JP3960056B2 - 液晶ディスプレイ用バックライト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ用バックライトに関し、特に、表示画面の背面に複数本の蛍光管を並べて構成される液晶ディスプレイ用バックライトの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、液晶ディスプレイは、パーソナルコンピュータやテレビモニタ等の表示装置として広く使用されている。最近は、明るい表示画面を得るために透過型液晶ディスプレイの背面にバックライトを設置して表示を行うことが多くなっている。特に、カラー表示の場合には、液晶パネルにカラーフィルタを用いるため、フィルタを多く用いることによって光透過率が低下するのでバックライトの使用が必須である。そして、近年、液晶ディスプレイに対して軽さや薄さ等の向上といった要求によって、バックライトとしてもより薄くて、よりコンパクトで明るく、均一でムラのない照明が得られるものが求められている。
【0003】
図11は従来の液晶ディスプレイ用バックライトの基本的構成の概略を示す断面図である。この図に示すように、液晶パネル部1の背面に設置されたバックライトは、並置された複数本の蛍光管4と、これらの蛍光管4を収納するハウジング3と、ハウジング3の開口部全体を覆うように配置された拡散板2とから成っている。なお、この図に示すバックライトは、直下型と呼ばれるものである。
【0004】
ハウジング3は、板状の金属(SUSやAl等)を折曲して成り、断面形状が略コの字状になっている。ハウジング3の内面には、蛍光管4からの光を反射する反射シートが貼付されている。拡散板2は、透光性の樹脂(アクリルやポリカーボネイト等)から成り、板厚は2〜3mm程度であり、蛍光管4からの直接光と反射シートからの反射光を拡散する機能を有する。拡散板2のこの光の拡散機能によって、均一でムラのない照明が得られるようになっている。
【0005】
前述したように、バックライト部の厚みは、液晶ディスプレイ全体の厚みを薄くするために薄い方が良いが、ハウジング部を薄くし過ぎると、蛍光管からの直接光と反射シートからの反射光が十分に拡散されず、照明に明暗のムラが生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の液晶ディスプレイ用バックライトでは、蛍光管から光とともに発生する熱や拡散板自身の重みによって拡散板が下方に反ってしまい、拡散板の中央部付近が蛍光管に近づくため、蛍光管からの直接光と反射シートからの反射光がハウジング内で十分に拡散されなくなり、照明に明暗のムラが目立つようになるという問題があった。
【0007】
この点の解決策として、拡散板を下から支える円錐型の支えをハウジング内に多数設けるというものがあるが、大画面の場合設置される支えの数が多くなり構造が複雑になるうえ各支えにかかる荷重にばらつきが生じて支えが破損したり、また、蛍光管からの光を支えが遮ったり放熱性等に問題があった。また、拡散板の厚みを厚くすることで強度を上げて反りを防ぐことも考えられるが、前述したように液晶ディスプレイ全体の厚みを薄くするうえで、拡散板の厚みは薄い方が良く、また、光透過率を下げないためにも拡散板の厚みを厚くすることは好ましくない。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、拡散板の反りを防止して、均一でムラのない照明が得られる液晶ディスプレイ用バックライトを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による液晶ディスプレイ用バックライトは、並置された複数本の蛍光管と、前記複数本の蛍光管を収納するハウジングと、前記ハウジングの開口部を覆うように配置されたほぼ長方形状の拡散板とから成る液晶ディスプレイ用バックライトにおいて、前記拡散板の表面の長手方向及び長手方向に垂直な方向に前記拡散板の反り防止用のリブを、前記拡散板の表面から突出させて設けたことを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、拡散板の表面の長手方向及び長手方向に垂直な方向に設けられたリブによって拡散板の長手方向及び垂直な方向の強度が上がるので、拡散板が反ってしまうのを防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態である液晶ディスプレイ用直下型バックライトの断面図、図2は図1の直下型バックライトの拡散板を示す図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態では、直下型バックライト本体10は、拡散板12、ハウジング13、蛍光管14を備え、拡散板12の下面上には複数個のリブ15が設けられている。その詳細を図2に示す。
