JP4899140B2 - 照明装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直下型バックライトなどの照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の直下型バックライト101は、図9に示すように、内面102aに反射層の形成されたケーシング102内部にランプ103を配置し、ランプ103上方に拡散板104や拡散シートを配置して構成されている。
拡散板104は、一般にアクリル板のような樹脂製の板材が使用され、また、ランプ103と拡散板104との間は空洞になっており、空気層が占めている。
このため、拡散板104は、その自重等の理由により、中央部が垂れ下がってしまう。
【0003】
この拡散板の垂れ下がりを防止するために、特開平10−326517号公報では、拡散板を光源側から支持するスペーサピンを設置することが提案されている(以下、従来技術という)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術では、スペーサピンが拡散板と接触あるいはかなり接近している場合、スペーサピンのある部分が暗く見えてしまい、品位劣化という問題がある。また、スペーサピンのある部分が暗く見えないように、スペーサピンと拡散板とを離すと拡散板が垂れ下がってしまい品位劣化が生じる。
このように、スペーサピンは、拡散板の垂れ下がりによる品位の劣化対策としては充分ではなかった。
【0005】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであて、その課題は拡散板の垂れ下がりを防ぐと共に発光品位の劣化を防ぐことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明で採用した技術的手段は、開口部を有するケーシング内部に配された複数の光源を備え、前記開口部から出る光を拡散するための拡散板が設けられた照明装置において、前記拡散板の発光面は、前記複数の光源に跨る1つの凸状面となっている。前記拡散板は、前記ケーシングに支持されており、前記凸状面を構成する湾曲辺の両端と前記ケーシングとの間に、熱による前記凸状面に沿った方向の伸びを許容する間隔を有するように形成されている。上記のように、拡散板の発光面を凸状面とすることで、拡散板の自重等の要因による経時変化の撓みが改善され、発光品位も保つことができる。
【0007】
拡散板を凸状とするには、発光面が凸状となるように予め形成された拡散板を利用してもよいが、外力によって湾曲させて発光面が凸状となるように取り付けられているのが好ましい。
外力によって拡散板を凸状とすることで、外力によって拡散板に生じた曲げ応力が拡散板の垂れ下がりを防止するように作用し効果的に拡散板垂れ下がりを防止できる。
拡散板を凸状とするための外力を加え方としては、当該拡散板の面と平行な方向への外力を加えるものとしてもよいが、当該拡散板の厚さ方向への外力を加えるものが好適である。拡散板の面と平行な方向から外力を加えると拡散板が温度や湿度などの外的要因により伸びた場合、拡散板の厚さ方向に力が逃げようとするため、拡散板の撓み等を生じてしまうが、拡散板厚さ方向への外力であれば、伸びの力を逃がすことができる。
【0008】
拡散板厚さ方向への外力を加えるには、前記ケーシングは、前記拡散板の周縁付近発光面側から厚さ方向に拡散板を押さえ付ける外力を与える当接部を備えているのが好適である。また、前記ケーシングは、前記拡散板の周縁を光源側から支持する第1ケース部と、前記第1ケース部とは別体でありかつ前記当接部の設けられた第2ケース部を組み立てて構成されているのが好適である。
また、拡散板厚さ方向への外力を加えるには、前記ケーシングは、拡散板の発光面が凸状湾曲する外力を与えつつ拡散板の厚さ方向両側から挟み込み保持する当接部を備えているのが好適である。
【0009】
さらに、前記拡散板の周縁と前記ケーシングとの間には、拡散板の発光面方向への伸びを許容するための間隙が設けられているのが好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1図及び第2図は、本発明に係る照明装置の一例である液晶表示装置用のバックライト1の基本態様を示しており、このバックライト1は、上方開口した筺体であるケーシング2と、ケーシング2内部に設けられた光源3と、ケーシング2の矩形状の開口部を塞ぐように設けられた矩形状の拡散板5とを備えたいわゆる直下型として構成されている。なお、拡散板5の上には必要に応じて更に拡散シート等が配置される。
