JPH0127921Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は樹脂製ハーフキヤツプをデイスクホ
イールに取り付ける装置に関するものである。

従来、デイスクホイールに取り付けるハーフキ
ヤツプはステンレス製であり、該ハーフキヤツプ
の本体の外周を軸方向に伸ばして取付部を設け、
該取付部に内側へカールした部分を形成し、デイ
スクホイールに取り付けるクリツプと上記カール
部分を嵌合させて、ハーフキヤツプをデイスクホ
イールに固定している。このように、ハーフキヤ
ツプをステンレス製とした場合、加工性の問題か
ら意匠形状が限定され、かつ、コストが高くなる
欠点がある。

この考案は、ハーフキヤツプを樹脂で形成し、
意匠の自由度を拡大すると共にコストの低下を図
るものであり、かつ、樹脂製とした場合に生じる
熱変化の問題をクリツプ嵌合部の外周を補強用ワ
イヤで締め付けて変形を防止するようにしたこと
を特徴とする樹脂製ハーフキヤツプの取付装置を
提供せんとするものである。

以下に、図示の実施例について本考案を具体的
に説明する。

樹脂で一体成型したハーフキヤツプ１には、略
円盤状のハーフキヤツプ本体１ａの裏面に、周方
向に間隔をあけて数ケ所に軸方向に突出したアン
ダーカツトリブ１ｂを設け、該リブ１ｂの先端部
内面に略山形状に突出したクリツプ嵌合部１ｃを
形成している。また、各リブ１ｂの周方向両端に
半径方向に突出したリブ１ｄを設け、リブ１ｂよ
り外側へ突出した部位をワイヤ取付リブ１ｅと
し、上記クリツプ嵌合部１ｃと略同一高さの位置
にワイヤ嵌合溝１ｆを設けており、また一方、リ
ブ１ｂより内側へ突出した部位を位置決めリブ１
ｇとしている。上記リブ１ｇの間に、隣接するリ
ブ１ｇを連続する周方向の位置決めリブ１ｈを設
け、かつ、該リブ１ｈの内面に間隔をあけて内方
へ突出した位置決めリブ１ｉを設けている。さら
に、上記各アンダーカツトリブ１ｂの周方向中心
部の内側には、本体１ａの裏面と連続した位置決
めリブ１ｊを設けている。

上記ワイヤ嵌合溝１ｆには、鋼製で円環状の補
強用ワイヤを前以て嵌め込んでおき、該ワイヤ２
がアンダーカツトリブ１ｂのクリツプ嵌合部１ｃ
の外周に丁度嵌合するようにしている。該ワイヤ
２は嵌合する際は、両端が開口状態となつている
が、嵌合後は、ブツシユ３にその両端を差し込
み、これをカシメで連結し、ワイヤ２の開きを防
止している。

上記ハーフキヤツプ１を取り付けるデイスクホ
イール４には、従来と同様に、クリツプ取付凸部
５を周方向に間隔をあけて４ケ所設けており、該
クリツプ取付凸部５に穿設されたクリツプ取付穴
５ａに、従来使用されているＵ字状嵌合部６ａを
備えたクリツプ６を取り付けている。

上記デイスクホイール４にハーフキヤツプ１を
取り付ける場合、ハーフキヤツプ１には前以つて
ワイヤ２を外嵌しておき、アンダーカツトリブ１
ｂがクリツプ６の取付部に位置するように、クリ
ツプ６の両側に位置決めリブ１ｇが位置すると共
に、位置決めリブ１ｊがクリツプ６の上方に位置
するように配置して、押し込んでいく。アンダー
カツトリブ１ｂの先端のクリツプ嵌合部１ｃがク
リツプ６と当接すると、Ｕ字状嵌合部６ａの一端
突出部を内方に押圧して凹部に嵌め込み、クリツ
プ６の上端が位置決めリブ１ｊと当接して停止す
る。このように、Ｕ字状嵌合部６ａにクリツプ嵌
合部１ｃが嵌合した場合、クリツプ６の弾性力に
よつて、アンダーカツトリブ１ｂは外側への力を
受けるが、外側はワイヤ２により締め付けられて
いる。そのため、アンダーカツトリブ１ｂはクリ
ツプ６に固定され、よつて、ハーフキヤツプ１は
デイスクホイールに確実に取り付けられる。

上記の如くデイスクホイール４に取り付けた樹
脂製ハーフキヤツプ１が熱を受けた場合には、ア
ンダーカツトリブ１ｂにワイヤ２を嵌合している
ため変形は防止され、クリツプ６と常時確実に嵌
合している。

以上の説明より明らかなように、この考案によ
れば、ハーフキヤツプを樹脂で形成しているた
め、加工性の問題からくる意匠形状の限定がな
く、意匠の自由度が大きくなり、デザイン性が向
上する。また、ステンレス製と比較して樹脂製と
すると、コストの低下が図れる。さらに、ハーフ
キヤツプを樹脂化することにより生ずる熱変形の
問題は、ワイヤにより補強しているため、簡単に
防止することができる利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るハーフキヤツプの裏面
図、第２図は第１図の−線断面図、第３図は
デイスクホイールにクリツプを取り付けた斜視
図、第４図はデイスクホイールにハーフキヤツプ
を取り付けた状態を示す断面図である。 １……ハーフキヤツプ、１ｂ……アンダーカツ
トリブ、１ｃ……クリツプ嵌合部、１ｅ……ワイ
ヤ取付リブ、１ｆ……ワイヤ嵌合溝、１ｇ，１
ｈ，１ｉ，１ｊ……位置決めリブ、２……ワイ
ヤ、４……デイスクホイール、６……クリツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 樹脂製ハーフキヤツプ１の略円盤状のハーフキ
   ヤツプ本体１ａの裏面に、周方向に間隔をあけて
   数箇所に軸方向に突出したアンダーカツトリブ１
   ｂを設け、該アンダーカツトリブ１ｂの先端部内
   面に略山形状に突出したクリツプ嵌合部１ｃを形
   成し、該クリツプ嵌合部１ｃをデイスクホイール
   ４に固定しているクリツプ６と嵌合するように
   し、かつ、上記アンダーカツトリブ１ｂより外側
   へ突出したワイヤ取付リブ１ｅを設け、該ワイヤ
   取付リブ１ｅの上記クリツプ嵌合部１ｃと略同一
   の高さ位置にワイヤ嵌合溝１ｆを設け、該ワイヤ
   嵌合溝１ｆに補強用のワイヤ２を嵌め込んでお
   き、ハーフキヤツプ取付時に、上記ワイヤ２によ
   りクリツプ６と嵌合するアンダーカツトリブ１ｂ
   を締め付けて、デイスクホイール４へのハーフキ
   ヤツプ１の固定を確保することを特徴とする樹脂
   製ハーフキヤツプの取付装置。