JP4896841B2 - 動摩擦係数測定方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、胴部が円筒状に形成された物品の動摩擦係数、特に胴部外周面における円周方向の動摩擦係数を測定する方法および装置に関する。
物品を工業的に製造する製造ラインにおいて、物品がコンベア等に載置された状態で搬送される場合がある。胴部が円筒状に形成されている物品では、物品同士が接触しても互いに損傷を受ける可能性が小さいことから、物品同士が接触可能な状態で搬送されるように製造ラインを構成することが多い。
このような円筒状の胴部を有する物品が互いに接触するような搬送方法においては、多列状態で搬送されていた物品を経路の途中で単列での搬送に切り替えて搬送する場合がある。このような場合、搬送経路の幅が狭くなる場所で、物品同士が接触して経路の切り替わり部分に詰まってしまい、後の工程へ搬送できなくなってしまう不具合が生じる可能性がある。特に、物品の外周面の動摩擦係数が高い場合には、接触した物品同士の滑りが悪いので、経路上での物品の詰まりが生じ易く、一旦、物品の詰まりが発生するとその後の工程へ物品を搬送できず、製造ラインを一時的に停止して詰まりを解消しなければならなくなる(詰まった箇所の物品を取り除かなければならなくなる)為、生産性が低下してしまう。したがって、物品同士の外周面における動摩擦係数を把握して物品外面の滑り性を管理することは重要である。
また、このように工業的に生産される物品として、飲料等を収容する容器である金属缶やPETボトル等のような、胴部が円筒状に形成された容器がある。これらの容器は製造ライン等において搬送される際、前述のように、コンベア等に載置された状態で容器同士が接触しながら搬送されることが多く、したがって、搬送経路上で詰まりが生じる問題がある。特に、内容物が充填される前の金属製の缶やPETボトルは軽量であるから、ごく僅かな摩擦係数の違いでも搬送状態に大きな影響を与える。したがって、容器の外周面における動摩擦係数を管理することは容器の製造において特に重要である。
動摩擦係数は、物品と物品との接触面に対して垂直な方向の垂直荷重(垂直抗力)と、物品が移動している際に接触面からその物品に働く荷重を動摩擦力として測定することにより、動摩擦係数が垂直荷重に比例するというクーロンの摩擦法則から算出される。従来、容器同士の外周面の動摩擦係数を測定する方法として、図3に示すように、荷重を負荷して積み重ねた容器を引っ張る際の引っ張り力を動摩擦力として測定し、負荷した垂直荷重と測定された引っ張り力から動摩擦係数を求める方法が用いられている。
その方法について簡単に説明すると、図3の(a)はその方法を実施している状態の正面図、図3の(b)は側面図であり、ここに示す例は、フランジ20が一端部に形成された缶21の動摩擦係数を測定している例であり、測定台22上に左右の一対の側板23が、缶21の外径のほぼ二倍の間隔をあけて起立状態に設けられ、それらの側板23の間に二つの缶21,21が、同じ向きでかつその軸線を水平にした横倒し状態に配置され、それらの缶底(ボトム)が測定台22に設けられた押さえ板24に当接されている。その押さえ板24の高さは、缶21の外径より低く、上記の二つの缶21の上に他の缶21がいわゆる俵積み状態に載せられている。該他の缶21は、下側の二つの缶21,21とは反対向きに配置され、そのフランジ20が前記押さえ板24の上側を通過するようになっている。また、上側に載せられている缶21の内部には、予め重量を測定してある重り25が挿入され、この重り25によって上下の缶21の接触荷重を確保するようになっている。上下合計三つの缶21,21,21を上記のようにセットした状態で、上側の缶21をその中心軸線方向に沿ってそのフランジ20側に引っ張り、その引っ張り荷重と、缶21および重り25の重量から動摩擦係数を算出する。