【0017】
図2(a)は拡散板12の平面図、図2(b)はその断面図である。これらの図に示すように、拡散板12はほぼ長方形状に形成され、拡散板12の下面上に設けられた各リブ15は拡散板12と一体的に形成されている。各リブ15は拡散板12の長手方向に平行な線条突起となっており、また、拡散板12の下面に対向して並置されている各蛍光管14とも平行になっている。なお、突起の高さは、1mm程度となっており、その断面形状は三角形となっている。
【0018】
このようにすると、拡散板12のリブ15によって拡散板12の長手方向の強度が上がるので、蛍光管14から発生する熱による拡散板12の下面側の熱膨張や拡散板自身の重みによって拡散板12が長手方向下方に反ってしまうのを防ぐことができる。しかも、リブ15が一体的に形成されるため製造が容易であるとともに構造が簡素であるうえ、蛍光管14からの光を遮ることもなく、放熱性等にも影響はない。また、拡散板自身の厚みに変化はなく、光透過率を下げるようなこともない。なお、線条のリブ15が蛍光管14と平行に設けられているので、照明のムラが目立ちにくいという利点がある。
【0019】
次に、拡散板の表面に設けられるリブについていくつかの別例を挙げる。図3は本発明の第2〜5の実施形態である拡散板の平面図である。以下の各実施形態において、拡散板に形成されるリブの断面形状は、第1の実施形態と同様とする。
【0020】
図3(a)に示す第2の実施形態では、拡散板12の下面に形成された複数個のリブ16は、拡散板12の長手方向に垂直な方向に平行な線条突起となっている。このようにすると、拡散板12の長手方向に垂直な方向の強度が増して、拡散板12のこの方向の反りを防ぐことができる。
【0021】
図3(b)に示す第3の実施形態では、拡散板12の下面の長手方向とそれに垂直な方向とにそれぞれ複数個の線条のリブ17、18が形成されている。このようにすると、拡散板12の長手方向とそれに垂直な方向の両方向の強度が向上して、これら両方向の反りの防止に効果的である。
【0022】
図3(c)に示す第4の実施形態では、拡散板12の下面の長手方向とそれに垂直な方向とに各1個の線条突起19、20が形成されている。図3(d)に示す第5の実施形態では、拡散板12の下面の対角線上に各1個の線条突起21、22が形成されている。この実施形態では拡散板12の対角線上に線条突起21、22を形成したが、対角線上ではなく拡散板12の長手方向に対して斜め方向に形成したも良い。
【0023】
図4、5は本発明の第6〜9の実施形態である拡散板の要部断面図である。図4に示す第6の実施形態では、拡散板12の下面に設けられたリブ23の角24にRを付けて丸みを持たせている。このようにすると、拡散板12における光の拡散性がリブの角のところで急激に変化するのを和らげることができるので、照明のムラを解消するのにより効果的である。
【0024】
図5(a)に示す第7の実施形態では、拡散板12の下面に設けられたリブ25の断面形状が台形となっている。これにより、断面形状が三角形のときに比べて強度がより向上する。
【0025】
図5(b)に示す第8の実施形態では、リブ26、27が拡散板12の下面と上面とにそれぞれ形成されている。これにより、拡散板12の強度が向上するとともに、拡散板12の上面に取り付けられる各種フィルム(レンズフィルム、拡散フィルム等)の貼り付きを上面に設けられた各リブ27によって防止することができ、貼り付きによるムラの解消にも効果的である。
【0026】
