NIKKOL AM301、NIKKOL AM313ON(以上、全て日光ケミカル社製商品名)等を挙げることができる。なお、上記界面活性剤の使用量は、使用する金属源等に応じて適宜設定すればよい。
上記金属酸化物膜形成用溶液に上記多孔質電極層を浸漬する際、上記金属酸化物膜形成用溶液及び上記多孔質電極層のうち少なくとも一方(好ましくは双方)を、10℃以上の温度に保持してもよい。金属酸化物膜の成膜反応を促進させることができるからである。金属酸化物膜の成膜反応をより促進させるためには、50℃以上の温度に加熱することが好ましく、60℃以上の温度に加熱することがより好ましい。この場合、加熱温度は、作業性の観点から、上記金属酸化物膜形成用溶液の沸点以下の温度とすることが好ましい。例えば、金属酸化物膜形成用溶液及び上記多孔質電極層のうち少なくとも一方(好ましくは双方)を、通常10〜100℃の範囲に保持すればよく、生産性の観点から50〜90℃の範囲に加熱することが好ましい。
上記金属酸化物膜形成用溶液に上記多孔質電極層を浸漬する際、上記多孔質電極層と上記金属酸化物膜形成用溶液とが接触している部分に、気泡状の酸化性ガスを接触させてもよい。上記金属源が溶解してなる金属イオン等の酸化が速やかに行われるため、金属酸化物膜の成膜反応が促進するからである。このような酸化性ガスとしては、上記金属源が溶解してなる金属イオン等を酸化することができるものであれば特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、亜硝酸ガス、二酸化窒素、二酸化塩素、ハロゲンガス等が挙げられ、中でも酸素、オゾンを使用することが好ましく、特にオゾンを使用することが好ましい。工業的に入手が容易であり、低コスト化が実現できるからである。また、上述した気泡状の酸化性ガスの導入方法については、特に限定されるものではないが、例えば、バブラーを使用する方法を挙げることができる。バブラーを使用することにより、上記多孔質電極層と上記金属酸化物膜形成用溶液とが接触している部分と、酸化性ガスとの接触面積を増大させることができ、金属酸化物膜の成膜速度を効率よく向上させることができるからである。このようなバブラーとしては、一般的なバブラーを使用することができ、例えば、ナフロンバブラー(アズワン社製)等を挙げることができる。また、上記酸化性ガスは、通常ガスボンベから金属酸化物膜形成用溶液に供給することができ、オゾンに関しては、オゾン発生装置から金属酸化物膜形成用溶液に供給することができる。
また、上記金属酸化物膜形成用溶液に上記多孔質電極層を浸漬する際、上記多孔質電極層と上記金属酸化物膜形成用溶液とが接触している部分に、紫外線を照射してもよい。紫外線を照射することによって、水の電気分解反応を促進させたり、上述した還元剤の分解を促進させたりすることができると考えられ、発生した水酸化物イオンによって、上述したように金属酸化物膜の成膜反応を促進させることができるからである。また、紫外線を照射することにより、上述した補助イオン源から水酸化物イオンを発生させたり、得られる金属酸化物膜の結晶性を向上させたりすることもできる。なお、上記紫外線としては、波長が470nm以下の近紫外光も含むものとする。
上記紫外線の波長としては、通常185〜470nmであり、成膜反応をより促進させるためには、185〜260nmであることが好ましい。また、上記紫外線の強度としては、通常1〜20mW/cm2であり、成膜反応をより促進させるためには、5〜15mW/cm2であることが好ましい。このような紫外線照射を行う紫外線照射装置としては、例えば市販の紫外線照射装置を使用することができ、具体的には、SEN特殊光源社製のHB400X−21等を使用することができる。
上記方法によって第1金属酸化物膜と第2金属酸化物膜とを含む金属酸化物膜を形成した後、得られた第1金属酸化物膜上に、この第1金属酸化物膜の構成材料と同じ材料を含むスラリーを塗布し、これを焼成して第1金属酸化物膜の厚みを厚くしてもよい。この場合のスラリーの塗布方法は特に限定されず、例えばスクリーン印刷法、ドクターブレード法等の塗布方法を用いて塗布すればよい。
また、上記方法によって金属酸化物膜、即ち電解質層を形成した後、この電解質層の洗浄及び乾燥を行ってもよい。上記電解質層の洗浄は、電解質層の表面等に存在する不純物を取り除くために行われるものである。洗浄方法としては、例えば、金属酸化物膜形成用溶液に使用した溶媒を用いて洗浄する方法等を挙げることができる。また、上記電解質層の乾燥を行う際は、常温で放置することにより乾燥してもよいが、オーブン等の加熱装置中で乾燥してもよい。
次に、上述の方法で得られた電解質層上に、上記電解質層を形成する際の支持基板として使用した多孔質電極層と対をなす多孔質電極層(燃料極層又は空気極層)を形成する方法について説明する。まず、電極層の材料とバインダーとを溶媒に加えてペーストを調製し、このペーストをスクリーン印刷法、ドクターブレード法等の塗布方法により上記電解質層上に塗布する。そして、これらを例えば1000℃以上の温度で数時間焼結することにより、上記電解質層上に燃料極層又は空気極層を形成する。以上の方法により、本発明の固体酸化物形燃料電池が得られる。