このような方法で測定できるのは、厳密に言うと容器外面の縦方向の動摩擦係数である。ところが、実際の製造ラインでは、容器が直立した状態で搬送され、また、搬送される容器は搬送経路に配置されるガイドや容器同士の接触によって回転力が加えられ、回転しながら搬送されている場合が多い。従って、回転する容器同士が接触する場合がほとんどであり、搬送される容器は胴部の円周方向の摩擦力を受けながら搬送されている。すなわち、図3のような従来の測定方法では実際の搬送状態とは異なる方向の動摩擦力を測定して動摩擦係数を算出しているので、実際の製造ラインでの動摩擦係数を管理するためには不適当となる場合がある。特に、容器外周面の摩擦特性が容器の縦方向と円周方向で異方性を持っていると、図3の方法で測定した縦方向の動摩擦係数が適正な値を示していても、円周方向では動摩擦係数が高い場合があり、このような従来の方法で測定した動摩擦係数では適切な管理を行うことが困難な場合があった。
特許文献1には、プラスチック容器の摩擦係数測定装置が記載されている。この測定装置では、二つのサンプルの一方を静止させて保持し、他方を回転可能に保持し、静止させてあるサンプルは片持ち状に保持するとともにその自由端側に重りを吊り下げて荷重を加えることにより二つのサンプルを接触させ、すなわち摩擦係合させた状態として、回転可能に保持したサンプルを回転させる際のトルクを測定することにより、容器同士の外周面の動摩擦係数を測定するものである。この装置では、一方のサンプルを固定しておき、これに他方のサンプルを一定の荷重で接触させ、その接触状態を保ったまま強制的に回転させるので、容器の円周方向の動摩擦係数を測定することができる。
特表2004−528577号公報
ところが、特許文献1の方法では、片持ち状態で保持された測定対象の容器に重りで荷重を負荷する構成となっているので、二つの容器の接触状態を軸線方向で均一にする事が難しく(自由端側が下方に傾く場合等)、垂直荷重にバラツキが生じやすい。そのため、容器の固定の状態や容器同士を接触させるときの荷重の調整など、接触状態および測定条件を一定に保つことが難しい。一般に、摩擦係数はその接触状態により同一の容器でも異なった値を示すものであり、したがって、特許文献1の測定方法で測定される摩擦係数の値もバラツキが大きくなり易く、測定結果の正確さも低下し、精度が悪くなることにより、適切な摩擦係数の管理を行うことが困難であった。また、特許文献1の測定方法では、容器内にロッドを挿入して容器を保持する必要があるため、内径の異なる容器を測定する場合には、ロッドを交換する必要がある等、測定の準備や測定条件の調整に手間がかかり、測定に要する時間も長くなって、労力がかかる問題があった。
本発明は、上記の様な課題に鑑み、円筒状の胴部を有する物品の胴部の円周方向の動摩擦係数の測定を正確に精度良く、しかも容易に測定できる測定方法および測定装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、円筒状の胴部を有する物品の外周面の動摩擦係数を測定する動摩擦係数測定方法において、測定対象である同一外径の三つの前記物品のうち、下段に二つ、上段に一つの前記物品を、各々の中心軸線を平行として横倒しに俵積み状に積み重ね、前記上段の一つの物品に該物品の回転を阻止する回転阻止手段を取り付け、前記上段の一つの物品の回転を前記回転阻止手段によって阻止した状態で、前記下段の二つの物品を同一方向へ回転させて、前記上段の一つの物品の外周面に対し摩擦力を加え、前記上段の一つの物品の回転を阻止している前記回転阻止手段に加えられる荷重を測定することにより、前記物品の円筒状の胴部における円周方向の動摩擦係数を測定することを特徴とする方法である。
また、請求項2の発明は、円筒状の胴部を有する物品の外周面の動摩擦係数を測定する動摩擦係数測定装置において、測定対象である同一外径の三つの前記物品のうち、下段に二つ、上段に一つの前記物品を、各々の中心軸線を平行として横倒しに俵積み状に積み重ね可能な載置部と、前記載置部上の下段の二つの前記物品が所定の間隔以上離れないように保持する保持手段と、前記載置部上の下段の二つの前記物品を同一方向へ回転させる物品回転手段と、前記上段の一つの物品に取り付けられて該上段の一つの物品の回転を阻止する回転阻止手段と、前記回転阻止手段に加わる荷重を測定する荷重測定手段とを備えていることを特徴とするものである。
