JP4898057B2 - フラップ用付属品 - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は、一般にフラップを使用したタイヤを嵌合するホイールリムに設けられた弁通過オリフィスを覆うようにフラップとともに使用されるフラップ用付属品に関する。
【0002】
(背景技術)
内側チューブを備えたタイヤはフラップの使用を必要とする。公知のように、フラップは一方の側の内側チューブと他方の側のリム溝の底部およびタイヤビードとの間に配置された弾性体保護リングである。フラップは内側チューブがリムとビードとの間に挟まれないようにし、内側チューブがリムと接触しないように、或いはリムに対して擦らないように保護する。これは、制動機構の近傍を考慮して、転動中、ホイールリムが非常に高い温度に達することがあるので、特に有用である。
【0003】
フラップの使用に関連した問題のうちの1つは、ブレーキからの熱と相俟って内側チューブにより及ぼされる圧力の作用下でリムに存在する弁通過オリフィスを通るフラップのクリープから生じ、実際、これらの条件下では、フラップは上記オリフィスを通して漸次絞られることが分かった。この機構は一般に弁オリフィスの領域においてフラップの局部的薄肉部を有しており、従って、リムの方向に変位される弁ステムはブレーキドラムと摩擦接触して容易に想像できる結果を伴う恐れがある。
【0004】
フラップが弁通過オリフィスの中へクリープするのを防ぐために、フランス特許第2177645号は、一方では、弁の通過を許容するようになっているフラップのオリフィスに嵌入され、その内壁部を構成する、たとえばプラスチック材料製の剛性挿入体と、他方では、上記挿入体すべてのまわりにフラップの半径方向内面のライニングを構成する補強弾性体混合物製層とよりなる補強組立体を提案している。剛性挿入体および補強弾性体層はリムの弁通過オリフィス内へのフラップのクリープを制限し、また、挿入体はブレーキドラムに向かう弁ステムの変位を防ぐ。しかしながら、弾性体層の使用を提案しているこの解決策は、この補強組立体を備えたタイヤをしようする条件により、フラップが90℃ないし100℃以上の温度、すなわち、弾性体自身がクリープを受ける温度範囲まで加熱される場合には満足すべきものではない。他方、上記組立体の製造および次のそのフラップへの嵌合は複雑になる。何故なら、多くの工程、すなわち、挿入体の成型および次の位置決め、補強弾性体層の製造および例えばプレスによる次のフラップへの接合が含まれるからである。
【0005】
本発明の目的は従来技術の欠点が無く、特に、弁通過オリフィスへのフラップのクリープを制限するか或いは無くすことを可能にするフラップ付属品を提案することである。
【0006】
(発明の開示)
本発明によるフラップ付属品は、一面が嵌合位置にあるフラップと接触するようになっている本質的に長円形形状の基部と、上記基部の上記面から突出している中空の円筒形挿入体とを備えた成型要素の形態をとっており、上記基部には、挿入体への膨らまし弁ステムの通過を許容するオリフィスが挿入体の端部に設けられていることを特徴としている。また、本発明による付属品は成型可能な耐熱性材料、すなわち、時間とともに事実上いずれのクリープを示すことなしに少なくとも180℃までの温度に耐えることができる材料から一部片に形成されている。
【0007】
この良好な耐温度性により、特に過酷な転動条件、詳細には、繰り返し制動の結果、高温に達しても、経時的のフラップのクリープを防ぎ、且つ上記フラップが少なくとも一部、リムの弁通過オリフィスの中へ移動するのを防ぐことができる。
【0008】
本発明によるフラップは好ましくはプラスチック材料、詳細には、ポリアミドから製造される。
【0009】
上記付属品の基部は、リムとフラップとの間に挿入されるようになっている薄板の形態であり、この薄板はこれがリム弁通過オリフィスを覆ってすべての側でオリフィスを超えて延びるような面積を有している。円筒形挿入体の場合、この挿入体はフラップに設けられた円筒形弁通過オリフィスに押し嵌めで挿入されて基部を構成する板とフラップ自身との接触を確保し、且つフラップおよびリムにそれぞれ課せられる力に関係なく上記基部を適所に保持しながら、側壁部を構成するようになっている。「押し嵌め」は、挿入体をフラップ内にしっかり保持するためにフラップが挿入体に半径方向の力を及ぼすようにフラップを弾性的に変形することにより挿入体がフラップに導入されることを意味している。
【0010】
有利には、付属品の基部を構成する材料は、フラップの丸い形状を追従することが必要であるかぎり、基部が変形することができるように、適切な長さ方向の曲げ可撓性を上記基部に与えるべきである。
【0011】
変形実施例では、付属品の基部はフラップと接触するようになっているその面に基部の全幅にわたって延びているリブまたは逃げ突起を備えており、これらのリブまたは突起は、一定に間隔を隔ててもよいし隔てていなくてもよく、上記基部と平行なフラップを構成する材料のクリープを低減するか或いは防ぎ、且つ本質的にリブの方向と直角な方向に延びる軸線を中心とする大きな曲げ剛性を基部に与えるようになっている。
【0012】
嵌合時または取外し時における挿入体への弁ステムの通過を容易にするために、本発明によるフラップ付属品は基部との連結領域に形成された適切な寸法を有する少なくとも1つの開口部を備えている。
上記の本発明は非限定例の実施例に言及する説明および下記の図により良く理解されるであろう。
【0013】
(発明を実施するための最良の形態)
図1に示す変形例による付属品10は本質的に長円形の形状を有しており、挿入体1および基部2よりなり、これらの挿入体および基部は断熱性材料から成型される単一要素を構成する。図1の図はホイールリムに取付けされたタイヤの適所にあるときのフラップの半径方向内面と接触するようになっている付属品の面を示している。
【0014】