【0011】
前記ケーシング2の内面は、白色又は金属色の反射層とされ、この反射層に光源3からの光が反射し、光源3からの直接光とともに拡散板5を通過して外部に照射される。この照明装置1は、液晶表示装置の液晶パネルの背面に設けられ、液晶パネルの表面から光を照射する。
前記光源3は細長い蛍光ランプからなる線状光源であり、複数の線状光源3がケーシング内に互いに平行に設けられている。
前記拡散板5は、アクリル板などの合成樹脂製の矩形状板材であり、厚さは1〜2mm程度である。光源3との間に空洞が位置するようにケーシング2に取り付けられている。この拡散板5は、光源側面5bとは反対側の面である発光面5aが凸状となっている。拡散板5は、発光面5aが凸状であるので、その自重等により中央部が垂れ下がってしまうことを防止できる。したがって、発光面の品質の劣化が改善され、ひいてはバックライト1を用いた液晶表示装置の画面品質の劣化を改善できる。また、スペーサピンを設けなくとも拡散板5の垂れ下がりを防止できるため、ピン設置による影などの品質劣化を回避できる。
【0012】
しかも、通常直下型バックライトでは中央部に比べ画面端部が暗くなるが、上記実施形態では、拡散板周縁部分における拡散板と反射層との距離が短く、従来のバックライトに比べて画面端部を明るくできる。
凸状の拡散板5を得るには、拡散板5を予め湾曲形成しておいてもよいが、バックライト組み立て時に拡散板5を湾曲させて凸状としてもよい。拡散板5の湾曲方向は任意の方向でよく、例えば図3(a)〜(b)に示すように曲げることができる。図3において矢印A1〜A5は曲げの方向を示している。図3(a)では矩形状拡散板5の一辺6と平行な方向A1に沿って曲げられており、図3(b)では矩形状拡散板6の他の一辺7と平行な方向A2に沿って曲げられている。なお、図3(a)における一辺6及び図3(b)における他の一辺7のように拡散板5の曲げによって湾曲した辺を湾曲辺ともいう。
【0013】
図3(a)(b)のように、矩形状拡散板6の4辺のうち互いに平行な2辺だけ(例えば、長辺だけ、又は短辺だけ)を湾曲辺とする場合、湾曲辺が線状光源3の長手方向と平行となるか、あるいは線上光源の長手方向と直交することになる。光源3から拡散板5までの距離は輝度の明暗に影響するので、輝度がより一定となる方を採用するのがよい。
図3(c)では矩形状拡散板6の一の対角線方向A3に沿って曲げられており、図3(d)では矩形状拡散板6の他の一の対角線方向A4に沿って曲げられている。図3(e)では矩形状拡散板6の2つの対角線方向A3,A4の双方に沿って曲げられている。
【0014】
なお、拡散板6の曲げ方は図3のものに限定されるものではなく、自重による垂れ下がりが生じる拡散板5の中央が上方(光源とは反対方向)に膨出するような形状に曲げて予め形成しておくか組み立て時に湾曲変形させることにより、拡散板5の垂れ下がりを防止できる。
拡散板6がその周縁6,7付近でケーシング2に支持される場合、その中央部が最も垂れ下がり易い。したがって、中央部の垂れ下がりを確実に防止するためには、湾曲した拡散板6の断面は、図4(a)に示すように、中央部8においてもカーブを描くアーチ型が好ましい。ただし、図4(b)に示すように、中央部9が平坦であっても端部が適当なカーブを描いていれば、拡散板5の撓みを防止することはできるので、図4(a),(b)のいずれでも採用可能である。湾曲した拡散板6の断面形状については、拡散板の材質、重量、全体形状、厚みを考慮して、適宜決定すればよい。
【0015】
図5は、平坦な拡散板5を湾曲変形させて取り付けるための構造の一例を示している。図5の例は、拡散板5に垂直方向の外力を与えて発光面5aが凸状となるようにしたものであり、図5に示す拡散板断面は、図3(a)〜(e)の矢印A1〜A4で示す方向の断面のいずれとも考えることができる。
図5の例では、拡散板5の垂直方向(厚み方向)から外力を与えて変形させるために、拡散板5の厚み方向両側(発光面5a側と光源側面5b側)に拡散板5への当接部11,12を設けて、両当接部11,12で拡散板5が湾曲するよう厚さ方向両側から拡散板5を挟み込んでいる。
【0016】