さらに、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記保持手段は、前記下段の二つの物品の胴部に接触して円周方向の回転に対して回転自在に構成されたガイド部であり、前記物品回転手段は、前記下段の二つの物品の中間にその中心軸が位置するように配置されて、物品の中心軸線と平行な回転軸線周りに回転し、該下段の二つの物品に同時に接触して、同一方向に回転させる円筒状のロールであることを特徴とする動摩擦係数測定装置である。
請求項1の発明では、測定対象となる実質的に同一外径の三つの円筒状物品のうち、下段に二つ、上段に一つの円筒状物品を、各々の中心軸線を平行として横倒しにして積み重ねることにより俵積みにし、下段の二つの円筒状物品をそれぞれの中心軸線を中心として、同時に同一の方向へ回転させ、上段の物品に作用する摩擦力を測定するので、測定条件を一定に保つことが容易になる。すなわち、測定に当たっては、物品を俵積みにして、回転阻止手段を上段の物品に取り付けるだけで測定の為の設定が完了するので、物品を固定したり、接触力を調整する等の手間がなく、従って、調整を行うことによる測定条件のバラツキも生じないため、精度の高く正確な測定を行うことが可能となる。また、測定における調整の手間が少ないことから、短時間で容易に測定を行うことができる。
請求項2の発明では、載置部を有することにより、円筒状物品を横倒しにして俵積みにすることが可能であり、上段の物品の回転を阻止する回転阻止手段が設けられ、上段の物品の回転を阻止した状態で回転阻止手段に加わる荷重を測定する荷重測定手段が設けられている。従って、物品が俵積みにされ、下段の物品を同一の方向に回転させる構成としたことにより、物品の接触状態のバラツキが少なく、軸線方向でほぼ均等に垂直荷重が加わることにより、接触状態が一定となり、また、三つの物品を俵積みにして、上段の物品に回転阻止手段を取り付けるだけで測定が可能となるので、垂直荷重や接触位置を調整するなどの測定にあたっての調整要素が少なくなり、従って、そのような調整要素に起因する測定値のバラツキも小さくなり、精度良く正確な値を測定できる。また、調整のために要する労力が軽減され、短時間で容易に測定を行うことができる。また、測定装置の製造に当たっては、少ない部品点数で簡易な構造とされていることから、製造コストを低く抑えることができる。
請求項3の発明では、前記保持手段が、前記物品の胴部に接触し円周方向の回転に対して回転自在に構成されたガイド部であることにより、下段の物品の回転や表面状態に影響を与えることがなく、正確な測定を行うことができる。また、物品回転手段を、下段の二つの物品の中間にその中心軸が位置するように配置して、物品の中心軸と平行な回転軸線周りに回転させ、該下段の二つの物品に同時に接触させて、同一の方向に回転させる円筒状のロールとして構成したので、下段の二つの物品を同一の周速度で回転させることが容易となる。また、一本のロールが二つの物品に同時に接触している為、接触するロールの表面の状態がそれぞれの物品に対してほぼ等しく保たれるので、二つの物品に加えられる摩擦力が等しくなり、物品と回転手段との接触状態を一定に保つことができるので、容易に正確な測定を行うことができる。
さらに、下段の二つの物品をそれぞれ別個に回転させるように回転手段を設ける場合と比べて、部品点数が少なく、装置を低コスト化でき、また、構造が単純であることから装置の保守が容易となり、保守に必要な手間や費用を抑えることができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。図1は本発明にかかる動摩擦係数測定装置に測定対象の物品として円筒状の胴部を有する金属製の缶を載置した状態を示す斜視図、図2は固定クランプ部近傍の断面を示す模式図である。