図1に示すように、付属品10の基部2は2つの切頭半ディスク(この変形例では、本質的に長円形形状のものであるが、もちろん、リムにおける弁通過オリフィスが付属品により覆われるなら、任意の形状も適切である)により短辺の各々が延長された矩形形状を有する薄板の形態である。好ましくは、基部の面積はリムの弁通過オリフィスを覆うことができ、且つ上記基部の平面においてあらゆる方向に弁通過オリフィスを超えて少なくとも5mmだけ延びるような面積である。基部2を構成する板は(Sで示した陰影領域として図1に示す)オリフィス11があけられており、また上記オリフィス11の延長部を構成するように配置された中空の円筒形形状の挿入体1を有している。挿入体1は基部2と一体に形成されており、これを挿入すべきフラップに設けられた弁通過オリフィスの位置に対応するように、基部の長さに沿って中央には位置決めされていない。しかしながら、挿入体1は基部2の幅方向に心出しされている。
基部2を構成する板の厚さは好ましくは0.5mmと2.5mmとの間で選択される。
【0015】
従来技術のフランス特許代2177645号におけるように、挿入体が突出する基部の面に対して測定された挿入体の高さは、フラップが転動中にクリープするなら、フラップの弁オリフィスの半径方向外側クラウンに位置する弁の部分が挿入体の上部に支持され、ブレーキドラムと接触されることがないような程度である。
【0016】
図示の例では、付属品10はこれを190℃の温度まで満足すべき耐熱クリープ性にするポリアミド(ナイロン66)から成型される。しかしながら、成型せることができ、且つ少なくとも180℃までの温度まで上昇したときに良好な寸法安定性を確保することができるなら、またフラップの幾何形状に適合し且つこれに追従することができる適切な変形弾性を基部にもたらすなら、材料の選択に制限が無い。
【0017】
フラップと接触するようになっている基部2の面には(この面は挿入体1が突出する面に相当する)、矩形リブ3が挿入体帯域のいずれの側にも上記基部の全長に沿って一定の間隔で成型されている。これらのリブは好ましくは連続しており、またフラップを構成する材料における基部のある種の固定を生じるのに十分な高さのものであり、それにより、特にフラップが過酷な温度条件にさらされる場合に、基部と本質的に平行な方向におけるフラップの変形を減じる。上記例では、リブは半円筒体として成形されるが、もちろん、この形状は限定するものではない。
【0018】
線H-Hに沿って図1に示す付属品10の横断面を表す図2に示すように、挿入体1は基部2との連結領域がわずかに広げられた円筒体の形状を有しており、上記基部2から最も離れたその領域にいくつかの厚い部分4が設けられており、これらの部分4は挿入体1をその外面(挿入体をフラップに設けられた弁通過オリフィスに嵌入する間、フラップと接触している面に相当する)上の全体にわたって覆うリングとして形成されている。これらの厚い部分4の役割は挿入体をフラップのオリフィスを通して導入することであるが、挿入体が意図せず或いは偶然に抜け出さないようにすることである。これらの厚い部分に上記機能に適切な形状を与えることが賢明であり、選択され且つ図2に示す横断面で見られる例では、本質的に鋸歯形状を選択してあり、各歯の厚さは基部2に向けて増大している。挿入体1の端部のところのオリフィス11は弁ステムの通過を許容する。この通過を容易にするために、挿入体1に開口部5が設けられている。
【0019】
図3に示す付属品10の線III-IIIに沿った横断面では、基部2との連結領域において挿入体1に設けられた2つの直径方向に対向した開口部5を容易にみることができる。これらの開口部5の役割は挿入体への弁の挿通を容易にすることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フラップと接触するようになっている付属品の外面の平面図である。
【図2】 断面平面II-IIに沿った図1に示した付属品の長さ方向の平面図である。
【図3】 断面平面II-IIと直角な断面平面III-IIIに沿った図1の付属品の横断面図である。
Claims (5)
- 空気圧タイヤの内側チューブと弁通過オリフィスを備えている上記空気圧タイヤの取付けリムとの間に配置されるようになっているフラップ用の付属品(10)であって、中空の円筒体の形状を有する剛性挿入体(1)をフラップと接触するようになっている面に設けた長円形形状の基部(2)を備えている付属品(10)において、成型することができ且つ少なくとも180℃の温度までクリープに耐える単一材料から製造された成型要素の形態であり、付属品(10)がフラップ内の適所にあると、長円形形状の基部(2)は弁通過オリフィスを通るフラップのクリープを回避するように弁通過オリフィスを覆い、基部(2)はフラップと接触するようになっている面にいくつかの突起またはリブ(3)を備えており、上記突起またはリブは基部(2)の主寸法に対して横方向に且つその主寸法全体を横切って延びていることを特徴とするフラップ用付属品(10)。
- リムの弁通過オリフィスを覆う長円形形状の基部(2)は、上記基部の平面においてあらゆる方向に弁通過オリフィスを超えて少なくとも5mmだけ延びていることを特徴とする請求項1に記載のフラップ用付属品(10)。
- 付属品用の材料がプラスチック材料であることを特徴とする請求項1または2に記載のフラップ用付属品(10)。
- 挿入体(1)は、挿入体をフラップに設けられたオリフィスに導入し、且つ上記オリフィスからの意図しない挿入体の脱出を防ぐように成形された厚肉部分(4)をその外面に有していることを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載のフラップ用付属品(10)。
- 挿入体(1)は、弁ステムの位置決めを容易にするのに適切な寸法の少なくとも1つの開口部(5)を基部(2)との連結領域に備えていることを特徴とする請求項1ないし4のうちのいずれか1項に記載のフラップ用付属品(10)。
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