以上、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法について説明したが、上記製造方法は、本発明の固体酸化物形燃料電池の好適な製造方法の一例であり、本発明の固体酸化物形燃料電池は、上記製造方法以外の方法で製造してもよい。
以下、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照して説明する。参照する図1は、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池を示す模式断面図である。また、参照する図2は、図1に示す固体酸化物形燃料電池の燃料極層の模式断面拡大図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る固体酸化物形燃料電池10は、電解質層11と、電解質層11の一部を挟持する燃料極層12及び空気極層13とを有する。そして、電解質層11は、第1金属酸化物膜11aと第2金属酸化物膜11bとを含む。第1金属酸化物膜11aは、燃料極層12及び空気極層13で挟持されている。また、図2に示すように、第2金属酸化物膜11bは、燃料極層12内の気孔を形成する壁面12aの少なくとも一部に沿って形成されている。これにより、燃料極層12のガス透過性を維持した上で、燃料極層12の電極反応場を増大させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されない。例えば、上記実施形態では、第2金属酸化物膜が燃料極層内の気孔を形成する壁面の少なくとも一部に沿って形成されている場合について例示したが、第2金属酸化物膜が空気極層内の気孔を形成する壁面の少なくとも一部に沿って形成されていてもよい。
次に、上述した固体酸化物形燃料電池10の製造方法の一例について、図面を参照して説明する。参照する図3A,B及び図4A,Bは、上述した固体酸化物形燃料電池10の製造方法の一例を示す概略工程図である。なお、図3及び図4において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
まず、金属源と、例えば還元剤とを、水等の溶媒に溶解させて金属酸化物膜形成用溶液1(図3A参照)を調製する。そして、図3Aに示すように、金属酸化物膜形成用溶液1に燃料極層12を浸漬する。これにより、図3Bに示すように、第1金属酸化物膜11aの一部及び第2金属酸化物膜11bが形成される。その後、この燃料極層12を金属酸化物膜形成用溶液1から取り出す。
次に、図4Aに示すように、第1金属酸化物膜11aの一部上に、第1金属酸化物膜11aの構成材料を含むスラリーを塗布し、これを焼成することにより第1金属酸化物膜11aの厚みを厚くして、第1金属酸化物膜11aと第2金属酸化物膜11bとからなる電解質層11を形成する。
続いて、図4Bに示すように、電解質層11上に、スクリーン印刷法等の手段を用いて空気極層13を形成し、固体酸化物形燃料電池10が得られる。
以上、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池の製造方法の一例について説明したが、本発明の固体酸化物形燃料電池は、上記方法と異なる方法を用いて製造してもよい。例えば、上述した図4Aの工程を省略した製造方法としてもよい。その場合、図5に示すように、得られる固体酸化物形燃料電池20は、第1金属酸化物膜11aの厚みが固体酸化物形燃料電池10(図1参照)に比べ薄くなる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、上述した図5に示すような構造を有する単セルを作製した。まず、NiO粉末(粒径範囲:0.01〜10μm、平均粒径:1μm)、SDC(Ce:Sm:O=0.8:0.2:1.9)粉末(粒径範囲:1〜10μm、平均粒径:0.1μm)及びアセチレンブラックを、質量比(NiO:SDC:アセチレンブラック)が45:50:5となるようにエタノールに加え、これらをエタノール中で粉砕しながら混合した。次に、これらを乾燥して充分にエタノールを揮発させた後、一軸プレスにて成形し、セラミックスカッターにより所定の寸法に切断(トリミング)した。そして、これを1400℃で5時間焼結して、多孔質電極層となる多孔質燃料極基板(厚み:0.5mm)を作製した。
次に、硝酸セリウム(III)(関東化学社製)、硝酸ガドリニウム(和光純薬社製)及び還元剤であるボラン−ジメチルアミン錯体(関東化学社製)を、それぞれの濃度が0.01mol/リットル、0.0015mol/リットル及び0.03mol/リットルとなるように、純水に溶解させて金属酸化物膜形成用溶液を調製した。そして、この金属酸化物膜形成用溶液(80℃)中に、上記多孔質燃料極基板を20時間浸漬して、上記多孔質燃料極基板の表面を覆って形成されたGDCからなる電解質層(上記多孔質燃料極基板上の厚み:0.1μm)を得た。得られた電解質層のうち多孔質燃料極基板内に形成された領域の断面SEM写真である図6から、電解質層の一部30(即ち、第2金属酸化物膜)が、上記多孔質燃料極基板31内の気孔を形成する壁面31aの少なくとも一部に沿って形成されていることが分かった。