図5の例を、図3(a)又は(b)の矢印A1,A2で示す方向の断面とみた場合、当接部11,12のうち、光源側面5b側に設けられた第1の当接部11は、拡散板5の周縁の辺中央部付近に光源側面5bから発光面5a方向(図5において上方)の外力を与えるものであり、ここでは拡散板5の辺中央部に設けられている。また、当接部11,12のうち、発光面5a側に設けられた第2の当接部12は、拡散板5の周縁の辺両端部付近に発光面5aから光源側面5b方向(図5において下方)の外力P1を与えるものであり、ここでは拡散板5の辺両端部付近に設けられている。
【0017】
つまり、図3(a)〜(e)における矢印A1〜A5の矢印両端付近に光源3側へ向かう拡散板厚さ方向への外力P1を与えることにより、拡散板5を発光面5aにおいて凸状に湾曲させることができる(図5(b)参照)。
図6は、平坦な拡散板5を湾曲変形させて取り付けるための構造の他の例を示している。図6の例は、拡散板5の面(発光面)と平行な方向(拡散板5の厚み方向と直交する方向)への外力によって発光面が凸状となるようにしたものであり、図6に示す拡散板断面は、図3(a)〜(e)の矢印A1〜A4で示す方向の断面のいずれとも考えることができる。
【0018】
図6の例では、拡散板5の辺と平行な方向(厚み方向と直交する方向)から外力を与えて変形させるために、拡散板5の両端部に当接する当接部13,13が対をなして設けられている。対の当接部13,13の間隔は拡散板5の寸法よりやや小さく設定されており、対の当接部13,13が拡散板5の周縁に当接することで、拡散板5の周縁から中央部に向かう外力P2が与えられる。
拡散板5を湾曲させるという観点からは図5の例及び図6の例のいずれも採用可能であるが、拡散板5が温度や湿度などの外的要因により伸びることがあるため、拡散板5の伸びによる弊害防止という観点からは、図5の例が好ましい。
【0019】
つまり、図6の例の場合、拡散板5が平面方向に伸びた場合、当接部13の間隔が一定であるために、伸びによる力は、図6(c)のように拡散板の厚さ方向(図6(c)の上方)に逃げようとする。したがって、拡散板5には図6(d)に示すように撓みが発生したり、拡散板5が液晶パネルと接触するおそれがある。
一方、図5の例の場合、拡散板5が平面方向に伸びても、当接部11,12はその伸びを阻害しないので、当接部の存在により拡散板5の撓み等が発生することを回避することができる。
【0020】
なお、図5及び図6の例で示した当接部11,12,13はケーシング2に設けておけばよい。
図7は、図5の例を応用した拡散板取付構造を有するバックライト1を示している。このバックライト1のケーシング2は、内部光源3が配置される第1ケース部(下ケース部)21と、第1ケース部21とは別体の第2ケース部(上ケース部)22との組み立て体として構成されている。
第1ケース部21は、矩形状の底面部21の4辺から側壁21a,21bが立設され、上方開口状に形成されている。拡散板5は第1ケース部21の開口部周縁(側壁21a,21bの上端縁)に当接して支持される。第1ケース部21の内面には反射層が形成されている。
【0021】
各側壁21a,21bのうち、複数の線状光源3の長手方向両端側に位置する側壁21a(以下、短側壁21aともいう)の上端縁は、拡散板5をその一辺(短辺)6に沿って湾曲させて湾曲辺とするために上方凸状にカーブしたアーチ状に形成されている。また、各側壁21a,21bのうち、線状光源3のと平行な側壁21b(以下、長側壁21bといもいう)の上端縁は、拡散板5の他の一辺(長辺)7が湾曲辺とされないことに対応して直線状に形成されている。
第2ケース部22は、発光面に対応した矩形状の開口を有する矩形状の天面22aの4辺から側壁22b,22cが垂下して設けられている。この第2ケース部22は、拡散板5が第1ケース部21の開口部周縁に支持された状態で拡散板5の発光面5a側(図7において上方)から外嵌状に第1ケース部21に被せて組み立て立てられる。なお、第1ケース部21と第2ケース部22とは必要に応じてネジなどの固着具によって連結固定される。
【0022】
第2ケース部22の内面には、第1ケース部21とで拡散板5を挟み込むための当接部(ストッパー)12,12,12,12が設けられている。これらの当接部12は、拡散板5の発光面5a側から拡散板5に当接して拡散板5を第1ケース部21の側壁21a,21bの上端に押し付けて側壁21a,21bの上端の形状に沿って拡散板5を変形させるための外力を拡散板5に与える。この外力によって拡散板5は凸状に湾曲する。なお、当接部12は、第2ケース部22の上部開口から見て見えないように突出量が抑えられている。なお、拡散板5の大きさが300mm×400mmで厚さ2mmの場合、拡散板5の周縁に対する中央部の上方への突出量は2mm程度に設定される。