図5(c)に示す第9の実施形態では、リブ28を別体とし、拡散板12の下面にリブ28を後付けするようになっている。このとき、拡散板12はポリカーボネイト等から形成し、一方、リブ28はポリカーボネイトより硬質なアクリル等から形成する。このようにリブ28を別体とすることで、リブ28と拡散板12を別部材で形成することが可能となり、拡散板12には輝度を均一することに適した材質を用いる一方でリブ28には強度のある材質を用いることができる。これによって、拡散板12の強度を効果的に向上させることができ反り防止に役立つとともに、リブ28のパターンによっては押し出し成形等によって一体的に形成するよりも製造が容易である。
【0027】
また、図6は本発明の第10の実施形態である直下型バックライトの分解斜視図、図7は図6の直下型バックライトの側面図である。なお、図6においては収納される蛍光管は省略されている。
【0028】
図6、7に示すように、本実施形態では、直下型バックライト本体30は、拡散板32、リアシャーシ(ハウジング)33、ランプ支持台34、蛍光管35から成る。リアシャーシ33は、板状の金属(SUSやAl等、板厚は0.8〜1.5mm程度)を折曲して成り、断面形状が略コの字状になっているとともに、その両側面部39の上端部37は水平外側に向けて折曲している。そして、この両側面部39の上端部37の上面には、表面から上方に向けて突出する複数個の爪38が上端部37に沿って設けられている。また、リアシャーシ33の両側面部39はこれを倒そうとする方向(図7においては左右方向)に弾性を有している。
【0029】
一方、拡散板32の長手方向の両端部には、リアシャーシ33の各爪38と掛合する複数個の係合孔36が両端部に沿って設けられているとともに、この係合孔36が設けられた両端部間の間隔は、リアシャーシ33の弾性を有する両側面部39の上端部37間の間隔よりも短くなっている。なお、ランプ支持台34は、台形をした板状の樹脂から成り、リアシャーシ33の側面形状に係合するものとなっており、また、リアシャーシ33内に並置された各蛍光管35は、この一対のランプ支持台34のそれぞれに対向して設けられた各ランプ支持孔40によって、蛍光管35の両端に取り付けられたランプ支持ホルダー(図示せず)を介して支持固定されるとともに、一対のランプ支持台34もリアシャーシ33の両側面に取り付け固定される。
【0030】
このとき、リアシャーシ33の両側面部39はこれを倒そうとする方向に可動となっており、この両側面部39の上端部37に設けられた各爪38に拡散板32の各係合孔36を掛合させることで、拡散板32は、リアシャーシ33の両側面部39の弾性力によって、爪38の外側の側面部分が係合孔36の外側内面に当接するとともに、これを外側に向けて押すことになるので、長手方向の両外側に向けて引っ張られるようにリアシャーシ33の開口部に取り付けられる。
【0031】
これによって、拡散板32は常に長手方向の両外側に向けて引っ張り続けられるので、拡散板32が長手方向に反ってしまうのを防ぐことができる。なお、リアシャーシの両側面部を結ぶ方向(図7における左右方向)を長手方向とするものについて述べたが、並置された蛍光管に沿って横に長いものであっても同様に構成すれば良い。その場合、拡散板の各係合孔は拡散板の長手方向に垂直な方向の両端部に設けられ、拡散板はこの長手方向に垂直な方向の両外側に向けて引っ張られることになるので、拡散板の長手方向に垂直な方向の反りを防ぐことができる。
【0032】
図8、9は本発明の第11〜13の実施形態である直下型バックライトの側面の一部分を示す図である。図8に示す第11の実施形態では、拡散板32側の下面の両端部に表面から下方に向けて突出する複数個の爪41が両端部に沿って設けられており、リアシャーシ33側の両側面部39の上端部37には、この拡散板32の各爪41と掛合する複数個の係合孔42が上端部37に沿って設けられている。その他の構成は第10の実施形態と同様である。このようにしても、前述した第10の実施形態と同様に、拡散板32の反りを防ぐことができる。
【0033】