図1に示す動摩擦係数測定装置では、基盤部1の両端に側壁となる一対の支持体2が起立して設けられ、両支持体2の間に、物品回転手段として外周面がゴムで形成された円柱状のゴムロール3、およびこれも外周面がゴムで形成された2本の円柱状のガイド4が、それぞれ回転可能に支持されている。前記ゴムロール3は、図示しないモータに接続され、当該モータは回転数の制御が可能であり、前記ゴムロール3を任意の回転数でその中心軸線周りに回転させることができるようになっている。これらゴムローラ3とガイド4とにより載置部が構成されており、俵積みにされる三つの缶5のうち、下段の二つの缶5が胴部外周面の下側を前記ゴムロール3に接触させ、横側を前記ガイド4に接触させた状態で、載置部に横倒しで載置され、これら二つの缶5の間に上段の缶5が載せられる。
上段の缶5には、缶5の回転を阻止しかつ缶5に荷重を加える重りを兼ねた固定クランプ6が上段の缶5における胴部を挟んで取り付けられている。固定クランプ6における缶5を挟持する部分は、缶5の表面状態に影響を与えないよう、柔軟で滑りにくい素材としてゴムを用いている。なお、ゴムローラ3,ガイド4、および固定クランプ6の挟持部に用いるゴムとしては、シリコンゴム等の適宜の素材を用いることができる。
固定クランプ6には接触部7が設けられ、図2に示すように、接触部7は、固定クランプ6が上段の缶5に装着された状態で上段の缶5の側方に位置するように設けられた荷重測定手段8に接触可能とされている。荷重測定手段8は、前記基盤部1に起立状態に固定された板状体にロードセル9が取り付けられて構成され、ロードセル9が測定対象の缶5の胴部に面するように設置されている。そして、前記固定クランプ6の接触部7がロードセル9に接触することにより、そこに加わる荷重が測定される。
このように缶5が俵積み状に載置された状態で、物品回転手段である前記ゴムロール3が所定の回転速度で回転する。そうすると、前記ゴムロール3に接触している下段の二つの缶5に摩擦力が加えられ、下段の缶5は同一の方向に同じ回転速度で回転する。そして、これらの下段の缶5に載せられた上段の缶5は、下段の缶5から摩擦力を加えられることにより、下段の缶5とは逆方向に回転しようとするが、固定クランプ6に胴部を挟まれており、前記固定クランプ6は接触部7を介して荷重測定手段8に接触することにより、上段の缶5が回転しようとする方向には回転しないよう構成されているため、上段の缶5はその方向に回転することができない。したがって、上段の缶5は回転せずに、回転している下段の缶5と接触して摩擦力を受け、固定クランプ6からは缶5の回転を阻止するだけの摩擦力を受けて、上段の缶5の胴部は下段の缶5に対して滑りながら、釣り合い状態となって静止する。この状態で、荷重測定手段8により、上段の缶5の回転を阻止するのに要する荷重が測定される。そして、この荷重と固定クランプ6の重量および上段の缶5の重量から動摩擦係数μが求められる。
動摩擦係数の求め方について図5を参照して説明する。固定クランプ6の接触部7に作用する荷重Fと前記上段の缶5の中心軸から接触部7までの水平方向の距離Lから上段の缶に作用しているトルクT(T=LF)を求める。ここで、上段の缶5と下段の缶5との接触点Pにおける動摩擦力fと缶5の外周半径rから求められるトルクt(t=rf)は、上段の缶が下段の缶と2カ所で接触していることから、前記Tの2分の1に等しくなる。したがって、動摩擦力fは下記の式(1)で求められる。
f=(LF)/2r … (1)
また、接触点Pにおける缶表面の接線方向と垂直な方向の垂直抗力Nは、固定クランプの重量と上段の缶5の重量とを合わせた重量Wが作用する鉛直方向の分力Nvが重量Wの2分の1に等しくなるように作用する。図5に示した接触点Pにおける垂直抗力Nが鉛直方向となす角度(上段の缶5と下段の缶5との接触角度)をθとすると、分力NvはNcosθとなるので、Nは下記の式(2)で求められる。
N=W/(2cosθ) … (2)
したがって、動摩擦係数μ(μ=f/N)は、上記式(1)および(2)から、下記の式(3)で求められる。
μ=(Lcosθ/r)×(F/W) … (3)