【0023】
第2ケース部22の当接部12は、第2ケース部22内面の4つのコーナ部のそれぞれに設けられており、拡散板5の湾曲辺6の両端部に当接する。したがって、第2ケース部22の当接部12は、図3(a)の第2当接部12に対応する。
また、図7において図3(a)の第1当接部11に対応するのは、第1ケース部21の短側壁21aの上端11,11である。
第1ケース部21の側壁21a,21bの上端形状のように、拡散板5の光源側又は発光面側から当接する当接部11,12のいずれか一方、あるいは双方11,12は湾曲した拡散板5の周縁に沿った形状となっているのが好ましい。この場合、拡散板5の湾曲形状が安定する。
【0024】
図8に示すように、拡散板5の湾曲辺6の両端部6a,6aとケーシング2(第2ケーシング22)との間には、拡散板5の発光面方向への伸びXを許容するための間隙Cが設けられている。この間隙により、拡散板5が外的要因により伸びたとしても、その伸びは間隙Cで許容され、拡散板5の撓み等の発生を防止できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、拡散板を凸状とすることで拡散板の垂れ下がりを防止でき、発光品位の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本態様を示す斜視図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】拡散板の曲げ方の例を示す図である。
【図4】拡散板の曲げ方の例を示す図である。
【図5】拡散板を曲げるための外力の加え方を示す図である。
【図6】拡散板を曲げるための外力の加え方を示す図である。
【図7】本発明のより具体的な態様を示す斜視図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】従来のバックライトの側面図である。
【符号の説明】
1 バックライト(照明装置)
2 ケーシング
3 線状光源
5 拡散板
5a 発光面
5b 光源側面
6 湾曲辺
7 湾曲辺
11 当接部
12 当接部
13 当接部
21 第1ケース部
22 第2ケース部
C 間隙

Claims (8)

  1. 開口部を有するケーシング内部に配された複数の光源を備え、前記開口部から出る光を拡散するための拡散板が設けられた照明装置において、
    前記拡散板の発光面は、前記複数の光源に跨る1つの凸状面となっており、
    前記拡散板は、前記ケーシングに支持されており、前記凸状面を構成する湾曲辺の両端と前記ケーシングとの間に、熱による前記凸状面に沿った方向の伸びを許容する間隔を有するように形成されていることを特徴とする照明装置。
  2. 前記拡散板は、発光面が凸状面となるように予め形成されたものが取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 前記拡散板は、外力によって湾曲させて発光面が凸状面となるように取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  4. 前記拡散板は、当該拡散板の面と平行な方向への外力によって発光面が凸状面となるように湾曲させられていることを特徴とする請求項3記載の照明装置。
  5. 前記拡散板は、当該拡散板の厚さ方向への外力によって発光面が凸状面となるように湾曲させられていることを特徴とする請求項3記載の照明装置。
  6. 前記ケーシングは、前記拡散板の周縁付近発光面側から厚さ方向に前記拡散板を押さえ付ける外力を与える当接部を備えていることを特徴とする請求項5記載の照明装置。
  7. 前記ケーシングは、前記拡散板の周縁を前記複数の光源側から支持する第1ケース部と、前記第1ケース部とは別体でありかつ前記当接部が設けられた第2ケース部を組み立てて構成されていることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
  8. 前記ケーシングは、前記拡散板の発光面が凸状湾曲する外力を与えつつ前記拡散板の厚さ方向両側から挟み込み保持する当接部を備えていることを特徴とする請求項5記載の照明装置。
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