図9(a)に示す第12の実施形態では、図6、7における第10の実施形態と同様の構成であるが、リアシャーシ33の両側面部39の上端部37に設けられた各爪43が斜め上方外側に向けて折曲して形成されており、各爪43がこれを倒そうとする方向(図においては左右方向)に弾性を有する点が異なっている。なお、この図において拡散板は省略されている。このようにすると、リアシャーシ33の各爪43に拡散板32の各係合孔36を掛合させている状態において、拡散板32は、リアシャーシ33の両側面部39の弾性力によって両外側に向けて引っ張られるとともに、弾性を有する爪43によっても、爪43の外側の側面部分が係合孔36の外側内面に当接してこれに外向きの力を加え続けるので、外側に向けて付勢され引っ張られることになる。この爪43の弾性によって、蛍光管35から光とともに発生する熱による拡散板32の長手方向の熱膨張を効果的に吸収することができ、拡散板32の反りを防ぐことができる。
【0034】
図9(b)に示す第13の実施形態も、図6、7の第10の実施形態と同様の構成であるが、リアシャーシ33の各爪38の外側の側面にコイル状のバネ44が水平外向きに取り付けられる点が異なっている。このようにしても、バネ44の弾性によって、コイル状の各バネ44の他端が拡散板32の各係合孔36の内面に当接するとともに、これを外側に押し続けることで、拡散板32は両外側に引っ張られ、拡散板32の熱による膨張を効果的に吸収することができ、反りを防止することができる。なお、コイル状のバネの代わりに板バネ等を用いても良い。
【0035】
図10は本発明の第14の実施形態である直下型バックライトの拡散板の平面図である。図10に示す第14の実施形態は、図6、7の第10の実施形態と同様の構成であるが、拡散板32の長手方向に平行な複数個の線条のリブ45が、拡散板32の下面の対向する各一対の係合孔36上に設けられる点が異なっている。なお、拡散板32に設けられた線条のリブ45の断面形状については、図1、2の第1の実施形態と同様である。このようにすると、拡散板32の長手方向の強度が上がって、拡散板32の反り防止により効果的である。特に係合孔36上にリブ45を形成することで係合孔36付近の強度も補強でき、拡散板32が外側への引っ張り方向に対して強度が向上する。なお拡散板32に爪を設けた場合、リブの延長線上に爪を設けることで同様の効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明の液晶ディスプレイ用バックライトは、拡散板の表面にリブを設けたことによって、拡散板の強度が上がり拡散板が反ってしまうのを防ぐことができた。また、拡散板が両外側に向けて引っ張られるようにしたことで、拡散板の反りが防止でき、均一でムラのない照明を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である直下型バックライトの断面図。
【図2】図1の直下型バックライトの拡散板を示す図であり、(a)は拡散板の平面図、(b)はその断面図。
【図3】本発明の第2〜5の実施形態における拡散板の平面図。
【図4】本発明の第6の実施形態における拡散板の要部断面図。
【図5】本発明の第7〜9の実施形態における拡散板の要部断面図。
【図6】本発明の第10の実施形態である直下型バックライトの分解斜視図。
【図7】図6の直下型バックライトの側面図。
【図8】第11の実施形態における直下型バックライトの側面の一部を示す図。
【図9】第12、13の実施形態における直下型バックライトの側面の一部を示す図。
【図10】第14の実施形態における拡散板の平面図。
【図11】従来の液晶ディスプレイの断面図。
【符号の説明】
10、30 直下型バックライト
12、32 拡散板
13、33 ハウジング(リアシャーシ)
14、35 蛍光管
15〜23、25〜28、45 リブ
24 リブの角
36、42 係合孔
37 上端部
38、41、43 爪
39 側面部
Claims (1)
- 並置された複数本の蛍光管と、前記複数本の蛍光管を収納するハウジングと、前記ハウジングの開口部を覆うように配置されたほぼ長方形状の拡散板とから成る液晶ディスプレイ用バックライトにおいて、
前記拡散板の表面の長手方向及び長手方向に垂直な方向に前記拡散板の反り防止用のリブを、前記拡散板の表面から突出させて設けたことを特徴とする液晶ディスプレイ用バックライト。
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