このようにして算出した動摩擦係数μを用いて缶5の表面の滑りやすさを評価することができるが、搬送経路での缶5の滑りやすさを評価して缶5の製造ラインでの搬送性を管理する様な場合には、相対的な比較ができればよいので、動摩擦係数μを算出せずに、より簡便な指標によって缶5の滑りやすさを評価することもできる。
例えば、荷重Fを固定クランプ6の重量と上段の缶5の重量とを合わせた重量Wで割ることにより求められる値C(C=F/W)を動摩擦係数を相対的に示す為の指標として用いることができる。同一の測定装置を用い、同じ測定条件で測定した場合、前記式(3)中の距離L、角度θ、外周半径rは定数となり、前記値Cは動摩擦係数μに比例するので、Cの値を比較することにより、相対的に缶5の滑りやすさを評価することができる。すなわち、Cの値がより大きい場合には相対的に滑り難く、より小さい場合には相対的に滑り易いといえる。
上記の測定装置を使用して、飲料用金属缶5の動摩擦係数μおよび動摩擦係数を相対的に示す指標Cを求めた。
まず、組成が異なる外面塗料を8種類用意し、これらの外面塗料を塗布した容量約350ml、外周半径が約33mmのアルミニウム合金製の飲料用缶のサンプルを製造した。これらの8種類のアルミ缶サンプルのうち3缶を1セットとして、12セットについての前記荷重Fと前記重量Wを測定した。前記荷重Fは、載置部に缶が俵積みされた状態で、前記ゴムロールを回転速度毎分5mで12秒間回転させ、ロードセルで0.1秒毎に計測される荷重の平均値を算出し、その測定値とした。重量Wは、測定前の上段の缶の重量を測定し、固定クランプの重量(87g)を加算して求めた。また、測定装置において、前記上段の缶5の中心軸から接触部7までの水平方向の距離Lは55mm、上段の缶5と下段の缶5の接触角度θを35°とした。そして、これらの値から動摩擦係数μおよび指標Cを算出した。各サンプルで得られた動摩擦係数μおよび指標Cの最大値と最小値を表1に示す。
比較例として図3に示す従来の測定方法を用いて指標Cを算出した。実施例と同様の8種類のサンプル缶を用意し、3缶を1セットとして12セットについての測定を行った。重りは60gの重さとし、測定前の上段の缶5の重量を測定してこれらを加算することにより重量Wを求めた。荷重Fは、上段の缶5を水平方向に毎分18cmの速度で引っ張って移動している間の引っ張り力を測定し、0.1秒毎に計測される値の平均とを算出し、その測定値とした。この荷重Fと重量Wから指標Cを算出した。各サンプルで得られた指標Cの最大値と最小値を表1に示す。
また、これら8種類の缶5について、コンベアー上での缶5の搬送性を評価する試験を行った。その試験に使用するテストコンベアーは、図4に示すもので、4列のコンベアー11〜14から単列のコンベアー11への切り替えを想定しており、4列のコンベアー11〜14のうち、一方の端の列のコンベアー11が単列のコンベアー切り替え後の単列のコンベアーとして機能するように構成されており、他方の列の側から単列のコンベアー11側に向けて進行方向に対して斜めに設けられたガイド15により、単列のコンベアー11へ缶5を搬送していくもので、単列コンベアーとして機能する第1列のコンベアー11の速度が毎分80mとなっており、その隣の第2列のコンベヤー12が毎分60m、残りの第3列のコンベヤー13、第4列のコンベアー14はそれぞれ毎分50mとなっている。このテストコンベアーを使用して、コンベアー上に缶を50個載せ、缶ストッパー16で缶5が流れない状態でコンベアーをスタートさせる。すると、コンベアー11,〜14により前進した缶5が缶ストッパー16によって前進を阻止された状態となる。この状態で缶ストッパー16を解除し、単列コンベアー11への出口付近に設けた光電センサー17によって最初の缶5が通過してから最後の缶5が通過するまでの通過時間を計測した。通過時間が短い程、搬送性が良いと判断され、通過時間が長くなる程、搬送性が悪いと判断される。各サンプルについて、12回の測定を行った。通過時間が3.7秒未満の最も搬送性が良いものを◎、3.7秒以上4.15秒未満のものを○、4.15秒以上のものを×として評価し、各サンプルの結果を表1に示した。
Figure 0004896841