続いて、(Sm,Sr)CoO3(Sm:Sr:Co:O=0.5:0.5:1:3)粉末(粒径範囲:0.1〜10μm、平均粒径:3μm)及びセルロース系バインダー樹脂を、質量比((Sm,Sr)CoO3:バインダー樹脂)が80:20となるようにジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートに加えてペーストを調製し、このペーストをスクリーン印刷により上記電解質層上に塗布した後、これらを1200℃で5時間焼結することにより空気極層(厚み:30μm)を形成して、固体酸化物形燃料電池の単セルを得た。
本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池を示す模式断面図である。 図1に示す固体酸化物形燃料電池の燃料極層の模式断面拡大図である。 A,Bは、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池の製造方法の一例を示す概略工程図である。 A,Bは、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池の製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明の別の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池を示す模式断面図である。 本発明の実施例で得られた電解質層のうち多孔質燃料極基板内に形成された領域の断面SEM写真である。
符号の説明
10,20 固体酸化物形燃料電池
11 電解質層
11a 第1金属酸化物膜
11b 第2金属酸化物膜
12 燃料極層
12a,31a 壁面
13 空気極層
30 電解質層の一部
31 多孔質燃料極基板(燃料極層)

Claims (9)

  1. 電解質層と、前記電解質層の一部を挟持する一対の多孔質電極層とを有し、前記電解質層は、前記一対の多孔質電極層で挟持された第1金属酸化物膜と、一方の前記多孔質電極層内の気孔を形成する壁面の少なくとも一部に沿って形成された第2金属酸化物膜とを含み、前記第1金属酸化物膜及び前記第2金属酸化物膜は電解質材料で構成されており、前記一方の多孔質電極層内の全ての気孔内に前記第2金属酸化物膜の一部が存在している固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
    金属源と、酸化剤又は還元剤とを含む金属酸化物膜形成用溶液に多孔質電極層を浸漬することにより、第1金属酸化物膜と、第2金属酸化物膜とを含む電解質層を形成しており、前記第1金属酸化物膜は前記多孔質電極層上に形成され、前記第2金属酸化物膜は、前記多孔質電極層内の全ての気孔において気孔を形成する壁面の少なくとも一部に沿って形成されることを特徴とする固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  2. 前記第1金属酸化物膜は、厚みが10nm以上10μm以下である請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  3. 前記第1金属酸化物膜は、厚みが100nm以上1μm以下である請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  4. 前記第2金属酸化物膜は、厚みが10nm以上1μm以下である請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  5. 前記気孔は、平均径が1μm以上100μm以下である請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  6. 前記第1及び第2金属酸化物膜のうち少なくとも一方は、酸化ジルコニウム、酸化セリウム及び酸化ランタンから選ばれる少なくとも一つを含む複合金属酸化物からなる請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  7. 前記複合金属酸化物は、蛍石型又はペロブスカイト型の結晶構造を有する請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  8. 前記一対の多孔質電極層は、燃料極層及び空気極層であり、
    前記燃料極層は、蛍石型又はペロブスカイト型の結晶構造を有する酸化物イオン伝導体と金属触媒とを含む請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  9. 前記一対の多孔質電極層は、燃料極層及び空気極層であり、
    前記空気極層は、ペロブスカイト型の結晶構造を有する金属酸化物及び貴金属から選ばれる少なくとも一つを含む請求項1又は請求項8に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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