表1に示すように、実施例においては、各サンプルについて缶5の円周方向における動摩擦係数μを測定することができた。また、実施例では、各サンプルの通過時間に応じて、指標Cの値に差が出ているが、比較例では、サンプルNo.1、No.2で値に差がみられず、サンプルNo.3からNo.7の間でも値に差がでなかった。従って、物品の搬送性を相対的に評価する場合、実施例の測定に基づく指標Cの値による搬送性の評価は、比較例に比べて精度が高く、搬送性に対する相関も高い為、搬送性を相対的に評価する測定方法として優れている。すなわち、本発明による測定により、実際の搬送に近い状態での缶5表面の摩擦特性を精度良く評価することができる。
以上、本発明の動摩擦係数測定方法及び測定装置について具体的に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り種々変更が可能である。例えば、本発明における回転阻止手段は、測定対象である物品に凸部や凹部などの円周方向に対する係合部がある場合には、その係合部に一体化させたレバーなどの部材を介して回転を阻止し、かつトルクもしくは荷重を外部に伝達できる構成のものであってもよい。また、物品を回転させる手段は、ローラに限らず、ベルトなどのいわゆる走行体であってもよい。さらに、ガイド部は、ローラ以外に、例えば、固定軸に多数のコロを一定間隔にかつ回転自在に取り付け、そのコロに物品を接触させて回転自在に保持する構成であってもよい。
本発明に係る動摩擦係数測定装置を模式的に示す斜視図である。 その動摩擦係数測定装置の縦断側面図である。 従来の動摩擦係数測定方法を説明するための概略図である。 4列のテストコンベヤーを用いた搬送性評価の試験を説明するための模式図である。 動摩擦係数の求め方を説明するための参考図である。
符号の説明
3…ゴムローラ(物品回転手段)、 4…ガイド、 5…缶(物品)、 6…固定クランプ、 8…荷重測定手段、 9…ロードセル。

Claims (3)

  1. 円筒状の胴部を有する物品の外周面の動摩擦係数を測定する動摩擦係数測定方法において、
    測定対象である同一外径の三つの前記物品のうち、下段に二つ、上段に一つの前記物品を、各々の中心軸線を平行として横倒しに俵積み状に積み重ね、
    前記上段の一つの物品に該物品の回転を阻止する回転阻止手段を取り付け、
    前記上段の一つの物品の回転を前記回転阻止手段によって阻止した状態で、前記下段の二つの物品を同一方向へ回転させて、前記上段の一つの物品の外周面に対し摩擦力を加え、
    前記上段の一つの物品の回転を阻止している前記回転阻止手段に加えられる荷重を測定することにより、
    前記物品の円筒状の胴部における円周方向の動摩擦係数を測定することを特徴とする動摩擦係数測定方法。
  2. 円筒状の胴部を有する物品の外周面の動摩擦係数を測定する動摩擦係数測定装置において、
    測定対象である同一外径の三つの前記物品のうち、下段に二つ、上段に一つの前記物品を、各々の中心軸線を平行として横倒しに俵積み状に積み重ね可能な載置部と、
    前記載置部上の下段の二つの前記物品が所定の間隔以上離れないように保持する保持手段と、
    前記載置部上の下段の二つの前記物品を同一方向へ回転させる物品回転手段と、
    前記上段の一つの物品に取り付けられて該上段の一つの物品の回転を阻止する回転阻止手段と、
    前記回転阻止手段に加わる荷重を測定する荷重測定手段と
    を備えていることを特徴とする動摩擦係数測定装置。
  3. 前記保持手段は、前記下段の二つの物品の胴部に接触して円周方向の回転に対して回転自在に構成されたガイド部であり、
    前記物品回転手段は、前記下段の二つの物品の中間にその中心軸が位置するように配置されて、物品の中心軸線と平行な回転軸線周りに回転し、該下段の二つの物品に同時に接触して、同一方向に回転させる円筒状のロールである
    ことを特徴とする請求項2に記載の動摩擦係数測定装置。
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